JP2001227398A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP2001227398A
JP2001227398A JP2000041345A JP2000041345A JP2001227398A JP 2001227398 A JP2001227398 A JP 2001227398A JP 2000041345 A JP2000041345 A JP 2000041345A JP 2000041345 A JP2000041345 A JP 2000041345A JP 2001227398 A JP2001227398 A JP 2001227398A
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torque
engine
internal combustion
combustion engine
loss
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Hiraki Matsumoto
平樹 松本
Mamoru Mabuchi
衛 馬渕
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Denso Corp
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Denso Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急加速時等、エンジン回転速度が急変するよ
うな運転状態においても、加速応答性の良い過渡性能に
優れたトルクディマンド制御を行う。 【解決手段】 要求図示トルクを演算する際に、アクセ
ル開度、エンジン回転速度、車速等に基づいて要求軸ト
ルクを算出し、この要求軸トルクと、エンジン回転速度
変化時の慣性力によって生じる動的損失トルクIe・d
ωe/dtと、内部損失トルク(機械摩擦損失トルクT
lmとポンピング損失トルクTlp)と、外部負荷トルク
(補機類の負荷)とを加算して基本要求図示トルクを求
め、この基本要求図示トルクをISC制御補正トルクで
補正して最終的な要求図示トルクを求め、この要求図示
トルクに基づいてエンジンの運転を制御する。これによ
り、急加速時等には、エンジン回転速度変化による慣性
力に起因する動的な損失トルクを要求図示トルクに反映
させることができ、加速応答性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転を
要求図示トルクに基づいて制御する内燃機関の制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子制御化された自動車のエンジ
ン制御においては、運転者のアクセル操作に即応した応
答性の良いドライバビリティを実現するために、運転者
が操作したアクセル開度、エンジン回転速度等から運転
者の要求する加速力(トルク)を判断して、スロットル
開度、燃料噴射量、点火時期等を運転者の要求するトル
クに応じて制御する、いわゆるトルクディマンド制御を
行うようにしたものがある。従来のトルクディマンド制
御は、特開平11−50889号公報に示すように、ア
クセル開度とエンジン回転速度とから要求軸トルクを算
出し、この要求軸トルクにエンジンの内部損失トルクを
加算して要求図示トルク(燃焼圧トルク)を求めるよう
にしていた。ここで、要求軸トルクは、クランク軸から
取り出される正味トルクの要求値(目標値)であり、要
求図示トルクは、エンジンの燃焼によって発生する燃焼
圧トルクの要求値(目標値)である。上記公報では、要
求軸トルクに加算する内部損失トルクとして、機械摩擦
損失トルクとポンピング損失トルクを考慮するだけであ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で、内部損失
トルクとして考慮された機械摩擦損失トルクとポンピン
グ損失トルクは、いずれも静的な損失トルクであるが、
エンジン内部のピストンやクランク機構、クランク軸と
一体に回転するフライホイールやトルクコンバータのポ
ンプインペラー等は、回転慣性が比較的大きいため、急
加速時等、エンジン回転速度が急変するような運転状態
においては、エンジン回転速度変化による慣性力の影響
で、動的な損失トルクが生じて、要求図示トルクにずれ
