JP2001226462A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形性、難燃性、高温保管特性、及び耐半田
クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)石油系重質
油又はピッチ類とホルムアルデヒド重縮合物とフェノー
ル類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェノール樹
脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成
分とし、(C)無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中の
70〜85重量%で、かつ全エポキシ樹脂組成物中の臭
素原子及びアンチモン原子がそれぞれ0.1重量%未満
であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。
クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)石油系重質
油又はピッチ類とホルムアルデヒド重縮合物とフェノー
ル類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェノール樹
脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成
分とし、(C)無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中の
70〜85重量%で、かつ全エポキシ樹脂組成物中の臭
素原子及びアンチモン原子がそれぞれ0.1重量%未満
であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、高温保管
特性、及び耐半田クラック性に優れるエポキシ樹脂組成
物及び半導体装置に関するものである。
特性、及び耐半田クラック性に優れるエポキシ樹脂組成
物及び半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体を機械的、化学的作用から保護す
るために、従来からエポキシ樹脂組成物が開発、生産さ
れてきた。この樹脂組成物に要求される項目は、半導体
の種類、封止される半導体装置の種類、使用される環境
等によって変化しつつあるが、最近では半導体装置を実
装する際にクラックが生じるという問題がある。これは
実装時の半田浴に直接浸漬される等、高温に曝されるた
め、エポキシ樹脂組成物の硬化物が吸湿していた水分が
膨張した結果、クラックが生じるというものである。こ
のためエポキシ樹脂組成物の硬化物には低吸湿、高強度
であることが求められており、これに対し無機充填材を
多く含有させることや樹脂系を選択し耐半田クラック性
を向上させる等の種々の提案がなされており、効果が認
められている。
るために、従来からエポキシ樹脂組成物が開発、生産さ
れてきた。この樹脂組成物に要求される項目は、半導体
の種類、封止される半導体装置の種類、使用される環境
等によって変化しつつあるが、最近では半導体装置を実
装する際にクラックが生じるという問題がある。これは
実装時の半田浴に直接浸漬される等、高温に曝されるた
め、エポキシ樹脂組成物の硬化物が吸湿していた水分が
膨張した結果、クラックが生じるというものである。こ
のためエポキシ樹脂組成物の硬化物には低吸湿、高強度
であることが求められており、これに対し無機充填材を
多く含有させることや樹脂系を選択し耐半田クラック性
を向上させる等の種々の提案がなされており、効果が認
められている。
【0003】例えば、特開平3−79370号公報に
は、フェノールアラルキル樹脂が提案されており、これ
は低吸水、高強度型樹脂としてある程度有効である。し
かし、フェノールアラルキル樹脂は、粘度が高いことに
より成形性に劣るという難点があるため、より一層低吸
水化のために、無機充填材の配合量を増量する必要があ
るが、樹脂を低分子量化して低粘度化すると、硬化性や
樹脂組成物の硬化物の強度が低下して、成形性や耐半田
クラック性が低下するという欠点があった。一方、半導
体封止用エポキシ樹脂組成物には難燃剤成分として、通
常臭素原子含有有機化合物及び三酸化、四酸化、五酸化
アンチモン等のアンチモン化合物が配合されている。し
かしながら、世界的環境保護の意識の高まりのなか、臭
素原子含有有機化合物やアンチモン化合物を使用しない
で、難燃性に優れ、環境に優しいエポキシ樹脂組成物の
要求が強くなってきている。更に半導体装置を150〜
200℃での高温で長時間保管すると、難燃剤である臭
素原子やアンチモン化合物は半導体素子の抵抗値増加や
金線の断線を引き起こすことが知られており、臭素原子
含有有機化合物やアンチモン化合物を使用しない高温保
管特性に優れるエポキシ樹脂組成物の開発が望まれてい
る。
は、フェノールアラルキル樹脂が提案されており、これ
は低吸水、高強度型樹脂としてある程度有効である。し
かし、フェノールアラルキル樹脂は、粘度が高いことに
より成形性に劣るという難点があるため、より一層低吸
水化のために、無機充填材の配合量を増量する必要があ
るが、樹脂を低分子量化して低粘度化すると、硬化性や
樹脂組成物の硬化物の強度が低下して、成形性や耐半田
クラック性が低下するという欠点があった。一方、半導
体封止用エポキシ樹脂組成物には難燃剤成分として、通
常臭素原子含有有機化合物及び三酸化、四酸化、五酸化
アンチモン等のアンチモン化合物が配合されている。し
かしながら、世界的環境保護の意識の高まりのなか、臭
素原子含有有機化合物やアンチモン化合物を使用しない
で、難燃性に優れ、環境に優しいエポキシ樹脂組成物の
要求が強くなってきている。更に半導体装置を150〜
200℃での高温で長時間保管すると、難燃剤である臭
素原子やアンチモン化合物は半導体素子の抵抗値増加や
金線の断線を引き起こすことが知られており、臭素原子
含有有機化合物やアンチモン化合物を使用しない高温保
