JP2001222324A - 位置決め制御装置および位置決め制御方法 - Google Patents

位置決め制御装置および位置決め制御方法

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JP2001222324A
JP2001222324A JP2000029154A JP2000029154A JP2001222324A JP 2001222324 A JP2001222324 A JP 2001222324A JP 2000029154 A JP2000029154 A JP 2000029154A JP 2000029154 A JP2000029154 A JP 2000029154A JP 2001222324 A JP2001222324 A JP 2001222324A
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positioning control
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Seigo Komatsu
聖吾 小松
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セミクローズド方式およびフルクローズド方
式の双方の長所を積極的に生かした位置決め制御装置お
よび方法を提供する。 【解決手段】 サーボモータ2に接続されることもよっ
て駆動される機械駆動系4の従動部の位置決め制御を行
う方法において、サーボモータ2における観測に基づい
て得られる第1の位置情報を検出する第1検出器と、従
動部における観測に基づいて得られる第2の位置情報を
検出する第2検出器と、第1位置情報と第2位置情報と
を位置決め制御に反映する割合を無段階に設定するゲイ
ン設定器とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削加工装置等の
送り軸を位置決め制御するための位置決め制御装置およ
び位置決め制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から機械駆動系の従動部である送り
軸等をサーボモータ等(駆動部)によって駆動する加工
機システムが広く用いられている。このような加工機シ
ステムにおいて、加工される製品の精度は、送り軸等の
位置決めの精度に依存するので、高精度に製品の加工を
行うためには、より高精度に送り軸の位置決め制御を行
う必要がある。
【0003】一般に、サーボモータの制御方式として、
セミクローズド・ループ方式およびフルクローズド・ル
ープ方式が知られている。図10は、このセミクローズ
ド・ループ方式およびフルクローズド・ループ方式によ
るサーボモータの制御を説明するためのブロック図であ
る。図10に示すように、セミクローズド・ループ方式
とは、サーボモータ102に内蔵されたロータリエンコ
ーダ等の第1位置検出器106における観測に基づいて
得られた第1位置情報(rs,セミクローズド位置情報
という。)をフィードバックする方式である。一方、フ
ルクローズド・ループ方式とは、工作機械のテーブル等
の機械駆動系104に実際に位置決めされる従動部の位
置を検出するための光学スケール等の第2位置検出器1
08を取り付け、当該第2位置検出器112における観
測によって得られた第2位置情報(rm,フルクローズ
ド位置情報という。)をフィードバックする方式であ
る。図10には、セミクローズド・ループ方式の場合が
点線で示され、フルクローズド・ループ方式の場合が実
線で示されている。なお、図10には、コントローラ1
19からの信号を増幅するとともに速度指令に変換する
ためのサーボモータ120が示されている。
【0004】セミクローズド・ループ方式は、サーボモ
ータ102を直接制御するため制御性がよく、比較的高
いゲインを設定しても安定しやすい反面、最終的に定常
偏差が残存する。したがって、定常偏差が問題となるよ
うな高精度の加工機等の制御に用いることが難しいとい
う短所を有する。一方、フルクローズド・ループ方式
は、従動部の位置を直接検出して制御することによっ
て、定常偏差等が存在しない高精度の位置決め制御を行
うことができる。しかしながら、機械駆動系の剛性不足
やバックラッシュ等の非線形ヒステリシス特性の影響を
受けやすく、送り軸等が目標位置に静止せず、微小に振
動してしまう等の不具合が発生しやすい。
【0005】以上のように、各々長所と短所があるセミ
クローズド・ループ方式およびフルクローズド・ループ
方式を修正するために、フルクローズド・ループ方式を
採用しつつ、バックラッシュ等の影響を補正する技術
(特開平8−179831号)や、制御対象が整定領域
の近傍に達するまではセミクローズド・ループ制御を行
い、制御対象が整定領域の近傍に達した後はフルクロー
ズド・ループ制御を行う技術(特開平11−27233
5号)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の技術は、フルクローズド・ループ方式においてバ
ックラッシュの影響を補正するものであるか、または、
単にフルクローズド・ループ方式とセミクローズド・ル
ープ方式とを整定条件にしたがって二者択一的に切替え
るものにすぎず、一定の効果はあるものの、積極的にセ
ミクローズド・ループ方式の長所およびフルクローズド
・ループ方式の長所を共に利用するものとはいえない。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めに成されたものである。したがって、本発明の目的
は、フルクローズド・ループ方式による位置決め制御に
よる場合と同様に、定常偏差を低減した高精度の制御を
行いつつ、セミクローズド・ループ方式による位置決め
制御による場合と同様に、バッククラッシュなど非線形
