JP2001221520A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2001221520A
JP2001221520A JP2000033406A JP2000033406A JP2001221520A JP 2001221520 A JP2001221520 A JP 2001221520A JP 2000033406 A JP2000033406 A JP 2000033406A JP 2000033406 A JP2000033406 A JP 2000033406A JP 2001221520 A JP2001221520 A JP 2001221520A
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time
refrigerant
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temperature sensor
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JP2000033406A
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English (en)
Inventor
Kenji Tanimoto
憲治 谷本
Akitoshi Ueno
明敏 上野
Takemune Mesaki
丈統 目崎
Takeo Ueno
武夫 植野
Kazuhide Nomura
和秀 野村
Masaaki Takegami
雅章 竹上
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発器として機能する熱交換器の能力を充分
に発揮させ、冷凍装置の能力を最大限に発揮させる。 【解決手段】 冷媒回路(20)における冷媒の膨張手段
を、コントローラ(70)により開閉される利用側電磁弁
(64a,64b)で構成する。利用側回路(40a,40b)には、
第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(T
h-B1,Th-B2)を設ける。第1温度センサ(Th-A1,Th-A
2)は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)での冷媒蒸発温度を検
出する。第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)は、利用側回
路(40a,40b)の終端部分の温度を検出する。コントロ
ーラ(70)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第
2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度に基づいて、
利用側電磁弁(64a,64b)を開閉操作する。その際、コ
ントローラ(70)は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口
で冷媒が飽和蒸気となるように利用側電磁弁(64a,64
b)を開閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気圧縮式冷凍サ
イクルを行う冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行
う冷凍装置が知られており、室内の冷房を行う空気調和
装置、冷蔵庫や冷凍庫の庫内を冷却する冷却装置等とし
て、幅広く利用されている。具体的に、上記冷凍装置
は、冷媒が充填された冷媒回路を備えている。この冷媒
回路には、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器が設けら
れている。冷媒回路では、冷媒が相変化しつつ循環し、
圧縮、凝縮、膨張、蒸発の各過程からなるサイクルを行
う。そして、冷媒が蒸発する際に対象物から吸熱し、こ
れによって対象物の冷却を行う。例えば、冷凍装置を空
気調和装置として用いる場合、蒸発器において冷媒が室
内空気から吸熱することによって室内空気が冷却され
る。
【0003】ここで、上記冷凍装置の冷凍サイクルにお
いては、蒸発した冷媒に若干の過熱度(例えば5℃程
度)がつくようにサイクルを設定するのが一般的であ
る。即ち、蒸発器においては、冷媒を蒸発させて飽和蒸
気とするだけでなく、更に吸熱させて過熱蒸気としてい
る。この点については、例えば、日本冷凍協会編「冷凍
空調便覧 基礎編 新版・第4版」の14〜15ページ
に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の冷凍装置では、蒸発器として機能する熱交換器の性
能を充分に発揮させることができないという問題があっ
た。以下、この点について、上記冷凍装置を空気調和装
置として用いた場合を例に説明する。尚、本明細書にお
いて、「飽和蒸気」という場合には、飽和液を含まない
「乾き飽和蒸気」を意味するものとする。飽和蒸気と飽
和液が混在するものを示す場合は、特に「湿り飽和蒸
気」と表現することとする。
【0005】この場合、蒸発器である室内熱交換器に
は、膨張弁で膨張した冷媒が送り込まれる。室内熱交換
器では、冷媒と室内空気とが熱交換を行う。冷媒は、室
内空気から吸熱して蒸発する。この時点で、蒸発した冷
媒は飽和蒸気となっている。その後、飽和蒸気である冷
媒は、更に室内空気から吸熱して過熱蒸気となる。そし
て、過熱蒸気となった冷媒が室内熱交換器から流出し、
圧縮機へと流れる。
【0006】つまり、室内熱交換器においては、冷媒と
室内空気との熱交換によって、冷媒の潜熱変化だけでな
く顕熱変化も行われる。この顕熱変化、即ち飽和蒸気を
過熱蒸気とするのに要する熱量は、潜熱変化、即ち液冷
媒を蒸発させるのに要する熱量よりもかなり少ないもの
である。ところが、ガス冷媒と室内空気が熱交換する際
の熱伝達率は、蒸発時の熱伝達に比べて著しく低くな
る。このため、ガス冷媒に過熱度をつけようとすると、
その際の吸熱量が少ないにも拘わらず比較的大きな伝熱
面積が必要となる。例えば、室内熱交換器の全伝熱面積
のうち、2割程度が必要となる。従って、室内熱交換器
のうちガス冷媒の過熱を行う部分、即ち室内空気の冷却
にほとんど寄与しない部分が大きくなり、熱交換器の大
型化を招き、ひいては熱交換器の性能を充分に生かすこ
とができないという問題があった。
【0007】上述の問題に対しては、蒸発器(室内熱交
換器)の出口における冷媒の過熱度をなるべく小さく設
定するという対策が考えられる。しかしながら、一般的
な温度センサの精度を考慮すると、それほど過熱度を小
さく設定することもできないことから現実的ではない。
【0008】また、従来の冷凍装置においては、蒸発器
の出口における過熱度をゼロに設定することはできな
い。つまり、飽和状態においては、飽和液と飽和蒸気が
共存している。また、飽和状態においては、飽和液と飽
和蒸気の混合比率に拘わらず温度及び圧力は一定であ
る。このため、冷媒の温度や圧力を測定したとしても、
蒸発器の出口における冷媒の乾き度は不明である。従っ
て、これでは飽和液が圧縮機へ送られる事態を招き、圧
縮機を破損してしまうこととなる。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、蒸発器として機能す
る熱交換器の能力を充分に発揮させ、冷凍装置の能力を
最大限に発揮させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、利用側熱交換器(41a)を有する利用側回路
(40a)が接続された冷媒回路(20)を備える冷凍装置
を対象としている。そして、冷却運転時における利用側
熱交換器(41a)の冷媒入口側に配置された開閉弁(64
a)と、冷却運転時に上記利用側熱交換器(41a)から流
出する冷媒が飽和蒸気となるように上記開閉弁(64a)
を開閉操作する制御器(70)とを備え、上記開閉弁(64
a)が上記冷媒回路(20)における冷媒の膨張手段を構
成するものである。
【0011】本発明が講じた第2の解決手段は、利用側
熱交換器(41a,41b)を有する複数の利用側回路(40a,4
0b)が互いに並列に接続された冷媒回路(20)を備える
冷凍装置を対象としている。そして、各利用側回路(40
a,40b)に一つずつ設けられ且つ冷却運転時における利
用側熱交換器(41a,41b)の冷媒入口側に配置された開
閉弁(64a,64b)と、冷却運転時に上記利用側熱交換器
(41a,41b)から流出する冷媒が飽和蒸気となるように
上記開閉弁(64a,64b)を開閉操作する動作を、上記複
数の利用側回路(40a,40b)についてそれぞれ行う制御
器(70)とを備え、上記開閉弁(64a,64b)が上記冷媒
回路(20)における冷媒の膨張手段を構成するものであ
る。
【0012】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、利用側回路(40a,40
b)には、冷却運転時における開閉弁(64a,64b)の下流
に温度検出手段が設けられる一方、制御器(70)は、上
記温度検出手段の検出温度に基づいて所定の動作を行う
ように構成されるものである。
【0013】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第
3の解決手段において、制御器(70)は、開閉弁(64a,
64b)の閉鎖中における温度検出手段の検出温度の変化
に基づいて所定の動作を行うように構成されるものであ
る。
【0014】本発明が講じた第5の解決手段は、上記第
3の解決手段において、制御器(70)は、開閉弁(64a,
64b)の開閉操作の時間間隔を温度検出手段の検出温度
に基づいて決定する時間決定部(72)を備え、上記時間
決定部(72)が決定する時間間隔に基づいて開閉弁(64
a,64b)を開閉操作するように構成されるものである。
【0015】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第
5の解決手段において、制御器(70)の時間決定部(7
2)は、開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時
間を一定として、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持
する開放時間を温度検出手段の検出温度に基づいて決定
するように構成されるものである。
【0016】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第
5の解決手段において、制御器(70)の時間決定部(7
2)は、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放時
間を一定として、開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持
する閉鎖時間を温度検出手段の検出温度に基づいて決定
するように構成されるものである。
【0017】本発明が講じた第8の解決手段は、上記第
5の解決手段において、制御器(70)の時間決定部(7
2)は、温度検出手段の検出温度に基づいて、開閉弁(6
4a,64b)を開放状態に保持する開放時間と開閉弁(64a,
64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間とを決定するよう
に構成されるものである。
【0018】本発明が講じた第9の解決手段は、上記第
5,第6,第7又は第8の解決手段において、温度検出
手段は、利用側熱交換器(41a,41b)における冷媒の蒸
発温度を検出するための第1温度センサ(Th-A1,Th-A
2)と、冷却運転時における利用側回路(40a,40b)の出
口側の温度を検出するための第2温度センサ(Th-B1,Th
-B2)とにより構成されるものである。
【0019】本発明が講じた第10の解決手段は、上記
第5又は第8の解決手段において、温度検出手段は、利
用側熱交換器(41a,41b)における冷媒の蒸発温度を検
出するための第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)と、冷却
運転時における利用側回路(40a,40b)の出口側の温度
を検出するための第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)とに
より構成される一方、制御器(70)の時間決定部(72)
は、上記第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度と
上記第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度とに基
づいて、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放
時間と開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時
間とを決定するように構成されるものである。
【0020】本発明が講じた第11の解決手段は、上記
第5の解決手段において、温度検出手段は、利用側熱交
換器(41a,41b)における冷媒の蒸発温度を検出するた
めの第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)と、冷却運転時に
おける利用側回路(40a,40b)の出口側の温度を検出す
るための第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)とにより構成
される一方、制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉
弁(64a,64b)を閉鎖した時から、開閉弁(64a,64b)の
閉鎖中における第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出
温度が開閉弁(64a,64b)の開放中に第1温度センサ(T
h-A1,Th-A2)が検出していた温度と一致する時までの経
過時間を計測し、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持
する開放時間を上記経過時間に基づいて決定するように
構成されるものである。
【0021】本発明が講じた第12の解決手段は、上記
第10の解決手段において、制御器(70)の時間決定部
(72)は、開閉弁(64a,64b)を閉鎖した時から、開閉
弁(64a,64b)の閉鎖中における第2温度センサ(Th-B
1,Th-B2)の検出温度が開閉弁(64a,64b)の開放中に第
1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が検出していた温度と一
致する時までの経過時間を計測し、該経過時間に基づい
て開閉弁(64a,64b)の開放時間を決定するように構成
されるものである。
【0022】本発明が講じた第13の解決手段は、上記
第11又は第12の解決手段において、制御器(70)の
時間決定部(72)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)
又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)について、開閉弁
(64a,64b)の開放中に検出していた温度と開閉弁(64
a,64b)の閉鎖中における検出温度の最低値との差を温
度低下度として検出し、該温度低下度と経過時間の両方
に基づいて開閉弁(64a,64b)の開放時間を決定するよ
うに構成されるものである。
【0023】本発明が講じた第14の解決手段は、上記
第11,第12又は第13の解決手段において、制御器
(70)の時間決定部(72)は、温度低下度及び経過時間
を用いて所定の演算を行い、得られた演算値が所定の基
準値以上であれば該演算値を開放時間と決定し、得られ
た演算値が上記基準値未満であれば該基準値を開放時間
と決定するように構成されるものである。
【0024】本発明が講じた第15の解決手段は、上記
第14の解決手段において、制御器(70)の時間決定部
(72)は、得られた演算値が所定の基準値以上であれば
