JP2001220631A - 高強度チタン合金 - Google Patents

高強度チタン合金

Info

Publication number
JP2001220631A
JP2001220631A JP2000321283A JP2000321283A JP2001220631A JP 2001220631 A JP2001220631 A JP 2001220631A JP 2000321283 A JP2000321283 A JP 2000321283A JP 2000321283 A JP2000321283 A JP 2000321283A JP 2001220631 A JP2001220631 A JP 2001220631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strength
titanium
titanium alloy
alloy
cold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000321283A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4006939B2 (ja
Inventor
Akira Matsumoto
啓 松本
Atsuhiko Kuroda
篤彦 黒田
Masaki Takashima
昌樹 高島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Special Steel Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Special Steel Co Ltd, Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority to JP2000321283A priority Critical patent/JP4006939B2/ja
Publication of JP2001220631A publication Critical patent/JP2001220631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4006939B2 publication Critical patent/JP4006939B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビッカース硬度200 以上であって、純チタン
に近い比重をもったチタン合金とそのチタン合金製眼鏡
フレームを提供する。 【解決手段】 Fe:0.5 〜3.5 %とO( 酸素) :0.05〜
0.5 %含有させることにより、Zr: 0.5 〜5重量%のと
き強度が高くなり、結晶粒も微細になる。CrおよびNiの
1種または2種をさらに含有させてもよい。これより眼
鏡フレームを製作すると、高強度化、軽量化を同時に実
現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、めがね、
時計、自転車等の民生用品に用いられる高強度チタン合
金や、高強度だけではなく冷間塑性加工性、切削性およ
び研磨性も兼ね備えた高強度チタン合金、およびそのよ
うな高強度チタン合金で作られた眼鏡フレームに関す
る。
【0002】
【従来の技術】チタン合金は、軽量であるにもかかわら
ず強度や疲労強度に優れており、また耐食性にも優れて
いるという特長を持っている。そのために、航空機部
品、自動車部品、スポーツおよびレジャー用具、人工骨
などの医療用品、化学工業の設備用部品など多くの用途
に利用されている。特に最近では時計やめがね等の民生
品に多く用いられるようになってきている。
【0003】これまでチタン合金としてTi-6Al-4V 合金
が多く用いられているが、眼鏡用チタン合金としては特
公平6−46269 号公報に記載されているように、Zr≧1.
0 %、Zr+25×O2≧5および3×Zr+220 ×O2≦66を満
足する組成のTi−Zr合金等も用いられるようになってき
ている。
【0004】Ti−Zr合金は適度の冷間加工性および研磨
性を有しており、また冷間加工後の強度も優れている。
これは、チタンにZrを含有させることにより結晶粒が微
細になるためとされている。そのためZr量が高くなるほ
ど高強度になるとされており、Zrが10%ほど含有された
合金が実用化されている。また特開平7−300637号公報
に示されているように8〜15%Zrの他にSnを3.5 〜10%
含有させた合金も提案されている。いずれもZr量が高く
なるほど高強度になるとされている。
【0005】一方、前述した各種の民生品に用いられる
チタン合金には、多くの場合に穴あけ加工等を行われる
ことから、高強度とともに切削性や鏡面研磨性等が要求
され、さらに冷間鍛造や冷間伸線等も行われることから
冷間塑性加工性も要求される。しかし、一般的にチタン
合金は、焼き付き易くかつヤング率も低いことから切削
性が悪い。また、チタン合金に鏡面研磨を行うと曇った
感じになり、外観品質が低下し易い。
【0006】そこで、これまでにも、快削性を向上させ
