JP2001126883A - 高圧放電ランプ装置および照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプ装置および照明装置

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JP2001126883A
JP2001126883A JP30722399A JP30722399A JP2001126883A JP 2001126883 A JP2001126883 A JP 2001126883A JP 30722399 A JP30722399 A JP 30722399A JP 30722399 A JP30722399 A JP 30722399A JP 2001126883 A JP2001126883 A JP 2001126883A
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pressure discharge
discharge lamp
lamp
lighting
frequency
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Hisashi Honda
久司 本田
Seiji Ashida
誠司 芦田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】共振周波数がほぼ単一モードで、しかも高くで
きる透光性セラミックス放電容器を備えることにより、
共振周波数以下の範囲内において点灯回路手段の動作周
波数を高くして小形化を図った高圧放電ランプ装置およ
びこれを用いた照明装置を提供する。 【解決手段】放電空間を包囲する真球度が0.65以上
のほぼ球形をなしている包囲部1aを備えた透光性セラ
ミックス放電容器1、その包囲部1aに臨在する一対の
電極2を備え、包囲部1a内に放電媒体を封入したラン
プ電力が50W以下の高圧放電ランプ11と、高圧放電
ランプ11を40〜80kHz、好適には40.5〜5
5kHzの高周波で点灯する点灯回路手段12とを具備
している。透光性セラミックス放電容器1の包囲部1a
が所定の真球度を備えたほぼ球形であることにより、共
振周波数がほぼ単一モードで、しかも高くでき、これに
伴って点灯回路手段12の動作周波数を高くすることが
できるから、点灯回路手段12を著しく小形化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性セラミック
ス放電容器を備えた高圧放電ランプおよびこの高圧放電
ランプを点灯する点灯回路手段を備えた高圧放電ランプ
装置、ならびにこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小形で高効率の光源が待望されて
いる。
【0003】高圧放電ランプは、蛍光ランプに比べて、
ランプ自体を小形化することは可能であるが、ランプを
点灯する点灯回路手段が大きくなるために、一般的には
点灯回路手段を一体化したランプ装置として見た場合に
は、小形の光源としては蛍光ランプに劣る。
【0004】しかし、高圧放電ランプを高周波点灯する
ことができれば、ランプ電力50W程度までの場合、点
灯回路手段の小形化が期待できる。
【0005】ところが、高圧放電ランプの場合、音響的
共鳴現象によるアークのちらつきや、立ち消えの問題が
あるために、充分に小形化された形での実用化は困難で
あった。
【0006】たとえば、特表平11−509680号公
報には、シェルと、シェル内に配置された放電デバイス
と、放電デバイスからの光を反射するシェル内に配置さ
れた反射面と、シェル内に配置されたバラストとを構成
要素として具備した一体形のHID反射ランプが開示さ
れている。
【0007】この一体形のHID反射ランプは、各構成
要素が以下の構造である。
【0008】すなわち、シェルは、合成樹脂を成形し
て、逆切頭円錐形のカップ状部分と切頭部から一体に突
出した基底部分とを一体に備えていて、基底部分にねじ
込み式口金を備えている。
【0009】放電デバイスは、酸化アルミニウムの多結
晶体からなる透光性セラミックス放電容器の内径3m
m、長さ3mmの円筒状をなす発光部の内部に一対の電
極を電極間距離2mmになるように配設し、2.3mg
の水銀と、モル比が90:1.4:8.6である3.5
mgのNaI、DyIおよびTlIのハロゲン化物
と、始動ガスおよび緩衝ガスとしてArと封入してい
る。
【0010】反射面は、成形されたガラス製の反射体の
開口面がガラス製レンズで内部をシールした構造であ
る。そして、反射面の焦点に発光中心を一致させて放電
デバイスを反射面の内部に配置するとともに、反射面の
内部にKrおよびNを封入している。さらに、反射面
をシェルのカップ状部分の開口部に固定している。
【0011】なお、放電デバイスは、紫外線遮断性のス
リーブで覆うことにより放射した紫外線がスリーブで遮
断される。
【0012】バラストは、整流器回路の直流出力をハー
フブリッジ形のDC−ACインバータで高周波に変換
し、LCネットワークからなる共振出力回路を介して高
圧放電ランプに印加して点灯する構成で、さらに制御回
路および繰り返し周波数400msの点弧パルスを50
msの間発生する停止回路を備えている。
【0013】そうして、上述した従来技術においては、
放電デバイスの最低共振周波数が30kHz以上で、ま
た公称ランプ電力が20Wである。
【0014】これに対して、バラストの基本的なランプ
電流の動作周波数を可聴周波数である19kHzより高
いが、最低共振周波数よりは明らかに低い24kHzに
選択している。
【0015】その結果、音響的共振を回避して、放電デ
バイスは点灯し、入力電力22W、全光束1320lm
/W、発光効率60lm/Wで点灯する旨記載されてい
る。
【0016】また、この一体形のHID反射ランプは、
赤外反射形ハロゲン電球の発光部を有する既知の60W
のPAR38ランプおよび90WのハロゲンPAR38
ランプの外形にほぼ納まる寸法になる旨記載されてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
技術の一体形のHID反射ランプは、その開口径がPA
R38形のランプに近似した135mm、管長が135
mmであり、また重量は約1kgに達すると推定される
ことから、大形で、しかも重量がすこぶる大である。
【0018】店舗などにおけるスポットライトおよびダ
ウンライトを用いた照明には、さらに小形で、かつ軽量
の光源が要求されていて、たとえば反射鏡付きのハロゲ
ン電球の場合、定格消費電力65〜75W、全光束12
50lm程度でも反射鏡の開口径は50mmのものが使
用されている。高圧放電ランプ装置においても、これに
見合うような小形化が実現することにより、多様な照明
を、しかも手軽に行える。
【0019】ところが、前述の従来技術においては、動
作周波数が低いために、バラストのさらなる小形化およ
び軽量化は不可能である。なぜなら、放電デバイスの最
低共振周波数が30kHz以上であるから、音響的共鳴
現象を回避するためには、動作周波数を共振周波数より
明らかに低い値にせざるを得ない。
【0020】本発明者の調査によると、従来技術の放電
デバイスの最低共振周波数が低いのは、その透光性セラ
ミックス放電容器が円筒状をなしていることが原因して
いることが分かった。すなわち、透光性セラミックス放
電ランプが円筒状をなしていると、共振周波数のモード
が複雑になり、その結果最低共振周波数が低くなる。
【0021】一方、音響共鳴の最低周波数である基本周
波数に対して、たとえば10倍程度の十分に高い周波数
で高圧放電ランプを点灯すれば、音響共鳴の問題を回避
できることが知られている。
【0022】しかし、このように動作周波数が非常に高
くなると、放射ノイズおよびラインノイズが極めて強く
なる。これを電波シールドによって対応すると、結局高
圧放電ランプ装置が大形化してしまうという問題があ
る。
【0023】本発明は、共振周波数がほぼ単一モードで
あって、しかも高くなる透光性セラミックス放電容器を
備えることにより、共振周波数以下の範囲内において点
灯回路手段の動作周波数を高くして小形化を図った高圧
放電ランプ装置およびこれを用いた照明装置を提供する
ことを目的とする。
【0024】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプ装置は、真球度が0.65以上のほぼ球形をな
していて放電空間を包囲する包囲部を備えた透光性セラ
ミックス放電容器、透光性セラミックス放電容器の包囲
部に臨在する一対の電極、ならびに透光性セラミックス
放電容器内に封入された放電媒体を備え、ランプ電力が
50W以下の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを動作