が生じ、加速応答性が低下するという欠点があった。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、急加速時等、エンジ
ン回転速度が急変するような運転状態においても、加速
応答性の良い過渡性能に優れたトルクディマンド制御を
行うことができる内燃機関の制御装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の制御装置は、要求図
示トルク演算手段によって要求図示トルクを演算する際
に、内燃機関の内部損失トルクとして、静的な損失トル
クに加え、機関回転速度変化時の慣性力による動的な損
失トルクを考慮して要求図示トルクを演算する。これに
より、急加速時等、エンジン回転速度が急変するような
運転状態の時には、機関回転速度変化による慣性力に起
因する動的な損失トルクを要求図示トルクに反映させる
ことができ、加速応答性の良い過渡性能に優れたトルク
ディマンド制御を行うことができる。
【0006】この場合、請求項2のように、動的な損失
トルクを、内燃機関内部及びクランク軸と一体に回転す
る部位の慣性モーメントに内燃機関の回転角加速度を乗
算して求めるようにしても良い。この場合、慣性モーメ
ントは、回転速度変化の影響を受けず、常に一定値であ
るため、予め、回転慣性系の部材の形状寸法・密度(比
重)を基に算出した慣性モーメントのデータを車載コン
ピュータのメモリに記憶して、これを使用すれば良く、
簡単な演算処理で動的な損失トルクを精度良く算出する
ことができる。尚、予め、内燃機関の回転角加速度をパ
ラメータとする動的な損失トルクのマップを作成して車
載コンピュータのメモリに記憶しておき、このマップを
検索して内燃機関の回転角加速度に応じた動的な損失ト
ルクを求めるようにしても良く、この場合でも、簡単な
演算処理で動的な損失トルクを精度良く求めることがで
きる。
【0007】また、請求項3のように、要求図示トルク
を演算する際に、アクセル開度と機関回転速度等に基づ
いて算出した要求軸トルクと、内部損失トルクと、クラ
ンク軸で駆動される補機類の負荷トルク(外部負荷トル
ク)とを加算して要求図示トルクを求めるようにすると
良い。このようにすれば、クランク軸で駆動される補機
類(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トルクコ
ンバータ、パワーステアリングのポンプ等)の負荷トル
クも考慮して要求図示トルクを精度良く演算することが
でき、高精度のトルクディマンド制御を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を筒内噴射式エンジ
ンに適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。ま
ず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構
成を説明する。筒内噴射式内燃機関である筒内噴射式エ
ンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ
(図示せず)が設けられ、このエアクリーナの下流側に
は、吸入空気量を検出するエアーフローメータ13が設
けられている。このエアーフローメータ13の下流側に
は、DCモータ等のモータ14によって開度調節される
スロットルバルブ15が設けられている。このモータ1
4がエンジン電子制御回路(以下「ECU」と表記す
る)16からの出力信号に基づいて駆動されることで、
スロットルバルブ15の開度(スロットル開度)が制御
され、そのスロットル開度に応じて各気筒ヘの吸入空気
量が調節される。
【0009】このスロットルバルブ15の下流側にはサ
ージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、
吸気圧Pmを検出する吸気圧センサ18が取り付けられ
ている。サージタンク17には、エンジン11の各気筒
に空気を導入する吸気マニホールド19が接続され、各
気筒の吸気マニホールド19内には、エンジン11の筒
内のスワール流を制御するためのスワールコントロール
バルブ20が設けられている。
【0010】エンジン11の各気筒の上部には、燃料を
筒内に直接噴射する燃料噴射弁21が取り付けられ、燃
料タンク22内の燃料が燃料ポンプ23によって高圧に
加圧されて各気筒の燃料噴射弁21に供給され、その燃