管特性に優れるエポキシ樹脂組成物の開発が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形性、難
燃性、高温保管特性及び耐半田クラック性に優れたエポ
キシ樹脂組成物及び半導体装置を提供するものである。
燃性、高温保管特性及び耐半田クラック性に優れたエポ
キシ樹脂組成物及び半導体装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、( A)エポ
キシ樹脂、(B)石油系重質油又はピッチ類とホルムア
ルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で
重縮合させたフェノール樹脂、(C)無機充填材、及び
(D)硬化促進剤を必須成分とし、(C)無機充填材が
全エポキシ樹脂組成物中の70〜85重量%で、かつ全
エポキシ樹脂組成物中に含有される臭素原子及びアンチ
モン原子がそれぞれ0.1重量%未満である半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物で
半導体素子を封止してなる半導体装置である。
キシ樹脂、(B)石油系重質油又はピッチ類とホルムア
ルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で
重縮合させたフェノール樹脂、(C)無機充填材、及び
(D)硬化促進剤を必須成分とし、(C)無機充填材が
全エポキシ樹脂組成物中の70〜85重量%で、かつ全
エポキシ樹脂組成物中に含有される臭素原子及びアンチ
モン原子がそれぞれ0.1重量%未満である半導体封止
用エポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物で
半導体素子を封止してなる半導体装置である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を述べる。本
発明で用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するものならば特に限定するものでは
ないが、例えばオルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニ
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ス
チルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポ
キシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキ
シ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いて
も差し支えない。特に好適に用いられるものとしては、
融点150℃以下の結晶性エポキシ樹脂が挙げられる。
融点150℃を越えると、溶融混練時に十分に融解せず
均一分散できないので、得られた樹脂組成物の成形品は
不均一となり、強度が各部分によって異なるために半導
体装置の性能が低下するので好ましくない。これらの条
件を満たす結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、一般
式(1)のビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(2)の
ビスフェノール型エポキシ樹脂、一般式(3)のスチル
ベン型エポキシ樹脂が挙げられる。
発明で用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するものならば特に限定するものでは
ないが、例えばオルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニ
ル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ス
チルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポ
キシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキ
シ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いて
も差し支えない。特に好適に用いられるものとしては、
融点150℃以下の結晶性エポキシ樹脂が挙げられる。
融点150℃を越えると、溶融混練時に十分に融解せず
均一分散できないので、得られた樹脂組成物の成形品は
不均一となり、強度が各部分によって異なるために半導
体装置の性能が低下するので好ましくない。これらの条
件を満たす結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、一般
式(1)のビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(2)の
ビスフェノール型エポキシ樹脂、一般式(3)のスチル
ベン型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0007】
【化4】 (式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは
同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整数)
同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整数)
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】 (式中のR4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
で、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R5は