周波数40〜80kHzの高周波で点灯する点灯回路手
段と;を具備していることを特徴としている本発明およ
び以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定
義および技術的意味は次による。
【0025】〔高圧放電ランプについて〕 <透光性放電容器について>透光性セラミックス放電容
器は、少なくとも放電空間を包囲する包囲部を備えてい
て、包囲部が透光性セラミックスによって形成されてい
る。なお、「透光性」とは、放電によって発生した光を
透過して外部に導出できる程度に光透過性であることを
いい、透明ばかりでなく、光拡散性であってもよい。ま
た、透光性セラミックス放電容器が包囲部以外にたとえ
ば小径筒部などを備えている場合であっても、少なくと
も包囲部が透光性を備えていればよく、要すれば小径筒
部などは遮光性であってもよい。
【0026】また、「透光性セラミックス」とは、単結
晶の金属酸化物たとえばサファイヤと、多結晶の金属酸
化物たとえば半透明の気密性アルミニウム酸化物、イッ
トリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、イッ
トリウム酸化物(YOX)と、多結晶非酸化物たとえば
アルミニウム窒化物(AlN)と、のような光透過性お
よび耐熱性を備えた材料をいう。
【0027】包囲部は、点灯中電極間に生起する放電の
主として陽光柱を包囲する。また、包囲部は、真球度が
0.65以上の球状をなしている。以下、真球度につい
て図1を参照して説明する。
【0028】図1は、本発明の放電ランプ装置における
透光性セラミックス放電容器の包囲部の真球度を説明す
る説明図である。
【0029】図において、1は透光性セラミックス容器
ブ、1aは包囲部、1bは小径筒部、xは中心軸,yは
中心軸に直角な軸である。
【0030】透光性セラミックス容器1は、透光性セラ
ミックスを成形して形成されていて、全長はLである。
【0031】包囲部1aは、透光性セラミックス容器1
の中央部に配設されていて、所与の真球度Rbを有する
ほぼ球状をなしている。そして、包囲部1aは、中心軸
xに直角な軸yに沿った最大内径a、最大外径Oaと、
中心軸xに沿った軸長bとを有している。
【0032】小径筒部1bは、包囲部1aの中心軸xに
沿った両端からそれぞれ一体的に突出して形成されてい
て、内部には中心軸に沿った連通孔1b1が形成されて
いて、それぞれ長さL1、L2を有している。なお、連
通孔1b1は、その内端が包囲部1aに連通し、外端が
外部に連通している。
【0033】また、小径筒部1bは、その内部に後述す
る電極が挿通されることにより、その内面と電極との間
にキャピラリーとも称されるわずかな隙間を形成すると
ともに、透光性セラミックス放電容器を封止するために
用いることができる。
【0034】なお、一対の小径筒部1bの長さの和L1
+L2は、透光性セラミックス放電容器1の全長Lから
包囲部1aの軸長bを差し引いた値である。
【0035】そうして、包囲部1aの軸長bは、軸yお
よび包囲部1aの内面の交点P1と、包囲部1aと小径
筒部1bとの境界部のアール部分の内面P2との間を結
ぶ直線lの延長部が中心軸xと交差する点をP3とした
ときに、左右のP3とP3との間の距離をいうものとす
る。
【0036】真球度Rは、包囲部1aの最大内径aお
よび軸長bから下式により与えられる。 R=a/b 本発明においては、真球度Rが0.65以上に設定さ
れているのが特徴的構成である。真球度Rの値は、透
光性セラミックス放電容器1の包囲部1aと小径筒部1
bとの境界部すなわち内面P2が角張っていて、かつ小
径筒部1bの通孔1b1の内径が小さく、しかも包囲部
1aが完全な真球でれば、1に接近する。しかし、真球
度Rは、その定義からすれば、内面P2のアールの大
きさおよび小径筒部1bの内径の大きさによって影響さ
れる。そして、内面P2のアールの大きさは、透光性セ
ラミックス放電容器の製造方法により影響を受けて変化
し得る。また、小径筒部1bの通孔1b1の内径は、電
極の径およびわずかな隙間のギャップサイズがランプ設
計により影響を受ける。さらに、これらの如何は共振周
波数にそれほど大きな影響がないので、本発明において
は真球度Rを多少の設計の裕度を考慮して上記のよう
に規定している。
【0037】また、本発明において、透光性セラミック
ス放電容器の包囲部の形状は、真球度Rが0.65の
場合、一般的には軸方向に長軸がある回転楕円形にやや
類似した多少横長であるが、ほぼ球形の形状であること
を含む。
【0038】さらに、真球度Rは、1を超えた値であ
っても図一におけるx軸方向よりはy軸方向に多少膨ら
んだほぼ球形をなす範囲が存在する。このため、真球度
は、一般的には1.2程度、好適には1.1まで許
容される。
【0039】次に、透光性セラミックス放電容器を製作
するには、両側封止構造の場合、中央の包囲部と包囲部
の両端に位置する一対の小径筒部とを最初から一体に形
成することができる。しかし、たとえば包囲部を形成す
る球形部と、球形部の両端に接続して小径筒部を形成す
る小径筒体とを、それぞれ別に仮焼結して所要に接合さ
せて、全体を焼結することにより、一体の透光性セラミ
ックス放電容器を形成することもできる。
【0040】また、透光性セラミックス放電容器は、石
英ガラスと違って、加熱軟化させて加工するようなこと
ができないので、セラミックス封止用コンパウンドを用
いたシールによって封止することができる。セラミック
ス封止用コンパウンドを用いたシールは、点灯中高温に
なるセラミックスバルブを後述する給電導体とともに封
止するために、一般的に融点が1500℃以上で、熱膨
張係数が透光性セラミックスのそれに接近しているもの
を使用する。セラミックス封止用のコンパウンドは、フ
リットとも称されるが、予め調合されたガラス質の原料
を成形して環状のペレットにされる。次に、このペレッ
トを透光性セラミックス放電容器の小径筒部の端部に載
置してから、加熱溶融すると、小径筒部と給電導体との
間の微小な隙間内に進入していき、所定の位置まで進入
したときに冷却して、固化させることにより、シールが
形成される。
【0041】さらに、本発明において、透光性セラミッ
クス放電容器の内容積は制限されるものではないが、小
形の高圧放電ランプを得るためには、透光性セラミック
ス放電容器を0.05cc以下、好適には0.04cc
以下にするとよい。この場合、透光性セラミックス放電
容器は、その全長が35mm以下、好適には10〜30
mmである。
【0042】<電極について>電極は、透光性セラミッ
クス放電容器の包囲部に臨在していて、材料にタングス
テンまたはドープドタングステンを用いている。なお、
「臨在」とは、包囲部内に放電を形成するように配設さ
れている状態を意味する。したがって、電極は、少なく
ともその主要部が包囲部の内部に位置している状態が好
適であるが、要すれば小径筒部内に位置しているなど要
すれば包囲部内に直接位置していない構成であってもよ
い。
【0043】電極を小径筒部内に挿通して配設する場
合、電極は、細長くて小径筒部内に挿通されて小径筒部
の内面との間にいわゆるキャピラリーと称されるわずか
な隙間を形成するとともに、先端が包囲部を臨む位置に
あるか、または包囲部内に突出している。
【0044】この場合、電極の中間部は、透光性セラミ
ックス放電容器の小径筒部の内面との間になるべく均一
なわずかな隙間を形成するために、一定の太さであるこ
とが望ましい。
【0045】電極の先端部は、表面積を大きくして放熱
を良好にするために、必要に応じてタングステンのコイ
ルを巻装することができる。
【0046】また、電極の基端部は、透光性セラミック
ス放電容器に対して所要の位置に固定するとともに、外
部から電流を導入するために機能する。
【0047】さらに、電極の基端部は、給電導体に溶接
などにより固着されることによって電気的および機械的
に支持される。この場合、要すれば溶接に際してモリブ
デン、サーメットなどの部材を給電導体と電極の基端と
の間に介在させることができる。
【0048】<放電媒体について>放電媒体は、少なく
とも始動ガスおよび緩衝ガスとして希ガスを含むものと
し、点灯中約1気圧以上の圧力を呈するように透光性セ
ラミックス放電容器内に封入される。
【0049】また、放電媒体は、発光物質またはその化
合物たとえば金属ハロゲン化物やアマルガムなどを含
む。
【0050】さらに、放電媒体は、緩衝蒸気水銀を含む
ことができる。
【0051】一方、希ガスは、本質的に特定のガスに限
定されないが、正規グロー放電から異常グロー放電に遷
移する際のグロー電流を小さくしたり、放電開始電圧を
低下させたい場合などの所要時に、ネオンおよびアルゴ
ンを混合して封入することができる。なお、この場合、
