JP2001227001A - 油圧ショベルの掘削制御装置 - Google Patents

油圧ショベルの掘削制御装置

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JP2001227001A
JP2001227001A JP2001017242A JP2001017242A JP2001227001A JP 2001227001 A JP2001227001 A JP 2001227001A JP 2001017242 A JP2001017242 A JP 2001017242A JP 2001017242 A JP2001017242 A JP 2001017242A JP 2001227001 A JP2001227001 A JP 2001227001A
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control
bucket
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excavation
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JP2001017242A
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Masakazu Haga
正和 羽賀
Toichi Hirata
東一 平田
Hiroshi Watanabe
洋 渡邊
Hiroyuki Adachi
宏之 足立
Kazuo Fujishima
一雄 藤島
Eiji Egawa
栄治 江川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一時的な制限領域外での動作を簡単な操作で可
能とすることにより、最初に設定した制限領域外への動
作を簡単な操作で可能とする。 【解決手段】複数の操作レバー24a〜cを有する油圧
ショベルの掘削制御装置において、バケット4c又はア
ーム4b若しくはブーム4aの特定部位の位置を検出す
るセンサ28a〜cと、バケット4c等が動き得る深さ
方向の制限領域を設定する「深さ」ボタン221aと、
センサ28a〜cによる検出結果と「深さ」ボタン22
1aによる制限領域設定とに従い制限領域内及びその近
傍でのみバケット4c等の動作を可能とするコントロー
ルユニット29と、「深さ」ボタン221aとは別個に
設けられた押しボタンスイッチ202とを設け、その指
示により、先の領域設定を保持した状態で制限制御動作
を一時的に解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルの掘
削制御装置に係わり、特に、バケット、アーム、ブーム
等の作業装置の動き得る領域を制限する領域制限制御を
行う油圧ショベルの掘削制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例である油圧ショベルは
上下方向にそれぞれ回転するブーム、アーム、及びバケ
ットからなる作業装置を備えている。このような油圧シ
ョベルではブームなどの各腕部をそれぞれの手動操作レ
バーによって操作しているが、これら各腕部はそれぞれ
が関節部によって連結され回転運動を行うものであるの
で、複数の腕部を操作して、例えばバケットの先端を所
定の軌跡通りに動かし所定の領域を掘削することは、非
常に困難な作業である。このような掘削作業としては、
例えば埋設配管上における深さ制限がある場合、壁際に
おけるリーチ制限がある場合等がある。
【0003】このような制限のある掘削作業を容易にす
るために、従来、領域制限制御を行う各種の掘削制御装
置が提案されており、例えば、領域制限制御の方法とし
て以下の公知技術がある。 特開平6−193090号公報 この公知技術は、作業装置があらかじめ設定した制限領
域内にある場合には通常作業と同様に作業でき、制限領
域外では制限領域内に戻るように操作信号を修正するこ
とにより、容易に領域を制限した掘削ができるように制
御するものである。 特開平4−136324号公報 この公知技術は、操作者があらかじめ設定した制限領域
の境界線までの距離に応じて操作レバーからの信号を絞
ることにより、操作者が誤って制限領域外へ作業装置を
移動させようとしても速度が減少して操作者にそのこと
を察知させ、またさらに領域外へ移動させようとしても
制限領域境界線上でなめらかに停止させるものである。
【0004】また、このとき各方向に制限領域の設定を
行うための構成としては、従来、例えば以下の2つのタ
イプの掘削制御装置が実用化されている。 (1)スイッチボックスに設けられた範囲設定ボタンを
押すもの この従来技術は、運転室に備えられたスイッチボックス
に「高さ」「深さ」「リーチ」と表示された範囲設定ボ
タンが設けられており、例えば深さ方向への領域制限を
開始するときには、フロント(例えばバケットの爪先
等)を設定面に合わせ、その位置で「深さ」ボタンを押
すことにより、その設定面より深い位置での掘削を不可
能とする領域制限が開始されるものである。
【0005】(2)スイッチボックスに設けられた範囲
制限切替つまみ及び設定つまみをまわすもの この従来技術は、運転室に備えられたスイッチボックス
に、「高さ」「深さ」「オフセット(左)」の3つの切
替位置がある範囲制限切替つまみと、「セット」「中
立」「クリヤー」の3つの切替位置がある設定つまみと
が設けられており、例えば深さ方向への領域制限を開始
するときには、範囲制限切替つまみを「深さ」位置にま
わし、フロント(例えばバケットの爪先等)を設定面に
合わせた後に、設定つまみを「セット」位置にまわすこ
とにより、その設定面より深い位置での掘削を不可能と
する領域制限が開始されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
つのタイプの従来技術には以下の課題が存在する。すな
わち、油圧ショベルで制限領域を設けて作業を行う場
合、特に深さ方向制限制御を行いつつ作業を行う場合に
は、作業の進行によって制限領域を変更し再設定するこ
とが頻繁に行われる。しかし、このような場合、現在の
設定面より下の位置に再設定したくてもそのままではフ
ロントが現在の設定位置より下に移動できない。よって
このとき、上記(1)のタイプにおいては、操作者は操
作レバーから手を離し、操作レバーから離れたところに
あるスイッチボックスの「深さ」ボタンを再度押して領
域制限制御そのものの解除を行った後、再び操作レバー
に手を戻してフロントをそれまでの設定面から下方へ移
動させて再設定したい面に合わせ、操作レバーから手を
離して再々度「深さ」ボタンを押し再設定を行うという
操作が必要であった。すなわち、操作者の手がスイッチ
ボックスと操作レバーとの長い距離を何度も往復するこ
とになるので、操作が面倒となり作業効率向上への阻げ
となっていた。またこのとき「深さ」ボタンを2回押す
必要があった。
【0007】また、上記(2)のタイプにおいては、操
作者が操作レバーから手を離し、スイッチボックスの設
定つまみを「セット」位置から「クリヤー」位置にまわ
して領域制限制御そのものの解除を行った後、再び操作
レバーに手を戻してフロントをそれまでの設定面から下
方へ移動させて再設定したい面に合わせ、操作レバーか
ら手を離して再度設定つまみを「クリヤー」位置から
「セット」位置にまわして再設定するという操作が必要
であった。よって、タイプ(1)と同様、操作者の手が
スイッチボックスと操作レバーとの長い距離を何度も往
復することとなり、操作が面倒となり作業効率向上への
阻げとなっていた。またこのとき設定つまみを2回まわ
す必要があった。
【0008】また一方、油圧ショベルで特に深さ方向に
制限領域を設けて作業を行う場合に、作業の進行に伴っ
て一時的に制限領域外で作業を行い、その作業の後にま
たもとの領域制限制御に復帰したい場合がある。しかし
ながら、上記(1)(2)においては、このような要求
に配慮されていないので、かかる場合にはすべて一旦領
域制限を解除しなければならず、制限領域の設定が消え
てしまう。よって、この一時的な領域外作業が終了して
もとの領域制限制御に復帰するときに、前回と全く同じ
設定操作、すなわち同じ設定位置にフロントを戻し同じ
ボタン操作又はつまみ操作を行うことが必要であり、2
度手間となって非常に面倒で作業効率向上への阻げとな
っていた。またこのとき、前記した制限領域の再設定と
同様、スイッチボックスまでの長距離移動という課題も