閉鎖時間を一定に保持する一方、得られた演算値が上記
基準値未満である状態が所定時間に亘って継続すると、
開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間を延
長するように構成されるものである。
【0025】本発明が講じた第16の解決手段は、上記
第6の解決手段において、温度検出手段は、利用側熱交
換器(41a,41b)における冷媒の蒸発温度を検出するた
めの第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)と、冷却運転時に
おける利用側回路(40a,40b)の出口側の温度を検出す
るための第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)とにより構成
される一方、制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉
弁(64a,64b)を閉鎖した時から、開閉弁(64a,64b)の
閉鎖中における第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出
温度が開閉弁(64a,64b)の開放中に第1温度センサ(T
h-A1,Th-A2)が検出していた温度と一致する時までの経
過時間を計測し、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持
する開放時間を上記経過時間に基づいて決定するように
構成されるものである。
【0026】本発明が講じた第17の解決手段は、上記
第16の解決手段において、制御器(70)の時間決定部
(72)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)又は第2温
度センサ(Th-B1,Th-B2)について、開閉弁(64a,64b)
の開放中に検出していた温度と開閉弁(64a,64b)の閉
鎖中における検出温度の最低値との差を温度低下度とし
て検出し、該温度低下度と経過時間の両方に基づいて開
閉弁(64a,64b)の開放時間を決定するように構成され
るものである。
【0027】本発明が講じた第18の解決手段は、上記
第17の解決手段において、制御器(70)の時間決定部
(72)は、温度低下度及び経過時間を用いて所定の演算
を行い、得られた演算値が所定の基準値以上であれば該
演算値を開放時間と決定し、得られた演算値が上記基準
値未満であれば該基準値を開放時間と決定するように構
成されるものである。
【0028】本発明が講じた第19の解決手段は、上記
第1,第2,第3又は第4の解決手段において、制御器
(70)は、冷却運転時に利用側熱交換器(41a,41b)か
ら流出する冷媒の過熱度が所定値以上の場合は乾き状態
と判定し、該冷媒の過熱度が所定値未満の場合は湿り状
態と判定する判定動作を行う判定部(71)を備え、判定
部(71)が乾き状態と判定した場合は開閉弁(64a,64
b)を開放状態に保持し、判定部(71)が湿り状態と判
定した場合は開閉弁(64a,64b)を所定の時間間隔で開
閉操作するように構成されるものである。
【0029】本発明が講じた第20の解決手段は、上記
第19の解決手段において、利用側回路(40a,40b)に
は、利用側熱交換器(41a,41b)における冷媒の蒸発温
度を検出するための第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)
と、冷却運転時における利用側回路(40a,40b)の出口
側の温度を検出するための第2温度センサ(Th-B1,Th-B
2)とが設けられる一方、制御器(70)の判定部(71)
は、開閉弁(64a,64b)の開放中における第1温度セン
サ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)
の検出温度に基づいて判定動作を行うように構成される
ものである。
【0030】本発明が講じた第21の解決手段は、上記
第20の解決手段において、制御器(70)は、開閉弁
(64a,64b)の開放中における第1温度センサ(Th-A1,T
h-A2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度
に基づいて利用側熱交換器(41a,41b)での圧力損失に
よる冷媒の飽和温度の低下度を検出し、検出した値を判
定部(71)へ出力する圧力損失検出部(73)を備える一
方、制御器(70)の判定部(71)は、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)の検出温度、第2温度センサ(Th-B1,T
h-B2)の検出温度及び圧力損失検出部(73)の検出値を
用いて冷媒の過熱度を導出するように構成されるもので
ある。
【0031】本発明が講じた第22の解決手段は、上記
第21の解決手段において、制御器(70)の圧力損失検
出部(73)は、開閉弁(64a,64b)の開放中における第
1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度から第2温度
センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度を差し引いた値を導
出し、所定時間内における導出値の最大値に基づいて冷
媒の飽和温度の低下度を検出して、検出した値を所定時
間ごとに判定部(71)へ出力するように構成されるもの
である。
【0032】本発明が講じた第23の解決手段は、上記
第9の解決手段において、制御器(70)は、冷却運転の
停止中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出
温度と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度との
差を温度誤差として検出する誤差検出部(74)を備える
一方、制御器(70)の時間決定部(72)は、誤差検出部
(74)が検出する温度誤差に基づいて第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の
検出温度を補正した上で開閉弁(64a,64b)の開閉操作
の時間間隔を決定するように構成されるものである。
【0033】本発明が講じた第24の解決手段は、上記
第10の解決手段において、制御器(70)は、冷却運転
の停止中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検
出温度と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度と
の差を温度誤差として検出する誤差検出部(74)を備え
る一方、制御器(70)の時間決定部(72)は、誤差検出
部(74)が検出する温度誤差に基づいて第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の
検出温度を補正した上で開閉弁(64a,64b)の開放時間
と閉鎖時間とを決定するように構成されるものである。
【0034】本発明が講じた第25の解決手段は、上記
第20の解決手段において、制御器(70)は、冷却運転
の停止中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検
出温度と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度と
の差を温度誤差として検出する誤差検出部(74)を備え
る一方、制御器(70)の判定部(71)は、誤差検出部
(74)が検出する温度誤差に基づいて第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の
検出温度を補正した上で所定の判定動作を行うように構
成されるものである。
【0035】本発明が講じた第26の解決手段は、上記
第9の解決手段において、制御器(70)は、第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)が異常か否かを検出する異常検出
部(75)を備える一方、制御器(70)の時間決定部(7
2)は、上記異常検出部(75)が第1温度センサ(Th-A
1,Th-A2)の異常を検出すると、該第1温度センサ(Th-
A1,Th-A2)の検出温度に代えて所定の設定値を用い、該
設定値と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度と
に基づいて開閉弁(64a,64b)の開閉操作の時間間隔を
決定するように構成されるものである。
【0036】本発明が講じた第27の解決手段は、上記
第10の解決手段において、制御器(70)は、第1温度
センサ(Th-A1,Th-A2)が異常か否かを検出する異常検
出部(75)を備える一方、制御器(70)の時間決定部
(72)は、上記異常検出部(75)が第1温度センサ(Th
-A1,Th-A2)の異常を検出すると、該第1温度センサ(T
h-A1,Th-A2)の検出温度に代えて所定の設定値を用い、
該設定値と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度
とに基づいて開閉弁(64a,64b)の開放時間と閉鎖時間
とを決定するように構成されるものである。
【0037】本発明が講じた第28の解決手段は、上記
第9の解決手段において、利用側回路(40a,40b)は、
利用側熱交換器(41a,41b)へ送られる空気の温度を検
出するための風温センサ(Th-C1,Th-C2)を備え、制御
器(70)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が異常か
否かを検出する異常検出部(75)を備える一方、制御器
(70)の時間決定部(72)は、上記異常検出部(75)が
第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常を検出すると、
上記風温センサ(Th-C1,Th-C2)の検出温度及び第2温
度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度だけに基づいて、
開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放時間と開
閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間とを決
定するように構成されるものである。
【0038】本発明が講じた第29の解決手段は、上記
第9の解決手段において、利用側回路(40a,40b)は、
利用側熱交換器(41a,41b)へ送られる空気の温度を検
出するための風温センサ(Th-C1,Th-C2)を備え、制御
器(70)は、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が異常か
否かを検出する異常検出部(75)を備える一方、制御器
(70)の時間決定部(72)は、上記異常検出部(75)が
第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の異常を検出すると、
第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度及び風温セ
ンサ(Th-C1,Th-C2)の検出温度だけに基づいて、開閉
弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放時間と開閉弁
(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間とを決定す
るように構成されるものである。
【0039】−作用− 上記第1の解決手段では、利用側回路(40a)に利用側
熱交換器(41a)が設けられる。利用側回路(40a)は、
冷媒回路(20)に接続されて該冷媒回路(20)の一部を
構成している。冷媒回路(20)では、冷媒が相変化しつ
つ循環し、圧縮、凝縮、膨張、蒸発の各過程からなるサ
イクルを繰り返す。これによって、蒸気圧縮式の冷凍サ
イクルが行われる。その際、利用側熱交換器(41a)に
おいて冷媒が対象物から吸熱して蒸発する。以上の動作
を行い、対象物を冷却する冷却運転が行われる。
【0040】また、上記冷媒回路(20)には、開閉弁
(64a)が設けられる。この開閉弁(64a)は、冷却運転
時における利用側熱交換器(41a)の冷媒入口側に配置
される。従って、冷却運転中には、凝縮した冷媒が開閉
弁(64a)を通って利用側熱交換器(41a)へ流入する。
上記開閉弁(64a)は、制御器(70)の動作によって開
閉される。
【0041】上記冷媒回路(20)では、制御器(70)に
よって開閉される開閉弁(64a)が冷媒の膨張手段を構
成する。つまり、冷却運転時においては、制御器(70)
が開閉弁(64a)を開閉操作することによって冷媒が膨
張する。具体的に、開閉弁(64a)を開くと、凝縮した
冷媒が利用側熱交換器(41a)へ流入する。その後、開
閉弁(64a)を閉じると、利用側熱交換器(41a)への冷
媒の供給は遮断される。一方、利用側熱交換器(41a)
の冷媒は圧縮機へと吸引されるため、利用側熱交換器
(41a)の圧力が低下してゆく。これに伴って利用側熱
交換器(41a)内の冷媒が減圧され、対象物から吸熱し
て蒸発する。
【0042】上記制御器(70)は、所定の動作によって
開閉弁(64a)を開閉操作する。制御器(70)による開
閉弁(64a)の操作は、利用側熱交換器(41a)から流出
する冷媒が飽和蒸気となるように行われる。ここで、従
来の冷媒回路(20)では、利用側熱交換器(41a)に対
して連続的に冷媒が送られる。これに対し、本解決手段
に係る冷媒回路(20)では、開閉弁(64a)を開閉する
ことによって利用側熱交換器(41a)へ間欠的に冷媒が
供給される。従って、開閉弁(64a)を開放している時
間を考慮すれば、利用側熱交換器(41a)への冷媒流入
量をある程度把握することも可能である。そして、利用
側熱交換器(41a)への冷媒流入量を把握できれば、利
用側熱交換器(41a)の出口で冷媒が飽和蒸気となるよ
うな制御を行っても、圧縮機への液バック等の問題を回
避し得る。
【0043】上記第2の解決手段では、上記第1の解決
手段とほぼ同様に冷媒回路(20)が構成される。ただ
し、本解決手段に係る冷媒回路(20)には、複数の利用
側回路(40a,40b)が接続される。各利用側回路(40a,4
0b)には、上記第1の解決手段と同様に、利用側熱交換
器(41a,41b)と開閉弁(64a,64b)とが設けられる。つ
まり、冷凍運転時における各利用側熱交換器(41a,41
b)の冷媒入口側には、開閉弁(64a,64b)がそれぞれ設
けられる。そして、冷却運転時においては、凝縮した冷
媒が分流されて各利用側回路(40a,40b)へ送られる。
また、各利用側回路(40a,40b)では、送り込まれた冷
媒が開閉弁(64a,64b)を通って利用側熱交換器(41a,4
1b)へ導入される。
【0044】本解決手段に係る制御器(70)は、各利用
側回路(40a,40b)の開閉弁(64a,64b)に対して個別に
所定の動作を行う。制御器(70)における動作の内容
は、上記第1の解決手段のものと同様である。具体的
に、制御器(70)は、各利用側回路(40a,40b)の利用
側熱交換器(41a,41b)から流出する冷媒がそれぞれ飽
和蒸気となるように、各利用側回路(40a,40b)の開閉
弁(64a,64b)に対して個別に開閉操作を行う。そし
て、制御器(70)によって開閉される開閉弁(64a,64
b)が冷媒回路(20)における冷媒の膨張手段を構成す
る。
【0045】上記第3の解決手段では、所定の温度検出
手段が設けられる。この温度検出手段は、利用側回路
(40a,40b)における所定箇所の温度を検出する。具体
的に、温度検出手段は、冷却運転時における開閉弁(64
a,64b)の下流となる箇所の温度を検出する。例えば、
利用側回路(40a,40b)の配管部分や利用側熱交換器(4
1a,41b)等における所定箇所の温度が、温度検出手段に
よって検出される。尚、利用側回路(40a,40b)が複数
の場合、温度検出手段は、各利用側回路(40a,40b)に
ついて、開閉弁(64a,64b)の下流における所定箇所の
温度をそれぞれ検出する。
【0046】そして、制御器(70)は、温度検出手段の
