JP2001223403A - 強誘電体薄膜およびその形成方法とこれを用いた強誘電体薄膜素子 - Google Patents

強誘電体薄膜およびその形成方法とこれを用いた強誘電体薄膜素子

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JP2001223403A
JP2001223403A JP2000030043A JP2000030043A JP2001223403A JP 2001223403 A JP2001223403 A JP 2001223403A JP 2000030043 A JP2000030043 A JP 2000030043A JP 2000030043 A JP2000030043 A JP 2000030043A JP 2001223403 A JP2001223403 A JP 2001223403A
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ferroelectric thin
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dioxide
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English (en)
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Michihito Ueda
路人 上田
Kenji Iijima
賢二 飯島
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pt直上へ強誘電体薄膜であるPZT薄膜を形成
する場合には、結晶化が不安定であり特性の得られるペ
ロブスカイト構造が得られなくなるという課題を有して
いた。 【解決手段】 Pt電極上へ配向制御層として、比較的低
温の600℃前後でもPt上にペロブスカイトが得られる材
料を配向制御層として用いる。また、非ペロブスカイト
材料としては、酸素八面体構造を有する材料によっても
PZTを安定にペロブスカイト構造とすることが可能であ
る。特にこの場合、非酸化物(金属状態)でこれらの薄
膜を形成した後に酸化処理を施すことで緻密な配向制御
層を形成することができ、強誘電体薄膜の良好な特性を
安定に得ることが可能であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電性や強誘電性
といった材料特性について広く用いられる強誘電体薄膜
及びその形成方法と、これを用いた強誘電体薄膜素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電体材料はその特異な材料特性に対
して数多くの商品への適用がなされている材料である。
【0003】例えば、高い誘電率を利用すべくコンデン
サやDRAMへの適用、残留分極を利用すべく不揮発半導体
メモリーへの適用、圧電性を利用すべくアクチュエータ
や加速度センサへの適用、とその適用範囲は幅広い。
【0004】中でもチタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZT)
はいずれの特性も高い特性を有する材料である。
【0005】特に、圧電性については、非常に高い電気
機械結合係数を有することから、アクチュエータや加速
度センサへなどの商品実現には不可欠の材料となってい
る。
【0006】しかしながら、従来、商品化された圧電素
子の多くは、PZTセラミクスを研磨して薄くしたものを
貼りつけて作成しているものが多く、製造プロセスの煩
雑さのみならずコスト面でも改善が必要なものであっ
た。これに対し、近年進展目覚ましい、スパッタ法やCV
D法、ゾル・ゲル法などによる薄膜形成技術により大面
積にPZT薄膜を形成し、圧電素子を形成しようとする動
きがある。しかし、いずれも未だ良好な特性が得られる
のはマグネシア単結晶上に形成したものであり、マグネ
シア単結晶が非常に高価なことが圧電素子のコスト低減
に大きな課題となっている。
【0007】このような背景のもと、安価なSi基板上に
PZTを形成することで大幅なコスト削減を目指すアプロ
ーチが盛んになってきた。しかしながら、強誘電体薄膜
の圧電特性が、その配向性で大きく左右されるにも関わ
らず、Si上では配向性制御が困難であるという課題を有
している。
【0008】このようなPZTの配向制御に関する従来技
術例としては、特開平7-142600号公報に記載の「薄膜の
形成方法」が挙げられる。
【0009】図10は従来技術例の強誘電体薄膜素子の構
成を示す断面図である。図10において110は試料であ
り、シリコンウエハーである。このシリコンウエハー11
0上に熱酸化法によって例えば100nmのSiO2 膜112を形成
する。更に、SiO2 膜112上にマグネトロンスパッタ法を
用いて約70nm程度の白金薄膜114を形成する。116は配向
性制御層であり、従来技術例ではCVD法で形成したBaTiO
3 (以下BTO)としている。118はPZT層であるが、従来技
術例ではPbZrxTi1-xO3(PZT)のxの組成をx=0として、Pb
TiO3(以下PTO) について実験を行っている。
【0010】従来技術例では白金薄膜114上へ直接PTOを
形成すると配向がランダムになるのに対し、白金薄膜11
4上へBTOを形成すると(111)単一配向になる上、このBTO
を配向制御層116としてさらにPTOを形成するとPTOが(11
1)単一配向になることを示している。
【0011】これらの実験結果から、従来技術例ではPZ
Tでも同様の効果が得られるとしている。また、配向性
制御層を構成する材料としては、Ptと格子定数が近いも
のが有効と予想している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術に記載されているPTOはPt上で容易に結晶化してペロ