あった。
【0009】本発明の目的は、一時的な制限領域外での
動作を簡単な操作で可能とすることにより、最初に設定
した制限領域外への動作を簡単な操作で可能とする油圧
ショベルの掘削制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、バケット、アーム、及びブームの
動作を教示する複数の操作レバーを有する油圧ショベル
の掘削制御装置において、前記バケット、又はアーム、
若しくはブームの特定部位の位置を検出する検出手段
と、前記バケット、又はアーム、若しくはブームが動き
得る深さ方向の制限領域を設定する領域設定手段と、前
記検出手段による検出結果と前記領域設定手段による制
限領域設定とに従い前記制限領域内及びその近傍でのみ
前記バケット、又はアーム、若しくはブームの動作を可
能とする制限制御手段と、前記領域設定手段とは別個に
設けられたスイッチ手段と、前記スイッチ手段の指示に
より、前記領域設定手段の設定を保持した状態で、前記
制限制御手段による制御動作を一時的に解除する制御解
除手段とを備えることを特徴とする油圧ショベルの掘削
制御装置が提供される。
【0011】以上のように構成した本発明においては、
検出手段によるバケット又はアーム若しくはブームの特
定部位の位置の検出結果と領域設定手段による例えばバ
ケット目標掘削領域に対応した深さ方向の制限領域設定
とに従い、制限制御手段によって制限領域内及びその近
傍でのみバケット又はアーム若しくはブームの深さ方向
における掘削動作を可能とする領域制限制御が行われ
る。そして、作業の進行により操作者が一時的に制限領
域外で作業を行いたい場合には、領域設定手段とは別個
に設けられたスイッチ手段を操作し制御解除手段を作動
させることにより、領域設定手段の設定を保持した状態
で制限制御手段による制御動作を一時的に解除し、バケ
ット又はアーム若しくはブームを制限領域内及びその近
傍から一時的に脱出させ、設定されている領域外で掘削
作業を行う。一時的な領域外作業が終了した後にバケッ
ト又はアーム若しくはブームを再び制限領域内に戻し、
スイッチ手段を操作し制御解除手段の作動を終了させる
ことにより、制限制御手段による制御動作を手動で開始
させ、再びもとの領域制限制御に復帰する。
【0012】以上の一時的領域外作業において、スイッ
チ手段が領域設定手段とは別個に設けられていることに
より、制限制御手段による制御動作を一時的に解除して
いる間も、領域設定手段は制限領域設定を消去せず保持
しており、操作者はスイッチ手段を操作し、制御解除手
段により制限制御手段による制御動作を一時的に解除す
ることができる。よって従来のように最初の設定時操作
と全く同一の操作、すなわち制限領域の設定をやりなお
す必要がなく、簡単な操作で一時的な制限領域外操作を
行うことができる。
【0013】上記目的を達成するために、また本発明に
よれば、バケットの動作を教示する複数の操作レバーを
有する油圧ショベルの掘削制御装置において、前記バケ
ットの特定部位の位置を検出する検出手段と、前記バケ
ットが動き得る深さ方向の制限領域を可変に設定する領
域設定手段と、前記検出手段による検出結果と前記領域
設定手段による制限領域設定とに従い前記制限領域内及
びその近傍でのみ前記バケットの掘削動作を可能とする
制限制御手段と、前記領域設定手段とは別個に設けられ
たスイッチ手段と、前記スイッチ手段の指示により、前
記領域設定手段の設定を保持した状態で、前記制限制御
手段による制御動作を一時的に解除する制御解除手段と
を備えることを特徴とする油圧ショベルの掘削制御装置
が提供される。
【0014】上記目的を達成するために、また本発明に
よれば、バケット、アーム、及びブームの動作を教示す
る複数の操作レバーを有する油圧ショベルの掘削制御装
置において、前記バケット、又はアーム、若しくはブー
ムの特定部位の位置を検出する検出手段と、前記バケッ
トによる目標掘削領域に対応して、前記バケット、又は
アーム、若しくはブームが動き得る深さ方向の制限領域
を設定する領域設定手段と、前記検出手段による検出結
果と前記領域設定手段による制限領域設定とに従い前記
制限領域内及びその近傍でのみ前記バケット、又はアー
ム、若しくはブームの動作を可能とする制限制御手段
と、前記領域設定手段とは別個に設けられたスイッチ手
段と、前記スイッチ手段の指示により、前記領域設定手
段の設定を保持した状態で、前記制限制御手段による制
御動作を一時的に解除し、前記バケット、又はアーム、
若しくはブームを前記制限領域内及びその近傍から一時
的に脱出させ、前記目標掘削領域外の前記バケットによ
る掘削を可能とする領域脱出制御手段とを備えることを
特徴とする油圧ショベルの掘削制御装置が提供される。
【0015】上記目的を達成するために、また本発明に
よれば、バケットの動作を教示する複数の操作レバーを
有する油圧ショベルの掘削制御装置において、前記バケ
ットの特定部位の位置を検出する検出手段と、前記バケ
ットによる目標掘削領域に対応して、前記バケットが動
き得る深さ方向の制限領域を可変に設定する領域設定手
段と、前記検出手段による検出結果と前記領域設定手段
による制限領域設定とに従い前記制限領域内及びその近
傍でのみ前記バケットの掘削動作を可能とする制限制御
手段と、前記領域設定手段とは別個に設けられたスイッ
チ手段と、前記スイッチ手段の指示により、前記領域設
定手段の設定を保持した状態で、前記制限制御手段によ
る制御動作を一時的に解除し、前記バケットの前記制限
領域内及びその近傍からの一時的に脱出させ、前記目標
掘削領域外の前記バケットによる掘削を可能とする領域
脱出制御手段とを備えることを特徴とする油圧ショベル
の掘削制御装置が提供される。
【0016】好ましくは、前記スイッチ手段は、前記複
数の操作レバーの特定のものに設けられ、操作レバーの
把持と同時に操作可能な押しボタンである。
【0017】この場合、操作者が一時的な領域外作業を
行う際には、操作レバーの押しボタンを操作して制御解
除手段により制限制御手段による制御動作を一時的に解
除した後、操作レバーを操作してバケット又はアーム若
しくはブームを下方に移動させて制限領域外における作
業を行い、そして操作レバーを操作してバケット又はア
ーム若しくはブームを上方に移動させて制限領域内へ戻
し、再び操作レバーの押しボタンを操作して制御解除手
段の作動を終了することにより、制限制御手段による制
御動作の一時的な解除を終了し制御動作を再び開始させ
ることができる。したがってこのとき操作者は、押しボ
タンを操作する→操作レバーを操作する→押しボタンを
操作するというこれらの操作を操作レバーから手を離さ
ずに行うことができるので、従来のように、スイッチボ
ックスと操作レバーとの長い距離を操作者の手が何度も
往復する必要がなく、さらに簡単な操作で領域外作業を
行うことができる。
【0018】また好ましくは、前記検出手段で前記特定
部位が制限領域外にあることが検出されている間に、前
記制御解除手段により前記制限制御手段による制御動作
の一時的な解除を終了し制御動作を再び開始するよう前
記スイッチ手段が手動操作されたときには、該制御動作
の開始を中止する制御中止手段をさらに備える。
【0019】これにより、一時的な領域外作業を行った
後、バケット等を領域内へ戻す前に操作者が誤ってスイ
ッチ手段を手動操作しても、領域制限制御が開始され領
域制限制御に復帰するのを防止する。したがって、例え
ば、バケット等が制限領域外にあるときは制限領域内に
戻るように操作信号を修正する方式の領域制限制御が行
われている場合であっても、バケット等が制限領域の下
方から領域内に戻ろうとして急上昇するのを防止するこ
とができ、あるいは、常に制限領域内にあることを前提
とした領域制限制御が行われている場合であっても、制
御フローがエラー状態となり制御不能となるのを防止す
ることができる。そして、このような場合にあっては、
操作者が領域制限制御をオフしたまま手動でバケット等
を制限領域内まで上昇させればよい。
【0020】さらに好ましくは、前記制御中止手段によ
って前記制御動作の開始が中止されるときに操作者に警
報を発する警報手段をさらに備える。
【0021】これにより、制限領域外である旨を操作者
に知らせ、例えば操作者が手動でバケット等を制限領域
内まで上昇させるよう促すことができる。
【0022】さらに好ましくは、前記制御中止手段によ
って前記制御動作の開始が中止されたときに、前記バケ
ット、又はアーム、若しくはブームが前記制限領域外か
