JP2001226363A - 光学活性1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの製造法 - Google Patents

光学活性1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの製造法

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JP2001226363A
JP2001226363A JP2000036546A JP2000036546A JP2001226363A JP 2001226363 A JP2001226363 A JP 2001226363A JP 2000036546 A JP2000036546 A JP 2000036546A JP 2000036546 A JP2000036546 A JP 2000036546A JP 2001226363 A JP2001226363 A JP 2001226363A
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Hiromasa Kiyota
洋正 清田
Akira Okazaki
亮 岡崎
Takayuki Oritani
隆之 折谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性1,2−エポキシ−2,6,6−ト
リメチルシクロヘキサンメタノールを高収率かつ高い光
学純度で、工業的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 式(1) 【化1】 で示される(±)−1,2−エポキシ−2,6,6−ト
リメチルシクロヘキサンメタノールに、不斉アシル化能
を有する酵素の存在下に酢酸エステルを作用させて式
(2) 【化2】 で示される(−)−(1S,2S)−1,2−エポキシ
−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールお
よび式(3) 【化3】 で示される(−)−(1R,2R)−1,2−エポキシ
−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメチルアセタ
ートを得、得られた(−)−(1R,2R)−1,2−
エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメチ
ルアセタートを加溶媒分解することを特徴とする式
(4) 【化4】 で示される(+)−(1R,2R)−1,2−エポキシ
−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの
製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性1,2−エ
ポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノ
ールの製造法に関する。本発明によって得られる光学活
性1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘ
キサンメタノール、例えば(+)−(1R,2R)−
1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキ
サンメタノールは、例えば植物ホルモンである光学活性
アブシジン酸と同等の活性を有するエポキシ−β−イオ
ニリデン酢酸の合成中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】光学活性1,2−エポキシ−2,6,6
−トリメチルシクロヘキサンメタノールの製造法として
は、2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセンメタ
ノールをシャープレスらの開発した不斉エポキシ化反応
に付して95%e.e.の表記化合物を得る方法[ファ
イトケミストリー(Phytochemistry)、
第22巻、1909頁(1983年)参照]が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、植物ホ
ルモン様活性の高いエポキシ−β−イオニリデン酢酸の
合成中間体となる(+)−(1R,2R)−1,2−エ
ポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノ
ールを合成するためには、高価な不斉配位子である非天
然型酒石酸エステルを用いなければならないという問題
点を有しており、必ずしも工業的に有利な製造法とは言
い難い。しかして、本発明の目的は、光学活性1,2−
エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタ
ノールを高収率かつ高い光学純度で、工業的に有利に製
造し得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、 式(1)
【0005】
【化7】
【0006】で示される(±)−1,2−エポキシ−
2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノール(以
下、アルコール(1)と略称する)に、不斉アシル化能
を有する酵素の存在下に酢酸エステルを作用させて式
(2)
【0007】
【化8】
【0008】で示される(−)−(1S,2S)−1,
2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサン
メタノール(以下、(−)−(1S,2S)−アルコー
ル(2)と略称する)および式(3)
【0009】
【化9】
【0010】で示される(−)−(1R,2R)−1,
2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサン
メチルアセタート(以下、(−)−(1R,2R)−ア
セタート(3)と略称する)を得、得られた(−)−
(1R,2R)−アセタート(3)を加溶媒分解するこ