るために特開昭60−251239号公報により開示されている
ようにSを添加したり、特許第2626344 号により開示さ
れているようにP、Sを添加することにより、切削性を
向上させる発明や、特開平7−62466 号公報により開示
されているようにFeを添加し鏡面研磨性を向上させる発
明が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Zr量が高く
なるほど高強度になるものの、ZrはTiに比べ比重が高い
ため全体の比重が高くなる問題がある。特に、今日のよ
うに、各種製品および部品について軽量化が求められて
いる状況下からは、そのような問題は重要である。例え
ば、眼鏡フレームを考えても、チタン本来の軽量である
という特性を利用して製品化を図っていることから、そ
の重量が増すことは望ましくない。軽量かつ高強度の特
性が求められている。
【0008】また、特開昭60−251239号公報、特許第26
26344 号さらには特開平7−62466号公報により開示さ
れた発明では、熱間加工性はある程度確保できるが、冷
間塑性加工性が不足し、実用化は難しい。
【0009】なお、特公平6−46269 号公報に記載され
ているTi−Zr合金では、冷間塑性加工性および鏡面研磨
性は適度に確保されているといわれているが、切削性は
十分であるとはいえず、よりいっそうの向上が望まれ
る。
【0010】したがって、本発明の第1の課題は、高強
度かつ軽量であるチタン合金およびこのチタン合金から
成る眼鏡フレームを提供することであり、より具体的に
は、ビッカース高度Hv200 以上であって、純チタンに近
い比重をもったチタン合金およびそのようなチタン合金
から成る眼鏡フレームを提供することである。
【0011】また、本発明の第2の課題は、高強度かつ
軽量であって、冷間塑性加工性、切削性および研磨性も
兼ね備えた高強度チタン合金と、このようなチタン合金
から成る眼鏡フレームを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
そのような課題を実現するチタン合金系としてTi−Zr系
チタン合金に着目し、Zr量が少なくても高強度が得られ
るチタン合金の開発を目指して研究を行った結果、以下
に列記する新規な知見1〜知見3を得た。
【0013】(知見1)FeとO( 酸素) を含有させるこ
とによりZrが0.5 〜5質量%のとき強度が高くなる。ま
たこのとき結晶粒も微細になっている。
【0014】(知見2)ZrとFeとOをバランス良く含有
させることにより、高強度とともに冷間塑性加工性が確
保され、さらに切削性や鏡面研磨性等も確保される。
【0015】(知見3)Cr、Niをさらに含有させること
により、これらの特長を伸長させることができる。
【0016】本発明は、これらの新規な知見1〜知見3
に基づいて完成されたものであって、質量%で、Zr:0.
5 〜5%、Fe:0.5 〜3.5 %、酸素:0.05〜0.5 %、残
部:チタンと不可避成分からなることを特徴とする高強
度チタン合金(以下、「第1発明」という)である。
【0017】また、本発明は、質量%で、Zr:0.1 〜5
%、Fe:0.5 〜5.0 %、酸素:0.05〜0.5 %、残部:チ
タンと不可避成分からなることを特徴とする高強度チタ
ン合金(以下、「第2発明」という)である。
【0018】これら第1発明および第2発明では、Crお
よびNiの1種または2種をさらに合計で0.5 %以下含有
させることによりその特長を伸長させてもよい。別の観
点からは、本発明は、これら第1発明および第2発明に
かかる高強度チタン合金から成る眼鏡フレームである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1発明および第2発明
にかかる高強度チタン合金における合金組成を上述のよ
うに制限した理由を、以下に第1発明および第2発明毎
に示す。なお、本明細書においてとくにことわりがない
限り、「%」は質量%である。
【0020】(第1発明) (1) Zr ZrはTiに添加すると通常結晶粒を微細化する性質を持っ
ている。これは粒界にZrが偏析し粒界の移動を阻害する
ため、結晶成長が鈍り結果的に微細化すると考えられて
いる。そのためZrを添加することにより高強度になると
されている。ただし一般的には5%超添加しなければ十
分に強度が得られないとされていた。
【0021】しかしFeとO( 酸素) を添加することによ
りZrの添加量を減少させることが可能になり、Zr:0.5〜
5%のときに強度が高くなる。Zr量が0.5 %未満の場合
や、5%を越える場合には、むしろ強度が低下する。
【0022】Zr量が5%を越えた場合に強度が低下する
理由ははっきりしないが、結晶粒が大きくなっているこ
とから、FeとOを添加することによりZrが粒界に偏析し
にくくなると考えられる。
【0023】またFe、Oを添加した場合、冷間加工性が
低下するが、Zrを0.5 %以上添加することにより冷間加
工性が向上し、加工割れ等が減少する。ただし5%超で
はむしろ加工性が悪化する。
【0024】したがって、強度の改善のために、Zrは0.
