JP2001228075A - 粉体付着力測定装置、および粉体付着力測定方法 - Google Patents

粉体付着力測定装置、および粉体付着力測定方法

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JP2001228075A
JP2001228075A JP2000038762A JP2000038762A JP2001228075A JP 2001228075 A JP2001228075 A JP 2001228075A JP 2000038762 A JP2000038762 A JP 2000038762A JP 2000038762 A JP2000038762 A JP 2000038762A JP 2001228075 A JP2001228075 A JP 2001228075A
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adherend
collector
light
adhesion
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JP2000038762A
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English (en)
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Hiroshi Shitaya
啓 下谷
Hiroyuki Watanabe
浩之 渡邊
Kazunori Anazawa
一則 穴澤
Noriaki Yamazaki
憲明 山崎
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Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉体の付着力および付着力分布を簡便な方法
で、素早く安定して精密に測定できる粉体付着力測定装
置および粉体付着力測定方法を提供すること。また、色
剤の異なる粉体の付着力も同時に、かつ個別に測定でき
る粉体付着力測定装置および粉体付着力測定方法を提供
すること。 【解決手段】 被付着体DPに付着している荷電された
粉体Sの付着力を測定する粉体付着力測定装置であっ
て、少なくとも、被付着体Sに対向配置された捕集体A
Pと、被付着体DP−捕集体AP間に電界を作用させる
ことにより被付着体DPから粉体Sを飛翔させ、かつ、
捕集体APに捕集させる電界印加手段VSと、捕集体A
Pに捕集された粉体Sに光を照射する光照射手段VLS
と、捕集体APに付着した粉体Sに照射された光の反射
光を分光分析させる分光分析手段SPと、を有すること
を特徴とする粉体付着力測定装置および粉体付着力測定
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真のトナー
等の荷電された粉体の付着力を測定するための粉体付着
力測定装置および粉体付着力測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体の付着力を測定する方法は、粉体が
付着している被付着体から、前記粉体を分離するのに必
要な力を見積もる方法が一般的である。実際の粉体付着
力測定方法としては、粉体を被付着体から分離させるの
に遠心力を用いた遠心分離法、電界を用いた電界法、振
動を用いた振動法、衝撃による衝撃法等が知られてい
る。その他にもバネの力を利用したスプリングバランス
法や、原子間力顕微鏡(AFM)によるフォースカーブ
測定などがある。
【0003】それらの内、一般的に用いられている遠心
分離法は、例えば、特開平10−267772号公報に
記載のように、粉体を付着させた試料基板(被付着体)
と、該試料基板から分離した粉体を付着させる受け基板
と、該受け基板と前記試料基板との間に設けられたスペ
ーサとから構成される測定セルを、遠心分離装置のロー
タ内に設置し、該ロータの回転による遠心力を用いて粉
体を前記試料基板から分離して前記受け基板に付着さ
せ、該受け基板表面に付着した粉体の重量を求め、粉体
の重量およびロータの回転数から分離に必要な遠心力を
計算して、各粉体の付着力を求めるという方法である。
このとき、前記受け基板表面に付着した粉体の重量を求
める方法としては、粉体を光学顕微鏡を用いて観察し、
その画像をコンピュータに取り込み、画像処理を行って
粉体の粒径を測定し、粉体の粒径および比重から粉体の
重量を求める方法や、直接重量を測定する方法とがあ
る。
【0004】以上の説明から分かるように、測定試料に
対して付着力の分布を測定する場合、各回転数に応じて
分離した粉体の付着力を各々測定する必要がある。一
方、同様に汎用的な電界法は、例えばH.Akag
i:”1992 SPIE Proc.,Color
Hard Copy and GraphicArts
1670 138−145”に記載されているよう
に、粉体を付着させた試料基板(被付着体)と、該試料
基板から分離した粉体を付着させる受け基板と、該受け
基板と前記試料基板との間に設けられた絶縁体のスペー
サとから構成される測定セルを、放電を避けるために真
空下に設置し、前記試料基板と前記受け基板との間に電
界を作用させて、粉体を前記試料基板から分離して前記
受け基板に付着させ、該受け基板上の粉体の重量を遠心
分離法と同様に求め、あらかじめ求めておいた粉体の持
つ電荷量と、印加した電界の強さから分離に必要な静電
力を求めて、粉体の付着力を求める方法である。
【0005】この方法においても、付着力分布を得るた
めには印加した各電界での粉体の付着力を各々測定する
必要がある。そのためには真空中の試料を何回も大気中
に出すという非常に面倒な操作を行わなければならな
い。
【0006】上述から分かるように、遠心分離法、電界
法ともに操作手順が複雑なうえに、例えば付着力分布が
ある粉体の付着力を測定するには、1つの試料に対して
付着力に対応する遠心力や電界強度での測定を各々行わ
