JP2001225205A - 床下型車輪旋盤の刃物台 - Google Patents

床下型車輪旋盤の刃物台

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JP2001225205A
JP2001225205A JP2000034569A JP2000034569A JP2001225205A JP 2001225205 A JP2001225205 A JP 2001225205A JP 2000034569 A JP2000034569 A JP 2000034569A JP 2000034569 A JP2000034569 A JP 2000034569A JP 2001225205 A JP2001225205 A JP 2001225205A
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cutting
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Fujio Machii
富士雄 町井
Hidemi Tamura
秀美 田村
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性を向上させた刃物台に複数の工具を割出
し可能に取付けて最適な切削条件で車輪を切削加工し、
切りくずを適当な長さに折断してスムーズに排出するこ
とができる床下型車輪旋盤の刃物台を提供する。 【解決手段】 刃物台5は、車輪1の下方に配設され車
輪に対してZ軸,X軸方向に移動可能な刃物台本体12
と、X軸方向に対して45度傾斜した割出し軸線を中心
に旋回割出し可能に刃物台本体12に設けられ、第1,
第2の工具9a,9bを取付け可能な工具取付け部20
が複数形成されたタレット21と、刃物台本体とタレッ
トとの間に設けられ、タレットを旋回動作させて所望の
工具9a,9bを加工位置Pに割出す割出し機構とを備
えている。所望の工具が加工位置に割出されたとき、所
望の工具は車輪部7に対して切削加工を行うとともに、
所望の工具以外の工具は、駆動ローラ6および車輪と干
渉しない位置に待避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両に組込ま
れた状態の鉄道車両用車輪(以下、車輪と記載)の切削
加工を行う床下型車輪旋盤に設けられた刃物台にかか
り、特に、複数の工具を割出し可能に取付けた刃物台に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の鉄道車両の高速化,経済規模の拡
大に伴う貨物輸送量の増加,都市部における通勤地獄解
消のための客車の数の増加などにより、鉄道車両とその
車輪は多くの場面で酷使されている。その結果、鉄道車
両工場で行われている車輪の整備は、従来にも増して自
動化を進め高能率化することが要求されている。車輪に
は狭軌用から広軌用まで各種のものがあり、その直径も
たとえば約600mmから約1,200mmまである。
車輪は鋼製であり、鉄道車両が走行することにより、線
路との接触による摩耗や剥離現象,鉄道車両の発進や停
止による摩耗,および線路の継ぎ目の衝撃などによって
次第に変形していく。車輪の踏面(線路と接触する外周
面)の変形は、騒音を大きくし乗り心地を悪くする。し
たがって、車輪がある程度変形したら、車輪旋盤により
車輪の外周を切削加工して所定の形状にし、再び車輪と
して復元しなければならない。なお、車輪旋盤で車輪を
切削加工することを「削正」ともいう。
【0003】車輪旋盤では、鉄道車両から取外した状態
の車輪を切削加工するタイプの車輪旋盤と、鉄道車両に
組込まれたままの状態の車輪を切削加工する「床下型車
輪旋盤」とが知られている。床下型車輪旋盤の場合に
は、車輪の取外しおよび取付けの作業が不要で、車輪の
整備の時間を大幅に短縮できるという利点がある。床下
型車輪旋盤は、刃物台が鉄道車両より下方に配置された
状態で、駆動ローラにより車輪を回転させながら工具で
車輪の加工部位を切削加工する。この工具は、鉄道車両
の床下の加工領域に位置し、しかも駆動ローラに近接し
た状態で車輪を切削加工するので、工具の周囲のスペー
スは極めて狭い。特公昭58−20721号公報および
特公昭61−46242号公報などには、床下型車輪旋
盤に関する技術が開示されている。各公報に示す床下型
車輪旋盤では、鉄道車両の床下の加工領域に配置された
刃物台(工具台)と駆動ローラ等との干渉を避けるため
に、刃物台には一つの工具しか取付けることができなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工具の刃先部が摩耗,
破損等すると工具交換をする必要がある。前記従来の床
下型車輪旋盤の刃物台に取付けられる工具は一つなの
で、作業者は、工具の摩耗等の度に床下の狭いスペース
で、摩耗等した工具をボルトをゆるめて取外したのち新
しい工具を取付けてボルトで締付けるという工具交換作
業を頻繁に行わなければならなかった。したがって、非
切削時間である準備作業時間が増大して車輪切削加工の
能率が低下し、また、準備作業の大部分が、床下の狭い
スペースでの面倒な工具交換作業に当てられていた。通
常、被切削面である踏面の状態に応じて、工具(チッ
プ,スローアウェイチップ,チップブレーカなど)の種
類,切削条件などが決められる。ところが、上述のよう
な従来の刃物台では、踏面の状態に応じてその都度最適
な工具に取り換えるのは容易なことではない。また、切
削条件に適する工具でないと、切削加工により流出する
切りくずが長く繋がることがある。このような現象が起
こると、切りくずがスムーズに排出されず、機械に巻き
付いたり駆動ローラに巻き込まれる恐れがある。そのた
め、切削加工中に、作業者が切りくずを引き出す作業を
行う必要があり、自動化,高能率化の妨げになってい
た。
【0005】ところで、本出願人は、一対の工具を二組
取付けられるようにした刃物台を有する車輪旋盤を提案
している(特開平9−207002号公報)。この車輪
旋盤は床下型車輪旋盤であり、刃物台は、駆動ローラ等
との干渉を防止するためにコンパクトに構成されてお
り、また、所望の工具を割出しできるようになってい