ヒステリシス特性がある場合における振動を防止し、安
定性のある制御を実現することにある。
【0008】さらに、本発明の目的は、単にセミクロー
ズド・ループ方式とフルクローズド・ループ方式とを二
者択一的に切替えるのではなく、セミクローズド・ルー
プ方式とフルクローズド・ループ方式とを同時に使用
し、セミクローズド位置情報とフルクローズド位置情報
とをフィードバックに反映させる割合を無段階に切替え
ることができる位置決め制御装置および方法を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、以下のように構成される。
【0010】(1)駆動部によって駆動される従動部の
位置決め制御を行う装置において、駆動部における観測
に基づいて得られる第1の位置情報を検出する第1の検
出手段と、従動部における観測に基づいて得られる第2
の位置情報を検出する第2の検出手段と、前記第1検出
手段によって検出される第1位置情報と前記第2検出手
段によって検出される第2位置情報とを位置決め制御に
反映する割合を設定する設定手段とを有することを特徴
とする。
【0011】(2)前記設定手段は、第1位置情報と第
2位置情報とを位置決め制御に反映する割合を無段階に
設定することができることを特徴とする。
【0012】(3)前記設定手段は、第1検出手段によ
って検出された第1位置情報を目標位置から減じること
によって第1の位置偏差を算出する第1算出手段と、第
2検出手段によって検出された第2位置情報を目標位置
から減じることによって第2の位置偏差を算出する第2
算出手段と、算出された第1位置偏差と第2位置偏差と
に基づいて、第1位置偏差についての第1利得と第2位
置偏差についての第2利得との割合を設定する利得設定
手段と、第1位置偏差に第1利得を乗じた結果と第2位
置偏差に第2利得とを乗じた結果とを加算する加算手段
とを有し、前記加算手段によって加算された結果に基づ
いてフィードバック制御を行うことを特徴とする。
【0013】(4)前記利得設定手段は、第1位置偏差
と第2位置偏差との差分を求めて、当該差分の時間変化
量に応じて前記第1利得と第2利得との割合を設定する
ことを特徴とする。
【0014】(5)前記利得設定手段は、第1位置偏差
の時間変化量と第2位置偏差の時間変化量との差分を求
めて、当該差分に応じて第1利得と第2利得との割合を
設定することを特徴とする。
【0015】(6)前記利得設定手段は、第1位置偏差
と第2位置偏差との差分の時間変化量が小さい場合は、
第1利得を0とし、第2利得を1とする一方、該時間変
化量が大きい場合は、第1利得を1とし、第2利得を0
とすることを特徴とする。
【0016】(7)前記利得設定手段は、第1位置偏差
と第2位置偏差との差分の時間変化量が第1の設定値よ
り小さい場合には、第1利得を0とするとともに第2利
得を1とし、該時間変化量が第2の設定値より大きい場
合には、第1利得を1とするとともに第2利得を0と
し、該時間変化量が第1設定値以上かつ第2設定値以下
の場合には、該時間変化量の増加に伴って第1利得の第
2利得に対する比率を高くすることを特徴とする。
【0017】(8)前記時間変化量は、前記第1位置偏
差と前記第2位置偏差との差分を時間微分およびノイズ
除去処理を行うことによって算出されることを特徴とす
る。
【0018】(9)駆動部によって駆動される従動部の
位置決め制御を行う方法において、駆動部における観測
に基づいて得られる第1の位置情報を検出する第1の検
出段階と、従動部における観測に基づいて得られる第2
の位置情報を検出する第2の検出段階と、前記第1検出
段階によって検出される第1位置情報と前記第2検出段
階によって検出される第2位置情報とを位置決め制御に
反映する割合を設定する段階とを有することを特徴とす
る。
【0019】
【発明の効果】請求項1、請求項9に記載の発明によれ
ば、第1位置情報と第2位置情報とを位置決め制御に反
映する割合を設定するので、従動部の位置決め制御の方
式として、第1位置情報によって従動部の位置決め制御
を行う方式と第2位置情報によって従動部の位置決め制
御を行う方式とを二者択一的に選択するのではなく、第
1位置情報と第2位置情報とを位置決め制御に反映させ
る割合を調節することができ、第1位置情報によって従
動部の位置決め制御を行う方式と第2位置情報によって
従動部の位置決め制御を行う方式の各長所を積極的に生
かした位置決め制御を実現できる。すなわち、セミクロ
ーズド・ループ方式による安定的な制御とフルクローズ
ド・ループ方式による高精度の制御とを共に生かした位
置決め制御を実現できる。
【0020】請求項2に記載の発明によれば、第1位置
情報と第2位置情報とを位置決め制御に反映する割合を
無段階に設定できるので、単に、第1位置情報によって
従動部の位置決め制御を行う方式と第2位置情報によっ
て従動部の位置決め制御を行う方式を二者択一的に切替
えるのではなく、第1位置情報と第2位置情報とを共に
位置決め制御に反映させ、かつ、制御系の状態に応じ
て、第1位置情報と第2位置情報とを位置決め制御に反
映させる割合を連続的に変化させることができ、より一
層、制御系の状態に適した位置決め制御を行うことがで
きる。すなわち、セミクローズド・ループ方式による安
定的な制御とフルクローズド・ループ方式による高精度
の制御とを二者択一的に切替えるのではなく、セミクロ
ーズド側の位置情報とフルクローズド側の位置情報とを
位置決め制御に反映させる割合を連続的に変化させるこ
とができ、セミクローズド・ループ方式の利点とフルク
ローズド・ループ方式の利点とを共に生かし、制御系の
状態に合わせた適切な位置決め制御を行うことができ
る。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、算出され
た第1位置偏差と第2位置偏差とに基づいて、第1位置