ブスカイト構造を形成する材料であるのに対し、PZTは
ペロブスカイト構造形成は不安定であり、配向性の議論
以前にペロブスカイト形成が難しい。従って、配向制御
はPLTの配向制御の延長で決定できるものではない。ま
た、配向性制御層116の候補として挙げられた材料群
も、格子定数が近ければ同様に作用するという傍証がな
く、根拠に乏しい。
【0013】図11には、本発明者らが実験を行った、Pt
直上へPZTを形成した際にペロブスカイト構造が得られ
なかった場合の膜のX線回折分析結果を示している。な
お、PZTの形成にはRFマグネトロンスパッタ法を用い、
ターゲットとしてZr:Ti比が1:1のPZTを使用した。スパ
ッタ条件はスパッタガスであるArと酸化ガスである酸素
の流量比を9:1とし、スパッタ圧力を10mTorr(1To
rr=1.33322×102Pa)、投入RFパワーを1
00Wとして成膜を実施した。同様の条件においてPt直上
にペロブスカイトが形成できる場合もあるが、同一条件
であってもペロブスカイト構造が得られないことがある
ことはよく知られた事実である。このように構造が安定
しない理由については現在のところ不明である。しかし
ながら、PZTの結晶化温度がPTOなどに比して高いこと
と、一方で成膜温度を上げると特に650℃以上でPZTから
の鉛抜けが顕著になること、PZTの成分であるZrがPZTを
形成する前にZrO2を形成しやすく、これによって成長機
構が変化するために、結晶成長が不安定であるためであ
ると推察される。
【0014】図11に示したPZTは組成分析の結果からは
化学量論的組成が得られているにも関わらず、ペロブス
カイトが得られず、2θ=29度付近にパイロクロア相で
あるPb2(Zr,Ti)2O6の(222)面のピークが見られる。
【0015】以上のように、従来技術例ではPTOの技術
の延長として、Pt上では配向がランダムなPZTが得られ
ることに対して配向制御層による配向制御を目的として
いるが、配向性の議論の前に結晶化が困難である。
【0016】また従来技術例では配向制御の重要性には
触れているものの、得られた(111)配向が材料特性上、
有利であるか否かについては言及されておらず、産業上
の用途に対する具体的な目標が不明で、現象の開示にと
どまっていた。
【0017】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明の第1の発明の強誘電体薄膜は、第1の電極
と、第1の電極上に設けられた配向制御層と、配向制御
層上に設けられた強誘電体薄膜と、強誘電体薄膜上に設
けられた第2の電極とを具備することを特徴とする。
【0018】また、本発明の第2の発明の強誘電体薄膜
の形成方法は、配向制御層として酸素八面体構造を有す
る材料として、特に、二酸化チタン、二酸化ルテニウ
ム、二酸化タンタル、二酸化タングステン、二酸化クロ
ム、二酸化ゲルマニウム、二酸化イリジウム、β−二酸
化マンガン、二酸化モリブデン、二酸化ニオブ、二酸化
オスミウム、二酸化鉛、二酸化スズ、二酸化テルルのい
ずれかを適用することを特徴とする。
【0019】また、本発明の第3の発明の強誘電体薄膜
の形成方法は、第2の発明の強誘電体薄膜の形成方法に
おいて、特に配向制御層を構成する金属元素を堆積した
後に酸化せしめることで配向制御層を形成することを特
徴とする。
【0020】また、本発明の第4の発明の強誘電体薄膜
素子は、基板と、基板に少なくとも1点以上を支持され
た梁と、梁上に形成された第1の発明の強誘電体薄膜
と、第1の電極と第2の電極にそれぞれ接続された複数の
配線と、これら複数の配線の間の電位差を検出する電位
差検出手段とからなる構造を有する。
【0021】また、本発明の第5の発明の強誘電体薄膜
素子は、基板と、基板に少なくとも1点以上を支持され
た梁と、梁上に形成された第1の発明の強誘電体薄膜
と、第1の電極と第2の電極にそれぞれ接続された複数の
配線と、これら複数の配線の間に電位差を発生する電圧
印加手段とからなる構造を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1には本実施
の形態1の強誘電体薄膜の断面構造を示している。
【0023】図1において1は基板であり、本実施の形態
1では(100)面のSiウェハである。3は絶縁体であり、本
実施の形態1では例えばSiを酸素雰囲気中で熱処理して
形成した酸化シリコン膜であり、厚さは400nmである。5
は第1の電極であり、本実施の形態1では例えばスパッタ
法により形成した膜厚50nmのPtである。なお、絶縁体3
である酸化シリコンと第1の電極5であるPtは密着性が弱
いため、その間に図示しない密着層として厚さ5nmのTi
層を先に堆積している。7は配向制御層である。9は強誘
電体薄膜であり、例えば本実施の形態1ではZr:Ti比が0.
52:0.48のPZT薄膜からなる。10は第2の電極であり、例
えば本実施の形態1では厚さ100nmのPt薄膜からなる。
【0024】以上の構造を有する強誘電体薄膜の製造方
法を説明する。
【0025】(a)Siウェハを900℃で30分、パイロ酸化
し、厚さ400nmの酸化シリコンを形成して絶縁体3を形成
する。
【0026】(b)スパッタ法により例えばTiをターゲッ
トとし、スパッタ圧力10mTorr、RFパワー100W、スパッ
タガスAr、基板温度=室温の条件下で5秒間スパッタを
実施することで図示しない密着層を形成した後、スパッ
タ法により例えばPtをターゲットとし、スパッタ圧力10
mTorr、RFパワー100W、スパッタガスAr、基板温度=500
℃の条件下で50秒間スパッタを実施して、第1の電極5を
形成する。
【0027】(c)後述する成膜条件で配向制御層を形成
する。
【0028】(d)例えばスパッタ法により、Zr:Ti比が0.