ねばならず、非常に長い時間を要することになる。また
それらの測定は1つの試料に対して不連続な測定になっ
てしまい、安定且つ、精密な付着力の測定が行えないと
いう問題があった。従って、精密な付着力の分布測定も
困難であった。
【0007】なお、遠心分離法や電界法以外の付着力測
定方法は、高価な装置を必要としたり、測定対象が限定
されたり、誤差を大きく含んだり、あるいは、さらに測
定操作が極めて煩雑である等、種々の不具合があり、汎
用的には用いられていなかった。
【0008】また、上記の粉体の付着力測定方法は、同
時に色剤の異なる粉体の付着力を個別に測定することは
できないという問題もあった。例えば、電子写真を例に
挙げると、カラートナーには一般に4色(イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラック)あるが、各色のトナーに対
する付着力を測定するには、別々に測定するしかなかっ
た。すなわち、4色のトナーを付着させた試料につい
て、全体の付着力を測定することは出来ても、測定結果
を4色に対応させて分離、分析することは出来なかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記の様々な問題を解消し、粉体の付着力および付
着力分布を簡便な方法で、素早く安定して精密に測定で
きる粉体付着力測定装置および粉体付着力測定方法を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、色剤の
異なる粉体の付着力も同時に、かつ個別に測定できる粉
体付着力測定装置および粉体付着力測定方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、粉体付着
力測定装置および粉体付着力測定方法について種々検討
した結果、上記目的は、以下の本発明により達成される
ことを見出した。すなわち本発明の粉体付着力測定装置
は、被付着体に付着している荷電された粉体の付着力を
測定する粉体付着力測定装置であって、少なくとも、前
記被付着体に対向配置された捕集体と、前記被付着体−
前記捕集体間に電界を作用させることにより前記被付着
体から前記粉体を飛翔させ、かつ、前記捕集体に捕集さ
せる電界印加手段と、前記捕集体に捕集された粉体に光
を照射する光照射手段と、前記捕集体に付着した粉体に
照射された光の反射光を分光分析させる分光分析手段
と、を有することを特徴とする。
【0011】本発明の粉体付着力測定装置によれば、電
界印加手段により前記被付着体−前記捕集体間に所定の
電界を作用させることで前記被付着体から前記粉体を飛
翔させ、かつ、前記捕集体に捕集させ、該捕集された粉
体に光を照射し、その反射光を分光分析手段により分光
分析することにより、かかる分光分析からの出力および
印加した電界の大きさから、粉体の種類、付着力を定量
することができる。
【0012】このように本発明の粉体付着力測定装置に
よれば、粉体の付着力および付着力分布を簡便な方法
で、素早く安定して精密に測定することができる。すな
わち、本発明の粉体付着力測定装置によれば、測定対象
となる一つの被付着体に対して、印加する電界を少しず
つ連続的に、あるいは、断続的に上昇させることで、測
定操作を中断させることなく測定を行うことができる
(本発明においては、印加する電界上昇を連続的に行う
か断続的に行うかの別を問わず、測定操作を中断させる
ことなく測定を行うことができるこのような測定操作
を、「連続的な測定」と称することとする)ため、円心
分離法や電界法に比較すると測定に要する時間が大幅に
短縮でき、且つ試料の出し入れがないため非常に精密な
測定を行うことができる。したがって、精密な測定によ
って今まで判明していなかった付着具合などの分析も行
えるようになる。
【0013】さらに、分光分析手段からの出力をもと
に、粉体の付着力を算出する付着力算出手段を有するこ
ととすれば、本発明の粉体付着力測定装置により、粉体
の付着力および付着力分布を、より素早く、より安定し
て精密に測定することができる。
【0014】また、本発明の粉体付着力測定装置では、
試料の検出に分光測定を用いていることから、数種類の
粉体が付着した被付着体でも、反射光の波長を分光測定
することにより、各粉体毎の出力が得られ、これをもと
に付着力を個別に算出することができるという優れた効
果を有する。
【0015】この点、光照射手段により、捕集体に捕集
された粉体に照射する光の波長としては、200nm〜
10μmの範囲であることが好ましい。かかる可視光や
赤外領域の光を粉体に照射することで、その反射光は前
記粉体の色剤に吸収された光の成分以外の成分からなる
光となり、分光分析手段でこれを分光測定することによ
って、色剤の異なる粉体の付着力を同時に、かつ個別に
測定することができる。したがって、例えば、電子写真
法により、3色あるいは4色のトナーを現像させた被付
着体について、各色のトナーの付着力が一度に測定でき
ることとなる。
【0016】好ましい本発明の粉体付着力測定装置とし
ては、以下の2つの態様が考えられる。 捕集体が、光ファイバーの一方の先端を、透明もし
くは半透明の電気伝導性材料で被覆した端面であり、前
記光ファイバーの他の一方の先端に分光分析手段が接続
され、かつ、前記光ファイバーの中途に光照射手段が接
続されている態様。
【0017】 捕集体が、透明もしくは半透明の電気
伝導性平板であり、該電気伝導性平板が被付着体に対し
て平行に配され、前記電気伝導性平板を挟んで被付着体
に対向するように一方の先端部端面が位置して光ファイ
バーが配置され、該光ファイバーの他の一方の先端に分
光分析手段が接続され、かつ、前記光ファイバーの中途
に光照射手段が接続されている態様。
【0018】これら2つの態様のうち、後者のでは、
さらに、光ファイバーの被付着体に対向する先端部端面
を、被付着体に対して走査し得る走査手段を有すること
で、被付着体表面に対して走査することによって、被付
着体表面の複数の点で粉体の付着力を測定でき、被付着