アルゴンは、ネオンに対して分圧で0.1〜15%、好
適には10%までの範囲で混合することができる。ま
た、ネオンおよびアルゴンは、一般的に80〜300t
orr、好適には100〜200torrの封入圧で用
いることができる。なお、封入圧が80torr未満で
あると、グロー・アーク転移時間が長くなって、電極物
質のタングステンの蒸発による黒化が多くなる。一方、
封入圧が300torrを超えると、高圧放電ランプの
始動電圧が高くなり、グロー電力が増加する。
【0052】さらに、ネオンやアルゴンに加えて、必要
に応じてその他の希ガスを封入することができる。
【0053】メタルハライドランプにおいて、放電媒体
に金属ハロゲン化物を用いる場合、金属ハロゲン化物を
構成するハロゲンとしては、よう素、臭素、塩素または
フッ素のいずれか一種または複数種を用いることができ
る。
【0054】発光金属の金属ハロゲン化物は、発光色、
平均演色評価数Raおよび発光効率などについて所望の
発光特性を備えた放射を得るため、さらには透光性セラ
ミックス放電容器のサイズおよび入力電力に応じて、既
知の金属ハロゲン化物の中から任意所望に選択すること
ができる。たとえば、ナトリウムNa、リチウムLi、
スカンジウムScおよび希土類金属からなるグループの
中から選択された一種または複数種のハロゲン化物を用
いることができる。
【0055】また、緩衝蒸気として適量の水銀に代えて
蒸気圧が比較的高くて可視光領域における発光が少ない
か、発光しない金属たとえばアルミニウムなどのハロゲ
ン化物を封入することもできる。
【0056】<その他の構成について> (1)給電導体について 電極に対して給電するとともに、透光性セラミックス放
電容器を封止してするのに好適な構成は、以下に示す給
電導体を用いることである。
【0057】すなわち、給電導体は、電極間に電圧を印
加し、電極に電流を供給し、かつ透光性セラミックス放
電容器を封止するために機能する導体で、先端が電極の
基端部に接続し、基端が透光性放電容器の外部に導出さ
れている。なお、「透光性放電容器の外部に導出されて
いる」とは、透光性放電容器から外部へ突出していても
よいし、また突出していなくてもよいが、接続導体を介
して外部から給電できる程度に外部に臨んでいることを
意味する。
【0058】また、給電導体は、これを支持することに
より、高圧放電ランプ全体を支持するのに利用してもよ
い。
【0059】さらに、給電導体は、ニオブ、タンタル、
チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびバナジウムな
どの封着性金属を用いることができる。透光性セラミッ
クス放電容器の材料にアルミニウム酸化物を用いる場
合、ニオブおよびタンタルは、平均熱膨張係数がアルミ
ニウム酸化物とほぼ同一であるから、給電導体に好適で
ある。また、イットリウム酸化物およびYAGの場合も
差が少ない。窒化アルミニウムを透光性セラミックス放
電容器に用いる場合には、給電導体にジルコニウムを用
いるのがよい。
【0060】さらにまた、給電導体は、上記金属の棒状
体、パイプ状体やコイル状体などによって構成すること
ができる。この場合、ニオブなどは酸化性金属なので、
高圧放電ランプを大気に通じた状態で点灯する場合に
は、耐酸化性の外部リード線を給電導体にさらに接続す
るとともに、給電導体が大気に接触しないようにたとえ
ばシールなどによって全体を被覆する必要がある。
【0061】さらにまた、要すれば給電導体の先端に耐
火性金属からなる耐火性部分を付加することができる。
この耐火性部分には、モリブデン、タングステン、サー
メットなどを用いることができる。また、要すれば、電
極の基端を直接給電導体の封着性部分の先端に接続して
もよい。このことは、給電導体に付加する耐火性部分の
少なくとも先端部分をタングステンで構成すれば、耐火
性部分を電極として用いることができることを意味す
る。また、反対に電極の基端部を耐火性部分として用い
ることができることにもなり、実質的に両者は同じであ
る。
【0062】(2)ランプ電力について 高圧放電ランプのランプ電力は、50W以下に規定され
る。点灯回路手段を小形化できるのは、せいぜい50W
以下までの小電力の場合に限定されるからである。
【0063】なお、本発明において「ランプ電力」と
は、高圧放電ランプ装置を定格電圧の電源に接続した場
合に、高圧放電ランプを点灯するために付設されている
点灯回路手段によって高圧放電ランプが点灯した際に、
高圧放電ランプの部分で消費される電力をいう。
【0064】(3)外管について 本発明の高圧放電ランプは、透光性セラミックス放電容
器が大気中に露出した状態で点灯するように構成するこ
とができる。しかし、要すれば、保温や大気との間の遮
断のために、透光性セラミックス放電容器を外管内に気
密に収納することができる。また、外管の内面を高圧放
電ランプの発光部を焦点とする反射面とすることによ
り、指向性を備えた高圧放電ランプを得ることができ
る。
【0065】(4)反射鏡について 本発明の高圧放電ランプは、発光部を小さくすることが
できるから、集光が容易で、光学的に有利であるが、必
要に応じて反射鏡と一体化して用いることができる。こ
の場合、上述したように、透光性セラミックス放電容器
を内部に収納する外管の内面に反射鏡を形成してもよい
し、高圧放電ランプを別設の反射鏡に組み付けてもよ
い。
【0066】〔点灯回路手段について〕点灯回路手段
は、高圧放電ランプを動作周波数40〜80kHzの高
周波で点灯するのであれば、その余の構成は問わない。
すなわち、音響的共鳴現象を回避しながら動作周波数を
従来技術より明らかに高い高周波で点灯することが可能
になり、これにより従来技術に比較して著しい小形化、
軽量化を図ることができる。
【0067】動作周波数を40〜80kHzに規定して
いるのは、従来技術に比較して充分に小形化しているた
めには、動作周波数を40kHz以上にするのが効果的
であるとともに、透光性セラミックス放電容器の包囲部
をほぼ球状に形成して、共振周波数を上記動作周波数よ
り明らかに高くすることが可能になあるからである。ま
た、動作周波数を80kHz以下に規定しているのは、
透光性セラミックス放電容器の共鳴周波数をこれより明
らかに高くすることが困難になるからである。
【0068】ところで、点灯回路手段の基本的回路構成
は、どのようなものであってもよい。たとえば、ハーフ
ハーフブリッジ形インバータ、フルブリッジ形インバー
タ、並列インバータ、一石式インバータたとえばブロッ
キング発振形インバータなどを主体とする回路構成であ
ってもよい。しかし、ハーフブリッジ形インバータは、
回路構成が簡単で使用する回路部品の数も少なくてよい
ので、小形、軽量で、しかも安価な点灯回路手段を得る
ためには、好適である。
【0069】また、点灯回路手段としては、要すればい
わゆる蛍光ランプ用の点灯回路手段を用いることができ
る。蛍光ランプ用の点灯回路手段は、その負荷特性が一
般的に従来から高圧放電ランプ用として用いられている
点灯回路手段とは異なるが、放電媒体の希ガス、適当な
グロー・アーク転移時間(0.5〜3秒)の設定または
高圧放電ランプの重量に対するランプ電力の適当な値の
設定などにより、問題なく使用することが可能になる。
【0070】〔その他の構成について〕 (1)高圧放電ランプと点灯回路手段の一体化について 本発明の高圧放電ランプ装置は、高圧放電ランプと点灯
回路手段とが機械的に結合された状態として構成され
る。
【0071】しかし、両者は、一体不可分な状態でなけ
ればならないものではなく、必要に応じて分離可能に構
成することが許容される。たとえば、高圧放電ランプの
みまたは高圧放電ランプと一体化された反射鏡などの制
光部材とともに、点灯回路手段から分離可能に構成する
ことができる。
【0072】(2)点灯回路手段のケースへの収納につ
いて 点灯回路手段の電源への接続を容易にするとともに、取
扱いの安全を図るために、点灯回路手段をできるよう
に、適当なケースに収納するとともに、ケースの一端に
口金を配設して、口金を点灯回路手段の入力端に接続す
るのが望ましい。 (3)口金について 口金をケースに配設する場合、既知の各種口金を適宜選
択して用いることができる。しかし、既存の白熱電球や
電球形蛍光ランプとの互換性を重視するなら、これらと
同一仕様の口金を用いるのがよい。
【0073】(4)その他の制光部材について 高圧放電ランプの周囲に反射鏡を配設するのに代えて、
またはこれと併せて、透光性カバーやグローブ、または
レンズで高圧放電ランプを包囲してもよい。
【0074】なお、カバーやグローブが光拡散性である
と、高圧放電ランプの高い輝度を低減するのに効果的で
ある。
【0075】〔本発明の作用について〕本発明において
は、透光性セラミックス放電容器の包囲部を真球度0.