52:0.48のPZT焼結体をターゲットとして、スパッタ圧力
10mTorr、RFパワー100W、スパッタガスArと酸化ガスで
ある酸素の流量比を9:1とし、基板温度=600℃の条件
下で60分間スパッタを実施して強誘電体薄膜9を形成す
る。
【0029】(e)スパッタ法により例えばPtをターゲッ
トとし、スパッタ圧力10mTorr、RFパワー100W、スパッ
タガスAr、基板温度=室温の条件下で100秒間スパッタ
を実施して、第2の電極10を形成する。
【0030】以上のような形成方法の強誘電体薄膜の結
晶性について、以下、配向制御層7の材料及び形成方法
との関連について図2、3,4,5を用い、説明する。
【0031】図2は配向制御材料として、PLTをもちいた
場合の強誘電体薄膜9であるPZTのX線回折分析結果を示
している。なお、PLTの形成条件としては、例えばスパ
ッタ法により、Pb:La比が0.85:0.15のPLT焼結体をター
ゲットとして、スパッタ圧力10mTorr、RFパワー100W、
スパッタガスArと酸化ガスである酸素の流量比を9:1と
し、基板温度=600℃の条件下で500秒間スパッタを実施
してPLT薄膜を50nm堆積し、配向制御層7を形成する。そ
の後、前述のプロセスによりPZTを形成する。この場合
のPZTの結晶性は図2に示すとおりで、図11と同条件でPZ
Tを形成したにも関わらず、結晶性の極めて良好なペロ
ブスカイトPZTが得られた。また、配向性は図示しないP
LTの配向性と同様であり、(111)のピークが最大で次い
で(100)配向が強い配向性を得ることが可能である。
【0032】図3は配向制御材料として、BSTを用いた場
合の強誘電体薄膜9であるPZTのX線回折分析結果を示し
ている。なお、配向制御層7のBSTの形成条件としては、
例えばスパッタ法により、Ba:Sr比が1:1のBST焼結体を
ターゲットとして、スパッタ圧力10mTorr、RFパワー100
W、スパッタガスArと酸化ガスである酸素の流量比を9:
1とし、基板温度=600℃の条件下で500秒間スパッタを
実施してBST薄膜を50nm堆積し、配向制御層7を形成す
る。その後、前述のプロセスによりPZTを形成する。こ
の場合のPZTの結晶性は図3に示すとおりで、この場合に
も結晶性の極めて良好なペロブスカイトPZTが得られ
た。また、配向性は図示しないBSTの配向性をそのまま
継承し、(111)単一配向膜を得ることが可能であった。
【0033】以上のことから、比較的低温の600℃前後
でもPt上にペロブスカイトが得られる材料を配向制御層
7として用いることにより、PZTからの鉛抜けが生じない
成膜温度である600℃でもペロブスカイト構造のPZTを安
定して得ることが可能であった。また、PZTの配向性は
配向制御層7の配向性をそのまま継承するため、配向制
御層7配向性を制御することでPZTの配向性を決定するこ
とができる。このような配向制御材料としてはBSTやPLT
の他にチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、PT
O、チタン酸ビスマス、タンタル酸ストロンチウム・ビ
スマス、導電体材料としてはルテニウム酸ストロンチウ
ムが挙げられる。
【0034】次に図4には配向制御材料として、TiO2
用いた場合の強誘電体薄膜9であるPZTのX線回折分析結
果を示している。なお、配向制御層7のTiO2の形成条件
としては、例えばスパッタ法により、金属Tiをターゲッ
トとして、スパッタ圧力10mTorr、RFパワー100W、酸素
分圧0%、スパッタガスArにより、基板温度=室温の条件
下で15秒間スパッタを実施してTi薄膜を1.5nm堆積し、
その後のPZT形成の直前に、高温で酸素と触れることに
より酸化されTiO2とすることで配向制御層7を形成す
る。なお、TiO2を得るには酸素ガスを導入した雰囲気下
で例えばスパッタ法により金属Tiを用いて膜形成すれば
よいが、本実施の形態1のTiO2の形成方法の方がより緻
密なTiO2を得ることが可能であった。これは酸化物薄膜
より金属薄膜の方が容易に緻密化できることと、酸化時
の体積膨張によりさらに緻密さが増すためである。TiO2
が緻密でないと、TiO2膜に微小穴が生じ、この部分では
PZTが第1の電極であるPt直上に成長することとなるた
め、この部分のみペロブスカイトが得られずパイロクロ
ア相となる。結果として得られた強誘電体薄膜は分極特
性などの特性が低いだけでなく、パイロクロア相は一般
に耐圧が低くリーク電流が大きいため、デバイスへ応用
した場合に絶縁性が極端に悪化する。以上のことから、
TiO2の形成方法としては本実施の形態1では金属Tiとし
て成膜した後に酸化を実施している。なお、酸化をより
安定化するために、金属Ti形成後に酸化炉などで熱処理
