JP2001228630A - 感光性樹脂現像用現像液、画像形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ付アクティブマトリックス基板の製造方法、及び液晶表示素子 - Google Patents

感光性樹脂現像用現像液、画像形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ付アクティブマトリックス基板の製造方法、及び液晶表示素子

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JP2001228630A
JP2001228630A JP2000038665A JP2000038665A JP2001228630A JP 2001228630 A JP2001228630 A JP 2001228630A JP 2000038665 A JP2000038665 A JP 2000038665A JP 2000038665 A JP2000038665 A JP 2000038665A JP 2001228630 A JP2001228630 A JP 2001228630A
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JP
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developing
photosensitive resin
substrate
color filter
developer
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Application number
JP2000038665A
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English (en)
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Masanori Satake
正紀 佐武
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂膜中への浸透性が高く現像促進性に優れ
ると共に泡発生が少なく、また薄膜トランジスタ等に対
する悪影響をも回避しうる感光性樹脂現像用現像液を提
供する。現像促進性に優れ高精細画像を安定に形成しう
る画像形成方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)又は(2)で表される
界面活性剤〔p,q:1〜40〕を含有することを特徴
とする感光性樹脂現像用現像液である。現像主薬として
アミン化合物を用い、現像液中のアルカリ金属イオン濃
度が0.1ppm以下である態様が好ましい。感光性樹
脂層を基板上に形成する工程と、基板上の感光性樹脂層
をパターン露光する工程と、現像処理により基板上に画
像形成する工程とを含む画像形成方法であって、前記現
像処理において、一般式(1)又は(2)で表される界
面活性剤を含む現像液を用いることを特徴とする画像形
成方法である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルタ、
ビルドアップ基板、プリント基板の作製に用いられるフ
ォトレジスト等の現像に使用される現像液、露光・現像
して画像形成する画像形成方法、携帯情報端末、パーソ
ナルコンピュータ、ワードプロセッサ、アミューズメン
ト機器、テレヴィジョン装置等の平面ディスプレイ、シ
ャッター効果を利用した表示板、扉、窓、壁等の用途に
使用される液晶表示素子に用いられるアクティブマトリ
ックス基板の製造方法、及び液晶表示素子に関し、詳し
くは、フォトレジスト等の現像に有用な新規な現像液、
該現像液を用いた画像形成方法、アクティブマトリック
ス基板上に直接着色層(カラーフィルタ)を形成する方
法、及び該カラーフィルタを有するアクティブマトリッ
クス基板を備えた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子は、アクティブマト
リックス基板とカラーフィルタ付ガラス基板の間に液晶
材料を封入して作製されてきた。ところが、近年では、
高精細化したときの開口率の向上等の要求から、ガラス
基板側に付与されていたカラーフィルタである着色層や
透明層の一部又は全部(以下、「樹脂層」ということが
ある。)をアクティブマトリックス基板側に直接形成し
ようとする試みが行われている。
【0003】半導体分野で使用される現像液の場合、一
般にある程度のアルカリ金属イオンが含まれ、それが現
像時に樹脂層に吸収され、樹脂層中に残留したアルカリ
金属イオンが薄膜トランジスタ(TFT;以下、単に
「TFT」ということがある。)などの半導体素子の動
作特性への悪影響を与えることがよく知られている。ア
クティブマトリックス基板には、TFT等の駆動用の半
導体素子が形成されているため、現像処理する過程にお
いては、現像液中のアルカリ金属による基板の汚染を排
除する必要がある。そのため、従来よりカラーフィルタ
の形成に一般的に用いられていた炭酸ナトリウム系の現
像液は使用することができず、ナトリウム、カリウムな
どのアルカリ金属イオンを含まない有機アルカリ現像液
の開発が望まれていた。
【0004】前記有機アルカリ現像液として、電子材料
用途で一般的に使用されているテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカ
リ剤を用いた現像液があるが、該現像液を使用すると、
現像速度が速すぎて微細にパターニング露光された感光
樹脂の、ごく微細なパターン領域の現像が困難となり解
像度を確保できず、不良率が大きいといった問題があっ
た。この場合に、現像速度を調節する目的でアルカリ濃
度を希薄にすると、現像液の安定性が悪化することにな
り、製造時に現像性能が低下して安定な製造が困難とな
る。
【0005】また、有機アルカリ剤を用いた現像液によ
り感光性樹脂を現像する場合、現像液が感光性樹脂層中
に浸透し難く、感光性樹脂の膨潤、溶解、剥離等の一連
の現像挙動に長時間を要する場合があり、感光材料シス
テムの設計や作業上の点で不都合を来すことがあった。
即ち、溶解現像されずに剥離現像が進行し、剥離された
樹脂片が現像液中に浮遊するため、例えば、循環フィル
タのつまり等、循環型現像機の循環系に支障を来す等の
問題があった。このような場合、樹脂膜への水系現像液
の浸透性を促進したり、樹脂膜を構成する組成物の可溶
化を促進する目的で、界面活性剤を併用する技術が広く
知られている。
【0006】前記界面活性剤としては、最も一般的なス
ルホン酸系の界面活性剤が最も有効であるが、既述した
通り、スルホン酸等のアニオン性の界面活性剤はアルカ
リ金属を多く含むため好ましくない。また、カチオン性
界面活性剤においても同様のことが言える。一般には、
ポリエチレンオキサイド(PEO)系、ポリプロピレン
オキサイド(PPO)系、グリシドール系などの非イオ
ン系(ノニオン系)の界面活性剤も広く使用されている
が、感光性樹脂現像用の現像液には完全に溶解されない
場合があり、本用途の現像液に使用することができなか
った。即ち、現像液が水系であるために完溶しないこと
があり、界面活性剤による白濁や油状成分の分離を生ず
るといった問題があった。現像液としては、必ずしも透
明清澄である必要はないが、完全に溶解せず白濁してい
たり、油分(オイル成分)が分離浮遊した状態では現像
後の商品価値を低下させる。
【0007】更に、上記のように界面活性剤を用いた場
合は、その発泡性により現像液に泡が発生して種々のト
ラブルを生ずるといった問題がある。特に、循環型現像
機などのように空気を巻き込みやすい条件下での現像の
場合、界面活性剤の泡立ちが顕著となり、泡の発生によ
り安定した現像処理が困難となる。
【0008】上記の通り、感光性樹脂膜中への浸透性が
高く現像促進性に優れ、かつ発泡性の低い感光性樹脂現
像用の現像液は未だ提供されていないのが現状であり、
また同様に、現像促進性に優れ、泡の発生の少ない特性
を備えつつ、かつTFT等の半導体素子を備えたアクテ
ィブマトリックス基板側に直接カラーフィルタ等の樹脂
膜を形成する場合に、基板上に設けられたTFT等へ及
ぼす悪影響の少ない感光性樹脂現像用の現像液は、未だ
提供されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、感光性樹脂層中への浸透性
が高く現像促進性に優れると共に、泡発生の少ない感光
性樹脂現像用現像液、更にTFT素子等の半導体特性に
対する悪影響の少ない感光性樹脂現像用現像液を提供す
ることを目的とする。本発明は、感光性樹脂の現像促進
性に優れ、高精細な画像を安定に形成しうる画像形成方
法を提供することを目的とする。また、本発明は、感光
性樹脂の現像促進性に優れ、高解像度の着色画像(カラ
ーフィルタ)を安定に形成しうるカラーフィルタの製造
方法を提供することを目的とする。更に、本発明は、ア
クティブマトリックス基板上に、TFT素子等の半導体
特性への悪影響を考慮することなく、高解像度の着色画
像を安定に形成しうるカラーフィルタ付アクティブマト
リックス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、パターン精度に優れた高解像度の液晶表示素
子を低コストに提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 可溶化剤として、下記一般式(1)又は(2)
で表される界面活性剤を含有することを特徴とする感光
性樹脂現像用現像液である。