検出温度に基づいて所定の動作を行う。即ち、制御器
(70)は、温度検出手段の検出温度に基づいて、利用側
熱交換器(41a,41b)の出口で冷媒が飽和蒸気となるよ
うに開閉弁(64a,64b)を開閉操作する。
【0047】上記第4の解決手段では、制御器(70)が
所定の動作を行う場合、開閉弁(64a,64b)を閉鎖した
状態での温度検出手段の検出温度の変化を用いて開閉弁
(64a,64b)を開閉操作を行う。上述のように、開閉弁
(64a,64b)を閉鎖した状態では、利用側熱交換器(41
a,41b)に対する冷媒の供給が遮断され、圧縮機に冷媒
が吸引されることによって利用側熱交換器(41a,41b)
の内圧が低下してゆく。このため、利用側熱交換器(41
a,41b)における冷媒の蒸発温度が変化する。これに伴
って、利用側回路(40a,40b)の温度、例えば利用側熱
交換器(41a,41b)や配管部分の温度も変化する。ま
た、利用側熱交換器(41a,41b)内の液冷媒が全て蒸発
した場合、対象物からの吸熱量が減少するため、これに
よっても上記利用側回路(40a,40b)の温度が変化す
る。従って、利用側回路(40a,40b)の温度を検出する
温度検出手段の検出値も変化する。そして、この検出温
度の変化に基づき、制御器(70)が所定の動作を行って
開閉弁(64a,64b)を操作する。
【0048】上記第5の解決手段では、制御器(70)に
時間決定部(72)が設けられる。時間決定部(72)は、
温度検出手段の検出温度に基づいて、開閉弁(64a,64
b)に対する開閉操作の時間間隔を決定する。例えば、
開閉弁(64a,64b)を開いた時点から説明する。この時
点から所定の時間が経過すると、制御器(70)が開閉弁
(64a,64b)を閉じる操作を行う。更に、開閉弁(64a,6
4b)を閉じた時点から所定の時間が経過すると、制御器
(70)が開閉弁(64a,64b)を開く操作を行う。
【0049】つまり、制御器(70)は、開閉弁(64a,64
b)に対して、開く操作と閉じる操作とを所定の時間間
隔で交互に繰り返す。その際、開閉弁(64a,64b)に対
する操作の時間間隔は、時間決定部(72)が温度検出手
段の検出温度に基づいて決定する。尚、開閉弁(64a,64
b)を開いてから閉じるまでの時間と、開閉弁(64a,64
b)を閉じてから開くまでの時間とは、等しい値である
必要はなく、異なる値であってもよい。
【0050】視点を変えて開閉弁(64a,64b)について
説明すると、開閉弁(64a,64b)は制御器(70)によっ
て所定の時間間隔で開閉される。つまり、開閉弁(64a,
64b)は、所定の時間に亘って開放状態に保持された後
に閉じられ、その後に所定の時間に亘って閉鎖状態に保
持されてから再び開かれる。このようにして、開閉弁
(64a,64b)が開閉を繰り返す。従って、制御器(70)
の時間決定部(72)は、開閉弁(64a,64b)を開いた状
態に保持する時間や、閉じた状態に保持する時間を決定
しているとも言える。
【0051】上記第6,第7,第8の解決手段では、制
御器(70)の時間決定部(72)が所定の動作を行い、開
閉弁(64a,64b)の開放時間と閉鎖時間とを定める。こ
こで、開閉弁(64a,64b)の開放時間は、開閉弁(64a,6
4b)が開いた状態に保持される時間を意味する。また、
開閉弁(64a,64b)の閉鎖時間は、開閉弁(64a,64b)が
閉じた状態に保持される時間を意味する。
【0052】制御器(70)は、時間決定部(72)が定め
た開放時間及び閉鎖時間に基づいて開閉弁(64a,64b)
を操作する。具体的に、制御器(70)は、開閉弁(64a,
64b)を開いてから所定の開放時間が経過すると開閉弁
(64a,64b)を閉じる。その後、制御器(70)は、閉鎖
時間が経過すると再び開閉弁(64a,64b)を開き、この
動作を繰り返して開閉弁(64a,64b)を開閉操作する。
【0053】そして、上記第6の解決手段では、時間決
定部(72)が、温度検出手段の検出温度とは無関係に、
開閉弁(64a,64b)の閉鎖時間を一定値に定める。更
に、時間決定部(72)は、温度検出手段の検出温度に基
づいて開閉弁(64a,64b)の開放時間を調節し、調節後
の値を開放時間として定める。以上のようにして時間決
定部(72)が設定した開放時間と閉鎖時間とに基づい
て、制御器(70)が開閉弁(64a,64b)を開閉操作す
る。
【0054】また、上記第7の解決手段では、時間決定
部(72)が、温度検出手段の検出温度とは無関係に、開
閉弁(64a,64b)の開放時間を一定値に定める。更に、
時間決定部(72)は、温度検出手段の検出温度に基づい
て開閉弁(64a,64b)の閉鎖時間を調節し、調節後の値
を閉鎖時間として定める。以上のようにして時間決定部
(72)が設定した開放時間と閉鎖時間とに基づいて、制
御器(70)が開閉弁(64a,64b)を開閉操作する。
【0055】また、上記第8の解決手段では、時間決定
部(72)が、温度検出手段の検出温度に基づいて開閉弁
(64a,64b)の開放時間を調節し、調節後の値を開放時
間として定める。更に、時間決定部(72)は、温度検出
手段の検出温度に基づいて開閉弁(64a,64b)の閉鎖時
間を調節し、調節後の値を閉鎖時間として定める。以上
のようにして時間決定部(72)が設定した開放時間と閉
鎖時間とに基づいて、制御器(70)が開閉弁(64a,64
b)を開閉操作する。
【0056】上記第9,第10,第11,第16の解決
手段では、温度検出手段が第1温度センサ(Th-A1,Th-A
2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)によって構成さ
れる。第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)は、利用側熱交
換器(41a,41b)での冷媒蒸発温度を検出するために、
利用側回路(40a,40b)における所定箇所の温度を検出
する。一方、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)は、冷却
運転時における利用側回路(40a,40b)の冷媒出口側、
例えば利用側回路(40a,40b)における出口側の端部の
温度を検出する。従って、第2温度センサ(Th-B1,Th-B
2)は、利用側回路(40a,40b)のうち利用側熱交換器
(41a,41b)で蒸発した冷媒が流通する部分の温度を検
出することとなる。
【0057】そして、上記第10の解決手段では、制御
器(70)の時間決定部(72)が、第1温度センサ(Th-A
1,Th-A2)の検出温度と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)
の検出温度とに基づいて、開閉弁(64a,64b)の開放時
間と閉鎖時間とを定める。
【0058】また、上記第11,第16の解決手段で
は、制御器(70)の時間決定部(72)が以下の動作を行
う。尚、以下に示す時間決定部(72)の動作は、上記第
12の解決手段においても同様である。
【0059】具体的に、制御器(70)の時間決定部(7
2)は、経過時間の計測を行う。先ず、時間決定部(7
2)は、開閉弁(64a,64b)を開いた状態において第1温
度センサ(Th-A1,Th-A2)が検出する温度を記憶する。
その後に開閉弁(64a,64b)が閉じられると、時間決定
部(72)は、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温
度を監視する。そして、時間決定部(72)は、開閉弁
(64a,64b)が閉じられた時点から、監視している第2
温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度と記憶しておい
た第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度とが一致
する時点までの時間を、経過時間として計測する。
【0060】この経過時間は、ある運転条件における利
用側熱交換器(41a,41b)の冷媒蒸発能力に対して、利
用側熱交換器(41a,41b)への冷媒供給量が多いか少な
いかによって変化する。即ち、開閉弁(64a,64b)を閉
鎖すると、利用側熱交換器(41a,41b)へは冷媒が供給
されず、利用側熱交換器(41a,41b)内の液冷媒が蒸発
する。その際、圧縮機が冷媒を吸引するため、利用側熱
交換器(41a,41b)の圧力は次第に低下して冷媒の蒸発
温度も低下する。従って、開閉弁(64a,64b)を閉鎖す
ると、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度は一
旦低下する。その後、利用側熱交換器(41a,41b)内の
液冷媒が全て蒸発すると、第2温度センサ(Th-B1,Th-B
2)の検出温度が次第に上昇する。
【0061】このような検出温度の変化は、第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)についても同様である。つまり、
開閉弁(64a,64b)を閉鎖すると、第1温度センサ(Th-
A1,Th-A2)の検出温度は一旦低下し、その後、次第に上
昇する。
【0062】そして、利用側熱交換器(41a,41b)内の
液冷媒量が少ないほど、即ち利用側熱交換器(41a,41
b)への冷媒供給量が少ないほど上記経過時間が短くな
る。逆に、利用側熱交換器(41a,41b)内の液冷媒量が
多いほど、即ち利用側熱交換器(41a,41b)への冷媒供
給量が多いほど上記経過時間が長くなる。従って、上記
経過時間の長短は利用側熱交換器(41a,41b)への冷媒
供給量の多少に対応する。そこで、時間決定部(72)
は、冷媒供給量と相関のある経過時間に基づいて開閉弁
(64a,64b)の開放時間を決定する。
【0063】上記第13,第17の解決手段では、制御
器(70)の時間決定部(72)が温度低下度を検出する。
この温度低下度の検出は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A
2)の検出温度又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検
出温度の何れか一方について行えばよい。例えば、第1
温度センサ(Th-A1,Th-A2)について温度低下度を検出
する場合、時間決定部(72)は開閉弁(64a,64b)を開
いた状態において第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が検
出する温度を記憶する。その後に開閉弁(64a,64b)が
閉じられると、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出
温度を監視する。上述のように、開閉弁(64a,64b)を
閉鎖すると、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温
度は一旦低下し、その後は次第に上昇する。時間決定部
(72)は、開閉弁(64a,64b)を閉じた状態における第
1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度の最低値を検
出し、記憶しておいた値、即ち開閉弁(64a,64b)の開
放中に第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が検出していた
温度と上記最低値との差を温度低下度として検出する。
【0064】この温度低下度は、圧縮機が利用側熱交換
器(41a,41b)から冷媒を吸引する際の吸引力によって
変化する。例えば、2つの利用側回路(40a,40b)が設
けられた冷媒回路(20)を考える。両利用側回路(40a,
40b)の利用側熱交換器(41a,41b)において対象物の冷
却を行う際には、両利用側熱交換器(41a,41b)から圧
縮機が冷媒を吸引する。ところが、一方の利用側回路
(40b)がサーモオフしたような場合には、他方の利用
側回路(40a)に設けられた利用側熱交換器(41a)のみ
から圧縮機へ冷媒が吸引されるため、当該他方の利用側
熱交換器(41a)からの冷媒の吸引力が増加する。従っ
て、該他方の利用側回路(40a)の開閉弁(64a)を閉鎖
すると、運転している利用側熱交換器(41a)における
内圧の低下度が増大し、これに伴って温度低下度も増加
する。そこで、時間決定部(72)は、経過時間だけでな
く温度低下度をも考慮して開閉弁(64a,64b)の開放時
間を決定する。
【0065】上記第14,第18の解決手段では、制御
器(70)の時間決定部(72)が所定の演算を行って開放
時間を決定する。先ず、時間決定部(72)は、経過時間
及び温度低下度の値を用いて所定の演算を行う。続い
て、時間決定部(72)は、演算によって得られた演算値
と、予め設定された基準値とを比較する。そして、演算
値が基準値よりも大きければ演算値を開放時間と定める
一方、演算値が基準値よりも小さければ基準値を開放時
間と定める。即ち、時間決定部(72)で設定される開放
時間が上記基準値よりも小さくなることはない。
【0066】上記第15の解決手段では、制御器(70)
の時間決定部(72)が、一定条件下で開閉弁(64a,64
b)の閉鎖時間を変更する。上述のように、時間決定部
(72)は、開放時間に下限が設けられており、演算値が
基準値を下回った場合であっても開放時間を基準値未満
に短縮することはしない。しかしながら、このような状
態においては、利用側熱交換器(41a,41b)に対する冷
媒供給量が過大となっている。そこで、上記基準値が開
放時間と定められる状態が所定時間に亘って継続する
と、時間決定部(72)は閉鎖時間の変更を行う。具体的
には、開閉弁(64a,64b)の閉鎖時間を延長する。そし
て、開閉弁(64a,64b)が閉じられている時間を延長す
ることによって、利用側熱交換器(41a,41b)への冷媒
供給量を削減するようにする。
【0067】上記第19の解決手段では、制御器(70)
に判定部(71)が設けられる。この判定部(71)は、利
用側熱交換器(41a,41b)から流出する冷媒が乾き状態
か湿り状態かを判定する。具体的には、利用側熱交換器
(41a,41b)の出口における冷媒の過熱度が所定値以上
であれば乾き状態と判定し、該冷媒の過熱度が所定値未
満であれば湿り状態と判定する。
【0068】そして、制御器(70)は、判定部(71)が
乾き状態と判定すると開閉弁(64a,64b)を開いたまま
で保持し、判定部(71)が湿り状態と判定すると開閉弁
(64a,64b)を所定の時間間隔で開閉する。つまり、判
定部(71)が乾き状態と判定した場合には、利用側熱交
換器(41a,41b)で蒸発させ得る冷媒量に対して冷媒供
給量が過少となっている。従って、制御器(70)は、利
用側熱交換器(41a,41b)への冷媒供給量を確保すべ
く、開閉弁(64a,64b)を開いた状態に保持する。一
方、判定部(71)が湿り状態と判定した場合には、利用
側熱交換器(41a,41b)で蒸発させ得る冷媒量に対して
冷媒供給量が適正又は過多となっている。従って、制御
器(70)は、利用側熱交換器(41a,41b)の出口におけ
る冷媒を飽和蒸気とすべく、所定の時間間隔で開閉弁
(64a,64b)の開放と閉鎖とを繰り返す。この開閉弁(6
4a,64b)に対する開閉操作は、例えば上記第5の解決手
段の動作と同様に行われる。
【0069】上記第20の解決手段では、利用側回路
(40a,40b)に第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2
温度センサ(Th-B1,Th-B2)が設けられる。第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)は、利用側熱交換器(41a,41b)で
の冷媒蒸発温度を検出するために、利用側回路(40a,40
b)における所定箇所の温度を検出する。一方、第2温
度センサ(Th-B1,Th-B2)は、冷却運転時における利用
側回路(40a,40b)の冷媒出口側、例えば利用側回路(4
0a,40b)における出口側の端部の温度を検出する。従っ
て、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)は、利用側回路(4
0a,40b)のうち利用側熱交換器(41a,41b)で蒸発した