65以上のほぼ球形にしたことにより、透光性セラミッ
クス放電容器の共振周波数がほぼ単一モード化するとと
もに、高くなる。これにより点灯回路手段の動作周波数
が40〜80kHzでも音響的共鳴現象を生じることな
く、充分安定に高圧放電ランプを点灯することができ
る。
【0076】また、放電容器がセラミックスであること
により、バルブ形状およびサイズの工業的規模における
製作ばらつきが極めて少なくなる。これに伴い共振周波
数のばらつきがたとえば±0.5kHz程度まで少なく
なるため、点灯回路手段の動作周波数を安全な範囲でな
るべく共振周波数に接近させて点灯することがきる。こ
のことは点灯回路手段の動作周波数を高めることにつな
がり、小形化に貢献する。
【0077】さらに、動作周波数が、高圧放電ランプの
共振周波数が高くなるのに伴って、高くなることによ
り、点灯回路手段を小形化することができる。
【0078】さらにまた、本発明においては、ランプ効
率が高くて、寿命が長い高圧放電ランプ装置が得られ
る。
【0079】請求項2の発明の高圧放電ランプ装置は、
真球度が0.65以上のほぼ球形をなしていて放電空間
を包囲する包囲部を備えた透光性セラミックス放電容
器、透光性セラミックス放電容器の包囲部に臨在する一
対の電極、ならびに透光性セラミックス放電容器内に封
入された放電媒体を備え、ランプ電力が30W以下の高
圧放電ランプと;高圧放電ランプを動作周波数40.5
〜55kHzの高周波で点灯する点灯回路手段と;を具
備していることを特徴としている。
【0080】本発明は、ランプ電力および動作周波数の
好適な範囲を規定している。
【0081】すなわち、ランプ電力が30W以下であれ
ば、高圧放電ランプを一層小形化できるとともに、点灯
回路手段も小形のものを使用することができる。要すれ
ば、蛍光ランプ用の既存の点灯回路手段を流用すること
も可能になる。
【0082】請求項3の発明の高圧放電ランプ装置は、
請求項1または2記載の高圧放電ランプ装置において、
透光性セラミックス放電容器は、包囲部の端部に連通し
て配置され包囲部より内径が小さくて内部に電極が周囲
にわずかな隙間を形成しながら挿通するための小径筒部
を備えるとともに、全長が10〜35mmであることを
特徴としている。
【0083】本発明は、透光性セラミックス放電容器の
構造および全長を規定することにより、良好なランプ効
率および「寿命を有しながら高圧放電ランプの小形化を
図るとともに、共振周波数を高くしたものである。
【0084】高圧放電ランプの透光性セラミックス放電
容器の長さは、共振周波数に影響を与え、長いと共振周
波数が低くなるので、動作周波数40kH以上で点灯可
能にするためには、全長が35mm以下であるのが好ま
しい。しかし、全長が10mm以下になると、透光性セ
ラミックス放電容器の点灯中の温度が高くなりすぎて、
所望のシールが困難になるので、透光性セラミックス放
電容器の全長は10〜35mmの範囲が望ましい。
【0085】請求項4の発明の高圧放電ランプ装置は、
請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ装
置において、放電媒体は、発光物質またはその化合物を
透光性セラミック放電容器の包囲部の内容積1cc当た
り3〜50mg含んでいることを特徴としている。
【0086】本発明は、共鳴周波数が高い範囲になるよ
うにするために好適な発光物質またはその化合物の封入
量を規定している。
【0087】発光物質およびその化合物としては、メタ
ルハライドランプの場合、発光物質またはそのハロゲン
化物である。また、高圧ナトリウムランプの場合、ナト
リウムが該当する。
【0088】透光性セラミックス放電容器の「包囲部の
内容積」とは、図1において軸方向の長さが軸長bの両
端に、x軸に直交する離間した一対の平面によって囲ま
れた中間の領域を包囲部1aといい、その内容積であ
る。
【0089】透光性セラミックス放電容器の包囲部の単
位内容積(cc)当りに封入される発光物質またはその
化合物が3(mg/cc)未満であると、共鳴周波数は
高くなるが、ランプ効率が低くなるとともに、寿命が短
くなる。また、50(mg/cc)を超えると、共鳴周
波数が低くなりすぎる。
【0090】請求項5の発明の高圧放電ランプ装置は、
請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ装
置において、放電媒体は、80〜300torrに封入
されたNe−Arを含んでいることを特徴としている。
【0091】本発明は、蛍光ランプ用の点灯回路手段の
ような回路構成の点灯回路手段を用いて高圧放電ランプ
を点灯するのに好適な高圧放電ランプの構成を規定して
いる。
【0092】すなわち、放電媒体のうち、始動ガスおよ
び緩衝ガスとして本発明に規定するNe−Arの混合ガ
スを用いると、始動パルス発生手段を付設することなし
に点灯回路手段に蛍光ランプ用の点灯回路手段に多用さ
れているLC共振回路を備えた構成のものを用いる場合
に、始動時に電極を構成しているタングステンの蒸発に
よる黒化を防止することができる。このため、LC共振
回路を備えた点灯回路手段を用いて高圧放電ランプ装置
の小形化を図ることができる。なお、本発明は、蛍光ラ
ンプ用の点灯回路手段を用いることに限定されるもので
はなく、高圧放電ランプ点灯用して設計され、製造され
た点灯回路手段の採用を許容することはいうまでもな
い。
【0093】また、Ne−Ar混合ガスの封入圧力は、
100〜200torrが好適である。
【0094】さらに、Arに対するNeの分圧は、0.
1〜15%の範囲からペニング効果と陰極降下電圧との
バランスを考慮して適宜選択することができる。
【0095】そうして、始動ガスおよび緩衝ガスとして
上記の構成を用いることにより、高圧放電ランプの始動
時のグロー・アーク転移時間が適当に調整されて黒化が
少なくなる。
【0096】また、Ne−Ar混合ガスを用いることに
より、始動電圧が低下するので、高圧放電ランプの始動
が容易になるとともに、点灯回路手段を小形化できる。
【0097】請求項6の発明の高圧放電ランプ装置は、
請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ装
置において、高圧放電ランプは、そのランプ電力(W)
が透光性セラミックス放電容器の重量(mg)当たり
0.025〜0.08(W/mg)であることを特徴と
している。
【0098】本発明は、音響的共鳴現象を回避しがら、
良好なランプ効率および寿命を備えた高圧放電ランプ装
置を提供するための好適な透光性セラミックス放電容器
の重量およびランプ電力の相対関係についての構成を規
定している。
【0099】すなわち、透光性セラミックス放電容器を
備えた高圧放電ランプにおいては、熱伝導率が大きいセ
ラミックスを放電容器の構成材料として用いているた
め、石英ガラスを用いる場合に比較して、透光性セラミ
ックス放電容器のランプ効率を決定する最冷部温度は、
殆ど透光性セラミックス放電容器の熱容量によって決定
されることが分かった。そして、この熱容量は、透光性
セラミックス放電容器の重量に比例する。
【0100】したがって、高圧放電ランプのランプ効率
を高くするには、最冷部温度を高くするために、透光性
セラミックス放電容器の重量を小さくするのがよい。し
かし、高圧放電ランプの寿命は、透光性セラミックス放
電容器のシール部の温度が低い方が長くなるので、ラン
プ効率とは一応相反的な関係があるといえる。
【0101】また、透光性セラミックス放電容器の点灯
中の温度は、ランプ電力の如何によって決定される。
【0102】一方、高圧放電ランプの音響的共鳴現象を
支配する共鳴周波数は、透光性セラミックス放電容器の
形状ばかりでなく、大きさによっても変化し、小さいほ
ど共鳴周波数は高くなる。
【0103】以上のように、透光性セラミックス放電容
器の重量およびランプ電力は、ランプ効率、寿命および
音響的共鳴現象に相関的な関係を有しているが、上記の
範囲内であれば、それぞれに対して効果的であることが
分かった。
【0104】なお、ランプ電力(W)が透光性セラミッ
クス放電容器の重量(mg)当たり0.025(W/m
g)未満であると、ランプ効率が低すぎるとともに、音
響的共鳴現象が生じやすくなり、反対に0.08(W/
mg)を超えると、寿命が短くなりすぎる。
【0105】請求項7の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプ装置に
おいて、高圧放電ランプは、そのランプ電力(W)がそ
の全重量(mg)当たり0.021〜0.07(W/m
g)であることを特徴としている。
【0106】本発明は、音響的共鳴現象を回避しがら、
良好なランプ効率および寿命を備えた高圧放電ランプ装
置を提供するための好適な高圧放電ランプ全体の重量お
よびランプ電力の相対関係についての構成を規定してい
る。
【0107】共振周波数、ランプ効率および寿命は、上