料の圧力(燃圧)が燃圧センサ24によって検出され
る。エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点
火プラグ25が取り付けられ、各点火プラグ25の火花
放電によって筒内の混合気に点火される。
【0011】エンジン11の吸気バルブ26と排気バル
ブ27は、それぞれカム軸28,29によって駆動さ
れ、吸気側のカム軸28には、運転状態に応じて吸気バ
ルブ26の開閉タイミングを可変する油圧式の可変バル
ブタイミング機構30が設けられている。この可変バル
ブタイミング機構30を駆動する油圧は、油圧制御弁3
1によって制御される。エンジン11の各気筒のピスト
ン32の往復運動によってクランク軸33が回転駆動さ
れ、このクランク軸33の回転トルクによって補機類3
4(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トルクコ
ンバータ、パワーステアリングのポンプ等)と車両駆動
系が駆動される。エンジン11のシリンダブロックに
は、冷却水温を検出する水温センサ35が取り付けられ
ている。
【0012】一方、エンジン11の排気管36には、排
ガスを浄化する三元触媒等の触媒37が設けられ、この
触媒37の上流側に排ガスの空燃比を検出する空燃比セ
ンサ38が設けられている。排気管36のうちの空燃比
センサ38の上流側とサージタンク17との間には、排
ガスの一部を吸気側に環流させるためのEGR配管39
が接続され、このEGR配管39の途中に排ガス環流量
(EGR量)を制御するEGRバルブ40が設けられて
いる。
【0013】エンジン運転状態を制御するECU16
は、マイクロコンピュータを主体として構成され、その
ROM(記憶媒体)に記憶されたトルクディマンド制御
プログラムを実行することで、図2に示す要求図示トル
ク演算手段51、燃焼モード切換手段52、均質燃焼モ
ード制御手段53、成層燃焼モード制御手段54、目標
空燃比設定手段55の各機能を実現する。以下、これら
各機能について具体的に説明する。
【0014】要求図示トルク演算手段51は、要求軸ト
ルク演算手段56、動的損失トルク演算手段57、内部
損失トルク演算手段58、外部負荷トルク演算手段59
及びISC制御補正トルク演算手段60を備え、これら
各演算手段56〜60の演算結果を総合して要求図示ト
ルクを算出する。ここで、要求図示トルクは、図示トル
クの要求値(目標値)であり、図示トルクは、エンジン
11の燃焼によって発生する燃焼圧トルク、つまりエン
ジン11の内部損失トルク、外部負荷トルク(補機類の
負荷トルク)及び動的損失トルクを含めたトルクであ
る。従って、図示トルクから内部損失トルクと外部負荷
トルク及び動的損失トルクを差し引いたトルクは、クラ
ンク軸33から取り出される軸トルク(正味トルク)と
なり、この軸トルクによって車両駆動系が駆動される。
【0015】要求軸トルク演算手段56は、アクセルセ
ンサ41の出力(アクセル開度)、エンジン回転速度N
e、車速等に基づいてマップ等により要求軸トルクを算
出する。尚、この要求軸トルクは、アクセル開度とエン
ジン回転速度Neのみから算出しても良い。
【0016】動的損失トルク演算手段57は、エンジン
回転速度変化時の慣性力によって生じる動的な損失トル
クを算出する。この動的な損失トルクの算出方法は、図
3に示すように、まず、エンジン回転速度Ne(rp
m)に2π/60を乗算して回転角速度ωeを算出し
(ωe=Ne×2π/60)、この回転角速度ωeを時
間微分して回転角加速度dωe/dtを求めた後、この
回転角加速度dωe/dtに回転慣性系の慣性モーメン
トIeを乗算して動的な損失トルクIe・dωe/dt
を求める。
【0017】ここで、慣性モーメントIeは、エンジン
11内部のピストン32やクランク機構、クランク軸3
3と一体に回転するフライホイールやトルクコンバータ
のポンプインペラー等の回転部材の慣性によって生じる
慣性モーメントである(尚、手動変速機付き車両では、
トルクコンバータが無く、自動変速機付き車両では、フ
ライホイールが無い)。この慣性モーメントIeは、回
転速度変化の影響を受けず、常に一定値であるため、予
め、回転慣性系部材の形状寸法・密度(比重)を基に算
出した慣性モーメントIeのデータをECU16のRO
Mに記憶して、これを使用すれば良い。
【0018】尚、予め、回転角加速度dωe/dtをパ