を施してもよい。特に、Ti薄膜が10nm以上と厚い場合に
は、第1の電極であるPtの粒界へTiが拡散して面荒れが
生じてしまう。このようなTiの拡散はTiが酸化されてTi
O2となると安定化され生じないため、Ti膜が厚い場合に
は酸化炉での熱処理を施した方が平坦なPZT膜を得るこ
とができた。Tiの酸化条件は、例えば酸素100%の大気圧
雰囲気下で、550℃、30minとした。
【0035】この場合のPZTの結晶性は図4に示すとおり
で、この場合にも結晶性の極めて良好なペロブスカイト
PZTが得られた。また、配向性については、若干の(110)
ピークが見られるものの、(111)のピークが極めて強い
という特徴を示した。TiO2の結晶構造はルチル構造を示
すことが判明している。PZTの結晶構造であるペロブス
カイト構造との類似点として、ルチル構造における酸素
原子はTi原子に対し八面体を形成しておりこの酸素配列
がPZTのペロブスカイトを安定に形成する機能を有する
ためである。
【0036】次に同様にPZTの構成元素であるZrO2の配
向制御機能検討結果を図5に示した。配向制御層7のZrの
形成条件としては、例えばスパッタ法により、金属Zrを
ターゲットとして、スパッタ圧力10mTorr、RFパワー100
W、酸素分圧0%、スパッタガスArにより、基板温度=室
温の条件下で30秒間スパッタを実施してZr薄膜を3nm堆
積し、配向制御層7を形成する。なお、Zr薄膜はその後
のPZT形成の直前に、高温で酸素と触れることにより酸
化されZrO2となる。この場合のPZTの結晶性は図5に示す
とおりであるが、図4の場合とは異なり、PZTはパイロク
ロアとなることが判明した。これはZrO2の結晶構造がフ
ルオライト構造であり、一方でパイロクロアの結晶構造
がこのフルオライト構造と酷似しているため、パイロク
ロア相となる方がエネルギー的に安定であるためであ
る。また、PZTのペロブスカイト形成がPt直上で不安定
な要因もPZT中のZrが先にZrO2を形成するためと判明し
た。
【0037】以上の結果から、ペロブスカイト以外の酸
化物の配向制御機能としては、酸素八面体構造を有する
材料が有効であり、TiO2以外の材料としては二酸化ルテ
ニウム、二酸化タンタル、二酸化タングステン、二酸化
クロム、二酸化ゲルマニウム、二酸化イリジウム、β−
二酸化マンガン、二酸化モリブデン、二酸化ニオブ、二
酸化オスミウム、二酸化鉛、二酸化スズ、二酸化テルル
なども同様に機能する。
【0038】以上、本実施の形態1の強誘電体薄膜及び
その形成方法では、Pt第1の電極上へ配向制御層とし
て、比較的低温の600℃前後でもPt上にペロブスカイト
が得られる材料を配向制御層として用いることにより、
ペロブスカイトPZTを安定して得ることが可能であっ
た。また、PZTの配向性は配向制御層の配向性をそのま
ま継承するため、配向制御層の配向を制御することでPZ
Tの配向性を決定することができる。
【0039】また、非ペロブスカイト材料であっても、
酸素八面体構造を有する材料を配向制御層として用いる
ことによって、PZTを安定にペロブスカイト構造とする
ことが可能であった。特に、この場合、非酸化物(金属
状態)でこれらの薄膜を形成した後に酸化処理を施すこ
とで緻密な配向制御層を形成することができ、強誘電体
薄膜の良好な特性を安定に得ることが可能であった。
【0040】(実施の形態2)図6は本実施の形態2の強
誘電体薄膜素子の基本的な構造を示したものである。
【0041】なお、本実施の形態2では強誘電体薄膜素
子の例として、強誘電体薄膜素子として特に加速度セン
サについて記述する。
【0042】図6において、61は強誘電体薄膜素子であ
る。62は基板であり、本実施の形態2ではSiウェハであ
る。63a,bは絶縁体であり、本実施の形態では例えばSi
を酸素雰囲気中で熱処理して形成した厚さ1μmの酸化シ
リコン膜に、例えば減圧化学気相成長法(LPCVD法)によ
り形成した厚さ200nmの窒化シリコンを堆積した構造を
有する。なお、酸化シリコン膜及び窒化シリコンは基板
62の上面だけでなく裏面にも形成され、絶縁体63a,63b
をそれぞれ形成している。65は弾性体であり、例えば本
実施の形態ではスパッタ法で形成した厚さ1μmのZrO2
ある。66は密着層であり、本実施の形態では例えば厚さ
5nmのTiからなる。67は第1の電極であり、本実施の形態
では例えばスパッタ法により形成した膜厚50nmのPtであ
る。68は配向制御層であり、本実施の形態では例えばス
パッタ法により形成した厚さ1.5nmのTi薄膜である。69
は強誘電体薄膜であり、例えば本実施の形態1ではZr:Ti
比が0.52:0.48のPZT薄膜からなる。70は第2の電極であ