冷媒が流通する部分の温度を検出することとなる。そし
て、制御器(70)の判定部(71)は、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の
両検出温度に基づいて、乾き状態であるか湿り状態であ
るかの判定を行う。
【0070】上記第21の解決手段では、制御器(70)
に圧力損失検出部(73)が設けられる。ここで、利用側
熱交換器(41a,41b)で冷媒が流通すると圧力損失が生
じ、冷媒の圧力が次第に降下する。これに伴って、利用
側熱交換器(41a,41b)の出口側における冷媒の飽和温
度は、入口側における冷媒の飽和温度よりも低くなる。
圧力損失検出部(73)は、この圧力降下に伴う冷媒飽和
温度の低下度を検出する。そして、制御器(70)の判定
部(71)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2
温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度だけでなく、こ
の圧力降下に伴う飽和温度の低下度をも考慮して過熱度
を導出し、導出した過熱度に基づいて乾き状態であるか
湿り状態であるかの判定を行う。
【0071】上記第22の解決手段では、制御器(70)
の圧力損失検出部(73)が所定の動作を行い、利用側熱
交換器(41a,41b)での冷媒の圧力降下に伴う冷媒飽和
温度の低下度を検出する。そして、圧力損失検出部(7
3)は、検出した冷媒飽和温度の低下度を所定時間ごと
に判定部(71)へ出力する。ここで、利用側熱交換器
(41a,41b)における圧力損失は、冷媒流量等の運転条
件によって変化する。これに対し、本解決手段では、圧
力損失検出部(73)が検出した値を所定時間ごとに判定
部(71)へ出力し、判定部(71)は入力された値を用い
て所定の判定を行う。即ち、判定部(71)での判定に用
いられる冷媒飽和温度の低下度は、所定時間ごとに更新
される。
【0072】上記第23,第24,第25の解決手段で
は、制御器(70)に誤差検出部(74)が設けられる。こ
の誤差検出部(74)は、冷却運転を停止している状態で
の第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ
(Th-B1,Th-B2)の検出温度に基づいて温度誤差を検出
する。即ち、冷却運転を行っていなければ、理論上は第
1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度と第2温度セ
ンサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度とが一致するはずであ
る。しかしながら、実際の温度センサには個体差があ
る。このため、例えば複数の温度センサを同じ箇所に設
置したとしても、各温度センサの検出温度が完全に一致
するのは希である。そこで、これらの解決手段では、誤
差検出部(74)が第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検
出温度と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度と
の差を温度誤差として検出する。
【0073】そして、上記第23,第24の解決手段で
は、制御器(70)の時間決定部(72)が温度誤差を考慮
した上で所定の動作を行う。具体的に、時間決定部(7
2)は、上記温度誤差を用いて第1温度センサ(Th-A1,T
h-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出値を
補正し、両温度センサの個体差をキャンセルする。例え
ば、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出値と第2温
度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出値の何れか一方に上記
温度誤差を加える、あるいは上記温度誤差を差し引くこ
とによって補正を行う。上記第23の解決手段では、こ
のような補正を行った上で、時間決定部(72)が開閉弁
(64a,64b)の開閉操作の時間間隔を定める。また、上
記第24の解決手段では、このような補正を行った上
で、時間決定部(72)が開閉弁(64a,64b)の開放時間
と閉鎖時間とを定める。
【0074】一方、第25の解決手段では、制御器(7
0)の判定部(71)が温度誤差を考慮した上で所定の動
作を行う。具体的に、判定部(71)は、上記温度誤差を
用いて第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)又は第2温度セ
ンサ(Th-B1,Th-B2)の検出値を補正し、両温度センサ
の個体差をキャンセルする。例えば、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)の検出値と第2温度センサ(Th-B1,Th-
B2)の検出値の何れか一方に上記温度誤差を加える、あ
るいは上記温度誤差を差し引くことによって補正を行
う。このような補正を行った上で、判定部(71)が乾き
状態であるか湿り状態であるかの判定を行う。
【0075】上記第26,第27,第28の解決手段で
は、制御器(70)に異常検出部(75)が設けられる。異
常検出部(75)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が
異常か否かを検出する。例えば、第1温度センサ(Th-A
1,Th-A2)が短絡状態や開放状態となったような場合に
は、異常検出部(75)によって第1温度センサ(Th-A1,
Th-A2)の異常が検出される。
【0076】そして、上記第26,第27の解決手段で
は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常が検出され
ると、制御器(70)の時間決定部(72)が、第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度に代えて所定の設定値
を用いて所定の動作を行う。即ち、冷却運転時におい
て、運転状態がほぼ定常に至った状態では、第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度はさほど変動しないと
考えられる。そこで、定常運転状態における第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度に相当する値を予め設
定値として設定しておく。
【0077】具体的に、上記第26の解決手段では、第
1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常が検出されると、
時間決定部(72)が、所定の設定値と第2温度センサ
(Th-B1,Th-B2)の検出温度とに基づいて、開閉弁(64
a,64b)の開閉操作の時間間隔を定める。また、上記第
27の解決手段では、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)
の異常が検出されると、時間決定部(72)は、所定の設
定値と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度とに
基づいて、開閉弁(64a,64b)の開放時間と閉鎖時間と
を定める。
【0078】一方、上記第28の解決手段では、利用側
回路(40a,40b)に風温センサ(Th-C1,Th-C2)が設けら
れる。風温センサ(Th-C1,Th-C2)は、利用側熱交換器
(41a,41b)へ送られる空気の温度を検出する。そし
て、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常が検出され
ると、時間決定部(72)は、風温センサ(Th-C1,Th-C
2)の検出温度と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出
温度とに基づいて開閉弁(64a,64b)の開放時間と閉鎖
時間とを定める。
【0079】上記第29の解決手段では、制御器(70)
に異常検出部(75)が設けられる。異常検出部(75)
は、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が異常か否かを検
出する。例えば、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が短
絡状態や開放状態となったような場合には、異常検出部
(75)によって第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の異常
が検出される。また、利用側回路(40a,40b)には、風
温センサ(Th-C1,Th-C2)が設けられる。風温センサ(T
h-C1,Th-C2)は、利用側熱交換器(41a,41b)へ送られ
る空気の温度を検出する。そして、第2温度センサ(Th
-B1,Th-B2)の異常が検出されると、時間決定部(72)
は、風温センサ(Th-C1,Th-C2)の検出温度と第1温度
センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度とに基づいて開閉弁
(64a,64b)の開放時間と閉鎖時間とを定める。
【0080】
【発明の効果】本発明では、制御器(70)により開閉さ
れる開閉弁(64a,64b)が冷媒の膨張手段を構成し、開
閉弁(64a,64b)の開閉操作によって利用側熱交換器(4
1a,41b)へ間欠的に冷媒を送り込むようにしている。つ
まり、従来のように利用側熱交換器(41a,41b)へ連続
的に冷媒を供給するのではなく、断続的に利用側熱交換
器(41a,41b)へ冷媒を供給している。従って、開閉弁
(64a,64b)を開放している時間を考慮すれば、利用側
熱交換器(41a,41b)への冷媒流入量をある程度把握す
ることが可能である。
【0081】このため、利用側熱交換器(41a,41b)の
出口において冷媒が飽和状態となる様な運転を行って
も、利用側熱交換器(41a,41b)から多量の飽和液が流
出して圧縮機の破損に至るといった事態を回避できる。
つまり、利用側熱交換器(41a,41b)の出口において冷
媒が飽和蒸気となるような運転が可能となる。
【0082】従って、従来のように蒸発器である利用側
熱交換器(41a,41b)において冷媒に過熱度をつける必
要がなくなり、利用側熱交換器(41a,41b)の全伝熱面
積を有効に利用して対象物からの吸熱を行うことができ
る。この結果、利用側熱交換器(41a,41b)の熱交換能
力を充分に発揮させることができ、更には利用側熱交換
器(41a,41b)における熱交換量が増大することから、
冷凍装置の冷却能力を最大限に発揮させることが可能と
なる。
【0083】特に、上記第2の解決手段では複数の利用
側回路(40a,40b)を設けているが、この場合には各利
用側回路(40a,40b)に対して適切な量の冷媒を確実に
供給することが可能となる。即ち、第2の解決手段で
は、制御器(70)が各利用側回路(40a,40b)の開閉弁
(64a,64b)に対して個別に開閉操作を行う。従って、
各利用側回路(40a,40b)の運転条件等が異なる場合で
あっても、各利用側回路(40a,40b)における利用側熱
交換器(41a,41b)の出口で冷媒が飽和蒸気となるよう
に、各開閉弁(64a,64b)の制御が行われる。このた
め、各利用側回路(40a,40b)への冷媒供給量を適切に
維持することができ、確実な冷却運転が可能となる。
【0084】更に、第2の解決手段では、開閉弁(64a,
64b)の開閉操作によって利用側熱交換器(41a,41b)へ
の冷媒供給量を変更している。従って、例えば開閉弁
(64a,64b)に送られる冷媒が気液二相の状態となった
場合であっても、冷媒供給量の調節を確実に行うことが
可能である。
【0085】上記第3,第4の解決手段では、具体的に
温度検出手段の検出温度に基づいて制御器(70)が所定
の動作を行う。特に、第4の解決手段では、開閉弁(64
a,64b)が閉鎖中における検出温度の変化を考慮して、
開閉弁(64a,64b)の開閉操作を行っている。従って、
制御器(70)が所定の検出温度に基づいて確実に動作を
行うことができ、本発明の効果を確実に得ることができ
る。
【0086】上記第5,第6,第7,第8の解決手段で
は、制御器(70)に時間決定部(72)を設け、この時間
決定部(72)により定められた時間間隔に基づいて、開
閉弁(64a,64b)の開閉操作を行うようにしている。ま
た、上記第9,第10,第11,第16の解決手段で
は、温度検出手段を第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及
び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)で構成し、これら温
度センサの検出温度に基づいて時間決定部(72)が所定
の動作を行うようにしている。従って、これらの解決手
段によれば、制御器(70)における動作を具体化でき
る。
【0087】上記第11,第12,第16の解決手段で
は、利用側熱交換器(41a,41b)への冷媒供給量と相関
をもつ経過時間に基づいて開放時間を決定している。更
に、上記第13,第17の解決手段では、経過時間だけ
でなく温度低下度をも考慮して開放時間を決定してい
る。従って、これらの解決手段によれば、開閉弁(64a,
64b)の開放時間を的確に定めることができ、冷凍装置
の能力を充分に発揮させることが可能となる。
【0088】上記第14,第18の解決手段では、時間
決定部(72)において決定される開放時間が常に基準値
以上に維持される。即ち、時間決定部(72)が決定する
開放時間について、上記基準値が下限として設定され
る。ここで、開放時間があまりに短くなると、開閉弁
(64a,64b)が頻繁に開閉されることとなり、開閉弁(6
4a,64b)の耐久性が不足して開閉弁(64a,64b)の破損
に至るおそれがある。これに対し、本解決手段では、所
定の基準値を開放時間の下限としているため、開閉弁
(64a,64b)の開閉回数が過大となるのを防止すること
ができる。従って、開閉弁(64a,64b)の破損を確実に
回避でき、信頼性の向上を図ることが出来る。
【0089】上記第15の解決手段では、演算値が基準
値以下となる状態、即ち利用側熱交換器(41a,41b)へ
の冷媒供給量の削減が求められている状態において、開
閉弁(64a,64b)の閉鎖時間を延長することとしてい
る。従って、開閉弁(64a,64b)の開閉回数を抑制して
信頼性を確保しつつ、利用側熱交換器(41a,41b)への
冷媒供給量を適正に維持することが可能となる。
【0090】上記第19,第20の解決手段では、制御
器(70)の判定部(71)を設け、判定部(71)における
判定結果に基づいて所定の動作を行うようにしている。
従って、利用側熱交換器(41a,41b)における運転状態
に的確に対応した開閉弁(64a,64b)の開閉操作が可能
となる。また、判定部(71)において乾き状態と判定さ
れた場合には、開閉弁(64a,64b)を開いたままで保持
するようにしている。従って、利用側熱交換器(41a,41
b)で蒸発させ得る冷媒量に対して冷媒供給量が過少と
なっている乾き状態において、利用側熱交換器(41a,41
b)への冷媒供給量を最大限確保することができる。
【0091】上記第21,第22の解決手段によれば、
制御器(70)の判定部(71)において、利用側熱交換器
(41a,41b)での圧力損失に伴う冷媒飽和温度の低下度
を考慮して所定の判定を行うことができる。従って、利
用側熱交換器(41a,41b)の出口における冷媒が乾き状
態であるか湿り状態であるかの判定を正確に行うことが
でき、制御器(70)による開閉弁(64a,64b)の開閉操
作を的確に行うことができる。特に、第22の解決手段
によれば、判定部(71)での判定に用いる冷媒飽和温度
の低下度を所定時間ごとに更新することができる。従っ
て、判定部(71)における判定を一層正確に行うことが
可能となる。
【0092】上記第23,第24,第25の解決手段に
よれば、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度