5 〜5%、望ましくは1〜2%である。 (2) Fe Feは固溶強化、Ti−Fe金属間化合物による析出強化、そ
して析出物による結晶粒微細化によりチタン合金を高強
度化する。このような効果を得るためにはFe:0.5%以上
とする。しかし、3.5 %を越えると冷間加工性が低下す
る。Zr:0.5〜5%での高強度化の効果を高めるためには
上限を1%または下限を2%、より好ましくはFe:1〜2
%が望ましい。
【0025】(3) O( 酸素) 酸素は固溶強化により強度を向上させる。この効果を得
るためには酸素:0.05%以上とする。一方、酸素が0.5
%を越えると冷間加工性が低下する。Zr:0.5〜5%での
高強度化の効果を高めるためには酸素:0.1〜0.2 %が望
ましい。
【0026】(4) Cr、Ni Cr、Niはいずれか一方または両方を合計量で0.5 %以下
添加する所望添加元素であり、それらを添加する場合、
固溶強化により強度を向上させる効果もあるが、延性を
向上させる効果もある。これは、Ti−Fe相と母相との間
に濃化し整合性を高める役割があるためである。合計量
が0.5 %を越えると濃化が過剰になり粒界の強度が低下
するため、0.5 %以下とする。Cr、Niの望ましい範囲は
1種または2種合計で0.4 %以下、より好ましくは1種
または2種合計量0.1 〜0.4 %である。
【0027】(第2発明) (1) Zr Zrは、Tiに添加すると通常結晶粒を微細化する性質を持
っている。これは、前述したように、粒界にZrが偏析し
粒界の移動を阻害するため、結晶成長が鈍り結果的に微
細化するためと考えられている。また、ZrはTiと結晶構
造が同じ六方細密構造を有しており、それにより冷間塑
性加工性を付与して他の添加成分による塑性加工性低下
を防ぐ役割がある。
【0028】しかし、Zrが0.1 %を下回るとその効果は
なくなってしまう。また、5%を越えると他の添加合金
との関係で塑性加工性が悪化してしまう。したがって、
Zrは0.1 〜5%でよいが、望ましくは2〜4%である。
【0029】(2) Fe Feは、結晶粒を微細化し、さらにその粒界上に析出した
り、Ti−Fe金属間化合物による析出などにより、研磨性
や切削性を向上する。この効果を得るためにはFe含有量
は0.5 %以上である。しかし、5%を越えると冷間加工
性が低下する他、偏析により組織が乱れ、鏡面研磨時に
研磨むらが発生することがある。望ましくは1%以上2
%以下である。
【0030】(3) O (酸素) 酸素は、固溶強化により強度を向上することにより切削
性を向上する。この効果を得るためには0.05%以上必要
である。しかし、0.5 %を越えると塑性加工性が低下す
る。Zr含有量が0.5 〜5%の範囲で高強度化の効果を高
めるためには、0.1 %以上0.2 %以下が望ましい。
【0031】(4) Cr、Ni Cr、Niはいずれか一方または両方を合計量で0.5 %以下
添加する所望添加元素であり、それらを添加する場合、
固溶強化により強度を向上させる効果もあるが、延性を
向上させる効果もある。これは、Ti−Fe相と母相との間
に濃化し整合性を高める役割があるためである。合計量
が0.5 %を越えると濃化が過剰になり粒界の強度が低下
するため、0.5 %以下とする。Cr、Niの望ましい範囲は
1種または2種合計で0.4 %以下、より好ましくは1種
または2種合計量0.1 〜0.4 %である。
【0032】第1発明および第2発明において、これら
以外の成分は、チタンと不可避成分とである。第1発明
および第2発明にかかる合金の製造に当たっては、ま
ず、例えば所定の組成となるように所定の量の金属元素
をスポンジチタンで包み込んだ後に圧縮・成型してTi電
極とする。このTi電極を通常のアーク溶解にて溶解し凝