体表面に対する粉体の付着力の分布像を得ることができ
る。
【0019】一方、本発明の粉体付着力測定方法は、被
付着体に付着している荷電された粉体の付着力を測定す
る粉体付着力測定方法であって、上記本発明の粉体付着
力測定装置を用い、前記被付着体を捕集体に対向させて
配置し、電界印加手段によって、前記被付着体−前記捕
集体間に電界を作用させることにより前記被付着体から
前記粉体を飛翔させ、かつ、前記捕集体に捕集させて、
光照射手段によって、前記捕集体に捕集された粉体に光
を照射し、その反射光を分光分析手段によって分光分析
させ、分光分析手段からの出力をもとに前記付着力を算
出することを特徴とする。
【0020】本発明の粉体付着力測定方法によれば、前
記捕集体に捕集された粉体に光を照射し、その反射光を
分光分析手段により分光分析することにより、かかる分
光分析からの出力および印加した電界の大きさから、粉
体の種類、付着量を定量することができる。
【0021】このように本発明の粉体付着力測定方法に
よれば、粉体の付着力および付着力分布を簡便な方法
で、素早く安定して精密に測定することができる。すな
わち、本発明の粉体付着力測定方法によれば、測定対象
となる一つの被付着体に対して、連続的な測定を行うこ
とができるため、円心分離法や電界法に比較すると測定
に要する時間が大幅に短縮でき、且つ試料の出し入れが
ないため非常に精密な測定を行うことができる。したが
って、精密な測定によって今まで判明していなかった付
着具合などの分析も行えるようになる。
【0022】また、本発明の粉体付着力測定方法では、
試料の検出に分光測定を用いていることから、数種類の
粉体が付着した被付着体でも、反射光の波長を分光測定
することにより、各粉体毎の出力が得られ、これをもと
に付着力を個別に算出することができるという優れた効
果を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施形態
を挙げて、詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態である粉体付着力測定装置の概略構成図である。
【0024】図1において、DPは、測定対象となる被
付着体であり、その表面に粉体Sが付着している。被付
着体DPは、金属製であり、電界を印加させるための電
極の役割も兼ねている。このとき、被付着体として、金
属製の基体表面に有機感光層等の樹脂層が形成された材
料を用いた場合も、当該金属製の基体に電極の役割を担
わせることができる。一方、被付着体が電気伝導性材料
を有さない場合には、被付着体の下(粉体が付着してい
る面と反対側の面)に電極を位置させる。
【0025】被付着体DPの粉体Sが付着している面に
対向して、光ファイバーOFの一方の先端が配置されて
いる。図2は、光ファイバーOFの当該先端周辺の拡大
断面図である。光ファイバーOFの先端は、平滑な端面
となっており、その表面に透明もしくは半透明の電気伝
導性材料で被覆され、当該端面が捕集体APを構成して
いる。また、光ファイバーOFは、電気伝導性材料が端
面である捕集体APから周面の一部まで及び、当該箇所
(導通部E)が捕集体APと電気的に導通している。
【0026】透明もしくは半透明な電気伝導性材料とし
ては、ITO、酸化スズ、酸化インジウム等の酸化物材
料等のほか、ガラス、各種樹脂等の透明材料に各種金属
を分散させた材料等が挙げられる。また、金属(例えば
金)を極薄膜に形成し、半透明状態とさせたいわゆるハ
ーフミラー構造になっているものでもよい。
【0027】光ファイバーOF先端の導通部Eおよび被
付着体DPは、電界印加手段である高圧電源装置VSと
接続され、捕集体AP−被付着体DP間に電界を作用し
得るようになっている。光ファイバーOFの捕集体AP
側の先端付近は、捕集体AP−被付着体DP間の距離方
向(Z軸方向)に移動調整可能なZ方向移動装置Tzに
支持されており、捕集体APと被付着体DPとの距離を
一定に保つことが可能となっている。粉体Sの付着した
被付着体DP、光ファイバーOFの捕集体AP部分、お
よびZ方向移動装置Tzは、真空チャンバーVC内に設
置されている。
【0028】一方、光ファイバーOFは、捕集体AP側
と反対側の先端が真空チャンバーVC外部に引き出さ
れ、その端面は分光分析手段である分光器SPに接続さ
れている。また、光ファイバーOFは、その中途に光を
導入する部分として光入射部VLEを備えており、光入
射部VLEは、光源VLSと光を遮ることができるシャ
ッターSHを介して接続されている。シャッターSH、
分光器SP、および高圧電源装置VSは、コンピュータ
ーCによって制御される。
【0029】光源VLSから発せられ、光入射部VLE
から入射した光は、光ファイバーOF内を進行し先端ま
で到達すると、図2に示すように、捕集体AP表面に捕
集された粉体Sによって反射し、分光器SPに入る構造
となっている。なお、光入射部VLE内では、光源VL
Sと光ファイバーOFとの接続部分をハーフミラー構造
にすることによって、光源VLSから発せられた光を一
部反射させ分光器SPに送ることで、基準光(捕集体A
Pに照射する元の光)を分光器SPに送ることができ、
該基準光を分光分析に供することができる。
【0030】高圧電源装置VSを用いて、被付着体DP
と捕集体APとの間に電界を印加すると、被付着体DP
表面の粉体Sは、その付着力に応じた電界(その付着力
に打ち勝つ電界)が印加されたときに、捕集体APに向
かって飛翔し、捕集体APに捕集される。電界印加後、
光源VLSから光が発せられ、また、シャッターSHが
開放され、光入射部VLEに光が入射する。
【0031】光入射部VLEから入射した光は、光ファ
イバーOFを通って捕集体AP表面に到達する。図2に
示すように、到達した光の成分のうち、捕集体AP表面
に捕獲されて存在する粉体Sによって、その粉体Sの色
に応じた波長の光が吸収され、吸収されなかった波長の
光が反射して光ファイバーOFを通り、分光器SPに入
る。分光器SPにおいて、捕集体AP表面からの反射光