センサ(Th-B1,Th-B2)の個体差をも考慮した上で、時
間決定部(72)又は判定部(71)における所定の動作を
行うことができる。従って、制御器(70)による開閉弁
(64a,64b)の開閉操作を的確に行うことが可能とな
る。
【0093】上記第26,第27,第28,第29の解
決手段によれば、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)又は
第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が異常となった場合の
対策を講じることができる。従って、万一、第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B
2)の検出温度が得られない事態に陥ったとしても、冷
却運転を継続して対象物の冷却を行うことが可能とな
る。この結果、多少のトラブルがあっても対象物の冷却
を継続でき、この点で冷凍装置の信頼性を向上させるこ
とができる。
【0094】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0095】図1及び図2に示すように、冷凍装置(1
0)は、コンビニエンスストアに設置されて冷凍庫と冷
蔵庫を同時に冷却するためのものである。この冷凍装置
(10)は、1つの室外ユニット(11)と、1つのカスケ
ードユニット(12)と、2つの冷蔵ユニット(13a,13
b)と、1つの冷凍ユニット(14)とを備えている。
【0096】室外ユニット(11)には、高温側の液側連
絡管(31)及びガス側連絡管(32)を介して、2つの冷
蔵ユニット(13a,13b)が接続されている。各冷蔵ユニ
ット(13a,13b)は、室外ユニット(11)に対して互い
に並列に接続されている。カスケードユニット(12)
は、液側連絡管(31)の途中に設けられている。このカ
スケードユニット(12)には、低温側の液側連絡管(5
4)及びガス側連絡管(55)を介して、冷凍ユニット(1
4)が接続されている。
【0097】そして、室外ユニット(11)、カスケード
ユニット(12)の一部、2つの冷蔵ユニット、液側連絡
管(31)及びガス側連絡管(32)によって高温側冷媒回
路(20)が構成されている。一方、カスケードユニット
(12)、冷凍ユニット(14)、液側連絡管(54)及びガ
ス側連絡管(55)によって低温側冷媒回路(50)が構成
されている。
【0098】上記高温側冷媒回路(20)には、圧縮機構
(21)と、凝縮器(23)と、キャピラリチューブ(24)
と、レシーバ(25)と、冷媒熱交換器(26)と、2つの
冷蔵用蒸発器(41a,41b)とが接続されている。このう
ち、圧縮機構(21)と、凝縮器(23)と、キャピラリチ
ューブ(24)と、レシーバ(25)とは、室外ユニット
(11)に設けられている。また、冷媒熱交換器(26)
は、カスケードユニット(12)に設けられている。ま
た、冷蔵用蒸発器(41a,41b)は、それぞれ冷蔵ユニッ
ト(13a,13b)に設けられている。
【0099】上記高温側冷媒回路(20)の圧縮機構(2
1)は、2台の圧縮機(22)を並列に接続して構成され
ている。各圧縮機(22)の吐出側には、それぞれ逆止弁
(CV)が設けられている。各圧縮機(22)の吐出側は、
凝縮器(23)の入口端に接続されている。各圧縮機(2
2)の吸入側は、ガス側連絡管(32)に接続されてい
る。そして、この圧縮機構(21)は、圧縮機(22)の運
転台数を変更することによって容量可変に構成されてい
る。
【0100】上記凝縮器(23)は、いわゆるクロスフィ
ン型の熱交換器により構成されている。即ち、凝縮器
(23)は、多数設けられたアルミ製の板状のフィンと、
これらフィンを貫通して設けられた銅製の伝熱管とによ
って構成されている。この凝縮器(23)は、室外空気と
の熱交換により冷媒を凝縮させるものである。室外ユニ
ット(11)には室外ファン(15)が設けられ、この室外
ファン(15)によって凝縮器(23)へ室外空気が送られ
る。この凝縮器(23)の出口端は、キャピラリチューブ
(24)を介してレシーバ(25)に接続されている。
【0101】レシーバ(25)は、縦長の円筒容器状に形
成されている。レシーバ(25)の下端部は、冷媒配管
(33)を介して液側連絡管(31)に接続されている。こ
の冷媒配管(33)には、液側電磁弁(61)が設けられて
いる。レシーバ(25)の上端部は、減圧配管(34)を介
して圧縮機構(21)の吸入側に接続されている。この減
圧配管(34)には、ガス側電磁弁(62)が設けられてい
る。このレシーバ(25)は、ガス側電磁弁(62)を間欠
的に開くことにより減圧され、内部の液冷媒を自己蒸発
により冷却するように構成されている。
【0102】上記冷媒熱交換器(26)は、多数の伝熱プ
レートを積層して形成された、いわゆるプレート式熱交
換器により構成されている。この冷媒熱交換器(26)
は、一端が室外ユニット(11)側の液側連絡管(31)に
接続され、他端が冷蔵ユニット(13a,13b)側の液側連
絡管(31)に接続されている。また、冷媒熱交換器(2
6)には、低温側冷媒回路(50)が接続されている。そ
して、この冷媒熱交換器(26)は、いわゆる二元冷凍シ
ステムにおけるカスケードコンデンサを構成している。
【0103】上記高温側冷媒回路(20)には、バイパス
配管(35)が設けられている。このバイパス配管(35)
は、2つの冷蔵ユニット(13a,13b)をバイパスするよ
うに接続されている。具体的に、バイパス配管(35)
は、一端が高温側冷媒回路(20)における冷媒熱交換器
(26)の直後に接続され、他端がガス側連絡管(32)に
接続されている。また、バイパス配管(35)には、バイ
パス電磁弁(63)が設けられている。そして、冷蔵ユニ
ット(13a,13b)の両方がサーモオフとなった場合に
は、バイパス電磁弁(63)を開いて冷媒熱交換器(26)
における冷媒の流通を確保する。
【0104】上記高温側冷媒回路(20)のうち冷蔵ユニ
ット(13a,13b)に設けられた部分は、利用側回路(40
a,40b)を構成している。各利用側回路(40a,40b)は、
一端側で液側連絡管(31)に接続され、他端側でガス側
連絡管(32)に接続されている。また、各利用側回路
(40a,40b)には、利用側熱交換器である冷蔵用蒸発器
(41a,41b)と共に、開閉弁である利用側電磁弁(64a,6
4b)が設けられている。この利用側電磁弁(64a,64b)
は、各利用側回路(40a,40b)における冷蔵用蒸発器(4
1a,41b)の一端側に設けられている。即ち、各利用側回
路(40a,40b)では、一端から他端に向かって順に、利
用側電磁弁(64a,64b)と冷蔵用蒸発器(41a,41b)とが
配置されている。
【0105】上記冷蔵用蒸発器(41a,41b)は、凝縮器
(23)と同様に、クロスフィン型の熱交換器により構成
されている。この冷蔵用蒸発器(41a,41b)は、冷蔵庫
の庫内空気との熱交換により冷媒を蒸発させるものであ
る。各冷蔵ユニット(13a,13b)にそれぞれ冷蔵庫内フ
ァン(16a,16b)が設けられ、この冷蔵庫内ファン(16
a,16b)によって冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ冷蔵庫内の
庫内空気が送られる。
【0106】また、各冷蔵ユニット(13a,13b)には、
第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)、第2温度センサ(Th-
B1,Th-B2)、吸込風温センサ(Th-C1,Th-C2)及び吹出
風温センサ(Th-D1,Th-D2)がそれぞれ設けられてい
る。第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)は、冷蔵用蒸発器
(41a,41b)の伝熱管に対し、該伝熱管の入口端寄りに
位置して取り付けられている。この第1温度センサ(Th
-A1,Th-A2)は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)における冷媒
蒸発温度を検出するためのものである。第2温度センサ
(Th-B1,Th-B2)は、利用側回路(40a,40b)における冷
蔵用蒸発器(41a,41b)の下流側に取り付けられてい
る。吸込風温センサ(Th-C1,Th-C2)は、庫内空気の通
路に設けられて、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に供給され
る庫内空気の温度を検出する。吹出風温センサ(Th-D1,
Th-D2)は、庫内空気の通路に設けられて、冷蔵用蒸発
器(41a,41b)を通過した後の庫内空気の温度を検出す
る。尚、上記各センサとしては、サーミスタが用いられ
ている。
【0107】上記低温側冷媒回路(50)は、圧縮機(5
1)と、冷媒熱交換器(26)と、膨張弁(52)と、冷凍
用蒸発器(53)とが接続されている。このうち、圧縮機
(51)と、冷媒熱交換器(26)と、膨張弁(52)とは、
カスケードユニット(12)に設けられている。また、冷
凍用蒸発器(53)は、冷凍ユニット(14)に設けられて
いる。
【0108】上記低温側冷媒回路(50)では、圧縮機
(51)の吐出側が冷媒熱交換器(26)の一端に接続され
ている。冷媒熱交換器(26)の他端は、膨張弁(52)に
接続されている。膨張弁(52)は、液側連絡管(54)を
介して冷凍用蒸発器(53)の入口端に接続されている。
冷凍用蒸発器(53)の出口端は、ガス側連絡管(55)を
介して圧縮機(51)の吸入側に接続されている。
【0109】上記冷凍用蒸発器(53)は、凝縮器(23)
と同様に、クロスフィン型の熱交換器により構成されて
いる。この冷凍用蒸発器(53)は、冷凍庫の庫内空気と
の熱交換により冷媒を蒸発させるものである。冷凍ユニ
ット(14)には冷凍庫内ファン(17)が設けられ、この
冷凍庫内ファン(17)によって冷凍用蒸発器(53)へ冷
凍庫内の庫内空気が送られる。
【0110】上記冷凍装置(10)には、コントローラ
(70)が設けられている。このコントローラ(70)は、
各冷蔵ユニット(13a,13b)に設けられた第1温度セン
サ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)
の検出温度に基づいて制御動作を行い、各利用側回路
(40a,40b)の利用側電磁弁(64a,64b)を開閉操作する
制御器を構成している。そして、利用側電磁弁(64a,64
b)は、このコントローラ(70)によって開閉操作され
て、高温側冷媒回路(20)における冷媒の膨張手段を構
成している。
【0111】具体的に、上記コントローラ(70)には、
図3に示すように、判定部(71)、時間決定部(72)、
圧力損失検出部(73)、誤差検出部(74)及び異常検出
部(75)が設けられている。判定部(71)は、冷蔵用蒸
発器(41a,41b)の出口における冷媒が乾き状態である
か湿り状態であるかの判定を行うように構成されてい
る。時間決定部(72)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A
2)及び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度に基
づいて、利用側電磁弁(64a,64b)を開放状態に保持す
る開放時間と、閉鎖状態に保持する閉鎖時間とを決定す
るように構成されている。圧力損失検出部(73)は、冷
蔵用蒸発器(41a,41b)での圧力損失に伴う冷媒飽和温
度の低下度を検出し、検出値を判定部(71)へ出力する
ように構成されている。誤差検出部(74)は、第1温度
センサ(Th-A1,Th-A2)と第2温度センサ(Th-B1,Th-B
2)との誤差を温度誤差として検出するように構成され
ている。異常検出部(75)は、第1温度センサ(Th-A1,
Th-A2)と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が異常か否か
を検出するように構成されている。
【0112】−冷媒回路における冷凍サイクル動作− 上記冷凍装置(10)の冷却運転動作について説明する。
【0113】先ず、高温側冷媒回路(20)における動作
について、図1及び図4を参照しながら説明する。図4
は、高温側冷媒回路(20)における冷凍サイクルを、モ
リエル線図(圧力−エンタルピ線図)上に表したもので
ある。尚、図4及び図1に付したA〜Jの符号は、それ
ぞれ対応している。
【0114】圧縮機構(21)の圧縮機(22)には、点A
の状態の冷媒が吸入される。点Aの冷媒は、圧縮機(2
2)により圧縮され、点Bの状態となって吐出される。
点Bの冷媒は、凝縮器(23)へ送られる。凝縮器(23)
では、冷媒が室外空気との熱交換により放熱し、凝縮し
て点Cの状態となる。
【0115】点Cの状態の冷媒は、キャピラリチューブ
(24)で減圧された後にレシーバ(25)へ流入する。一
方、ガス側電磁弁(62)が適宜開閉され、レシーバ(2
5)は圧縮機構(21)の吸入側と間欠的に連通される。
そして、キャピラリチューブ(24)における減圧と、ガ
ス側電磁弁(62)の開閉動作とによって、点Cの冷媒が
減圧されて点Dの状態となる。レシーバ(25)では、点
Dの冷媒が、点Eの状態の液冷媒と、点Iの状態のガス
冷媒とに分離される。
【0116】点Eの状態の冷媒は、冷媒熱交換器(26)
へ送られる。冷媒熱交換器(26)では、高温側冷媒回路
(20)の冷媒と低温側冷媒回路(50)の冷媒との熱交換
が行われる。この熱交換によって点Eの冷媒が吸熱し、
点Fの状態となる。
【0117】点Fの状態の冷媒は、各冷蔵ユニット(13
a,13b)の利用側回路(40a,40b)に分配される。各利用
側回路(40a,40b)では、点Fの冷媒が利用側電磁弁(6
4a,64b)を通過して冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ送られ
る。その際、各利用側電磁弁(64a,64b)は、コントロ
ーラ(70)の制御動作によって開閉操作されている。従
って、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に対して、間欠的に冷
媒が供給される。そして、利用側電磁弁(64a,64b)を
開閉操作することによって点Fの冷媒が減圧され、点G
の状態となる。尚、利用側電磁弁(64a,64b)に小口径
のものを採用し、利用側電磁弁(64a,64b)の通過時に
おいてもある程度の冷媒の減圧作用を得るようにしても
よい。
【0118】点Gの状態の冷媒は、冷蔵用蒸発器(41a,
41b)へ送られる。冷蔵用蒸発器(41a,41b)では、冷媒
が冷蔵庫の庫内空気から吸熱して蒸発し、点Hの状態と
なる。点Hの状態において、冷媒は飽和蒸気となってい
る。そして、点Hの状態の冷媒が、圧縮機構(21)の吸
入側へ送られる。
【0119】一方、レシーバ(25)で分離された点Iの
状態のガス冷媒は、ガス側電磁弁(62)の開閉操作によ
って減圧され、点Jの状態となる。そして、点Jの状態
の冷媒が、圧縮機構(21)の吸入側へ送られる。ここ
で、圧縮機構(21)には、点Hの冷媒と点Jの冷媒とが
送り込まれることとなる。従って、圧縮機構(21)は、
点Hの冷媒と点Jの冷媒とを混合してなる点Aの状態の
冷媒を吸入する。高温側冷媒回路(20)では、以上のサ
イクルを繰り返して冷凍サイクル動作を行う。
【0120】次に、低温側冷媒回路(50)における動作
について説明する。
【0121】低温側冷媒回路(50)の圧縮機(51)から
吐出された冷媒は、冷媒熱交換器(26)へ送られる。上
述のように、冷媒熱交換器(26)はカスケードコンデン
サを構成している。そして、冷媒熱交換器(26)では、
低温側冷媒回路(50)の冷媒が高温側冷媒回路(20)の
冷媒と熱交換を行い、放熱して凝縮する。凝縮した冷媒
は、膨張弁(52)で減圧された後に、冷凍用蒸発器(5
3)へ送られる。冷凍用蒸発器(53)では、冷媒が冷凍
庫の庫内空気と熱交換して蒸発する。蒸発した冷媒は、
圧縮機(51)に吸入され、再び圧縮されてこのサイクル
を繰り返す。
【0122】−コントローラの制御動作− 上記コントローラ(70)は、所定の制御動作を行い、冷
蔵用蒸発器(41a,41b)の出口で冷媒が飽和蒸気となる
