JP2001230092A - 高圧放電ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプ点灯装置および照明装置

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JP2001230092A
JP2001230092A JP2000004303A JP2000004303A JP2001230092A JP 2001230092 A JP2001230092 A JP 2001230092A JP 2000004303 A JP2000004303 A JP 2000004303A JP 2000004303 A JP2000004303 A JP 2000004303A JP 2001230092 A JP2001230092 A JP 2001230092A
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pressure discharge
light
lighting device
lamp
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Hisashi Honda
久司 本田
Kazutoshi Mita
一敏 三田
Seiji Ashida
誠司 芦田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】蛍光ランプ用の点灯回路手段のような負荷特性
を備えた点灯回路手段で始動し点灯して、グロー・アー
ク転移時に電極物質の蒸発による黒化を生じにくい高圧
放電ランプ点灯装置とその照明装置。 【解決手段】好適には透光性セラミックスからなる透光
性放電容器1は、放電空間を包囲する包囲部1aおよび
包囲部1aの両端に連通した一対の凹窪部1cを備えて
いる。電極2は、透光性放電容器1の凹窪部1c内に挿
通して凹窪部1cの内面と電極2との間にわずかな隙間
gを形成し、かつ先端が包囲部1a内に突出している。
導入導体3の先端が電極2の基端部に固着され、透光性
放電容器1は導入導体3を介して封止されている。放電
媒体は、始動ガスおよびバッファガスとしてネオンおよ
びアルゴンを含んでいる。高圧放電ランプを始動点灯す
る点灯回路手段は、2次開放電圧から2次短絡電流まで
連続している負荷特性を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧放電ランプを
小形の点灯回路手段で始動点灯可能にした高圧放電ラン
プ点灯装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバー用光源やハロゲン電
球代替光源として、ランプ電力が10〜30W程度の小
形のメタルハライドランプが開発されている。このよう
なメタルハライドランプは、ランプ効率がハロゲン電球
に比較して約3〜4倍であるとともに、電球形蛍光ラン
プに比べて著しく小さいので点光源として扱える。
【0003】したがって、上記した小形のメタルハライ
ドランプは、ハロゲン電球と電球形蛍光ランプの利点を
備えた光源であるといえる。しかし、高圧放電ランプで
あるから、始動時に比較的高いパルス電圧を発生するた
めのイグナイタを組み込んだ安定器すなわち点灯回路手
段またはイグナイタを組み込んでいない点灯回路手段と
別設のイグナイタとを用いる必要がある。もちろん、電
球形蛍光ランプもまた放電ランプであるので点灯回路手
段を必要とするが、高圧放電ランプ用の点灯回路は電球
形蛍光ランプのそれに比較すると、圧倒的に大きい。こ
のため、折角小形の高圧放電ランプが開発されても、光
源、安定器すなわち点灯回路手段および照明器具をシス
テムとして捉えたときには、結局大きなものになってし
まう。
【0004】そこで、本発明者は、この問題を回避する
ために蛍光ランプ特に電球形蛍光ランプに用いられてい
る小形の高周波インバータを主体とする点灯回路手段を
使用することを検討した。この点灯回路手段は、一般に
回路構成が簡単で、かつ高周波で動作するために、小形
であることに加えて軽量で安価である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高圧放電ラ
ンプを蛍光ランプ用の小形の点灯回路手段で点灯させる
と、始動点滅時に激しい黒化を生じることが分かった。
【0006】本発明者が上記黒化の原因と対策について
詳細に調査した結果、以下の結論を得た。 (1)黒化物は、電極物質のタングステンが主体であ
る。 (2)黒化は、始動時、特にグロー・アーク転移時に電
極のタングステンが蒸発し、透光性放電容器の内面に付
着することによって発生する。
【0007】これらの結論の下に、さらに始動点滅時に
黒化を生じない従来の高圧放電ランプ用の点灯回路手段
と比較しながら、グロー・アーク転移時の電極の挙動を
調査した結果、蛍光ランプ用の点灯回路手段と、高圧放
電ランプ用の点灯回路手段との間に存在する負荷特性の
差が原因の一つであることが分かった。
【0008】図1は、高圧放電ランプ用の点灯回路手段
および蛍光ランプ用の点灯回路手段の負荷特性を示すグ
ラフである。
【0009】図において、横軸は電流を、縦軸は電圧
を、それぞれ示す。
【0010】図中、曲線Aは高圧放電ランプ用の点灯回
路手段の負荷特性を、曲線Bは蛍光ランプ用の点灯回路
手段の負荷特性を、それぞれ示す。なお、高圧放電ラン
プの定格動作点は、両点灯回路手段とも負荷特性の電圧
72〜75V、電流280〜340mAの範囲に生じる
ので、ほぼ同様である。
【0011】しかし、高圧放電ランプ用の点灯回路手段
の負荷特性は、図の曲線Aに示すように、2次開放電圧
V20が相対的に低くて、2次短絡電流Isが大きい。
これは、始動時にはイグナイタによって高いパルス電圧
を発生して、これを点灯回路手段の出力電圧に重畳して
印加するので、点灯回路手段としては始動時に高電圧を
必要としないし、高圧放電ランプにおいては始動時にラ
ンプ電圧が低いので、ランプ電流が大きくなるからであ
る。
【0012】これに対して、蛍光ランプ用の点灯回路手
段の負荷特性は、図の曲線Bに示すように、2次開放電
圧V20が相対的に高く、また2次短絡電流Isが小さ
くて、これらの2点間において連続的に形成されてい
る。このため、グロー・アーク転移時に相当する低電流
域、たとえば30mA以下の領域では、2次供給電圧が
高圧放電ランプ用の点灯回路手段の負荷特性に比べてか
なり高い。
【0013】さらに、グロー・アーク転移時のグロー電
力を求めた結果、蛍光ランプ用の点灯回路手段を用いた
場合は、高圧放電ランプ用の点灯回路手段を用いた場合
の数倍であった。
【0014】以上のことから、前述の黒化は、過剰なグ
ロー電力による電極物質のタングステンの蒸発が原因の
一つであると考えられる。
【0015】一方、前述の黒化は、グロー・アーク転移
時間の如何によっても影響されることが分かった。すな
わち、従来、石英ガラス放電容器を備えた高圧放電ラン
プを従来の一般的なコイルおよび鉄心形の高圧放電ラン
プ用の安定器すなわち点灯回路手段で点灯する場合、始
動時の黒化は、グロー放電中の水銀イオンおよび希ガス
イオンによるタングステン電極のスパッタイリングによ
って生じるので、黒化を少なくするには、グロー・アー
ク転移時間が短いほどよいと考えられていた。
【0016】しかし、本発明者の調査によると、透光性
セラミックス放電容器を備えた高圧放電ランプにおいて
は、その特有の構成とグロー放電時の独特な挙動のため
に、グロー・アーク転移時間が短すぎると黒化が促進さ
れることが分かった。
【0017】また、反対に、グロー・アーク転移時間が
長すぎても、黒化にはよくないことも分かった。以下、
グロー・アーク転移時間と黒化の関係について説明す
る。
【0018】すなわち、透光性セラミックス放電容器を
備えた高圧放電ランプは、透光性セラミックス放電容器
が放電空間を包囲する包囲部と、この包囲部に連通する
小径筒部とで形成され、小径筒部の内部に電極軸部が挿
通され、小径筒部の内面と電極軸との間にキャピラリー
と称されるわずかな隙間が環状に形成されている。そし
て、高圧放電ランプの安定点灯状態においては、わずか
な隙間の奥の部分に余剰の放電媒体が液相状態で滞留
し、その表面に最冷部が形成されるので、高圧放電ラン
プの消灯中にわずかな隙間の内部には、放電媒体が液相
ないし固相状態で、しかも電極に接触した状態で多量に
付着している。
【0019】高圧放電ランプが始動する際には、わずか
な隙間内の電極軸部および先端の電極主部を含む全体が
電極として作用して、それらの周囲にグロー放電が生起
する。このとき、グロー・アーク転移電力の一部が放電
媒体の蒸発のために消費されて、放電媒体は、その殆ど
がいったん蒸発する。これは相対的にグロー・アーク転
移に必要な温度であるところのグロー・アーク転移温度
までの温度上昇を遅らせ、グロー・アーク転移時間を長
くする。グロー・アーク転移時間が長すぎると、電極の
スパッタリングが顕著となり、黒化が発生する。このた
め、放電媒体の量および種類によってもグロー・アーク
転移は影響を受け得る。しかし、放電媒体のうち発光金
属は、Na、Tl、InやNa、Tl、Dyなどの組み
合わせ使用が考えられるが、それらのグロー・アーク転
移に与える差は余りなかった。
【0020】これに対して、グロー・アーク転移時間が
長くならないように、始動時の高圧放電ランプへの全投
入電力を、最少グロー・アーク転移電力より多めにする
ことも考えられるが、過度なグロー電力の供給は、電極
が過剰に加熱される原因となり、電極の過剰な蒸発を招
来して、やはり黒化促進の原因となる。
【0021】そうして、高圧放電ランプがグロー放電か
らアーク放電に転移した後は、電極主部にアークスポッ
トが形成されるので、余剰の放電媒体は、再びわずかな
隙間の奥の部分に凝集して液相状態で滞留し、その表面
が最冷部になって、高圧放電ランプは安定点灯する。
【0022】なお、石英ガラス放電容器を備えた高圧放
電ランプは、多くの場合に最冷部が放電空間を包囲する
包囲部の内面の電極から離間した一部に形成されるの
で、グロー・アーク転移時間をできるだけ短くすること
が黒化に対して有効とされている。また、蛍光ランプ用
の高周波点灯に用いる点灯回路手段で高圧放電ランプを
点灯した場合の黒化について論じたものは、少なくとも
本発明者の知る範囲では見当たらない。
【0023】しかし、高圧放電ランプを安定に点灯する
には、常に音響的共鳴現象が生じないようにしなければ
ならない。以下、音響的共鳴現象について説明する。す
なわち、従来からこの音響的共鳴現象を回避する手段と
して種々の提案がなされている。そのうちの簡単にして
効果的な手段は、高圧放電ランプの共振周波数より明ら
かに低い動作周波数で高圧放電ランプを点灯することで
ある。
【0024】高圧放電ランプの共振周波数は、透光性放
電容器の放電空間の形状およびサイズによって変化す
る。そして、特に放電空間の形状が複雑たとえば円筒形
状であると、複数のモードの共振周波数が現れる。この
ため、共振周波数における複数のモードのうち最低周波
数である基本周波数のモードより明らかに低い動作周波
数で高圧放電ランプを点灯しないと、音響的共鳴現象を
回避することができない。
【0025】ところが、上記の条件を満足しようとする
と、動作周波数を著しく低くしなければならなくなり、
これに伴い点灯回路手段の小形化を図ることができなく
なる。これに対して、音響的共鳴現象の基本周波数のた
とえば10倍程度の十分に高い動作周波数で高圧放電ラ
ンプを点灯すれば、音響的共鳴の問題を回避できること
も知られている。しかし、このように動作周波数が高く
なると、放射ノイズおよびラインノイズが極めて強くな
る。これを電磁シールドによって対応すると、結局高圧
放電ランプ点灯装置が大形化してしまうという問題があ
る。
【0026】ここにおいて、本発明は、高圧放電ランプ
およびまたはその点灯回路手段を改良して小形化を図る
とともに、グロー・アーク転移時に電極物質の蒸発によ
る黒化を生じにくい小形の高圧放電ランプ点灯装置およ
びこれを用いた照明装置を提供することを主な目的とす
る。
【0027】また、本発明は、加えて音響的共鳴現象を
回避しながら小形化を図った高圧放電ランプ点灯装置お
よびこれを用いた照明装置を提供することを副次的な目
的とする。
【0028】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプ点灯装置は、放電空間を包囲する包囲部および
包囲部の端部に連通して配置され包囲部より内径が小さ
い凹窪部を備えた透光性放電容器、透光性放電容器の凹
窪部の内面との間にわずかな隙間を形成しながら凹窪部
内に挿通されているとともに先端が透光性放電容器の中
空部内に突出している細長い電極、先端が電極の基端部
に接続され少なくとも中間が透光性放電容器に封着され