炭素数1〜6のアルキル基で、それらは同一もしくは異
なっていてもよい。mは0〜4の整数)
で、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R5は
炭素数1〜6のアルキル基で、それらは同一もしくは異
なっていてもよい。mは0〜4の整数)
【0010】本発明で用いる石油系重質油又はピッチ類
とホルムアルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒
の存在下で重縮合させたフェノール樹脂は、低粘度、低
吸水性という特性を有している。このフェノール樹脂に
ついては、例えば、特開平7−252339号公報、特
開平9−216927号公報に詳細に開示されている。
石油系重質油、ピッチ類は、粘調な液体で、比較的安価
な原料である。用いるホルムアルデヒド重縮合物として
は、パラホルムアルデヒド等の線状重合物、トリオキサ
ン等の塊状重合物が挙げられる。フェノール類として
は、フェノール、ビスフェノールA等が挙げられ、これ
らは単独でも混合して用いてもよい。重合工程では、酸
触媒、ブレンステッド酸としてトルエンスルホン酸、塩
酸等が用いられる。
とホルムアルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒
の存在下で重縮合させたフェノール樹脂は、低粘度、低
吸水性という特性を有している。このフェノール樹脂に
ついては、例えば、特開平7−252339号公報、特
開平9−216927号公報に詳細に開示されている。
石油系重質油、ピッチ類は、粘調な液体で、比較的安価
な原料である。用いるホルムアルデヒド重縮合物として
は、パラホルムアルデヒド等の線状重合物、トリオキサ
ン等の塊状重合物が挙げられる。フェノール類として
は、フェノール、ビスフェノールA等が挙げられ、これ
らは単独でも混合して用いてもよい。重合工程では、酸
触媒、ブレンステッド酸としてトルエンスルホン酸、塩
酸等が用いられる。
【0011】本発明に用いるフェノール樹脂の特性とし
ては、軟化点60〜120℃が好ましい。軟化点が60
℃未満だと樹脂の取り扱い作業性に難点があり、120
℃を越えると樹脂組成物の流動性が劣るため、無機充填
材の高充填化ができなくなるおそれがある。又水酸基当
量としては好ましくは150以上がよい。低吸水化と難
燃性の向上のためには水酸基当量を大きくする必要があ
るが、このフェノール樹脂は硬化性に優れており、ある
程度水酸基当量が大きくても硬化性の点では問題なく、
このことによりフェノール樹脂中の多環芳香族系が多く
なり、その結果、燃焼時成形品表面上にチャーが生成し
易くなり、酸素遮断効果による難燃性が期待できる。従
って、このフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂組成物に通常配合されている臭素原子
含有有機化合物、酸化アンチモン化合物等の難燃剤、及
び難燃助剤を配合しなくとも難燃性を維持できる特徴が
ある。
ては、軟化点60〜120℃が好ましい。軟化点が60
℃未満だと樹脂の取り扱い作業性に難点があり、120
℃を越えると樹脂組成物の流動性が劣るため、無機充填
材の高充填化ができなくなるおそれがある。又水酸基当
量としては好ましくは150以上がよい。低吸水化と難
燃性の向上のためには水酸基当量を大きくする必要があ
るが、このフェノール樹脂は硬化性に優れており、ある
程度水酸基当量が大きくても硬化性の点では問題なく、
このことによりフェノール樹脂中の多環芳香族系が多く
なり、その結果、燃焼時成形品表面上にチャーが生成し
易くなり、酸素遮断効果による難燃性が期待できる。従
って、このフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂組成物に通常配合されている臭素原子
含有有機化合物、酸化アンチモン化合物等の難燃剤、及
び難燃助剤を配合しなくとも難燃性を維持できる特徴が
ある。
【0012】本発明に用いられるフェノール樹脂の特性
が損なわない範囲で、他のフェノール樹脂と併用しても
よいが、低吸水性や難燃性を最大限に引き出すために
は、本発明に用いるフェノール樹脂は、全フェノール樹
脂量に対して30重量%以上、好ましくは50重量%以
上の使用が望ましい。30重量%未満だと低吸水化や難
燃性向上といった本発明に用いるフェノール樹脂の特徴
が得られないおそれがある。併用するフェノール樹脂と
しては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等が挙げられ、こ
れらは単独でも混合して用いてもよい。本発明に用いら
れる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂の
フェノール性水酸基の当量比は、好ましくは0.5〜2
であり、特に0.7〜1.5がより好ましい。0.5〜
2の範囲を外れると、耐湿性、硬化性等が低下するので
好ましくない。本発明に用いられる硬化促進剤は、エポ
キシ基とフェノール性水酸基の反応を促進するものであ
れば特に限定はしないが、例えば、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホス
フィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニル
ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香
酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフ
トイックアシッドボレート等が挙げられ、これらは単独
でも混合して用いてもよい。
が損なわない範囲で、他のフェノール樹脂と併用しても
よいが、低吸水性や難燃性を最大限に引き出すために
は、本発明に用いるフェノール樹脂は、全フェノール樹
脂量に対して30重量%以上、好ましくは50重量%以
上の使用が望ましい。30重量%未満だと低吸水化や難
燃性向上といった本発明に用いるフェノール樹脂の特徴