偏差についての第1利得と第2位置偏差についての第2
利得との割合を設定する利得設定手段と、第1位置偏差
に第1利得を乗じた結果と第2位置偏差に第2利得とを
乗じた結果とを加算する加算手段とを有し、その加算結
果に基づいてフィードバック制御を行うので、比較的簡
便な構成で、第1位置情報と第2位置情報とをフィード
バックに反映させる割合を調節することができる。すな
わち、セミクローズド側の位置情報とフルクローズド側
の位置情報とをフィードバックに反映させる割合を簡便
に調整することができる。
【0022】請求項4または5に記載の発明によれば、
第1位置偏差と第2位置偏差との差分の時間変化量、ま
たは第1位置偏差の時間変化量と第2位置偏差の時間変
化量との差分という基準を用いて、制御系の非線形ヒス
テリシス成分の影響が大きいかどうかを判断し、その判
断に基づいて第1位置情報と第2位置情報とをフィード
バックに反映させる割合を適切に調節することができ
る。すなわち、順次変化する、制御系の状態を前記基準
を媒介として位置決め制御に反映させ、セミクローズド
側の位置情報とフルクローズド側の位置情報とをフィー
ドバックに反映させる割合を制御系の状態に最適になる
ように調整することができる。
【0023】請求項6〜8に記載の発明によれば、前記
時間変化量に着目した簡便な切替え則を用いることによ
って、第1位置偏差と第2位置偏差との差分の時間変化
量が小さい場合には、第2位置情報をフィードバックに
反映させる割合を高くして、定常偏差を軽減した高精度
の位置決め制御を行い、第1位置偏差と第2位置偏差と
の差分の時間変化量が大きい場合には、第1位置情報を
フィードバックに反映させる割合を高くして、制御系に
おけるバックラッシュなどの非線形成ヒステリシス特性
がある場合の振動を防止した安定的な制御を実現し、特
に、その中間状態では、時間変化量の増加に伴って、第
1位置情報をフィードバックに反映させる割合を無段階
に切替えることができるため、第1位置情報をフィード
バックに反映させる制御方式と第2位置情報をフィード
バックに反映させる制御方式の双方の長所を積極的に利
用した位置決め制御をより端的に実施することができ、
定常偏差を軽減しつつ、かつ、制御系におけるバックラ
ッシュなどの非線形成ヒステリシス特性がある場合の振
動を防止した安定的な位置決め制御を行うことができ
る。すなわち、セミクローズド・ループ方式とフルクロ
ーズド・ループ方式の双方の長所を積極的に利用した位
置決め制御を実施することができ、定常偏差を低減しつ
つ、かつ制御系におけるバックラッシュなどの非線形ヒ
ステリシスて特性がある場合の振動を防止した安定的な
位置決め制御を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって、本発明
の一実施形態を詳細に説明する。
【0025】本実施形態における位置決め制御装置は、
フルクローズド位置情報rfおよびセミクローズド位置
情報rsとを共に使用し、かつ、そのフィードバックに
反映させる使用割合を設定することができるものであ
る。特に、そのフルクローズド位置情報rfおよびセミ
クローズド位置情報rsをフィードバックに反映させる
割合を、無段階に設定することができる。本実施形態に
おける位置決め制御装置によれば、例えば、フルクロー
ズド位置情報rfのみをフィードバックとして使用する
段階、フルクローズド位置情報rfとセミクローズド位
置情報rsとを同じ割合でフィードバックに反映させる
段階、およびセミクローズド位置情報rsのみをフィー
ドバックとして使用する段階といったように、自由に使
用割合を設定することができる。
【0026】図1は、本実施形態の位置決め制御装置の
概略構成図である。
【0027】サーボモータ2は、ボールねじ等の結合部
を介して機械駆動系4に接続され、機械駆動系4におけ
る従動部の位置を移動させる。機械駆動系4の従動部と
しては、例えば、送り軸等がある。最終的には、この従
動部の位置が位置決め制御される。
【0028】第1位置検出器6は、サーボモータ2に取
り付けられた位置検出器であり、具体的には、ロータリ
エンコーダ等で構成される。第1位置検出器6は、サー
ボモータ2における観測に基づいて得られる第1位置情
報、すなわちセミクローズド位置情報rsを検出し、そ
の結果をフィードバックする。より具体的には、第1位
置検出器6は、サーボモータ2の回転速度を検出し、回
転速度の検出結果を積分処理することによって第1位置
情報を得るように構成することができる。
【0029】第2位置検出器8は、機械駆動系4に取り
付けられた位置検出器であり、具体的には、リニアスケ
ール等の位置検出器で構成される。第2位置検出器8
は、機械駆動系4における従動部における観測に基づい
て得られる当該従動部の第2位置情報、すなわちフルク
ローズド位置情報rfを検出し、その結果をフィードバ
ックする。
【0030】第1の位置偏差算出部10は、第1の位置
検出器6において得られたセミクローズド位置情報rs
を目標位置(位置指令ともいう)rから減算し、セミク
ローズド位置偏差Esを算出する。一方、第2の位置偏
差算出部12は、第2の位置検出器8において得られた
フルクローズド位置情報rfを目標位置rから減算し、
フルクローズド側の位置偏差Efを算出する。
【0031】セミクローズド側ゲイン14は、セミクロ
ーズド側の位置偏差Esに乗算されるゲイン(利得)で
あり、その値がKsで表されている。一方、フルクロー
ズド側ゲイン16は、フルクローズド側の位置偏差Ef
に乗算されるゲインであり、その値がKfで表されてい
る。最終的には、セミクローズド側ゲイン14(Ks)
をセミクローズド側の位置偏差Esに乗算した値とフル
クローズド側ゲイン16(Kf)をフルクローズド側の
位置偏差Efに乗算した値とが加算部18において加算
されて、フィードバックゲインとして位置決め制御に用