り、例えば本実施の形態では厚さ100nmのPt薄膜からな
る。71は保護層であり、本実施の形態では塗布で形成し
た厚さ600nmのSiO2(SOG)である。保護層71は開口部を有
し、配線73a,bがそれぞれ、例えばインジウムはんだか
らなる電極取出部72a,bを介してそれぞれ第2の電極70と
第1の電極67に接続されている。74は電位差検出手段で
ある。80は開口部であり、絶縁層63a、弾性体65、密着
層66,第1の電極67、配向制御層68、強誘電体薄膜69,
第2の電極70、保護層71を例えばイオンミリングなどに
より除去して形成している。
【0043】81は中空部であり、基板62の一部を除去し
て形成された空洞部である。83は片持ち梁部であり、本
実施の形態では、絶縁層63a、弾性体65、密着層66,第1
の電極67、配向制御層68、強誘電体薄膜69,第2の電極7
0、保護層71が中空部81の上に片端で支持されることで
形成されている。
【0044】以上の構造の強誘電体薄膜素子について、
その製造方法を以下説明する。
【0045】図7は本実施の形態1の強誘電体薄膜素子の
製造方法を説明する図である。なお図7において、図6と
同一物には同一番号を附記し説明を省略する。
【0046】(a)Siウェハからなる基板62を例えば1050
℃で1μm熱酸化し、その後LPCVD法により膜厚200nmの窒
化シリコンを形成し絶縁体63a,bを形成する。絶縁膜63
a,bは基板62の両面にそれぞれ形成される。次にスパッ
タ法によりZrO2を1μm堆積し、弾性体65を形成する。次
にスパッタ法によりTiを5nm堆積し、密着層66を形成す
る。次にスパッタ法によりPtを50nm堆積し、第1の電極6
7を形成する。次に例えばスパッタ法により室温でTiを
1.5nm堆積し配向制御層68を形成する。次に、例えばス
パッタ法により例えば基板温度600℃でZr:Ti比が0.52:
0.48のPZTを形成し、強誘電体薄膜69を形成する。な
お、配向制御層68であるTiは大気露出とPZT成膜前にス
パッタ装置の反応炉内で酸素に触れることで酸化され、
TiO2となっている。最後にスパッタ法によりPtを100nm
堆積し、第2の電極70を形成する。
【0047】(b)例えばレジストマスクを形成し、例え
ばArイオンミリングにより第2の電極70、強誘電体薄膜6
9、配向制御層68をパターニングして第1の電極67を露出
させる。その後、例えばレジストマスクを用い、例えば
Arイオンミリングにより開口部80を形成する。
【0048】(d)例えばスピン塗布によりSOG(Spin on g
lass)剤を塗布し、例えば300℃で30分間ベークして厚さ
800nmのSiO2により保護層71を形成した後、例えばレジ
ストマスクを用いて例えばBHFなどにより保護層71をウ
ェットエッチングして、開口部80の保護層71を除去して
基板62を露出するとともに電極取出部72a,72bを形成す
る。
【0049】(e)例えば水酸化カリウム水溶液による異
方性エッチングによりSiからなる基板62を異方性エッチ
ングし、中空部81を形成し、片持ち梁83を形成する。一
般に、水酸化カリウム水溶液による異方性エッチング
は、長時間のエッチングでは酸化シリコンはゆっくりと
エッチングされてしまうが、本実施の形態の絶縁体とし
て、エッチング速度が極めて遅い窒化シリコンをさらに
堆積しているため、絶縁層63a,bをエッチングマスクと
することが可能である。また、強誘電体材料は一般に酸
・アルカリによりダメージを受けやすいため、本実施の
形態では、全ての強誘電体薄膜が酸化膜もしくは保護層
71に覆われ、基板62のエッチング時にエッチャントに接
触しないようにしている。
【0050】(f)電極取出部72a,72bにそれぞれ配線73a,
73bを例えばインジウムにより接続を接続する。なお、
配線73a,bは電位差検出手段74に接続されている。
【0051】以上のような製造方法で強誘電体薄膜素子
を製造可能である。
【0052】次に図8を用いて本実施の形態1の強誘電体
薄膜素子の動作原理について説明する。
【0053】なお、図8において図6と同一物には同一番
号を附記し説明を省略する。
【0054】図8には本実施の形態1の強誘電体薄膜素子
である加速度センサに対し、下向きの加速度がかかった
場合を示している。この時、片持ち梁83は慣性力により
図8の上向きに曲がるような力を受けることになる。こ
の時、強誘電体薄膜69内部には下側に引張応力が、上側
に圧縮応力が生じることとなる。その結果、圧電効果に
より第2の電極と第1の電極の間に電位差が生じる。この
電位差を電位差検出手段74により検出する。
【0055】なお、本実施の形態の強誘電体薄膜素子で
は、強誘電体薄膜であるPZTのZr/(Zr+Ti)の比は0.4〜0.