ら前記制限領域内へ復帰するまでの間該バケット、又は
アーム、若しくはブームの上方への移動のみを許容する
ように各アクチュエータを制御する領域外制御手段をさ
らに備える。
【0023】これにより、操作者の手動による制限領域
内までのバケット等の上昇のみを可能とし、例えばこの
手動操作の際誤って操作者がバケット等を下降させるよ
うに操作したとしても、バケット等の下降を防止するこ
とができる。
【0024】また好ましくは、前記検出手段は、前記バ
ケットの最下部及び先端部のうち一方の位置を検出する
手段である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図17により説明する。本発明の第1の実施の形態を
図1〜図13により説明する。本実施の形態は、制限領
域の再設定を簡単な操作で可能とする実施の形態であ
る。本発明が適用される油圧ショベルの油圧駆動装置を
図1に示す。図1において、油圧駆動装置は、油圧ポン
プ22と、この油圧ポンプ22からの圧油により駆動さ
れるブームシリンダ23a、アームシリンダ23b、及
びバケットシリンダ23cと、これらブームシリンダ2
3a、アームシリンダ23b、及びバケットシリンダ2
3cの動作をそれぞれ指示する操作レバー24a,24
b,24cと、油圧ポンプ22とブームシリンダ23
a、アームシリンダ23b、及びバケットシリンダ23
cとの間に接続され、ブームシリンダ23a、アームシ
リンダ23b、及びバケットシリンダ23cに供給され
る圧油の流量をそれぞれ制御するコントロールバルブ2
5a,25b,25cと、操作レバー24a〜cからの操
作信号が入力され、これらの操作信号に応じた駆動信号
をコントロールバルブ25a〜cの駆動部に入力してコ
ントロールバルブ25a〜cの動作を制御するコントロ
ールバルブ制御手段27と、油圧ポンプ22とコントロ
ールバルブ25a〜cとの間の圧力が設定値以上になっ
た場合に開くリリーフ弁26とを有している。
【0026】上記した油圧駆動装置は、図2に示すよう
な油圧ショベルに搭載されている。図2において、油圧
ショベルは上下方向にそれぞれ回転するブーム4a、ア
ーム4b、及びバケット4cからなるフロント部材4を
備えている。ブーム4a、アーム4b、及びバケット4
cはそれぞれ、ブームシリンダ23a、アームシリンダ
23b、及びバケットシリンダ23cによりそれぞれの
関節部を中心として回動する。
【0027】図1に戻り、以上のように構成した油圧駆
動装置に本実施の形態による油圧ショベルの掘削制御装
置が設けられている。この掘削制御装置100は、予め
作業に応じてフロント部材4、例えばバケット4cの動
作範囲を設定する際に用いられるスイッチボックス21
(後述)と、ブーム4a、アーム4b、及びバケット4
cの各関節角度をそれぞれ検出するセンサ28a,28
b,28cと、これらセンサ28a〜cで検出した関節
角度より求めたフロント部材4の姿勢及び位置に基づ
き、バケット4cの特定部位、例えば最下部が設定され
た制限領域内にあるか否かを判定し、制限領域外にある
場合には操作レバー24a〜cからの操作信号を修正す
る修正信号をコントロールバルブ制御手段27に出力し
て領域制限制御を行うコントロールユニット29と、ブ
ーム4aを操作する操作レバー24aに設けられた押し
ボタンスイッチ2(後述)とから構成されている。
【0028】スイッチボックス21は、図3に示すよう
にキャブ8内に備えられた座席9の傍らに設けられてお
り、また図4に示すように、深さ方向、高さ方向、及び
リーチ方向の領域制限を行うときにそれぞれ使用する
「深さ」ボタン21a、「高さ」ボタン21b、及び
「リーチ」ボタン21cと、制限領域内外の境界面と水
平面とのなす角を−90°〜+90°の間で設定する角
度設定ボタン21dとを備えている。
【0029】押しボタンスイッチ2は、図3に示すよう
に、キャブ8内に備えられた操作レバー24aに設けら
れており、また図5に示すように、操作者が操作レバー
24aを把持し操作するときに同時に押すことができる
ように構成されている。そしてこの押しボタンスイッチ
2は、操作者が押すと中立状態から押し状態となるが、
操作者が手を離すとバネの力等によって押し状態から中
立状態に復帰する。
【0030】ここで、本実施の形態の要部である制限領
域設定及び制限領域の再設定について、図6に示すコン
トロールユニット29内の制御手順のフローチャートに
従い、詳細に説明する。本実施の形態における制限領域
設定方法は、深さ方向と、それ以外の高さ方向・リーチ
方向とで異なる。 (1)深さ方向の制限領域 操作者が深さ方向の領域制限を行うことを意図する場
合、スイッチボックス21の「深さ」ボタン21aを押
すと、手順100でこれに対応する信号がコントロール
ユニット29に入力されて手順110に移り、手順11
0で領域制限方向が深さ方向に選択されたと判定され、
手順120に移る。手順120ではそのときのセンサ2
8a〜cからの検出信号が入力され、手順130に移
る。そして、手順130で手順120で入力された信号
からブーム4a、アーム4b、バケット4cの姿勢と位
置とが算出され、これによってさらにバケット4cの最
下部の深さ方向位置を算出しこれを深さ方向の制限基準
位置A(後述する図7参照)とする。
【0031】次に、操作者がスイッチボックス21の角
度設定ボタン21dで境界面と水平面とのなす角度を設
定すると、手順140でこの設定角がコントロールユニ
ット29に入力されて手順150に移り、さらに手順1
50でブーム4aを操作する操作レバー24aの押しボ
タンスイッチ2からの信号がコントロールユニット29
に入力され、手順160に移る。
【0032】押しボタンスイッチ2が押されず中立状態
にある場合には、手順160で押しボタンスイッチ2が
押し状態にないと判定されて手順170に移り、手順1
70において、手順130で算出した制限基準位置Aと
手順140で設定した設定角より深さ方向の制限領域を
設定する。すなわち、制限基準位置Aを含み水平面と設
定角(例えば0°,+45°,−30°)をなす面を制限
領域内外の境界面とする。この様子を図7(a)〜
(c)に示す。これらはそれぞれ、図7(a)が設定角
0°、図7(b)が設定角+45°、図7(c)が設定
角−30°の状態を表している。このようにして深さ方
向の制限領域が設定された後、手順180に移り、この
制限領域をもとにコントロールユニット29からコント
ロールバルブ制御手段27に修正信号が送られて領域制
限制御が開始され、操作者は、制限領域内及びその近傍
内でのみバケット4cの深さ方向の掘削作業を行うこと
ができる。
【0033】領域制限制御を継続して実施するあいだ
は、操作者は再度スイッチボックス21の「深さ」ボタ
ン21aを押すことがなく、手順200において「深
さ」ボタン21aが押されていないと判定されて、手順
150に戻り、再度手順150〜手順200を繰り返し
て同一の領域設定のもとで同一の領域制限制御が実施さ
れる。
【0034】この領域制限制御実施中に、操作者が作業
の進行により制限領域の深さのみをさらに深く変更した
い場合には、ブーム4aの動作を指示する操作レバー2
4aの押しボタンスイッチ2を押す。すると手順150
で入力されたこの押しボタンスイッチ信号が手順160
で押し状態であると判定されて手順220に移り、領域
制限制御の実施が解除される。これにより操作者は、押
しボタンスイッチ2を押し状態としたまま操作レバー2
4aを操作してブーム4aを最初に設定した制限領域外
の下方へ動かすことが可能になる。この動かしている間
は、手順230で押しボタンスイッチ信号がコントロー
ルユニット29に入力されており、手順240で押しボ
タンスイッチ2が中立状態でないと判定されて手順23
0に戻る。そして操作者が、バケット4cを下方の所定
高さで静止させ、この状態で押しボタンスイッチ2から
手を離し中立状態にすると、手順230で入力された押
しボタンスイッチ信号が手順240で中立状態であると
判定され、手順120に戻る。そして、この静止状態に
おけるセンサ28a〜cからの検出信号が手順120で
コントロールユニット29入力され、手順130でこの
ときのバケット4cの最下部が新しい制限基準位置とな
る。そしてこの新しい制限基準位置と最初の設定領域に
よる領域制限制御のときに既に手順140で設定されて
いた設定角とによって手順170で新しい制限領域が再
設定される。すなわちこのとき、角度設定をそのままに
して制限基準位置のみを下方に変更する形で制限領域内