いたれる。したがって、セミクローズド側ゲイン14
(Ks)およびフルクローズド側ゲイン16(Kf)
は、セミクローズド位置情報rsとフルクローズド位置
情報rfとをフィードバックに反映させる割合を決定す
る要素といえる。なお、加算部18からの出力は、通常
の制御装置と同様に処理され、ポジションゲイン20
(Kp)によって増幅されるとともに速度指令(Vcm
d)に変換されて、サーボモータ2に出力される。
【0032】また、本実施形態の位置決め制御装置は、
セミクローズド側ゲイン14(Ks)とフルクローズド
側ゲイン16(Kf)との割合を設定するための構成を
有する。
【0033】差分算出部22は、セミクローズド位置偏
差Esとフルクローズド位置偏差Efとの差分εを求め
るものである。微分器24は、差分算出部22によって
求められた差分εを時間微分するものである。ノイズ除
去部26は、この差分εを時間微分して得られたデータ
に含まれるノイズを除去するものであり、好適には、ロ
ーパスフィルタが用いられる。
【0034】このセミクローズド側の位置偏差Esとフ
ルクローズド側の位置偏差Efとの差分εを時間微分し
た値(以下、「時間変化量」という)uを算出し、この
時間変化量uに応じて、セミクローズド側ゲイン14
(Ks)およびフルクローズド側ゲイン16(Kf)が
設定される。なお、時間変化量uとしては、上述のよう
に、さらに、ノイズ除去部26によってノイズを除去し
た後のデータを用いることができる。
【0035】ゲイン設定部28は、前記時間変化量uに
応じて、セミクローズド側ゲイン14(Ks)およびフ
ルクローズド側ゲイン16(Kf)を設定する。したが
って、時間変化量uに基づいて、セミクローズド位置情
報rsとフルクローズド位置情報rfとをフィードバッ
クに反映する割合が設定される。
【0036】具体的には、時間変化量uが所定の値より
も小さい場合には、セミクローズド側ゲイン14(K
s)を0とし、フルクローズド側ゲイン(Kf)を1と
する。時間変化量uが大きくなるにしたがって、セミク
ローズド側ゲイン(Ks)のフルクロード側ゲイン(K
f)に対する割合を高める。そして、時間変化量uが所
定の値よりも大きい場合には、セミクローズド側ゲイン
14(Ks)を1とし、フルクローズド側ゲイン(K
f)を0とする。なお、セミクローズ側ゲイン(Ks)
とフルクローズ側ゲイン(Kf)とを加えた値を一定値
とし、好ましくは、Ks+Kf=1の条件を満たすよう
に、KfおよびKsを設定することができる。
【0037】以上のように、時間変化量uに基づいてセ
ミクローズド側ゲイン14(Ks)とフルクローズド側
ゲイン16(Kf)を設定することによって、状況に応
じて、セミクローズド位置情報およびフルクローズド位
置情報をフィードバックに反映する割合を調整すること
が可能となる。
【0038】例えば、サーボモータ2および機械駆動系
4の従動部が安定的に動作している場合、セミクローズ
ド位置情報rsの時間的変化(目標位置rを基準にとれ
ば、セミクローズド側位置偏差Esの時間的変化に相当
する。)とフルクローズド位置情報rfの時間的変化
(目標位置を基準にとれば、フルクローズド側位置偏差
Efの時間的変化に相当する。)とは、一致する。すな
わち、セミクローズド側位置偏差Esが時間的に変化す
ることによって、同様にフルクローズド側位置偏差Ef
も時間的に変化するので、セミクローズド側位置偏差E
sとフルクローズド側位置偏差Efとの差分εの値は、
時間に依存しづらい状態となる。したがって、差分εを
時間微分した時間変化量uの値は0に近くなる。
【0039】このようにサーボモータ2および機械駆動
系4における従動部が安定的に動作している場合には、
フルクローズド・ループ方式を採用しても、バックラッ
シュ等の非線形ヒステリシスの影響は少ないので、セミ
クローズ側ゲイン14(Ks)の割合を低める一方、フ
ルクローズ側ゲイン16(Kf)の割合を高め、高精度
の位置決め制御を行う。さらに、時間変化量uの値が所
定値よりも小さい場合は、セミクローズ側ゲイン14
(Ks)を0として、完全にフルクローズド位置情報r
fのみをフィードバックに反映させるようにすることが
できる。すなわち、制御方式をフルクローズド・ループ
方式に切り替えることが可能である。
【0040】一方、バックラッシュ、ガタ、および機械
駆動系4の剛性不足などに基づく非線形ヒステリシスが
顕著となる場合には、セミクローズド位置情報rsの時
間的変化とフルクローズド位置情報の時間的変化rfと
は一致しない。例えば、サーボモータ2の回転によっ
て、セミクローズド位置情報rsが変化しても、直ちに
機械駆動系4の従動部に関するフルクローズド位置情報
rfが変化しない場合があり、逆に、セミクローズド位
置情報rsの変化が停止した後に、遅れて、機械駆動系
4の従動部に関するフルクローズド位置情報rfが変化
する場合がある。
【0041】目標位置rを基準にとって説明すれば、セ
ミクローズド側の位置偏差Esが時間的に変化しても、
フルクローズド側の位置偏差Efが時間的に変化すると
は限らず、セミクローズド側の位置偏差Esが時間的に
変化しない状態であっても、フルクローズド側の位置偏
差Efが時間的に変化する場合が生じる。したがって、
セミクローズド側の位置偏差Esとフルクローズド側の
位置偏差Efとの差分εの値は、時間に依存しやすい。
したがって、差分εを時間微分した時間変化量uは、比
較的大きい値をとる。
【0042】このように非線形ヒステリシスの影響が顕
著になる場合には、制御方式としてフルクローズド・ル
ープ方式を採用すると悪影響をうけやすいので、セミク
ローズド側ゲイン14(Ks)の割合を高める一方、フ
ルクローズド側ゲイン16(Kf)の割合を低める。さ
らに、時間変化量uの値が所定値よりも大きい場合に
は、フルクローズ側ゲイン16(Kf)を0として、完