基端部が透光性放電容器から外部に露出した導入導体、
ならびに少なくともネオンおよびアルゴンを含み透光性
放電容器内に封入された放電媒体を備えている高圧放電
ランプと;2次開放電圧から2次短絡電流まで連続的な
負荷特性を備え、高圧放電ランプを高周波で点灯する点
灯回路手段と;を具備していることを特徴としている。
【0029】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0030】〔高圧放電ランプについて〕 <透光性放電容器について>透光性放電容器は、包囲部
および凹窪部を備えていて、石英ガラスまたは透光性セ
ラミックスなどによって形成することができる。なお、
「透光性」とは、放電によって発生した光を透過して外
部に導出できる程度に光透過性であることをいい、透明
ばかりでなく、光拡散性であってもよい。また、少なく
とも包囲部が透光性を備えていればよく、要すれば凹窪
部は遮光性であってもよい。
【0031】包囲部は、点灯中電極間に生起する主とし
て陽光柱を包囲する。また、包囲部は、球状、楕円球
状、紡錘状など種々の形状であることを許容する。
【0032】凹窪部は、包囲部の両端または一端部に形
成され、その内部に電極が挿通されることにより、その
内面と後述する電極との間にわずかな隙間を形成する。
【0033】また、透光性放電容器が石英ガラスからな
る場合には、石英ガラスは、加熱軟化させると、加工す
ることができるので、ピンチシールなどの封止手段によ
って気密に封止することができる。
【0034】これに対して、透光性放電容器が透光性セ
ラミックスからなる場合には、加熱軟化させて加工する
ようなことができないから、セラミックス封止用コンパ
ウンドを用いたシールによって封止することができる。
【0035】<電極について>電極は、材料にタングス
テンまたはドープドタングステンを用いていて、細長く
て凹窪部内に挿通されて凹窪部の内面との間にわずかな
隙間を形成するとともに、先端が包囲部内に突出してい
る。
【0036】電極の先端部は、表面積を大きくして放熱
を良好にするために、必要に応じてタングステンのコイ
ルを巻装することができる。
【0037】電極の中間部は、透光性放電容器の凹窪部
の内面との間になるべく均一なわずかな隙間すなわちキ
ャピラリーを形成するために、一定の太さであることが
望ましい。
【0038】電極の基端部は、透光性放電容器に対して
所要の位置に固定するとともに、外部から電流を導入す
るために機能する。透光性放電容器が石英ガラスからな
る場合には、封着金属箔を備えた導入導体の封着金属箔
に電極の基端部を溶接して電気的に接続するとともに、
溶接部より先端側の部分を石英ガラスに緩く支持するこ
とができる。
【0039】これに対して、透光性放電容器が透光性セ
ラミックスからなる場合には、電極の基端部は、導入導
体に溶接などにより固着されることによって電気的およ
び機械的に支持される。なお、溶接に際して熱的に緩衝
するなどの目的のために、モリブデンなどの部材を導入
導体と電極の基端との間に介在させることができる。
【0040】<導入導体について>導入導体は、電極間
に電圧を印加するとともに、電極に電流を供給し、かつ
透光性放電容器を封止するために機能する導体で、先端
が電極の基端部に接続し、基端が透光性放電容器の外部
に露出している。なお、「透光性放電容器の外部に露出
している」とは、透光性放電容器から外部へ突出してい
てもよいし、また突出していなくてもよいが、外部から
給電できる程度に外部に臨んでいることを意味する。
【0041】また、導入導体は、これを支持することに
より、高圧放電ランプ全体を支持するのに利用してもよ
い。
【0042】さらに、透光性放電容器が石英ガラスから
なる場合、導入導体を封着金属箔および先端が封着金属
箔に溶接された導入線によって構成することができる。
【0043】さらにまた、透光性放電容器が透光性セラ
ミックスからなる場合、導入導体をニオブなどの封着性
金属の棒状体、パイプ状体やコイル状体などによって構
成することができる。この場合、ニオブなどは酸化性が
強いので、高圧放電ランプを大気に通じた状態で点灯す
る場合には、耐酸化性の導体を導入導体にさらに接続す
るとともに、導入導体が大気に接触しないようにたとえ
ばシールなどによって被覆する必要がある。
【0044】<放電媒体について>放電媒体は、少なく
とも始動ガスおよびバッファガスとしてネオンおよびア
ルゴンを含むものとし、点灯中約1気圧以上の圧力を呈
するように透光性放電容器内に封入される。
【0045】また、放電媒体は、必要に応じて、金属ハ
ロゲン化物およびまたは水銀などを発光物質またはバッ
ファ蒸気として用いることができる。
【0046】ネオンおよびアルゴンのうちアルゴンは、
ネオンに対して分圧で0.1〜10%の範囲で混合する
ことができる。
【0047】また、ネオンおよびアルゴンは、一般的に
50〜580torrの封入圧で用いることができる。
なお、封入圧が50torr未満であると、グロー・ア
ーク転移時間が長くなって、電極物質のタングステンの
蒸発による黒化が多くなる。反対に、封入圧が580t
orrを超えると、高圧放電ランプの始動電圧が高くな
り、グロー電力が増加して本発明の目的を達成できな
い。
【0048】放電媒体に金属ハロゲン化物を用いる場
合、金属ハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、よ
う素、臭素、塩素またはフッ素のいずれか一種または複
数種を用いることができる。
【0049】発光金属の金属ハロゲン化物は、発光色、
平均演色評価数Raおよび発光効率などについて所望の
発光特性を備えた放射を得るため、さらには透光性セラ
ミックス放電容器のサイズおよび入力電力に応じて、既
知の金属ハロゲン化物の中から任意所望に選択すること
ができる。たとえば、ナトリウムNa、リチウムLi、
スカンジウムScおよび希土類金属からなるグループの
中から選択された一種または複数種のハロゲン化物を用
いることができる。
【0050】また、バッファ蒸気として適量の水銀に代
えて蒸気圧が比較的高くて可視光領域における発光が少
ないか、発光しない金属たとえばアルミニウムなどのハ
ロゲン化物を封入することもできる。
【0051】さらに、ネオンおよびアルゴンに加えて、
必要に応じてその他の希ガスを封入することができる。
【0052】<その他の構成について> (1)外管について 本発明の高圧放電ランプは、透光性放電容器が大気中に
露出した状態で点灯するように構成することができる。
しかし、要すれば、透光性放電容器を外管内に気密に収
納することができる。また、外管の内面を高圧放電ラン
プの発光部を焦点とする反射面とすることにより、指向
性を備えた高圧放電ランプを得ることができる。
【0053】(2)反射鏡について 本発明の高圧放電ランプは、発光部を小さくすることが
できるから、集光が容易で、光学的に有利であるが、必
要に応じて反射鏡と一体化して用いることができる。こ
の場合、透光性放電容器を内部に収納する外管の内面に
反射鏡を形成してもよいし、高圧放電ランプを別設の反
射鏡に組み付けてもよい。
【0054】〔点灯回路手段について〕本発明において
規定している点灯回路手段の負荷特性は、いわゆる蛍光
ランプ用の点灯回路手段に代表される負荷特性である。
そして、本発明は、このような負荷特性を備えた点灯回
路手段を用いて既述の構成を備えた高圧放電ランプを点
灯すると、始動時の黒化が発生しないという新規な知見
に基づいていなされたものである。
【0055】したがって、本発明においては、蛍光ラン
プ用に製造された点灯回路手段を流用することができ
る。しかし、高圧放電ランプ用として本発明において規
定する所定の負荷特性を満足するように設計され、製造
された点灯回路手段を用いることができるのはいうまで
もない。
【0056】本発明において、「高周波」とは、周波数
5kHz以上をいう。
【0057】また、本発明においては、点灯回路手段の
2次開放電圧V20を比較的自由度が大きい範囲で設定
することができる。すなわち、一般的には高圧放電ラン
プの放電開始電圧Vsに対する点灯回路手段の2次開放
電圧V20の比率V20/Vs(%)を以下の範囲で設
定することができる。
【0058】110≦V20/Vs≦300 なお、高圧放電ランプの放電開始電圧Vsは、統計的に
ばらつきがあるので、その特定については、十分に留意
する必要がある。
【0059】ところで、安定器の基本的回路構成は、上
記負荷特性を備えていれば、どのようなものであっても
よい。たとえば、ハーフハーフブリッジ形インバータ、
フルブリッジ形インバータ、並列インバータ、一石式イ
ンバータたとえばブロッキング発振形インバータなどを
主体とする回路構成であってもよい。
【0060】〔本発明の作用について〕グロー・アーク
転移のためには、その前提としてグロー放電が正規グロ
ー放電から異常グロー放電に遷移する必要がある。この
遷移が生じるための条件は、陰極降下電圧Vkと電極換
算電流密度j/p(ただし、jはグロー放電電流(m
A)、pは電極表面積(mm))との相関であるとと
もに、バッファガスの種類によって変化する。
【0061】本発明の高圧放電ランプ点灯装置において
は、高圧放電ランプが放電媒体にバッファガスとしてネ
オンおよびアルゴンを含んでいるとともに、透光性放電
容器の包囲部に連通する凹窪部内に電極が挿通してい
て、また点灯回路手段が蛍光ランプ用の点灯回路手段と
同様な負荷特性すなわち2次開放電圧から2次短絡電流
まで連続的な負荷特性を備えるとともに、2次開放電圧
が少なくとも高圧放電ランプの放電開始電圧に接近して
いるので、以下の理由によりグロー・アーク転移時のグ
ロー電力を小さくすることができる。 (1)電極換算電流密度が小さくなる まず、バッファガスがネオンおよびアルゴンであると、
アルゴンのみと比較して、同一陰極降下電圧であって
も、正規グロー放電から異常グロー放電に遷移する際の
グロー電流が小さくなり、これに伴ってグロー電力が小
さくなる。
【0062】さらに、グロー放電時には透光性放電容器
の包囲部内に突出する電極の先端部分に加えて凹窪部内
のわずかな隙間に露出している電極の中間部分も電極と
して作用するので、電極の実効的な有効表面積が増大す
る。このため、陰極降下電圧が一定であっても、電極換
算電流密度が小さくなる。 (2)放電開始電圧が低下する バッファガスがネオンおよびアルゴンであると、アルゴ
ンのみと比較して、周知のように放電開始電圧が低下す
るので、グロー・アーク転移時に点灯回路手段から供給
する電圧を低くでき、これに伴ってグロー電力が低減す
る。なお、放電開始電圧は、これを2kVp-p以下にす
ることが可能になる。 (3)陽光柱損失が増加する バッファガスがネオンおよびアルゴンであると、アルゴ
ンのみと比較して、陽光中損失が増加し、電極への投入
電力が低減される。
【0063】以上の結果、グロー電力をアルゴンのみの
場合と比較して約1/5程度まで低減させることができ
る。これに伴いグロー・アーク転移時間が適度に延長さ
れて、電極物質のタングステンの蒸発は抑制され、黒化
が著しく低減することが確かめられた。なお、グロー・
アーク転移時間はバッファガスの封入圧を最適化するこ
とにより、実用上許容範囲にすることができる。
【0064】一方、透光性放電容器の凹窪部の内面と電
極との間にわずかな隙間を形成しているので、わずかな
隙間の最奥部に所望の温度の最冷部を確保することがで
きる。なお、わずかな隙間の内底部には未蒸発の放電媒
体が点灯中液相状態で滞留する。
【0065】そうして、本発明によれば、イグナイタを
用いることなしに小形の点灯回路手段を用いて小形の高
圧放電ランプ点灯装置を得ることができる。
【0066】請求項2の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、放電空間を包囲する包囲部および包囲部の端部に連
通して配置され包囲部より内径が小さい凹窪部を備えた
透光性放電容器、透光性放電容器の凹窪部の内面との間
にわずかな隙間を形成しながら凹窪部内に挿通されてい
るとともに先端が透光性セラミックス放電容器の包囲部
内に突出している細長い電極、先端が電極の基端部に接
続され少なくとも中間が透光性放電容器に封着され基端
部が透光性放電容器から外部に露出した導入導体、なら
びに少なくともネオンおよびアルゴンを含み透光性セラ
ミックス放電容器内に封入された放電媒体を備えている
高圧放電ランプと;2次開放電圧が少なくとも高圧放電
ランプの放電開始電圧に接近しているとともに、2次開
放電圧から2次短絡電流まで連続的な負荷特性を備え、
高圧放電ランプを高周波で点灯する点灯回路手段と;を
具備していることを特徴としている。
【0067】本発明は、請求項1の発明に対して点灯回
路手段の2次開放電圧が高圧放電ランプの放電開始電圧
に接近していて、始動時のグロー電力をより小さくする