外の境界面を下方に平行移動させることができる。そし
て手順180でこの新しい制限領域による領域制限制御
が実施される。
【0035】操作者が領域制限の中止を意図する場合に
は、スイッチボックス21の「深さ」ボタン21aを再
度押すと、この選択信号が手順190でコントロールユ
ニット29に入力された後、手順200で「深さ」ボタ
ン21aが押されたと判定され、手順210に移って深
さ方向の選択及び設定領域が消去されるとともに、領域
制限制御が終了されてこのフローを終了する。
【0036】(2)高さ方向・リーチ方向の制限領域 操作者が高さ方向の領域制限を行うことを意図する場
合、まず予め、操作レバー24aを操作してブーム4a
を動かし(このとき押しボタンスイッチ2に触ってもコ
ントロールユニット29に信号は入力されない)、バケ
ット4cを所定の高さに移動させて静止させておく。
そしてこの状態で、スイッチボックス2
1の「高さ」ボタン21bを押すと、手順100でこれ
に対応する信号がコントロールユニット29に入力され
て手順110に移り、手順110で領域制限方向が深さ
方向に選択されていないと判定され、手順250に移
る。手順250ではそのときのセンサ28a〜cからの
検出信号がコントロールユニット29に入力され、手順
260に移る。手順260で手順250で入力された信
号からブーム4a、アーム4b、バケット4cの姿勢と
位置とが算出され、これによってさらにバケット4c最
下部の位置を算出しこれを制限基準位置とする。そし
て、操作者がスイッチボックス21の角度設定ボタン2
1dで境界面と水平面とのなす角度を設定すると、手順
270でこの設定角がコントロールユニット29に入力
されて手順280に移り、手順280で、手順260で
算出した制限基準位置と手順140で設定した設定角よ
り、図7(a)〜(c)を用いて説明した深さ方向制限
領域の設定と同様にして、制限基準位置を含み水平面と
設定角をなす面を制限領域内外の境界面として高さ方向
の制限領域を設定し、手順290に移る。手順290に
おいては、このようにして設定された高さ方向の制限領
域をもとに、コントロールユニット29からコントロー
ルバルブ制御手段27に修正信号が送られて領域制限制
御が開始され、操作者は、制限領域内及びその近傍内で
のみ高さ方向の作業を行うことができる。領域制限制御
を継続して実施する間は、操作者は再度スイッチボック
ス21の「高さ」ボタン21bを押すことがなく、手順
300で入力された選択信号によって手順310で同じ
「高さ」ボタン21bが押されていないと判定されて手
順300に戻り、同一の領域制限制御が継続される。操
作者が高さ方向の領域制限制御の中止を意図する場合に
あっては、スイッチボックス21の「高さ」ボタン21
bを再度押すと、この選択信号が手順300においてコ
ントロールユニット29に入力された後、手順310で
同一の「高さ」ボタン21bが押されたと判定され、手
順210に移って方向選択及び設定領域が消去されると
ともに、領域制限制御が終了されてこのフローを終了す
る。
【0037】また、高さ方向の領域制限を実施中に、操
作者が作業の進行によって制限領域をさらに高く変更し
たい場合には、上記の領域制限制御中止手順を行ってコ
ントロールユニット29による領域制限制御を解除し、
再度上記の設定動作を行う。
【0038】なお、リーチ方向への領域制限を行う場合
の操作は、操作者がスイッチボックス21の「リーチ」
ボタン21cを押すこと、及び角度設定ボタン21dで
境界面と鉛直面とのなす角度を設定することのほかは、
高さ方向の領域制限を行う場合とほぼ同様であるので説
明を省略する。
【0039】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態の第1の比較例を図8〜図10により説明す
る。本実施の形態の第1の比較例として、従来技術によ
る油圧ショベルの掘削制御装置150及びこれが適用さ
れる油圧ショベルの油圧駆動装置を図8及び図9に示
す。図8は油圧ショベルの掘削制御装置150及びこれ
が適用される油圧ショベルの油圧駆動装置の全体構成を
示す油圧回路図であり、図9は図8に示すスイッチボッ
クス21の構成を示す正面図である。図1に示した第1
の実施の形態と同等の部材及び機能には同一の符号を付
す。本比較例の掘削制御装置150が第1の実施の形態
と異なる主要な点は、ブームシリンダ23aを介してブ
ーム4aを作動させる操作レバー24aに押しボタンス
イッチ2が設けられていないことである。そして、これ
に対応して、深さ方向への制限領域設定方法は、第1の
実施の形態における高さ方向及びリーチ方向の制限領域
設定方法とほぼ同様となる。すなわち、深さ方向の制限
領域設定をするときの手順を、コントロールユニット2
9で行われる制御を示す図10のフローを参照して説明
すると、まず予め、操作レバー24aを操作してブーム
4aを動かしバケット4cを所定の高さに移動させて静
止させておき、スイッチボックス21の「深さ」ボタン
21a(図9参照)を押す。すると手順400でこれに
対応する信号がコントロールユニット29に入力され、
手順410ではそのときのセンサ28a〜cからの検出
信号が入力される。手順420では手順410で入力さ
れた信号からブーム4a、アーム4b、バケット4cの
姿勢と位置とが算出され、これによってさらにバケット
4c最下部の位置を算出しこれを制限基準位置とする。
そして、手順430で、操作者がスイッチボックス21
の角度設定ボタン21dで設定した境界面と水平面との
なす角度がコントロールユニット29に入力され、手順
440で、手順420で算出した制限基準位置と手順4
30で設定した設定角より、制限基準位置を含み水平面
と設定角をなす面を制限領域内外の境界面として深さ方
向の制限領域を設定する。そして手順450では、この
ようにして設定された深さ方向の制限領域をもとに、コ
ントロールユニット29からコントロールバルブ制御手
段27に修正信号が送られて領域制限制御が開始され、
操作者は、制限領域内及びその近傍内でのみ深さ方向の
作業を行うことができる。操作者が深さ方向の領域制限
の中止を意図する場合には、スイッチボックス21の
「深さ」ボタン21aを再度押すと、この選択信号が手
順460でコントロールユニット29に入力され、手順
470で同一の「深さ」ボタン21aが押されたと判定
され、手順480に移って制限方向の選択及び設定領域
が消去されるとともに、領域制限制御が終了されてこの
フローを終了する。上記以外の構成及び機能は第1の実
施の形態とほぼ同様である。
【0040】ここにおいて、深さ方向の領域制限制御実
施中に、操作者が作業の進行により制限領域の深さのみ
をさらに深く変更したい場合には、上記の領域制限制御
中止手順を行ってコントロールユニット29による領域
制限制御を解除し、再度上記の設定動作を行わなければ
ならない。すなわち、操作者が操作レバー24aから手
を離し、操作レバー24aから離れたところにあるスイ
ッチボックス21の「深さ」ボタン21aを押して領域
制限制御の解除を行った後、再び操作レバー24aに手
を戻してブーム4aを下降させてバケット4cを所定位
置へ移動させ、操作レバー24aから手を離して再度
「深さ」ボタン21aを押す必要がある。よって、操作
者の手がスイッチボックス21と操作レバー24aとの
長い距離を何度も往復することになるので、操作が面倒
となり作業効率向上への阻げとなっていた。またこのと
き「深さ」ボタン21aを2回押す必要があった。
【0041】次に本実施の形態の第2の比較例を図11
〜図13により説明する。本実施の形態の第2の比較例
として、従来技術による油圧ショベルの掘削制御装置1
60及びこれが適用される油圧ショベルの油圧駆動装置
を図11及び図12に示す。図11は油圧ショベルの掘
削制御装置160及びこれが適用される油圧ショベルの
油圧駆動装置の構成を示す油圧回路図であり、図12は
図11に示すスイッチボックス121の構成を示す正面
図である。第1の実施の形態と同等の部材及び機能には
同一の符号を付す。本比較例の掘削制御装置160が第
1の実施の形態と異なる主要な点は、ブームシリンダ2
3aを介してブーム4aを作動させる操作レバー24a
に押しボタンスイッチ2が設けられていないことと、ス
イッチボックス121が「高さ」「深さ」「オフセット
(左)」の3つの切替位置がある範囲制限切替つまみ1
21aと「セット」「中立」「クリヤー」の3つの切替
位置がある設定つまみ121bとを備える一方、角度設
定機能を備えておらず制限領域の境界面は常に水平方向