記のように透光性セラミックス放電容器の重量に関係し
ているが、高圧放電ランプ全体の重量にも関係してい
る。ここで、高圧放電ランプの「全重量」とは、透光性
放電容器、放電媒体、給電導体およびシールを少なくと
も含む重量をいう。
【0108】なお、透光性セラミックス放電容器を大気
中に露出した状態で点灯するためには、給電導体にニオ
ブなどの酸化性金属を用いる場合に、その給電導体を直
接大気に露出できないので、耐酸化性金属からなる外部
リード線を給電導体に接続するのが好ましいが、このよ
うな構成のときには、外部リード線をも含む。ただし、
外部リード線または給電導体に直接接続して高圧放電ラ
ンプを点灯回路手段に接続する相対的に細い接続導体は
含まない。
【0109】また、外管内に高圧放電ランプを収納して
いる場合、外管は含まない。
【0110】さらに、始動補助導体を透光性セラミック
ス放電容器の周囲に配設する場合、始動補助導体は含ま
ない。
【0111】そうして、ランプ電力(W)がその全重量
(mg)当たり0.021(W/mg)未満であると、
ランプ効率が低くなるとともに、共振周波数が低くな
る。また、反対に0.07(W/mg)であると、寿命
が短くなる。
【0112】請求項8の発明の高圧放電ランプ装置は、
請求項1ないし7のいずれか一記載の高圧放電ランプ装
置において、高圧放電ランプは、その透光性セラミック
ス放電容器の包囲部の軸長bに対する電極間距離g
比率g/bが0.25〜1であることを特徴としてい
る。
【0113】本発明は、発光部の軸方向の長さである軸
長bに対する電極間距離gが共鳴周波数に影響するこ
とに鑑みなされたもので、所与の軸長bに対する電極間
距離gの比率g/bが上記範囲内であれば、共振周
波数のモードがほぼ単一になる。 これに対して、比率
/bが0.25未満であると、共振周波数のモード
が複雑になり、音響的共鳴現象が生じやすくなる。
【0114】反対に、1を超えると、電極の先端が透光
性セラミックス放電容器の小径筒部の内部に位置するこ
とになるので、透光性セラミックス放電容の壁面が電極
に接近しすぎるので、透光性セラミックス放電容器がク
ラックしやすくなる。
【0115】なお、高圧放電ランプの働程中に電極先端
が消耗して電極間距離gが大きくなる傾向にあるが、
上記比率g/bが1になるまでは共振周波数がほぼ単
一モードになるので、音響的共鳴現象の問題は生じにく
い。
【0116】請求項9の発明の高圧放電ランプ装置は、
請求項1ないし8のいずれか一記載の高圧放電ランプ装
置において、点灯回路手段は、LC共振形の高周波イン
バータを主体として構成されていることを特徴としてい
る。
【0117】本発明は、回路構成が簡単で、小形、かつ
安価な点灯回路手段として好適な構成を規定している。
【0118】すなわち、LC共振形の高周波インバータ
としては、ハーフブリッジ形インバータ、一石式インバ
ータたとえばブロッキング発振形インバータ、並列イン
バータなどがある。
【0119】また、LC共振形の高周波インバータは、
LC共振回路を備え、比較的簡単な回路構成によって安
定器の出力電圧を所望に変化させることができる。たと
えば、発振周波数が一定の態様の場合、LC共振回路の
共振周波数が状況に応じて変化するように構成すること
によって、安定器の出力電圧を制御することができる。
すなわち、無負荷時にLC共振回路のインダクタLが飽
和してそのインダクタンスが小さくなり、共振周波数が
高くなって発振周波数に接近するために、安定器の出力
電圧が高くなる。負荷時には、ランプ電流に応じてLC
共振回路のインダクタの飽和がなくなって、共振周波数
が発振周波数から離れていき、これに伴って出力電圧が
低減する。
【0120】しかし、発振周波数が変化する態様の場合
にも、出力電圧を所望に変化させることができる。すな
わち、始動時にはLC共振回路の共振周波数に発振周波
数を接近させれば、安定器の出力電圧が高くなって、2
次開放電圧を高圧放電ランプの放電開始電圧に接近させ
ることができる。点灯後には、発振周波数をLC共振回
路の共振周波数から離せば、出力電圧が低下する。
【0121】さらに、安定器がLC共振回路を備えてい
ることにより、出力電圧の波形を正弦波にすることがで
きる。
【0122】請求項10の発明の照明装置は、照明装置
本体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし9の
いずれか一記載の高圧放電ランプ装置と;を具備してい
ることを特徴とする照明装置。
【0123】本発明において、照明装置は、高圧放電ラ
ンプ装置の発光を何らかの目的で用いるあらゆる装置を
含む広い概念である。たとえば、照明器具、移動体用前
照灯、光ファイバー用光源装置、画像投射装置、光化学
装置、指紋判別装置などに適用することができる。
【0124】なお、照明装置本体とは、上記照明装置か
ら高圧放電ランプ装置を除いた残余の部分をいう。
【0125】なお、「電球形高圧放電ランプ」とは、高
圧放電ランプと、その安定器とを一体化し、さらに受電
用の口金を付設してなり、口金に適応するランプソケッ
トに装着することにより、白熱電球を点灯するような感
覚で使用することができるように構成した照明装置を意
味する。
【0126】また、照明器具は、電球形高圧放電ランプ
を装着した構成のものである。
【0127】
【発明の実施の形態】以下、本発明実施の形態を図面を
参照して説明する。
【0128】図2は、本発明の高圧放電ランプ装置の第
1の実施形態を示す中央断面正面図である。
【0129】図3は、同じく上側のみを組み立てて封止
した状態を示す高圧放電ランプの縦断面図である。
【0130】各図において、高圧放電ランプ装置は、高
圧放電ランプ11およびこれに一体化された点灯回路手
段12を必須構成要素として備えている。この他に、反
射鏡13、ケース14および受電手段15を備えてい
る。以下、構成要素別に説明する。
【0131】<高圧放電ランプ11について>高圧放電
ランプ11は、図3に示すように、透光性セラミックス
放電容器1、一対の電極2、給電導体3、第1のシール
4、セラミックスワッシャ5、外部リード線6、第2の
シール7および図面に現れない放電媒体を備えている。
なお、図3は、構成を理解しやすくするために、上側の
みを組み立て封止した状態を示しているが、実際は上下
対称構造になっている。
【0132】透光性セラミックス放電容器1は、図1に
おいて説明したように、ほぼ球形の包囲部1a、一対の
円筒状の小径筒部1b、1bを一体成形により備えてい
る。
【0133】電極2は、後述する給電導体3に支持され
て先端が包囲部1a内に突出し、小間隔を隔てて対向
し、図示していないが、一対の電極2の間に所定の電極
間距離を設定している。
【0134】また、電極2と小径筒部1bの内面との間
にはキャピラリーと称されるわずかな隙間gが形成され
ている。
【0135】給電導体3は、封着性金属からなり、先端
から中間部まで透光性セラミックス放電容器1の小径筒
部1b内に挿通され、後述する第1のシール4により封
止されるとともに、固定され、基端がわずかに外部に露
出している。また、給電導体3の先端には、電極2の基
端を溶接して一体に支持している。
【0136】第1のシール4は、小径筒部1bおよび給
電導体3の間に介在して透光性セラミックス放電容器1
を気密に封止するとともに、電極2を所定の位置に固定
している。そして、第1のシール4を形成するには、セ
ラミックス封止用コンパウンドを小径筒部1bの端面に
おいて、小径筒部1bから外部に突出している給電導体
3の周りに施与し、加熱溶融させて給電導体3および小
径筒部1bの内面の間の隙間に進入させて小径筒部1b
内に挿入されている給電導体3の全体を被覆するととも
に、さらに電極2の基端部をも被覆する。
【0137】セラミックスワッシャ5は、中央の貫通孔
5aを備え、給電導体3および外部リード線6の接続部
を包囲している。
【0138】外部リード線6は、耐酸化性金属からな
り、給電導体3の基端に溶接され、給電導体3と同一方
向に延在している。
【0139】第2のシール7は、セラミックスワッシャ
6の貫通孔6a内を中心に給電導体3の小径筒部1bか
ら外部に露出している基端部を包囲している。したがっ
て、給電導体3は、第1および第2のシール4、7によ
って完全に被覆されている。
【0140】放電媒体として、発光金属のハロゲン化
物、水銀および希ガスが封入されている。
【0141】<点灯回路手段12について>図4は、本
発明の高圧放電ランプ装置の第1の実施形態における点
灯回路手段を示す回路図である。
【0142】以下、点灯回路手段12について図4を参
照して説明する。
【0143】本実施形態は、ハーフブリッジ形高周波イ
ンバータを主体とする蛍光ランプ用の点灯回路手段を用
いている。
【0144】図において、ASは低周波交流電源、fは
過電流ヒューズ、NFはノイズフィルタ、RDは整流化
直流電源、Q1は第1のスイッチング手段、Q2は第2