固させることによって合金を製造できる。なお、Ti合金
中の酸素濃度は例えば原料 (スポンジチタン) の酸素濃
度を変えるかあるいはTiO2をさらに添加することで調整
すればよい。
【0033】第1発明にかかるチタン合金は、熱間鍛
造、熱間圧延等の熱間加工を施した後、冷間鍛造、冷間
圧延、プレス加工などの冷間塑性加工を施して製品形状
に成型することにより、第2発明にかかるチタン合金
は、さらに研磨等を行うことにより、それぞれ、眼鏡、
時計、カメラ、ゴルフクラブなどの製品の素材として用
いられる。
【0034】第1発明および第2発明にかかるチタン合
金は、いずれも、熱間加工や冷間加工を施すことにより
高強度化の効果を高めることができることから、これら
のチタン合金からは特に眼鏡フレームを構成することが
好ましい。
【0035】ここに、これらのチタン合金から眼鏡フレ
ームを製作するには、スエージング加工、異型圧延加
工、プレス加工等の冷間加工によって所定形状、寸法に
成形加工された眼鏡フレーム構成部材( 例: アイリム、
ブリッジ、テンプル) をろう付けして、一般には銀ろう
付けして眼鏡フレームに組み立てる。
【0036】図1は、眼鏡フレームの斜視図であり、通
常、眼鏡フレーム10はレンズを固着しておくアイリム部
11、眼鏡を顔面に保持する作用を有するテンプル部12、
両アイリム部11とテンプル部12とを連絡する蝶番14およ
び智15と呼ばれる各フレーム構成部材から成る。
【0037】例えば、テンプルの加工には、70%以上の
冷間加工を中間焼鈍を行わずに可能とする加工性が求め
られるが、第1発明および第2発明にかかるチタン合金
はそれらの特性を満足するものである。
【0038】また、眼鏡フレームの製作にはろう付けが
用いられており、ろう付けに際しては920 〜980 ℃に短
時間加熱するが、このような温度に加熱されても強度の
低下をもたらすものではあってはならない。この点につ
いても、第1発明および第2発明にかかるチタン合金は
そのような特性を満足するものである。
【0039】さらに、第2発明にかかるチタン合金は、
高強度かつ軽量であって、冷間塑性加工性、切削性およ
び研磨性も兼ね備えるものである。このため、眼鏡、時
計、カメラさらにはゴルフクラブ等といった各種の民生
品の素材として好適に用いられる。
【0040】
【実施例】(実施例1)ボタンアーク溶解炉を用いて溶解
した溶湯500gを幅50mm、厚さ20mm、長さ100mmのインゴ
ットに鋳造した。表1に本発明例および比較例の供試合
金の組成を示す。
【0041】得られたインゴットを850 ℃に加熱後、厚
さ5mmまで熱間圧延を行った。その後、熱間圧延による
歪みを除去するため 700℃×30分焼鈍を行った。このと
き一部を切り出しその断面のビッカース硬度を測定し
た。次いで、焼鈍後脱スケールのための切削加工を施
し、厚さ2mmまで圧下率60%の冷間圧延を行った。
【0042】供試合金の合金組成、熱延焼鈍後のビッカ
ース硬度、そして冷間圧延時の割れ、つまりエッジ割れ
の発生の有無について表1にまとめて示す。ビッカース
硬度が200 以上の場合を合格とした場合、本発明合金の
場合いずれもHV200 以上であったが、比較合金ではHV25
0 以下になるものがあった。また、成分が高めの場合、
冷間圧延時にエッジ割れが見られるものがあった。
【0043】
【表1】 次いで、得られた冷間圧延材の一部について 700℃×30
分中間焼鈍後、圧下率を変え冷間圧延後断面のビッカー
ス硬度を測定した。
【0044】その結果を図2に示すが、図中、横軸に冷
間圧延の圧下率をとり、縦軸にビッカース硬度をとり、
表1のNo.3のチタン合金に相当する本発明合金(Ti-2Zr
-1.5Fe-0.1 酸素) と、それぞれ表1にNo.5およびNo.