ラメータとする動的な損失トルクのマップを作成してE
CU16のROMに記憶しておき、このマップを検索し
て回転角加速度dωe/dtに応じた動的な損失トルク
Ie・dωe/dtを求めるようにしても良い。
【0019】一方、内部損失トルク演算手段58は、図
3に示すように、内部損失トルクとして、機械摩擦損失
トルクTlmとポンピング損失トルクTlpを算出する。エ
ンジン11の機械摩擦損失は、エンジン温度で変化する
潤滑油の粘度やエンジン回転速度Neによって変化する
ため、機械摩擦損失トルクTlmの算出時には、エンジン
回転速度Neと冷却水温THWをパラメータとする機械
摩擦損失トルクの二次元マップを検索して、その時のエ
ンジン回転速度Neと冷却水温THWに応じた機械摩擦
損失トルクTlmを算出する。この際、潤滑油の粘度を評
価する情報として、冷却水温THWに代えて、油温を用
いるようにしても良い。
【0020】また、ポンピング損失は、吸気圧Pmとエ
ンジン回転速度Neによって変化するため、ポンピング
損失トルクTlpの算出時には、吸気圧Pmとエンジン回
転速度Neをパラメータとするポンピング損失トルクの
二次元マップを検索して、その時の吸気圧Pmとエンジ
ン回転速度Neに応じたポンピング損失トルクTlpを算
出する。
【0021】次に、図4に基づいて外部負荷トルク演算
手段59の機能を説明する。外部負荷トルク演算手段5
9は、エンジン11のクランク軸33で駆動される補機
類34(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トル
クコンバータ、パワーステアリングのポンプ等)の駆動
負荷トルクを算出する。
【0022】エアコンのコンプレッサ駆動負荷トルクT
lac を算出する場合は、エアコンスイッチのオン・オフ
信号(A/CSW)を読み込み、エアコンのオフ時に
は、コンプレッサ駆動負荷トルクTlac を「0」とし、
エアコンのオン時には、エンジン回転速度Neにプーリ
比を乗算してコンプレッサ回転速度Ncを算出し、この
コンプレッサ回転速度Ncをパラメータとするコンプレ
ッサ駆動負荷トルクマップを検索して、その時のコンプ
レッサ回転速度Ncに応じたコンプレッサ駆動負荷トル
クTlac を算出する。
【0023】オルタネータ駆動負荷トルクTlaltを算出
する場合は、バッテリ電圧VB とオルタネータのフィー
ルド電流Iを読み込み、これらをパラメータとするオル
タネータ駆動負荷トルクの二次元マップを検索して、そ
の時のバッテリ電圧VB とオルタネータのフィールド電
流Iに応じたオルタネータ駆動負荷トルクTlaltを算出
する。
【0024】トルクコンバータ駆動負荷トルクTltorを
算出する場合は、トルクコンバータのタービン回転速度
Ntとシフト信号を読み込み、Nレンジ(ニュートラル
位置)にシフトされている時には、トルクコンバータ駆
動負荷トルクTltorをニュートラル時負荷抵抗(固定
値)に設定する。また、Dレンジ(ドライブ位置)にシ
フトされている時には、タービン回転速度Ntをエンジ
ン回転速度Neで割り算してスリップ率eを求め、この
スリップ率eをパラメータとするトルクコンバータのト
ルク容量マップを検索して、その時のスリップ率eに応
じたトルク容量Cを算出する。そして、このトルク容量
CにNe2 (エンジン回転速度の二乗)を乗算してDレ
ンジ時負荷抵抗を求め、このDレンジ時負荷抵抗をトル
クコンバータ駆動負荷トルクTltorとする。
【0025】パワーステアリングのポンプ駆動負荷トル
クTlpowを算出する場合は、ハンドルの操舵量(又は操
舵角速度)を読み込み、これをパラメータとするポンプ
駆動負荷トルクマップを検索して、その時の操舵量(又
は操舵角速度)に応じたポンプ駆動負荷トルクTlpowを
算出する。
【0026】最終的に、外部負荷トルク演算手段59
は、上述したコンプレッサ駆動負荷トルクTlac 、オル
タネータ駆動負荷トルクTlalt、トルクコンバータ駆動
負荷トルクTltor及びパワーステアリングのポンプ駆動
負荷トルクTlpowを加算して外部負荷トルクを求める。
尚、各駆動負荷トルクの算出時に、マップに代えて数式
を用いるようにしても良い。
【0027】また、図2に示すISC制御補正トルク演
算手段60は、アイドルスピードコントロール(ISC
制御)によるトルク増減分をISC制御補正トルクとし
て算出する。このISC制御補正トルクは、目標アイド