が分光分析され、捕集体APに付着した粉体Sの色の種
類、および量が測定できる。一方、被付着体DPと捕集
体APとの間に印加した電界の大きさ、被付着体DPと
捕集体APとの距離、および粉体Sの電荷量から、粉体
が飛翔したときの力の大きさがわかる。従って粉体の付
着力が測定できることになる。
【0032】また、電界を連続的に印加していき、シャ
ッターSHを制御して可視光を変調させておけば、付着
力の連続測定が可能になる。それによって精密な付着力
分布を得ることができる。
【0033】光源VLSから発せられる光の波長は、2
00nm〜10μmの範囲であることが好ましい。かか
る可視光や赤外領域の光を粉体に照射することで、その
反射光は前記粉体の色剤に吸収された光の成分以外の成
分からなる光となり、分光分析手段でこれを分光測定す
ることによって、色剤の異なる粉体の付着力を同時に、
かつ個別に測定することができる。したがって、例え
ば、電子写真法により、3色あるいは4色のトナーを現
像させた被付着体について、各色のトナーの付着力が一
度に測定できることとなる。
【0034】第1の実施形態においては、捕集体AP、
光源VLS、光入射部VLEおよび分光器SPを光ファ
イバーOFで接続することにより、効率よく分光分析が
行え、精密な付着力測定が行える。また、光ファイバー
OFとして、例えば可撓性を有する光ファイバーを用い
ることにより、被付着体DP表面の走査を行い、種々の
箇所における付着力を測定することもできる。
【0035】図3は、本発明の第2の実施形態である粉
体付着力測定装置の概略構成図である。図3において、
図1と同一の機能を有する部材は同一の符号を付して、
その詳細な説明を省略する。したがって、図1と同一の
符号が付された部材については、その機能の他、置換可
能な態様や、好ましい態様も図1の部材と同様である。
【0036】被付着体DPの粉体Sが付着している面に
対向して、電気伝導性平板である捕集体AP’が被付着
体DPに対して平行に配され、かつ距離が一定に保たれ
るように固定されている。また、捕集体AP’を挟んで
被付着体DPに対向するように一方の先端部端面が位置
して光ファイバーOFが配置されている。
【0037】図4は、捕集体AP’および光ファイバー
OFの先端周辺の拡大断面図である。図4に示すよう
に、捕集体AP’は、被付着体DPと対向する表面が、
透明もしくは半透明な電気伝導性材料CMが平滑に塗布
されたガラス板GPであり、該ガラス板GPは平滑で充
分な光透過率を有するものである。透明もしくは半透明
な電気伝導性材料CMとしては、第1の実施形態におい
て説明したものと同様の材料が用いられる。なお、捕集
体AP’としては、導電性を有する平板であれば問題な
く、例えば、電気伝導性材料のみから形成された平板で
あっても、ガラス板等に金属(例えば金)を極薄膜に形
成し、半透明状態とさせたいわゆるハーフミラー構造に
なっているものであってもよい。
【0038】捕集体AP’表面の電気伝導性材料CMお
よび被付着体DPは、電界印加手段である高圧電源装置
VSと接続され、捕集体AP−被付着体DP間に電界を
作用し得るようになっている。また、光ファイバーOF
の捕集体AP側の先端付近は、光ファイバーOF−捕集
体AP’間の距離方向(Z軸方向)に移動調整可能なZ
方向移動装置Tz、Z軸方向に垂直な方向(X軸方向)
に移動調整可能なX方向移動装置Tx、および、Z軸方
向とX軸方向と、に垂直な方向(Y軸方向)に移動調整
可能なY方向移動装置Tyに支持されており、光ファイ
バーOFの先端と捕集体AP’との距離を一定に保ちな
がら、被付着体DPの表面を走査することが可能な構成
となっている。なお、X方向移動装置TxおよびY方向
移動装置Tyは、粗動部分と微動部分とから構成されて
おり、精密な位置制御が可能となっている。
【0039】粉体Sの付着した被付着体DP、捕集体A
P’、Z方向移動装置Tz、X方向移動装置Txおよ
び、Y方向移動装置Tyは、真空チャンバーVC内に設
置されている。シャッターSH、分光器SP、各方向移
動装置Tz,Tx,Ty、および高圧電源装置VSは、
コンピューター(C)によって制御される。
【0040】光源VLSから発せられ、光入射部VLE
から入射した光は、光ファイバーOF内を進行し先端ま
で到達すると、図4に示すように、該先端から捕集体A
P’に照射され、捕集体AP’表面に捕集された粉体S
によって反射し、光ファイバーOF先端から再び入射し
て、分光器SPに入る構造となっている。
【0041】高圧電源装置VSを用いて、捕集体AP’
の電気伝導性材料CMと被付着体DPとの間に電界を印
加すると、被付着体DP表面の粉体Sは、その付着力に
応じた電界(その付着力に打ち勝つ電界)が印加された
ときに、捕集体AP’に向かって飛翔し、捕集体APに
捕集される。
【0042】電界印加後、光源VLSから光が発せら
れ、また、シャッターSHが開放され、光入射部VLE
に光が入射する。光入射部VLEから入射した光は、光
ファイバーOFを通って先端から捕集体AP’に照射さ
れ、捕集体AP’表面に到達する。該到達した光の成分
のうち、捕集体AP表面に捕獲されて存在する粉体Sに
よって、その粉体Sの色に応じた波長の光が吸収され、
吸収されなかった波長の光が反射して、光ファイバーO
F先端から再び入射し、光ファイバーOFを通って、分
光器SPに入る。分光器SPにおいて、捕集体AP’表
面からの反射光が分光分析され、捕集体AP’に付着し
た粉体Sの色の種類、および量が測定できる。
【0043】一方、被付着体DPと捕集体AP’との間
に印加した電界の大きさ、被付着体DPと捕集体AP’
との距離、および粉体Sの電荷量から、粉体が飛翔した
ときの力の大きさがわかる。従って被付着体DP表面の
ある1点での粉体の付着力が測定できることになる。
【0044】続いて、X方向移動装置Txおよび/また
はY方向移動装置Tyを制御して、光ファイバーOFの
被付着体DPに対向する先端を、被付着体(DP)に対
して走査し、複数の測定点で同様に付着力を測定するこ