のスイッチング手段、GDはゲートドライブ回路、ST
は始動回路、GPはゲート保護回路、LCは負荷回路で
ある。
【0145】低周波交流電源ASは、100V商用電源
である。
【0146】過電流ヒューズfは、配線基板に一体に形
成したパターンヒューズであり、過電流が流れた際に溶
断して回路が焼損しないように保護する。
【0147】ノイズフィルタNFは、インダクタL1お
よびコンデンサC1からなり、高周波インバータの動作
に伴って発生する高周波を電源側に流出しないように除
去する。
【0148】整流化直流電源RDは、ブリッジ形整流回
路BRおよび平滑コンデンサC2からなり、ブリッジ形
整流回路BRの交流入力端がノイズフィルタNFおよび
過電流ヒューズfを介して低周波交流電源ASに接続
し、また直流出力端が平滑コンデンサC2の両端に接続
していて、平滑化直流を供給する。
【0149】第1のスイッチング手段Q1は、Nチャン
ネル形MOSFETからなり、そのドレインが平滑コン
デンサC2のプラス側に接続している。
【0150】第2のスイッチング手段Q2は、Pチャン
ネル形MOSFETからなり、そのソースが第1のスイ
ッチング手段Q1のソースに接続し、ドレインが平滑コ
ンデンサC2のマイナス側に接続している。
【0151】したがって、第1および第2のスイッチン
グ手段Q1、Q2は、順方向に直列接続されて、その両
端が整流化直流電源RDの出力端間に接続していること
になる。
【0152】ゲートドライブ回路GDは、帰還回路FB
C、直列共振回路SRCおよびゲート電圧出力回路GO
からなる。
【0153】帰還手段FBCは、後述する限流インダク
タL2に磁気結合している補助巻線からなる。
【0154】直列共振回路SRCは、インダクタL3お
よびコンデンサC3の直列回路からなり、その両端は帰
還手段FBCに接続している。
【0155】ゲート電圧出力手段GOは、直列共振回路
SRCのコンデンサC3の両端に現れる共振電圧をコン
デンサC4を介して取り出すように構成されている。そ
して、コンデンサC4の一端は、コンデンサC3とイン
ダクタL3との接続点に接続し、コンデンサC4の他端
は第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のそれ
ぞれのゲートに接続している。さらに、コンデンサC3
の他端が第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2
のソースに接続している。その結果、コンデンサC3の
両端に現れた共振電圧は、ゲート電圧出力回路GOを介
して第1および第2のスイッチング手段Q1、Q2のゲ
ート・ソース間に印加される。
【0156】始動回路STは、抵抗器R1、R2、R3
からなる。
【0157】抵抗器R2は、その一端が平滑コンデンサ
C2のプラス側に接続し、他端が第1のスイッチング手
段Q1のゲートに接続しているとともに、抵抗器R2の
一端およびゲートドライブ回路GDのゲート電圧出力回
路GOのゲート側の出力端すなわちコンデンサC4の他
端に接続している。
【0158】抵抗器R2の他端は、直列共振回路SRC
のインダクタL3および帰還回路FBCの接続点に接続
している。
【0159】抵抗器R3は、その一端が第1および第2
のスイッチング手段Q1、Q2の接続点すなわちそれぞ
れのソースおよびゲート電圧出力回路GOのソース側に
接続し、他端が平滑コンデンサC2のマイナス側に接続
している。
【0160】ゲート保護回路GPは、一対のツェナーダ
イオードを逆直列接続してなり、ゲート電圧出力回路G
Oに並列接続している。
【0161】負荷回路LCは、高圧放電ランプHPL、
限流インダクタL2および直流カットコンデンサC5の
直列回路と、高圧放電ランプHPLに並列接続した共振
コンデンサC6とからなり、一端が第1および第2のス
イッチング手段Q1、Q2の接続点に、他端が第2のス
イッチング手段Q2のドレインに接続している。
【0162】高圧放電ランプHPLは、図3に示す構成
を備えている。
【0163】限流インダクタL2と共振コンデンサC6
とは、直列共振回路を形成する。なお、直流カットコン
デンサC5は、容量が大きいので、直列共振に大きくは
影響しない。
【0164】Q2のドレイン・ソース間に接続されたコ
ンデンサC7は、第2のスイッチング手段Q2のスイッ
チング中の負荷を軽減する。
【0165】次に、回路動作について説明する。
【0166】交流電源ASを投入すると、整流化直流電
源RDにより平滑化された直流電圧が平滑コンデンサC
2の両端に現れる。そして、直列接続された第1および
第2のスイッチング手段Q1、Q2の両ドレイン間に直
流電圧が印加される。しかし、両スイッチング手段Q
1、Q2は、ゲート電圧が印加されてないので、オフし
ている。
【0167】上記直流電圧は、同時に始動回路STにも
印加されるので、抵抗器R2の両端には主として抵抗器
R1、R2、R3の抵抗値の案分比に応じた電圧が現れ
る。そして、抵抗器R2の端子電圧は、第1および第2
のスイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に正
極性の電圧として印加される。
【0168】その結果、第1のスイッチング手段Q1
は、スレッシュホールド電圧を超えるように設定されて
いるため、オンする。これに対して、第2のスイッチン
グ手段Q2のゲート・ソース間に印加される電圧は、所
要のゲート電圧とは逆極性であるため、オフ状態のまま
である。
【0169】第1のスイッチング手段Q1がオンする
と、整流化直流電源RDから第1のスイッチング手段Q
1を介して負荷回路LCに電流が流れる。これにより限
流インダクタL2および共振コンデンサC6の直列共振
回路が共振して共振コンデンサC6の端子間に高い共振
電圧が現れ、高圧放電ランプHPLに印加される。
【0170】一方、限流インダクタL2に電流が流れた
ことにより、磁気結合している帰還回路FBCに電圧が
誘起される。これにより直列共振回路SRCが直列共振
して、コンデンサC3には昇圧された負電圧が発生する
ので、ゲート保護回路GPにより一定電圧にクリップさ
れ、ゲート電圧出力回路GOを介して第1および第2の
スイッチング手段Q1、Q2のゲート・ソース間に印加
される。
【0171】これにより、第2のスイッチング手段Q2
はスレッシュホールド電圧を超えるため、オンする。
【0172】これに対して、今までオンしていた第1の
スイッチング手段Q1は、ゲート電圧が逆極性になるの
で、オフする。
【0173】第2のスイッチング手段Q2がオンする
と、負荷回路LCの限流インダクタL2に蓄積されてい
る電磁エネルギーおよびコンデンサC6の電荷が放出さ
れて、限流インダクタL2から第2のスイッチング手段
Q2を介して負荷回路LC内を逆方向に電流が流れ、コ
ンデンサC6の両端には極性が反転した共振による高い
電圧が現れ、高圧放電ランプHPLに印加される。以
後、以上説明した動作を繰り返す。
【0174】ところで、高圧放電ランプHPLが始動す
る以前は、発振周波数が限流インダクタL2およびコン
デンサC6が形成する直列共振回路の共振周波数に相対
的に接近した周波数でハーフブリッジ形高周波インバー
タが作動するため、その2次開放電圧は約550V(実
効値)すなわち約1.5kVp-pで、高圧放電ランプH
PLの製造ばらつきを考慮して、その放電開始電圧以上
に設定されている。また、2次短絡電流は約550mA
である。
【0175】したがって、パルス電圧を発生するイグナ
イタを用いなくても、やがて高圧放電ランプHPLは、
始動し、1.0〜2.5秒の時間を経てグロー・アーク
転移が行われて、負荷特性曲線上の定格ランプ電流値の
位置が動作点となって安定に点灯する。なお、高圧放電
ランプは、上記グロー・アーク転移時間内に転移が行わ
れることにより、始動時に黒化は殆ど生じない。
【0176】<反射鏡13について>反射鏡13は、高
圧放電ランプ11の発光を集光するために用いられてい
て、図2に示すように、基体13a、反射面13bおよ
び頂部開口12cを備えている。
【0177】基体13aは、ガラス成形により形成され
ていて、内面が回転放物面形状をなしている。
【0178】反射面13bは、基体13aの回転放物面
部分にアルミニウム蒸着により形成されている。
【0179】頂部開口13cは、その外周に段部12c
1が形成されていて、この段部13c1を利用して後述
するケース14に固定されている。
【0180】また、頂部13c1の内部側に接続導体1
6aおよび16bを絶縁体17を介して固定し、接続導
体16aに高圧放電ランプ11の一方の外部リード線6
を接続し、接続導体16bに他方の外部リード線6を接
続することにより、高圧放電ランプ11は、反射鏡13
の光軸に沿って軸が位置して装着されている。
【0181】接続導体16a、16bは、点灯回路手段
12の高周波出力端間に接続している。
【0182】<ケース14について>ケース14は、図