ル回転速度Netargetとエンジン回転速度Neの偏差に
基づき、PID、その他のフィードバック制御法によ
り、エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度Ne
targetに一致するようにISC制御補正トルクを算出す
る。
【0028】要求図示トルク演算手段51は、要求軸ト
ルク演算手段56で算出した要求軸トルクと、動的損失
トルク演算手段57で算出した動的損失トルクIe・d
ωe/dtと、内部損失トルク演算手段58で算出した
内部損失トルク(機械摩擦損失トルクTlmとポンピング
損失トルクTlp)と、外部負荷トルク演算手段59で算
出した外部負荷トルクとを加算して基本要求図示トルク
を求め、この基本要求図示トルクをISC制御補正トル
ク演算手段60で演算したISC制御補正トルクで補正
して最終的な要求図示トルクを求める。
【0029】一方、目標空燃比設定手段55は、要求図
示トルク演算手段51で演算した要求図示トルクとエン
ジン回転速度Neとに基づいてマップ等により目標空燃
比(目標A/F)を設定する。この目標空燃比は、均質
燃焼モード制御手段53と成層燃焼モード制御手段54
の両方で共通して使用される。
【0030】燃焼モード切換手段52は、エンジン回転
速度Neと要求図示トルクに応じてマップ等から均質燃
焼モード制御手段53と成層燃焼モード制御手段54の
いずれか一方を選択して燃焼モードを切り換える。例え
ば、低回転領域、低トルク領域では、成層燃焼モード制
御手段54が選択され、成層燃焼モードで運転される。
この成層燃焼モード運転時には、少量の燃料を圧縮行程
で筒内に直接噴射して成層混合気を形成して成層燃焼さ
せることで、燃費を向上させる。また、中・高回転領
域、中・高トルク領域では、均質燃焼モード制御手段5
3が選択され、均質燃焼モードで運転される。この均質
燃焼モード運転時には、燃料噴射量を増量して吸気行程
で筒内に直接噴射して均質混合気を形成して均質燃焼さ
せることで、エンジン出力や軸トルクを高める。
【0031】次に、図5(a)に基づいて、均質燃焼モ
ード制御手段53の各機能を説明する。均質燃焼モード
制御手段53は、要求図示トルクを目標空気量に変換し
てスロットル開度を設定する空気量優先方式のトルクデ
ィマンド制御を行う。その際、点火時期や筒内の空燃比
によって図示トルクが変動することを考慮して、要求図
示トルクを点火時期効率(SA効率)と空燃比効率(A
/F効率)とによって次式により補正する。 補正後の要求図示トルク=要求図示トルク/(点火時期
効率×空燃比効率)
【0032】ここで、点火時期効率は、点火遅角量に応
じてマップ等により設定され、点火遅角量が0の時に図
示トルクが最大になることから、点火遅角量が0の時に
点火時期効率=1に設定される。また、空燃比効率は、
前述の目標空燃比に応じてマップ等により設定される。
【0033】そして、補正後の要求図示トルクとエンジ
ン回転速度Neに基づいてマップ等により目標空気量を
算出し、この目標空気量とエンジン回転速度Ne、目標
EGR量、内部EGR量(可変バルブタイミング機構3
0の進角量)等に基づいて空気系逆モデルを用いてスロ
ットル開度の指令値を算出する。ここで、空気系逆モデ
ルは、スロットルバルブ15から吸気ポートまでの空気
の流れを模擬した空気系モデルの入出力関係を逆に解い
たモデルである。この空気系逆モデルで算出したスロッ
トル開度の指令値に応じた制御信号を電子スロットルシ
ステムのモータ14に出力し、スロットルバルブ15を
駆動してスロットル開度を制御する。
【0034】また、均質燃焼モード制御手段53は、推
定筒内空気量(又は実空気量)を目標空燃比で割り算し
て目標燃料量を算出し、この目標燃料量に各種の補正係
数(水温補正係数、フィードバック補正係数、学習補正
係数等)を乗算して最終的な燃料噴射量を求め、この燃
料噴射量に応じたパルス幅の噴射パルスを、各気筒の吸
気行程で燃料噴射弁21に出力して燃料噴射を実行す
る。これにより、均質燃焼モード運転時には、吸気行程
で燃料を筒内に直接噴射して均質混合気を形成して均質
燃焼させる。
【0035】更に、均質燃焼モード制御手段53は、運
転状態に応じて目標EGR量をマップ等により算出し、
その算出結果に応じてEGRバルブ40を駆動してEG
R量を目標EGR量に制御する。尚、この目標EGR量
を設定する手段は、均質燃焼モード制御手段53とは別