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、p及びqは付加モル数を示し、
p、qはそれぞれ独立に1〜40を満たす。〕
【0013】<2> 現像主薬としてアミン化合物を含
み、かつアルカリ金属イオン濃度が0.1ppm以下で
ある前記<1>に記載の感光性樹脂現像用現像液であ
る。
【0014】<3> アルカリ現像可能な感光性樹脂を
含む感光性層を基板上に形成する工程と、基板上の前記
感光性層を画像様にパターン露光する工程と、現像処理
により基板上に画像を形成する工程と、を少なくとも含
むことを特徴とする画像形成方法において、前記現像処
理に用いる現像液が、前記<1>又は<2>に記載の感
光性樹脂現像用現像液であることを特徴とする画像形成
方法である。
【0015】<4> アルカリ現像可能な感光性樹脂を
含む感光性層を基板上に形成する工程と、基板上の前記
感光性層を画像様にパターン露光する工程と、現像処理
により基板上に画像を形成する工程と、を少なくとも含
むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法におい
て、前記現像処理に用いる現像液が前記<1>又は<2
>に記載の感光性樹脂現像用現像液であり、かつ前記感
光性層が更に着色剤を含有し、基板上に着色画像を形成
することを特徴とするカラーフィルタの製造方法であ
る。
【0016】<5> アルカリ現像可能な感光性樹脂と
着色剤とを少なくとも含む感光性層をアクティブマトリ
ックス基板上に形成する工程と、該アクティブマトリッ
クス基板上の前記感光性層を画像様にパターン露光する
工程と、現像処理により基板上に着色画像を形成する工
程と、を少なくとも含み、かつ前記現像処理に用いる現
像液が前記<1>又は<2>に記載の感光性樹脂現像用
現像液であることを特徴とするカラーフィルタ付アクテ
ィブマトリックス基板の製造方法である。
【0017】<6> 少なくとも、前記<5>に記載の
カラーフィルタ付アクティブマトリックス基板の製造方
法により得られるカラーフィルタ付アクティブマトリッ
クス基板と、該カラーフィルタ付アクティブマトリック
ス基板に対向して配置された光透過性の対向基板と、前
記カラーフィルタ付アクティブマトリックス基板と対向
基板との間に封入された液晶材料と、を備えたことを特
徴とする液晶表示素子である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の感光性樹脂現像用現像液
においては、可溶化剤として、下記一般式(1)又は
(2)で表される界面活性剤を含有することを特徴とす
る。また、本発明の画像形成方法、カラーフィルタの製
造方法、カラーフィルタ付アクティブマトリックス基板
の製造方法においては、前記本発明の感光性樹脂現像用
現像液を用いて画像(カラーフィルタ)を形成する。本
発明の液晶表示素子においては、前記本発明のカラーフ
ィルタ付アクティブマトリックス基板の製造方法により
得られたカラーフィルタ付アクティブマトリックス基板
を備える。以下、本発明の感光性樹脂現像用現像液につ
いて詳細に説明し、該説明を通じて画像形成方法、カラ
ーフィルタの製造方法、カラーフィルタ付アクティブマ
トリックス基板の製造方法、及び液晶表示素子の詳細に
ついても明らかにする。
【0019】<感光性樹脂現像用現像液>本発明の感光
性樹脂現像用現像液は、後述のように、画像(カラーフ
ィルタ)の形成に用いる感光性樹脂を溶解現像しうるも
のであり、水系溶媒中に感光性樹脂の可溶化剤として、
下記一般式(1)又は(2)で表される界面活性剤を含
有してなる。また、必要に応じて、酸類、有機溶剤等の
他の成分を含有していてもよい。
【0020】
【化3】
【0021】上記式中、p及びqは付加モル数を示し、
p、qはそれぞれ独立に1〜40を満たす。
【0022】前記一般式(1)又は(2)で表される界
面活性剤の重量平均分子量(MW)としては、2000
〜10000が好ましく、3000〜10000がより
好ましい。前記MWが2000未満であると、十分な界
面活性を示さず現像不良を生ずることがあり、1000
0を超えると、溶解性が低下して不均一系となることが
ある。
【0023】上記界面活性剤は、感光性樹脂の溶解性
(現像性)を促進し、しかも、その発泡性が低くかつ発
砲後の消泡性にも優れる。従って、循環型現像機を用い
た場合等でも、泡の発生により現像に及ぼす影響もなく
迅速かつ安定に現像処理を行うことができる。
【0024】前記一般式(1)又は(2)で表される界
面活性剤としては、市販品であってもよく、例えば、プ
ルロニックTR−913R,TR−701,TR−70
2,TR−704,TR−707等のプルロニックシリ
ーズ(旭電化工業(株)製)等が挙げられる。該界面活
性剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用し
てもよい。また、本発明の効果に影響しない範囲で、他
の公知のノニオン系界面活性剤を併用することもでき
る。
【0025】前記一般式(1)又は(2)で表される界
面活性剤の含有量としては、現像液の重量に対して、
0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がよ
り好ましく、0.5〜2重量%が最も好ましい。前記含
有量が、0.1重量%未満であると、感光性樹脂の現像
促進性(感光性樹脂の溶解性)が低下することがあり、
10重量%を超えると、過現像となったり、基板との密
着性が低下して膜剥れの原因となることがある。
【0026】本発明の感光性樹脂現像用現像液において
は、現像主薬として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等の無機アルカリ化合物;アミン化合物等の
有機アルカリ化合物のいずれをも用いることができる。
これらは、一種単独での使用みならず、二種以上を併用
してもよい。しかし、TFT等の半導体素子を備えた基
板等、現像液が半導体素子と接触する態様での使用にお
いては、現像液中の金属イオンによる半導体特性への悪
影響を回避する観点から、有機アルカリ剤としてのアミ
ン化合物等を用いることが好ましい。
【0027】前記アミン化合物としては有機アミン化合
物が挙げられ、例えば、モノエタノールアミン(アミノ
エタノール)、N−メチルアミノエタノール、N,N−
ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエ
タノール、N,N−ジブチルアミノエタノール、N−メ
チル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノエタノー
ル、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−
(β−アミノエチル)アミノエタノール、下記一般式
(3)で表される化合物等が挙げられる。これらアミン
化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0028】
【化4】
【0029】式中、Rは、水素原子、置換若しくは無置
換の炭素数1〜6のアルキル基を表し、置換基を有する
アルキル基の置換基としては、例えば、水酸基、アミノ
基、ヒドロキシエチル基等が挙げられ、中でも、水酸基
が好ましい。また、炭素数1〜6のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基等が挙げられる。上記のうち、Rとして
は、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基が好ましい。
【0030】式中、A、Bは、炭素数1〜6の2価の炭
化水素基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、ブ
チレン基(テトラメチレン基)、フェニレン基等が挙げ
られ、中でも、メチレン基、エチレン基が特に好まし
い。Xは、2価の連結基を表し、例えば、−O−、−N
H−、−(NHCH2CH2−)m−〔ここで、mは0、
1、2又は3を表す。〕、−CH2−、−C64−、−
106−等が挙げられ、中でも、−O−、−NH−、
−(NHCH2CH2−)m−〔ここで、mは0、1、2
又は3を表す。〕、−CH2−、−C64−が好まし
い。また、rは、0又は1を表す。
【0031】以下に、前記一般式(3)で表される化合
物の具体例を示すが、本発明においては、これらに限定
されるものではない。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】現像液中における、無機アルカリ化合物の
濃度としては、0.1〜2mol/l(リットル)が好
ましく、0.5〜1mol/lがより好ましい。前記濃
度が、0.1mol/l未満であると、希薄過ぎて十分
な現像ができず、現像不良となることがあり、2mol
/lを超えると、過現像となり十分な解像度が得られな
かったり、膜表面が荒れたりする等の不良を生ずること
がある。
【0035】また、アミン化合物等の有機アルカリ化合
物を用いた場合は、その現像液中における濃度として
は、0.05〜10mol/l(リットル)が好まし
く、0.08〜5mol/lがより好ましく、0.1〜
3mol/lが最も好ましい。前記濃度が、0.05m
ol/l未満であると、希薄過ぎて十分な現像ができ
ず、現像不良となることがあり、10mol/lを超え
ると、過現像となり十分な解像度が得られなかったり、
膜表面が荒れたりする等の不良を生ずることがある。
【0036】また、現像主薬として、アミン化合物等の
有機アルカリ化合物を用いて調製した現像液において
は、該現像液中におけるアルカリ金属イオン濃度は0.