ことができるように構成している。
【0068】「2次開放電圧が放電開始電圧に接近して
いる」とは、2次開放電圧V20が高圧放電ランプの放
電開始電圧の110%以上、200%以下であることを
いう。
【0069】高圧放電ランプのランプ電力が50W以下
の場合、安定器は、その2次開放電圧V20が2.5k
Vp-p以下、好適には2kVp-p以下で、2次短絡電流I
sが1.0A以下の負荷特性を備えていることが好まし
い。
【0070】請求項3の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、放電空間を包囲する包囲部および包囲部の端部に連
通して配置され包囲部より内径が小さい凹窪部を備えた
透光性放電容器、透光性放電容器の凹窪部の内面との間
にわずかな隙間を形成しながら凹窪部内に挿通されてい
るとともに先端が透光性放電容器の包囲部内に突出して
いる細長い電極、先端が電極の基端部に接続され少なく
とも中間部が透光性放電容器に封着され基端が透光性放
電容器から外部に露出した導入導体、ならびに少なくと
もネオンおよびアルゴンを含み透光性放電容器内に封入
された放電媒体を備えている高圧放電ランプと;LC共
振回路を備えた高周波インバータを主体とする点灯回路
手段と;を具備していることを特徴としている。
【0071】上記の条件を満足するインバータとして
は、ハーフブリッジ形インバータ、ブ一石式インバータ
たとえばロッキング発振形インバータ、並列インバータ
などを用いて構成することができる。
【0072】インバータの発振制御は、自励および他励
のいずれでもよい。また、インバータの発振周波数は、
一定でもよいし、可変であってもよい。
【0073】LC共振回路の共振周波数に対するインバ
ータの動作周波数を状況に応じて変化させる態様の場
合、インバータの動作周波数を変化させることによっ
て、点灯回路手段の出力電圧を制御することができる。
すなわち、始動時には動作周波数をLC共振回路の共振
周波数に接近させれば、出力電圧が高くなって、2次開
放電圧を高圧放電ランプの放電開始電圧に接近させるこ
とができる。そして、点灯後には反対に動作周波数を共
振周波数から離せば出力電圧が低下する。したがって、
点灯回路手段の負荷特性を、2次開放電圧が高圧放電ラ
ンプの放電開始電圧に接近していて、2次開放電圧から
2次短絡電流まで連続的にすることができる。
【0074】また、動作周波数が一定の態様の場合、L
C共振回路の共振周波数が状況に応じて変化するように
構成することによって、点灯回路手段の出力電圧を制御
することができる。すなわち、無負荷時にLC共振回路
のインダクタLが飽和してそのインダクタンスが小さく
なり、共振周波数が高くなって動作周波数に接近するた
めに、点灯回路手段の出力電圧が高くなる。また、負荷
時には、ランプ電流に応じてLC共振回のインダクタの
飽和がなくなって、共振周波数が動作周波数から離れて
いき、これに伴って出力電圧が低減する。
【0075】本発明においては、点灯回路手段の回路構
成が簡単になり、一層小形で、安価な高圧放電ランプ点
灯装置を得ることができる。
【0076】また、点灯回路手段がLC共振回路を備え
ていることにより、出力電圧の波形を正弦波にすること
ができる。
【0077】請求項4の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ラン
プ点灯装置において、高圧放電ランプは、放電空間を包
囲する包囲部および包囲部の端部に連通して配置され包
囲部より内径が小さい凹窪部を形成する小径筒部を備え
た透光性セラミックス放電容器、透光性セラミックス放
電容器の凹窪部の内面との間にわずかな隙間を形成しな
がら凹窪部に挿通されているとともに先端が透光性セラ
ミックス放電容器の包囲部内に突出している細長い電
極、先端が電極に接続されて電極を支持し基端が透光性
セラミックス放電容器から外部に露出する導入導体、透
光性セラミックス放電容器の小径筒部および導入導体の
間を封着しているセラミックス封止用コンパウンドのシ
ール、ならびに少なくともネオンおよびアルゴンを含み
透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒体を
備えていることを特徴としている。
【0078】<透光性セラミックス放電容器について>
「透光性セラミックス放電容器」とは、単結晶の金属酸
化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸化物たとえ
ば半透明の気密性アルミニウム酸化物、イットリウム−
アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸
化物(YOX)と、多結晶非酸化物たとえばアルミニウ
ム窒化物(AlN)のような光透過性および耐熱性を備
えた材料からなる放電容器を意味する。
【0079】また、透光性セラミックス放電容器を製作
するには、両側封止の場合、中央の包囲部と、包囲部の
両端または一端の凹窪部を形成する小径筒部とを最初か
ら一体に形成することができる。しかし、たとえば包囲
部を形成する球形部と、球形部の両端に接続して小径筒
部を形成する小径筒体とを、それぞれ別に仮焼結してか
ら所要に接合させて、全体を焼結することにより、一体
の透光性セラミックス放電容器を形成することもでき
る。または、たとえば包囲部を形成する円筒と、円筒の
両端面に嵌合して閉鎖する一対の端板と、端板の中心孔
に嵌合して小径筒部を形成する小径筒体とを、それぞれ
別に仮焼結して所要に嵌合させて、全体を焼結すること
により、一体の放電容器を形成することもできる。
【0080】これに対して、片側封止構造の場合、両端
封止構造の場合と同様に最初から全体を一体に形成する
ことができるが、開口部を有する球状体や有底筒体と、
小径筒部を形成する筒体とを、それぞれ別に仮燒結して
から、所要に嵌合させて全体を燒結して一体化させるこ
ともできる。また、小径筒部は、一対の電極に対して共
通の一つでもよいし、それぞれ別に一対形成してもよ
い。なお、共通の一つの小径筒部を設ける場合、一対の
透孔を形成したセラミックスからなる中間筒体を小径筒
部に挿入してから、給電導体を挿入して封止するように
すれば、給電導体および電極間の所要の間隔を確保する
ことができる。
【0081】さらに、本発明において、透光性セラミッ
クス放電容器の内容積は制限されるものではないが、小
形の高圧放電ランプを得るためには、透光性セラミック
ス放電容器を0.05cc以下、好適には0.04cc
以下にするとよい。この場合、透光性セラミックス放電
容器は、その全長が35mm以下、好適には10〜30
mmである。
【0082】<導入導体について>導入導体は、熱膨張
係数が透光性セラミックスのそれと近似している導電性
金属であるニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、
ハフニウムおよびバナジウムなどを用いることができ
る。透光性セラミックス放電容器の材料にアルミナセラ
ミックスなどのアルミニウム酸化物を用いる場合、ニオ
ブおよびタンタルは、平均熱膨張係数がアルミニウム酸
化物とほぼ同一であるから、封止に好適である。イット
リウム酸化物およびYAGの場合も差が少ない。窒化ア
ルミニウムを透光性セラミックス放電容器に用いる場合
には、導入導体にジルコニウムを用いるとよい。
【0083】<セラミックス封止用コンパウンドのシー
ルについて>セラミックス封止用コンパウンドのシール
は、小径筒部の端面において導入導体および小径筒部の
間に施与され、加熱により溶融して小径筒部と導入導体
との間に浸透し、冷却により固化して両者間を気密にシ
ールする。このシールにより導入導体は所定の位置に固
着される。
【0084】小径筒部内に挿入されている導入導体は、
上記シールによって完全に被覆されていることが望まし
い。さらに、シールを導入導体に固着している細長い電
極の基端部をもわずかな距離、好適には0.2〜3mm
にわたって被覆するように構成すれば、導入導体がハロ
ゲン化物などの放電媒体によって腐食されにくくなる。
【0085】<本発明の作用について>透光性セラミッ
クス放電容器の小径筒部内に導入導体の先端に細長い電
極の基端部を固着して、導入導体と小径筒部との間にセ
ラミックス封止用コンパウンドのシールを形成すると、
透光性セラミックス放電容器は気密に封止されるととも
に、小径筒部が形成する凹窪部の奥にシールによって閉
鎖された底が形成され、また凹窪部の内面と、小径筒部
の内部に挿通されている電極との間にわずかな隙間が形
成される。
【0086】透光性放電容器の材料に透光性セラミック
スを用いているので、高ランプ効率で、長寿命の高圧放
電ランプを備えた高圧放電ランプ点灯装置が得られる。
【0087】また、透光性セラミックス放電容器はネオ
ンを透過しないので、長期間点灯してもネオンが消失し
にくいから、長期間にわたり所期の優れた作用を奏す
る。
【0088】請求項5の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ラン
プ点灯装置において、高圧放電ランプは、ネオンおよび
アルゴンが100〜200torrの圧力で封入されて
いることを特徴としている。
【0089】本発明は、高圧放電ランプのネオンおよび
アルゴンの好適な封入圧を規定している。
【0090】すなわち、始動ガスおよびバッファガスの
封入圧の如何によってグロー・アーク転移時間および黒
化の程度が変化する。封入圧が増加するにしたがって、
グロー電力が増加し、電極の加熱速度が上昇するので、
グロー・アーク転移時間が短くなる傾向が認められる。
【0091】これに対して、ネオンおよびアルゴンの封
入圧が過剰になると、黒化が増大し、反対に過小になる
と、グロー・アーク転移時間の増長によって電極の蒸発
量が増加する。
【0092】そこで、ネオンおよびアルゴンの封入圧を
上記の範囲に規定することにより、グロー・アーク転移
時間は2〜3秒になるとともに、黒化が著しく低減す
る。この程度のグロー・アーク転移時間は、実用上許容
範囲にあるといえる。
【0093】請求項6の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、放電空間を包囲する包囲部および包囲部の端部に連
通して配置され包囲部より内径が小さい小径筒部を備え
た透光性セラミックス放電容器、透光性セラミックス放
電容器の小径筒部部の内面との間にわずかな隙間を形成
しながら小径筒部内に挿通されている細長い電極、なら
びに透光性セラミックス放電容器内に封入された放電媒
体を備えている高圧放電ランプと;高圧放電ランプを高
周波で点灯する点灯回路手段と;を具備し、高圧放電ラ
ンプのグロー・アーク転移時間が0.5〜3.0秒の範
囲内になるように構成されていることを特徴としてい
る。
【0094】高圧放電ランプの透光性セラミックス放電
容器、電極および給電導体ならびに点灯回路手段につい
ては、先行する請求項において既に言及しているのと同
様であるから、ここでは割愛する。
【0095】〔放電媒体について〕放電媒体は、少なく
とも始動ガスおよびバッファガスとして希ガスを含むも
のとし、点灯中約1気圧以上の圧力を呈するように透光
性セラミックス放電容器内に封入され、また必要に応じ
て、金属ハロゲン化物およびまたは水銀などを発光物質
またはバッファ蒸気として用いることができる点につい
ては、先行する請求項と同様である。また、希ガスにつ
いては正規グロー放電から異常グロー放電に遷移する際
のグロー電流を小さくさせたり、放電開始電圧を低下さ
せたい場合すなわちグロー・アーク転移時間を調整する
ときに、ネオンおよびアルゴンを混合して封入すること
ができる。なお、この場合、アルゴンは、ネオンに対し
て分圧で0.1〜10%の範囲で混合することができ
る。また、ネオンおよびアルゴンは、一般的に50〜5
80torr、好適には100〜200torrの封入
圧で用いることができる。なお、封入圧が50torr
未満であると、グロー・アーク転移時間が長くなって、
電極物質のタングステンの蒸発による黒化が多くなる。
一方、封入圧が580torrを超えると、高圧放電ラ
ンプの始動電圧が高くなり、グロー電力が増加する。
【0096】〔グロー・アーク転移時間について〕本発
明においては、グロー・アーク転移時間が0.5〜3秒
の範囲内になるように構成されていなければならない。
このグロー・アーク転移時間は、オシロスコープにより
ランプ電圧波形の降下点を測定し、測定回数5回の平均
値により求めるものとする。なお、ランプ電圧波形の降
下点は、両方の電極がグロー・アーク転移するときの降
下点でなければならない。したがって、一対の電極が同
時にグロー・アーク転移するばかりでなく、時間的にず
れがあるときには、後にグロー・アーク転移する電極に
ついての降下点である。
【0097】ところで、グロー・アーク転移時間が0.
