JP2001226462A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001226462A
JP2001226462A JP2000039288A JP2000039288A JP2001226462A JP 2001226462 A JP2001226462 A JP 2001226462A JP 2000039288 A JP2000039288 A JP 2000039288A JP 2000039288 A JP2000039288 A JP 2000039288A JP 2001226462 A JP2001226462 A JP 2001226462A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
phenol
inorganic filler
weight
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Yusuke Ito
祐輔 伊藤
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、難燃性、高温保管特性、及び耐半田
クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)石油系重質
油又はピッチ類とホルムアルデヒド重縮合物とフェノー
ル類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェノール樹
脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成
分とし、(C)無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中の
70〜85重量%で、かつ全エポキシ樹脂組成物中の臭
素原子及びアンチモン原子がそれぞれ0.1重量%未満
であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、高温保管
特性、及び耐半田クラック性に優れるエポキシ樹脂組成
物及び半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体を機械的、化学的作用から保護す
るために、従来からエポキシ樹脂組成物が開発、生産さ
れてきた。この樹脂組成物に要求される項目は、半導体
の種類、封止される半導体装置の種類、使用される環境
等によって変化しつつあるが、最近では半導体装置を実
装する際にクラックが生じるという問題がある。これは
実装時の半田浴に直接浸漬される等、高温に曝されるた
め、エポキシ樹脂組成物の硬化物が吸湿していた水分が
膨張した結果、クラックが生じるというものである。こ
のためエポキシ樹脂組成物の硬化物には低吸湿、高強度
であることが求められており、これに対し無機充填材を
多く含有させることや樹脂系を選択し耐半田クラック性
を向上させる等の種々の提案がなされており、効果が認
められている。
【0003】例えば、特開平3−79370号公報に
は、フェノールアラルキル樹脂が提案されており、これ
は低吸水、高強度型樹脂としてある程度有効である。し
かし、フェノールアラルキル樹脂は、粘度が高いことに
より成形性に劣るという難点があるため、より一層低吸
水化のために、無機充填材の配合量を増量する必要があ
るが、樹脂を低分子量化して低粘度化すると、硬化性や
樹脂組成物の硬化物の強度が低下して、成形性や耐半田
クラック性が低下するという欠点があった。一方、半導
体封止用エポキシ樹脂組成物には難燃剤成分として、通
常臭素原子含有有機化合物及び三酸化、四酸化、五酸化
アンチモン等のアンチモン化合物が配合されている。し
かしながら、世界的環境保護の意識の高まりのなか、臭
素原子含有有機化合物やアンチモン化合物を使用しない
で、難燃性に優れ、環境に優しいエポキシ樹脂組成物の
要求が強くなってきている。更に半導体装置を150〜
200℃での高温で長時間保管すると、難燃剤である臭
素原子やアンチモン化合物は半導体素子の抵抗値増加や
金線の断線を引き起こすことが知られており、臭素原子
含有有機化合物やアンチモン化合物を使用しない高温保
管特性に優れるエポキシ樹脂組成物の開発が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形性、難
燃性、高温保管特性及び耐半田クラック性に優れたエポ
キシ樹脂組成物及び半導体装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、( A)エポ
キシ樹脂、(B)石油系重質油又はピッチ類とホルムア
ルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で
重縮合させたフェノール樹脂、(C)無機充填材、及び
(D)硬化促進剤を必須成分とし、(C)無機充填材が
全エポキシ樹脂組成物中の70〜85重量%で、かつ全
エポキシ樹脂組成物中に含有される臭素原子及びアンチ
モン原子がそれぞれ0.1重量%未満である半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物で
半導体素子を封止してなる半導体装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を述べる。本
発明で用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するものならば特に限定するものでは
ないが、例えばオルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニ
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ス
チルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポ
キシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキ
シ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いて
も差し支えない。特に好適に用いられるものとしては、
融点150℃以下の結晶性エポキシ樹脂が挙げられる。
融点150℃を越えると、溶融混練時に十分に融解せず
均一分散できないので、得られた樹脂組成物の成形品は
不均一となり、強度が各部分によって異なるために半導
体装置の性能が低下するので好ましくない。これらの条
件を満たす結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、一般
式(1)のビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(2)の