7の間の組成とすると電圧出力を得ることが可能であっ
た。特にPZTのZr/(Zr+Ti)の比は0.5〜0.54の間の組成に
おいては、大きい出力が得られた。
【0056】本実施の形態2のようなセンサとしての用
途においては、圧電特性によるセンサとしての感度も重
要であるが、センサとしての出力再現性も重要な要素の
一つである。PZTはZr/(Zr+Ti)比が0.52より大きくなる
と結晶構造がテトラゴナルからオルソロンビックに変化
し、最も圧電定数が大きくなるのは、このZr/(Zr+Ti)比
が0.52の境界付近であった。また、結晶構造がオルソロ
ンビックである場合には最大の圧電定数が得られるのが
[111]軸方向であるのに対し、テトラゴナル構造の場合
には[001]軸方向であった。またオルソロンビックの場
合には結晶の等方性が強いのに対し、テトラゴナルの場
合には結晶の異方性が強くなる傾向が見られた。このよ
うな観点から、本発明者らは実施の形態2のようなセン
サ用途において最適な結晶構造として、等方的な材料特
性を示すオルソロンビックが最適であることを見出し
た。このようなPZTの結晶性を得るにはZr/(Zr+Ti)比が
0.52から0.7の間であるようにし、同時に配向性を(111)
に揃えるためには、実施の形態1で述べたような素子構
造とすることが有効であった。Zr/(Zr+Ti)比は、本実施
の形態では、等方的で且つ高い材料特性が得られる0.54
としている。また、特に、配向制御層をペロブスカイト
材料にする場合にはその配向性を(111)とすることで、P
ZTもこの組成範囲内で最大の圧電定数が得られる(11
1)配向とすることが可能であった。また、ペロブスカ
イト以外の構造の材料を配向制御層とする場合には酸素
八面体構造を格子内に有する結晶構造を用いることで、
安定して(111)に強い配向を示すPZT結晶を得ることが可
能であった。
【0057】以上、本実施の形態の強誘電体薄膜素子
は、特に配向制御層により強誘電体薄膜の配向性を(11
1)に優先的に配向せしめ、同時に強誘電体薄膜であるPZ
TのZr/(Zr+Ti)比が0.52から0.7の間であるようにして結
晶構造をオルソロンビックとすることにより、生産再現
安定性の良好な強誘電体薄膜素子を提供するものであ
り、産業に貢献すること大なるものである。
【0058】なお、本実施の形態では強誘電体薄膜素子
の形状として片持ち梁構造について説明したが、慣性力
によって歪みを生じる構造であれば、例えば両端支持梁
や、開口部に形成した中空薄膜構造であっても、同様に
機能することは言うまでもない。
【0059】(実施の形態3)以下、本発明の第3の実
施の形態の強誘電体薄膜素子について説明する。
【0060】本実施の形態の強誘電体薄膜素子は圧電ア
クチュエータであるが、素子の構造、製造方法について
は実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
【0061】図9は本実施の形態3の圧電アクチュエータ
である。図9において50は電圧印加手段であり、配線73
a,bを通じて第2の電極と第1の電極の間に電位差を生ぜ
しめる。
【0062】図9において第2の電極と第1の電極の間に
電位差を生ぜしめ、強誘電体薄膜に電界を印可すると、
圧電効果により強誘電体薄膜内部には応力が発生する。
この時、電界方向によって強誘電体薄膜は圧縮・引張の
応力を生ずるが、片持ち梁を構成する他の層に固定され
ているため、結果として片持ち梁は上下のいずれかに湾
曲して応力を緩和しようとする。具体的には、本実施の
形態3では片持ち梁の弾性的な中立点が強誘電体薄膜よ
り下側にあるため、強誘電体薄膜に伸びようとする応力
が生じると片持ち梁は下へと湾曲する。逆に、強誘電体
薄膜に縮もうとする応力が生じると片持ち梁は上へ湾曲
することとなる。
【0063】このようなアクチュエータとして強誘電体
薄膜素子を適用する場合には、大きな圧電定数が必要と
なるため、強誘電体薄膜は異方性の強い構造を有する方
が特に特性が良好であることを本発明者らは発見した。
すなわち、実施の形態2で述べたように、テトラゴナル
の場合には結晶の異方性が強くなるため、PZT組成はZr/
(Zr+Ti)比が0.4から0.52の間であるようにし、特に本実
施の形態3では0.5に設定した。またこの場合にも結晶の
配向性を(100)に揃えるために、実施の形態1で述べたよ
うな素子構造とすることが有効であった。特に、配向制
御層をペロブスカイト材料にする場合にはその配向が(1
00)を有するようにすることで、PZTもこの組成範囲内で
最大の圧電定数が得られる(100)配向を含む配向性とす
ることが可能であった。例えば実施の形態1のPLT配向制
御を用いた場合には(111)と同等の(100)の強い配向を得
ることが可能であった。
【0064】以上、本実施の形態3の強誘電体薄膜素子
は、アクチュエータとして適用する場合に、特に強誘電
体薄膜の組成をZr/(Zr+Ti)比が0.4から0.52であるよう
にするとともに、強誘電体薄膜の配向として(100)を得
るために、配向制御層としてペロブスカイト材料を用
い、配向制御層の配向が(100)を有するようにすること
で、高い駆動能力を有するアクチュエータを得られるも
のである。
【0065】なお、本実施の形態では強誘電体薄膜素子