5秒未満であると、グロー・アーク転移電力が短時間で
多く投入されることになって、電極の過大な加熱が行わ
れ、このために電極の蒸発が過剰に行われ、黒化が促進
されて光束維持率が低下しすぎるので、不可である。
【0098】また、グロー・アーク転移時間が3.0秒
を超えると、グロー・アーク転移時間が長くなることに
より、電極のスパッタリングが顕著になり、始動時の黒
化の黒化を促進して、光束維持率が低下するので、不可
である。
【0099】そうして、グロー・アーク転移時間が0.
5〜3.0秒の範囲内にあれば、点灯3000時間で8
0%以上の光束維持率を確保することが可能になる。な
お、上記点灯時間は、高圧放電ランプを165分間点
灯、15分間消灯の点滅サイクル試験を実施した時間を
いう。
【0100】さらに、グロー・アーク転移時間は、高圧
放電ランプの仕様およびまたは点灯回路手段とのマッチ
ングを適宜設定することによって、上記範囲内になるよ
うに構成することができる。
【0101】〔本発明の作用について〕本発明において
は、透光性セラミックス放電容器を備えた高圧放電ラン
プのグロー・アーク転移時間が所定範囲内になるように
構成していることにより、始動時の黒化が低減され、そ
のために光束維持率を高くすることができる。
【0102】また、グロー・アーク転移時間が3秒以内
であれば、通常の照明目的において特段の違和感を与え
ない許容範囲内にあるといえる。
【0103】請求項7の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、請求項6記載の高圧放電ランプ点灯装置において、
高圧放電ランプのグロー・アーク転移時間は、1.0〜
2.5秒の範囲内になるように構成されていることを特
徴としている。
【0104】本発明は、グロー・アーク転移時間の好適
な範囲を規定している。この範囲内であれば、さらに9
0%以上の高い光束維持率を得ることが可能になる。
【0105】また、グロー・アーク転移時間が2秒以内
であるから、通常の照明目的において殆ど違和感を与え
るようなことがない。
【0106】請求項8の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、請求項6または7記載の高圧放電ランプ点灯装置高
圧において、高圧放電ランプは、透光性セラミックス放
電容器に近接して配設された始動補助導体を備えている
ことを特徴としている。
【0107】本発明は、始動補助導体を高圧放電ランプ
に付加することにより、始動電圧を低くした構成を規定
している。
【0108】始動補助導体は、透光性セラミックス放電
容器に近接して配設されており、一般的な構成として
は、基端が一方の電極に接続して、先端が他方の電極に
向かって透光性放電容器の外側を途中まで延在するか、
少なくとも他方の電極に対向する位置まで延在する。
【0109】また、始動補助導体は、透光性セラミック
ス放電容器の外面に密接してもよいし、多少離間してい
てもよい。要すれば、透光性セラミックス放電容器を支
持する支持枠が始動補助導体を兼ねていてもよい。
【0110】さらに、始動補助導体は、それによる影が
配光に与える影響を最小限にするために、はなるべく細
い導体を用いるとともに、透光性セラミックス放電容器
の外側にスパイラルに巻き付けることができる。
【0111】そうして、始動補助導体を付加することに
より、始動時に透光性セラミックス放電容器内の一方の
電極近傍において電界強度を大きくして、放電媒体の絶
縁破壊を容易にするので、始動電圧が低下する。このた
め、安定器の小形化を図ることができる。
【0112】請求項9の発明の高圧放電ランプ点灯装置
は、請求項6ないし8のいずれか一記載の高圧放電ラン
プ点灯装置において、安定器は、高圧放電ランプの安定
点灯時の周波数が5〜500kHzであることを特徴と
している。
【0113】本発明は、高圧放電ランプを高周波点灯す
る場合の実際的な周波数を規定している。すなわち、周
波数が5kHz未満であると、高周波点灯による安定器
の小形、軽量化という利点が少なくなる。また、500
kHzを超えると、高周波ノイズの増加が問題になりや
すいし、現状の経済的なスイッチングデバイスの実力か
らすると、スイッチング損失が増大しやすい。
【0114】請求項10の発明の高圧放電ランプ点灯装
置は、請求項1ないし9のいずれか一記載の高圧放電ラ
ンプ点灯装置において、高圧放電ランプは、ランプ電力
が50W以下であることを特徴としている。
【0115】本発明は、高圧放電ランプが小形であるこ
とから、光ファイバー用光源などに好適であるととも
に、ハロゲン電球に代替可能な高圧放電ランプ点灯装置
をランプ電力によって規定している。
【0116】この種の小形の高圧放電ランプは、その各
部の仕様を以下のように構成すると好適である。以下の
各仕様を全て満足することは好ましいことであるが、要
すれば1つまたは任意の数の組み合わせを許容するもの
とする。 (1)導入導体の直径φs(mm)と電極の直径φe
(mm)との関係;下式を満足させる。
【0117】0.2≦φe/φs≦0.6 セラミックス封止用コンパウンドのシールの温度を低減
してシールがハロゲン化物によって腐食するのを防止す
るとともに、わずかな隙間の温度を高くして発光効率を
高めるためには、一方では導入導体をなるべく太くして
その熱抵抗を減らしながら、他方では電極の熱抵抗を大
きくすればよい。直径比φe/φsが0.2未満では電
極が細くなりすぎ、0.6を超えると、シールの温度お
よびわずかな隙間の温度を所要の値に維持することがで
きない。 (2)透光性セラミックス放電容器の内容積と直線透過
率の関係;内容積を0.1cc以下、好適には0.05
cc以下にするとともに、中空部の平均直線透過率を2
0%以上好適には30%以上にする。
【0118】直線透過率は、波長550nmにおいて測
定したものとする。また、「平均直線透過率」とは、対
象部分に対して異なる5個所の位置において測定した直
線透過率データを相加平均して求めた値をいう。
【0119】内容積が上記のように小さい透光性セラミ
ックス放電容器の場合、その包囲部の平均直線透過率が
20%以上であると、組み合わせる光学系たとえば反射
鏡との光学的効率(器具効率)を高くできるとともに、
透光性セラミックス放電容器のクラックが生じにくい。
【0120】なお、透光性セラミックス放電容器の内容
積は、当該容器を水中に入れて内部に水が充満してか
ら、両方の小径筒部の開口端を封鎖して水中から取り出
し、内部の水を軽量して、測定する。 (3)透光性セラミックス放電容器の全長;30mm以
下にする。 (4)わずかな隙間;0.21mm以上にする。
【0121】ランプ電力が50W以下の小形で、長寿命
かつ高ランプ効率の高圧放電ランプを得るには、従来技
術を比例的に縮小して適用するのは適当でないことが判
明している。
【0122】そこで、わずかな隙間を上記のように設定
することにより、電極の熱抵抗が大きくなって、放電プ
ラズマや電極からの熱伝達が少なくなり、シールの温度
が下がる。そのため、シールにリークが生じにくくな
る。
【0123】請求項11の発明の高圧放電ランプ点灯装
置は、真球度が0.6以上のほぼ球形をなしていて放電
空間を包囲する包囲部を備えた透光性セラミックス放電
容器、透光性セラミックス放電容器に臨在する一対の電
極、ならびに透光性セラミックス放電容器内に封入され
たネオンおよびアルゴンを含む放電媒体を備え、ランプ
電力が50W以下の高圧放電ランプと;高圧放電ランプ
を動作周波数40〜80kHzの高周波で点灯する点灯
回路手段と;を具備していることを特徴としている。
【0124】〔高圧放電ランプについて〕 <透光性セラミックス放電容器について>透光性セラミ
ックス放電容器は、その包囲部が真球度0.6以上のほ
ぼ球形をなしている点で特徴的である。以下、真球度に
ついて図2を参照して説明する。
【0125】図2は、本発明の放電ランプ装置における
透光性セラミックス放電容器の包囲部の真球度を説明す
る説明図である。
【0126】図において、1は透光性セラミックス容器
ブ、1aは包囲部、1bは小径筒部、xは中心軸,yは
中心軸に直角な軸である。
【0127】透光性セラミックス容器1は、透光性セラ
ミックスを成形して形成されていて、全長はLである。
【0128】包囲部1aは、透光性セラミックス容器1
の中央部に配設されていて、所与の真球度Rbを有する
ほぼ球状をなしている。そして、包囲部1aは、中心軸
xに直角な軸yに沿った最大内径a、最大外径Oaと、
中心軸xに沿った軸長bとを有している。
【0129】小径筒部1bは、包囲部1aの中心軸xに
沿った両端からそれぞれ一体的に突出して形成されてい
て、内部には中心軸に沿った連通孔1b1が形成されて
いて、それぞれ長さL1、L2を有している。なお、連
通孔1b1は、その内端が包囲部1aに連通し、外端が
外部に連通している。
【0130】また、小径筒部1bは、その内部に後述す
る電極が挿通されることにより、その内面と電極との間
にキャピラリーとも称されるわずかな隙間を形成すると
ともに、透光性セラミックス放電容器を封止するために
用いることができる。
【0131】なお、一対の小径筒部1bの長さの和L1
+L2は、透光性セラミックス放電容器1の全長Lから
包囲部1aの軸長bを差し引いた値である。
【0132】そうして、包囲部1aの軸長bは、軸yお
よび包囲部1aの内面の交点P1と、包囲部1aと小径
筒部1bとの境界部のアール部分の内面P2との間を結
ぶ直線lの延長部が中心軸xと交差する点をP3とした
ときに、左右のP3とP3との間の距離をいうものとす
る。
【0133】真球度RBは、包囲部1aの最大内径aお
よび軸長bから下式により与えられる。 RB=a/b 真球度RBの値は、透光性セラミックス放電容器1の包
囲部1aと小径筒部1bとの境界部すなわち内面P2が
角張っていて、かつ小径筒部1bの通孔1b1の内径が
小さく、しかも包囲部1aが完全な真球でれば、1に接
近する。しかし、真球度RBは、その定義からすれば、
内面P2のアールの大きさおよび小径筒部1bの内径の
大きさによって影響される。そして、内面P2のアール
の大きさは、透光性セラミックス放電容器の製造方法に
より影響を受けて変化し得る。また、小径筒部1bの通
孔1b1の内径は、電極の径およびわずかな隙間のギャ
ップサイズがランプ設計により影響を受ける。さらに、
これらの如何は共振周波数にそれほど大きな影響がない
ので、本発明においては真球度RBを多少の設計の裕度
を考慮して上記のように規定している。
【0134】また、本発明において、透光性セラミック
ス放電容器の包囲部の形状は、真球度RBが0.6の場
合、一般的には軸方向に長軸がある回転楕円形にやや類
似した多少横長であるが、ほぼ球形の形状であることを
含む。
【0135】さらに、真球度RBは、1を超えた値であ
っても図2におけるx軸方向よりはy軸方向に多少膨ら
んだほぼ球形をなす範囲が存在する。このため、真球度
RBは、一般的には1.2程度、好適には1.1まで許
容される。
【0136】次に、透光性セラミックス放電容器は、包
囲部以外の構成については、特段制限されない。
【0137】<その他の構成について>電極、放電媒体
およびランプ電力については、先行する請求項で既に言
及済みであるので、ここでは割愛する。
【0138】〔点灯回路手段について〕点灯回路手段
は、動作周波数40〜80kHzの高周波を発生して高
圧放電ランプを点灯する。そして、上記動作周波数は、
回路構成には無関係であるから、点灯回路手段について
は任意の回路構成を採用することができる。
【0139】〔本発明の作用について〕本発明において
は、透光性放電容器の包囲部が真球度0.6以上のほぼ
球形で、放電媒体がネオンおよびアルゴンを含み、ラン
プ電力が50W以下で、かつ点灯回路手段の動作周波数
が40〜80kHzであることにより、高圧放電ランプ
の共振周波数が高くなり、動作周波数が共振周波数より
明らかにより低くなるので、音響的共鳴現象を生じな
い。また、上記動作周波数の範囲であれば、回路部品特
に巻き線部品が小さくなるので、点灯回路手段の小形化
に対して効果的である。さらに、高周波を発生するため
に、点灯回路手段に用いる半導体スイッチング手段も比
較的安価に得ることができるとともに、スイッチング損
失も少ないので、高い周波数変換効率を得ることができ
る。
【0140】請求項12の発明の高圧放電ランプ点灯装
置は、請求項11記載の高圧放電ランプ点灯装置におい
て、高圧放電ランプのグロー・アーク転移時間は、0.