る。しかし、この車輪旋盤の刃物台よりもさらに多くの
工具を取付けることができ、刃物台等の剛性をさらに向
上させて車輪旋盤の性能の向上が図れる技術の開発が望
まれていた。
【0006】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、剛性を向上させた刃物台に複数の工
具を割出し可能に取付けて最適な切削条件で鉄道車両用
車輪を切削加工することができるとともに切りくずを適
当な長さに折断してスムーズに排出することができ、ま
た、狭いスペースでも容易に工具の交換作業ができる床
下型車輪旋盤の刃物台を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明にかかる床下型車輪旋盤の刃物台は、鉄道車
両に組込まれた状態の鉄道車両用車輪の輪軸の両端に取
付けられた一対の車輪部を駆動ローラで支持して回転駆
動しながら切削加工を行う床下型車輪旋盤に設けられた
刃物台であって、前記鉄道車両用車輪の下方に配設さ
れ、この鉄道車両用車輪に対して、前記輪軸の中心軸線
と平行な第1の方向およびこの第1の方向と直交する第
2の方向に移動可能な刃物台本体と、この第2の方向に
対して所定角度傾斜した割出し軸線を中心に旋回割出し
可能に前記刃物台本体に設けられ、前記車輪部に対して
加工を行う工具を取付け可能な工具取付け部が複数形成
されたタレットと、前記刃物台本体と前記タレットとの
間に設けられ、このタレットを旋回動作させて所望の前
記工具を加工位置に割出す割出し機構とを備え、前記所
望の工具が前記加工位置に割出されたとき、前記所望の
工具は前記車輪部に対して切削加工を行うとともに、前
記所望の工具以外の前記工具は、少なくとも前記一対の
駆動ローラおよび前記鉄道車両用車輪と干渉しない位置
に待避しているように構成されている。
【0008】前記工具取付け部には一つまたは二つの工
具保持部材が固定され、前記一つの工具保持部材の場合
には、前記車輪部の第1の加工部位を切削加工する第1
のチップまたは第1のチップが固定された第1のバイト
を前記工具保持部材に着脱可能に取付けたものを第1の
前記工具とし、前記車輪部の第2の加工部位を切削加工
する第2のチップまたは第2のチップが固定された第2
のバイトを前記工具保持部材に着脱可能に取付けたもの
を第2の前記工具とし、前記二つの工具保持部材の場合
には、前記第1のチップまたは前記第1のチップが固定
された第1のバイトを一方の前記工具保持部材に着脱可
能に取付けたものを第1の前記工具とし、前記第2のチ
ップまたは前記第2のチップが固定された第2のバイト
を他方の前記工具保持部材に着脱可能に取付けたものを
第2の前記工具とするのが好ましい。この場合の前記チ
ップには、チップ,スローアウェイチップ,チップブレ
ーカが含まれる。好ましくは、前記タレットは、前記工
具取付け部がそれぞれ形成された四角錐状斜面を有し、
前記割出し機構は、前記タレットをほぼ90度またはこ
の倍数の角度旋回させて割出す機構である。前記第2の
方向は水平面に対して垂直な方向であり、前記タレット
の前記割出し軸線は、前記第1の方向および前記第2の
方向を含む平面に対してほぼ45度傾斜しているのが好
ましい。また、前記刃物台には、前記車輪部の形状を計
測する車輪部形状計測装置が設けられ、この車輪部形状
計測装置は、前記工具取付け部に取付けられ前記車輪部
に当接したとき前記床下型車輪旋盤の数値制御装置に信
号を送出する接触検知手段と、前記数値制御装置に設け
られ、前記接触検知手段が前記車輪部に当接して前記信
号が送出されたときの前記刃物台の位置データから前記
車輪部の寸法を求める形状計測部とを有しているのが好
ましい。前記床下型車輪旋盤には、前記鉄道車両用車輪
が前記第1の方向に移動しないように規制するための規
制装置が設けられ、前記加工位置に割出された前記所望
の工具以外の前記工具は、前記規制装置とも干渉しない
位置に待避するようになっているのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
の一例を図1から図6を参照して説明する。本発明の刃
物台には、複数の工具のみを取付けることが多いが、本
実施形態では、床下型車輪旋盤の構成を簡素化するため
に、刃物台に、工具の他に車輪部形状計測装置も設けた
場合を示している。図1は、刃物台を有する床下型車輪
旋盤の要部を示す斜視図、図2は車輪部の部分拡大正面
図、図3は床下型車輪旋盤の要部を示す側面図、図4
は、図3の刃物台を拡大して示す部分断面図、図5は刃
物台の一部を示す説明図である。
【0010】図1から図4において、長時間の走行によ
り変形した車輪(鉄道車両用車輪)1は、所定の形状に
復元するために、鉄道車両に組込まれた状態で床下型車
輪旋盤(以下、旋盤と記載)2により切削加工される。
旋盤2は、数値制御装置(以下、NC装置と記載)33
により制御される。NC装置33は、車輪1を切削加工
するためのNCプログラムをNCプログラムメモリに記
憶させておき、切削作業をする場合には、所望のNCプ
ログラムをNCプログラムメモリから呼び出して旋盤2
の加工動作を制御する。旋盤2は、対向配置された一対
の加工装置3を有している。一対の加工装置3は、それ
ぞれ、車輪駆動部(図示せず)と刃物台(工具台)5を
有している。車輪駆動部は、車輪1の輪軸4の中心軸線
C1と平行な方向に左右対称に並設されており、車輪1
を駆動ローラ6により所定量持ち上げて回転駆動する。
刃物台5は、車輪1の下部の加工領域に位置して左右一
対設けられている。旋盤2は、鉄道車両に組込まれた状
態の車輪1の輪軸4の両端に取付けられた一対の車輪部
7を、駆動ローラ6で支持して矢印Bに示す方向に回転
駆動しながら刃物台5で切削加工する。加工装置3は、
旋盤2の左右中心の位置に対して左右対称な構造なの
で、右側に位置する刃物台5を図示している。加工装置
3を左右対称の構成にしたのは、左右一対の車輪部7を
ほぼ同時に切削加工するためである。
【0011】なお、輪軸中心軸線C1と平行な方向であ
る第1の方向をZ軸方向(図1のほぼ左右方向)とす
る。このZ軸方向と直交するとともに、刃物台5の第
1,第2の工具9a,9bが車輪部7をその径方向に切
込む第2の方向を、X軸方向とする。このX軸方向は、