が得られないおそれがある。併用するフェノール樹脂と
しては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノー
ル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂等が挙げられ、こ
れらは単独でも混合して用いてもよい。本発明に用いら
れる全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂の
フェノール性水酸基の当量比は、好ましくは0.5〜2
であり、特に0.7〜1.5がより好ましい。0.5〜
2の範囲を外れると、耐湿性、硬化性等が低下するので
好ましくない。本発明に用いられる硬化促進剤は、エポ
キシ基とフェノール性水酸基の反応を促進するものであ
れば特に限定はしないが、例えば、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホス
フィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニル
ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ安息香
酸ボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフ
トイックアシッドボレート等が挙げられ、これらは単独
でも混合して用いてもよい。
【0013】本発明に用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材に用いられている
無機充填材を使用することができる。例えば、溶融シリ
カ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホ
ワイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。無機充填
材の形状は、破砕状でも球状でも問題ない。又これらの
無機充填材は単独でも混合して用いてもよい。なお、一
般的には、流動特性、機械強度及び熱的特性のバランス
に優れた溶融シリカの使用が好ましい。無機充填材の含
有量は、全エポキシ樹脂組成物中70〜85重量%が好
ましい。無機充填材が70重量%未満だと低熱膨張化、
低吸水化が得られず、耐半田ストレス性が不十分とな
る。無機充填材が85重量%を越えると、本発明に用い
るフェノール樹脂の配合比率が低くなるため、燃焼時に
多環芳香族系によるチャーの生成が不十分となり難燃効
果が弱くなるため難燃試験において燃焼し易くなる。
いては特に制限はなく、一般に封止材に用いられている
無機充填材を使用することができる。例えば、溶融シリ
カ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、アルミナ、チタンホ
ワイト、水酸化アルミニウム等が挙げられる。無機充填
材の形状は、破砕状でも球状でも問題ない。又これらの
無機充填材は単独でも混合して用いてもよい。なお、一
般的には、流動特性、機械強度及び熱的特性のバランス
に優れた溶融シリカの使用が好ましい。無機充填材の含
有量は、全エポキシ樹脂組成物中70〜85重量%が好
ましい。無機充填材が70重量%未満だと低熱膨張化、
低吸水化が得られず、耐半田ストレス性が不十分とな
る。無機充填材が85重量%を越えると、本発明に用い
るフェノール樹脂の配合比率が低くなるため、燃焼時に
多環芳香族系によるチャーの生成が不十分となり難燃効
果が弱くなるため難燃試験において燃焼し易くなる。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じてエポキシシラン等のシラ
ンカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、酸化
ビスマス水和物等の無機イオン交換体、シリコーンオイ
ル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合
成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラ
フィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合す
ることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、
(A)〜(D)成分及びその他の添加剤等をミキサーを
用いて常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装
置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレ
ッションモールド、インジェクションモールド等の従来
からの成形方法で硬化成形すればよい。
(D)成分の他、必要に応じてエポキシシラン等のシラ
ンカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、酸化
ビスマス水和物等の無機イオン交換体、シリコーンオイ
ル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合
成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラ
フィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合す
ることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、
(A)〜(D)成分及びその他の添加剤等をミキサーを
用いて常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練
し、冷却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂組
成物を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装