に設定されることである(図12参照)。
【0042】本比較例において深さ方向の制限領域設定
をするときの手順を、コントロールユニット29で行わ
れる制御を示す図13のフローを参照して説明すると、
まずスイッチボックス121の範囲制限切替つまみ12
1aを「深さ」位置に合わせると、手順500でこれに
対応する切替信号がコントロールユニット29に入力さ
れる。そして操作レバー24aを操作してブーム4aを
動かしバケット4cを所定の高さに移動させて静止させ
ておき、スイッチボックス121の設定つまみ121b
を「セット」位置にする。すると手順510でこのとき
のセンサ28a〜cからの検出信号が入力された後、手
順520において手順510で入力された信号からブー
ム4a、アーム4b、バケット4cの姿勢と位置とが算
出され、これによってさらにバケット4c最下部の位置
を算出しこれを制限基準位置とする。そして、手順53
0で、制限基準位置を含んだ水平面を制限領域内外の境
界面として深さ方向の制限領域を設定する。そして手順
540では、このようにして設定された深さ方向の制限
領域をもとに、コントロールユニット29からコントロ
ールバルブ制御手段27に修正信号が送られて領域制限
制御が開始され、操作者は、制限領域内及びその近傍内
でのみ深さ方向の作業を行うことができる。操作者が深
さ方向の領域制限の中止を意図する場合には、スイッチ
ボックス121の設定つまみ121bを「クリヤー」位
置に合わせると、この切替信号が手順550でコントロ
ールユニット29に入力され、手順560で「クリヤ
ー」位置に切り替えられたと判定され、手順570に移
って設定領域が消去されるとともに領域制限が終了され
てこのフローを終了する。上記以外の構成及び機能は第
1の実施の形態とほぼ同様である。ここにおいて、深さ
方向の領域制限実施中に、操作者が作業の進行により制
限領域の深さのみをさらに深く変更したい場合には、上
記の領域制限制御中止手順を行ってコントロールユニッ
ト29による領域制限制御を解除し、再度上記の設定動
作を行わなければならない。すなわち、操作者が操作レ
バー24aから手を離し、スイッチボックス121の設
定つまみ121bを「セット」位置から「クリヤー」位
置にまわして領域制限制御の解除を行った後、再び操作
レバー24aに手を戻してブーム4aを下降させてバケ
ット4cを所定位置へ移動させ、操作レバー24aから
手を離して再度設定つまみ121bを「クリヤー」位置
から「セット」位置にまわし再設定するという操作が必
要であった。よって、第1の比較例と同様、操作者の手
がスイッチボックス121と操作レバー24aとの長い
距離を何度も往復することとなり、操作が面倒となり作
業効率向上への阻げとなっていた。またこのとき設定つ
まみ121bを2回まわす必要があった。
【0043】以上のような第1及び第2の比較例に対
し、本実施の形態による油圧ショベルの掘削制御装置1
00においては、前述したように、操作者による一連の
領域再設定操作において、操作レバー24aに備えられ
ている押しボタンスイッチ2を押す→押したまま操作レ
バー24aを操作しブーム4aを下方に動かす→押しボ
タンスイッチ2から手を離すという3つの手順で再設定
を行うことができる。よって、上記2つの比較例のよう
にスイッチボックス21と操作レバー24aとの長い距
離を何度も手を往復させる必要がなく、操作レバー24
aから手を離さず簡単な操作で再設定を行うことができ
る。またボタン操作についても、押す→離すというワン
タッチ操作で可能であるので、第1の比較例のようにボ
タン(「深さ」ボタン21a)を2回押す必要がなく、
また第2の比較例のようにつまみ(設定つまみ121
b)を2回まわす必要もないので、この意味でも操作が
簡単になる。
【0044】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、作業の進行により操作者が深さ方向の制限領域の深
さのみをさらに深く再設定する場合は、操作レバー24
aに設けられた押しボタンスイッチ2を押し状態にする
→操作レバー24aを操作してブーム4aを下方に移動
する→押しボタンスイッチ2を離して中立状態にすると
いう3つの手順を行えば足り、操作レバー24aから手
を離さずにワンタッチで行うことができる。よって、簡
単な操作で再設定を行うことができ、作業効率を向上す
ることができる。
【0045】なお、上記第1の実施の形態においては、
押しボタンスイッチ2を押して中立状態から押し状態に
すると、手順220で深さ方向の領域制限制御の実施が
解除された(図6参照)が、これに限られず、押しボタ
ンスイッチ2を押すと、深さ方向の制限基準位置Aが十
分下方の位置又は下方に無限遠の位置に一時的に(その
後押しボタンスイッチ2が離されて中立位置に戻るまで
の間)変更されて制限領域が下方に拡張され、コントロ
ールユニット29がこの制限領域によって領域制限制御
を行う構成、すなわち領域制限制御自体は解除されず継
続される構成としても良い。この場合も、同様の効果を
得る。
【0046】本発明の第2の実施の形態を図14〜図1
7により説明する。本実施の形態は、一時的な制限領域
外動作を可能とする実施の形態である。本実施の形態に
よる油圧ショベルの掘削制御装置200及びこれが適用
される油圧ショベルの油圧駆動装置を図14に示す。図
14は、油圧ショベルの掘削制御装置200及びこれが
適用される油圧ショベルの油圧駆動装置の全体構成を示
す油圧回路図である。第1の実施の形態と同等の部材及
び同一の機能には同一の符号を付す。本実施の形態の掘
削制御装置200が第1の実施の形態の掘削制御装置1
00と異なる主要な点は、ブーム4aを作動させる操作
レバー24aに、制限基準位置を設定する押しボタンス
イッチ2が設けられる代わりに、領域制限制御の開始や
一時的解除を行う押しボタンスイッチ202が設けられ
ており、またこれに対応する形で、スイッチボックス2
1の「深さ」ボタン221aが領域設定手段として機能
することである(図15参照)。押しボタンスイッチ2
02の正面図を図16に示す。この図16は第1の実施
の形態における図5に対応する図である。その他の構成
及び機能は、後述するコントロールユニット29内の制
御内容をの一部を除けば、第1の実施の形態の油圧駆動
回路及び掘削制御装置100とほぼ同様である。
【0047】ここで、本実施の形態の要部である制限領
域設定及び一時的な制限領域外作業について、図17に
示すコントロールユニット29内の制御手順のフローチ
ャートに従い、詳細に説明する。本実施の形態における
制限領域設定方法は、深さ方向と、それ以外の高さ方向
・リーチ方向とで異なる。 (1)深さ方向の制限領域 操作者が深さ方向の領域制限を行うことを意図する場
合、まず予め、操作レバー24aを操作してブーム4a
を動かし(このとき押しボタンスイッチ202に触って
もコントロールユニット29に信号は入力されない)、
バケット4cを所定の高さに移動させて静止させてお
く。そしてこの状態で、スイッチボックス21の「深
さ」ボタン221a(図15参照)を押すと、手順60
0でこれに対応する信号がコントロールユニット29に
入力されて手順610に移り、手順610で領域制限方
向が深さ方向に選択されていると判定され、手順620
に移る。手順620ではそのときのセンサ28a〜cか
らの検出信号が入力され、手順630に移る。手順63
0で手順620で入力された信号からブーム4a、アー
ム4b、バケット4cの姿勢と位置とが算出され、これ
によってさらにバケット4c最下部の位置を算出しこれ
を制限基準位置とする。そして、操作者がスイッチボッ
クス21の角度設定ボタン21dで境界面と水平面との
なす角度を設定すると、手順640でこの設定角がコン
トロールユニット29に入力されて手順650に移り、
手順650で、手順630で算出した制限基準位置と手
順640で設定した設定角より、第1の実施の形態の図
7(a)〜(c)を用いて説明した深さ方向制限領域の
設定と同様にして、制限基準位置を含み水平面と設定角
をなす面を制限領域内外の境界面として深さ方向の制限
領域を可変に設定し、手順660に移る。操作者が領域
制限制御の開始を意図するときには、操作レバー24a
の押しボタンスイッチ202を押す。そしてこの押しボ
タンスイッチ信号が手順660でコントロールユニット
29に入力され、手順670で押しボタンスイッチ20
2が押されたと判定されて手順680へ移り、設定され
た深さ方向の制限領域に基づいた領域制限制御が開始さ