とで、被付着体DPの表面における付着力の分布像を得
ることができる。
【0045】第2の実施形態においては、捕集体AP’
に光を照射する部分(先端)、光源VLS、光入射部V
LEおよび分光器SPを光ファイバーOFで接続するこ
とにより、効率よく分光分析が行え、精密な付着力測定
が行える。また、光ファイバーOFとして、例えば可撓
性を有する光ファイバーを用いることにより、被付着体
DP表面の走査を容易に行うことができる。
【0046】以上、2つの実施形態を挙げて本発明を説
明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるも
のではない。なお、被付着体と粉体との関係としては、
あらゆるシチュエーションにおける付着力を本発明によ
り測定することができるが、電子写真において例を挙げ
れば、感光体材料とトナーとの間や、中間転写体等のベ
ルト材料とトナーとの間の付着力なども測定することが
できる。
【0047】また、上記実施形態においては、コンピュ
ーターCが付着力算出手段として組み込まれた粉体付着
力測定装置を例に挙げて説明したが、付着力算出手段は
必須ではなく、例えば、分光分析手段である分光器SP
からそのまま分光分析結果を出力するモニター等の出力
手段を設けておけば、当該出力結果および印加した電界
の大きさから、作業者の手計算により、あるいは、計算
機を用いて、粉体の種類を特定し、付着力を算出するこ
とができる。
【0048】付着力算出手段による、よらないにかかわ
らず、粉体の付着力は所定の算出方法により算出され
る。当該算出方法は、粉体の種類、比重、形状、大き
さ、帯電量等により異なってくるので、一概に言えない
が、例えば、以下のようにして算出することができる。
【0049】測定対象となる粉体を誘電体の球と仮定す
ると、粉体は電気伝導性材料の被付着体平面から下記式
(1)で表される鏡像力FIを受ける。 FI=−αQ2/(4πε02) ・・・(1) (式中、Qは粉体の粒子1個が持つ電荷量、dは粉体の
粒子の粒径、ε0は真空の誘電率、αは粉体の比誘電率
に依存する定数である。)
【0050】一方、電界中に存在する誘電体の球(すな
わち測定対象となる粉体)は、下記式(2)で表される
力を受ける。 FE=βQE−γπε022 ・・・(2) (式中、Eは電界の大きさ、βおよびγは粉体の比誘電
率に依存する定数である。)
【0051】上記式(1)によるFIと、上記式(2)
によるFEと、が等しくなった場合(正確には、FEがF
Iをやや上回った場合)に、粉体が被付着体から剥離し
捕集体に飛翔していく。すなわち、上記の式にあらかじ
め測定しておいた粉体の重量平均電荷量から算出した粒
子1個の電荷量、体積平均粒径、および印加した電界の
大きさを代入しておくことで、粉体の付着力を算出する
ことができる。
【0052】
【実施例】次に、本発明を適用した実施例により本発明
を詳しく説明するが、これにより本発明が限定されるも
のではない。 (実施例1) 1)測定対象の作製 被付着体DPとして、アルミニウム基板(76×26×
1mm)にジルコニウム化合物(商品名:オルガチック
スZC540、マツモト製薬社製)10重量部、シラン
化合物(商品名:A1110、日本ユニカー社製)1重
量部、i−プロパノール40重量部、および、ブタノー
ル20重量部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布
し、150℃で10分間加熱乾燥させ、膜厚0.1μm
の下引き層を形成し、その上に下記構造式1で表される
ベンジジン化合物6重量部およびビスフェノール(Z)
ポリカーボネート9重量部をモノクロロベンゼン85重
量部に溶解した塗布液を塗布し、膜厚20μmの電荷輸
送層を形成した疑似感光体Aを作製した。
【0053】・構造式1
【化1】
【0054】一方、被付着体DPに付着させる粉体とし
て、線状ポリエステル樹脂(テレフタル酸/ビスフェノ
ールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメ
タノールから得られた線状ポリエステル:Tg=70
℃、Mn=4000、Mw=10000、酸価=12、
水酸価=25)100重量部と、シアン顔料(C.I.
ピグメント・ブルー15:3)3重量部と、からなる混
合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕
した後、風力式分級機で分級し、体積平均粒径d 50=8
μmのシアントナー粒子を調製した。
【0055】得られたシアントナー粒子100重量部に
対して、酸化チタン粒子(平均粒径20nm)35重量
部、および、酸化シリコン粒子(平均粒径40nm)2
0重量部混合し、攪拌して、外添トナーCを得た。得ら
れた外添トナーC8重量部をキャリア粒子(樹脂被覆型
キャリアであり、アミノ基含有ビニルポリマーと、フッ
化アルキル基含有ビニルポリマーと、の混合体をフェラ
イトコアに被覆したもの。体積平均粒径50μm。)1
00重量部と混合、攪拌し、トナーの平均電荷量が−2
0μC/gである現像剤Cを調製し、これを電子写真用
の現像機(富士ゼロックス製Acolor用の現像機)
に投入した。
【0056】前記擬似感光体Aの電荷輸送層の表面に、
前記現像機を用いて、荷電されたシアントナー粒子を1
層付着させた。以上のようにして、被付着体DPとして
の擬似感光体A表面に粉体Sとしてのシアントナー粒子
の付着した測定対象1を得た。
【0057】2)粉体付着力測定装置の構成 実施例1の粉体付着力測定装置として、図1に示す構成
の装置を製作した。詳細は、以下の通りである。光ファ
イバーOFとして、中途に、ハーフミラー構造を持つ二
股(光入射部VLE)を有する信号伝送用光ファイバー
(コア径1000μm)を用いた。光ファイバーOFの
各先端部は、平坦にカットしておいた。光ファイバーO
Fの前記二股により分岐された側とは反対側の先端は、
透明な電気伝導性材料であるITO(In23−SnO
2)を浸漬コーティング法にて塗布・乾燥し(厚さ0.