水平面に対して垂直な方向(図3,図4の上下方向)を
向いている場合を示している。説明の便宜上、右の刃物
台5において図3および図4の右方を前方とする。車輪
部7のうち旋盤2で切削加工すべき部分は、線路に接触
する外周面である踏面30と、踏面30に連続するフラ
ンジ部31と、フランジ部31に連続する内面(すなわ
ち、端面)32である。踏面30とフランジ部31の一
部分が第1の加工部位Waであり、フランジ部31の残
り部分と内面32が第2の加工部位Wbである。車輪部
7の第1の加工部位Waは第1の工具9aにより切削加
工され、第2の加工部位Wbは第2の工具9bにより切
削加工される。第1の工具9aは、工具保持部材23
と、工具保持部材23に着脱可能に取付けられた第1の
スローアウェイチップ8aとからなっている。第2の工
具9bは、工具保持部材23と、工具保持部材23に着
脱可能に取付けられた第2のスローアウェイチップ8b
とからなっている。
【0012】たとえば、図5(A)に示すように、本実
施形態の第1,第2の工具9a、9bは、一体に形成さ
れ工具取付け部20(後述する)に固定される一つの工
具保持部材23に、第1,第2のスローアウェイチップ
8a,8bがクランプねじ等によりそれぞれ着脱可能に
クランプされて構成されている。なお、図5(B)に示
すように、第1,第2のバイト8a2,8b2を一つの工具
保持部材23cに着脱可能に取付けたものを、第1,第
2の工具9a1,9b1としてもよい。第1,第2のバイト
8a2,8b2は、第1,第2の加工部位Wa,Wbをそれ
ぞれ切削加工する第1,第2のチップまたはスローアウ
ェイチップ8a1,8b1をクランプねじ等によりそれぞれ
クランプしたクランプバイトまたはスローアウェイバイ
ト、または、第1,第2のチップをそれぞれろう付けし
た付刃バイト等である。
【0013】工具取付け部20に固定される工具保持部
材を別体にして、二つの工具保持部材としてもよい。た
とえば、図5(C),(D)には、第1の加工部位Wa
を切削加工する第1のチップまたは第1のスローアウェ
イチップを一方の工具保持部材に着脱可能に取付けたも
のを第1の工具とし、第2の加工部位Wbを切削加工す
る第2のチップまたは第2のスローアウェイチップを他
方の工具保持部材に着脱可能に取付けたものを第2の工
具とした例を示している。図5(C)に示す例では、工
具保持部材を、第1のスローアウェイチップ8aを有す
る第1の工具9a2用の第1の工具保持部材23aと、第
2のスローアウェイチップ8bを有する第2の工具9b2
用の第2の工具保持部材23bとしている。図5(D)
に示す例では、第1のバイト8a2を第1の工具保持部材
23a1に着脱可能に取付けたものを、第1の工具9a3と
している。第1のバイト8a2は、第1の加工部位Waを
切削加工する第1のチップまたはスローアウェイチップ
8a1をクランプしたクランプバイトまたはスローアウェ
イバイト、第1のチップをろう付けした付刃バイト等で
ある。また、第2のバイト8b2を第2の工具保持部材2
3b1に着脱可能に取付けたものを、第2の工具9b3とし
ている。第2のバイト8b2は、第2の加工部位Wbを切
削加工する第2のチップまたはスローアウェイチップ8
b1をクランプしたクランプバイトまたはスローアウェイ
バイト、第2のチップをろう付けした付刃バイト等であ
る。
【0014】図1から図4において、床面上には一対の
鉄道車両搬送用レール(以下、搬送用レールと記載、図
示せず)が敷設されている。搬送用レールは、旋盤2の
上部に配置され油圧シリンダ(図示せず)により駆動さ
れてスライド可能な引き込みレールを含んでいる。この
引き込みレールが掛け渡された状態で、旋盤2上を車輪
1が通過できるようになっている。車輪1は、搬送用レ
ール上を搬入方向から搬出方向に向かって移動して、旋
盤2に対して搬入,搬出される。矢印Dの方向に回転す
る駆動ローラ6は、一つの車輪部7につき一対ずつ合計
四個設けられており、車輪1を搬送用レールの引き込み
レールから僅か持ち上げた状態で、車輪1を回転駆動す
る。搬送用レール上を搬送されてきた車輪1を、搬入装
置(図示せず)により搬入位置にセットすると、車輪1
は、自動的に旋盤2に呼び込まれて駆動ローラ6により
僅かに持ち上げられ回転しながら切削加工される。車輪
1は、切削が完了すると再び搬送用レールに載せられ、
搬出装置(図示せず)により自動的に搬出位置に搬出さ
れたのち送り出される。なお、引き込みレールは、鉄道
車両(車輪1)を搬入する前に油圧シリンダにて旋盤2
上に掛け渡され、加工前に引き込まれる。
【0015】車輪1の下部では、X軸方向に延びた案内
面10が旋盤2の基台13に設けられている。案内面1
0は、旋盤2のZ軸方向中央部に対して左右に、X軸方
向に向けて配設されている。左右一対のサドル(X軸用
移動台)11が、案内面10に摺動可能に設けられてい
る。各サドル11は、基台13の下部に設けられたX軸
用駆動モータ18により、ボールねじ(図示せず)を介
して矢印Gに示すようにX軸方向にそれぞれ往復移動す
る。サドル11には、刃物台本体(Z軸用移動台)12
が摺動可能に設けられている。サドル11の前面側の上
部と下部には、一対の案内面14がそれぞれZ軸方向に
向けて平行に形成されている。刃物台本体12の後面側
の上部には摺動部15a,15b,15cが形成され、
下部には摺動部15eが形成されている。また、刃物台
本体12の上部と下部には、押え板12a,12bがボ
ルト(図示せず)によりそれぞれ固定されている。押え
板12a,12bにも、摺動部15d,15fがそれぞ
れ形成されている。
【0016】刃物台本体12と押え板12a,12bの
摺動部15a,15b,15c,15d,15e,15
fが、案内面14に対して摺動することにより、刃物台
本体12は、サドル11に案内支持されてZ軸方向に往
復移動可能になっている。なお、案内面10および案内
面14は、前記案内面14のような平形の案内面、ダブ
テール形案内面、平形案内面とダブテール形案内面の組
合せなど各種のものであってもよい。さらに、直動ころ
がり案内等のころがり案内面であってもよい。すなわ
ち、所定の方向に移動体(刃物台本体12等)を案内で
きるものであればよい。刃物台本体12の下部には、Z
軸用駆動モータ16が取付けられている。サドル11に