とを特徴とする式(4)
【0011】
【化10】
【0012】で示される(+)−(1R,2R)−1,
2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサン
メタノール(以下、(+)−(1R,2R)−アルコー
ル(4)と略称する)の製造法、および アルコール(1)に、不斉アシル化能を有する酵素の
存在下に酢酸エステルを作用させることを特徴とする
(−)−(1S,2S)−アルコール(2)の製造法を
提供することにより達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、アルコール(1)に、不斉
アシル化能を有する酵素の存在下に酢酸エステルを作用
させて(−)−(1S,2S)−アルコール(2)と
(−)−(1R,2R)−アセタート(3)を得る工程
について説明する。
【0014】酢酸エステルとしては、例えば酢酸ビニ
ル、酢酸プロペニル、酢酸トリクロロエチルなどが挙げ
られる。酢酸エステルの使用量は、アルコール(1)に
対して0.5〜10当量の範囲が好ましい。
【0015】不斉アシル化能を有する酵素としては、P
seudomonas属に属する微生物が生産する酵
素、Burkholderia cepacia属に属
する微生物が生産する酵素、Mucor miehei
属に属する微生物が生産する酵素または豚膵臓に由来す
る酵素などがあり、例えば、Pseudomonas属
に属する微生物が生産する酵素であるリパーゼP(長瀬
産業製)、リパーゼP(天野製薬製)、リパーゼPS
(天野製薬製)、Burkholderia cepa
cia属に属する微生物が生産する酵素であるキラザイ
ムL−1,c.−f.(ロシュ・ダイアグノスティクス
製)、Mucor miehei属に属する微生物が生
産する酵素であるキラザイムL−9,c.−f.,C
2、豚膵臓に由来する酵素であるパンクレアチンが挙げ
られる。これらの中でも、リパーゼP(長瀬産業製)を
用いると、アルコール(1)の(1R,2R)体が優先
してアシル化されるため、(−)−(1S,2S)−ア
ルコール(2)および(−)−(1R,2R)−アセタ
ート(3)を高い光学純度で好収率で得ることができ
る。不斉アシル化能を有する酵素の使用量は、アルコー
ル(1)に対して通常0.01〜200重量%の範囲が
好ましく、0.1〜100重量%の範囲がより好まし
い。
【0016】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエー
テル;アセトニトリルなどのニトリル;アセトンなどの
ケトン;トルエン、ヘキサンなどの炭化水素などが挙げ
られる。これらの中でも、t−ブチルメチルエーテルが
特に好ましい。溶媒の使用量は、アルコール(1)に対
して通常5〜100重量倍の範囲が好ましく、10〜5
0重量倍の範囲がより好ましい。
【0017】反応温度は、0〜40℃の範囲が好まし
く、10〜30℃の範囲がより好ましい。反応時間は、
アルコール(1)と不斉アシル化能を有する酵素の使用
量比、使用する溶媒の種類などによっても異なるが、通
常1時間〜1週間の範囲である。
【0018】反応は、アルコール(1)、酢酸エステ
ル、不斉アシル化能を有する酵素および溶媒を混合し、
所定温度で撹拌することにより行うのが好ましい。反応
はバッチ方式で実施してもよいし、固定化された不斉ア
シル化能を有する酵素を用いて連続方式で実施してもよ
い。
【0019】このようにして得られた(−)−(1S,
2S)−アルコール(2)および(−)−(1R,2
R)−アセタート(3)の反応混合物からの単離は、通
常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法と同様に
して行うことができる。例えば、反応混合物から不斉ア
シル化能を有する酵素をろ別し、ろ液を濃縮して得られ
た生成物をカラムクロマトグラフィーなどで精製する。
【0020】次に、前記工程で得られた(−)−(1
R,2R)−アセタート(3)を加溶媒分解して(+)
−(1R,2R)−アルコール(4)を得る工程につい
て説明する。
【0021】加溶媒分解反応は塩基性物質、酸性物質ま
たは中性物質の共存下で行うことができる。かかる塩基
性物質としては、例えばトリエチルアミン、ヒドラジ
ン、ピリジンなどのアミン;ナトリウムメトキシド、カ
リウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシ
ド;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのア
ルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。酸性物質として
は、例えば塩酸、硫酸などのプロトン酸;四塩化チタ
ン、三フッ化ホウ素などのルイス酸が挙げられる。ま
た、中性物質としては、シアン化カリウムなどのシアン
化物が挙げられる。これらの塩基性物質、酸性物質また
は中性物質の使用量に特に制限はないが、通常(−)−
(1R,2R)−アセタート(3)に対して0.2〜2
モル倍の範囲が好ましく、0.5〜1モル倍の範囲がよ
り好ましい。
【0022】反応は、水;メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールなどのアルコール;または水と
アルコールの混合液の存在下に行う。水、アルコールま
たは水とアルコールの混合液の使用量に特に制限はない
が、通常(−)−(1R,2R)−アセタート(3)に
対して5〜300重量倍の範囲が好ましい。
【0023】反応に際しては、反応に悪影響を与えない
溶媒をさらに共存させてもよく、かかる溶媒としては、
例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの脂肪族または芳香族炭化
水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1、4−ジオキサンなどのエーテル
などが挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で使用