の形状として片持ち梁構造について説明したが、同様に
変位を得やすい構造であれば、例えば両端支持梁や、開
口部に形成した中空薄膜構造であっても、同様に機能す
ることは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】以上、本発明の第1の発明の強誘電体薄
膜及びその形成方法では、Pt第1の電極上へ配向制御層
として、比較的低温の600℃前後でもPt上にペロブスカ
イトが得られる材料を配向制御層として用いることによ
り、ペロブスカイトPZTを安定して得ることが可能であ
った。また、PZTの配向性は配向制御層の配向性をその
まま継承するため、配向制御層の配向を制御することで
PZTの配向性を決定することができる。
【0067】また、本発明の第2の発明の強誘電体薄膜
及びその形成方法では、非ペロブスカイト配向制御層と
して、酸素八面体構造を有する材料を配向制御層として
用いることにより、PZTを安定にペロブスカイト構造と
するものである。
【0068】また、本発明の第3の発明の強誘電体薄膜
及びその形成方法では、特に第2の発明の強誘電体薄膜
及びその形成方法において、酸素八面体構造を有する酸
化物薄膜からなる配向制御層の形成方法として、特に非
酸化物(金属状態)でこれらの薄膜を形成した後に酸化
処理を施すことで緻密な配向制御層を形成せしめ、強誘
電体薄膜の良好な特性を安定に得ることを可能とするも
のである。
【0069】また、本発明の第4の発明の強誘電体薄膜
素子においては、強誘電体薄膜素子として特に加速度セ
ンサなどのセンサとして適用する場合に最適な強誘電体
薄膜素子構造を提供するものであり、特に配向制御層に
より強誘電体薄膜の配向性を(111)に優先的に配向せし
め、同時に強誘電体薄膜であるPZTのZr/(Zr+Ti)比が0.5
2から0.7の間であるようにして結晶構造をオルソロンビ
ックとすることにより、生産再現安定性の良好な強誘電
体薄膜素子を提供するものであり、産業に貢献すること
大なるものである。
【0070】また、本発明の第5の発明の強誘電体薄膜
素子においては、強誘電体薄膜素子として特にアクチュ
エータとして適用する場合に最適な強誘電体薄膜素子構
造を提供するものであり、特に強誘電体薄膜であるPZT
の組成をZr/(Zr+Ti)比が0.4から0.52であるようにして
結晶構造をテトラゴナルにするとともに、強誘電体薄膜
の配向として(100)を得るために、配向制御層としてペ
ロブスカイト材料を用い、配向制御層の配向が(100)を
有するようにすることで、高い駆動能力を有するアクチ
ュエータを実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の強誘電体薄膜の基
本構造を示す断面図
【図2】配向制御材料をPLTとした場合のPZTの結晶性説
明図
【図3】配向制御材料をBSTとした場合のPZTの結晶性説
明図
【図4】配向制御材料をTiO2とした場合のPZTの結晶性
説明図
【図5】配向制御材料をZrO2とした場合のPZTの結晶性
説明図
【図6】本発明の第2の実施の形態の強誘電体薄膜素子
の基本構造を示す断面図
【図7】同実施の形態2の強誘電体薄膜素子の製造方法
説明図
【図8】同実施の形態2の強誘電体薄膜素子の動作原理
説明図
【図9】本発明の第3の実施の形態の強誘電体薄膜素子
の基本構造を示す断面図
【図10】従来技術例の強誘電体薄膜素子の構成断面図
【図11】Pt直上へ形成したPZTの結晶性説明図
【符号の説明】
1 基板 3 絶縁体 5 第1の電極 7 配向制御層 9 強誘電体薄膜 10 第2の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/108 H01L 27/04 C 21/8242 27/10 651 29/84 41/08 Z 41/08 41/18 101Z 41/18 41/22 A 41/24 // C23C 14/08 Fターム(参考) 4K029 AA06 BA50 BB02 BB07 BC00 BD01 CA06 DC05 DC09 4M112 AA02 BA10 CA23 DA03 DA04 DA06 DA09 DA11 EA02 EA06 EA07 EA11 EA12 5F038 AC05 AC16 AC18 5F058 BA20 BD01 BD05 BD18 BF12 BG03 BJ04 5F083 FR01 JA02 JA13 JA14 JA15 JA38 JA39 PR12 PR22

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極と、前記第1の電極上に設けられ
    た配向制御層と、前記配向制御層上に設けられた強誘電
    体薄膜と、前記強誘電体薄膜上に設けられた第2の電極
    とを具備することを特徴とする強誘電体薄膜。
  2. 【請求項2】前記第1の電極が白金(Pt)であることを特
    徴とする請求項1に記載の強誘電体薄膜。
  3. 【請求項3】前記強誘電体薄膜がPb、Zr、Tiの群からな
    る元素のうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の強誘電体薄膜。
  4. 【請求項4】前記強誘電体薄膜が、少なくともPb、Zr、