1ppm以下であることが好ましい。既述の通り、現像
液中に存在するアルカリ金属イオンは、薄膜トランジス
タ(TFT)等の半導体特性に悪影響を及ぼすことがあ
ることから、現像液中に含まれる濃度としてはできるだ
け少ないことが望まれる。前記アルカリ金属イオン濃度
とは、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属のイオンの合計のイオン濃度をいう。このイオン濃度
は、原子吸光法(ICP発光法(プラズマ発光分光光度
分析))により測定することができる。
【0037】アクティブマトリックス基板上にTFT等
の半導体素子を形成する半導体プロセスでは、前記アル
カリ金属の濃度が低い程、TFT等の品質が高くなるこ
とが知られており、一般には、50ppb程度に管理さ
れている。TFT形成後のアクティブマトリックス基板
の処理においては、該TFT上に無機保護膜等が形成さ
れることにより、アルカリ金属の影響はやや抑えられ
る。
【0038】本発明においては、後述するように、アク
ティブマトリックス基板上に感光性樹脂を含む感光性層
を形成する工程における、現像液中のアルカリ金属イオ
ンの濃度としては、1ppb〜10ppmが好ましく、
2ppb〜1ppmがより好ましく、10ppb〜10
0ppbが最も好ましい。前記濃度が10ppmを超え
ると、TFT等を誤作動させる原因となることがある。
【0039】本発明の感光性樹脂現像用現像液において
は、そのpH調整、pH変動の抑制等の目的で酸類を混
合することが好ましい。該酸類の添加により緩衝液を形
成し、その緩衝作用により現像液の経時安定性を向上さ
せることができる。前記酸類としては、塩酸、硫酸、硝
酸等の鉱酸(無機酸);クエン酸、コハク酸、蓚酸、酢
酸、アスコルビン酸、アミノ酸類等の有機酸;炭酸水溶
液、炭酸ガス等の酸性ガスなどが挙げられる。金属、半
導体等との接触、汚染、相互作用などによる弊害が懸念
されない場合には、リン酸も使用できる。中でも、TF
T等の半導体素子への影響の点で、酢酸、炭酸ガスが好
ましい。
【0040】炭酸ガス等を用いる場合、現像液中に吹き
込む等の公知の方法を適宜選択して行える。また、現像
液中に加える前記酸類、酸性ガスの量としては、設定し
ようとする現像液の初期pH値に調整するのに要する量
であればよい。pH値は、例えば、pH計(東亜電波工
業(株)製)により測定できる。
【0041】また、上記酸類を用いてpH調整する場
合、現像液自体の経時安定性の向上の点で、現像液のp
Hは、現像主薬のpKaとの関係でpKa−0.5≦p
H≦pKa+1.2の範囲に調整することが好ましい。
ここで、pKaとは、「−log10(共役酸の電離定
数)」と定義される値である(理化学辞典(第3版)、
p.1079の「pK」の説明、(株)岩波書店)。
【0042】現像液には水系溶媒が用いられ、水のほ
か、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加するこ
ともできる。水と混和性を有する有機溶剤としては、メ
タノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパ
ノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチル
エーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ
−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチ
ル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロ
リドン等が挙げられる。前記有機溶剤の濃度としては、
0.1〜30重量%が好ましい。
【0043】さらに、現像液には、公知の界面活性剤を
添加することもできる。該界面活性剤の濃度としては、
0.01〜10重量%が好ましい。
【0044】有機アミン化合物は、その臭気によってし
ばしば作業者に不快な作業環境を強いる場合があるが、
ジアミン化合物であって、そのジアミン部位にヒドロキ
シエチル基、ヒドロキシプロピル基のような、水素結合
形成能のある官能基を導入した有機アミン化合物は、該
化合物自体の揮発性が下げられ、臭気発生をも抑制しう
る点で有用である。
【0045】また、現像主薬としてアミン化合物等を用
いた本発明の感光性樹脂現像用現像液は、特開平9−2
44239号公報等に記載の、いわゆるビルドアップ基
板用に使用される感光性樹脂の現像処理にも使用でき
る。銅配線層を絶縁膜ではさんで積層構造に形成された
ビルドアップ基板においても、アルカリ金属イオンが混
入、残留すると、イオンマイグレーションによる絶縁不
良を引き起こすことが知られている。従って、アミン化
合物等を現像主薬とする、アルカリ金属イオンの含有量
の少ない現像液は、この用途においても非常に有用であ
る。さらに、特願平8−331481号公報に記載の、
プリント基板用ドライフィルムレジスト用に用いられる
感光性樹脂の現像処理にも好適である。
【0046】上記のように、一般式(1)又は(2)で
表される界面活性剤を用いることにより、感光性樹脂の
現像性を促進し、かつ現像処理時における現像液の泡立
ちをも効果的に抑制でき、現像処理を安定に行うことが
できる。しかも、これに現像主薬としてアミン化合物等
の有機アルカリ化合物を用いることにより、該現像液中
のアルカリ金属イオン濃度は低く抑えられ、特にTFT
等の半導体素子を備えた基板に対して用いる場合にもそ
の半導体特性に及ぼす悪影響を考慮することなく使用で
きる。また、更に、pH変動に起因する現像性の低下が
少なく、現像液自体の経時安定性に優れ、高精細な画像
領域を高解像度にかつ安定に現像処理することができ
る。
【0047】<画像形成方法>本発明の画像形成方法
は、アルカリ現像可能な感光性樹脂を含む感光性層を基
板上に形成する工程(以下、「感光性層形成工程」とい
うことがある。)と、基板上の前記感光性層を画像様に
パターン露光する工程(以下、「露光工程」ということ
がある。)と、現像処理により基板上に画像を形成する
工程(以下、「画像形成工程」ということがある。)
と、を少なくとも含んでなり、必要に応じて、他の工程
を含んでいてもよく、前記画像形成工程における現像処
理に前記本発明の現像液を用いる。以下、各工程に沿っ
て順に説明する。
【0048】〔感光性層形成工程〕前記感光性層形成工
程においては、基板上にアルカリ現像可能な感光性樹脂
を含む感光性層を形成する。必要に応じて、酸素遮断膜
等の他の層を形成することもできる。 (感光性層)前記感光性層は、少なくとも感光性樹脂を
含んで構成され、必要に応じて、重合性化合物、重合開
始剤、界面活性剤、接着助剤、染料や顔料等の着色剤、
紫外線吸収剤等の他の成分を含有していてもよい。
【0049】感光性層を構成する感光性樹脂としては、
公知のものの中から適宜選択でき、、例えば、特願平2
−82262号に記載の感光性樹脂が全て使用できる。
該感光性樹脂には、アルカリ水溶液により現像可能なも
のと、有機溶剤により現像可能なものが知られている
が、公害防止、労働安全性の確保の観点から、アルカリ
水溶液により現像可能なものが好ましい。
【0050】前記感光性樹脂としては、例えば、ネガ型
ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂、光重合
性組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性
樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられ、
中でも、光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダ
ーを基本構成要素として含んでなる光重合性組成物が特
に好ましい。
【0051】また、感光性層は、光を照射した部分が溶
解性を帯び、現像処理により除去されるタイプの感光性