は、ボールねじ17のねじ軸17aがZ軸方向に向けて
取付けられている。ねじ軸17aにねじ込まれているナ
ット17bは、刃物台本体12に取付けられている。ね
じ軸17aの一端とZ軸用駆動モータ16の出力軸に
は、歯付きプーリ19a,19bがそれぞれ取付けられ
ている。歯付きプーリ19a,19b間には歯付きベル
ト19cが設けられて、歯付きプーリ・歯付きベルト機
構19が構成されている。Z軸用駆動モータ16の回転
駆動力は、歯付きプーリ・歯付きベルト機構19を介し
てねじ軸17aに伝達される。したがって、Z軸用駆動
モータ16を駆動すると、刃物台本体12は、歯付きプ
ーリ・歯付きベルト機構19とボールねじ17により、
サドル11に対してZ軸方向に往復移動する。
【0017】次に、刃物台5について説明する。左右の
刃物台は対称で同一の構造を有しているので、右側の刃
物台5を例にとって説明する。刃物台5は、刃物台本体
12とタレット21と割出し機構22とを備えている。
刃物台本体12は、車輪1に対してZ軸方向およびX軸
方向に移動可能である。タレット21は、X軸方向に対
して所定角度(角度θ)傾斜した割出し軸線C2を中心
に旋回割出し可能に、刃物台本体12に設けられてい
る。本実施形態の割出し軸線C2は、X軸方向およびZ
軸方向を含む平面に対して、上方が離れる方向に所定角
度(ここでは、ほぼ45度)傾斜している。すなわち、
刃物台5は、タレット21の平面部26等が切りくず6
5を落下させやすいような傾斜を有するように構成され
ている。タレット21には、工具取付け部20が複数
(ここでは、四つ)形成されている。工具取付け部20
は、車輪部7に対して加工を行うために、第1,第2の
スローアウェイチップ8a,8bをそれぞれ有する第
1,第2の工具9a,9bを取付けできるようになって
いる。複数の工具取付け部20には、工具保持部材23
がそれぞれ固定されている。工具保持部材23には、第
1のスローアウェイチップ8aと第2のスローアウェイ
チップ8bが、刃先部を所定の方向に向けて着脱可能に
取付けられている。第1,第2のスローアウェイチップ
8a,8bで一組をなして、工具保持部材23に装着さ
れている。第1,第2のスローアウェイチップ8a,8
bは、工具保持部材23ごとに同じ組合せでもよいが異
なる組合せであってもよい。同じ組合せであれば予備の
スローアウェイチップを有する工具となり、異なる組合
せであれば、踏面30の状態に応じた異なる種類のスロ
ーアウェイチップやチップブレーカを有する工具とな
る。
【0018】割出し機構22は、刃物台本体12とタレ
ット21との間に設けられ、タレット21を90度また
はこの倍数の角度旋回動作させて、所望のスローアウェ
イチップ8a,8bを保持している工具保持部材23
を、加工位置Pに割出す機構である。タレット21は、
四つの四角錐状斜面25を有している。工具取付け部2
0は、この四つの四角錐状斜面25にそれぞれ形成され
ており、工具取付け部20には工具保持部材23が固定
されている。四角錐状斜面25の頂部側には平面部26
が形成されているので、タレット21はほぼ四角錐台の
外形をなしている。タレット21の割出し軸線C2は、
X軸方向およびZ軸方向を含む平面に対してほぼ45度
傾斜しているが、割出し軸線C2の傾斜の角度θは45
度以外であってもよい。車輪1側に割出されて位置して
いるときの工具取付け部20の面は、本実施形態のよう
にほぼ水平であれば、スローアウェイチップ8a,8b
を保持している工具保持部材23および検知部材36
(後述する)の作成および取付け作業等が容易になるの
で好ましい。なお、車輪1側に割出されて位置している
ときの工具取付け部20の面は、水平方向に対して傾斜
している場合でもよい。
【0019】タレット21の四つの工具取付け部20の
うち三つの工具取付け部20には、それぞれ一組ずつの
第1,第2のスローアウェイチップ8a,8bを保持し
た工具保持部材23が、取付けられている。残りの一つ
の工具取付け部20には、車輪部形状計測装置35の検
知部材36が取付けられている。加工位置Pに割出され
た第1,第2のスローアウェイチップ8a,8bとその
工具保持部材23が、車輪部7を切削加工するために現
在使用される第1,第2の工具9a,9bである。加工
位置P以外に位置している工具保持部材23は、他の種
類または予備の第1,第2のスローアウェイチップ8
a,8bを保持している。なお、タレット21の四つの
四角錐状斜面25にそれぞれ工具取付け部20を形成し
た場合を示したが、タレットを、三角錐状,六角錐状な
ど多角錐状の複数の斜面を有する形状にし、この複数の
斜面に工具取付け部をそれぞれ形成する場合であっても
よい。すなわち、所定の工具を加工位置Pに位置させた
とき、他の工具取付け部に取付けられた工具が、車輪部
7,駆動ローラ6等と干渉しないような形状のタレット
であればよい。
【0020】刃物台本体12には、割出し機構22を配
設するための凹部40が、割出し軸線C2を中心として
形成されている。刃物台本体12には、割出し軸線C2
と平行な軸線C3を有する割出し用駆動モータ41が取
付けられている。タレット21は、カップリング部材5
5の外周面55aによって、割出し軸線C2のまわりに
回動可能に支持されている。タレット21の裏面側に
は、割出し用歯車44と旋回側カップリング部材47が
ボルト等で固定されている。旋回側カップリング部材4
7の端部には、旋回側カップリング歯47aが形成され
ている。割出し用駆動モータ41の出力軸45には、小
径歯車46が取付けられている。小径歯車46が割出し
用歯車44に噛み合っているので、割出し用駆動モータ
41を駆動すれば、タレット21は割出し軸線C2のま
わりに回動する。刃物台本体12の凹部40内には、割
出し軸線C2を中心とする円筒状部材48が固定されて
いる。円筒状部材48の端面側には、固定側カップリン
グ歯49が形成されている。割出し軸線C2を中心とす
る軸42は、タレット21の浮き上がり防止のための部
材であり、一端は凹部40の底部に固定されている。軸
42の他端は、タレット21を、浮き上がらないように
かつ回動可能に軸受43を介して支持している。
【0021】ほぼ円筒形の進退移動部材50が、円筒状