5μm)、当該部分を捕集体APとした。
【0058】光ファイバーOFの捕集体AP側の先端付
近を、Z方向移動装置Tzである圧電体からなるZテー
ブルに固定し、該Zテーブルを真空チャンバーVC内に
固定した。さらに、測定対象1の粉体S付着面を光ファ
イバーOFの捕集体AP側の先端に対向させて配置し、
真空チャンバーVC内に固定した。測定対象1の擬似感
光体Aにおけるアルミニウム基板と、光ファイバーOF
先端部の捕集体APと、の間に電圧印加手段である高圧
電源装置VSを接続させた(高圧電源装置VS自体は真
空チャンバーVCの外部に位置させた)。
【0059】Zテーブルに固定された光ファイバーOF
の他の端部は、そのまま真空チャンバーVCの外部に出
し、二股の一端は、光源VLSである可視光源(ハロゲ
ンランプ)にシャッターSHを介して接続した。また、
二股のもう一端は、分光分析手段である分光器SP(オ
ーシャンオプティクス社製)に接続した。分光器SP、
高圧電源装置VSおよびシャッターSHは、コンピュー
ターCに接続され、それぞれコンピューターCから制御
できるようにした。
【0060】3)粉体付着力の測定 捕集体APと被付着体DPとの距離を、Zテーブルによ
って250μmに設定し、真空チャンバー内の圧力を5
×10-4Torrまで下げた。シャッターSHを開放
し、光源VLSである可視光源から光ファイバーOF内
に光を入射させ、高圧電源装置VSによって電界を捕集
体APと被付着体DPとの間に電圧50Vずつ6000
Vまで増加させながら印加していった。それと同時に、
分光器SPにて反射光の分光分析を行ったところ、各電
界が印加されたときにシアントナー粒子が捕集体APに
付着していることを確認した。その分析結果から、粉体
であるシアントナー粒子の付着力を計算し、その結果を
グラフにプロットし、図5のグラフを得た。
【0061】図5のグラフにおいて、縦軸の値は、あら
かじめ測定しておいたシアントナー粒子の分光スペクト
ルの強度から、反射光の分光スペクトル強度を換算して
捕集体APに付着したトナー量(重量割合=頻度)を算
出したものである。一方、横軸の粉体付着力は、シアン
トナー粒子の電荷、体積平均粒径、および印加した電界
の大きさを既述の式(1)および式(2)に代入して、
換算されたものである。図5のグラフから、被付着体D
Pである擬似感光体Aに対して、約100nN程度の付
着力を有するシアントナー粒子が多いことがわかる。
【0062】以上のように、本発明の粉体付着量測定装
置および本発明の粉体付着量測定方法によれば、シアン
トナー粒子の疑似感光体に対する粉体付着力が、簡便か
つ迅速に測定出来ることがわかる。
【0063】(実施例2) 1)測定対象の作製 被付着体DPとして、実施例1と同様にして得られた疑
似感光体Aを用いた。被付着体DPに付着させる粉体と
して、シアントナー粒子、マゼンタトナー粒子、イエロ
ートナー粒子の3種類のトナー粒子を調製した。
【0064】シアントナー粒子は、実施例1と同一のも
のを用いた。マゼンタトナー粒子は、シアン顔料をマゼ
ンタ顔料(C.I.ピグメント・レッド57)に代えた
他はシアントナー粒子と同様にして、体積平均粒径d50
=8μmのものを調製した。イエロートナー粒子は、シ
アン顔料をイエロー顔料(C.I.ピグメント・イエロ
ー17)に代えた他はシアントナー粒子と同様にして、
体積平均粒径d50=8μmのものを調製した。
【0065】各色のトナー粒子それぞれに対し、実施例
1と同様にして外添剤を外添し、外添トナーC(シアン
色)、外添トナーM(マゼンタ色)および外添トナーY
(イエロー色)を得た。さらに、得られた外添トナー
C、外添トナーMおよび外添トナーYの各8重量部を、
それぞれ実施例1と同一のキャリア粒子100重量部と
混合、攪拌し、トナーの平均電荷量が−20μC/gで
ある現像剤C(シアン色)、現像剤M(マゼンタ色)お
よび現像剤Y(イエロー色)をそれぞれ調製した。得ら
れた各現像剤をそれぞれ別々の現像機に投入した。この
とき用いた現像機はすべて、実施例1において用いたも
のと同一である。
【0066】前記擬似感光体Aの電荷輸送層の表面に、
前記各現像機を用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの
順で、荷電されたトナーを1層ずつ付着させた。以上の
ようにして、被付着体DPとしての擬似感光体A表面に
粉体Sとしてのイエロートナー粒子、マゼンタトナー粒
子、およびシアントナー粒子の付着した測定対象2を得
た。
【0067】2)粉体付着力測定装置の構成 本実施例においては、実施例1と同構成の粉体付着力測
定装置を用い、測定対象1に代えて測定対象2を真空チ
ャンバーVC内に固定した。
【0068】3)粉体付着力の測定 実施例1と同様にして、粉体付着力の測定を行った。分
光器SPにて反射光の分光分析を行ったところ、各電界
が印加されたときに少なくとも何れかの色のトナー粒子
が捕集体APに付着していることを確認した。
【0069】前記分光分析の出力において、各色のトナ
ー粒子は光の吸収波長が異なるので、その波長に対応す
る強度から各色のトナー量を換算した。その分析結果か
ら、粉体である各色のトナー粒子の付着力を計算し、そ
の結果をグラフにプロットし、図6のグラフを得た。こ
のとき、縦軸および横軸の値は実施例1と同様に換算し
た。
【0070】図6のグラフから明らかなように、最下層
に存在したイエロートナー粒子の粉体付着力が最も大き
く、付着させた順に粉体付着力が小さくなっていること
が測定できている。このことは、本発明の粉体付着量測
定装置および本発明の粉体付着量測定方法によれば、単
にトナー粒子の色毎の付着力の強さだけでなく、複数層
を形成しているときの付着力の強さ、例えば、転写ベル