2に示すように、耐熱性の合成樹脂を成形して中空の手
榴弾形状に形成されている。
【0183】また、ケース14は、上部体14aおよび
下部体14bの2つ割り構成になっていて、内部に点灯
回路手段12を収納している。
【0184】上部体14aは、後述する受電体15を支
持しているが、そのために上端に筒状部14a1を一体
に突出している。
【0185】また、下部体14bは、高圧放電ランプ1
1および反射鏡13を支持しているが、そのために下端
に開口14b1が形成されている。そして、反射鏡13
の頂部13cに形成した段部13c1を開口14b1に
挿入し、接着することによって反射鏡13をケース14
に固定している。
【0186】<受電手段15について>受電手段15
は、E26形ねじ口金からなり、ケース14の上部体1
4aの筒状部14a1に装着されている。
【0187】また、受電体15は、その一対の受電端子
が点灯回路手段12の入力端に接続している。
〔点灯回路手段12〕
回路構成:LC共振形であるとともに、一対のスイッチ
ング手段をコンプリメンタリ接続したハーフブリッジ形
の高周波インバータを主体とする。
【0188】点灯周波数:45kHz 〔点灯条件〕 ランプ電圧:70V ランプ電流:0.26A ランプ効率:78lm/W 不点寿命 :7000時間 〔反射鏡13〕 開口径:50mm 〔高圧放電ランプ装置11全体〕 管長:85mm 図5は、本発明の高圧放電ランプ装置の第2の実施形態
を示す縦断面図である。
【0189】図において、図2と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。
【0190】本実施形態は、反射鏡に代えてグローブ1
8を用いている点で主として異なる。
【0191】すなわち、グローブ18は、透明部材製で
ほぼ半球状をなし、その開口端がケース14の蓋体14
cの周縁に形成した周溝14c1に係合し、かつ耐熱性
接着剤によって固着されている。
【0192】また、蓋体14cと高圧放電ランプ11と
の間に熱反射体19および空気断熱層20が配設されて
いる。
【0193】空気断熱層20は、熱反射体19の背面に
接して蓋体14cに凹窪部14c2を形成することによ
り、蓋体14cと熱反射体19との間に形成されてい
る。
【0194】さらに、蓋体14cには、一対の挿通孔1
4c3,14c3が形成されている。一方、高圧放電ラ
ンプ11は、横置きされ、接続導体16c、16dの先
端に接続されることにより、支持されている。接続導体
16c、16dは、蓋体14cの挿通孔14c3に挿通
され、基端が敗戦基盤12aに接続されることにより、
点灯回路手段12の高周波出力端に接続されている。
【0195】図6は、本発明の高圧放電ランプ装置の第
3の実施形態における高圧放電ランプを示す正面図であ
る。
【0196】図7は、同じく高圧放電ランプを示す縦断
面図である。
【0197】図において、図3と同一部分についは同一
符号を付して説明は省略する。
【0198】本実施形態は、高圧放電ランプ11を外管
8内に収納した点で異なる。
【0199】すなわち、外管8は、T形バルブからな
り、開口端にピンチシール部8aを形成している。モリ
ブデbン線からなる接続導体9a、9bをピンチシール
部8aに挟持させることにより、高圧放電ランプ11は
外管8内に固定されている。
【0200】また、外管8内には、窒素などの不活性ガ
スを低圧封入している。
【0201】さらに、外管8のピンチシール部8aから
接続導体9a、9bの端部を突出させることにより、外
部接続端子9a1、9b1として用いることができる。
【0202】一方、高圧放電ランプ11は、大気に曝さ
れないので、給電導体3の基端部を延長して小径筒部1
bから突出させている。
【0203】また、一対の電極2、2の間に所定の電極
間距離gが設定されている。
【0204】図8は、本発明の高圧放電ランプ装置の第
4の実施形態における高圧放電ランプ組み立ての主要部
を示す正面図である。
【0205】図において、図6と同一部分については同
一符号を付して説明は省略する。また、10は始動補助
導体である。
【0206】本実施形態は、高圧放電ランプ11に始動
補助導体10を配設した点が特徴的構成である。
【0207】始動補助導体6は、同様にモリブデン線か
らなり、基端が接続導体9aに溶接により接続し、先端
が下方の電極(図示しない。)の周囲を包囲する小径筒
部1bの中間部に巻回されている。
【0208】そうして、本実施形態においては、始動時
に図において下方の電極と始動補助導体10との間に点
灯回路手段の高周波の出力電圧が印加されるので、それ
らの間の電界強度が大きくなり、放電媒体の絶縁破壊が
促進される。その結果、相対的に低い電圧でも高圧放電
ランプは始動する。
【0209】なお、本実施形態の高圧放電ランプ11
は、図6に示ような外管8内に収納される。
【0210】図9は、本発明の高圧放電ランプ装置の第
5の実施形態を示す正面図である。
【0211】図10は、同じく縦断面図である。
【0212】図11は、同じく高圧放電ランプの拡大正
面図である。
【0213】図12は、同じく拡大要部断面図である。
【0214】各図において、図2および図3と同一部分
については同一符号を付して説明は省略する。
【0215】本実施形態は、高圧放電ランプ11を反射
鏡13に対して横置き、すなわち反射鏡13の光軸に対
して透光性セラミックス放電容器1の軸が直交している
とともに、反射鏡13の周囲を包囲する保護手段21を
備え、さらに反射鏡13の前面に前面保護板22を配設
している点で異なる。
【0216】高圧放電ランプ11は、図11および図1
2に示すように、接続導体16c、16dが高圧放電ラ
ンプ11の軸に対して直交方向に導出されている。この
ため、セラミックスワッシャ5には、中心軸に沿う貫通
孔5aに連通する放射方向のスリット5bを形成し、外
部接続導体16c、16dを挿通している。
【0217】保護手段21は、ケース14の蓋体14c
から一体に形成されている。
【0218】反射鏡13は、背面に環状の支持部13d
を一体に備えているとともに、反射面13bに一対の挿
通孔13eが形成されている。
【0219】挿通孔13eは、反射鏡13の焦点位置に
おいて、反射鏡13の光軸と直交する直線を中心として
反射鏡13の両側面に形成されており、高圧放電ランプ
11の透光性セラミックス放電容器1の小径筒部1bが
挿通するためのものである。
【0220】そうして、高圧放電ランプ11は、反射鏡
13にその焦点が電極2,2間に位置するように配設さ
れる。この状態で高圧放電ランプ11の両端の小径筒部
1bが挿通孔13eを挿通して、反射鏡13の外部であ
る背面側に露出する。
【0221】支持部13dは、基体13aの背面におい
て環状に一体成形されていて、反射鏡13を支持する際
に用いられる。
【0222】ケース14の蓋体14cは、耐熱性合成樹
脂などの耐熱性物質からなり、盤状をなしているととも
に、その前面中央に反射鏡13の支持部13dを受け入
れる支持溝14c4が形成されている。そして、支持溝
14c4に嵌合された反射鏡13の支持部13dは、無
機接着剤Bによって固着される。
【0223】保護手段21は、耐熱物質からなり、蓋体
14cの外周から一体に起立して筒状に形成されてい
る。そして、保護手段21は、反射鏡13および反射鏡
13から外部へ露出している高圧放電ランプ11の露出
部を保護する。
【0224】高圧放電ランプ11に接続している外部接
続導体16c、16dは、蓋体14cの導体挿通孔14
c3を貫通して蓋体14cの裏側へ導出されている。
【0225】前面保護板22は、透光性耐熱部材からな
り、反射鏡13の投光開口に耐熱性接着剤によって接着
されて、投光開口を閉塞している。
【0226】図13は、本発明の照明装置の一実施形態
としてのスポットライトを示す正面図である。
【0227】図において、図9と同一部分についは同一
符号を付して説明は省略する。
【0228】31は照明器具本体、32は高圧放電ラン
プ装置である。
【0229】照明器具本体31は、基台31a、支柱3
1bおよび灯体31cを備えている。
【0230】基台31aは、天井に直付けまたはライテ
ィングダクトを介して天井に吊り下げるように構成され
ている。
【0231】支柱31bは、基台31aから垂下して灯
体31cを支持している。内部に基体31aに接続する
絶縁被覆導線(図示しない。)を挿通している。
【0232】灯体31cは、内部にランプソケット(図
示しない。)を収納している。ランプソケットは、絶縁
被覆導線に接続している。
【0233】高圧放電ランプ装置32は、図11に示す
ものと同一であり、ランプソケットに着脱自在に装着さ
れる。
【0234】そうして、灯体31cのランプソケットに
高圧放電ランプ装置32の口金を装着すれば、高圧放電
ランプ装置32が高輝度で点灯し、反射鏡13により集
光されるので、所望のシャープな配光特性を得て被照体