全にセミクローズド位置情報rsのみをフィードバック
に反映させるようにすることができる。すなわち、制御
方式をセミクローズド・ループ方式に切り替えることが
可能である。 図2は、時間変化量uに基づいて、セミ
クローズド側ゲイン14(Ks)とフルクローズド側ゲ
イン16(Kf)を設定する基準、すなわち、切替え則
の一例を説明するための図である。図2に示した横軸
は、前記時間変化量uを示し、縦軸はセミクローズド側
ゲイン14の値Ksを示している。
【0043】ユーザによって設定される自由パラメータ
D1とD2(但し、D1<D2)を用いて、|u|<D
1の領域、D1≦|u|≦D2の領域、|u|>D2の
領域とに分けて、切替え則を説明する。なお、|u|
は、時間変化量uの絶対値である。
【0044】|u|<D1の領域、すなわち、時間変化
量uがD1よりも小さい領域において、セミクローズド
側ゲイン14(Ks)は、0と設定される。また、|u
|>D2の領域、すなわち、時間変化量uがD2よりも
大きい領域において、セミクローズド側ゲイン14(K
s)は、1と設定される。さらに、D1≦|u|≦D2
の領域、すなわち、時間変化量uがD1以上D2以下の
領域において、セミクローズド側ゲイン14(Ks)
は、0から1までの間で設定され、時間変化量uが増加
するのにしたがってセミクローズド側ゲイン14(K
s)が増加するように設定される。図2では、D1≦|
u|≦D2の領域において、セミクローズド側ゲイン1
4(Ks)が一次関数的に増加する場合が示されてい
る。
【0045】一方、フルクローズド側ゲイン16(K
f)は、1−Ksで表される。したがって、時間変化量
uに応じてKsが定めれれた場合、1からKsを引くこ
とによって、フルクローズド側ゲイン16(Kf)が算
出される。
【0046】したがって、例えば、時間変化量uの値が
D1とD2の中間の値である場合、Ks=Kf=0.5
となり、セミクローズド位置情報rsとフルクローズド
位置情報rfとが各々フィードバックに反映される割合
は、等しくなる。
【0047】このように、D1≦|u|≦D2の領域で
は、セミクローズド・ループ方式とフルクローズド・ル
ープ方式とが同時に制御方式として使用され、セミクロ
ーズド側およびフルクローズド側の各位置情報をフィー
ドバックにどの程度の割合で反映させるかを無段階に切
替えることができる。
【0048】なお、D1およびD2は、自由パラメータ
として、制御系に合わせて自由に設定できる。例えば、
D1およびD2は、機械駆動系4の剛性、材質、および
構造に基づいて変更することができ、一台ごとに設定す
ることができる。なお、剛性が高いと、フルクローズド
側ゲインKfを反映させる割合が高くなる。
【0049】また、図2におけるD1≦|u|≦D2の
領域でのグラフの傾きを大きくするすると、セミクロー
ズド側とフルクローズド側とのスイッチングが狭い領域
でおこる。なお、例えば、非線形成分としてバックラッ
シュ等が問題となる場合には、前記グラフの傾きを大き
くするように設定することができ、剛性が低い場合に
は、グラフの傾きを小さく設定することができる。以上
のように、本実施形態の位置決め制御装置において、自
由パラメータを自在に設定できることは、本実施形態の
位置決め制御装置を種々の装置に応用することができ、
その適用範囲が広がるという長所となる。
【0050】なお、図1および図2では、セミクローズ
ド側の位置偏差Esとフルクローズ側の位置偏差Efと
の差分εを求めて、この差分εの時間変化量、すなわ
ち、微分値に応じてセミクローズ側ゲインKsおよびフ
ルクローズ側ゲインKfとを設定する場合を説明した
が、逆にセミクローズ側の位置偏差Esの時間変化量お
よびフルクローズ側の位置偏差Efの時間変化量をまず
算出し、算出された時間変化量間の差分を求めて、この
差分に応じてセミクローズ側ゲインKsおよびフルクロ
ーズ側ゲインKfとを設定することができる。
【0051】また、図2では、D1≦|u|≦D2の領
域で、時間変化量uの増加にしたがってセミクローズ側
ゲイン14の値Ksが一次関数的に増加する場合を説明
した、二次関数、指数関数等のように他の関数にしたが
って、セミクローズ側ゲインKsが増加してもよい。ま
た、連続的(アナログ的)にセミクローズ側ゲインKs
が増加することが望ましいが、最初、0であったセミク
ローズ側ゲインKsが0が、最終的に1に増加するもの
であれば、適用可能である。
【0052】以上のように構成される位置決め制御装置
を実際にサーボモータ2および機械駆動系4の制御に用
いた場合の具体例を説明する。
【0053】図3は、位置決め制御装置を実際にサーボ
モータ2および機械駆動系の制御に適用した場合のブロ
ック図である。なお、図3における各要素の符号は、図
1において説明した位置決め制御装置の構成と同じ符号
を用いている。なお、説明の都合上、サーボモータ2の
要素には、サーボモータ2とともにポジションゲイン2
0も含めて表している。
【0054】図3において、サーボモータ2の要素の出
力は、セミクローズド位置情報rsとしてフィードバッ
クされる。また、機械駆動系4の要素の出力は、フルク
ローズド位置情報rfとしてフィードバックされる。第
1の位置偏差算出部10に対応する足し合わせ点におい
て、目標位置rからセミクローズ側の位置情報rsが差
し引かれて位置偏差Esが算出される。同様に第2の位
置偏差算出部12に対応する足し合せ点において、目標
位置rからフルクローズ側の位置情報rfが差し引かれ
て位置偏差Efが算出される。なお、機械駆動系4の要
素に示されたa,b,c,およびdは定数である。
【0055】さらに、差分算出器22に対応する足し合
わせ点において、セミクローズ側の位置偏差Esとフル
クローズ側の位置偏差Efとの差分εが求められる。こ
の差分εが、微分器24およびノイズ除去部26を有す
る要素29に入力されることによって、時間変化量uが