5〜3.0秒の範囲内になるように構成されていること
を特徴としている。
【0141】本発明は、請求項11に加えてグロー・ア
ーク転移時間を上記範囲に規定することにより、蛍光ラ
ンプの点灯に用いるような小形の点灯回路手段を用いて
点灯しても、始動時に黒化を生じにくい高圧放電ランプ
装置を得ることができる。
【0142】請求項13の発明の高圧放電ランプ点灯装
置は、請求項1、2、4および5ないし12のいずれか
一記載の高圧放電ランプ点灯装置において、点灯回路手
段は、LC共振形の高周波インバータを備えていること
を特徴としている。
【0143】本発明は、加えて簡単な回路構成で始動時
に所要の始動電圧を発生させることができる構成を備え
ている。詳細は、請求項3において記述している。
【0144】請求項14の発明の高圧放電ランプ点灯装
置は、請求項1ないし13のいずれか一記載の高圧放電
ランプ点灯装置において、点灯回路手段は、その2次無
負荷電圧が1.0〜3.0kVp-pであることを特徴と
している。
【0145】本発明においては、点灯回路手段の2次無
負荷電圧が上記構成であることにより、イグナイタを必
要としないで高圧放電ランプを確実に始動することがで
きる構成を規定している。
【0146】また、上記の範囲の2次無負荷電圧であれ
ば、点灯回路手段の構成が簡単になる。たとえば、LC
共振形の高周波インバータによって容易に所要の2次無
負荷電圧を得ることができる。
【0147】請求項15の発明の照明装置は、照明装置
本体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし14
のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置と;を具備
していることを特徴としている。
【0148】本発明において、照明装置は、高圧放電ラ
ンプの発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を含む
広い概念である。たとえば、電球形高圧放電ランプ、照
明器具、移動体用前照灯、光ファイバー用光源装置、画
像投射装置、光化学装置、指紋判別装置などに適用する
ことができる。
【0149】なお、照明装置本体とは、上記照明装置か
ら高圧放電ランプを除いた残余の部分をいう。
【0150】本発明において、「電球形高圧放電ラン
プ」とは、高圧放電ランプと、その安定器とを一体化
し、さらに受電用の口金を付設してなり、口金に適応す
るランプソケットに装着することにより、白熱電球を点
灯するような感覚で使用することができるように構成し
た照明装置を意味する。
【0151】また、電球形高圧放電ランプを構成する場
合、高圧放電ランプの発光を所望の配光特性が得られる
ように、集光するための反射鏡を備えることができる。
【0152】さらに、高圧放電ランプの高い輝度を低減
するために、光拡散性のグローブまたはカバーを備える
ことができる。
【0153】さらにまた、口金は、所望の仕様のものを
用いることができる。したがって、在来の光源ランプと
の代替を図る目的の場合には、在来の光源ランプの口金
と同じ口金を採用すればよい。
【0154】また、照明装置が照明器具の場合、照明器
具は、点灯回路手段を備え高圧放電ランプを装着した構
成のものでもよいし、点灯回路手段を備えてなくて電球
形高圧放電ランプを装着した構成のものであってもよ
い。また、点灯回路手段を備えた照明器具の場合、点灯
回路手段は、照明器具に配設されていてもよいし、照明
器具から離間した位置、たとえば天井裏に配設されてい
てもよいよい。
【0155】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0156】図3は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置
の第1の実施形態における高圧放電ランプを示す一部切
欠断面図である。
【0157】図において、1は透光性セラミックス放電
容器、2は電極、3は導入導体、4はシールであり、上
下対称構造であるが、下側の電極2、導入導体3および
シール4は図示を省略している。
【0158】透光性セラミックス放電容器1は、包囲部
1a、小径筒部1b、1bおよび凹窪部1c、1cを備
えている。
【0159】包囲部1aは、両端が連続的な曲面によっ
て絞られているほぼ球状をなしている。
【0160】小径筒部1bは、包囲部1aと連続した曲
面によってつながり一体成形によって透光性セラミック
ス放電容器2を形成している。
【0161】凹窪部1cは、小径筒部1bの内部に形成
されている。
【0162】電極2は、ドープドタングステンからな
り、棒状をなしていて、先端が包囲部1a内に突出して
凹窪部1c内に挿通され、凹窪部1cおよび電極2の間
にわずかな隙間gが形成されている。
【0163】導入導体3は、ニオブからなり、棒状をな
していて、先端が電極2の基端部に溶接され、基端が透
光性セラミックス放電容器1の外部に突出している。
【0164】シール4は、セラミックス封止用コンパウ
ンドを溶融し、固化することにより、透光性セラミック
ス放電容器1の小径筒部1bおよび封着性の部分2aの
間に介在して透光性セラミックス放電容器1を気密に封
止するとともに、導入導体3が透光性セラミックス放電
容器1の内部に露出しないように被覆している。また、
この封止により、電極2を所定の位置に固定している。
【0165】シール3を形成するには、セラミックス封
止用コンパウンドを小径筒部1bの端面において、導入
導体3の外部に突出している部分の周りに施与し、加熱
溶融させて導入導体3および凹窪部1c内面の間の隙間
に進入させて小径筒部1b内に挿入されている導入導体
3全体を被覆するとともに、さらに電極2の基端部をも
被覆し、冷却により固化させる。
【0166】ところで、透光性セラミックス放電容器1
内には、ネオンおよびアルゴンを含む始動ガスおよびバ
ッファガスと発光金属の金属ハロゲン化物を含む放電媒
体が封入されている。
【実施例1】図3に示す高圧放電ランプであって、以下
の仕様である。
【0167】透光性セラミックス放電容器:YAG製
で、全長25mm、包囲部1aの外径が5mm、内径
4.5mm(肉厚0.5mm)、小径筒部1bが外径
1.8mm、内径0.75mm(肉厚0.53mm) 電極:直径0.25mm、電極間距離3mm 導入導体:ニオブ、直径0.64mm わずかな隙間g:0.25mm 放電媒体:始動ガスおよびバッファガスがNe3%+A
r500torr、他に適量の水銀およびハロゲン化物 ランプ電力:20W 図4は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における高圧放電ランプの電極換算電流密度と陰極
降下電圧との関係を比較例のそれとともに示すグラフで
ある。
【0168】図において、横軸は電極換算電流密度j/
(mA/mm/torr)を、縦軸は陰極降下
電圧Vk(V)を、それぞれ示す。曲線Cは本実施形
態、曲線Dは比較例である。なお、比較例はバッファガ
スがアルゴンのみである以外は、仕様が本実施形態と同
じである。
【0169】図から明かなように、始動ガスおよびバッ
ファガスをネオンおよびアルゴンにすると、電極換算電
流密度が小さくなり、グロー電力が低減することが分か
る。
【0170】図5は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置
の第1の実施形態における高圧放電ランプの封入ガス圧
と放電開始電圧との関係を比較例のそれとともに示すグ
ラフである。
【0171】図において、横軸は封入ガス圧(tor
r)を、縦軸は放電開始電圧Vs(V)を、それぞれ示
す。曲線Eは本実施形態、曲線Fは比較例である。な
お、比較例は図3と同じである。
【0172】図から明らかなように、始動ガスおよびバ
ッファガスをネオンおよびアルゴンにすると、アルゴン
のみのときより放電開始電圧が低下することが分かる。
【0173】図6は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置
の第1の実施形態における高圧放電ランプの封入ガス圧
とグロー・アーク転移時間および黒化度との関係を示す
グラフである。
【0174】図において、横軸は封入ガス圧(tor
r)を、縦軸は左側がグロー・アーク転移時間(se
c)、右側が黒化度を、それぞれ示す。曲線Gはグロー
・アーク転移時間、曲線Hは黒化度である。なお、黒化
度は視感評価により求めたもので、数値が大きいほど黒
化が多い。
【0175】図は、始動ガスおよびバッファガスをネオ
ンおよびアルゴンにして、その封入圧を変化させた高圧
放電ランプについてグロー・アーク転移時間および黒化
度を測定してプロットしたものである。
【0176】図から封入圧が100〜200torrの
範囲が最適であることが分かる。
【0177】図7は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置
の第1の実施形態における高圧放電ランプの異なる封入
圧に対する光束維持率特性を比較例のそれとともに示す
グラフである。
【0178】図において、横軸は点灯時間(hr)を、
縦軸は光束維持率(%)を、それぞれ示す。曲線Iはネ
オンおよびアルゴンを100torr封入した実施例、
曲線Jは同じく150torr封入した実施例、曲線K
はアルゴンのみを100torr封入した比較例の光束
維持率特性を、それぞれ示している。
【0179】本発明によれば、実用上良好な光束維持率
特性が得られることが分かる。
【0180】図8は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置
の第1の実施形態における点灯回路手段を示す回路図で
ある。
【0181】図は、ハーフブリッジ形高周波インバータ
を主体とする蛍光ランプ用の点灯回路手段を用いた高圧
放電ランプ点灯装置を示している。そして、図におい
て、ASは交流電源、fは過電流ヒューズ、NFはノイ
ズフィルタ、RDは整流化直流電源、Q1は第1のスイ
ッチング手段、Q2は第2のスイッチング手段、GDは
ゲートドライブ回路、STは始動回路、GPはゲート保
護回路、LCは負荷回路である。
【0182】交流電源ASは、商用100V電源であ
る。
【0183】過電流ヒューズfは、配線基板に一体に形
成したパターンヒューズであり、過電流が流れた際に溶
断して回路が焼損しないように保護する。
【0184】ノイズフィルタNFは、インダクタL1お
よびコンデンサC1からなり、高周波インバータの動作
に伴って発生する高周波を電源側に流出しないように除
去する。
【0185】整流化直流電源RDは、ブリッジ形整流回
路BRおよび平滑コンデンサC2からなり、ブリッジ形
整流化色BRの交流入力端がノイズフィルタNFおよび
過電流ヒューズfを介して交流電源Aに接続し、また直
流出力端が平滑コンデンサC2の両端に接続していて、
平滑化直流を供給する。
【0186】第1のスイッチング手段Q1は、Nチャン
ネル形MOSFETからなり、そのドレインが平滑コン
デンサC2のプラス側に接続している。
【0187】第2のスイッチング手段Q2は、Pチャン
ネル形MOSFETからなり、そのソースが第1のスイ
ッチング手段Q1のソースに接続し、ドレインが平滑コ
ンデンサC2のマイナス側に接続している。
【0188】したがって、第1および第2のスイッチン
グ手段Q1、Q2は、順方向に直列接続されて、その両
端が整流化直流電源RDの出力端間に接続していること
になる。
【0189】ゲートドライブ回路GDは、帰還回路FB
C、直列共振回路SOCおよびゲート電圧出力回路GO
からなる。
【0190】帰還手段FBCは、後述する限流インダク
タL2に磁気結合している補助巻線からなる。
【0191】直列共振回路SOCは、インダクタL3お
よびコンデンサC3の直列回路からなり、その両端は帰
還手段FBCに接続している。
【0192】ゲート電圧出力手段GOは、直列共振回路
SOCのコンデンサC3の両端に現れる共振電圧をコン
デンサC4を介して取り出すように構成されている。そ
して、コンデンサC4の一端は、コンデンサC3とイン
ダクタL3との接続点に接続し、コンデンサC4の他端
は第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のそれ
ぞれのゲートに接続している。さらに、コンデンサC3
の他端が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2
のソースに接続している。その結果、コンデンサC3の
両端に現れた共振電圧は、ゲート電圧出力回路GOを介
して第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲ
ート・ソース間に印加される。
【0193】始動回路STは、抵抗器R1、R2、R3
からなる。
【0194】抵抗器R2は、その一端が平滑コンデンサ
C2のプラス側に接続し、他端が第1のスイッチング手
段Q1のゲートに接続しているとともに、抵抗器R2の
一端およびゲートドライブ回路GDのゲート電圧出力回
路GOのゲート側の出力端すなわちコンデンサC4の他
端に接続している。
【0195】抵抗器R2の他端は、直列共振回路SOC
のインダクタL3および帰還回路FBCの接続点に接続
している。
【0196】抵抗器R3は、その一端が第1および第2
のスイッチング手段Q1、Q2の接続点すなわちそれぞ
れのソースおよびゲート電圧出力回路GOのソース側に
接続し、他端が平滑コンデンサC2のマイナス側に接続
している。
【0197】ゲート保護回路GPは、一対のツェナーダ
イオードを逆直列接続してなり、ゲート電圧出力回路G
Oに並列接続している。
【0198】負荷回路LCは、高圧放電ランプHDL、
限流インダクタL2および直流カットコンデンサC5の
直列回路と、高圧放電ランプHDLに並列接続した共振
コンデンサC6とからなり、一端が第1および第2のス
イッチング手段Q1、Q2の接続点に、他端が第2のス
イッチング手段Q2のドレインに接続している。
【0199】高圧放電ランプHDLは、図2に示す構成
を備えている。
【0200】限流インダクタL2と共振コンデンサC6
とは、直列共振回路を形成する。なお、直流カットコン
デンサC5は、容量が大きいので、直列共振に大きくは
影響しない。
【0201】Q2のドレイン・ソース間に接続されたコ
ンデンサC7は、第2のスイッチング手段Q2のスイッ
チング中の負荷を軽減する。
【0202】次に、回路動作について説明する。