1に相当する比較合金(Ti-6Zr-1.5Fe-0.1 酸素、Ti-0Zr
-1.5Fe-0.1酸素) の比較を行ったものである。
【0045】図2の結果からも分かるように、本発明に
かかる合金は冷間圧延により大きく加工硬化しているの
に対し、比較合金はその加工硬化の度合いが小さかっ
た。また比重を調査した結果を表2に示す。本発明合金
は純チタンやTi-6Al-4V より大きいが、純チタンに近
く、Ti−10Zrよりは小さくなった。
【0046】
【表2】 次に、表1のNo.3のチタン合金について、ろう付け性
を確認するために、インダクションヒーターによって表
面を950 ℃に90秒加熱し、冷却後、ビッカース硬度を測
定したところ、Hv=220 であり、眼鏡フレームとして適
する優れたろう付け性を備えていることが確認された。
【0047】(実施例2)ボタンアーク溶解炉を用いて溶
解した溶湯500gを幅50mm、厚さ20mm、長さ100mmのイン
ゴットに鋳造した。表3に本発明例および比較例の供試
合金の組成を示す。
【0048】得られたインゴットを850 ℃に加熱後、厚
さ5mmまで熱間圧延を行った。その後、熱間圧延による
歪みを除去するため 700℃×30分焼鈍を行った。このと
き一部を切り出しその断面のビッカース硬度を測定し
た。次いで、焼鈍後脱スケールのための切削加工を施
し、厚さ5mm まで圧下率50%の冷間圧延を行った。
【0049】このとき、供試合金のエッジ割れの有無で
冷間塑性加工性を判定した。また、ドリル穿孔による切
削加工性を、直径2mmのドリルを用いて熱延板に10個の
穴あけ加工を行い、焼き付きおよび破損なく穴あけ加工
を行うことができるか否かを調べた。さらに、1200番の
研磨紙で研磨した後にバフ研磨を行い、表面観察するこ
とによりその鏡面研磨性についても判定した。表3に、
冷間塑性加工性 (冷延割れの有無) 、切削加工性 (焼付
き、摩耗、折損の有無) および鏡面研磨性 (白濁、むら
の有無) の結果をあわせて示す。
【0050】
【表3】 比較例である純チタン (供試合金No.1) は冷延割れこそ
生じないが、穴あけ時は焼き付きが生じ、また鏡面研磨
時に白濁した。
【0051】また、本発明の範囲を満足しない比較例
(供試合金No.5、6 、9 、13、15、17、19) では、冷間
圧延時に割れを生じたり、穴あけが不可能であったり、
さらには研磨時に白濁やむらが生じた。
【0052】これに対して、本発明の範囲を満足する本
発明例 (供試合金No.2〜4 、7 、8、10〜12、14、16、1
8) は、いずれも、冷間塑性加工性、切削加工性および
鏡面研磨性が良好であった。
【0053】また、本発明例 (供試合金No.2〜4 、7 、
8 、10〜12、14、16、18) は、いずれも、高強度かつ軽
量であり、眼鏡、時計、カメラさらにはゴルフクラブ等
といった各種の民生品の素材として好適に用いることが
できるものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明合金は、冷間加工性が確保され高
強度であり、Ti−10Zrに比べ比重が小さい。またそれだ
けでなく、素材として不純物(Fe)の多いスポンジチタン
を使用することができるため、低コストでの製造も可能
である。
【0055】また、本発明合金は、高強度のみならず冷
間塑性加工性、切削性さらには研磨性も兼ね備えてお
り、各種の民生品の素材として好適に用いることができ
る。かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著し
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼鏡フレームの斜視図である。
【図2】本発明にかかるチタン合金の冷間圧延による加
工硬化の傾向を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 黒田 篤彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 高島 昌樹 栃木県下都賀郡野木町野木1985番地 株式 会社三洋特殊合金内 Fターム(参考) 2H006 AA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 Zr:0.5 〜5%、Fe:0.5 〜3.5 %、酸素:0.05〜0.5
    %、 残部:チタンと不可避成分からなることを特徴とする高
    強度チタン合金。
  2. 【請求項2】 質量%で、 Zr:0.5 〜5%、Fe:0.5 〜3.5 %、酸素:0.05〜0.5
    %、CrおよびNiの1種または2種:合計で0.5 %以下、 残部:チタンと不可避成分からなることを特徴とする高
    強度チタン合金。
  3. 【請求項3】 質量%で、 Zr:0.1 〜5%、Fe:0.5 〜5.0 %、酸素:0.05〜0.5
    %、 残部:チタンと不可避成分からなることを特徴とする高
    強度チタン合金。
  4. 【請求項4】 質量%で、 Zr:0.1 〜5%、Fe:0.5 〜5.0 %、酸素:0.05〜0.5
    %、CrおよびNiの1種または2種:合計で0.5 %以下、 残部:チタンと不可避成分からなることを特徴とする高
    強度チタン合金。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の高強度チタン合金から成る眼鏡フレーム。
JP2000321283A 1999-12-03 2000-10-20 高強度チタン合金 Expired - Fee Related JP4006939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000321283A JP4006939B2 (ja) 1999-12-03 2000-10-20 高強度チタン合金

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-344980 1999-12-03
JP34498099 1999-12-03
JP2000321283A JP4006939B2 (ja) 1999-12-03 2000-10-20 高強度チタン合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001220631A true JP2001220631A (ja) 2001-08-14