れる。この領域制限制御を継続して実施する間は、操作
者は再度操作レバー24aの押しボタンスイッチ202
を押すことがなく、手順690で入力される押しボタン
スイッチ信号によって手順700で押しボタンスイッチ
202が押されていないと判定されて手順690に戻
り、同一の領域制御が継続される。
【0048】この領域制限制御を実施中に、操作者が作
業の進行によって一時的に制限領域外で作業を行いたい
場合には、操作レバー24aに備えられた押しボタンス
イッチ202を再び押す。すると手順660で入力され
たこの押しボタンスイッチ信号により手順670で押し
ボタンスイッチ202が押されたと判定され、手順71
0に移って領域制限制御が終了(一時的に解除)され
る。これにより操作者は、操作レバー24aを操作して
ブーム4aを下方に動かし、一時的に制限領域外で作業
を行うことができる。この領域外作業があくまで一時的
なものであって、いずれはもとの制限領域内へ戻ること
を意図している場合には、操作者はスイッチボックス2
1の「深さ」ボタン221aを押すことがなく、手順7
20で入力された選択信号により手順730で「深さ」
ボタン221aが押されていないと判定され、手順74
0に移る。またこの一時的領域外作業を継続している間
は、操作者は押しボタンスイッチ202を再度押すこと
なく作業を継続し、手順740で入力された押しボタン
スイッチ信号により手順750で押しボタンスイッチ2
02が押されていないと判定されて、手順740に戻
り、領域外作業を引き続き継続することができる。
【0049】領域外作業を終了し、もとの領域制限制御
に復帰したいときには、操作者が操作レバー24aの押
しボタンスイッチ信号202を再度押すと、手順750
で押しボタンスイッチ信号202が押されたと判定され
て手順760に移る。手順760では、バケット4cの
先端が制限領域内にあるかどうかが判定され、制限領域
内にあれば手順680に移って領域制限制御に復帰す
る。手順760でバケット4c先端が制限領域内にない
と判定されたときには、領域制限制御には復帰せずに手
順770に移り、制限領域内にない旨の警報が発せられ
て操作者に領域制限をオフしたまま手動でバケット4c
を領域内まで上昇させるように促す。その後手順780
に移り、バケット4cの下方への移動を禁止して上方へ
の移動のみを可能とする。これにより、操作者の手動操
作の際、誤って操作者がバケット4cを下降させるよう
に操作したとしてもバケット4cが下降するのを防止す
ることができる。手順780の終了後に手順760に戻
ってバケット4cが制限領域内かどうか判定し、制限領
域内になるまでこの手順を繰り返し、制限領域内になっ
たところで手順680に戻って領域制限制御に復帰す
る。
【0050】そして、操作者が、領域制限方向や設定領
域を消去し領域制限作業を完全に終了したい場合には、
押しボタンスイッチ信号202を押して手順710で領
域制限制御を終了させた後、スイッチボックス21の
「深さ」ボタン221aを押す。この信号が手順720
でコントロールユニット29に入力され、手順730で
「深さ」ボタン221aが押されたと判定されて手順7
40に移り、手順740で深さ方向の制限方向の選択
と、深さ方向の制限領域の設定が消去されて、このフロ
ーを終了する。
【0051】(2)高さ方向・リーチ方向の制限領域 操作者が高さ方向の領域制限を行うことを意図する場
合、まず予め、操作レバー24aを操作してブーム4a
を動かし(このとき押しボタンスイッチ202に触って
もコントロールユニット29に信号は入力されない)、
バケット4cを所定の高さに移動させて静止させてお
く。そしてこの状態で、スイッチボックス21の「高
さ」ボタン21b(図4参照)を押すと、手順600で
これに対応する信号がコントロールユニット29に入力
されて手順610に移り、手順610で領域制限方向が
深さ方向に選択されていないと判定され、手順790に
移る。手順790ではそのときのセンサ28a〜cから
の検出信号が入力され、手順800に移る。手順800
で手順790で入力された信号からブーム4a、アーム
4b、バケット4cの姿勢と位置とが算出され、これに
よってさらにバケット4c最下部の位置を算出しこれを
制限基準位置とする。そして、操作者がスイッチボック
ス21の角度設定ボタン21dで境界面と水平面とのな
す角度を設定すると、手順810でこの設定角がコント
ロールユニット29に入力されて手順820に移る。そ
して、手順820で、手順800で算出した制限基準位
置と手順810で設定した設定角より、第1の実施の形
態の図7(a)〜(c)を用いて説明した深さ方向制限
領域の設定と同様にして、制限基準位置を含み水平面と
設定角をなす面を制限領域内外の境界面として高さ方向
の制限領域を設定し、手順830に移る。手順830で
は、このようにして設定された高さ方向の制限領域をも
とに、コントロールユニット29からコントロールバル
ブ制御手段27に修正信号が送られて領域制限制御が開
始され、操作者は、制限領域内及びその近傍内でのみ高
さ方向の作業を行うことができる。領域制限制御を継続
して実施する間は、操作者は再度スイッチボックス21
の「高さ」ボタン21bを押すことがなく、手順840
で入力された選択信号によって手順850で同じ「高
さ」ボタン21bが押されていないと判定されて手順8
40に戻り、同一の領域制御が継続される。操作者が高
さ方向の領域制限の中止を意図する場合には、スイッチ
ボックス21の「高さ」ボタン21bを再度押すと、こ
の選択信号が手順840でコントロールユニット29に
入力された後、手順850で同一の「高さ」ボタン21
bが押されたと判定され、手順860に移って領域制限
制御が終了され、手順870で方向選択及び設定領域が
消去されてこのフローを終了する。
【0052】また、高さ方向の領域制限実施中に、操作
者が作業の進行により一時的に制限領域外で作業を行い
たい場合には、上記の領域制限制御終了手順を行ってコ
ントロールユニット29による領域制限制御を解除し、
再度上記の設定動作を行う。
【0053】なお、リーチ方向への領域制限を行う場合
の操作は、操作者がスイッチボックス21の角度設定ボ
タン21で境界面と鉛直面とのなす角度を設定するほか
は、高さ方向の場合とほぼ同様であるので説明を省略す
る。
【0054】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態の第1の比較例として、図8〜図10を用い
て前述した従来技術による油圧ショベル装置の掘削制御
装置150を再び例にとって考える。
【0055】第1の比較例の構成における領域設定手順
は、前述したように、操作レバー24aを操作してバケ
ット4cを所定の高さで静止させておきスイッチボック
ス21の「深さ」ボタン21a(図9参照)を押すと、
センサ28a〜cから入力された検出信号をもとに制限
基準位置が算出され、これと設定角により深さ方向の制
限領域が設定され、コントロールユニット29からコン
トロールバルブ制御手段27に修正信号が送られて領域
制限制御が開始される。ここにおいて、深さ方向の領域
制限制御実施中に、操作者が作業の進行により一時的に
制限領域外で作業を行い、その作業の後にまたもとの領
域制限制御に復帰したい場合には、一旦領域制限制御を
解除した後再設定しなければならない。すなわちスイッ
チボックス21の「深さ」ボタン21aを再度押して領
域制限を終了させねばならず、そのときに手順480
(図10参照)で設定領域が消去されてしまうので、も
との領域制限制御に復帰するときに最初の領域設定の時
と全く同じ操作(=バケット4cを制限基準位置に合わ
せて「深さ」ボタン21aを押す)が必要となり、2度
手間となって非常に面倒であるとともに作業効率への妨
げとなっていた。また第1の実施の形態の時に言及した
ように操作者の手がスイッチボックス21と操作レバー
24aとの長い距離を何度も往復する必要もあった。
【0056】次に、本実施の形態の第2の比較例とし
て、図11〜図13を用いて前述した従来技術による油
圧ショベル装置の掘削制御装置160を再び例にとって
考える。
【0057】第2の比較例の構成における領域設定手順
は、前述したように、スイッチボックス121の範囲制
限切替つまみ121aを「中立」位置から「深さ」位置
に合わせて操作レバー24aを操作してバケット4cを
所定の高さで静止させておき、設定つまみ121bを
「セット」位置にする。するとセンサ28a〜cからの
検出信号をもとに制限基準位置が算出され、これによっ