しても2種類以上を混合して使用してもよい。上記した
溶媒を共存させる場合、その使用量に特に制限はない
が、通常(−)−(1R,2R)−アセタート(3)に
対して1〜200重量倍の範囲が好ましい。
【0024】反応温度は0〜100℃の範囲が好まし
く、20〜50℃の範囲がより好ましい。反応時間は、
反応条件によっても異なるが、通常8時間以内の範囲で
ある。
【0025】このようにして得られた(+)−(1R,
2R)−アルコール(4)は、通常の有機化合物の単離
・精製に用いられる方法により単離・精製することがで
きる。例えば、反応液に酢酸エチル、ジエチルエーテ
ル、塩化メチレンなどの有機溶媒を加えて抽出し、抽出
液を、希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和塩化ナトリウム水溶液などで洗浄して無水硫酸マグネ
シウムなどで乾燥後、濃縮して得られる粗生成物をカラ
ムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留などで精製する。
【0026】なお、本発明の出発原料であるアルコール
(1)は、β−イオノンをオゾン、続いて水素化ホウ素
ナトリウムで処理して得られる2,6,6−トリメチル
−1−シクロヘキセンメタノール[ジャーナル オブ
オーガニック ケミストリー(J.Org.Che
m.)、第61巻、5916頁(1996年)参照]の
二重結合部分をメタクロロ過安息香酸などの酸化剤を用
いてエポキシ化することにより容易に製造できる(参考
例1参照)。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0028】参考例1 2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセンメタノー
ル(7.2g、47mmol)および炭酸水素ナトリウ
ム(1.0g、29mmol)を乾燥クロロホルム中に
懸濁して0℃に冷却し、メタクロロ過安息香酸(9.5
g、55mmol)を内温を0℃以下に保ちながら添加
し、添加終了後、20℃で5時間撹拌した。反応液をジ
エチルエーテルで希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶
液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナト
リウム水溶液で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=5/1(体積比)]で精製し、無色油
状物として、過去に報告された、相当する光学活性体と
同じIR、1H−NMRスペクトル[ジャーナル オブ
オーガニック ケミストリー(J.Org.Che
m.)、第61巻、5916頁(1996年)参照]を
示す(±)−1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチ
ルシクロヘキサンメタノール(6.5g、38mmo
l)を得た(収率82%)。
【0029】IR νmax(cm-1、film):3
450(s),2935(s),2873(m),14
56(m),1382(m),1035(m).1 H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、pp
m) δ:1.03(3H,s,6−H),1.05
(3H,s,6−Me),1.05(1H,m),1.
37(3H,s,2−Me),1.38(3H,m),
1.72(1H,m),1.89(1H,m),1.9
4(1H,t,J=4.9Hz,OH),3.67(1
H,dd,J=11.3,4.9Hz,CH2O),
3.84(1H,d,J=11.3,4.9Hz,CH
2O)
【0030】実施例1 参考例1の方法で得られた(±)−1,2−エポキシ−
2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノール(4
6mg、0.27mmol)、酢酸ビニル(40mg,
0.465mmol)およびt−ブチルメチルエーテル
(3ml)を混合し、酵素としてリパーゼP(長瀬産業
製、44mg)を加えて、20℃で4時間撹拌した。反
応液をセライトで濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、得ら
れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展
開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1(体積比)]で
精製し、無色油状物として、(−)−(1S,2S)−
1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキ
サンメタノール(19mg、0.11mmol、収率4
1%)および(−)−(1R,2R)−1,2−エポキ
シ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメチルアセ
タート(23mg、0.11mmol、収率41%)を
得た。
【0031】(−)−(1S,2S)−1,2−エポキ
シ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノール
のIR、1H−NMRスペクトルは各々対応する(±)
−体と一致した。なお、得られた化合物の鏡像体純度
は、この化合物にピリジンの存在下でp−ニトロ安息香
酸クロリドを作用させて対応するp−ニトロ安息香酸エ
ステルに誘導した後、高速液体クロマトグラフィー[カ
ラム:ChiralcelOD、φ4.6mm X 2
50mm[ダイセル化学(株)製]、溶離液:ヘキサン
/2−プロパノール=20:1(体積比)、流速0.5
ml/分、検出器:UV254nm]で分析して決定し
た。 (−)−(1S,2S)−1,2−エポキシ−2,6,
6−トリメチルシクロヘキサンメタノール;比旋光度:
[α]D=−36゜(c=0.90、CHCl3)、鏡像
体純度:95.8%e.e.