ビスフェノール型エポキシ樹脂、一般式(3)のスチル
ベン型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0007】
【化4】 (式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは
同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整数)
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】 (式中のR4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
で、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R5
炭素数1〜6のアルキル基で、それらは同一もしくは異
なっていてもよい。mは0〜4の整数)
【0010】本発明で用いる石油系重質油又はピッチ類
とホルムアルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒
の存在下で重縮合させたフェノール樹脂は、低粘度、低
吸水性という特性を有している。このフェノール樹脂に
ついては、例えば、特開平7−252339号公報、特
開平9−216927号公報に詳細に開示されている。
石油系重質油、ピッチ類は、粘調な液体で、比較的安価
な原料である。用いるホルムアルデヒド重縮合物として
は、パラホルムアルデヒド等の線状重合物、トリオキサ
ン等の塊状重合物が挙げられる。フェノール類として
は、フェノール、ビスフェノールA等が挙げられ、これ
らは単独でも混合して用いてもよい。重合工程では、酸
触媒、ブレンステッド酸としてトルエンスルホン酸、塩
酸等が用いられる。
【0011】本発明に用いるフェノール樹脂の特性とし
ては、軟化点60〜120℃が好ましい。軟化点が60
℃未満だと樹脂の取り扱い作業性に難点があり、120
℃を越えると樹脂組成物の流動性が劣るため、無機充填
材の高充填化ができなくなるおそれがある。又水酸基当
量としては好ましくは150以上がよい。低吸水化と難
燃性の向上のためには水酸基当量を大きくする必要があ
るが、このフェノール樹脂は硬化性に優れており、ある
程度水酸基当量が大きくても硬化性の点では問題なく、
このことによりフェノール樹脂中の多環芳香族系が多く
なり、その結果、燃焼時成形品表面上にチャーが生成し
易くなり、酸素遮断効果による難燃性が期待できる。従
って、このフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂組成物に通常配合されている臭素原子
含有有機化合物、酸化アンチモン化合物等の難燃剤、及
び難燃助剤を配合しなくとも難燃性を維持できる特徴が
ある。
【0012】本発明に用いられるフェノール樹脂の特性
が損なわない範囲で、他のフェノール樹脂と併用しても
よいが、低吸水性や難燃性を最大限に引き出すために
は、本発明に用いるフェノール樹脂は、全フェノール樹
脂量に対して30重量%以上、好ましくは50重量%以
上の使用が望ましい。30重量%未満だと低吸水化や難
燃性向上といった本発明に用いるフェノール樹脂の特徴
が得られないおそれがある。併用するフェノール樹脂と
しては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等が挙げられ、こ
れらは単独でも混合して用いてもよい。本発明に用いら
れる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂の
フェノール性水酸基の当量比は、好ましくは0.5〜2
であり、特に0.7〜1.5がより好ましい。0.5〜
2の範囲を外れると、耐湿性、硬化性等が低下するので
好ましくない。本発明に用いられる硬化促進剤は、エポ
キシ基とフェノール性水酸基の反応を促進するものであ
れば特に限定はしないが、例えば、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホス
フィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニル
ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香
酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフ
トイックアシッドボレート等が挙げられ、これらは単独
でも混合して用いてもよい。
【0013】本発明に用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材に用いられている
無機充填材を使用することができる。例えば、溶融シリ
カ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホ
ワイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。無機充填
材の形状は、破砕状でも球状でも問題ない。又これらの
無機充填材は単独でも混合して用いてもよい。なお、一
般的には、流動特性、機械強度及び熱的特性のバランス
に優れた溶融シリカの使用が好ましい。無機充填材の含
有量は、全エポキシ樹脂組成物中70〜85重量%が好
ましい。無機充填材が70重量%未満だと低熱膨張化、
低吸水化が得られず、耐半田ストレス性が不十分とな
る。無機充填材が85重量%を越えると、本発明に用い
るフェノール樹脂の配合比率が低くなるため、燃焼時に
多環芳香族系によるチャーの生成が不十分となり難燃効
果が弱くなるため難燃試験において燃焼し易くなる。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じてエポキシシラン等のシラ
ンカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、酸化
ビスマス水和物等の無機イオン交換体、シリコーンオイ
ル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合
成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラ
フィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合す
ることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、
(A)〜(D)成分及びその他の添加剤等をミキサーを
用いて常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装
置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレ
ッションモールド、インジェクションモールド等の従来
からの成形方法で硬化成形すればよい。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。配合単位は重量部とす
る。 実施例1 ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製・YX4000H、 融点105℃、エポキシ当量195g/eq、以下E−1という) 10.4重量部 石油系重質油とホルムアルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下 で重縮合させたフェノール樹脂(軟化点80℃、水酸基当量145g/eq、I CI粘度1.8ポイズ/150℃、以下H−1という) 7.6重量部 溶融球状シリカ(平均粒径15μm) 79.0重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUという) 0.3重量部 カーボンブラック 0.3重量部 酸化ビスマス水和物 1.0重量部 カルナバワックス 0.4重量部 エポキシシランカップリング剤 0.5重量部 シリコーンオイル 0.5重量部
【化7】
【0016】を常温でミキサーを用いて混合した後、二
軸ロールを用いて混練し、冷却後粉砕し、樹脂組成物を
得た。得られた樹脂組成物を以下の方法で評価した。結
果を表1に示す。 評価方法 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準拠した金
型を用いて、金型温度175℃、注入圧力70kg/c
2、硬化時間2分で測定した。単位はcm。・キュラ
ストメーターのトルク値:キュラストメーターV型
((株)オリエンテック・製)を用い、35φのダイ
ス、振幅角1度、成形温度175℃で測定した。90秒
後のトルク値を測定し、硬化性を評価した。 ・難燃性:3.2mm厚と1.6mm厚の成形品を調製
し、UL−94に従い燃焼試験を行った。 ・耐半田クラック性:低圧トランスファー成形機を用
い、成形温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬
化時間120秒で、80pQFP(パッケージサイズ1
4×20×2.7mm、チップサイズ9mm×9mm)
を成形し、175℃、8時間のポストキュアを行った
後、6個のパッケージを85℃、相対湿度65%で16
8時間吸湿させた後、240℃のIRリフロー処理を行
い、パッケージクラック個数を超音波探傷機で観察し
た。クラックの生じたパッケージがn個であるとき、n
/6と表示する。 ・高温保管特性:模擬素子を25μm径の金線で配線し
た16ピンSOPパッケージ成形品を185℃の恒温槽
で処理し、一定時間ごとピン間の抵抗値を測定した。初
期の抵抗値から10%抵抗値が増大したパッケージ数が
15個中8個以上になった恒温槽処理時間を高温保管特
性として表示した。この時間が長いと、高温安定性に優
れていることを示す。
【0017】実施例2〜6、比較例1〜5 表1の処方に従って配合し、実施例1と同様にして樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。他の実施例、比較例に用いたエポキシ樹脂
(融点118℃、エポキシ当量245g/eq、以下E
−2という)及びフェノール樹脂(軟化点65℃、水酸
基当量175g/e、以下H−3という)の構造を下記
に示す。なお、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(以下E−3という)は、軟化点55℃、エポキシ
当量196、石油系重質油とホルムアルデヒド重縮合物
とフェノール類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェ
ノール樹脂(以下H−2という)は、軟化点80℃、水
酸基当量165g/eq、ICI粘度1.2ポイズ/1
50℃、フェノールノホラック樹脂(以下H−4とい
う)は、軟化点85℃、水酸基当量105g/eq、臭
素化エポキシ樹脂は、融点60℃、エポキシ当量35
9、臭素含有量48%である。比較例3の全エポキシ樹
脂組成物中の臭素原子は、0.24重量%、アンチモン
原子は、0.8重量%である。
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性
に優れ、これを用いた半導体装置は難燃性、高温保管特
性、耐半田クラック性に優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)石油系重質
    油又はピッチ類とホルムアルデヒド重縮合物とフェノー
    ル類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェノール樹
    脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成
    分とし、(C)無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中の
    70〜85重量%で、かつ全エポキシ樹脂組成物中の臭
    素原子及びアンチモン原子がそれぞれ0.1重量%未満
    であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、一般式(1)、一般式
    (2)又は一般式(3)から選ばれる1種以上である請
    求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは
    同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整数) 【化2】 【化3】 (式中のR4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
    で、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R5
    炭素数1〜6のアルキル基で、それらは同一もしくは異
    なっていてもよい。mは0〜4の整数)
  3. 【請求項3】 石油系重質油又はピッチ類とホルムアル
    デヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で重
    縮合させたフェノール樹脂が、水酸基当量150以上で
    ある請求項1、又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のいずれかのエポキシ
    樹脂組成物で半導体素子を封止してなることを特徴とす
    る半導体装置。
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