樹脂層(以下、「ポジ型感光性樹脂層」ということがあ
る。)を用いることもできる。該ポジ型感光性樹脂層に
用いられる感光性樹脂としては、ノボラック系の樹脂が
挙げられ、公知のものの中から適宜選択できる。例え
ば、特開平7−43899号公報に記載のアルカリ可溶
性ノボラック樹脂が好適に使用できる。また、ポジ型感
光性樹脂層としては、例えば、特開平6−148888
号公報に記載のポジ型感光性樹脂層、即ち、該公報記載
のアルカリ可溶性樹脂と、感光剤として1,2−ナフト
キノンジアジドスルホン酸エステルと、熱硬化剤との混
合物を含んでなる感光性樹脂層を好適に用いることがで
きる。また、特開平5−262850号公報に記載の組
成物もポジ型感光性樹脂層の成分として使用可能であ
る。
【0052】−他の成分− 前記重合性化合物、重合開始剤、界面活性剤、接着助剤
としては、例えば、特開平11−133600号公報に
記載の、重合性化合物B、重合開始剤C、界面活性剤、
接着助剤等をそれぞれ挙げることができる。
【0053】後述のように、例えばカラーフィルタ等の
着色された画像を形成する場合には、染料や顔料等の着
色剤を含有させることができる。前記染料や顔料等の着
色剤としては、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーB
O(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41
000)、ファット・ブラックHB(C.I.2615
0)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメントエ
ロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグ
メント・エロー17)、パーマネント・エローHR
(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・
カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド14
6)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメン
ト・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH
(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピン
クBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナス
トラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブ
ルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB
(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラッ
ク、
【0054】さらに、C.I.ピグメント・レッド9
7、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグ
メント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド1
68、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピ
グメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド
192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.
ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリー
ン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.
I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント
・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、
C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント
・ブルー64等が挙げられる。
【0055】前記顔料は、感光性層中に均一に分散され
ている必要があり、また、その粒径としては、5μm以
下が好ましく、1μm以下が特に好ましい。
【0056】前記紫外線吸収剤としては、例えば、サリ
シレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒン
ダードアミン系等の紫外線吸収剤が好適に挙げられ、具
体例として、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフ
ェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル
−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエー
ト、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ
−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
【0057】2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチ
ル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルア
クリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメトル−4−ピリジン)−
セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サ
ルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エス
テル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾ
ール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−
5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルク
マリン等が挙げられる。
【0058】(酸素遮断膜)前記感光性樹脂層上には、
さらに酸素遮断膜を形成し、該膜を介して露光すること
が好ましい。該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を
示し、水又はアルカリ水溶液に分散若しくは溶解するも
のが好ましく、公知のものの中から適宜選択することが
できる。公知の酸素遮断膜の中でも、ポリビニルアルコ
ールとポリビニルピロリドンとを組合わせてなるものが
特に好ましい。詳細については、特開平5−72724
号公報に記載されている。
【0059】本工程において、前記感光性層が基板上に
形成されるが、基板上に感光性層を形成する方法として
は、上記各成分を溶剤に溶解した塗布液を準備し、公
知の塗布方法により基板上に塗布、乾燥して感光性層を
設ける方法、予め公知の塗布方法で仮支持体上に感光
性層を塗布形成した転写材料を用い、転写により基板上
に感光性層を設ける方法、等が挙げられる。上記方法
の場合には、感光性層は、仮支持体上から一旦剥離して
独立のシート(感光性シート)として用いることもでき
る。
【0060】基板としては、特に制限はなく目的に応じ
て適宜選択できる。また、感光性層を仮支持体上に設け
る場合の該仮支持体としても、特に制限はなく目的に応
じて適宜選択できるが、柔軟性のシート状のものが好ま
しい。
【0061】前記公知の塗布方法としては、例えば、ス
ピナ、ホワイラ、ローラーコータ、カーテンコータ、ナ