JP4006939B2 JP4006939B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=26577928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000321283A Expired - Fee Related JP4006939B2 (ja) 1999-12-03 2000-10-20 高強度チタン合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4006939B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005240169A (ja) * 2004-01-27 2005-09-08 Sota Japan Kk チタン合金及びその製造方法、並びに装身具
EP3489375A1 (en) * 2017-11-22 2019-05-29 Paris Sciences et Lettres - Quartier Latin Ternary ti-zr-o alloys, methods for producing same and associated utilizations thereof

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005240169A (ja) * 2004-01-27 2005-09-08 Sota Japan Kk チタン合金及びその製造方法、並びに装身具
EP3489375A1 (en) * 2017-11-22 2019-05-29 Paris Sciences et Lettres - Quartier Latin Ternary ti-zr-o alloys, methods for producing same and associated utilizations thereof
WO2019101839A1 (en) * 2017-11-22 2019-05-31 Paris Sciences Et Lettres - Quartier Latin Ternary ti-zr-o alloys, methods for producing same and associated utilizations thereof
JP2021504586A (ja) * 2017-11-22 2021-02-15 パリ シアンス エ レットル‐カルティエ ラタン Ti−Zr−Oの三元合金、その製造方法、および関連したその利用
US10975462B2 (en) 2017-11-22 2021-04-13 Paris Sciences Et Lettres—Quartier Latin Ternary Ti—Zr—O alloys, methods for producing same and associated utilizations thereof
US11542583B2 (en) 2017-11-22 2023-01-03 Paris Sciences Et Lettres Ternary Ti—Zr—O alloys, methods for producing same and associated utilizations thereof
JP7228596B2 (ja) 2017-11-22 2023-02-24 パリ シアンス エ レットル Ti-Zr-Oの三元合金、その製造方法、および関連したその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4006939B2 (ja) 2007-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5340529A (en) Gold jewelry alloy
US5882441A (en) Silver colored alloy with low percentage copper
US5817195A (en) Silver colored alloy with low percentage of nickel and copper
JP5201202B2 (ja) ゴルフクラブフェース用チタン合金
AU717376B2 (en) High-purity hard gold alloy and process for production thereof
EP0641868B1 (en) A nonmagnetic ferrous alloy with excellent corrosion resistance and workability
JPS6013041A (ja) 装飾用チタン合金
JP4581425B2 (ja) β型チタン合金およびβ型チタン合金製の部品
JP4006939B2 (ja) 高強度チタン合金
US10035184B2 (en) Material for eyewear and eyewear structure
US7128792B2 (en) Sterling silver manganese alloy compositions
JP2886818B2 (ja) 装飾用の銅合金の製造方法
JP4412174B2 (ja) 冷間加工性に優れた低剛性・高強度チタン合金、並びにめがねフレーム及びゴルフクラブヘッド
JP4202626B2 (ja) 冷間加工性およびロウ付け後の疲労強度に優れたメガネフレーム用チタン合金
JPS62130255A (ja) めがね用アルミニウム合金
JPWO2004042096A1 (ja) 冷間加工性に優れた低剛性・高強度チタン合金、並びにめがねフレーム及びゴルフクラブヘッド
JPH0646269B2 (ja) Ti合金製めがねフレ−ム
JP3353618B2 (ja) 高強度チタン合金
JP2001254130A (ja) めがねフレーム用チタン合金とめがねフレーム
JP2005154850A (ja) 高強度β型チタン合金
JP2008127667A (ja) 冷間加工性に優れたゲルマニウム含有高強度チタン合金および該合金からなる装飾・装身具
JP5800330B2 (ja) 眼鏡フレーム用チタン合金材
JP2008127667A5 (ja)
JPS62103330A (ja) 冷間加工性の優れた高強度チタン合金
JP3379370B2 (ja) 冷間加工性に優れたα型チタン合金

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060912

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070820

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees