JP2001220553A - リンゴ酸ジエステル界面活性剤 - Google Patents

リンゴ酸ジエステル界面活性剤

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低い平衡表面張力および動的表面張力を示す
水をベースとする組成物、特にコーティング、インキ、
ファウテンソリューション、接着剤および農業用組成物
の提供。 【解決手段】 構造式 (R1およびR2はC3〜C6アルキル基である)を有する
リンゴ酸ジエステル化合物を含有する水性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、水をベースとする系の表面張
力を減少するためにリンゴ酸ジエステルを使用すること
に関する。
【0002】
【発明の背景】水の表面張力を減少する能力は、表面張
力の減少が実際の処方物中での基材の濡れの増大につな
がるので、水性コーティング、インキ、接着剤、ファウ
テンソリューション(fountain solution)および農業
用処方物中で極めて重要である。水をベースとする系の
表面張力の減少は一般に界面活性剤の添加によって達せ
られる。界面活性剤の添加で得られる性能上の特性に
は、表面被覆の強化、欠陥の減少、そしてより均一な分
布がある。系が静止している場合、平衡表面張力の性能
が重要である。しかしながら、動的条件下の表面張力を
減少する能力は、大きな表面形成速度が活用される応用
では極めて重要である。このような応用には、コーティ
ングの噴霧、ロール塗装および刷毛塗りまたは農業用処
方物の噴霧または高速グラビア印刷もしくはインクジェ
ット印刷がある。動的表面張力は、界面活性剤の表面張
力を減少しそしてこのような高速な施用条件下での濡れ
を与える能力に手段を与える基本的な量である。
【0003】アルキルフェノールエトキシレートまたは
アルコールエトキシレート、およびエチレンオキシド
(EO)/プロピレンオキシド(PO)コポリマーのよ
うな伝統的な非イオン性の界面活性剤は、優れた平衡表
面張力性能を有するが、動的表面張力の減少が劣悪であ
ることを一般に特徴とする。対照的に、ナトリウムジア
ルキルスルホスクシネートのようなある種の陰イオン界
面活性剤は、良好な動的な結果を与えることができる
が、これらは極めて発泡性であり、また仕上げられたコ
ーティングに水感受性を与える。
【0004】産業界では、高性能な界面活性剤の開発に
加えて、環境特性の改善された界面活性剤にかなりの興
味がある。環境に対する関心の結果、代替品が入手でき
るようになるにつれ、環境と融和可能な界面活性剤の使
用が増大している。さらに、アルキルフェノールエトキ
シレート(APE)界面活性剤のようなさほど好ましく
ない製品の使用が減少している。このことは、APE界
面活性剤の環境特性が劣悪である、例えば、生分解が不
十分であることそしてこれが疑似内分泌物質として作用
すると疑われることに一部由来する。高性能で環境に優
しい界面活性剤に対する要求のため新たな界面活性剤の
開発が促進されている。この作業からアルキルポリグリ
コシド(APG)界面活性剤と称される新たな界面活性
剤の一群が、慣用の界面活性剤に対して、容易に生分解
されることができ、環境に優しい代替品として出現して
いる。しかしながら、これらの物質は発泡性である可能
性があり、従って発泡が好ましくない場合、各種のコー
ティング、インキ、接着剤および農業上の応用に適さな
い。さらに、多くのAPG界面活性剤は劣悪な色彩特性
を有し、固体またはペースト状である。この後者の性質
は取り扱いを厄介にし、100%より著しく少ない活性
成分を含有する配合物の製造を必要にする。従って、動
的な施用状態下で優れた表面張力低下能および低発泡性
を示す界面活性剤を得ることが望ましいだけでなく、こ
のような新規な界面活性剤が環境に優しく、液状であり
また色をほとんどまたはまったくもたないことも著しく
望ましい。
【0005】良好な平衡表面張力特性および動的表面張
力特性を示し、発泡性が低く、取り扱いを容易にする低
粘度液体であり、色および匂いが少ないという特徴を有
し、また水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテ
ンソリューションおよび農業用処方物の産業で広く受け
いれられるであろう界面活性剤に対する需要がある。さ
らに、環境に優しい界面活性剤の開発にかなりの興味が
示されているので、必須の特質は、これらの界面活性剤
が上記の望ましい性能上の特質を有するだけでなく、天
然産の化合物またはその合成の同等物から誘導されるか
または有利な生分解特性および毒性を有するということ
である。
【0006】コーティング、インキ、接着剤、ファウテ
ンソリューションおよび農業用処方物のような応用にお
ける平衡表面張力および動的表面張力を減少することの
重要性は技術上十分に認められている。
【0007】小さい動的表面張力は水性コーティングの
応用で極めて重要である。1992年9月のJournal of Coa
tings Technology中のSchwartz,J の文献『The Import
anceof Low Dynamic Surface Tension in Waterborne C
oatings』には、水性コーティングの表面張力特性に関
する論及およびこのようなコーティングの動的表面張力
に関する論及がある。いくつかの界面活性剤について平
衡表面張力および動的表面張力が評価された。小さい動
的表面張力は、水性コーティングで優れたフィルム形成
を達成するのに重要な因子であることが指摘されてい
る。コーティングの動的な施用法には、凹み、クレータ
ーおよび泡のような欠陥を防止するために動的表面張力
の小さい界面活性剤が必要である。
【0008】農業用製品を効率的に施すこともまた、処
方物の動的表面張力特性に著しく関係する。Pestic.Sc
i.、1991年、33、411〜420ページのWirth,W.、Storp,
S.、Jacobsen,W.の文献『Mechanisms Controlling Le
af Retention of Agricultural Spray Solutions』で
は、農業用処方物の動的表面張力と、これらの処方物が
葉の上に保持される能力との関係が研究されている。こ
れらの研究者は、保持値と動的表面張力との間の良好な
相関を認めており、処方物の保持がより効果的であると
動的表面張力が小さいことが示されている。
【0009】Am.Ink Maker、1994年、72巻、2号、32
〜38ページのMedina,S.W.、Sutovich,M.N.の文献『U
sing Surfactants to Formulate VOC Compliant Waterb
asedInks』に論じられているように、高速印刷では小さ
い動的表面張力がやはり重要である。この文献では、平
衡表面張力(EST)は静止しているインク系だけに妥
当すると述べられている。しかしながら、EST値は、
インキが使用される高速印刷の動的な環境下での性能の
良好な指標ではない。動的表面張力はより好適な特性で
ある。この動的な測定値は、高速印刷の際に、新たに生
じるインキ/基材の界面に界面活性剤が移行して濡れを
与える能力に関する一指標である。
【0010】US 5,098,478は水、顔料、非イオン性界面
活性剤および非イオン性界面活性剤のための可溶化剤を
含有する水をベースとするインキ組成物を開示してい
る。印刷性の問題が確実に起きないようにするために、
出版用グラビア印刷のためのインキ組成物中での動的表
面張力は、約25〜40ダイン/cmの水準まで低下され
なければならない。US 5,562,762は、水、溶解した染料
およびポリエトキシレート置換基を2つ有する第3アミ
ンの水性ジェットインキを開示しており、またインクジ
ェット印刷では動的表面張力の低いことが重要であると
している。
【0011】マレートとも称されるリンゴ酸(2−ヒド
ロキシ−ブタン二酸)の各種のエステルが知られてい
る。リンゴ酸そのものは飲料、キャンデーおよび食品中
の添加剤として主として使用される。市販の形態の(D
L−リンゴ酸)は無水マレイン酸から製造され、米国食
品医薬品局によってGRAS(Generally Recognized A
s Safe)と分類される。さらに、天然産の形態(L−リ
ンゴ酸)は低濃度で多くの果物の中に見いだされる。
【0012】DE 3 011 645 A1 は塩化ビニルの水性懸濁
重合のための分散助剤としてヒドロキシカルボン酸の混
合エステルを使用することを開示している。US 3 927 0
73は洗浄剤および織物柔軟剤の両方としての、ジカルボ
ン酸のポリヒドロキシ第3アミンとのエステルを開示し
ている。DE 19 621 681 A1 は多価のカルボン酸および
/またはヒドロキシカルボン酸の脂肪族アルコールとの
エステルを乳化剤およびポリオールとともに含有する水
性の真珠光沢のある濃厚物を開示している。毛髪シャン
プーおよび手による食器用洗剤に使用するための『界面
活性剤』に真珠光沢を付与するために、C6〜C22ア
ルコールのモノエステルまたはジエステルが使用され
た。その中で示唆された酸はリンゴ酸である。US 5 695
679は『有機銀塗装剤』として、モノカルボン酸または
ポリカルボン酸と1価または多価のアルコールとのエス
テルを含む食器用洗剤処方物を開示している。カルボン
酸のうちにリンゴ酸が挙げられている。
【0013】US 2 925 352は水不溶性で熱可塑性のフィ
ルム形成性有機ポリマーのための可塑化剤としてリンゴ
酸の誘導体を開示している。実施例4には100部のセ
ルロースアセテート、12.5部のジイソブチルマレー
ト、400部のジオキサランおよび27部の水からなる
フィルム形成性ドープが示されている。US 2 122 716は
C10〜C14アルコールのヒドロキシカルボン酸エス
テルを開示している。C.D.Vaughan および D.A.Ric
e、J.Dispersion Science and Technology、1990年、1
1、83ページには、安定な乳濁液を得るために、油層に
関して『必要なHLB』値についての式を試験するため
に使用される水中油乳濁液中にジオクチルマレートを使
用することが開示されている。
【0014】Kyotaniら、Sekiyu Gakkaishi、1988年、3
1、382ページには、2−エチルヘキサノールからつくら
れるモノエステルおよびジエステル潤滑剤の流動的挙動
に対するOH基の効果の研究がある。ジ(2−エチルヘ
キシル)スクシネートの粘度がジ(2−エチルヘキシ
ル)スクシネートより増加しているのは、後者がより良
い潤滑剤であることを示す。この場合、すべての液体は
ニートで、水性媒体中においてではなく研究された。
【0015】US 4 005 189は脱臭剤として、炭素を2〜
4個有する脂肪族のモノヒドロキシカルボン酸またはジ
ヒドロキシカルボン酸あるいは脂肪族のモノヒドロキシ
ジカルボン酸またはジヒドロキシジカルボン酸と炭素を
1〜6個有する脂肪族アルコールとのエステルを開示し
ている。ジエチルマレート、ジイソプロピルマレートお
よびジヘキシルマレートが示されている。EP 0 850 935
A2 は1,3,5−トリアジン誘導体と溶媒としてのカル
ボン酸のある種のエステルの濃縮された溶液を開示して
いる。好ましい溶媒はビス(2−エチルヘキシル)マレ
ートである。
【0016】US 5 505 937は、多数挙げられるエステル
のうちジオクチルマレートを低粘度油状物として含有す
る抗移動性化粧品組成物を開示している。US 5 702 693
は、水混合性有機溶媒、酸および軟化剤からなる、患者
の皮膚から石膏を除去するための水性の液状組成物を開
示している。実施例には軟化剤としてのジオクチルマレ
ートが示されている。US 5 597 576は、C12〜13の
単一分枝脂肪アルコールのリンゴ酸ジエステルを含有す
る、油をベースとする透明なゲルつまり『リポゲル』を
開示している。
【0017】
【発明の概要】本発明は、以下の構造式
【化3】 (式中、R1およびR2はC3〜C6アルキル基であるが、
1およびR2が同一であるのが好ましい)を有するリン
ゴ酸のジエステルを有効量含めることにより、低減した
平衡表面張力および動的表面張力を有する、有機または
無機化合物を含有する水をベースとする組成物、特に水
性の有機コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソ
リューションおよび農業用組成物を提供する。マレート
ジエステルの水溶液は、最大気泡圧力法によるとき、2
5℃の水中の濃度5重量%またはそれ以下および6気泡
/秒で、45ダイン/cmより小さい動的表面張力を示
すのが望ましい。表面張力を測定する最大気泡圧力法
は、Langmuir、1986年、2、428〜432ページに記載され
ており、これは参照によって本記載に加入する。
【0018】本発明の目的のため、本発明者等は『水を
ベースとする』、『水性』または『水性媒体』によっ
て、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95
重量%の水を含有する溶媒または液状分散媒体を意味す
る。このマレートジエステル化合物を含ませることによ
りこのような水性組成物の平衡表面張力および動的表面
張力を減少させる方法もまた提供される。
【0019】水をベースとする組成物の動的表面張力を
減少させるのに有効な量の上記の構造を有するマレート
ジエステル化合物を含有する水をベースとする組成物を
用いて、表面を部分的または全体的にコートするよう
に、水をベースとする無機または有機の化合物を含有す
る組成物を表面に施す方法もまた提供される。
【0020】水をベースとする有機コーティング、イン
キ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組
成物中にこのマレートジエステルを使用することには著
しい利点があり、この利点には以下がある。 ・ 種々の基材に施されることができ、汚染された表面
および低エネルギー表面を含む基材表面の湿潤が優れて
いる、水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテン
ソリューションおよび農業用組成物、 ・ コーティングまたは印刷の欠陥例えば、ゆずはだお
よび流動/平坦化上の欠陥が減少すること、 ・ 高速の施用が可能であるコーティングおよびインキ
組成物、 ・ 動的表面張力を低下できる低発泡性界面活性剤、 ・ 取り扱いを容易にするための、室温での粘度が低い
液体である低発泡性界面活性剤、 ・ 匂いおよび色が少ない低発泡性界面活性剤、 ・ 揮発性の有機物の含有率が低くしたがって環境に優
しくなる水性のコーティングおよびインキ、 ・ 天然の酸または合成の同等物から誘導される界面活
性剤を使用し、したがって環境に優しくなる水性組成
物、および ・ 良好な生分解性を示し、したがって環境に優しい低
発泡性界面活性剤。
【0021】これらの物質はその優れた界面活性および
発泡を抑制する能力のため、動的表面張力および平衡表
面張力の減少および低発泡性が重要である多くの応用で
おそらく使用される。低発泡性が重要である応用には、
繊維の染色、繊維の精錬およびキヤーボイリングのよう
な織物の種々の湿潤処理操作であって低発泡特性が特に
有利であろう操作が含まれ、これらの物質は、表面張力
を減少しつつ同時に実質的に発泡しないというそれらの
顕著な能力が著しく望ましいであろう石鹸、水をベース
とする香水、シャンプーおよび種々の洗浄剤にも応用さ
れるであろう。
【0022】
【発明の詳述】本発明は、有機化合物を含有する水をベ
ースとする組成物の、特にコーティング、インキ、ファ
ウテンソリューション、接着剤および、ポリマー樹脂、
除草剤、殺真菌剤、殺虫剤または植物生長調整剤のよう
な有機化合物を含有する農業用組成物の平衡表面張力お
よび動的表面張力を減少させるために、構造
【化4】 (式中、R1およびR2は独立としてC3〜C6アルキル基
であり、R1およびR2が同一であるのが好ましい)を有
する化合物を使用することに関する。マレートジエステ
ルの水溶液は、最大気泡圧力法によるとき、25℃の水
中の濃度5重量%またはそれ以下および6気泡/秒で、
45ダイン/cmより小さい動的表面張力を示すのが望ま
しい。表面張力を測定する最大気泡圧力法は、Langmui
r、1986年、2巻、428〜432ページに記載されており、こ
れは参照によって本記載に加入されている。
【0023】本発明の1つの態様で上記の式のマレート
ジエステルは、平衡表面張力および動的表面張力を低下
しつつ実質的に発泡しない優れた能力を発揮する。この
物質はリンゴ酸をアルコールでエステル化することによ
りつくることができる。反応は以下のように示される。
【0024】
【化5】
【0025】本発明の目的には、L−リンゴ酸、D−リ
ンゴ酸およびDL−リンゴ酸を含むリンゴ酸のすべての
立体異性体が好適である。エステル化反応は、参照によ
って本記載に加入されているKirk-Othmer Encyclopedia
of Chemical Technology、第4版、第9巻、755〜780
ページに記載の多くの触媒および方法を使用することに
より実施し得る。反応は酸によって選択的に接触され
る。好適な酸触媒の例は酸性のイオン交換樹脂(つまり
Amberlyst(R)15樹脂)、p−トルエンスルホン酸、三
フッ化ホウ素エーテレートそして、塩酸および硫酸のよ
うな鉱酸触媒である。加えて、エステル化反応は副生物
の水を除去することにより推進されてよい。この場合水
は典型的に、反応で使用されるアルコールによって共沸
混合物として除去し得る。水を除去するために好適な他
の方法には乾燥剤の使用が含まれる。また、リンゴ酸の
溶解を助けまた水の共沸的除去を容易にするために反応
物に溶媒が添加されてよい。
【0026】本発明のジアルキルマレートを製造するた
めに、必要なC3〜C6アルキル置換基を含むあらゆる
アルコールまたはアルコールの混合物が利用されてよ
く、炭素を3〜5個含むアルコールが好ましくそして炭
素を4個含むものが特に好ましい。物質に界面活性(つ
まり水の表面張力を低下する能力)を付与するのに十分
ではあるが、物質の表面張力を低下する能力が特定の応
用にとって不十分である程度まで溶解度を低下するには
十分でない炭素を含有すべきである。一般に、炭素数が
増加すると、得られるジアルキルマレートの効率が増加
する(つまり表面張力の所定の低下を得るのにより少な
い界面活性剤が必要である)が、表面形成速度が大きい
場合に表面張力を低下する能力は低減する。後者の効果
は炭素数が増加すると物質の水溶性が減少し、従って新
たに形成される表面への界面活性剤の拡散フラックスを