【0203】交流電源ASを投入すると、整流化直流電
源RDにより平滑化された直流電圧が平滑コンデンサC
2の両端に現れる。そして、直列接続された第1および
第2のスイッチング手段Q1、Q2の両ドレイン間に直
流電圧が印加される。しかし、両スイッチング手段Q
1、Q2は、ゲート電圧が印加されてないので、オフし
ている。
【0204】上記直流電圧は、同時に始動回路STにも
印加されるので、抵抗器R2の両端には主として抵抗器
R1、R2、R3の抵抗値の案分比に応じた電圧が現れ
る。そして、抵抗器R2の端子電圧は、第1および第2
のスイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に正
極性の電圧として印加される。
【0205】その結果、第1のスイッチング手段Q1
は、スレッシュホールド電圧を超えるように設定されて
いるため、オンする。これに対して、第2のスイッチン
グ手段Q2のゲート・ソース間に印加される電圧は、所
要のゲート電圧とは逆極性であるため、オフ状態のまま
である。
【0206】第1のスイッチング手段Q1がオンする
と、整流化直流電源RDから第1のスイッチング手段Q
1を介して負荷回路LCに電流が流れる。これにより限
流インダクタL2および共振コンデンサC6の直列共振
回路が共振して共振コンデンサC6の端子間に高い共振
電圧が現れ、高圧放電ランプHDLに印加される。
【0207】一方、限流インダクタL2に電流が流れた
ことにより、磁気結合している帰還回路FBCに電圧が
誘起される。これにより直列共振回路SOCが直列共振
して、コンデンサC3には昇圧された負電圧が発生する
ので、ゲート保護回路GPにより一定電圧にクリップさ
れ、ゲート電圧出力回路GOを介して第1および第2の
スイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に印加
される。
【0208】これにより、第2のスイッチング手段Q2
はスレッシュホールド電圧を超えるため、オンする。
【0209】これに対して、今までオンしていた第1の
スイッチング手段Q1は、ゲート電圧が逆極性になるの
で、オフする。
【0210】第2のスイッチング手段Q2がオンする
と、負荷回路LCの限流インダクタL2に蓄積されてい
る電磁エネルギーおよびコンデンサC6の電荷が放出さ
れて、限流インダクタL2から第2のスイッチング手段
Q2を介して負荷回路LC内を逆方向に電流が流れ、コ
ンデンサC6の両端には極性が反転した共振による高い
電圧が現れ、高圧放電ランプHDLに印加される。以
後、以上説明した動作を繰り返す。
【0211】ところで、高圧放電ランプHDLが始動す
る以前は、発振周波数が限流インダクタL2およびコン
デンサC6が形成する直列共振回路の共振周波数に相対
的に接近した周波数でハーフブリッジ形高周波インバー
タが作動するため、その2次開放電圧は約550V(実
効値)すなわち約1.5kVp-pで、高圧放電ランプH
DLの放電開始電圧とほぼ同じ値に設定されている。ま
た、2次短絡電流は約550mAであり、負荷特性は、
図1の曲線Bに示すのと同様2次開放電圧から2次短絡
電流まで連続的になっている。
【0212】したがって、パルス電圧を発生するイグナ
イタを用いなくても、やがて高圧放電ランプHDLは、
始動し、若干の時間を経てグロー・アーク転移が行われ
て、負荷特性曲線上の定格ランプ電流値の位置が動作点
となって安定に点灯する。なお、高圧放電ランプは、図
3に既述したような構成であるから、始動時に黒化は殆
ど生じない。
【0213】図9は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置
の第2の実施形態における点灯回路手段を示す回路図で
ある。
【0214】図において、図8と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0215】本実施形態は、点灯回路手段がフルブリッ
ジ形高周波インバータFBIを主体としている点で異な
る。
【0216】BUTは昇圧チョッパ、BDTは降圧チョ
ッパ、FBIはフルブリッジ形高周波インバータであ
る。
【0217】昇圧チョッパBUTは、インダクタL4、
スイッチング手段Q3、ダイオードD1および平滑コン
デンサC8から構成されていて、平滑コンデンサC8の
両端に整流化非平滑直流電源電圧に対して昇圧された約
580Vの平滑化直流電圧を発生する。
【0218】降圧チョッパBDTは、スイッチング手段
Q4およびコンデンサC9から構成されていて、スイッ
チング手段Q4のオンデューティを可変にしてコンデン
サC9の積分作用により出力電圧を変化しながら定電力
制御を行うように制御される。
【0219】フルブリッジ形高周波インバータFBI
は、4個のスイッチング手段Q5〜Q8をブリッジ接続
して入力端を降圧チョッパBDTのコンデンサC9の両
端に接続し、出力端間に負荷回路LCを接続している。
なお、負荷回路LCのインダクタL5は、主としてスイ
ッチング手段Q3ないしQ6がオンした際の電流のピー
ク値を抑える作用をする。フルブリッジ形インバータの
場合、限流インダクタンスは不要になる。
【0220】そうして、フルブリッジ形高周波インバー
タFBIは、その直流入力電圧を変化させることによ
り、出力電圧を調整でき、高圧放電ランプHDLの始動
時に約580Vを出力し、点灯時に約75Vを出力す
る。
【0221】図10は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第2の実施形態を示す回路図である。
【0222】図において、ASは低周波交流電源、SW
は電源スイッチ、HBは点灯回路手段、HDLは高圧放
電ランプである。
【0223】低周波交流電源ASは、100V商用交流
電源である。
【0224】電源スイッチSWは、後述する点灯回路手
段HBの入力をオン、オフする。
【0225】点灯回路手段HBは、LC共振形の高周波
インバータを主体として構成され、高圧放電ランプHD
Lに高周波電圧を供給するとともに、限流インピーダン
スを備えている。
【0226】図11は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第2の実施形態における高圧放電ランプを示す正面
図である。
【0227】図12は、同じく上端部のみを封止した状
態を示す高圧放電ランプの縦断面図である。
【0228】各図において、図3と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。高圧放電ランプHD
Lは、材質およびサイズを除けば図3に示した本発明の
高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施形態における高圧
放電ランプとほぼ同様である。
【0229】給電導体3の小径筒部1bの端面に当接す
る位置に120゜間隔で、3つの放射状突起部3aが一
体に形成されている。この放射状突起部3aは、それぞ
れ軸方向に沿うテーパを外面に有していて、給電導体3
の透光性セラミックス放電容器1の小径筒部1bの端面
に当接してストッパとなるともに、給電導体3および電
極2を小径筒部1bに対して同軸になるように位置を規
正する。
【実施例2】〔高圧放電ランプ〕透光性セラミックス放
電容器1:透光性アルミナセラミックス製で、全長24
mm、中空部1aの外径が6mm、内径5mm(肉厚
0.5mm)、小径筒部1bが外径1.7mm、内径
0.7mm(肉厚0.5mm) 電極2:タングステンを主成分とし、直径0.25m
m、露出長7mm、電極間距離3mm 給電導体3:封着性部分がニオブからなり、直径0.6
4mm わずかな隙間g:0.225mm シール4:給電導体3および電極2の被覆長さ3.5m
m 放電媒体:始動ガスおよびバッファガスがNe3%+A
r100torr、他に水銀1mgおよびTl、Dy、
Inなどの発光金属のヨウ化物1.5mg 〔点灯回路手段〕 回路構成:LC共振形の高周波インバータを主体とす
る。
【0230】点灯周波数:45kHz 〔点灯条件〕 ランプ電力:23W ランプ電圧:72V ランプ電流:0.3A 図13は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第2の実
施形態に関連するグロー・アーク転移時間と光束維持率
との関係を示すグラフである。
【0231】図において、横軸はグロー・アーク転移時
間(秒)を、縦軸は光束維持率(%)を、それぞれ示
す。また、図は、グロー・アーク転移時間の種々異なる
高圧放電ランプ点灯装置を用意して、高圧放電ランプを
165分間点灯し、5分間消灯する点滅試験を3000
時間実施した後に、そのグロー・アーク転移時間と光束
維持率とを測定した結果に基づいて作成したものであ
る。
【0232】図から明かなように、グロー・アーク転移
時間と光束維持率との間には、明かな相関が認められ、
グロー・アーク転移時間が0.5〜3.0秒の範囲内で
あれば、光束維持率が80%以上になることが確認でき
る。
【0233】また、グロー・アーク転移時間が1.0〜
2.5秒の範囲内であれば、光束維持率が90%以上に
なることも分かる。
【0234】図14は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第2の実施形態に関連して高圧放電ランプのグロー
・アーク転移時間の測定法を説明する回路図である。
【0235】図において、OSCはストレージ形のオシ
ロスコープである。
【0236】すなわち、高圧放電ランプHDLの両端に
オシロスコープの測定端子を接続して、電源スイッチS
Wによる安定器HBへの電源投入時からランプ電圧波形
の変化を観測して、両方の電極がグロー・アーク転移し
た時の経過時間をグロー・アーク転移時間として計時す
る。そして、測定回数5回の平均値をもってグロー・ア
ーク転移時間とする。
【0237】図15は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第1の実施形態に関連して高圧放電ランプのランプ
電圧波形を模式的に示す波形図である。
【0238】図において、横軸は時間(秒)を、縦軸は
電圧を、それぞれ示す。また、図は時間0で電源スイッ
チSWを投入し、2秒のときに一方の電極側がグロー・
アーク転移し、2.5秒のときに他方の電極側がグロー
・アーク転移した場合を示している。したがって、この
図に示す例では、グロー・アーク転移時間は2.5秒で
ある。なお、グロー・アーク転移後は安定点灯状態に移
行している。
【0239】図16は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第3の実施形態における高圧放電ランプを示す正面
図である。
【0240】図において、図11と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。また、5は接続導
体、6は始動補助導体である。
【0241】接続導体5は、モリブデン線からなり、図
において上方の給電導体3に一端が接続し、基端が点灯
回路手段側に接続する。
【0242】始動補助導体6は、同様にモリブデン線か
らなり、基端が接続導体5に溶接により接続し、先端が
下方の電極(図示しない。)の周囲を包囲する小径筒部
1bの中間部に巻回されている。
【0243】そうして、本実施形態においては、始動時
に図において下方の電極と始動補助導体6との間に点灯
回路手段の出力電圧が印加されるので、それらの間の電
界強度が大きくなり、放電媒体の絶縁破壊が促進され
る。その結果、相対的に低い電圧でも高圧放電ランプは
始動する。
【0244】なお、本実施形態の高圧放電ランプは、図
示しない外管内に収納される。
【0245】図17は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第4の実施形態における高圧放電ランプを示す正面
図である。
【0246】図において、図16と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。また、7は外管、8
は口金である。
【0247】外管7は、R形のバルブ形状をなしてい
て、図において底部を除いて内面に反射面7aを備えて
いるとともに、内部は排気されて真空になっている。反
射面7aは、アルミニウム蒸着により形成されている。
【0248】また、外管7の内部には、図16に示すの
と同様な透光性セラミックス放電容器1が収納されてい
る。透光性セラミックス放電容器1の包囲部1aが反射
面7aの焦点に位置するように固定されている。
【0249】口金8は、E26形ねじ口金からなり、外
管7のネック部7bに無機質接着剤によって固着されて
いる。
【0250】図18は、本発明の高圧放電ランプ点灯装
置の第5の実施形態における上側のみを組み立てた状態
の高圧放電ランプを示す縦断面図である。
【0251】図において、図3と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0252】高圧放電ランプは、図に示すように、透光
性セラミックス放電容器1、一対の電極2、給電導体
3、第1のシール4および図面に現れない放電媒体に加
えて、セラミックスワッシャ7、外部リード線8、第2
のシール9を備えている。なお、図は、構成を理解しや
すくするために、上側のみを組み立て封止した状態を示
しているが、実際は上下対称構造になっている。また、
第1のシール4は、図3におけるシール4と同様であ
る。
【0253】透光性セラミックス放電容器1の包囲部1
aは、図2において説明したように、ほぼ球形を備えて
いる。
【0254】セラミックスワッシャ7は、中央の貫通孔
7aを備え、給電導体3および外部リード線8の接続部
を包囲している。
【0255】外部リード線8は、耐酸化性金属からな
り、給電導体3の基端に溶接され、給電導体3と同一方
向に延在している。
【0256】第2のシール9は、セラミックスワッシャ
7の貫通孔7a内を中心に給電導体3の小径筒部1bか
ら外部に露出している基端部を包囲している。したがっ
て、給電導体3は、第1および第2のシール4、9によ
って完全に被覆されている。
【0257】放電媒体として、発光金属のハロゲン化
物、水銀および希ガスが封入されている。
【実施例3】〔高圧放電ランプ11〕 透光性セラミックス放電容器1: 材質−透光性アルミナセラミックス製 全長−28mm 包囲部1a−外径aが6.5mm、内径5.5mm(肉
厚0.5mm)、内容積0.087cc、真球度は0.