イフコータ、ワイヤーバーコータ、エクストルーダ等を
用いた方法が挙げられる。塗布後、乾燥することにより
感光性層若しくは感光性シートを得ることができる。
【0062】前記方法における転写材料の具体的態様
としては、基本的には公知の感光性転写材料と同様に構
成することができ、その最も単純な構成態様は、柔軟な
プラスチックフィルム等からなる仮支持体上に感光性樹
脂を含む薄層(感光性層、感光性樹脂層)が形成された
態様のものであり、これに更に、支持体−感光性層間
に、これら界面での剥離性を容易にしたり、クッション
性を付与しうる、下塗り層、中間層、剥離層等を任意に
設けることができる。
【0063】具体的には、特開平4−208940号公
報に記載の、仮支持体への接着力が小さい分離層と感光
性樹脂層とを有する転写材料、特開平5−173320
号公報に記載の、仮支持体上に熱可塑性樹脂層、中間層
及び感光性樹脂層を有し、仮支持体と熱可塑性樹脂層と
の間の接着力が最も小さい感光性転写材料、特開平5−
72724号公報に記載の、熱可塑性樹脂層、分離層及
び感光性樹脂層を有し、熱可塑性樹脂層と分離層との間
の接着力が最も小さい転写材料、特開平5−80503
号公報に記載の、仮支持体の上に熱可塑性樹脂層、中間
層及び感光性樹脂層を有し、仮支持体と熱可塑性樹脂層
との間の接着力が最も小さい感光性転写材料、等が挙げ
られる。中でも、前記特開平5−72724号公報に記
載の感光性転写材料等の、一体型の転写材料が好まし
く、その具体的な一例として、仮支持体上に、アルカリ
可溶な熱可塑性樹脂層、酸素遮断層(中間層)、感光性
層、及び保護フィルムをこの順に積層して構成された態
様の感光性転写材料等が好ましい。熱可塑性樹脂層の詳
細については、上述の各公報の記載を参照できる。
【0064】前記方法により、基板上に感光性層を設
ける場合、先ず、必要に応じて、転写材料の保護フィル
ムを取り除き、感光性層を加圧、加温下で基板上に貼り
合わせた後、基板から仮支持体を剥離することにより行
える。貼り合わせには、公知のラミネーター、真空ラミ
ネーターが使用でき、生産性をより高めるには、オート
カツトラミネーターも使用できる。
【0065】〔露光工程〕前記露光工程においては、基
板上に設けられた感光性層に対して画像様にパターン露
光する。パターン露光とは、画像パターンが形成された
シャドウマスクを介して感光性層にパターン化された光
を照射することをいう。場合によっては、シャドウマス
クを介さずに光照射してもよい。光照射に用いる光源と
しては、超高圧水銀灯、キセノン灯等の公知の光源が挙
げられる。前記フォトマスクは、公知のものの中から適
宜選択できる。
【0066】〔画像形成工程〕前記画素形成工程におい
ては、不要な感光性樹脂層(画素形成に関与しない不要
領域の感光性層)等を現像処理により除去し、基板上に
画像を形成する。現像処理に用いる現像液としては、既
述の本発明の現像液を用いる。
【0067】現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液
としても用いることができ、その現像方法としては、パ
ドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディ
プ現像等が挙げられる。中でも、効果が大きい点で、複
数の基板に対して同じ現像液を使用するシャワー現像、
シャワー&スピン現像、ディップ現像等が好ましい。感
光性樹脂層の未硬化部分(不要領域)を除去する場合、
現像液中で回転ブラシや湿潤スポンジで擦るなどの方法
を組合わせることができる。現像液の温度としては、通
常、20〜40℃が好ましい。現像処理の後、蒸留水、
イオン交換水、超純水等による水洗工程を入れることも
好ましい。
【0068】本発明の感光性樹脂現像用現像液において
は、上記のように、現像液が現像機内での循環・攪拌等
により外気と長時間接触する状況下であっても、現像処
理時のpH変化による現像性の低下を抑制でき、しかも
現像液の発泡による懸念も回避でき、高精細な画像を安
定に形成することができる。
【0069】上記のように、既述の本発明の現像液を用
いることにより、感光性樹脂の現像性が促進され、しか
も、現像時の現像液の泡立ちを効果的に抑制することが
できる。更に、pH変動に起因する現像性の低下が少な
く、現像液自体の経時安定性に優れ、高精細な画像を安
定に形成することができる。
【0070】<カラーフィルタの製造方法>本発明のカ
ラーフィルタの製造方法は、前記本発明の画像形成方法
と同様の工程、即ち、感光性層形成工程と、露光工程
と、画像形成工程とを少なくとも含んでなり、前記現像
工程で用いる現像液として既述の本発明の現像液を用い
る。さらに、前記感光性層形成工程においては、基板上
に形成する感光性層中に更に着色剤を含有し、前記画像
形成工程では、基板上に着色画像が形成される。
【0071】前記着色剤としては、前記本発明の画像形
成方法において使用可能な、染料や顔料等の着色剤と同
様のものを用いることができる。また、カラーフィルタ
の膜厚としては、1〜7μmが好ましく、1〜5μmが
より好ましい。
【0072】次に、カラーフィルタを作製する場合の一
例を説明する。カラーフィルタは、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の各画素及び黒色(K)のブラック
マトリックスごとに、3つの工程(感光性層形成工程、
露光工程、画像形成工程)を順に繰り返し行うことによ
り作製でき、例えば、下記(1)〜(4)の工程をRG
Bの各画素毎に繰り返すことによるものであってもよ
い。
【0073】(1)少なくとも感光性樹脂を溶剤に加え
て塗布液状にし、これに更に顔料を分散した塗布液(感
光性層用塗布液)を塗布、乾燥して、或いは、既述のよ
うに、予め仮支持体上に感光性層が形成された転写材料
を用いこれを転写して、基板上に着色された感光性層を
設ける工程(感光性層形成工程);上記(1)におい
て、基板と感光性層との間に熱可塑性樹脂層、中間層を
形成しておいてもよい。 (2)着色された感光性層を、フォトマスクを介してパ
ターン状に露光する工程(露光工程); (3)露光後、必要に応じて熱可塑性樹脂層及び中間層
を現像除去し、かつ感光性層を現像処理して、感光性層
の露光領域に沿った画素を基板上に形成する工程(画像
形成工程);上記(3)の後、基板上に形成された画素
を加熱処理により焼成し、更に硬化させる工程(熱処理
工程)を設けることも可能である。
【0074】上記工程(1)においては、顔料として所
望の色相のものを選択し、赤色(R)、緑色(G)、青
色(B)及び黒色(K)の各色の塗布液を調製、使用し
て、基板上に順にRGBの画素と、該画素間にブラック
マトリックスとを形成する。2色目以降は、1色目の画
素を覆うようにして層形成すればよく、硬化されなかっ
た領域のみ現像処理により溶解除去される。ブラックマ
トリックスは、RGBの画素形成の前後のいずれに形成
してもよい。
【0075】上記(1)〜(3)の工程は、感光性転写
材料を用いて画像形成する画像形成方法においては一般
的な方法であり、例えば、特開平5−173320号公
報に記載がある。代表的な画像形成方法としては、感光
性転写材料の感光性樹脂組成物層を液晶表示素子に設置
する透明基板の表面に重ね、支持体を剥がし取った後、
その被転写材料上の感光性樹脂組成物層にフォトマスク
を介してパターン状の露光を行う工程、露光後に感光性
樹脂組成物層を加熱する工程、現像処理して未露光部分
を溶解除去する工程などを組合わせた方法を利用するこ
とができる。
【0076】カラーフィルタを作製する場合の基板とし
ては、目的に応じて適宜選択できるが、公知のガラス
板、表面に酸化珪素被膜を形成したソーダガラス板等が
好適である。
【0077】上記より、感光性樹脂の現像性に優れ、か
つ循環型現像機を用いた場合でも現像処理中の泡の発生
が抑制されるので、高精細なカラーフィルタを安定に形
成することができる。
【0078】<カラーフィルタ付アクティブマトリック