て深さ方向の制限領域が設定され、コントロールユニッ
ト29からコントロールバルブ制御手段27に修正信号
が送られて領域制限制御が開始される。ここにおいて、
深さ方向の領域制限制御実施中に、操作者が作業の進行
により一時的に制限領域外で作業を行い、その作業の後
にまたもとの領域制限制御に復帰したい場合には、一旦
領域制限制御を解除した後再設定しなければならない。
すなわちスイッチボックス121の設定つまみ121b
を「クリヤー」位置に合わせ領域制限を終了させねばな
らず、そのときに手順570(図13参照)で設定領域
が消去されてしまうので、もとの領域制限制御に復帰す
るときに最初の領域設定の時と全く同じ操作(=バケッ
ト4cを制限基準位置に合わせて設定つまみ121bを
「セット」位置にする)が必要となり、2度手間となっ
て非常に面倒であるとともに作業効率への妨げとなって
いた。また第1の実施の形態の時に言及したように操作
者の手がスイッチボックス121と操作レバー24aと
の長い距離を何度も往復する必要もあった。
【0058】以上のような第1及び第2の比較例に対
し、本実施の形態の油圧ショベルの掘削制御装置におい
ては、前述したように、操作レバー24aに設けられた
押しボタンスイッチ202を押すことにより、設定領域
を消去することなく、また制限の深さ方向への選択を消
去することなく、領域制限制御を行うか行わないかのみ
を別個独立に指示することができる。よって上記第1及
び第2の比較例のように最初の設定時操作と全く同一の
操作、すなわち制限方向の選択や制限領域の設定をやり
なおす必要がなく、簡単な操作で一時的な制限領域外操
作を行うことができる。またこのとき操作者は、押しボ
タン202を押す→操作レバー24aを操作する→押し
ボタン202を押すというこれらの操作を操作レバー2
4aから手を離さずに行うことができるので、上記第1
及び第2の比較例のようにスイッチボックス21,12
1と操作レバー24aとの長い距離を何度も往復する必
要がなく、さらに簡単な操作で領域外作業を行うことが
できる。また、領域制限制御に復帰しようとするときに
バケット4cが制限領域外にある場合は、コントロール
ユニット29が手順760(図17参照)においてその
ことを判定し、バケット4cが制限領域外に復帰するま
で領域制限制御を中止する。よって例えば、特開平6−
193090号公報記載のような、バケットが制限領域
外にあるときに制限領域内に戻るように操作信号を修正
する方式の領域制限制御が行われている場合であって
も、バケットが制限領域の下方から領域内に戻ろうとし
て急上昇するのを防止することができる。また特開平4
−136324号公報記載のような、常に制限領域内に
あることを前提とした領域制限制御が行われている場合
であっても、制御フローがエラー状態となり制御不能と
なるのを防止することができる。
【0059】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、作業の進行により操作者が一時的に制限領域外で作
業を行いたい場合、操作者は操作レバー24aに設けら
れた押しボタンスイッチ202で領域制限制御の一時的
な解除を行うかどうかを指示することができるので、簡
単な操作で一時的な制限領域外操作を行うことができ
る。よって作業効率を向上することができる。またこの
とき、押しボタンスイッチ202を押す→操作レバー2
4aを操作して領域外作業を行う→押しボタンスイッチ
202を押すという動作を操作レバー24aから手を離
さずに行うことができるので、さらに簡単な操作で領域
外作業を行うことができ、作業効率をさらに向上するこ
とができる。
【0060】なお、上記第2の実施の形態においては、
一旦押しボタンスイッチ202を押して一時的な領域外
作業を行った後に、領域内にバケット4cを戻さないで
押しボタンスイッチ202を再度押して領域制限制御に
復帰しようとした場合、操作者が手動で制限領域内に戻
す構成としていたが、これに限られない。すなわち、例
えば特開平6−193090号公報記載のように、バケ
ット4cが制限領域外にあるときには操作信号の補正が
行われ制限領域内に強制的に復帰させる構成の場合は、
手順760の判定を省略し手順750から直ちに手順6
80へ戻る構成も考えられ(但しこの場合は前記したよ
うにバケット4cの急上昇を防止する手段を設けること
が望ましい)、あるいは手順760で制限領域内にない
と判定されたときに、手順770で警報のみを発した後
手順680へ戻る構成でもよい。これらの場合も、同様
の効果を得る。また、上記第1及び第2の実施の形態に
おいては、領域制限を行う方向が深さ方向、高さ方向、
及びリーチ方向のすべての場合について最終的にバケッ
ト4cの最下部の位置を検出し、この最下部位置が領域
内にあるかどうかを判定する構成としたが、これに限ら
れず、バケット4cの他の特定部位、例えば先端部であ
ってもよい。また、例えば深さ方向でなく高さ方向、及
びリーチ方向等の場合の領域制限を行う場合に、バケッ
ト4cでなくブーム4aやアーム4bの特定部位の位置
を検出し領域内にあるかどうかを判定してもよい。これ
らの場合も同様の効果を得る。さらに、上記第1及び第
2の実施の形態においては、領域制限方向は、深さ方
向、高さ方向、及びリーチ方向の3つとしたが、オフセ
ット動作が可能な油圧ショベルの場合には、第2の比較
例のようにオフセット方向にも領域制限を行うことがで
きる。この場合は、スイッチボックス21に「オフセッ
ト」ボタンを設け、領域設定方法は高さ方向やリーチ方
向と同様にすることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、作業の進行により操作
者が一時的に制限領域外で作業を行いたい場合、操作者
はスイッチ手段を操作し制御解除手段を作動させること
により、領域設定手段の設定を保持した状態で制限制御
手段による制御動作を一時的に解除することができるの
で、簡単な操作で一時的な制限領域外操作を行うことが
できる。よって作業効率を向上することができる。
【0062】また、スイッチ手段は操作レバーに設けら
れ、操作レバーの把持と同時に操作可能な押しボタンで
あるので、操作者が一時的領域外作業を行うとき、押し
ボタンを操作する→操作レバーを操作する→押しボタン
を操作するという動作を操作レバーから手を離さずに行
うことができる。よって、さらに簡単な操作で領域外作
業を行うことができ、作業効率をさらに向上することが
できる。
【0063】さらに、一時的な領域外作業を行った後、
バケット等を領域内へ戻す前に操作が誤って領域制限制
御を再び開始しようとしても、制御中止手段で領域制限
制御に復帰するのを防止することができるので、バケッ
ト等が制限領域の下方から領域内に戻ろうとして急上昇
するのを防止し、あるいは制御フローがエラー状態とな
り制御不能となるのを防止することができる。
【0064】また、制御動作の開始が中止されるときに
警報手段で操作者に警報を発するので、制限領域外であ
る旨を操作者に知らせることができる。
【0065】さらに、制御中止手段によって制御動作の
開始が中止されたときに、バケット等が制限領域外から
制限領域内へ復帰するまでの間、領域外制御手段でバケ
ット等の上方への移動のみを許容するので、操作者が誤
ってバケット等を下降させるのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の掘削制御装置及び
これが適用される油圧ショベルの油圧駆動装置を示す油
圧回路図である。
【図2】図1に示された油圧駆動装置が搭載される油圧
ショベルの構成を示す概念図である。
【図3】図2に示された油圧ショベルのキャブ内の構造
を示す概念図である。
【図4】図3に示されたスイッチボックスの正面図であ
る。
【図5】図3に示された操作レバーの正面図である。
【図6】図1に示されたコントロールユニット内の制御
手順を示すフローチャートである。
【図7】制限領域内外の境界面と水平面とのなす角の設
定態様を説明するための図である。
【図8】第1の比較例による掘削制御装置及びこれが適
用される油圧ショベルの油圧駆動装置を示す油圧回路図
である。
【図9】図8に示されたスイッチボックスの正面図であ
る。
【図10】図8に示されたコントロールユニットで行わ
れる制御を示すフローチャートである。
【図11】第2の比較例による掘削制御装置及びこれが
適用される油圧ショベルの油圧駆動装置を示す油圧回路
図である。
【図12】図11に示されたスイッチボックスの正面図