68、軸長b(図1参照)が7.2mm 小径筒部1b−外径1.7mm、内径0.7mm(肉厚
0.5mm)、長さ9mm 重量−386mg 電極2:材質−主成分タングステン、直径0.25m
m、長さ7.5mm、電極間距離3mm わずかな隙間g:0.225mm 給電導体3:材質−ニオブ、直径0.64mm、長さ4
mm、小径筒部1bへの挿入深さ3.5mm 外部リード線8:材質−Fe−Ni−Co合金、直径
0.64mm、長さ5. 5mm 第1のシール4:材質−Al−SiO−Dy
系のセラミックス封止用コンパウンドすなわちフリ
ットガラス、融点1500゜C セラミックスワッシャ7:材質−アルミナセラミックス 第2のシール9:材質−CaO−BaO−SiO系の結
合用ガラスすなわちフリットガラス、融点1045゜C 放電媒体:始動ガスおよび緩衝ガス−分圧でNe3%+
Ar97%の混合ガスを150torr 緩衝蒸気−水銀1.5mg 発光金属の化合物−NaI:TlI:DyIをモル比
で71:8:21の比率で1.4mg ランプ電力:20W ランプ重量:487mg ランプ電力(W)/透光性セラミックス放電容器の重量
(mg):0.0518(w/mg) ランプ電力(W)/高圧放電ランプの重量(mg):
0.0411(w/mg) 包囲部の内容積当りの発光媒体の封入量:16.09
(mg/cc) 包囲部1aの軸長bに対する電極間距離gEの比率/
b:0.427 〔点灯回路手段〕 回路構成:LC共振形であるとともに、一対のスイッチ
ング手段をコンプリメンタリ接続したハーフブリッジ形
の高周波インバータを主体とする。
【0258】点灯周波数:45kHz 〔点灯条件〕 ランプ電圧:70V ランプ電流:0.26A ランプ効率:78lm/W 不点寿命 :7000時間 図19は、本発明の照明装置の第1の実施形態としての
電球形高圧放電ランプを示す中央断面正面図である。
【0259】図において、図18と同一部分については
同一符号を付して説明は省略する。
【0260】11は高圧放電ランプ装置、12は固定手
段、13は点灯回路手段、14は受電手段、15はケー
ス、16は接続線、17は保護手段である。
【0261】高圧放電ランプ装置11は、高圧放電ラン
プ11aおよび反射鏡11bからなる。
【0262】高圧放電ランプ11aは、図18に示す高
圧放電ランプを用いている。
【0263】反射鏡11bは、反射面11b1、一対の
透孔11b2および支持台11b3を備えている。
【0264】反射面11b11は、回転放物面形状をな
している。
【0265】一対の透孔11b2は、反射面11b1の
所定の位置に対向して形成されていて、反射面11b1
の内外を連通している。所定の位置とは、反射面11b
1の横方向に横断し、かつ焦点を通過する位置である。
【0266】支持台11b3は、反射面11b1の背面
側に筒状に形成されて突出している。
【0267】そうして、高圧放電ランプ11aは、その
両端の小径筒部1bを反射鏡11bの一対の透孔11b
2に挿入して反射鏡11bに組み付けられて、両者は一
体化されている。
【0268】固定手段12は、板部12aおよび栓体部
12bが一体に形成されている。
【0269】板部12aは、後述するケース15の蓋体
15bの背面に周縁部が当接する。
【0270】栓体部12bは、高圧放電ランプ装置11
の反射鏡11bの支持台11b3の筒の中に挿入され、
かつ接着されることによって、高圧放電ランプ装置11
を蓋体15bに接着している。
【0271】点灯回路手段13は、蛍光ランプ用として
の負荷特性を備えていて、高周波インバータおよび限流
手段を含み、高圧放電ランプ11aを高周波点灯する。
そして、点灯回路手段13は、反射鏡11bの背面に配
設されている。なお、13aは配線基板である。
【0272】受電手段14は、E11形ねじ口金からな
り、当該ねじ口金が通電状態のランプソケット(図示し
ない。)に装着された際に受電して放電ランプ点灯装置
13を付勢する。
【0273】ケース15は、以上の各構成要素を収納し
て、所定の位置関係に保持する。また、ケース15は、
ケース本体15aおよび蓋体15bからなり、図におい
て上部が切頭円錐状をなすとともに、下端が開放された
円筒状である。そして、点灯回路手段13は、ケース本
体15a内に収納されている。ケース15のその切頭部
に受電手段14を配置している。
【0274】蓋体15bは、ケース本体15aの下端に
嵌合状態で図示しない接着剤によって固着される。ま
た、蓋体15bの中央には、開口15b1が形成されて
いて、前述の高圧放電ランプ装置11を収容している。
さらに、蓋体15bには、他に接続線16が通過する挿
通孔15b2が形成されている。
【0275】接続線16は、ケース15の内部に収納さ
れている放電ランプ点灯装置13から延在し、蓋体15
bの挿通孔15b2を通過して、高圧放電ランプ11a
の外部リード線8に接続している。
【0276】保護手段17は、蓋体15bと一体に形成
されている。
【0277】そうして、保護手段17は、高圧放電ラン
プ装置11の周囲に環状に起立して反射鏡12、高圧放
電ランプ11aの反射鏡12から外部に露出している部
分および接続線16を包囲して保護する。
【0278】図20は、本発明の照明装置の第2の実施
形態としての電球形高圧放電ランプを示す正面図であ
る。
【0279】図22は、同じく縦断面図である。
【0280】各図において、図18および図19と同一
部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0281】高圧放電ランプ装置11は、高圧放電ラン
プ11a、反射鏡11bおよび前面保護版11cからな
る。高圧放電ランプ11aは、図18に示す高圧放電ラ
ンプと類似の構成である。ただし、外部リード線8が高
圧放電ランプ11aの軸に対して直角方向に導出されて
いる点で異なる。
【0282】反射鏡11bは、その反射面11b1がガ
ラス成形品からなる基体の内表面に形成した回転放物面
の上にアルミニウムを蒸着することによって形成されて
いる。
【0283】全面保護板11cは、透光性耐熱部材から
なり、反射鏡11の投光開口に耐熱性接着剤によって接
着されて、投光開口を閉塞している。
【0284】点灯回路手段13は、その出力端が高圧放
電ランプ11aの外部リード線8に接続している。
【0285】受電手段14は、E26形ねじ口金からな
る。
【0286】ケース15は、耐熱性合成樹脂を成形して
形成されている。
【0287】図22は、本発明の照明装置の第3の実施
形態としてのスポットライトを示す正面図である。
【0288】図において、21は照明器具本体、22は
高圧放電ランプ装置である。
【0289】照明器具本体21は、基台21a、支柱2
1bおよび灯体21cを備えている。
【0290】基台21aは、天井に直付けまたはライテ
ィングダクトを介して天井に吊り下げるように構成さ
れ、内部に放電ランプ点灯装置(図示しない。)を収納
している。
【0291】支柱21bは、基台21aから垂下して灯
体21cを支持している。内部に放電ランプ点灯装置か
ら灯体21cに接続する絶縁被覆導線(図示しない。)
を収容している。
【0292】灯体21cは、内部にランプソケット(図
示しない。)を収納している。
【0293】高圧放電ランプ装置22は、高圧放電ラン
プHDL、反射鏡22aおよび口金22bを備えてい
る。
【0294】そうして、灯体21cのランプソケットに
高圧放電ランプ装置22の口金22bを装着すれば、高
圧放電ランプHDLが高輝度で点灯し、反射鏡22aに
より集光されるので、所望のシャープな配光特性を得て
被照体を良好に照明することができる。
【0295】なお、従来のハロゲンランプを用いるスポ
ットライトと同様にハロゲンランプを装着しても良好に
点灯することができる。
【0296】図23は、本発明の照明装置の第4の実施
形態としてのスポットライトを示す正面図である。
【0297】図において、図17および図22と同一部
分についは同一符号を付して説明は省略する。
【0298】照明器具本体21は、図22と同一であ
る。
【0299】高圧放電ランプHDLは、図17に示すも
のと同一である。
【0300】そうして、照明器具本体21の灯体21c
の内部に配設されているランプソケット(図示しな
い。)に高圧放電ランプHDLの口金を装着すれば、高
圧放電ランプHDLが高輝度で点灯し、その外管7の反
射面7aにより集光されるので、所望のシャープな配光
特性を得て被照体を良好に照明することができる。
【0301】
【発明の効果】請求項1ないし14の各発明によれば、
透光性放電容器の包囲部の端部に連通した凹窪部を形成
し、凹窪部内に電極を挿通してその先端を包囲部内に突
出させ、かつ凹窪部の内面と電極との間にわずかな隙間
を形成するとともに、放電媒体を封入した高圧放電ラン
プを、小形の点灯回路手段を用いて点灯しても、始動時
の電極物質の蒸発による黒化が生じにくい高圧放電ラン
プ点灯装置を提供することができる。
【0302】請求項1および2の発明によれば、加えて
透光性放電容器の包囲部の両端に連通した凹窪部を形成
し、凹窪部内に電極を挿通してその先端を包囲部内に突
出させ、かつ凹窪部の内面と電極との間にわずかな隙間
を形成するとともに、始動ガスおよびバッファガスとし
てネオンおよびアルゴンを封入した高圧放電ランプを、
負荷特性が2次開放電圧から2次短絡電流まで連続して
いる蛍光ランプ用の点灯回路手段を用いて点灯すること
により、グロー放電時の電極換算電流密度を小さくして
グロー・アーク転移時のグロー電力を小さくできるの
で、始動時の電極物質の蒸発による黒化が生じにくいと
ともに、小形の点灯回路手段を用いることが可能な高圧
放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0303】請求項2の発明によれば、加えて点灯回路
手段の2次開放電圧が高圧放電ランプの放電開始電圧に
接近していることにより、始動時のグロー電力をより小
さくした高圧放電ランプ点灯装置を提供することができ
る。
【0304】請求項3の発明によれば、加えてLC共振
回路を備えた高周波インバータを主体とする点灯回路手
段を用いることにより、出力電圧の調整が円滑であると
ともに、回路構成が簡単で、一層小形かつ安価な高圧放
電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0305】請求項4の発明によれば、加えて高圧放電
ランプが透光性セラミックス放電容器を備えていること
により、電極の周囲にわずかな隙間を備えた凹窪部を容
易に形成できるとともに、高ランプ効率で、かつ長寿命
の高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0306】請求項5の発明によれば、加えて高圧放電
ランプの放電媒体のネオンおよびアルゴンが100〜2
00torrの圧力で封入されていることにより、始動
時の黒化が著しく低減する高圧放電ランプ点灯装置を提
供することができる。
【0307】請求項6の発明によれば、加えて高圧放電
ランプのグロー・アーク転移時間が0.5〜3.0秒の
範囲内であることにより、始動時の黒化が低減する高圧
放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0308】請求項7の発明によれば、加えて高圧放電
ランプのグロー・アーク転移時間が1.0〜2.5秒の
範囲内であることにより、始動時の黒化が著しく低減す
る高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0309】請求項8の発明によれば、加えて高圧放電
ランプが透光性セラミックス放電容器に近接して配設さ
れた始動補助導体を備えていることにより、始動電圧が
低いとともに、点灯回路手段の一層の小形化が可能な高
圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0310】請求項9の発明によれば、加えて高圧放電
ランプの安定時の周波数が5〜500kHzであること
により、実際的な高周波点灯用の点灯回路手段を備えた
高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0311】請求項10の発明によれば、加えて高圧放
電ランプのランプ電力が50W以下であることにより、
たとえば光ファイバー用光源などの小形な照明装置に好
適で、ハロゲン電球に代替可能な高圧放電ランプ点灯装
置を提供することができる。
【0312】請求項11および12の発明によれば、加
えて透光性セラミックス放電容器の真球度が0.6以上
で、放電媒体がネオンおよびアルゴンを含み、ランプ電
力が50W以下で、かつ点灯回路手段の動作周波数が4
0〜80kHzであることにより、始動時の黒化が著し
く抑制され、また点灯回路手段を小形化できるととも
に、音響的共鳴現象が発生しない高圧放電ランプ点灯装
置を提供することができる。
【0313】請求項12の発明によれば、加えてグロー
・アーク転移時間が0.5〜3.0秒の範囲内であるこ
とにより、始動時の黒化が低減する高圧放電ランプ点灯
装置を提供することができる。