算出される。
【0056】ゲイン設定部28には、セミクローズ側ゲ
イン(Ks)を設定するための「切替え則」がテーブル
または算出式等の形で設定されている。特に、図2に示
した上述の自由パラメータD1およびD2は、入力手段
(図示していない)によってユーザが設定しておくこと
ができる。この結果、要素30(ルックアップ)におい
て、切替え則を示すテーブルや算出式を参照することに
より、セミクローズ側ゲイン14(Ks)が設定され
る。例えば、設定されたセミクローズ側ゲイン14(K
s)の値は、RAM等のメモリ32に書き込まれる。メ
モリ32から読み出されたセミクローズ側ゲイン14
(Ks)は、セミクローズ側位置偏差Esに乗算され
る。
【0057】一方、要素33において、セミクローズ側
ゲイン14(Ks)の値を1から差し引く(1の補数を
とる)ことによってフルクローズ側ゲイン16(Kf)
が算出される。算出されたフルクローズ側ゲイン16
(Kf)は、フルクローズ側位置偏差Efに乗算され
る。最終的に、加算器18に対応する足し合わせにおい
て、セミクローズド側ゲイン14をセミクローズド側の
位置偏差Esに乗算した値とフルクローズド側ゲイン1
6をフルクローズド側の位置偏差Efに乗算した値とが
加算される。この加算された結果をフィードバックとし
てコントローラ19に入力することによって、セミクロ
ーズド位置情報rsとフルクローズド位置情報rfとを
フィードバックに反映させる割合を無段階に切替えるこ
とができる。加算器18によって加算された出力は、コ
ントローラ19の要素に入力され、コントローラ19の
出力がサーボモータ2の要素に入力される。
【0058】図4(A)は、コントローラ19の要素の
ブロック図の一例である。コントローラ19の要素は、
定数倍の要素42、46、およびT/(Z−f)の要素
44および足し合せ点48を有する。なお、Tおよびf
は定数である。
【0059】図4(B)は、要素29のブロック図の一
例である。要素29は、微分器24の要素とノイズ除去
部26の要素とから構成される。
【0060】微分器24には、セミクローズ側の位置偏
差Esとフルクローズ側の位置偏差Efとの差分εが入
力される。時間遅れ要素34は、差分εの時間遅れをと
る。最大値を算出する要素36は、入力されたεの値と
時間遅れ要素34の出力値(時間遅れ処理されたεの
値)とを比較して、どちらの値が大きいかを判断する。
要素38は、この判断結果に基づいて、大きい方の値か
ら小さい方の値を引いて、時間で割ることによって、差
分εの微分を行う。なお、最終的には、要素40によっ
て、差分εの微分結果の絶対値が算出され、この絶対値
が微分器24から出力される。
【0061】ノイズ除去部26は、ローパスフィルタで
ある。なお、gは、定数である。ノイズ除去部26によ
って、微分器24からの出力データに含まれるノイズが
除去され、この結果が時間変化量uとして、出力され
る。
【0062】次に図3および図4に示した本実施形態に
おける位置決め制御による制御結果を示す。なお、比較
のために、通常のセミクローズド・ループ方式による位
置決め制御結果、およびセミクローズド・ループ方式に
よる位置決め制御結果を示す。セミクローズド・ループ
方式の場合のブロック図を図5(A)に示し、フルクロ
ーズド・ループ方式の場合のブロック図を図5(B)に
示す。また、位置決め制御結果は、サーボモータ2にお
ける観測によって得られる位置の出力値(図3および図
5中、モータアウトプットと表示)と機械駆動系4にお
ける観測によって得られる従動部の位置の出力値(図3
および図5中、マシンアウトプットと表示)とに分けて
表示する。なお、マシンアウトプットが最終的に位置決
め制御される値である。
【0063】図6は、本実施形態の位置決め制御装置に
よる制御結果の一例を示す図である。横軸は、時間軸で
あり、縦軸は、位置情報を示す。図6(A)は、目標位
置を示しており、図6(B)は、本実施形態の制御シス
テムによるモータアウトプットを示している。図6
(C)は、本実施形態の制御システムによるマシンアウ
トプット、すなわち、最終的な位置決め制御結果を示し
ている。
【0064】図7は、セミクローズド方式による位置決
め制御結果の一例を示す図である。図7(A)は、目標
位置を示すものであり、図6(A)と同じである。図7
(B)は、制御方式としてセミクローズド方式を採用し
た場合におけるモータアウトプットを示している。図7
(C)は、セミクローズド方式を採用した場合における
マシンアウトプットを示している。
【0065】図8は、フルクローズド方式による位置決
め制御結果の一例を示す図である。図8(A)は、目標
位置を示すものであり、図6(A)と同じである。図8
(B)は、フルクローズド方式を採用した場合における
モータアウトプットを示している。図8(C)は、フル
クローズド方式を採用した場合におけるマシンアウトプ
ットを示している。
【0066】図7に示すように従来のセミクローズド方
式によれば、モータアウトプットおよびマシンアウトプ
ットの双方ともに安定した制御結果を実現することがで
きる。ただし、図7では明確ではないが、セミクローズ
ド方式を採用した場合のマシンアウトプットには、最終
的に定常偏差が残り、この定常偏差が問題となるような
高精度の制御には適用できない。一方、図8に示すフル
クローズド方式によれば、セミクローズド方式の場合と
異なり、定常偏差の問題を解決できる。しかしながら、
図8からわかるように、機械駆動系4の剛性不足やバッ
クラッシュ等の非線形要素の存在により制御系が不安定
になってしまうことが分かる。
【0067】図6に示す本実施形態における位置決め制
御方式によれば、フルクローズド方式の場合と同様に定
常偏差を低く押さえることができるとともに、図6
(C)に示すように、セミクローズド方式の場合と同様
に安定的な位置決め制御を行うことができる。