部材48の内周面48aと凹部40の内周面51に嵌合
している。進退移動部材50は、円筒状部材48に取付
けられた回り止め部材(図示せず)に係合して、回動動
作をせずに割出し軸線C2の方向に進退移動動作のみを
行う。進退移動部材50には、ピストン52がナット5
4によって固定されている。凹部40にはシリンダ装置
53が設けられている。シリンダ装置53を駆動する
と、ピストン52とともに進退移動部材50が、矢印E
に示すように割出し軸線C2の方向に進退移動する。進
退移動部材50の前方側端部には、円板状のカップリン
グ部材55がボルト50aにより固定されている。カッ
プリング部材55の裏面には、カップリング歯56が形
成されている。カップリング歯56は、固定側カップリ
ング歯49および旋回側カップリング歯47aの両方に
同時に係合離脱可能に噛み合うようになっている。すな
わち、固定側カップリング歯49,旋回側カップリング
歯47aと、カップリング歯56とが同時に噛み合った
とき、タレット21の回動方向の位置決めがなされる。
カップリング歯47a,49,56により、カップリン
グ部57が構成されている。カップリング部57におけ
るカップリング歯47a,49,56の噛み合いが解除
された状態で、割出し用駆動モータ41を駆動制御すれ
ば、タレット21は、出力軸45,小径歯車46および
割出し用歯車44を介して、割出し軸線C2のまわりに
90度またはこの倍数の角度旋回する。これにより、所
望のスローアウェイチップ8a,8bを有する工具保持
部材23が、加工位置Pに割出される。シリンダ装置5
3,進退移動部材50,カップリング部57,歯車4
4,46および割出し用駆動モータ41等により、割出
し機構22が構成されている。
【0022】シリンダ装置53は、ピストン52により
前室58と後室59に仕切られている。前室58と後室
59には、圧力油供給手段(図示せず)から圧力油がそ
れぞれ供給されるようになっている。タレット21が旋
回した後、前室58に圧力油を供給し、後室59を大気
圧に解放すれば、ピストン52とともに進退移動部材5
0は後方に強い力で付勢されて移動する。これにより、
カップリング部材55が後方に移動して、カップリング
部57のカップリング歯47a,49,56が噛み合
う。タレット21は、このカップリング部57および円
筒状部材48を介して、固定側である刃物台本体12に
連結されてクランプ状態になる。このように、刃物台5
において、カップリング部57のカップリング歯47
a,49,56が、タレット21の所定の旋回角度位置
で噛み合うことにより、タレット21は、割出し位置で
刃物台本体12に位置決め固定される。タレット21が
クランプ状態のときに、第1,第2のスローアウェイチ
ップ8a,8bで車輪1を切削加工する。
【0023】他の工具取付け部20にある工具保持部材
23の第1,第2のスローアウェイチップ8a,8bま
たは検知部材36を割出す場合には、シリンダ装置53
の後室59に圧力油を供給し、前室58を大気圧に解放
する。すると、進退移動部材50が前方に付勢されて、
カップリング部57のカップリング歯47a,49,5
6の噛み合いが解除されるので、タレット21はアンク
ランプ状態になって回動可能になる。次いで、割出し用
駆動モータ41を駆動して、出力軸45,小径歯車46
および割出し用歯車44を介して、タレット21を90
度またはこの倍数の角度旋回させる。すると、タレット
21は、割出し軸線C2のまわりに旋回して割出し動作
を行ったのち位置決めされる。これにより、他の第1,
第2のスローアウェイチップ8a.8bを保持する工具
保持部材23または検知部材36が、車輪部7の加工位
置Pまたは計測位置Q(図4)に割出される。その後、
圧力油の供給を前室58側に切り換えれば、進退移動部
材50とカップリング部材55は後方に付勢される。こ
れにより、前記動作と同様にして、カップリング部57
のカップリング歯47a,49,56が噛み合い状態に
なって、タレット21が、位置決めされかつ後方に付勢
されてクランプされる。このように、割出し機構22
は、圧力油の切り換えおよび割出し用駆動モータ41の
駆動により、クランプ状態からアンクランプ動作,旋回
割出し動作およびクランプ動作を順に行う。
【0024】図4は、車輪部形状計測装置35の検知部
材36が計測位置Qに割出されたときの刃物台5を示し
ている。図1および図4に示すように、刃物台5には、
車輪部7の形状を自動的に削前計測および削後計測する
ことができる車輪部形状計測装置35が設けられてい
る。車輪部形状計測装置35は、検知部材36と、信号
伝達手段37と、NC装置33内の形状計測部33aと
を有している。検知部材36の信号は、信号伝達手段3
7からインターフェース34を介してNC装置33に取
り出される。検知部材36は、四つの工具取付け部20
のうちの一つの工具取付け部20に着脱可能に取付けら
れている。タレット21を旋回割出し動作させることに
より、検知部材36も計測位置Qに割出される。検知部
材36は、タッチセンサ方式の接触子(計測センサ)3
8を有しており、車輪部7に当接したときNC装置33
に信号を送出する接触検知手段である。接触子38は、
車輪部7の第1,第2の加工部位Wa,Wbに当接する
と、後退移動動作および揺動動作の一方または両方を行
い、たとえば、電気的に閉回路を構成していたものが開
状態となる。NC装置33に設けられている形状計測部
33aは、検知部材36が車輪部7に当接して信号が送
出されたときの刃物台5の位置データから、車輪部7の
寸法を求めている。
【0025】信号伝達手段37は、固定側の刃物台本体
12と旋回側のタレット21との間に設けられ、検知部
材36が計測位置Qに割出されたとき対向して、検知部
材36が電気的に閉状態から開状態になったことを、非
接触で固定側で検出可能にしている。信号伝達手段37
は、電磁結合を利用した誘電カプラ39a,39bを有
している。一方の誘電カプラ39aはタレット21に取
付けられ、他方の誘電カプラ39bはカップリング部材
55(すなわち、刃物台本体12側)に取付けられてい
る。検知部材36が計測位置Qに割出されたとき、一方
の誘電カプラ39aは他方の誘電カプラ39bに対向す
る。したがって、検知部材36が電気的にたとえば閉状