に設けても良く、この目標EGR量設定手段で設定した
目標EGR量を均質燃焼モード制御手段53と成層燃焼
モード制御手段54の両方で使用するようにしても良
い。
【0036】また、均質燃焼モード制御手段53は、運
転状態に応じて各気筒の点火時期をマップ等により算出
し、その点火時期に点火プラグ25に高電圧を印加して
火花放電を発生させる。この点火時期から前述した点火
時期効率が算出される。
【0037】次に、図5(b)に基づいて、成層燃焼モ
ード制御手段54の各機能を説明する。成層燃焼モード
制御手段54は、要求図示トルクを目標燃料量に変換
し、この目標燃料量と目標空燃比とを乗算して目標空気
量を求めてスロットル開度を設定する燃料量優先方式の
トルクディマンド制御を行う。その際、筒内の空燃比に
よって図示トルクが変動することを考慮して、要求図示
トルクを空燃比効率で割り算して要求図示トルクを補正
する。 補正後の要求図示トルク=要求図示トルク/空燃比効率 ここで、空燃比効率は、均質燃焼モード制御手段53の
場合と同じく、前述の目標空燃比に応じてマップ等によ
り算出する。
【0038】そして、補正後の要求図示トルクとエンジ
ン回転速度Neとに基づいてマップ等により目標燃料量
を算出し、この目標燃料量に各種の補正係数(水温補正
係数、フィードバック補正係数、学習補正係数等)を乗
算して最終的な燃料噴射量を求め、この燃料噴射量に応
じたパルス幅の噴射パルスを、各気筒の圧縮行程で燃料
噴射弁21に出力して燃料噴射を実行する。これによ
り、成層燃焼モード運転時には、圧縮行程で燃料を筒内
に直接噴射して成層混合気を形成して成層燃焼させる。
【0039】更に、成層燃焼モード制御手段54は、目
標燃料量とエンジン回転速度Neに応じて点火時期をマ
ップ等により算出し、その点火時期に点火プラグ25に
高電圧を印加して火花放電を発生させる。
【0040】また、成層燃焼モード制御手段54は、目
標燃料量に目標空燃比を乗算して目標空気量を算出し、
この目標空気量、エンジン回転速度Ne、目標EGR
量、内部EGR量(可変バルブタイミング機構30の進
角量)等に基づいて空気系逆モデルを用いてスロットル
開度の指令値を算出し、このスロットル開度の指令値に
応じた制御信号を電子スロットルシステムのモータ14
に出力し、スロットルバルブ15を駆動してスロットル
開度を制御する。更に、目標EGR量に応じてEGRバ
ルブ40を駆動してEGR量を目標EGR量に制御す
る。
【0041】以上説明した本実施形態のトルクディマン
ド制御によれば、要求図示トルクを演算する際に、エン
ジン11の静的な内部損失トルク(機械摩擦損失トルク
Tlmとポンピング損失トルクTlp)に加え、エンジン回
転速度変化時の慣性力による動的な損失トルクIe・d
ωe/dtを考慮して要求図示トルクを演算するように
したので、急加速時等、エンジン回転速度が急変するよ
うな運転状態の時には、エンジン回転速度変化による慣
性力に起因する動的な損失トルクIe・dωe/dtを
要求図示トルクに反映させることができ、加速応答性の
良い過渡性能に優れたトルクディマンド制御を行うこと
ができる。
【0042】しかも、本実施形態では、成層燃焼モード
と均質燃焼モードのいずれの燃焼モードでも、要求図示
トルクに基づいてトルクディマンド制御するため、両燃
焼モードの燃焼状態における軸トルクへの変換効率に差
があっても、その影響を受けずに軸トルクを制御するこ
とができ、燃焼モードの切り換え時に軸トルクの段差
(トルクショック)が生じることを防止できる利点もあ
る。
【0043】以上説明した本実施形態は、筒内噴射式エ
ンジン11に本発明を適用した実施形態であるが、本発
明は吸気ポート噴射式エンジン(リーンバーンエンジン
を含む)にも適用できることは言うまでもない。吸気ポ
ート噴射式エンジンの燃焼方式は、全運転領域で均質燃
焼のみであるため、本発明を吸気ポート噴射式エンジン
に適用する場合は、本実施形態のトルクディマンド制御
装置から燃焼モード切換手段52と成層燃焼モード制御
手段54を省略し、全運転領域で、均質燃焼モード制御
手段53によってトルクディマンド制御する構成とすれ
ば良い。
【0044】また、燃焼モード切換手段52が常に均質
燃焼モード制御手段53を選択するように固定すれば、
本実施形態のトルクディマンド制御装置をそのまま吸気
ポート噴射式エンジンのトルクディマンド制御装置とし