【0068】図9は、以上説明した本実施形態の位置決
め制御の内容を示すフローチャートである。
【0069】まず、セミクローズド位置情報rsが検出
される。すなわち、サーボモータ2に設けられた第1位
置検出器6によって、サーボモータ2における観測によ
って得られるセミクローズド位置情報rsが検出され
る。具体的には、第1位置検出器6は、サーボモータ2
の回転速度を検出し、この回転速度の検出結果を積分処
理することによってセミクローズド位置情報rsを得る
(S100)。また、フルクローズド位置情報rfが検
出される。すなわち、サーボモータ2によって駆動され
る機械駆動系4の従動部の位置を当該機械駆動系4に設
けられた第2位置検出器8によって検出することによっ
てフルクローズド位置情報rfを得る(S101)。
【0070】次に、セミクローズド位置情報rsを目標
位置rから減算し、セミクローズド側の位置偏差Esが
算出される(S102)。具体的には、第1位置偏差算
出部10(足し合せ点)によって位置偏差Esが算出さ
れる。同様に、フルクローズド位置情報rfを目標位置
rから減算し、フルクローズド側の位置偏差Efが算出
される(S103)。
【0071】さらに、差分算出部22(足し合せ点)に
よって第1の位置偏差Esと第2の位置偏差Efとの差
分εが算出される(S104)。続いて、差分εが微分
される(S105)。例えば、差分εの微分は、差分ε
の入力ε(t)と当該差分の時間遅れε(t+Δt)と
の差分をとり、時間Δtで除算し、絶対値を取ることに
よって行われる。ステップS104による差分εの微分
結果は、ローパスフィルタで構成されるノイズ除去部2
6によって、ノイズが除去されて時間変化量uが算出さ
れる(S106)。
【0072】算出された時間変化量uに基づいてテーブ
ルが参照(ルックアップ)される(S107)。その結
果、セミクローズ側ゲイン14(Ks)およびフルクロ
−ズ側ゲイン16(Kf)の値が設定される(S10
8)。なお、セミクローズ側ゲイン14(Ks)とフル
クローズ側ゲイン16(Kf)を加えた値が常に1に設
定される場合、まず、前記テーブルを参照することによ
ってセミクローズ側ゲイン14(Ks)の値を設定し、
この設定されたセミクローズ側ゲイン14(Ks)の値
を1から差し引くことによってフルクローズ側ゲイン1
6(Kf)の値を導くことも可能である。なお、セミク
ローズ側ゲイン14(Ks)またはフルクローズ側ゲイ
ン16(Kf)は、RAMなどのメモリ32に逐次書き
込まれるように構成することが可能である。
【0073】このように設定されたセミクローズ側ゲイ
ン14(Ks)は、セミクローズド側の位置偏差Esに
乗算される。一方、フルクローズ側ゲイン16(Kf)
は、フルクローズ側の位置偏差Efに乗算される(S1
09)。また、最終的に加算器18は、セミクローズド
側ゲイン14(Ks)をセミクローズド側の位置偏差E
sに乗算した値とフルクローズド側ゲイン16(Kf)
をフルクローズド側の位置偏差Efに乗算した値とを加
算する(S110)。この加算した結果をフィードバッ
クとしてコントローラ19に入力し、速度指令に変換し
(S111)、この速度指令に基づいてサーボモータが
回転される(S112)。そして、機械駆動系4の従動
部である送り軸等の位置が移動する(S113)。
【0074】以上のように、本発明によれば、セミクロ
ーズド側の位置情報(第1位置情報)とフルクローズド
側の位置情報(第2位置情報)とを位置決め制御に反映
させる割合が無段階に設定できる。また、セミクローズ
ド側の位置情報とフルクローズド側の位置情報とを位置
決め制御に反映させる割合は、セミクローズド側の位置
偏差およびフルクローズド側の位置偏差に基づいて設定
できる。特に、セミクローズド側の位置偏差とフルクロ
ーズド側の位置偏差の差分の時間変化量に応じて前記割
合を設定することができる。実際には、時間変化量が小
さい場合には、セミクローズド側の位置偏差に乗じられ
るセミクローズ側ゲイン14(Ks)を0とし、フルク
ローズド側の位置偏差に乗じられるフルクローズ側ゲイ
ン16(Kf)を1とする一方、時間変化量が大きい場
合には、当該セミクローズ側ゲイン14(Ks)を1と
し、当該フルクローズド側ゲイン16(Kf)を0とす
る。より具体的には、自由パラメータである第1の設定
値D1と第2の設定値D2とを設定した上で、前記時間
変化量がD1より小さい場合には、セミクローズ側ゲイ
ン14(Ks)を0とし、フルクローズ側ゲイン16
(Kf)を1とし、前記時間変化量がD2より大きい場
合には、セミクローズ側ゲイン14(Ks)を1とし、
フルクローズ側ゲイン16(Kf)を0とし、前記時間
変化量がD1以上でD2以下の場合には、該時間変化量
の増加に伴ってセミクローズ側ゲイン14(Ks)のフ
ルクローズ側ゲイン16(Kf)に対する比率を高くす
る。
【0075】このように構成される本発明によれば、制
御方式として、単にセミクローズド方式とフルクローズ
ド方式とを二者択一的に切替えるのではなく、セミクロ
ーズド方式とフルクローズド方式とを同時に使用し、セ
ミクローズド位置情報とフルクローズド位置情報とをフ
ィードバックに反映させる割合を無段階に切替えること
ができ、両方式の長所を生かした位置決め制御を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の位置決め制御装置の概
略図である。
【図2】 KsとKfとを設定するための切替え側の一
例を説明するための図である。
【図3】 本発明の位置決め制御装置をサーボモータお
よび機械駆動系の制御に適用した場合のブロック図であ
る。
【図4】 コントローラの要素19、および要素29の
ブロック図の一例である。
【図5】 セミクローズド・ループ方式の場合、および
フルクローズド・ループ方式の場合のブロック図であ
る。
【図6】 本実施形態の位置決め制御装置による制御結