ス基板の製造方法>本発明のカラーフィルタ付アクティ
ブマトリックス基板の製造方法は、アルカリ現像可能な
感光性樹脂と着色剤とを少なくとも含む感光性層をアク
ティブマトリックス基板上に形成する工程(感光性層形
成工程)と、該アクティブマトリックス基板上の前記感
光性層を画像様にパターン露光する工程(露光工程)
と、現像処理により基板上に着色画像を形成する工程
(画像形成工程)と、を少なくとも含んでなり、前記画
像形成工程における現像処理に前記本発明の現像液を用
いる。必要に応じて、ブラックマトリックス形成工程等
の他の工程を含んでいてもよい。
【0079】本製造方法における感光性層形成工程で
は、アルカリ現像可能な感光性樹脂と着色剤とを少なく
とも含む感光性層をアクティブマトリックス基板上に形
成する。上記感光性樹脂、着色剤及び感光性層について
の詳細については、前記本発明の画像形成方法において
既述した通りである。
【0080】基板としては、アクティブマトリックス基
板を用い、該基板上に直接、カラーフィルタとなるパタ
ーン状の着色画像を形成する。アクティブマトリックス
基板上にカラーフィルタを形成することにより、従来の
ように、別途異なる工程で作製された駆動側基板とカラ
ーフィルタ側基板とを組合せることなく一体的に作製で
きるため、位置合わせ不良による位置ずれがなく、高精
細なカラーフィルタ付のアクティブマトリックス基板を
形成できる。しかも、低コスト化の実現にも寄与する。
【0081】前記アクティブマトリックス基板とは、光
透過性の基体上に、薄膜トランジスタ(TFT)、単結
晶シリコントランジスタ(MOSFET)、ダイオード
等のアクティブ素子が、該アクティブ素子と接合する画
素電極(画像表示可能な画素部の液晶材料を制御する電
極)と共に規則的に複数個形成された基板をいう。前記
基体としては、カラーフィルタとして機能させる観点か
ら、例えば、ガラス、プラスチック等の光透過性の材料
が好適に挙げられる。
【0082】本発明においては、前記ブラックマトリッ
クス形成工程を設けることもでき、画素間にブラックマ
トリックスを形成してもよい。該ブラックマトリックス
は、遮光性と光反射防止性の両方の機能が必要とされ、
黒色の着色剤を用いて前記感光性層と同様にして形成す
ることができる。中でも、前記方法に相当する感光性
転写材料を用いる態様が好ましい。
【0083】上記のように、アクティブマトリックス基
板上のTFT素子等の半導体特性に悪影響を及ぼすこと
なく、該基板上に直接着色画像(カラーフィルタ)を形
成することができ、低コスト化を実現することができ
る。また、感光性樹脂の現像性に優れ、かつ循環型現像
機を用いた場合でも現像処理中の泡の発生が抑制される
ので高精細な着色画像を安定に形成することができる。
【0084】<液晶表示素子>本発明の液晶表示素子
は、少なくとも、本発明のカラーフィルタ付アクティブ
マトリックス基板の製造方法により得られるカラーフィ
ルタ付アクティブマトリックス基板と、該カラーフィル
タ付アクティブマトリックス基板に対向して配置された
光透過性の対向基板と、前記カラーフィルタ付アクティ
ブマトリックス基板と対向基板との間に封入された液晶
材料とを備えてなり、必要に応じて、配向膜、ブラック
マトリックス層等を設けることもできる。
【0085】前記配向膜は、液晶相中の液晶化合物の配
向方向を規定する機能を有し、ポリイミド、ポリビニル
アルコール、ゼラチン等のポリマーにより形成すること
ができ、配向膜の液晶材料と接触する側の表面には、ラ
ビング処理等の配向処理が施されていることが好まし
い。また、該配向膜は、カラーフィルタ付アクティブマ
トリックス基板、対向基板のそれぞれ液晶材料と接する
側の表面に設けることができる。また、前記ブラックマ
トリックス層は上述と同様にして形成できる。
【0086】前記対向基板は、光透過性の基体上に少な
くとも電極層を有してなり、必要に応じて、ブラックマ
トリックス層、配向膜等の他の層等を有してなる。前記
電極層は、金属やITO等の金属酸化物などの材料を用
いて形成することができる。前記ブラックマトリックス
層及び配向膜も上記同様である。
【0087】液晶表示素子の構成態様としては、上述の
本発明のカラーフィルタ付アクティブマトリックス基板
の態様により若干異なるが、それ以外には特に制限はな
く任意に構成することができる。カラーフィルタ付アク
ティブマトリックス基板及び対向基板は、例えば、樹脂
ボール等のスペーサを介して所定の空間を形成して固定
され、その空間に液晶材料を注入した後密閉することに
より、本発明の液晶表示素子を作製することができる。
前記液晶材料としては、公知のものの中から、目的に応
じて適宜選択することができる。
【0088】上記の通り、本発明のカラーフィルタ付ア
クティブマトリックス基板を備えることにより、パター
ン精度に優れた高解像度の液晶表示素子をより安価に製
造することができる。
【0089】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中の「部」及び「%」は、全て「重量部」及び
「重量%」を表す。 (1)カラーフィルタの作製 本実施例におけるサンプルの作成は、すべて黄色灯下に
て行った。 (実施例1) <感光性転写材料の作製>厚さ75μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム仮支持体(塗布面とは反対側に
導電性微粒子(特開平5−173320号公報の段落
[0046]に記載の導電性試料(9))を0.18μm
の厚さに塗布して導電性を持たせたもの)を準備し、該
仮支持体を速度50m/分で搬送しながら、該仮支持体
上に下記処方H1よりなる熱可塑性樹脂層用塗布液をギ
ーサーで塗り付け、温度50〜120℃の乾燥ゾーンを
順次通過させて乾燥させた後、該層上に更に下記処方B
1よりなる酸素遮断膜用塗布液をギーサーで塗り付け、
温度50〜120℃の乾燥ゾーンを順次通過させて乾燥
させた。このように、熱可塑性樹脂層、酸素遮断膜がこ
の順に積層された仮支持体を4枚作製した。
【0090】 〔熱可塑性樹脂層処方H1〕 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 ・・・290.0部 (重量比:塩ビ/酢ビ=75/25、 重合度:約400、MPR−TSL,日信化学(株)製) ・塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体 ・・・ 76.0部 (重量比:塩ビ/酢ビ/マレイン酸=86/13/1、 重合度:約400、MPR−TM,日信化学(株)製) ・フタル酸ジブチル ・・・ 88.5部 ・フッ素系界面活性剤 ・・・ 5.4部 (F−177P,大日本インキ(株)製) ・MEK ・・・ 975.0部
【0091】 〔酸素遮断膜処方B1〕 ・ポリビニルアルコール ・・・ 173.2部 (PVA205、鹸化率=80%,クラレ(株)製) ・弗素系界面活性剤 ・・・ 8部 ・蒸留水 ・・・2800部
【0092】次いで、下記組成よりなる化合物を混合し
て、感光性樹脂層用塗布液K1、R1、G1及びB1を
調製し、上記より得た4枚の仮支持体の各酸素遮断膜上
に、感光性樹脂層用塗布液K1、R1、G1、又はB1
をギーサーで塗り付け、温度50〜120℃の乾燥ゾー
ンを順次通過させて乾燥させ、仮支持体の上に、乾燥膜
厚14.6μmの熱可塑性樹脂層、乾燥膜厚1.6μm
の酸素遮断膜、乾燥膜厚2μmの感光性樹脂層(黒色
(K)、赤色(R)、緑色(G)又は青色(B))がこの順に積
層して形成され、更にこれに保護フイルム(厚さ12μ
mのポリプロピレンフィルム)をニップローラーで圧着
して前記感光性樹脂層上に保護フィルムを形成し、その
後巻き取った。上記のようにして、仮支持体上に、熱可
塑性樹脂層と酸素遮断膜と感光性樹脂層(黒色(K)、赤
色(R)、緑色(G)又は青色(B))と保護フィルムとが積
層された、4色の感光性転写材料を作製した。各感光性
転写材料について、使用した感光性樹脂層用塗布液の記