を良好に照明することができる。
【0235】
【発明の効果】請求項1ないし8の各発明によれば、真
球度が0.65以上のほぼ球形をなしていて放電空間を
包囲する包囲部を備えた透光性セラミックス放電容器、
その包囲部に臨在する一対の電極を備え、包囲部の内部
に放電媒体を封入したランプ電力50W以下の高圧放電
ランプと、高圧放電ランプを動作周波数40〜80kH
zの高周波で点灯する店頭回路手段とを具備しているこ
とにより、共振周波数がほぼ単一モードになるとともに
高くできるので、これに伴って点灯回路手段の動作周波
数を高くすることができ、このため小形化を図った高圧
放電ランプ装置を提供することができる。
【0236】請求項2の発明によれば、加えて高圧放電
ランプのランプ電力が30W以下で、点灯回路手段の動
作周波数が40.5〜55kHzであることにより、一
層小形化を図った高圧放電ランプ装置を提供することが
できる。
【0237】請求項3の発明によれば、加えて透光性セ
ラミックス放電容器が包囲部の両端に連通した一対の小
径筒部を備えていて、全長が10〜35mmであること
により、電極を小径筒部内を挿通して配設し、電極と小
径筒部の内面との間にわずかな隙間を形成して、良好な
封止と所望の最冷部とを形成し、良好なランプ効率と所
望の寿命を備えるとともに、音響共鳴が生じない高圧放
電ランプ装置を提供することができる。
【0238】請求項4の発明によれば、加えて放電媒体
が発光物質またはその化合物を透光性セラミックス放電
容器の包囲部の内容積1cc当り3〜50mg含んでい
ることにより、共鳴周波数を高くしながらランプ効率が
高くて、寿命が長い高圧放電ランプ装置を提供すること
ができる。
【0239】請求項5の発明によれば、加えて放電媒体
が始動ガスおよび緩衝ガスとして80〜300torr
のNe−Arを含んでいることにより、高圧放電ランプ
の始動時のグロー・アーク転移時間が適当に調整されて
始動時の黒化が少なくなるとともに、始動電圧が低下し
て、小形の点灯回路手段でも良好に点灯する高圧放電ラ
ンプ装置を提供することができる。
【0240】請求項6の発明によれば、加えてランプ電
力(W)が透光性セラミックス放電容器の重量(mg)
当り0.025〜0.08(W/mg)であることによ
り、音響的共鳴現象を回避しながら良好なランプ効率お
よび寿命を有する高圧放電ランプ装置を提供することが
できる。
【0241】請求項7の発明によれば、加えてランプ電
力(W)が高圧放電ランプの重量(mg)当り0.02
1〜0.07(W/mg)であることにより、音響的共
鳴現象を回避しながら良好なランプ効率および寿命を有
する高圧放電ランプ装置を提供することができる。
【0242】請求項8の発明によれば、加えて高圧放電
ランプの包囲部の軸長bに対する電極間距離gの比率
/bが0.25〜1であることにより、共振周波数
がほぼ単一モードになる高圧放電ランプ装置を提供する
ことができる。
【0243】請求項9の発明によれば、加えて点灯回路
手段がLC共振形の高周波インバータを主体として構成
されていることにより、回路構成が簡単で、小形、かつ
安価な高圧放電ランプ装置を提供することができる。
【0244】請求項10の発明によれば、請求項1ない
9の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプ装置における透光性セ
ラミックス放電容器の包囲部の真球度を説明する説明図
【図2】本発明の高圧放電ランプ装置の第1の実施形態
を示す中央断面正面図
【図3】同じく上側のみを組み立てて封止した状態を示
す高圧放電ランプの縦断面図
【図4】同じく点灯回路手段を示す回路図
【図5】本発明の高圧放電ランプ装置の第2の実施形態
を示す縦断面図
【図6】本発明の高圧放電ランプ装置の第3の実施形態
に置ける高圧放電ランプを示す正面図
【図7】同じく高圧放電ランプを示す縦断面図
【図8】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第4の実施
形態における高圧放電ランプ組み立ての主要部を示す正
面図
【図9】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の第5の実施
形態を示す正面図
【図10】同じく縦断面図
【図11】同じく高圧放電ランプを示す拡大正面図
【図12】同じく拡大要部断面図
【図13】本発明の照明装置の一実施形態としてのスポ
ットライトを示す正面図
【符号の説明】
1…透光性セラミックス放電容器 1a…包囲部 1b…小径筒部 5…セラミックスワッシャ 11…高圧放電ランプ 12…点灯回路手段 12a…配線基板 13…反射鏡 13a…基体 13b…反射面 13d…支持部 13e…挿通孔 14…ケース 14a…上部体 14a1…筒状部 14c…蓋体 14c3…挿通孔 14c4…支持溝 15…受電体 21…保護手段 22…前面保護板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真球度が0.65以上のほぼ球形をなして
    いて放電空間を包囲する包囲部を備えた透光性セラミッ
    クス放電容器、透光性セラミックス放電容器の包囲部に
    臨在する一対の電極、ならびに透光性セラミックス放電
    容器内に封入された放電媒体を備え、ランプ電力が50
    W以下の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを動作周波
    数40〜80kHzの高周波で点灯する点灯回路手段
    と;を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ装
    置。
  2. 【請求項2】真球度が0.65以上のほぼ球形をなして
    いて放電空間を包囲する包囲部を備えた透光性セラミッ
    クス放電容器、透光性セラミックス放電容器の包囲部に
    臨在する一対の電極、ならびに透光性セラミックス放電
    容器内に封入された放電媒体を備え、ランプ電力が30
    W以下の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを動作周波
    数40.5〜55kHzの高周波で点灯する点灯回路手
    段と;を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ
    装置。
  3. 【請求項3】透光性セラミックス放電容器は、包囲部の
    端部に連通して配置され包囲部より内径が小さくて内部
    に電極が周囲にわずかな隙間を形成しながら挿通するた
    めの小径筒部を備えるとともに、全長が10〜35mm
    であることを特徴とする請求項1または2記載の高圧放
    電ランプ装置。
  4. 【請求項4】放電媒体は、発光物質またはその化合物を
    透光性セラミック放電容器の包囲部の内容積1cc当た
    り3〜50mg含んでいることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ装置。
  5. 【請求項5】放電媒体は、80〜300torrに封入
    されたNe−Arを含んでいることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ装置。
  6. 【請求項6】高圧放電ランプは、そのランプ電力(W)
    が透光性セラミックス放電容器の重量(mg)当たり
    0.025〜0.08(W/mg)であることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ラン
    プ装置。
  7. 【請求項7】高圧放電ランプは、そのランプ電力(W)
    がその全重量(mg)当たり0.021〜0.07(W
    /mg)であることを特徴とする請求項1ないし6のい
    ずれか一記載の高圧放電ランプ装置。
  8. 【請求項8】高圧放電ランプは、その透光性セラミック
    ス放電容器の包囲部の軸長bに対する電極間距離g
    比率g/bが0.25〜1.0であることを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれか一記載の高圧放電ランプ
    装置。
  9. 【請求項9】点灯回路手段は、LC共振形の高周波イン
    バータを主体として構成されていることを特徴とする請
    求項1ないし8のいずれか一記載の高圧放電ランプ装
    置。
  10. 【請求項10】照明装置本体と;照明装置本体に支持さ
    れた請求項1ないし9のいずれか一記載の高圧放電ラン
    プ装置と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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