態から開状態になったことを、誘電カプラ39a,39
bを介して固定側で検出することができる。形状計測部
33aは、検知部材36が電気的に開状態になった信号
が出力されたときの、刃物台5のX軸方向,Z軸方向の
位置データに基づいて、車輪部7の各加工部位Wa,W
bの直径値,Z軸方向位置を算出して、車輪部7の形状
を求めている。そして、この直径値等から削正寸法のデ
ータが作成される。加工前寸法,加工後削正寸法などデ
ータに基づいて、第1,第2のスローアウェイチップ8
a,8bにより車輪部7を切削加工することになる。
【0026】本実施形態では、検知部材36等を有する
車輪部形状計測装置35の計測により得られる車輪部7
の各部位の直径値は、車輪部7の所定のZ軸方向基準位
置の既知の直径値を基準として求められる。すなわち、
この基準位置の直径値は、図示しない回転ローラ,エン
コーダ等よりなる車輪直径計測装置(図示せず)によっ
て予め計測しておく。そして、車輪部形状計測装置35
により、まず最初に前記基準位置で接触子38を当接さ
せて計測し、次いで車輪部7の各部位を順次計測する。
こうして得られた基準位置における計測データと各部位
における計測データとの比較によって、基準位置の既知
の直径値に基づいて、各部位の計測データをこの各部位
の直径値に換算している。
【0027】旋盤2には、車輪1がZ軸方向に移動しな
いように規制するための規制装置60が設けられてい
る。規制装置60は旋盤2の左右に一対ずつ(合計4
個)設けられており、規制ローラ61が車輪部7の内面
32の表面を自在に転動するようになっている。規制装
置60を設けたので、車輪1はZ軸方向に位置ずれする
ことがなく、精度よく切削加工される。
【0028】上述の刃物台5において、割出し機構22
で所望の第1,第2のスローアウェイチップ8a,8b
を有する工具9a,9bを選択して加工位置Pに割出す
ことにより、この所望のスローアウェイチップ8a,8
bの工具9a,9bは、一対の駆動ローラ6の間に位置
して、車輪部7の第1,第2の加工部位Wa,Wbの全
体を切削加工する。切削加工時には、所望の工具(すな
わち、第1,第2のスローアウェイチップ8a,8bと
これを保持する工具保持部材23)以外の工具(すなわ
ち、他のスローアウェイチップ8a,8bとこれを保持
する工具保持部材23)は、一対の駆動ローラ6,車輪
1および規制装置60と干渉しない位置に待避してい
る。また、計測位置Qに割出されていないときの検知部
材36も、一対の駆動ローラ6,車輪1および規制装置
60と干渉しない位置に待避している。
【0029】次に、車輪1を切削加工する手順について
図6を参照しながら説明する。図6は、車輪1を切削加
工する手順を示すフローチャートである。図1から図4
に示すように、鉄道車両に組込まれた状態の車輪1を、
一対の駆動ローラ6で矢印Bに示すように回転させなが
ら、サドル11をX軸方向に移動させ、刃物台本体12
をZ軸方向に移動させれば、刃物台本体12は車輪1に
対してX軸方向,Z軸方向に移動する。こうして、刃物
台5をX軸方向,Z軸方向の所要位置に移動させるとと
もに、割出し機構22でタレット21を旋回割出し動作
させる。これにより、刃物台5は、第1の工具9aの第
1のスローアウェイチップ8aで車輪部7の第1の加工
部位Waを切削加工し、次いで、第2の工具9bの第2
のスローアウェイチップ8bで第2の加工部位Wbを切
削加工する。切削条件に応じて他の種類の第1,第2の
スローアウェイチップ8a,8bの工具9a,9bを選
択したいときや、使用中の工具のスローアウェイチップ
8a,8bが摩耗などにより工具寿命に達したときは、
他の種類のスローアウェイチップ8a,8bの工具9
a,9bまたは予備のスローアウェイチップ8a,8b
の工具9a,9bを順次割出して、車輪1を切削加工す
る。車輪1を切削加工する手順のNCプログラムはNC
装置33のNCプログラムメモリに予め記憶されてい
る。NC装置33は、必要なNCプログラムをNCプロ
グラムメモリから呼び出して旋盤2の加工動作を制御す
る。
【0030】図6に示すように、切削作業を開始すると
きは、まず最初に、刃物台5が待避位置に待避している
ことを検出手段(図示せず)により確認する(ステップ
101)。次に、鉄道車両を移動させ、搬送用レール上
を転がってきた切削前の車輪1を、搬入装置により搬入
させて搬入位置にセットする。このとき、駆動ローラ6
は下降位置にあり、規制装置60も待避位置にある(ス
テップ102)。駆動ローラ6を上昇させて、搬送用レ
ールの引き込みレールより車輪1を僅かに持ち上げる
(ステップ103)。次いで、輪軸4をクランプし(ス
テップ104)、引き込みレールを引き込んだ後(ステ
ップ105)、規制装置60で車輪部7の内面32をZ
軸方向に押圧する(ステップ106)。
【0031】次に、左右両方の車輪部7の形状(車輪直
径など)をほぼ同時に削前計測する。この削前計測は、
前記車輪直径計測装置(図示せず)と、左右の刃物台5
にそれぞれ取付けられた車輪部形状計測装置35とによ
り行う。また、車輪部形状計測装置35は、車輪部7の
Z軸方向の位置も計測する。すなわち、削前計測を行う
には、検知部材36を車輪部7側の計測位置Qに位置さ
せる。検知部材36が計測位置Qに位置していないとき
には、タレット21を旋回させて検知部材36を計測位
置Qに割出す。その後、検知部材36の接触子38を第
1,第2の加工部位Wa,Wbに当接させて、接触信号
が出力されたときの位置データを読み取る(ステップ1
07)。NC装置33は、こうして計測された車輪部7
の直径値等のデータに基づいて車輪部7の削正寸法を決
定する(ステップ108)。使用する予定のスローアウ
ェイチップ8a,8bの工具9a,9bを選択し、タレ
ット21を旋回させてこの工具9a,9bを加工位置P
に割出す(ステップ109)。
【0032】そして、駆動ローラ6を駆動することによ
り、車輪1を所定の回転速度で回転させる。X軸用駆動
モータ18およびZ軸用駆動モータ16を駆動して、刃
物台5上のスローアウェイチップ8a(または8b)の
工具9a(または9b)を、X軸方向,Z軸方向の所要
位置に移動させることにより、両方の車輪部7をほぼ同
時に切削加工する。車輪部7の切削加工では、通常は一