号(K1、R1、G1、B1)を用いて、それぞれ黒色
(K)の感光性転写材料K1、赤色(R) の感光性転写材
料R1、緑色(G) の感光性転写材料G1、又は青色
(B) の感光性転写材料B1とした。
【0093】 〔感光性樹脂層用塗布液K1の組成〕 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 ・・・ 60部 (共重合モル比=73/27、分子量30000) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート ・・・ 43.2部 ・ミヒラーズケトン ・・・ 2.4部 ・2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ ・・・ 2.5部 フェニルアミダジール二量体 ・カーボンブラック ・・・ 5.6部 ・メチルセロソルブアセテート ・・・560部 ・メチルエチルケトン ・・・280部
【0094】 〔感光性樹脂層用塗布液R1の組成〕 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 ・・・ 60部 (共重合モル比=73/27、分子量30000) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート ・・・ 43.2部 ・ミヒラーズケトン ・・・ 2.4部 ・2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ ・・・ 2.5部 フェニルアミダジール二量体 ・イルガシン・レッドBPT(赤色) ・・・ 5.4部 ・メチルセロソルブアセテート ・・・560部 ・メチルエチルケトン ・・・280部
【0095】 〔感光性樹脂層用塗布液G1の組成〕 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 ・・・ 60部 (共重合モル比=73/27、分子量30000) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート ・・・ 43.2部 ・ミヒラーズケトン ・・・ 2.4部 ・2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ ・・・ 2.5部 フェニルアミダジール二量体 ・銅フタロシアニン(緑色) ・・・ 5.6部 ・メチルセロソルブアセテート ・・・560部 ・メチルエチルケトン ・・・280部
【0096】 〔感光性樹脂層用塗布液B1の組成〕 ・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 ・・・ 60部 (共重合モル比=73/27、分子量30000) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート ・・・ 43.2部 ・ミヒラーズケトン ・・・ 2.4部 ・2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ ・・・ 2.5部 フェニルアミダジール二量体 ・スーダンブルー(青色) ・・・ 5.4部 ・メチルセロソルブアセテート ・・・560部 ・メチルエチルケトン ・・・280部
【0097】<アクティブマトリックス基板の作製>ア
レイ基板上にゲート信号線並びに付加容量電極を形成
し、この上にゲート絶縁膜を形成した。その後、該ゲー
ト絶縁膜上に半導体層及びチャネル保護層をこの順に積
層形成し、更に薄膜トランジスタ(TFT)のソース及
びドレインとなるn+Si層を形成した。次いで、金属
層及びITO膜をスパッタリング法により形成し、これ
らをパターニングすることによりドレイン信号線及びソ
ース信号線を形成した。このようにして、基板上にTF
Tを備えたアクティブマトリックス基板の作製した。
【0098】<着色画像(カラーフィルタ)の形成>上
記より得たアクティブマトリックス基板のTFTの設け
られている側の表面に、前記感光性転写材料K1より保
護フイルムを剥離後、その感光性樹脂層が接するように
貼り合わせ、温度130℃、線圧100N/cm、搬送
速度1.0m/分でラミネートした。次に、超高圧水銀
灯により照射エネルギー20mJ/cm2でパターン露
光した後、下記組成の現像液P1にてシャワー現像し
(タンク容量25リットルのシャワー現像機;38℃、
35秒間)、熱可塑性樹脂層と酸素遮断膜を除去した。 〔現像液P1の組成〕 ・超純水 ・・・97部 ・トリエタノールアミン ・・・ 3部 (アルカリ金属イオン濃度:50ppb)
【0099】引き続き、下記組成の本発明の感光性樹脂
現像用現像液C1にてシャワー現像し(タンク容量25
リットルのシャワー現像機;33℃、26秒間)、未硬
化部分の感光性樹脂層を現像除去し、画像様にパターニ
ングされた黒色の画像を形成した。 〔感光性樹脂現像用現像液C1〕 下記組成を混合し
て均一の溶液とした。 ・純水 ・・・98部 ・モノエタノールアミン(0.2mol/l) ・・・ 1.22部 ・下記化合物(1) ・・・ 0.5部 (一般式(2)で表される界面活性剤、pKa9.5、 商品名:プルロニックTR−913R,旭電化工業(株)製) 上記の溶液中に炭酸ガスを吹き込み、pH計(東亜
電波工業(株)製、以下同様)によりpH9.5に調整
した。 (アルカリ金属イオン濃度:50ppb)
【0100】
【化7】
【0101】その後、黒色の画像が形成された基板の両
面側から、照射エネルギー500mJ/cm2でポスト
露光を行い、引き続き220℃25分ポストベーク処理
を実施し、黒色画素を形成した。
【0102】更に、感光性転写材料R1、G1、B1を
順次用い、上記と同様の操作を繰り返して赤色、緑色、
青色の画素を形成し、黒色のブラックマトリックス、及
び赤色、緑色、青色の着色画像(画素)からなる、本発
明のカラーフィルタ付アクティブマトリクス基板C1
(使用した感光性樹脂層現像用の現像液名による)を作
製した。これらの工程は、各1色の画素形成に1日設
け、計4日かけて行った。
【0103】<液晶表示素子の作製>上記より得たカラ
ーフィルタ付アクティブマトリックス基板C1の着色画
像上に配向膜を形成し、該配向膜の表面にラビング処理
を施した。一方、対向基板上に対向電極、配向膜をこの
順に積層した。前記カラーフィルタ付アクティブマトリ
ックス基板C1上の配向膜と、対向基板上の配向膜とが
対向するように配置し、両配向膜間にスペーサを介して
空隙を設けて固定し、該空隙部に液晶素材を注入して、
本発明の液晶表示素子を作製した。
【0104】(実施例2〜12、比較例1〜12)実施
例1の感光性樹脂現像用現像液C1の調製に用いた、現
像主薬、界面活性剤(化合物(1))、酸剤(炭酸ガ
ス)を、それぞれ下記表1又は表2に示す組成に代えた
こと以外、実施例1の感光性樹脂現像用現像液C1と同
様にして、本発明の感光性樹脂現像用現像液C2〜C1
2、比較現像液c1〜c12を調製した。各々のアルカ
リ金属イオン濃度は、下記表1の通りである。尚、酸剤
として酢酸を用いた場合は、炭酸ガスの吹き込みによる
pH調整は行わず、酢酸の添加によりpH調整(表1及
び2参照)を行った。表1及び2中の化合物(2)〜
(4)の構造を以下に示す。
【0105】
【化8】
【0106】また、実施例1で用いた感光性樹脂現像用
現像液C1に代えて、前記感光性樹脂現像用現像液C2
〜C12及び比較現像液c1〜c12のいずれかを用い
たこと以外、実施例1と同様にして、本発明のカラーフ
ィルタ付アクティブマトリックス基板C2〜C12、及
び比較例のカラーフィルタ付アクティブマトリックス基
板c1〜c12を作製した。更に、該カラーフィルタ付
アクティブマトリックス基板C2〜C12及びc1〜c
12を用いて、実施例1と同様にして液晶表示素子を作
製した。
【0107】(比較例13〜15)実施例1で調製した
感光性樹脂現像用現像液C1に更にナトリウムイオン
(Na+)を加えて、Na+含有量が0.2ppm、0.