【0032】一方、上記で得られた(−)−(1R,2
R)−1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシク
ロヘキサンメチルアセタートの物性は以下のとおりであ
った。なお、鏡像体純度は、この化合物に炭酸カリウム
およびメタノールを作用させてアセタート部分をアルコ
ールに変換し、次いで得られたアルコールにピリジンの
存在下でp−ニトロ安息香酸クロリドを作用させること
により対応するp−ニトロ安息香酸エステルに誘導した
後、高速液体クロマトグラフィー[カラム:Chira
lcel OD、φ4.6mm X 250mm[ダイ
セル化学(株)製]、溶離液:ヘキサン/2−プロパノ
ール=20:1(体積比)、流速0.5ml/分、検出
器:UV254nm]で分析して決定した。 (−)−(1R,2R)−1,2−エポキシ−2,6,
6−トリメチルシクロヘキサンメチルアセタート;比旋
光度:[α]D=−18゜(c=1.1、CHCl3)、
鏡像体純度:97.2%e.e. IR νmax(cm-1、film):2935
(s),1741(s),1380(m),1365
(m),1241(s),1228(s),1035
(m)1 H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、pp
m) δ:1.05(6H,s,6−Me)1.08
(1H,m),1.34(3H,s,2−Me),1.
40(3H,m),1.70(1H,m),1.90
(1H,m),2.08(3H,s,CH3C=O),
4.01(1H,d,J=12Hz,CH2O),4.
45(1H,d,J=12Hz,CH2O) HREIMS m/z (M+)=Calcd for
12203: 212.1412、 found:
212.1409.
【0033】実施例2 実施例1の方法で得られた(−)−(1R,2R)−
1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキ
サンメチルアセタート(23mg、0.11mmo
l)、炭酸カリウム(5.0mg,0.036mmo
l)およびメタノール(5.0ml)を混合し、20℃
で4時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、メタノー
ルを留去した。残留物に水(10ml)を加え、ジエチ
ルエーテル(20ml)で抽出した。抽出液を水(10
ml)および飽和塩化ナトリウム水溶液(10ml)で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮
し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー[展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/1(体積
比)]で精製することにより、以下の物性を有する
(+)−(1R,2R)−1,2−エポキシ−2,6,
6−トリメチルシクロヘキサンメタノール(18mg、
0.11mmol)を得た(収率〜100%)。なお、
得られた(+)−(1S,2S)−1,2−エポキシ−
2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの鏡
像体純度は、(−)−(1R,2R)−1,2−エポキ
シ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノール
の鏡像体純度の分析方法と同様にして決定した。
【0034】比旋光度:[α]D=+36゜(c=0.
90、CHCl3)、鏡像体純度:97.2%e.e.
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性1,2−エポ
キシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノー
ルを高収率かつ高い光学純度で、工業的に有利に製造す
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 で示される(±)−1,2−エポキシ−2,6,6−ト
    リメチルシクロヘキサンメタノールに、不斉アシル化能
    を有する酵素の存在下に酢酸エステルを作用させて式
    (2) 【化2】 で示される(−)−(1S,2S)−1,2−エポキシ
    −2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールお
    よび式(3) 【化3】 で示される(−)−(1R,2R)−1,2−エポキシ
    −2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメチルアセタ
    ートを得、得られた(−)−(1R,2R)−1,2−
    エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメチ
    ルアセタートを加溶媒分解することを特徴とする式
    (4) 【化4】 で示される(+)−(1R,2R)−1,2−エポキシ
    −2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの
    製造法。
  2. 【請求項2】 式(1) 【化5】 で示される(±)−1,2−エポキシ−2,6,6−ト
    リメチルシクロヘキサンメタノールに、不斉アシル化能
    を有する酵素の存在下に酢酸エステルを作用させること
    を特徴とする式(2) 【化6】 で示される(−)−(1S,2S)−1,2−エポキシ
    −2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 不斉アシル化能を有する酵素が、Pse
    udomonas属に属する微生物が生産する酵素、B
    urkholderia cepacia属に属する微
    生物が生産する酵素、Mucor miehei属に属
    する微生物が生産する酵素または豚膵臓に由来する酵素
    である請求項1または2に記載の製造法。
JP2000036546A 2000-02-15 2000-02-15 光学活性1,2−エポキシ−2,6,6−トリメチルシクロヘキサンメタノールの製造法 Pending JP2001226363A (ja)

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