て使用することができ、トルクディマンド制御装置の共
通化により、機種展開時の開発・適合工数の大幅な削減
が可能となり、コストダウンを期待できる。
【0045】尚、要求図示トルクを演算する際に、図3
及び図4に示された内部損失や外部負荷以外の損失・負
荷を追加したり、反対に、これらの内部損失や外部負荷
から一部の損失・負荷を無視して演算を簡略化するよう
にしても良く、また、ISC制御補正トルクを無視して
演算を簡略化するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す筒内噴射式エンジン
制御システム全体の概略構成図
【図2】筒内噴射式エンジンのトルクディマンド制御の
概要を説明するブロック図
【図3】動的損失トルク演算手段と内部損失トルク演算
手段の機能を説明するブロック図
【図4】外部負荷トルク演算手段とISC制御補正トル
ク演算手段の機能を説明するブロック図
【図5】(a)は均質燃焼モード制御手段の機能を説明
するブロック図、(b)は成層燃焼モード制御手段の機
能を説明するブロック図
【符号の説明】
11…筒内噴射式エンジン(内燃機関)、12…吸気
管、13…エアフローメータ、15…スロットルバル
ブ、16…ECU(要求図示トルク演算手段)、18…
吸気圧センサ、21…燃料噴射弁、25…点火プラグ、
33…クランク軸、34…補機類、35…水温センサ、
36…排気管、40…EGRバルブ、41…アクセルセ
ンサ、51…要求図示トルク演算手段、52…燃焼モー
ド切換手段、53…均質燃焼モード制御手段、54…成
層燃焼モード制御手段、55…目標空燃比設定手段、5
6…要求軸トルク演算手段、57…動的損失トルク演算
手段、58…内部損失トルク演算手段、59…外部負荷
トルク演算手段、60…ISC制御補正トルク演算手
段。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA04 BA02 BA05 BA09 BA13 BA15 BA20 BA21 BA23 CA04 CA09 DA05 DA25 EA04 EB08 EB11 EC02 EC03 FA03 FA05 FA06 FA11 FA20 FA21 FA29 FA32 FA34 FA35 FA37 3G301 HA04 HA13 HA16 HA17 HA19 JA04 KA13 KA24 KA25 LA00 LA03 LA05 LB04 LC03 MA01 MA11 MA19 NA03 NA04 NA05 NB02 NC02 ND01 PA01Z PA07Z PC02Z PD03A PD15Z PE01Z PE02Z PE06Z PE08Z PE09Z PF00Z PF01Z PF03Z PF08Z PF10Z PF13Z PF14Z PG01Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼によって発生すべき要求
    図示トルクを演算して、この要求図示トルクに基づいて
    内燃機関の運転を制御する内燃機関の制御装置におい
    て、 前記要求図示トルクを演算する際に、内燃機関の内部損
    失トルクとして、静的な損失トルクに加え、機関回転速
    度変化時の慣性力による動的な損失トルクを考慮して前
    記要求図示トルクを演算する要求図示トルク演算手段を
    備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記要求図示トルク演算手段は、前記動
    的な損失トルクを、内燃機関内部及びクランク軸と一体
    に回転する部位の慣性モーメントに内燃機関の回転角加
    速度を乗算して求めることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記要求図示トルク演算手段は、アクセ
    ル開度と機関回転速度等に基づいて算出した要求軸トル
    クと、前記内部損失トルクと、クランク軸で駆動される
    補機類の負荷トルクとを加算して前記要求図示トルクを
    求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機
    関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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