ように、各利用側回路(40a,40b)の利用側電磁弁(64
a,64b)を開閉操作する。その際、コントローラ(70)
の制御動作は、各利用側回路(40a,40b)の運転状態に
応じて、各利用側電磁弁(64a,64b)に対して個別に行
われる。
【0123】ここで、冷媒の飽和状態においては飽和蒸
気と飽和液とが共存し得る。このため、従来のような蒸
発器へ連続して冷媒を供給するものにおいては、冷媒の
温度や圧力を測定したとしても、湿り飽和蒸気の湿り
度、即ち湿り飽和蒸気における飽和蒸気と飽和液の混合
割合を知ることはできない。
【0124】これに対し、本実施形態に係る高温側冷媒
回路(20)では、利用側電磁弁(64a,64b)を開閉する
ことによって冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ間欠的に冷媒
を供給している。従って、本実施形態においては、第1
温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(Th-B
1,Th-B2)の検出温度に基づいて湿り飽和蒸気の湿り度
を知ることが可能である。以下、この点について、図5
を参照しながら説明する。
【0125】図5において、TAは第1温度センサ(Th-
A1,Th-A2)の検出温度を、TBは第2温度センサ(Th-B
1,Th-B2)の検出温度を、TCは吸込風温センサ(Th-C1,
Th-C2)の検出温度を、TDは吹出風温センサ(Th-D1,Th
-D2)の検出温度をそれぞれ表している。そして、図5
は、時刻Z1において利用側電磁弁(64a,64b)を閉じた
場合における、上記各検出温度TA〜TDの経時変化を示
している。
【0126】利用側電磁弁(64a,64b)を開いた状態で
は、冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ冷媒が導入され、この
冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発している。従って、上
記各検出温度TA〜TDの値は、ほぼ一定となる。また、
利用側電磁弁(64a,64b)を開いた状態では、第1温度
センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度TA及び第2温度セン
サ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TBは、ほぼ冷媒温度と等
しくなっている。
【0127】その後、時刻Z1において利用側電磁弁(6
4a,64b)を閉じると、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に対す
る冷媒の供給が遮断される。一方、冷蔵用蒸発器(41a,
41b)は、圧縮機構(21)の吸入側に接続されている。
このため、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の内圧が低下し、
これに伴って冷蔵用蒸発器(41a,41b)内に存在する冷
媒の蒸発温度も低下する。ところが、冷蔵用蒸発器(41
a,41b)内の液冷媒が全て蒸発すると、冷蔵用蒸発器(4
1a,41b)における庫内空気の冷却は、ほとんど行われな
くなる。従って、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後に
おいて、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度
センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TA,TBは、一旦低
下した後に上昇してゆく。ちなみに、利用側電磁弁(64
a,64b)を閉じたままにすると、両検出温度TA,TB
上昇を続け、やがては吸込風温センサの検出温度TC
一致する。
【0128】ここで、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)
の検出温度TAについて、利用側電磁弁(64a,64b)の開
放中における値と、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後
における最低値との差を、検出温度TAの温度低下度Y1
とする。また、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出
温度TBについて、利用側電磁弁(64a,64b)の開放中に
おける値と、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後におけ
る最低値との差を、検出温度TBの温度低下度Y2とす
る。更に、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖後は、第2
温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TBが次第に上昇
し、時刻Z2において検出温度TBの値が利用側電磁弁
(64a,64b)の開放中における第1温度センサ(Th-A1,T
h-A2)の検出温度TAの値と一致する。そして、利用側
電磁弁(64a,64b)を閉じた時刻Z1から上記時刻Z2ま
での経過時間をXとする。
【0129】図5において、(a)は冷蔵用蒸発器(41a,
41b)の出口における冷媒の湿り度が小さい場合を示
し、(b)は冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口における冷
媒の湿り度が大きい場合を示している。そして、湿り度
が大きいほど、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖直後に
おいて冷蔵用蒸発器(41a,41b)内に存在する液冷媒の
量が多いため、上記経過時間Xが長くなる。また、湿り
度が大きいほど、冷蔵用蒸発器(41a,41b)内の液冷媒
が蒸発しきるまでの時間が長くなることから、冷蔵用蒸
発器(41a,41b)の圧力がより低くなって温度低下度Y
1,Y2も大きくなる。従って、利用側電磁弁(64a,64
b)の閉鎖中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及
び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度を検出す
ることによって、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口にお
ける冷媒の湿り度を知ることが可能となる。
【0130】そこで、上記コントローラ(70)は、経過
時間Xと、温度低下度Y1,Y2とに基づいて制御動作を
行う。ここで、上記経過時間Xは、冷媒の湿り度だけに
対応して変化するのではなく、例えば一方の冷蔵ユニッ
ト(13b)だけがサーモオフしたような場合にも変化す
る。このため、上記コントローラ(70)は、経過時間X
だけでなく温度低下度Y1,Y2をも考慮して制御動作を
行う。ただし、温度低下度については、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の
何れか一方のものを考慮すれば充分である。従って、本
実施形態に係るコントローラ(70)では、経過時間X
と、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)についての温度低
下度Y1とを考慮するようにしている。尚、以下では、
温度低下度Y1を単に温度低下度Yと表す。
【0131】《制御動作の内容》上記コントローラ(7
0)の制御動作について、図6〜図10のフロー図を参
照しながら説明する。尚、以下の説明においては、第1
冷蔵ユニット(13a)に対する制御動作について説明す
る。ただし、上記コントローラ(70)は、第2冷蔵ユニ
ット(13b)に対しても同様の制御動作を行う。また、
以下に示す数値は全て例示である。
【0132】上記冷凍装置(10)をコンビニエンススト
アに設置した後、最初に電源が投入されると、先ずコン
トローラ(70)の誤差検出部(74)が所定の動作を行
う。具体的に、誤差検出部(74)は、冷却運転に先立っ
て第1冷蔵ユニット(13a)の冷蔵庫内ファン(16a)を
運転する。その後、所定時間が経過すると、第1温度セ
ンサ(Th-A1)の検出温度と第2温度センサ(Th-B1)の
検出温度とを取り込み、両検出温度の差を温度誤差とし
て検出する。
【0133】つまり、この状態では両検出温度が一致す
るはずであるが、実際にはセンサの個体差等によって両
検出温度が完全に一致するのは希である。そこで、誤差
検出部(74)は、予め第1温度センサ(Th-A1)と第2
温度センサ(Th-B1)の個体差を温度誤差として検出
し、これを記憶する。コントローラ(70)は、この温度
誤差を用いて第2温度センサ(Th-B1)の実測を補正
し、補正後の値を第2温度センサ(Th-B1)の検出温度
Bとして以下の動作を行う。
【0134】冷却運転が開始されると、高温側冷媒回路
(20)及び低温側冷媒回路(50)では、上述のように冷
媒が循環して冷凍サイクル動作が行われる。その際、コ
ントローラ(70)は、第1冷蔵ユニット(13a)の利用
側電磁弁(64a)を開閉操作する。具体的に、この利用
側電磁弁(64a)が開放されている状態から説明を始め
る。
【0135】図6に示すように、ステップST1では、利
用側電磁弁(64a)の開放時間が経過したか否かを判断
する。開放時間が経過していなければステップST2へ移
り、冷蔵用蒸発器(41a)の出口における冷媒が乾き状
態であるか湿り状態であるかの判定を行う。この判定
は、判定部(71)が行う。具体的には、(TB−TA+Δ
t)の値が5以上か否かによって判定を行う。即ち、冷
蔵用蒸発器(41a)の出口における冷媒の過熱度が5℃
以上か否かによって判定を行う。
【0136】ここで、TAは第1温度センサ(Th-A1)の
検出温度であり、TBは第2温度センサ(Th-B1)の検出
温度である。また、Δtは、冷蔵用蒸発器(41a)での
圧力損失に伴う冷媒飽和温度の低下度であり、後述する
圧力損失検出部(73)の動作によって所定時間ごとに更
新される。そして、(TB−TA+Δt)の値が5未満で
あれば、湿り状態と判断して再びステップST1へ戻る。
一方、(TB−TA+Δt)の値が5以上であれば、乾き
状態と判断してステップST3へ移り、利用側電磁弁(64
a)を開いた状態に保持する。
【0137】つまり、冷蔵用蒸発器(41a)の出口にお
ける冷媒が乾き状態ということは、この冷蔵用蒸発器
(41a)で蒸発させ得る冷媒量に対して、冷蔵用蒸発器
(41a)への冷媒供給量が過少であることを意味してい
る。このため、利用側電磁弁(64a)を開き続け、冷蔵
用蒸発器(41a)に対する冷媒供給量の増大を図る。
【0138】一方、ステップST1において開放時間が経
過した場合には、ステップST4に移って利用側電磁弁
(64a)を閉鎖する。その後、ステップST5に移り、開
放時間を決定するための動作を開始する。ステップST5
からステップST8までの動作は、時間決定部(72)が行
う。
【0139】具体的に、ステップST5では、経過時間X
と温度低下度Yとを測定する(図5参照)。その後、ス
テップST6に移り、(−3X+Y/2+M)の値を演算
する。ここで、Mは適宜定められる定数である。例え
ば、通常の冷却運転において、経過時間Xは20〜30
秒程度の値となり、温度低下度Yは2℃前後の値とな
る。そして、定数Mは、80〜100程度に設定され
る。
【0140】ステップST5で得られた演算値が5以上で
あれば、ステップST7へ移って開放時間を(−3X+Y
/2+M)秒に設定する。一方、得られた演算値が5未
満であれば、ステップST8へ移って開放時間を5秒に設
定する。つまり、時間決定部(72)では基準値として5
秒が設定され、利用側電磁弁(64a)の開放時間が基準
値(5秒)以下に設定されることはない。以上の動作に
よって、コントローラ(70)は利用側電磁弁(64a)の
開放時間を決定する。
【0141】ステップST7又はステップST8において開
放時間を設定すると、ステップST9に移る。ステップST
9では、閉鎖時間が経過するまで待機する。閉鎖時間が
経過するとステップST10に移り、利用側電磁弁(64
a)を開く。その後は再びステップST1に戻り、ステッ
プST7又はステップST8で設定した開放時間が経過した
か否かの判断を行う。
【0142】上記の動作において、利用側電磁弁(64
a)の閉鎖時間は、原則として一定に保持される。とこ
ろが、上述のように、利用側電磁弁(64a)の開放時間
について5秒を下限としている。従って、冷蔵用蒸発器
(41a)で蒸発させ得る冷媒量に対して冷蔵用蒸発器(4
1a)への冷媒供給量が過大であるにも拘わらず、冷媒供
給量が削減されない状態が続く場合がある。そこで、コ
ントローラ(70)の時間決定部(72)は、図7に示すよ
うな動作を行って利用側電磁弁(64a)の閉鎖時間を適
宜補正する。
【0143】具体的に、ステップST21では、利用側電
磁弁(64a)が閉鎖されているか否かを判断する。利用
側電磁弁(64a)が閉じている場合にはそのまま待機
し、開いていればステップST22へ移る。ステップST2
2では、経過時間X及び温度低下度Yを測定する(図5
参照)。尚、この経過時間X及び温度低下度Yの値とし
ては、図6におけるステップST5で測定した値を用いれ
ばよい。
【0144】次に、ステップST23へ移り、(−3X+
Y/2+M)の値を演算し、得られた演算値が5未満か
否かを判断する。上述のように、(−3X+Y/2+
M)<5の状態においては、冷蔵用蒸発器(41a)で蒸
発させ得る冷媒量に対して冷蔵用蒸発器(41a)への冷
媒供給量が過大となっている。そこで、このような状態
が30分間継続した場合は、ステップST24に移って利
用側電磁弁(64a)の閉鎖時間をそれまでの2倍の値に
設定する。つまり、利用側電磁弁(64a)の閉鎖時間を
延長し、冷蔵用蒸発器(41a)への冷媒供給量を削減す
る。一方、(−3X+Y/2+M)<5の状態が30分
間継続しなければ、利用側電磁弁(64a)の閉鎖時間は
変更しない。
【0145】上述のように、判定部(71)の動作にはΔ
tの値、即ち冷蔵用蒸発器(41a)での圧力損失に伴う
冷媒飽和温度の低下度が用いられるが(図6のステップ
ST2参照)、このΔtの値は圧力損失検出部(73)によ
って所定時間ごとに更新される。つまり、冷蔵用蒸発器
(41a)での圧力損失に伴う冷媒飽和温度の低下度Δt
は、冷媒流量等の運転条件によって変化する。一方、こ
の冷媒飽和温度の低下度Δtを正確に特定しなければ、
冷蔵用蒸発器(41a)の出口における冷媒の状態を的確
に判断できない。そこで、圧力損失検出部(73)は、図
8に示すフローに従って所定の動作を行い、冷媒飽和温
度の低下度Δtの更新を行う。
【0146】ステップST31で1時間タイマをスタート
させ、ステップST32でΔTmaxをゼロにリセットす
る。その後、ステップST33からステップST35に亘っ
て、タイマスタート後1時間における第1温度センサ
(Th-A1)の検出温度TAと第2温度センサ(Th-B1)の
検出温度TBとの差の最大値を求める。
【0147】具体的に、ステップST33で1時間経過し
ていなければ、ステップST34に移る。ステップST34
では、TA−TB>ΔTmaxか否かを判断する。尚、ステ
ップST34で用いる検出温度TA及び検出温度TBの値
は、利用側電磁弁(64a)が開いている状態における値
を用いる。そして、(TA−TB)がΔTmaxよりも大きけ
れば、ステップST35に移ってΔTmaxの値を(TA
B)に更新する。一方、(TA−TB)がΔTmaxよりも小
さければ、ステップST33に戻る。
【0148】ステップST33で1時間経過すると、ステ
ップST36に移る。この時点で、ΔTmaxの値は、(TA
−TB)の最大値となっている。ステップST36では、Δ
maxが4℃未満か否かを判断する。そして、ΔTmax
4℃以上であれば、ステップST37に移ってΔtを4℃
に設定する。一方、ΔTmaxが4℃未満であれば、ステ
ップST38に移る。
【0149】ステップST38では、ΔTmaxが1.5℃
より大きいか否かを判断する。そして、ΔTmaxが1.
5℃以下であれば、ステップST39に移ってΔtを1.