ト表面、感光体表面に付着したトナーの付着力の大きさ
も測定できることを示唆している。
【0071】(実施例3) 1)測定対象の作製 被付着体DPとして、実施例1と同様にして得られた疑
似感光体Aを用いた。被付着体DPに付着させる粉体と
して、実施例1と同一のシアントナー粒子を調製した。
これを用い、実施例1と同様にして外添トナーC、さら
には現像剤Cを調製し、該現像剤Cを実施例1と同一の
現像機に投入した。
【0072】前記擬似感光体Aの電荷輸送層の表面に、
前記現像機を用いて、荷電されたシアントナー粒子を1
層付着させることにより、約1mm幅の線を約2mm間
隔で3本形成した。以上のようにして、被付着体DPと
しての擬似感光体A表面に粉体Sとしてのシアントナー
粒子の付着した測定対象3を得た。
【0073】2)粉体付着力測定装置の構成 実施例3の粉体付着力測定装置として、図3に示す構成
の装置を製作した。詳細は、以下の通りである。捕集体
AP’として、平滑なガラス板(76×26×1mm)
の片面に透明な電気伝導性材料であるITO(In23
−SnO2)を塗布・乾燥して電気伝導性材料層(厚さ
0.5μm)を形成したものを用い、後述のX、Y、Z
テーブルとは別のZ方向移動装置Tzに支持させた上
で、真空チャンバーVC内に固定した。この構成によ
り、後述の被付着体DPである擬似感光体Aとの距離を
精密に保つことが出来るようになっている。なお、前記
電気伝導性材料層には、後述の高圧電源装置VSとの接
続に供する端子を設けておいた。
【0074】光ファイバーOFとして、中途に、ハーフ
ミラー構造を持つ二股(光入射部VLE)を有する信号
伝送用光ファイバー(コア径1000μm)を用いた。
光ファイバーOFの各先端部は、平坦にカットしておい
た。光ファイバーOFの前記二股により分岐された側と
は反対側の先端付近を、該先端が捕集体AP’に対向す
るように、X、Y、Z方向移動装置(Tx、Ty、T
z)である圧電体からなるX、Y、Zテーブルに固定
し、該X、Y、Zテーブルを真空チャンバーVC内に固
定した。さらに、測定対象3の粉体S付着面を捕集体A
P’に平行に対向させて配置し、真空チャンバーVC内
に固定した。
【0075】測定対象3の擬似感光体Aにおけるアルミ
ニウム基板と、捕集体AP’の前記端子と、の間に電圧
印加手段である高圧電源装置VSを接続させた(高圧電
源装置VS自体は真空チャンバーVCの外部に位置させ
た)。X、Y、Zテーブルに固定された光ファイバーO
Fの他の端部は、そのまま真空チャンバーの外部に出
し、二股の一端は、光源VLSである可視光源(ハロゲ
ンランプ)にシャッターSHを介して接続した。また、
二股のもう一端は、分光分析手段である分光器SP(オ
ーシャンオプティクス社製)に接続した。分光器SP、
高圧電源装置VSおよびシャッターSHは、コンピュー
ターCに接続され、それぞれコンピューターCから制御
できるようにした。
【0076】3)粉体付着力の測定 捕集体APと被付着体DPとの距離を、Zテーブルによ
って250μmに設定し、真空チャンバー内の圧力を5
×10-4Torrまで下げた。シャッターSHを開放
し、光源VLSである可視光源から光ファイバーOF内
に光を入射させ、高圧電源装置VSによって電界を捕集
体AP’と被付着体DPとの間に電圧50Vずつ10V
/μm(2.5kV)まで増加させながら印加していっ
た。それと同時に、X、Yテーブルを制御しながら、分
光器SPにて反射光の分光分析を行ったところ、各電界
が印加されたときに、各位置においてシアントナー粒子
が捕集体APに付着していることを確認した。
【0077】10V/μmにおける分析結果から、粉体
であるシアントナー粒子の各位置における付着量を計算
し、その結果をグラフにプロットし、図7のグラフを得
た。図7のグラフにおいて、X軸、Y軸は、X、Yテー
ブルにより走査した位置を表している。また、Z軸は実
施例1における縦軸と同義、すなわち、捕集体AP’に
捕集されたトナー量(重量割合=頻度)である。図7の
グラフから、10V/μmの電界を印加したとき飛翔し
て、捕集体AP’に捕集されたトナーが、X軸方向にお
よそ2mm間隔で存在していることがわかる。
【0078】以上のようにして、本発明の粉体付着量測
定装置および本発明の粉体付着量測定方法によれば、特
に光ファイバーの被付着体に対向する先端部端面を、被
付着体に対して走査し得る走査手段を付加することによ
り、被付着体の表面での付着力分布が簡便に測定可能で
あることがわかる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明の粉体付着力
測定装置におよび粉体付着力測定方法によれば、粉体の
検出に分光測定による方法を採用しているので、粉体付
着力測定が、連続的に、短時間で、簡便な操作で行え、
それにより、精密で安定した測定が行える。また、色の
異なる粉体を混合した試料の付着力も同時に、かつ個別
に測定できるという優れた効果も有する。特に、光ファ
イバーの被付着体に対向する先端部端面を、被付着体に
対して走査し得る走査手段を付加することにより、試料
表面の複数の点での付着力測定が簡便に行え、位置に対
する付着力分布も測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粉体付着力測定装置の一例を示す概
略構成図である。
【図2】 図1に示す粉体付着力測定装置における光フ
ァイバーの当該先端周辺の拡大断面図である。
【図3】 本発明の粉体付着力測定装置の他の一例を示
す概略構成図である。
【図4】 図3に示す粉体付着力測定装置における捕集
体および光ファイバーの先端周辺の拡大断面図である。
【図5】 実施例1における粉体付着力の測定結果をプ
ロットしたグラフである。