つの車輪1に対して、一回または切込量を変えながら複
数回切削加工する(ステップ110)。次に、車輪部7
側に位置しているスローアウェイチップ8a,8bの工
具9a,9b以外の別のスローアウェイチップ8a,8
bの工具9a,9bを選択して切削するか否かを判別す
る(ステップ111)。別のスローアウェイチップ8
a,8bの工具9a,9bを選択する場合には、タレッ
ト21と割出し機構22の、上述のアンクランプ動作,
旋回割出し動作,クランプ動作の順に行う動作により、
必要なスローアウェイチップ8a,8bの工具9a,9
bを割出してタレット21をクランプする。その後、前
述と同様にして両方の車輪部7をほぼ同時に切削加工す
る(ステップ112)。ステップ111で別のスローア
ウェイチップの工具を選択しない場合と、ステップ11
2で切削作業が終了した場合には、駆動ローラ6を停止
して車輪1の回転を止める。そして、タレット21を旋
回して検知部材36を計測位置Qに割出し、車輪部形状
計測装置35により、両方の車輪部7を削後計測して精
度よく切削がなされたことを確認する(ステップ11
3)。
【0033】次いで、刃物台5を待避位置に待避させ、
規制装置60を車輪部7から離れる方向に待避させる
(ステップ114)。引き込みレールを掛け渡した後
(ステップ115)、輪軸4をアンクランプにする(ス
テップ116)。その後、駆動ローラ6を下降させる
(ステップ117)。車輪1を搬出装置により搬出位置
に搬出させ、次の車輪1を切削加工するか否かを入力デ
ータから判別する(ステップ118)。切削する場合に
はステップ101に戻るが、切削しない場合には、その
鉄道車両の全部の車輪1の切削が終了したと判断し、そ
の鉄道車両を搬送用レールを介して搬出することによ
り、その鉄道車両に関する一連の切削手順を終了する
(ステップ119)。鉄道車両に取付けられた車輪1の
搬入,切削加工,搬出までの一連の動作は、NC装置3
3により自動的に制御される。こうして、鉄道車両の車
輪1は所定の形状に復元される。
【0034】本実施形態では、割出し軸線C2がX軸方
向およびZ軸方向を含む平面に対してほぼ45度傾斜し
ており、タレット21は、傾斜した割出し軸線C2を中
心に旋回割出し動作する。したがって、割出し機構22
のカップリング部57の直径を大きくすることができる
ので、刃物台5の剛性が向上する。たとえば、刃物台の
中心軸線をX軸方向に向けた従来の場合と比べて、カッ
プリング部57の直径を約1.4倍大きくすることがで
きる。高い剛性の刃物台5に、多種類の工具(すなわ
ち、多種類のチップ,スローアウェイチップ,チップブ
レーカ)を割出し可能に複数組取付けておくことによ
り、踏面30の状態に対して最適な種類のチップ,スロ
ーアウェイチップ,チップブレーカを有する工具を選択
することができる。したがって、所望の工具の種類およ
び切削条件で、車輪1を良好に切削加工することができ
る。また、作業者が一度工具の段取りを行うと、長時間
に渡って工具の交換作業を行うことなく連続して切削加
工を行うことができる。刃物台5に二つ以上の予備工具
を取付けることもできるので、工具全体の総寿命を延ば
して工具交換の頻度を少なくでき、実切削時間を長くし
て車輪切削の能率を大幅に向上させることができる。刃
物台5の剛性が向上するので、旋盤2が有する性能を有
効に発揮できるような高い切削条件で車輪1の切削加工
を行うことができ、その結果、一つの車輪1当たりの切
削加工時間を短縮することができる。
【0035】床下型車輪旋盤では、加工位置Pは、車輪
部7の最下部でかつ一対の駆動ローラ6の間にあるの
で、加工位置Pの下方のスペースは極めて狭い。刃物台
5は、この狭いスペースに配置されており、しかも切削
時の剛性を高めるために、できるだけ加工位置Pに近い
ところに配置される。切削加工時に加工位置Pで発生す
る切りくずは、その自重により刃物台5の方向に落下し
ていく。床下型車輪旋盤では、狭いスペースに配置され
ている刃物台に複数の工具を取付けるためにタレット等
を大きくすると、このタレット等が切りくずの落下の邪
魔になる恐れがある。そこで、本発明の刃物台5は、X
軸方向に対して所定角度θ傾斜しているので、切りくず
65の落下のためのスペースSを確保することができ
る。すなわち、車輪1は矢印Bの方向に回転しているの
で、加工位置Pで発生した切りくず65は、傾斜したタ
レット21に案内されて、図3の矢印Fに示すようにス
ペースS内を所望の方向にスムーズに排出されることに
なり、刃物台5の上に堆積することはほとんどない。し
かも、適切なチップブレーカの選択で、切りくず65を
適当な長さに折断することができるので、駆動ローラ6
への切りくずの巻き付きなどを防止することができる。
【0036】刃物台5の周囲は床下の狭いスペースであ
るが、刃物台5が上向きで前方側に傾斜しており、しか
もタレット21が四角錐形で旋回可能なので、作業者
は、工具の交換作業を比較的広いところで容易に行うこ
とができる。車輪部形状計測装置35を刃物台5に設け
たので、車輪部形状計測装置を旋盤2に別途設ける必要
がなく、旋盤2の構成が簡素化する。本実施形態では、
四つの工具取付け部20のうちの一つの工具取付け部2
0に検知部材36を取付けたが、検知部材を刃物台以外
のところに設け、四つ全ての工具取付け部20に工具を
取付けてもよい。このようにすれば、刃物台5に取付け
可能な工具の数を増やすことができる。なお、車輪部形
状計測装置は、前記構成の検知部材36(接触検知手
段)と信号伝達手段37に代えて、検知部材36に電池
等を内蔵させ、接触子が車輪部7に当接したときに赤外
線や電波など接触信号を発信させ、固定側に設けた受信
装置で接触信号を受信し、この接触信号をNC装置33
に送出するようにしてもよい。なお、各図中同一符号は
同一または相当部分を示す。
【0037】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、剛
性を向上させた刃物台に複数の工具を割出し可能に取付
けて最適な切削条件で鉄道車両用車輪を切削加工するこ
とができるとともに切りくずを適当な長さに折断してス
ムーズに排出することができ、また、狭いスペースでも
容易に工具の交換ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図6は本発明の実施形態の一例を示す