果の一例を示す図である。
【図7】 セミクローズド方式による位置決め制御結果
の一例を示す図である。
【図8】 図8は、フルクローズド方式による位置決め
制御結果の一例を示す図である。
【図9】 本実施形態の位置決め制御の内容を示すフロ
ーチャートである。
【図10】 従来のセミクローズド・ループ方式および
フルクローズド・ループ方式によるサーボモータの制御
を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
2…サーボモータ、 4…機械駆動系、 6…第1位置検出器、 8…第2位置検出器、 10…第1位置偏差算出部、 12…第2位置偏差算出部、 14…セミクローズド側ゲイン、 16…フルクローズド側ゲイン、 18…加算部、 20…ポジションゲイン、 22…差分検出部、 24…微分器、 26…ノイズ除去部、 28…ゲイン設定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H004 GA05 GA09 GB15 HA07 HB07 JA03 JB08 KB06 KC53 LA02 MA12 5H269 EE03 GG01 GG09 JJ01 5H303 AA01 AA04 BB01 BB06 CC02 DD01 EE03 EE07 FF06 FF20 GG20 HH01 HH05 KK02 KK04 KK24 KK36 KK37 MM05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動部によって駆動される従動部の位置
    決め制御を行う装置において、 駆動部における観測に基づいて得られる第1の位置情報
    を検出する第1の検出手段と、 従動部における観測に基づいて得られる第2の位置情報
    を検出する第2の検出手段と、 前記第1検出手段によって検出される第1位置情報と前
    記第2検出手段によって検出される第2位置情報とを位
    置決め制御に反映する割合を設定する設定手段とを有す
    ることを特徴とする位置決め制御装置。
  2. 【請求項2】 前記設定手段は、第1位置情報と第2位
    置情報とを位置決め制御に反映する割合を無段階に設定
    することができることを特徴とする請求項1に記載の位
    置決め制御装置。
  3. 【請求項3】 前記設定手段は、 第1検出手段によって検出された第1位置情報を目標位
    置から減じることによって第1の位置偏差を算出する第
    1算出手段と、 第2検出手段によって検出された第2位置情報を目標位
    置から減じることによって第2の位置偏差を算出する第
    2算出手段と、 算出された第1位置偏差と第2位置偏差とに基づいて、
    第1位置偏差についての第1利得と第2位置偏差につい
    ての第2利得との割合を設定する利得設定手段と、 第1位置偏差に第1利得を乗じた結果と第2位置偏差に
    第2利得とを乗じた結果とを加算する加算手段とを有
    し、 前記加算手段によって加算された結果に基づいてフィー
    ドバック制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    位置決め制御装置。
  4. 【請求項4】 前記利得設定手段は、第1位置偏差と第
    2位置偏差との差分を求めて、当該差分の時間変化量に
    応じて前記第1利得と第2利得との割合を設定すること
    を特徴とする請求項3に記載の位置決め制御装置。
  5. 【請求項5】 前記利得設定手段は、第1位置偏差の時
    間変化量と第2位置偏差の時間変化量との差分を求め
    て、当該差分に応じて第1利得と第2利得との割合を設
    定することを特徴とする請求項3に記載の位置決め制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記利得設定手段は、第1位置偏差と第
    2位置偏差との差分の時間変化量が小さい場合は、第1
    利得を0とし、第2利得を1とする一方、該時間変化量
    が大きい場合は、第1利得を1とし、第2利得を0とす
    ることを特徴とする請求項3に記載の位置決め制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記利得設定手段は、第1位置偏差と第
    2位置偏差との差分の時間変化量が第1の設定値より小
    さい場合には、第1利得を0とするとともに第2利得を
    1とし、 該時間変化量が第2の設定値より大きい場合には、第1
    利得を1とするとともに第2利得を0とし、 該時間変化量が第1設定値以上かつ第2設定値以下の場
    合には、該時間変化量の増加に伴って第1利得の第2利
    得に対する比率を高くすることを特徴とする請求項3に
    記載の位置決め制御装置。
  8. 【請求項8】 前記時間変化量は、前記第1位置偏差と
    前記第2位置偏差との差分を時間微分およびノイズ除去
    処理を行うことによって算出されることを特徴とする請
    求項4、6、7のいずれか一つに記載の位置決め制御装
    置。
  9. 【請求項9】 駆動部によって駆動される従動部の位置
    決め制御を行う方法において、 駆動部における観測に基づいて得られる第1の位置情報
    を検出する第1の検出段階と、 従動部における観測に基づいて得られる第2の位置情報
    を検出する第2の検出段階と、 前記第1検出段階によって検出される第1位置情報と前
    記第2検出段階によって検出される第2位置情報とを位
    置決め制御に反映する割合を設定する段階とを有するこ
    とを特徴とする位置決め制御方法。
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