である。
【図13】図11に示されたコントロールユニットで行
われる制御を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態による掘削制御装
置及びこれが適用される油圧ショベルの油圧駆動装置を
示す油圧回路図である。
【図15】図14に示されたスイッチボックスの正面図
である。
【図16】図14に示された掘削制御装置に備えられた
操作レバーの正面図である。
【図17】図14に示されたコントロールユニットで行
われる制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 押しボタンスイッチ 4 フロント部材 4a ブーム 4b アーム 4c バケット 8 キャブ 9 座席 21 スイッチボックス 21a 「深さ」ボタン 21b 「高さ」ボタン 21c 「リーチ」ボタン 21d 角度設定ボタン 22 油圧ポンプ 23a ブームシリンダ 23b アームシリンダ 23c バケットシリンダ 24a〜c 操作レバー 25a〜c コントロールバルブ 26 リリーフ弁 27 コントロールバルブ制御手段 28a〜c センサ(検出手段) 29 コントロールユニット(検出手段、領域
設定手段、制限制御手段制御解除手段) 100 掘削制御装置 121 スイッチボックス 121a 範囲制限切替スイッチ 121b 設定切替スイッチ 150 掘削制御装置 160 掘削制御装置 200 掘削制御装置 202 押しボタンスイッチ(スイッチ手段) 221a 「深さ」ボタン(領域設定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 洋 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 足立 宏之 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 藤島 一雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 江川 栄治 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バケット、アーム、及びブームの動作を教
    示する複数の操作レバーを有する油圧ショベルの掘削制
    御装置において、 前記バケット、又はアーム、若しくはブームの特定部位
    の位置を検出する検出手段と、 前記バケット、又はアーム、若しくはブームが動き得る
    深さ方向の制限領域を設定する領域設定手段と、 前記検出手段による検出結果と前記領域設定手段による
    制限領域設定とに従い前記制限領域内及びその近傍での
    み前記バケット、又はアーム、若しくはブームの動作を
    可能とする制限制御手段と、 前記領域設定手段とは別個に設けられたスイッチ手段
    と、 前記スイッチ手段の指示により、前記領域設定手段の設
    定を保持した状態で、前記制限制御手段による制御動作
    を一時的に解除する制御解除手段とを備えることを特徴
    とする油圧ショベルの掘削制御装置。
  2. 【請求項2】バケットの動作を教示する複数の操作レバ
    ーを有する油圧ショベルの掘削制御装置において、 前記バケットの特定部位の位置を検出する検出手段と、 前記バケットが動き得る深さ方向の制限領域を可変に設
    定する領域設定手段と、 前記検出手段による検出結果と前記領域設定手段による
    制限領域設定とに従い前記制限領域内及びその近傍での
    み前記バケットの掘削動作を可能とする制限制御手段
    と、 前記領域設定手段とは別個に設けられたスイッチ手段
    と、 前記スイッチ手段の指示により、前記領域設定手段の設
    定を保持した状態で、前記制限制御手段による制御動作
    を一時的に解除する制御解除手段とを備えることを特徴
    とする油圧ショベルの掘削制御装置。
  3. 【請求項3】バケット、アーム、及びブームの動作を教
    示する複数の操作レバーを有する油圧ショベルの掘削制
    御装置において、 前記バケット、又はアーム、若しくはブームの特定部位
    の位置を検出する検出手段と、 前記バケットによる目標掘削領域に対応して、前記バケ
    ット、又はアーム、若しくはブームが動き得る深さ方向
    の制限領域を設定する領域設定手段と、 前記検出手段による検出結果と前記領域設定手段による
    制限領域設定とに従い前記制限領域内及びその近傍での
    み前記バケット、又はアーム、若しくはブームの動作を
    可能とする制限制御手段と、 前記領域設定手段とは別個に設けられたスイッチ手段
    と、 前記スイッチ手段の指示により、前記領域設定手段の設
    定を保持した状態で、前記制限制御手段による制御動作
    を一時的に解除し、前記バケット、又はアーム、若しく
    はブームを前記制限領域内及びその近傍から一時的に脱
    出させ、前記目標掘削領域外の前記バケットによる掘削
    を可能とする領域脱出制御手段とを備えることを特徴と
    する油圧ショベルの掘削制御装置。
  4. 【請求項4】バケットの動作を教示する複数の操作レバ
    ーを有する油圧ショベルの掘削制御装置において、 前記バケットの特定部位の位置を検出する検出手段と、 前記バケットによる目標掘削領域に対応して、前記バケ
    ットが動き得る深さ方向の制限領域を可変に設定する領
    域設定手段と、 前記検出手段による検出結果と前記領域設定手段による
    制限領域設定とに従い前記制限領域内及びその近傍での
    み前記バケットの掘削動作を可能とする制限制御手段
    と、 前記領域設定手段とは別個に設けられたスイッチ手段
    と、 前記スイッチ手段の指示により、前記領域設定手段の設
    定を保持した状態で、前記制限制御手段による制御動作
    を一時的に解除し、前記バケットの前記制限領域内及び
    その近傍からの一時的に脱出させ、前記目標掘削領域外
    の前記バケットによる掘削を可能とする領域脱出制御手
    段とを備えることを特徴とする油圧ショベルの掘削制御
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の油圧ショベルの掘削
    制御装置において、前記スイッチ手段は、前記複数の操
    作レバーの特定のものに設けられ、操作レバーの把持と
    同時に操作可能な押しボタンであることを特徴とする油
    圧ショベルの掘削制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4記載の油圧ショベルの掘削
    制御装置において、前記検出手段で前記特定部位が制限
    領域外にあることが検出されている間に、前記制御解除
    手段により前記制限制御手段による制御動作の一時的な
    解除を終了し制御動作を再び開始するよう前記スイッチ
    手段が手動操作されたときには、該制御動作の開始を中
    止する制御中止手段をさらに備えることを特徴とする油
    圧ショベルの掘削制御装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の油圧ショベルの掘削制御装
    置において、前記制御中止手段によって前記制御動作の
    開始が中止されるときに操作者に警報を発する警報手段
    をさらに備えることを特徴とする油圧ショベルの掘削制
    御装置。
  8. 【請求項8】請求項6記載の油圧ショベルの掘削制御装
    置において、前記制御中止手段によって前記制御動作の
    開始が中止されたときに、前記バケット、又はアーム、
    若しくはブームが前記制限領域外から前記制限領域内へ
    復帰するまでの間該バケット、又はアーム、若しくはブ
    ームの上方への移動のみを許容するように各アクチュエ
    ータを制御する領域外制御手段をさらに備えることを特
    徴とする油圧ショベルの掘削制御装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8記載の油圧ショベルの掘削
    制御装置において、前記検出手段は、前記バケットの最
    下部及び先端部のうち一方の位置を検出する手段である
    ことを特徴とする油圧ショベルの掘削制御装置。
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