5℃に設定する。一方、ΔTmaxが1.5℃よりも大き
ければ、ステップST40に移ってΔtをΔTmaxに設定
する。
【0150】つまり、圧力損失検出部(73)は、過去1
時間における(TA−TB)の最大値ΔTmaxについて、
1.5<ΔTmax<4であればΔt=ΔTmaxとし、ΔT
max≧4であればΔTmax=4とし、ΔTmax≦1.5で
あればΔTmax=1.5とする。そして、圧力損失検出
部(73)は、1時間ごとにΔtの値を更新し、更新した
値を判定部(71)に対して出力する。
【0151】《センサ異常時の対応》以上説明したよう
に、コントローラ(70)は、第1温度センサ(Th-A1)
の検出温度TAと第2温度センサ(Th-B1)の検出温度T
Bとに基づいて、利用側電磁弁(64a)に対する開閉操作
を行う。その一方、第1温度センサ(Th-A1)又は第2
温度センサ(Th-B1)が故障して検出温度TA又は検出温
度TBが出力されなくなる場合もあり、このような場合
には上述の制御動作が出来なくなる。しかしながら、温
度センサの故障のような軽微なトラブルで冷却運転を停
止するのは、冷蔵庫内の貯蔵物の損傷を招くことから望
ましくない。そこで、本実施形態では、第1温度センサ
(Th-A1)又は第2温度センサ(Th-B1)が故障した場合
であっても、以下の動作によって冷却運転を継続するよ
うにしている。
【0152】コントローラ(70)の異常検出部(75)
は、第1温度センサ(Th-A1)と第2温度センサ(Th-B
1)について、異常か否かを検出している。具体的に、
温度センサが短絡状態又は開放状態となって検出温度が
出力されなくなると、異常検出部(75)が温度センサの
異常を検出する。
【0153】異常検出部(75)が第1温度センサ(Th-A
1)の異常を検出すると、図9に示すように、時間決定
部(72)は、ステップST51において所定の動作に用い
るT Aの値を−5℃に固定する。即ち、第1温度センサ
(Th-A1)の検出温度に代えて、所定の設定値(−5
℃)を用いて利用側電磁弁(64a)の開閉操作を行う。
このような動作を行うのは、冷却運転中において冷蔵用
蒸発器(41a)における冷媒蒸発温度はそれほど大きく
変動しないことから、TAの値を一定に固定して冷却運
転を継続するためである。
【0154】異常検出部(75)が第2温度センサ(Th-B
1)の異常を検出すると、時間決定部(72)は、図10
に示すフロー図に従って利用側電磁弁(64a)の開放時
間及び閉鎖時間を決定する。即ち、第1温度センサ(Th
-A1)の検出温度TA及び吸込風温センサ(Th-C1)の検
出温度TCだけに基づいて、利用側電磁弁(64a)の開放
時間及び閉鎖時間を決定する。
【0155】具体的に、ステップST52において、(TC
−TA)の値を演算する。尚、ステップST52で用いる検
出温度TA及び検出温度TCの値は、利用側電磁弁(64
a)が開いている状態における値を用いる。そして、(T
C−TA)の値が10℃以下であればステップST53に移
り、利用側電磁弁(64a)の開放時間を20秒に設定
し、閉鎖時間を5秒に設定する。一方、(TC−TA)の値
が10℃より大きければステップST54に移り、利用側
電磁弁(64a)の開放時間を10秒に設定し、閉鎖時間
を5秒に設定する。
【0156】つまり、冷蔵用蒸発器(41a)における冷
媒蒸発温度が冷蔵用蒸発器(41a)に送られる庫内空気
の温度よりもある程度低ければ、利用側電磁弁(64a)
の開放時間を短く設定する。これは、冷蔵用蒸発器(41
a)の出口において冷媒に過熱度がつくように利用側電
磁弁(64a)の開放時間を短縮し、冷蔵用蒸発器(41a)
への冷媒供給量を低く抑えるためである。これによっ
て、正常に運転をしている第2冷蔵ユニット(13b)に
対する冷媒供給量が確保され、当該第2冷蔵ユニット
(13b)における冷却運転を確実に行うことができる。
【0157】以上、第1冷蔵ユニット(13a)の利用側
回路(40a)に対するコントローラ(70)の動作につい
て説明したが、コントローラ(70)は、これと同様の動
作を第2冷蔵ユニット(13b)の利用側回路(40b)に対
しても並行して行う。つまり、コントローラ(70)は、
各冷蔵ユニット(13a,13b)の利用側回路(40a,40b)に
設けられた利用側電磁弁(64a,64b)に対して、それぞ
れ個別に所定の制御動作を行う。
【0158】尚、異常検出部(75)が第1温度センサ
(Th-A1)と第2温度センサ(Th-B1)の両方について異
常を検出した場合、時間決定部(72)は、利用側電磁弁
(64a)の開放時間を10秒に設定し、閉鎖時間を5秒
に設定する。つまり、利用側電磁弁(64a)の開放時間
及び閉鎖時間を固定して、冷却運転を続行する。
【0159】−実施形態の効果− 本実施形態では、コントローラ(70)によって開閉され
る利用側電磁弁(64a,64b)が冷媒の膨張手段を構成
し、利用側電磁弁(64a,64b)の開閉操作によって冷蔵
用蒸発器(41a,41b)へ間欠的に冷媒を送り込むように
している。つまり、従来のように連続的に冷媒を供給す
るのではなく、断続的に冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ冷
媒を供給している。このため、利用側電磁弁(64a,64
b)の閉鎖中における第1温度センサ(Th-A1)及び第2
温度センサ(Th-B1)の検出温度の変化を考慮すること
によって、冷蔵用蒸発器(41a,41b)に対する冷媒供給
量が冷蔵用蒸発器(41a,41b)で蒸発させ得る冷媒量に
対して過少であるか過多であるかを検出することが可能
となる。
【0160】従って、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口
において冷媒が飽和状態となる様な運転を行っても、冷
蔵用蒸発器(41a,41b)から多量の飽和液が流出して圧
縮機(22)の破損に至るといった事態を回避できる。つ
まり、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の出口において冷媒が
飽和蒸気となるような運転が可能となる。
【0161】この結果、従来のように蒸発器である冷蔵
用蒸発器(41a,41b)において冷媒に過熱度をつける必
要がなくなり、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の全伝熱面積
を有効に利用して庫内空気からの吸熱を行うことが可能
となる。そして、冷蔵用蒸発器(41a,41b)の熱交換能
力を充分に発揮させることができ、更には冷蔵用蒸発器
(41a,41b)における熱交換量が増大することから、冷
凍装置(10)の冷却能力を最大限に発揮させることが可
能となる。
【0162】特に、本実施形態では複数の冷蔵ユニット
(13a,13b)を設けているが、この場合には各冷蔵ユニ
ット(13a,13b)の利用側回路(40a,40b)に対して適切
な量の冷媒を確実に供給することが可能となる。即ち、
各利用側回路(40a,40b)の運転条件等が異なる場合で
あっても、各利用側回路(40a,40b)における冷蔵用蒸
発器(41a,41b)の出口で冷媒が飽和蒸気となるよう
に、各利用側電磁弁(64a,64b)の制御が行われる。こ
のため、各利用側回路(40a,40b)への冷媒供給量を適
切に維持することができ、確実な冷却運転が可能とな
る。
【0163】更に、本実施形態では、利用側電磁弁(64
a,64b)の開閉操作によって冷蔵用蒸発器(41a,41b)へ
の冷媒供給量を変更している。従って、利用側電磁弁
(64a,64b)に送られる冷媒が気液二相の状態となる本
実施形態においても(図4参照)、冷媒供給量の調節を
確実に行うことが可能である。
【0164】また、上記コントローラ(70)の時間決定
部(72)では、経過時間Xと温度低下度Yの両方に基づ
いて(図5参照)、利用側電磁弁(64a,64b)の開放時
間を決定している。このため、本実施形態のように複数
の冷蔵ユニット(13a,13b)を備える冷凍装置(10)に
おいて、サーモオフ等によって冷蔵ユニット(13a,13
b)の運転台数が変化した場合であっても、利用側電磁
弁(64a,64b)の開放時間を適切に導出することが可能
となる。
【0165】また、上記コントローラ(70)の時間決定
部(72)では、利用側電磁弁(64a,64b)の開放時間に
ついて、所定の基準値(5秒)を下限としている。ここ
で、開放時間があまりに短くなると、利用側電磁弁(64
a,64b)が頻繁に開閉されることとなり、利用側電磁弁
(64a,64b)の耐久性が不足して利用側電磁弁(64a,64
b)の破損に至るおそれがある。これに対し、上記時間
決定部(72)では、利用側電磁弁(64a,64b)の開放時
間について所定の下限を設けているため、利用側電磁弁
(64a,64b)の開閉回数が過大となるのを防止すること
ができる。従って、利用側電磁弁(64a,64b)の破損を
回避することができ、信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0166】また、上記コントローラ(70)は、初回の
電源投入時において所定の動作を行い、第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)と第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)との
個体差を温度誤差として検出している。この結果、両温
度センサの個体差をも考慮して時間決定部(72)又は判
定部(71)における動作を行うことができ、コントロー
ラ(70)による利用側電磁弁(64a,64b)の開閉操作を
的確に行うことが可能となる。
【0167】また、本実施形態によれば、第1温度セン
サ(Th-A1)又は第2温度センサ(Th-B1)が異常となっ
た場合の対策を講じることができる。従って、万一、第
1温度センサ(Th-A1)又は第2温度センサ(Th-B1)の
検出温度が得られない事態に陥ったとしても、冷却運転
を継続して庫内空気の冷却を行うことが可能となる。こ
の結果、温度センサの異常があっても庫内空気の冷却を
継続でき、この点で冷凍装置(10)の信頼性を向上させ
ることができる。
【0168】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態では、コン
トローラ(70)の異常検出部(75)が第1温度センサ
(Th-A1,Th-A2)の異常を検出した場合には、TA=−5
℃として時間決定部(72)が動作するようにしているが
(図9参照)、これに代えて以下のようにしてもよい。
つまり、図11に示すように、時間決定部(72)が、吸
込風温センサ(Th-C1,Th-C2)の検出温度TC及び第2温
度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度TBに基づいて、利
用側電磁弁(64a,64b)の開放時間及び閉鎖時間を決定
するようにしてもよい。
【0169】具体的に、異常検出部(75)が第1温度セ
ンサ(Th-A1,Th-A2)の異常を検出した場合、ステップS
T61において、(TC−TB)の値を演算する。尚、ステ
ップST61で用いる検出温度TB及び検出温度TCの値
は、利用側電磁弁(64a,64b)が開いている状態におけ
る値を用いる。そして、(TC−TB)の値が3℃以下であ
ればステップST62に移り、利用側電磁弁(64a)の開
放時間を20秒に設定し、閉鎖時間を5秒に設定する。
一方、(TC−TB)の値が3℃より大きければステップST
63に移り、利用側電磁弁(64a)の開放時間を10秒
に設定し、閉鎖時間を5秒に設定する。
【0170】つまり、冷蔵用蒸発器(41a)から流出す
る冷媒温度が冷蔵用蒸発器(41a)に送られる庫内空気
の温度よりもある程度低ければ、利用側電磁弁(64a)
の開放時間を短く設定する。これは、冷蔵用蒸発器(41
a)の出口において冷媒に過熱度がつくように利用側電
磁弁(64a)の開放時間を短縮し、冷蔵用蒸発器(41a)
への冷媒供給量を低く抑えるためである。これによっ
て、正常に運転をしている第2冷蔵ユニット(13b)の
冷蔵用蒸発器(41b)に対する冷媒供給量が確保され、
当該第2冷蔵ユニット(13b)における冷却運転を確実
に行うことができる。
【0171】また、上記実施形態では、コントローラ
(70)の時間決定部(72)において、原則的に利用側電
磁弁(64a,64b)の閉鎖時間を一定とした上で利用側電
磁弁(64a,64b)の開放時間を調節すると共に、所定の
場合には利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖時間を変更す
るようにしているが(図6及び図7参照)、これに代え
て、以下のような構成としてもよい。
【0172】つまり、時間決定部(72)において、利用
側電磁弁(64a,64b)の閉鎖時間を完全に固定し、利用
側電磁弁(64a,64b)の開放時間のみを調節するように
してもよい。また、これとは逆に、時間決定部(72)に
おいて、利用側電磁弁(64a,64b)の開放時間を完全に
固定し、利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖時間のみを調
節するようにしてもよい。更には、時間決定部(72)に
おいて、原則的に利用側電磁弁(64a,64b)の開放時間
を一定とした上で利用側電磁弁(64a,64b)の閉鎖時間
を調節すると共に、所定の場合には利用側電磁弁(64a,
64b)の開放時間を変更するようにしてもよい。
【0173】また、上記実施形態では、低温側冷媒回路
(50)を構成する冷凍ユニット(14)を1つだけ設ける
ようにしたが、この冷凍ユニットを複数設けるようにし
てもよい。更に、この場合、低温側冷媒回路(50)の膨
張弁(52)に代えて、冷凍用蒸発器(53)の直前に設け
た電磁弁を開閉することによって冷媒の膨張手段を構成
してもよい。つまり、各冷凍ユニットに設けた電磁弁に
対し、上記実施形態と同様のコントローラ(70)を用い
て開閉操作を行うようにしてもよい。
【0174】また、上記実施形態では、高温側冷媒回路
(20)に冷蔵ユニット(13a,13b)を2つ設けている
が、これに代えて、冷蔵ユニットと空調機の室内機とを
1台ずつ設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る高温側冷媒回路の配管系統図で
ある。
【図2】実施形態に係る低温側冷媒回路の配管系統図で
ある。
【図3】実施形態に係るコントローラのブロック図であ
る。
【図4】実施形態に係る高温側冷媒回路での冷凍サイク
ルを示すモリエル線図である。
【図5】実施形態に係るコントローラでの動作を説明す
るための温度と時間の関係図である。
【図6】実施形態に係るコントローラの制御動作を示す
フロー図である。
【図7】実施形態に係るコントローラの制御動作を示す
フロー図である。
【図8】実施形態に係るコントローラの制御動作を示す
フロー図である。
【図9】実施形態に係るコントローラが温度センサの異
常を検出した場合の動作を示すフロー図である。
【図10】実施形態に係るコントローラが温度センサの
異常を検出した場合の動作を示すフロー図である。
【図11】その他の実施形態に係るコントローラが温度
センサの異常を検出した場合の動作を示すフロー図であ
る。
【符号の説明】
(20) 高温側冷媒回路 (40a,40b) 利用側回路 (41a,41b) 冷蔵用蒸発器(利用側熱交換器) (64a,64b) 利用側電磁弁(開閉弁) (70) 制御器 (71) 判定部 (72) 時間決定部 (73) 圧力損失検出部 (74) 誤差検出部 (75) 異常検出部 (Th-A1,Th-A2) 第1温度センサ (Th-B1,Th-B2) 第2温度センサ (Th-C1,Th-C2) 吸込風温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目崎 丈統 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 植野 武夫 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 野村 和秀 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 竹上 雅章 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3L045 AA03 BA09 CA02 DA02 EA01 GA07 HA02 JA01 JA04 JA14 MA01 MA04 MA12 PA03 PA05 3L092 GA02 GA11 HA10 HA12 JA14 KA05 KA16 LA03 LA05

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利用側熱交換器(41a)を有する利用側
    回路(40a)が接続された冷媒回路(20)を備える冷凍
    装置であって、 冷却運転時における利用側熱交換器(41a)の冷媒入口
    側に配置された開閉弁(64a)と、 冷却運転時に上記利用側熱交換器(41a)から流出する
    冷媒が飽和蒸気となるように上記開閉弁(64a)を開閉
    操作する制御器(70)とを備え、 上記開閉弁(64a)が上記冷媒回路(20)における冷媒
    の膨張手段を構成している冷凍装置。
  2. 【請求項2】 利用側熱交換器(41a,41b)を有する複
    数の利用側回路(40a,40b)が互いに並列に接続された
    冷媒回路(20)を備える冷凍装置であって、 各利用側回路(40a,40b)に一つずつ設けられ且つ冷却
    運転時における利用側熱交換器(41a,41b)の冷媒入口
    側に配置された開閉弁(64a,64b)と、 冷却運転時に上記利用側熱交換器(41a,41b)から流出
    する冷媒が飽和蒸気となるように上記開閉弁(64a,64
    b)を開閉操作する動作を、上記複数の利用側回路(40
    a,40b)についてそれぞれ行う制御器(70)とを備え、 上記開閉弁(64a,64b)が上記冷媒回路(20)における
    冷媒の膨張手段を構成している冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の冷凍装置におい
    て、 利用側回路(40a,40b)には、冷却運転時における開閉
    弁(64a,64b)の下流に温度検出手段が設けられる一
    方、 制御器(70)は、上記温度検出手段の検出温度に基づい
    て所定の動作を行うように構成されている冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、開閉弁(64a,64b)の閉鎖中における
    温度検出手段の検出温度の変化に基づいて所定の動作を