【図6】 実施例2における粉体付着力の測定結果を各
色トナー粒子毎にプロットしたグラフである。
【図7】 実施例3における粉体付着量の測定結果を測
定位置毎にプロットしたグラフである。
【符号の説明】
VC:真空チャンバー AP、AP’:捕集体 DP:被付着体 S:粉体 OF:光ファイバー VS:高圧電源装置(電界印加手段) Tz:Z方向移動装置 Tx:X方向移動装置(走査手段) Ty:Y方向移動装置(走査手段) SH:シャッター VLS:光源(光照射手段) VLE:光入射部 SP:分光器(分光分析手段) C:コンピューター(付着力算出手段) CM:電気伝導性材料 HM:ハーフミラー GP:ガラス板 E:導通部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穴澤 一則 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 山崎 憲明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA05 BB09 DD12 DD13 EE02 EE12 EE13 HH01 HH02 HH03 HH06 JJ01 JJ13 JJ17 JJ21 JJ23 MM01 MM09 2H005 EA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被付着体に付着している荷電された粉体
    の付着力を測定する粉体付着力測定装置であって、 少なくとも、前記被付着体に対向配置された捕集体と、
    前記被付着体−前記捕集体間に電界を作用させることに
    より前記被付着体から前記粉体を飛翔させ、かつ、前記
    捕集体に捕集させる電界印加手段と、前記捕集体に捕集
    された粉体に光を照射する光照射手段と、前記捕集体に
    付着した粉体に照射された光の反射光を分光分析させる
    分光分析手段と、を有することを特徴とする粉体付着力
    測定装置。
  2. 【請求項2】 さらに、分光分析手段からの出力をもと
    に、粉体の付着力を算出する付着力算出手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の粉体付着力測定装置。
  3. 【請求項3】 光照射手段により、捕集体に捕集された
    粉体に照射する光の波長が、200nm〜10μmの範
    囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の粉
    体付着力測定装置。
  4. 【請求項4】 捕集体が、光ファイバーの一方の先端
    を、透明もしくは半透明の電気伝導性材料で被覆した端
    面であり、前記光ファイバーの他の一方の先端に分光分
    析手段が接続され、かつ、前記光ファイバーの中途に光
    照射手段が接続されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1に記載の粉体付着力測定装置。
  5. 【請求項5】 捕集体が、透明もしくは半透明の電気伝
    導性平板であり、該電気伝導性平板が被付着体に対して
    平行に配され、前記電気伝導性平板を挟んで被付着体に
    対向するように一方の先端部端面が位置して光ファイバ
    ーが配置され、該光ファイバーの他の一方の先端に分光
    分析手段が接続され、かつ、前記光ファイバーの中途に
    光照射手段が接続されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1に記載の粉体付着力測定装置。
  6. 【請求項6】 さらに、光ファイバーの被付着体に対向
    する先端部端面を、被付着体に対して走査し得る走査手
    段を有することを特徴とする請求項5に記載の粉体付着
    力測定装置。
  7. 【請求項7】 被付着体に付着している荷電された粉体
    の付着力を測定する粉体付着力測定方法であって、 請求項1〜6のいずれか1に記載の粉体付着力測定装置
    を用い、 前記被付着体を捕集体に対向させて配置し、 電界印加手段によって、前記被付着体−前記捕集体間に
    電界を作用させることにより前記被付着体から前記粉体
    を飛翔させ、かつ、前記捕集体に捕集させて、 光照射手段によって、前記捕集体に捕集された粉体に光
    を照射し、その反射光を分光分析手段によって分光分析
    させ、 分光分析手段からの出力をもとに前記付着力を算出する
    ことを特徴とする粉体付着力測定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053590A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Ricoh Co Ltd 付着力分布判断方法、回収ローラ、クリーニング装置及び画像形成装置
JP2009186965A (ja) * 2007-08-29 2009-08-20 Ricoh Co Ltd 付着力分布判断方法、粉体除去特性判断方法、像担持体、ブレード、クリーニング装置及び画像形成装置
JP2009251050A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Ricoh Co Ltd 付着力分布判断方法、現像ローラ、現像装置及び画像形成装置
US8590372B2 (en) 2009-05-22 2013-11-26 Sharp Kabushiki Kaisha Device and method for measuring toner adhesion

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