置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレ
ッションモールド、インジェクションモールド等の従来
からの成形方法で硬化成形すればよい。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。配合単位は重量部とす
る。 実施例1 ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製・YX4000H、 融点105℃、エポキシ当量195g/eq、以下E−1という) 10.4重量部 石油系重質油とホルムアルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下 で重縮合させたフェノール樹脂(軟化点80℃、水酸基当量145g/eq、I CI粘度1.8ポイズ/150℃、以下H−1という) 7.6重量部 溶融球状シリカ(平均粒径15μm) 79.0重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUという) 0.3重量部 カーボンブラック 0.3重量部 酸化ビスマス水和物 1.0重量部 カルナバワックス 0.4重量部 エポキシシランカップリング剤 0.5重量部 シリコーンオイル 0.5重量部
れらに限定されるものではない。配合単位は重量部とす
る。 実施例1 ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製・YX4000H、 融点105℃、エポキシ当量195g/eq、以下E−1という) 10.4重量部 石油系重質油とホルムアルデヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下 で重縮合させたフェノール樹脂(軟化点80℃、水酸基当量145g/eq、I CI粘度1.8ポイズ/150℃、以下H−1という) 7.6重量部 溶融球状シリカ(平均粒径15μm) 79.0重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUという) 0.3重量部 カーボンブラック 0.3重量部 酸化ビスマス水和物 1.0重量部 カルナバワックス 0.4重量部 エポキシシランカップリング剤 0.5重量部 シリコーンオイル 0.5重量部
【化7】
【0016】を常温でミキサーを用いて混合した後、二
軸ロールを用いて混練し、冷却後粉砕し、樹脂組成物を
得た。得られた樹脂組成物を以下の方法で評価した。結
果を表1に示す。 評価方法 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準拠した金
型を用いて、金型温度175℃、注入圧力70kg/c
m2、硬化時間2分で測定した。単位はcm。・キュラ
ストメーターのトルク値:キュラストメーターV型
((株)オリエンテック・製)を用い、35φのダイ
ス、振幅角1度、成形温度175℃で測定した。90秒
後のトルク値を測定し、硬化性を評価した。 ・難燃性:3.2mm厚と1.6mm厚の成形品を調製
し、UL−94に従い燃焼試験を行った。 ・耐半田クラック性:低圧トランスファー成形機を用
い、成形温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬
化時間120秒で、80pQFP(パッケージサイズ1
4×20×2.7mm、チップサイズ9mm×9mm)
を成形し、175℃、8時間のポストキュアを行った
後、6個のパッケージを85℃、相対湿度65%で16
8時間吸湿させた後、240℃のIRリフロー処理を行
い、パッケージクラック個数を超音波探傷機で観察し
た。クラックの生じたパッケージがn個であるとき、n
/6と表示する。 ・高温保管特性:模擬素子を25μm径の金線で配線し
た16ピンSOPパッケージ成形品を185℃の恒温槽
で処理し、一定時間ごとピン間の抵抗値を測定した。初
期の抵抗値から10%抵抗値が増大したパッケージ数が
15個中8個以上になった恒温槽処理時間を高温保管特
性として表示した。この時間が長いと、高温安定性に優
れていることを示す。
軸ロールを用いて混練し、冷却後粉砕し、樹脂組成物を
得た。得られた樹脂組成物を以下の方法で評価した。結
果を表1に示す。 評価方法 ・スパイラルフロー:EMMI−1−66に準拠した金
型を用いて、金型温度175℃、注入圧力70kg/c
m2、硬化時間2分で測定した。単位はcm。・キュラ
ストメーターのトルク値:キュラストメーターV型
((株)オリエンテック・製)を用い、35φのダイ
ス、振幅角1度、成形温度175℃で測定した。90秒
後のトルク値を測定し、硬化性を評価した。 ・難燃性:3.2mm厚と1.6mm厚の成形品を調製
し、UL−94に従い燃焼試験を行った。 ・耐半田クラック性:低圧トランスファー成形機を用
い、成形温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬
化時間120秒で、80pQFP(パッケージサイズ1
4×20×2.7mm、チップサイズ9mm×9mm)
を成形し、175℃、8時間のポストキュアを行った
後、6個のパッケージを85℃、相対湿度65%で16
8時間吸湿させた後、240℃のIRリフロー処理を行
い、パッケージクラック個数を超音波探傷機で観察し
た。クラックの生じたパッケージがn個であるとき、n
/6と表示する。 ・高温保管特性:模擬素子を25μm径の金線で配線し
た16ピンSOPパッケージ成形品を185℃の恒温槽
で処理し、一定時間ごとピン間の抵抗値を測定した。初
期の抵抗値から10%抵抗値が増大したパッケージ数が
15個中8個以上になった恒温槽処理時間を高温保管特
性として表示した。この時間が長いと、高温安定性に優
れていることを示す。
【0017】実施例2〜6、比較例1〜5 表1の処方に従って配合し、実施例1と同様にして樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。他の実施例、比較例に用いたエポキシ樹脂