    行うように構成されている冷凍装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、 開閉弁(64a,64b)の開閉操作の時間間隔を温度検出手
    段の検出温度に基づいて決定する時間決定部(72)を備
    え、 上記時間決定部(72)が決定する時間間隔に基づいて開
    閉弁(64a,64b)を開閉操作するように構成されている
    冷凍装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉弁(64a,64
    b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間を一定として、開閉
    弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放時間を温度検
    出手段の検出温度に基づいて決定するように構成されて
    いる冷凍装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉弁(64a,64
    b)を開放状態に保持する開放時間を一定として、開閉
    弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間を温度検
    出手段の検出温度に基づいて決定するように構成されて
    いる冷凍装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、温度検出手段の検
    出温度に基づいて、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保
    持する開放時間と開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持
    する閉鎖時間とを決定するように構成されている冷凍装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項5,6,7又は8記載の冷凍装置
    において、 温度検出手段は、利用側熱交換器(41a,41b)における
    冷媒の蒸発温度を検出するための第1温度センサ(Th-A
    1,Th-A2)と、冷却運転時における利用側回路(40a,40
    b)の出口側の温度を検出するための第2温度センサ(T
    h-B1,Th-B2)とにより構成されている冷凍装置。
  10. 【請求項10】 請求項5又は8記載の冷凍装置におい
    て、 温度検出手段は、利用側熱交換器(41a,41b)における
    冷媒の蒸発温度を検出するための第1温度センサ(Th-A
    1,Th-A2)と、冷却運転時における利用側回路(40a,40
    b)の出口側の温度を検出するための第2温度センサ(T
    h-B1,Th-B2)とにより構成され、 制御器(70)の時間決定部(72)は、上記第1温度セン
    サ(Th-A1,Th-A2)の検出温度と上記第2温度センサ(T
    h-B1,Th-B2)の検出温度とに基づいて、開閉弁(64a,64
    b)を開放状態に保持する開放時間と開閉弁(64a,64b)
    を閉鎖状態に保持する閉鎖時間とを決定するように構成
    されている冷凍装置。
  11. 【請求項11】 請求項5記載の冷凍装置において、 温度検出手段は、利用側熱交換器(41a,41b)における
    冷媒の蒸発温度を検出するための第1温度センサ(Th-A
    1,Th-A2)と、冷却運転時における利用側回路(40a,40
    b)の出口側の温度を検出するための第2温度センサ(T
    h-B1,Th-B2)とにより構成され、 制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉弁(64a,64
    b)を閉鎖した時から、開閉弁(64a,64b)の閉鎖中にお
    ける第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度が開閉
    弁(64a,64b)の開放中に第1温度センサ(Th-A1,Th-A
    2)が検出していた温度と一致する時までの経過時間を
    計測し、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放
    時間を上記経過時間に基づいて決定するように構成され
    ている冷凍装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉弁(64a,64
    b)を閉鎖した時から、開閉弁(64a,64b)の閉鎖中にお
    ける第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度が開閉
    弁(64a,64b)の開放中に第1温度センサ(Th-A1,Th-A
    2)が検出していた温度と一致する時までの経過時間を
    計測し、該経過時間に基づいて開閉弁(64a,64b)の開
    放時間を決定するように構成されている冷凍装置。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12記載の冷凍装置に
    おいて、 制御器(70)の時間決定部(72)は、第1温度センサ
    (Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)に
    ついて、開閉弁(64a,64b)の開放中に検出していた温
    度と開閉弁(64a,64b)の閉鎖中における検出温度の最
    低値との差を温度低下度として検出し、該温度低下度と
    経過時間の両方に基づいて開閉弁(64a,64b)の開放時
    間を決定するように構成されている冷凍装置。
  14. 【請求項14】 請求項11,12又は13記載の冷凍
    装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、温度低下度及び経
    過時間を用いて所定の演算を行い、得られた演算値が所
    定の基準値以上であれば該演算値を開放時間と決定し、
    得られた演算値が上記基準値未満であれば該基準値を開
    放時間と決定するように構成されている冷凍装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、得られた演算値が
    所定の基準値以上であれば閉鎖時間を一定に保持する一
    方、得られた演算値が上記基準値未満である状態が所定
    時間に亘って継続すると、開閉弁(64a,64b)を閉鎖状
    態に保持する閉鎖時間を延長するように構成されている
    冷凍装置。
  16. 【請求項16】 請求項6記載の冷凍装置において、 温度検出手段は、利用側熱交換器(41a,41b)における
    冷媒の蒸発温度を検出するための第1温度センサ(Th-A
    1,Th-A2)と、冷却運転時における利用側回路(40a,40
    b)の出口側の温度を検出するための第2温度センサ(T
    h-B1,Th-B2)とにより構成され、 制御器(70)の時間決定部(72)は、開閉弁(64a,64
    b)を閉鎖した時から、開閉弁(64a,64b)の閉鎖中にお
    ける第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度が開閉
    弁(64a,64b)の開放中に第1温度センサ(Th-A1,Th-A
    2)が検出していた温度と一致する時までの経過時間を
    計測し、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放
    時間を上記経過時間に基づいて決定するように構成され
    ている冷凍装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、第1温度センサ
    (Th-A1,Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)に
    ついて、開閉弁(64a,64b)の開放中に検出していた温
    度と開閉弁(64a,64b)の閉鎖中における検出温度の最
    低値との差を温度低下度として検出し、該温度低下度と
    経過時間の両方に基づいて開閉弁(64a,64b)の開放時
    間を決定するように構成されている冷凍装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の冷凍装置において、 制御器(70)の時間決定部(72)は、温度低下度及び経
    過時間を用いて所定の演算を行い、得られた演算値が所
    定の基準値以上であれば該演算値を開放時間と決定し、
    得られた演算値が上記基準値未満であれば該基準値を開
    放時間と決定するように構成されている冷凍装置。
  19. 【請求項19】 請求項1,2,3又は4記載の冷凍装
    置において、 制御器(70)は、 冷却運転時に利用側熱交換器(41a,41b)から流出する
    冷媒の過熱度が所定値以上の場合は乾き状態と判定し、
    該冷媒の過熱度が所定値未満の場合は湿り状態と判定す
    る判定動作を行う判定部(71)を備え、 判定部(71)が乾き状態と判定した場合は開閉弁(64a,
    64b)を開放状態に保持し、判定部(71)が湿り状態と
    判定した場合は開閉弁(64a,64b)を所定の時間間隔で
    開閉操作するように構成されている冷凍装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の冷凍装置において、 利用側回路(40a,40b)には、利用側熱交換器(41a,41
    b)における冷媒の蒸発温度を検出するための第1温度
    センサ(Th-A1,Th-A2)と、冷却運転時における利用側
    回路(40a,40b)の出口側の温度を検出するための第2
    温度センサ(Th-B1,Th-B2)とが設けられる一方、 制御器(70)の判定部(71)は、開閉弁(64a,64b)の
    開放中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第
    2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度に基づいて判
    定動作を行うように構成されている冷凍装置。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、開閉弁(64a,64b)の開放中における
    第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)及び第2温度センサ(T
    h-B1,Th-B2)の検出温度に基づいて利用側熱交換器(41
    a,41b)での圧力損失による冷媒の飽和温度の低下度を
    検出し、検出した値を判定部(71)へ出力する圧力損失
    検出部(73)を備え、 制御器(70)の判定部(71)は、第1温度センサ(Th-A
    1,Th-A2)の検出温度、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)
    の検出温度及び圧力損失検出部(73)の検出値を用いて
    冷媒の過熱度を導出するように構成されている冷凍装
    置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の冷凍装置において、 制御器(70)の圧力損失検出部(73)は、開閉弁(64a,
    64b)の開放中における第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)
    の検出温度から第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出
    温度を差し引いた値を導出し、所定時間内における導出
    値の最大値に基づいて冷媒の飽和温度の低下度を検出し
    て、検出した値を所定時間ごとに判定部(71)へ出力す
    るように構成されている冷凍装置。
  23. 【請求項23】 請求項9記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、冷却運転の停止中における第1温度セ
    ンサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度と第2温度センサ(Th-
    B1,Th-B2)の検出温度との差を温度誤差として検出する
    誤差検出部(74)を備え、 制御器(70)の時間決定部(72)は、誤差検出部(74)
    が検出する温度誤差に基づいて第1温度センサ(Th-A1,
    Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度
    を補正した上で開閉弁(64a,64b)の開閉操作の時間間
    隔を決定するように構成されている冷凍装置。
  24. 【請求項24】 請求項10記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、冷却運転の停止中における第1温度セ
    ンサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度と第2温度センサ(Th-
    B1,Th-B2)の検出温度との差を温度誤差として検出する
    誤差検出部(74)を備え、 制御器(70)の時間決定部(72)は、誤差検出部(74)
    が検出する温度誤差に基づいて第1温度センサ(Th-A1,
    Th-A2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度
    を補正した上で開閉弁(64a,64b)の開放時間と閉鎖時
    間とを決定するように構成されている冷凍装置。
  25. 【請求項25】 請求項20記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、冷却運転の停止中における第1温度セ
    ンサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度と第2温度センサ(Th-
    B1,Th-B2)の検出温度との差を温度誤差として検出する
    誤差検出部(74)を備え、 制御器(70)の判定部(71)は、誤差検出部(74)が検
    出する温度誤差に基づいて第1温度センサ(Th-A1,Th-A
    2)又は第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度を補
    正した上で所定の判定動作を行うように構成されている
    冷凍装置。
  26. 【請求項26】 請求項9記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が異
    常か否かを検出する異常検出部(75)を備える一方、 制御器(70)の時間決定部(72)は、上記異常検出部
    (75)が第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常を検出
    すると、該第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度
    に代えて所定の設定値を用い、該設定値と第2温度セン
    サ(Th-B1,Th-B2)の検出温度とに基づいて開閉弁(64
    a,64b)の開閉操作の時間間隔を決定するように構成さ
    れている冷凍装置。
  27. 【請求項27】 請求項10記載の冷凍装置において、 制御器(70)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が異
    常か否かを検出する異常検出部(75)を備える一方、 制御器(70)の時間決定部(72)は、上記異常検出部
    (75)が第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常を検出
    すると、該第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度
    に代えて所定の設定値を用い、該設定値と第2温度セン
    サ(Th-B1,Th-B2)の検出温度とに基づいて開閉弁(64
    a,64b)の開放時間と閉鎖時間とを決定するように構成
    されている冷凍装置。
  28. 【請求項28】 請求項9記載の冷凍装置において、 利用側回路(40a,40b)は、利用側熱交換器(41a,41b)
    へ送られる空気の温度を検出するための風温センサ(Th
    -C1,Th-C2)を備え、 制御器(70)は、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)が異
    常か否かを検出する異常検出部(75)を備える一方、 制御器(70)の時間決定部(72)は、上記異常検出部
    (75)が第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の異常を検出
    すると、上記風温センサ(Th-C1,Th-C2)の検出温度及
    び第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の検出温度だけに基
    づいて、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放
    時間と開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時
    間とを決定するように構成されている冷凍装置。
  29. 【請求項29】 請求項9記載の冷凍装置において、 利用側回路(40a,40b)は、利用側熱交換器(41a,41b)
    へ送られる空気の温度を検出するための風温センサ(Th
    -C1,Th-C2)を備え、 制御器(70)は、第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)が異
    常か否かを検出する異常検出部(75)を備える一方、 制御器(70)の時間決定部(72)は、上記異常検出部
    (75)が第2温度センサ(Th-B1,Th-B2)の異常を検出
    すると、第1温度センサ(Th-A1,Th-A2)の検出温度及
    び風温センサ(Th-C1,Th-C2)の検出温度だけに基づい
    て、開閉弁(64a,64b)を開放状態に保持する開放時間
    と開閉弁(64a,64b)を閉鎖状態に保持する閉鎖時間と
    を決定するように構成されている冷凍装置。
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