    Tiの3元素を含むことを特徴とする請求項3に記載の強誘
    電体薄膜。
  5. 【請求項5】前記強誘電体薄膜が、チタン酸ジルコン酸
    鉛(PbZrxTi1-xO3)を主成分とすることを特徴とする請求
    項2に記載の強誘電体薄膜。
  6. 【請求項6】前記強誘電体薄膜の形成温度が650℃以下
    であることを特徴とする請求項5に記載の強誘電体薄
    膜。
  7. 【請求項7】前記強誘電体薄膜のxの値が0.4以上0.7以
    下であることを特徴とする請求項5に記載の強誘電体薄
    膜。
  8. 【請求項8】前記強誘電体薄膜のxの値が0.5以上0.54以
    下であることを特徴とする請求項6に記載の強誘電体薄
    膜。
  9. 【請求項9】前記配向制御層を構成する材料を結晶構造
    に酸素八面体構造を有する材料とし、その上に請求項3
    に記載の強誘電体薄膜を形成することを特徴とする強誘
    電体薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】前記配向制御層が、ペロブスカイト構造
    の材料からなることを特徴とする請求項9に記載の強誘
    電体薄膜の形成方法。
  11. 【請求項11】前記配向制御層が、チタン酸バリウム、
    チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸鉛・ラ
    ンタン、チタン酸ビスマス、タンタル酸ストロンチウム
    ・ビスマス、ルテニウム酸ストロンチウムのいずれかで
    あることを特徴とする請求項10に記載の強誘電体薄膜の
    形成方法。
  12. 【請求項12】前記配向制御層が、二酸化チタン、二酸
    化ルテニウム、二酸化タンタル、二酸化タングステン、
    二酸化クロム、二酸化ゲルマニウム、二酸化イリジウ
    ム、β−二酸化マンガン、二酸化モリブデン、二酸化ニ
    オブ、二酸化オスミウム、二酸化鉛、二酸化スズ、二酸
    化テルルのいずれかであることを特徴とする請求項9に
    記載の強誘電体薄膜の形成方法。
  13. 【請求項13】前記配向制御層を構成する金属元素を堆
    積した後に酸化せしめることで前記配向制御層を形成す
    ることを特徴とする請求項12に記載の強誘電体薄膜の形
    成方法。
  14. 【請求項14】基板と、前記基板に少なくとも1点以上
    を支持された梁と、前記梁上に形成された請求項1に記
    載の強誘電体薄膜と、前記第1の電極と前記第2の電極に
    それぞれ接続された複数の配線と、前記複数の配線の間
    の電位差を検出する電位差検出手段とからなる構造を有
    する強誘電体薄膜素子。
  15. 【請求項15】前記配向制御層により前記強誘電体薄膜
    の配向性が(111)面に優先的に配向され、且つ前記強誘
    電体薄膜を構成する材料がチタン酸ジルコン酸鉛であっ
    て且つZr/(Zr+Ti)比が0.52から0.7の間であることを特
    徴とする請求項14に記載の強誘電体薄膜素子。
  16. 【請求項16】前記強誘電体薄膜を構成する材料がチタ
    ン酸ジルコン酸鉛であって且つZr/(Zr+Ti)比が0.52から
    0.54の間であることを特徴とする請求項15に記載の強誘
    電体薄膜素子。
  17. 【請求項17】強誘電体薄膜が、請求項10に記載の強誘
    電体薄膜の形成方法により形成されたことを特徴とする
    請求項15に記載の強誘電体薄膜素子。
  18. 【請求項18】強誘電体薄膜が、請求項12に記載の強誘
    電体薄膜の形成方法により形成されたことを特徴とする
    請求項15に記載の強誘電体薄膜素子。
  19. 【請求項19】基板と、前記基板に少なくとも1点以上
    を支持された梁と、前記梁上に形成された請求項1に記
    載の強誘電体薄膜と、前記第1の電極と前記第2の電極に
    それぞれ接続された複数の配線と、前記複数の配線の間
    に電位差を発生する電圧印加手段とからなる構造を有す
    る強誘電体薄膜素子。
  20. 【請求項20】前記配向制御層により前記強誘電体薄膜
    の配向性が少なくとも(100)面配向を有するように制御
    され、且つ前記強誘電体薄膜を構成する材料がチタン酸
    ジルコン酸鉛であって且つZr/(Zr+Ti)比が0.4から0.52
    の間であることを特徴とする請求項19に記載の強誘電体
    薄膜素子。
  21. 【請求項21】前記強誘電体薄膜を構成する材料がチタ
    ン酸ジルコン酸鉛であって且つZr/(Zr+Ti)比が0.5から
    0.52の間であることを特徴とする請求項19に記載の強誘
    電体薄膜素子。
  22. 【請求項22】強誘電体薄膜が、請求項10に記載の強誘
    電体薄膜の形成方法により形成されたことを特徴とする
    請求項19に記載の強誘電体薄膜素子。
  23. 【請求項23】強誘電体薄膜が、請求項12に記載の強
    誘電体薄膜の形成方法により形成されたことを特徴とす
    る請求項19に記載の強誘電体薄膜素子。
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