(融点118℃、エポキシ当量245g/eq、以下E
−2という)及びフェノール樹脂(軟化点65℃、水酸
基当量175g/e、以下H−3という)の構造を下記
に示す。なお、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(以下E−3という)は、軟化点55℃、エポキシ
当量196、石油系重質油とホルムアルデヒド重縮合物
とフェノール類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェ
ノール樹脂(以下H−2という)は、軟化点80℃、水
酸基当量165g/eq、ICI粘度1.2ポイズ/1
50℃、フェノールノホラック樹脂(以下H−4とい
う)は、軟化点85℃、水酸基当量105g/eq、臭
素化エポキシ樹脂は、融点60℃、エポキシ当量35
9、臭素含有量48%である。比較例3の全エポキシ樹
脂組成物中の臭素原子は、0.24重量%、アンチモン
原子は、0.8重量%である。
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。他の実施例、比較例に用いたエポキシ樹脂
(融点118℃、エポキシ当量245g/eq、以下E
−2という)及びフェノール樹脂(軟化点65℃、水酸
基当量175g/e、以下H−3という)の構造を下記
に示す。なお、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(以下E−3という)は、軟化点55℃、エポキシ
当量196、石油系重質油とホルムアルデヒド重縮合物
とフェノール類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェ
ノール樹脂(以下H−2という)は、軟化点80℃、水
酸基当量165g/eq、ICI粘度1.2ポイズ/1
50℃、フェノールノホラック樹脂(以下H−4とい
う)は、軟化点85℃、水酸基当量105g/eq、臭
素化エポキシ樹脂は、融点60℃、エポキシ当量35
9、臭素含有量48%である。比較例3の全エポキシ樹
脂組成物中の臭素原子は、0.24重量%、アンチモン
原子は、0.8重量%である。
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性
に優れ、これを用いた半導体装置は難燃性、高温保管特
性、耐半田クラック性に優れている。
に優れ、これを用いた半導体装置は難燃性、高温保管特
性、耐半田クラック性に優れている。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)石油系重質
油又はピッチ類とホルムアルデヒド重縮合物とフェノー
ル類とを酸触媒の存在下で重縮合させたフェノール樹
脂、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を必須成
分とし、(C)無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中の
70〜85重量%で、かつ全エポキシ樹脂組成物中の臭
素原子及びアンチモン原子がそれぞれ0.1重量%未満
であることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項2】 エポキシ樹脂が、一般式(1)、一般式
(2)又は一般式(3)から選ばれる1種以上である請
求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中のR1は炭素数1〜6のアルキル基で、それらは
同一もしくは異なっていてもよい。mは0〜4の整数) 【化2】 【化3】 (式中のR4は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基
で、それらは同一もしくは異なっていてもよい。R5は
炭素数1〜6のアルキル基で、それらは同一もしくは異
なっていてもよい。mは0〜4の整数) - 【請求項3】 石油系重質油又はピッチ類とホルムアル
デヒド重縮合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で重
縮合させたフェノール樹脂が、水酸基当量150以上で
ある請求項1、又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載のいずれかのエポキシ
樹脂組成物で半導体素子を封止してなることを特徴とす
る半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000039288A JP2001226462A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000039288A JP2001226462A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001226462A true JP2001226462A (ja) | 2001-08-21 |
Family
ID=18562874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000039288A Pending JP2001226462A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001226462A (ja) |
-
2000
- 2000-02-17 JP JP2000039288A patent/JP2001226462A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061102 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090602 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091104 |