5ppm、1ppmの比較現像液c13、c14、c1
5を調製した。また、実施例1で用いた感光性樹脂現像
用現像液C1に代えて、上記比較現像液c13、c1
4、c15を用いたこと以外、実施例1と同様にしてカ
ラーフィルタ付アクティブマトリックス基板c13、c
14、c15を作製した。
【0108】(評価) −現像性,経時安定性− 既述のように、各実施例で得た現像液を用いてタンク容
量25リットルのシャワー現像機(液温33℃、現像時
間26秒)により行う感光性樹脂層の現像処理におい
て、シャワー現像機内を外気流入係数11とし、下記表
1の通り、各現像液を現像処理前に機内で現像液を所定
時間(0,0.5,1,2,3,4,6,8,10時間
(h))循環・攪拌した後に、感光性樹脂層の現像処理
(液温33℃、現像時間26秒)を行った。本発明の感
光性樹脂現像用現像液(C1〜C12)、及び比較現像
液(c1〜c12)のそれぞれについて、現像が完了す
るまでの時間を計測し、これを各現像液の現像性,経時
安定性を示す指標とした。評価結果は下記表4に示し、
表中の数値は現像が完了するまでに要した時間(秒)を
示す。
【0109】−消泡性− 100ml蓋付メスシリンダに、上記各種現像液(C1
〜C12、c1〜c12)より選択した1種類を25m
l入れ30秒間振盪し(約80回)、振盪直後の気泡量
を測定した。測定は、発生した気泡の上端部の目盛りを
測定することにより行った。測定後、そのままの状態で
5分間静置し、5分経過後の気泡の上端部の目盛りを再
度測定した。測定値は小さい方が気泡の発生量が少なく
良好と言える。また、測定値より下記基準に従って評価
を行った。下記表3に測定、評価した結果を示す。 〔基準〕 ◎: 気泡の発生量が少なく、かつその消泡性も良好で
あった。 ○: 気泡の発生量は少ないが、消泡性に若干劣ってい
た。 △: 気泡の発生量は多かったが、消泡性は良好であっ
た。 ×: 気泡の発生量が多く、消泡性も悪かった。
【0110】−不良率− 上記より得た、本発明のカラーフィルタ付アクティブマ
トリックス基板C1及びC10、比較例のカラーフィル
タ付アクティブマトリックス基板c13〜c15に対し
て、TFTの作動テストを行い、正常に動作したものを
○、正常に動作しなかったものを×(NG)としてそれ
ぞれの不良率を求めた。評価結果を下記表4に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
【表3】
【0114】
【表4】
【0115】上記表1及び2の結果より、一般式(1)
又は(2)で表される界面活性剤を含有することによ
り、感光性樹脂の十分な溶解性(現像性)が得られ、い
ずれにおいても十分な経時安定性を示した。従って、前
記一般式(1)又は(2)で表される界面活性剤を用い
ることにより、迅速にかつ安定に現像処理することがで
きた。
【0116】また、上記表3の結果より、一般式(1)
又は(2)で表される界面活性剤を含有する本発明の感
光性樹脂現像用現像液(C1〜C10及びC11〜C1
2)では、泡の発生量が少なく、しかも発生した泡の消
泡性にも優れることから、循環型現像機を用いても泡の
発生によるトラブルの発生はなかった。現像主薬とし
て、無機及び有機アルカリ化合物のいずれを用いた場合
でも、同様の結果が得られた。また、作製された本発明
のカラーフィルタ付アクティブマトリックス基板C1〜
C12には、カラーフィルタとなる着色画素が高解像度
に形成されていた。一方、一般式(1)又は(2)で表
される界面活性剤を用いなかった比較現像液(c1〜c
10及びc11〜c12)では、上記表1及び2の通
り、現像性及びその安定性の点では問題なかったが、現
像時における泡の発生量が多くかつその消泡性も悪かっ
たため、安定した現像処理ができなかった。
【0117】更に、上記表4の結果より、アルカリ金属
イオン濃度が0.1ppm以下の本発明の感光性樹脂現
像用現像液(C1、C10)を用いて作製したカラーフ
ィルタ付アクティブマトリックス基板C1及びC10で
は、高精細で解像度の高い着色画像(カラーフィルタ)
を安定に形成することができ、しかも、基板上のTFT
素子の動作特性への影響(誤動作や作動不良)もなく、
その不良率(誤動作や作動しない等の割合)も低かっ
た。尚、本発明の感光性樹脂現像用現像液(C2〜C
9)を用いた場合においても同様の結果が得られた。一
方、現像液中に0.1ppmを超えるアルカリ金属イオ
ンを含む比較現像液(c13〜c15)を用いて作製し
たカラーフィルタ付アクティブマトリックス基板c13
〜c15では、基板上のTFT素子の動作特性への影響
が認められ、その不良率は高かった。
【0118】尚、本発明のカラーフィルタ付アクティブ
マトリックス基板(C1〜C12)を備えた液晶表示素
子は、パターン精度に優れ高解像度であり、しかも低コ
ストで安定に作製することができた。比較例のカラーフ
ィルタ付アクティブマトリックス基板(c1〜c12)
を用いて作製した液晶表示素子では、解像度の点で劣っ
ていた。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、感光性樹脂層中への浸
透性が高く現像促進性に優れると共に、泡発生の少ない
感光性樹脂現像用現像液、更にTFT素子等の半導体特
性に対する悪影響の少ない感光性樹脂現像用現像液を提
供することができる。本発明によれば、感光性樹脂の現
像促進性に優れ、高精細な画像を安定に形成しうる画像
形成方法を提供することができる。また、感光性樹脂の
現像促進性に優れ、高解像度の着色画像(カラーフィル
タ)を安定に形成しうるカラーフィルタの製造方法を提
供することができる。更に、本発明によれば、アクティ
ブマトリックス基板上に、TFT素子等の半導体特性へ
の悪影響を考慮することなく、高解像度の着色画像を安
定に形成しうるカラーフィルタ付アクティブマトリック
ス基板の製造方法を提供することができる。本発明によ
れば、パターン精度に優れた高解像度の液晶表示素子を
低コストに提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶化剤として、下記一般式(1)又は
    (2)で表される界面活性剤を含有することを特徴とす
    る感光性樹脂現像用現像液。 【化1】 〔式中、p及びqは付加モル数を示し、p、qはそれぞ
    れ独立に1〜40を満たす。〕
  2. 【請求項2】 現像主薬としてアミン化合物を含み、か
    つアルカリ金属イオン濃度が0.1ppm以下である請
    求項1に記載の感光性樹脂現像用現像液。
  3. 【請求項3】 アルカリ現像可能な感光性樹脂を含む感
    光性層を基板上に形成する工程と、基板上の前記感光性
    層を画像様にパターン露光する工程と、現像処理により
    基板上に画像を形成する工程と、を少なくとも含むこと
    を特徴とする画像形成方法において、 前記現像処理に用いる現像液が、請求項1又は2に記載
    の感光性樹脂現像用現像液であることを特徴とする画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ現像可能な感光性樹脂を含む感
    光性層を基板上に形成する工程と、基板上の前記感光性
    層を画像様にパターン露光する工程と、現像処理により
    基板上に画像を形成する工程と、を少なくとも含むこと
    を特徴とするカラーフィルタの製造方法において、 前記現像処理に用いる現像液が請求項1又は2に記載の
    感光性樹脂現像用現像液であり、かつ前記感光性層が更
    に着色剤を含有し、基板上に着色画像を形成することを
    特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ現像可能な感光性樹脂と着色剤
    とを少なくとも含む感光性層をアクティブマトリックス
    基板上に形成する工程と、該アクティブマトリックス基
    板上の前記感光性層を画像様にパターン露光する工程
    と、現像処理により基板上に着色画像を形成する工程
    と、を少なくとも含み、かつ前記現像処理に用いる現像
    液が請求項1又は2に記載の感光性樹脂現像用現像液で
    あることを特徴とするカラーフィルタ付アクティブマト
    リックス基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも、請求項5に記載のカラーフ
    ィルタ付アクティブマトリックス基板の製造方法により
    得られるカラーフィルタ付アクティブマトリックス基板
    と、該カラーフィルタ付アクティブマトリックス基板に
    対向して配置された光透過性の対向基板と、前記カラー
    フィルタ付アクティブマトリックス基板と対向基板との
    間に封入された液晶材料と、を備えたことを特徴とする
    液晶表示素子。
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