【0314】請求項13の発明によれば、加えて点灯回
路手段がLC共振形の高周波インバータを備えているこ
とにより、出力電圧の調整が円滑であるとともに、回路
構成が簡単で、一層小形かつ安価な高圧放電ランプ点灯
装置を提供することができる。
【0315】請求項14発明によれば、加えて点灯回路
手段の2次無負荷電圧が1.0〜3.0kVp-pである
ことにより、点灯回路手段を一層小形化した高圧放電ラ
ンプ点灯装置を提供することができる。請求項15の発
明によれば、請求項1ないし14の効果を有する照明装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧放電ランプ用安定器および蛍光ランプ用安
定器の負荷特性を示すグラフ
【図2】本発明の放電ランプ装置における透光性セラミ
ックス放電容器の包囲部の真球度を説明する説明図。
【図3】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における高圧放電ランプを示す一部切欠断面図
【図4】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における高圧放電ランプの電極換算電流密度と陰極
降下電圧との関係を比較例のそれとともに示すグラフ
【図5】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における高圧放電ランプの封入ガス圧と放電開始電
圧との関係を比較例のそれとともに示すグラフ
【図6】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における高圧放電ランプの封入ガス圧とグロー・ア
ーク転移時間および黒化度と関係を示すグラフ
【図7】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における高圧放電ランプの異なる封入圧に対する光
束維持率特性を比較例のそれとともに示すグラフ
【図8】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第1の実施
形態における点灯回路手段を示す回路図
【図9】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第2の実施
形態における点灯回路手段を示す回路図
【図10】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第3の実
施形態における点灯回路手段を示す回路図
【図11】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第4の実
施形態における高圧放電ランプを示す正面図
【図12】同じく上端部のみを封止した状態を示す高圧
放電ランプの縦断面図
【図13】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第4の実
施形態に関連するグロー・アーク転移時間と光束維持率
との関係を示すグラフ
【図14】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第4の実
施形態に関連して高圧放電ランプのグロー・アーク転移
時間の測定法を説明する回路図
【図15】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第4の実
施形態に関連して高圧放電ランプのランプ電圧波形を模
式的に示す波形図
【図16】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第5の実
施形態における高圧放電ランプを示す正面図
【図17】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第6の実
施形態における高圧放電ランプを示す正面図
【図18】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第7の実
施形態における上側のみを組み立てた状態の高圧放電ラ
ンプを示す縦断面図
【図19】本発明の照明装置の第1の実施形態としての
電球形高圧放電ランプを示す中央断面正面図
【図20】本発明の照明装置の第2の実施形態としての
電球形高圧放電ランプを示す中央断面正面図
【図21】同じく縦断面図
【図22】本発明の照明装置の第3の実施形態としての
スポットライトを示す正面図
【図23】本発明の照明装置の第4の実施形態としての
スポットライトを示す正面図
【符号の説明】
1…透光性セラミックス放電容器 1a…包囲部 1b…小径筒部 1b…凹窪部 2…電極 3…導入導体 4…シール g…わずかな隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦田 誠司 東京都品川区東品川四丁目3番1号東芝ラ イテック株式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA11 BA05 BB01 BC01 CA05 CA16 DD04 GA03 GB05 GB12 GB18 GC01 GC04 HA05 5C015 JJ06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電空間を包囲する包囲部および包囲部の
    端部に連通して配置され包囲部より内径が小さい凹窪部
    を備えた透光性放電容器、透光性放電容器の凹窪部の内
    面との間にわずかな隙間を形成しながら凹窪部内に挿通
    されているとともに先端が透光性放電容器の包囲部内に
    突出している細長い電極、先端が電極の基端部に接続さ
    れ少なくとも中間部が透光性放電容器に封着され基端が
    透光性放電容器から外部に露出した導入導体、ならびに
    少なくともネオンおよびアルゴンを含み透光性放電容器
    内に封入された放電媒体を備えている高圧放電ランプ
    と;2次開放電圧から2次短絡電流まで連続的な負荷特
    性を備え、高圧放電ランプを高周波で点灯する点灯回路
    手段と;を具備していることを特徴とする高圧放電ラン
    プ点灯装置。
  2. 【請求項2】放電空間を包囲する包囲部および包囲部の
    端部に連通して配置され包囲部より内径が小さい凹窪部
    を備えた透光性放電容器、透光性放電容器の凹窪部の内
    面との間にわずかな隙間を形成しながら凹窪部内に挿通
    されているとともに先端が透光性放電容器の包囲部内に
    突出している細長い電極、先端が電極の基端部に接続さ
    れ少なくとも中間部が透光性放電容器に封着され基端が
    透光性放電容器から外部に露出した導入導体、ならびに
    少なくともネオンおよびアルゴンを含み透光性放電容器
    内に封入された放電媒体を備えている高圧放電ランプ
    と;2次開放電圧が少なくとも高圧放電ランプの放電開
    始電圧に接近しているとともに、2次開放電圧から2次
    短絡電流まで連続的な負荷特性を備え、高圧放電ランプ
    を高周波で点灯する点灯回路手段と;を具備しているこ
    とを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 【請求項3】放電空間を包囲する包囲部および包囲部の
    端部に連通して配置され包囲部より内径が小さい凹窪部
    を備えた透光性放電容器、透光性放電容器の凹窪部の内
    面との間にわずかな隙間を形成しながら凹窪部内に挿通
    されているとともに先端が透光性放電容器の中空部内に
    突出している細長い電極、先端が電極の基端部に接続さ
    れ少なくとも中間部が透光性放電容器に封着され基端が
    透光性放電容器から外部に露出した導入導体、ならびに
    少なくともネオンおよびアルゴンを含み透光性放電容器
    内に封入された放電媒体を備えている高圧放電ランプ
    と;LC共振回路を備えた高周波インバータを主体とす
    る点灯回路手段と;を具備していることを特徴とする高
    圧放電ランプ点灯装置。
  4. 【請求項4】高圧放電ランプは、放電空間を包囲する包
    囲部および包囲部の端部に連通して配置され包囲部より
    内径が小さい凹窪部を形成する小径筒部を備えた透光性
    セラミックス放電容器、透光性セラミックス放電容器の
    凹窪部の内面との間にわずかな隙間を形成しながら凹窪
    部に挿通されているとともに先端が透光性セラミックス
    放電容器の中空部内に突出している細長い電極、先端が
    電極に接続されて電極を支持し基端が透光性セラミック
    ス放電容器から外部に露出する導入導体、透光性セラミ
    ックス放電容器の小径筒部および導入導体の間を封着し
    ているセラミックス封止用コンパウンドのシール、なら
    びに少なくともネオンおよびアルゴンを含み透光性セラ
    ミックス放電容器内に封入された放電媒体を備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の
    高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 【請求項5】高圧放電ランプは、放電媒体のネオンおよ
    びアルゴンが100〜200torrの圧力で封入され
    ていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一
    記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】放電空間を包囲する包囲部、包囲部の端部
    に連通して配置され包囲部より内径が小さい小径筒部を
    備えた透光性セラミックス放電容器、透光性セラミック
    ス放電容器の小径筒部の内面との間にわずかな隙間を形
    成しながら小径筒部内に挿通されている細長い電極、な
    らびに透光性セラミックス放電容器内に封入された放電
    媒体を備えている高圧放電ランプと;高圧放電ランプを
    高周波で点灯する点灯回路手段と;を具備し、高圧放電
    ランプのグロー・アーク転移時間が0.5〜3.0秒の
    範囲内になるように構成されていることを特徴とする高
    圧放電ランプ点灯装置。
  7. 【請求項7】高圧放電ランプのグロー・アーク転移時間
    は、1.0〜2.5秒の範囲内になるように構成されて
    いることを特徴とする請求項6記載の高圧放電ランプ点
    灯装置。
  8. 【請求項8】高圧放電ランプは、透光性セラミックス放
    電容器に近接して配設された始動補助導体を備えている
    ことを特徴とする請求項6または7記載の高圧放電ラン
    プ点灯装置。
  9. 【請求項9】点灯回路手段は、高圧放電ランプの安定点
    灯時の周波数が5〜500kHzであることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれか一記載の高圧放電ランプ
    点灯装置。
  10. 【請求項10】高圧放電ランプは、ランプ電力が50W
    以下であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれ
    か一記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  11. 【請求項11】真球度が0.6以上のほぼ球形をなして
    いて放電空間を包囲する包囲部を備えた透光性セラミッ
    クス放電容器、透光性セラミックス放電容器に臨在する
    一対の電極、ならびに透光性セラミックス放電容器内に
    封入されたネオンおよびアルゴンを含む放電媒体を備
    え、ランプ電力が50W以下の高圧放電ランプと;高圧
    放電ランプを動作周波数40〜80kHzの高周波で点
    灯する点灯回路手段と;を具備していることを特徴とす
    る高圧放電ランプ点灯装置。
  12. 【請求項12】高圧放電ランプのグロー・アーク転移時
    間は、0.5〜3.0秒の範囲内になるように構成され
    ていることを特徴とする請求項11記載の高圧放電ラン
    プ点灯装置。
  13. 【請求項13】点灯回路手段は、LC共振形の高周波イ
    ンバータを備えていることを特徴とする請求項1、2,
    4および5ないし12のいずれか一記載の高圧放電ラン
    プ点灯装置。
  14. 【請求項14】点灯回路手段は、その2次無負荷電圧が
    1.0〜3.0kVp-pであることを特徴とする請求項
    1ないし13のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装
    置。
  15. 【請求項15】照明装置本体と;照明装置本体に支持さ
    れた請求項1ないし14のいずれか一記載の高圧放電ラ
    ンプ点灯装置と;を具備していることを特徴とする照明
    装置。
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