図で、図1は刃物台を有する床下型車輪旋盤の要部を示
す斜視図である。
【図2】車輪部の部分拡大正面図である。
【図3】床下型車輪旋盤の要部を示す側面図である。
【図4】図3の刃物台を拡大して示す部分断面図であ
る。
【図5】刃物台の一部を示す説明図である。
【図6】車輪を切削加工する手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 鉄道車両用車輪 2 床下型車輪旋盤 4 輪軸 5 刃物台 6 駆動ローラ 7 車輪部 8a,8a1 第1のスローアウェイチップ(第1のチ
ップ) 8b,8b1 第2のスローアウェイチップ(第1のチ
ップ) 8a2 第1のバイト 8b2 第2のバイト 9a,9a1,9a2,9a3 第1の工具(工具) 9b,9b1,9b2,9b3 第2の工具(工具) 12 刃物台本体 20 工具取付け部 21 タレット 22 割出し機構 23,23c 工具保持部材 23a,23a1 第1の工具保持部材(工具保持部材) 23b,23b1 第2の工具保持部材(工具保持部材) 25 四角錐状斜面 33 数値制御装置 33a 形状計測部 35 車輪部形状計測装置 36 検知部材(接触検知手段) 60 規制装置 C1 輪軸の中心軸線 C2 割出し軸線 P 加工位置 Wa 第1の加工部位 Wb 第2の加工部位 X軸方向 第2の方向 Z軸方向 第1の方向 θ 所定角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両に組込まれた状態の鉄道車両用
    車輪の輪軸の両端に取付けられた一対の車輪部を駆動ロ
    ーラで支持して回転駆動しながら切削加工を行う床下型
    車輪旋盤に設けられた刃物台であって、 前記鉄道車両用車輪の下方に配設され、この鉄道車両用
    車輪に対して、前記輪軸の中心軸線と平行な第1の方向
    およびこの第1の方向と直交する第2の方向に移動可能
    な刃物台本体と、 この第2の方向に対して所定角度傾斜した割出し軸線を
    中心に旋回割出し可能に前記刃物台本体に設けられ、前
    記車輪部に対して加工を行う工具を取付け可能な工具取
    付け部が複数形成されたタレットと、 前記刃物台本体と前記タレットとの間に設けられ、この
    タレットを旋回動作させて所望の前記工具を加工位置に
    割出す割出し機構とを備え、 前記所望の工具が前記加工位置に割出されたとき、前記
    所望の工具は前記車輪部に対して切削加工を行うととも
    に、前記所望の工具以外の前記工具は、少なくとも前記
    一対の駆動ローラおよび前記鉄道車両用車輪と干渉しな
    い位置に待避しているように構成されていることを特徴
    とする床下型車輪旋盤の刃物台。
  2. 【請求項2】 前記工具取付け部には一つまたは二つの
    工具保持部材が固定され、 前記一つの工具保持部材の場合には、前記車輪部の第1
    の加工部位を切削加工する第1のチップまたは第1のチ
    ップが固定された第1のバイトを前記工具保持部材に着
    脱可能に取付けたものを第1の前記工具とし、前記車輪
    部の第2の加工部位を切削加工する第2のチップまたは
    第2のチップが固定された第2のバイトを前記工具保持
    部材に着脱可能に取付けたものを第2の前記工具とし、 前記二つの工具保持部材の場合には、前記第1のチップ
    または前記第1のチップが固定された第1のバイトを一
    方の前記工具保持部材に着脱可能に取付けたものを第1
    の前記工具とし、前記第2のチップまたは前記第2のチ
    ップが固定された第2のバイトを他方の前記工具保持部
    材に着脱可能に取付けたものを第2の前記工具としたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の床下型車輪旋盤の刃物
    台。
  3. 【請求項3】 前記タレットは、前記工具取付け部がそ
    れぞれ形成された四角錐状斜面を有し、 前記割出し機構は、前記タレットをほぼ90度またはこ
    の倍数の角度旋回させて割出す機構であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の床下型車輪旋盤の刃物
    台。
  4. 【請求項4】 前記第2の方向は水平面に対して垂直な
    方向であり、前記タレットの前記割出し軸線は、前記第
    1の方向および前記第2の方向を含む平面に対してほぼ
    45度傾斜していることを特徴とする請求項1,2また
    は3に記載の床下型車輪旋盤の刃物台。
  5. 【請求項5】 前記刃物台には、前記車輪部の形状を計
    測する車輪部形状計測装置が設けられ、 この車輪部形状計測装置は、 前記工具取付け部に取付けられ前記車輪部に当接したと
    き前記床下型車輪旋盤の数値制御装置に信号を送出する
    接触検知手段と、 前記数値制御装置に設けられ、前記接触検知手段が前記
    車輪部に当接して前記信号が送出されたときの前記刃物
    台の位置データから前記車輪部の寸法を求める形状計測
    部とを有していることを特徴とする請求項1から4のい
    ずれかの項に記載の床下型車輪旋盤の刃物台。
  6. 【請求項6】 前記床下型車輪旋盤には、前記鉄道車両
    用車輪が前記第1の方向に移動しないように規制するた
    めの規制装置が設けられ、 前記加工位置に割出された前記所望の工具以外の前記工
    具は、前記規制装置とも干渉しない位置に待避するよう
    になっていることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    かの項に記載の床下型車輪旋盤の刃物台。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009056550A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Ksk:Kk 車輪用旋盤装置
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