減少するという事実の結果である。本発明の実施におい
ては一般に、得られるジアルキルマレートが0.005
〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%そして最も
好ましくは0.1〜1.0重量%の水中への溶解限度を有
するようにアルキル基を選定するのが望ましい。
【0027】本発明のマレート中のアルキル基は同一で
あるか異なっていてよい。しかしながら、対称性のマレ
ートは合成が容易であるので好ましい。アルキル基は線
状または分枝状であってよく、末端に分枝を有するアル
キル基が好ましい。酸素への結合点は、中にあるかまた
は末端にある炭素上であってよく、末端炭素上が好まし
い。R1およびR2上の炭素の総数は6またはそれ以上で
なければならず、6より少ないとジアルキルマレートの
界面活性をあまりにも減少しすぎる。炭素の総数は12
またはそれ以下でなければならず、12より多いと、こ
の物質を多くの処方物中に使用するのが実用的でない程
度までこの物質の溶解度を低下させる。好適なアルキル
基の例は、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
イソブチル、第2−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチ
ル、3−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シク
ロペンチル、2−メチルブチル、3−メチル−2−ブチ
ル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シク
ロヘキシル、2−エチルブチル、4−メチル−2−ペン
チルなどである。好ましい誘導体はR1およびR2が同一
であり、全部で6〜12個のアルキル炭素を含むもので
ある。これらの誘導体のうち、 6〜10個のアルキル
炭素を含むものが好ましくまた8〜10個のアルキル炭
素を含むものが特に好ましく、とりわけR1およびR2
同一で、イソブチルである場合、8個のアルキル炭素を
含むものが最も好ましい。さらに、末端酸素に末端の分
枝または結合を有するアルキル基が好ましい。
【0028】水をベースとする有機化合物を含有する組
成物の平衡表面張力および/または動的表面張力を低下
するのに有効な量のジアルキルマレート化合物が添加さ
れる。このような有効量は水性組成物の0.001〜2
0重量%、好ましくは0.01〜10重量%そして最も
好ましくは0.05 〜5重量%の範囲にある。当然なが
ら最も有効な量はジアルキルマレートの特定の応用およ
び溶解度に依存する。
【0029】マレートジエステルは、鉱石または顔料で
ある無機化合物あるいは顔料、重合性モノマー、例え
ば、付加モノマー、縮合モノマーおよびビニルモノマ
ー、オリゴマー樹脂、ポリマー樹脂、洗浄剤、苛性清浄
剤、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤または植物生長調整剤で
ある有機化合物を水中に含む水性組成物中で使用するの
に好適である。
【0030】本発明のジアルキルマレートを含有する、
以下の水をベースとする有機コーティング、インキ、接
着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物で
は、このような組成物の列挙された別な成分は、当業者
にとって周知の物質である。
【0031】本発明のマレートジエステル界面活性剤が
添加されてよい水をベースとする保護または装飾用の典
型的な有機コーティング組成物は水性媒体中に以下の成
分を含むコーティング組成物30〜80重量%含有す
る。 水をベースとする有機コーティング組成物 0〜50重量% 顔料分散剤/粉砕樹脂 0〜80重量% 着色顔料/エクステンダー顔料/腐蝕
防止顔料/他種の顔料 5〜99.9重量% 水性/水分散性/水溶性の樹脂 0〜30重量% 滑動添加剤/抗微生物剤/処理助剤
/消泡剤 0〜50重量% 合着性溶媒または他の溶媒 0.01〜10重量% 界面活性剤/湿潤剤/流動および平
坦化剤 0.01〜5重量% ジアルキルマレート
【0032】本発明のマレートジエステル界面活性剤が
添加されてよい水をベースとする典型的なインキ組成物
は水性媒体中に以下の成分を含むインキ組成物を20〜
60重量%含有する。 水をベースとするインキ組成物 1〜50重量% 顔料 0〜50重量% 顔料分散体/粉砕樹脂 0〜50重量% 適当な樹脂溶液ビヒクル中の粘土 5〜99.9重量% 水性/水分散性/水溶性の樹脂 0〜30重量% 合着性溶媒または他の溶媒 0.01〜10重量% 界面活性剤/湿潤剤 0.01〜10重量% 処理助剤/消泡剤/可溶化剤 0.01〜5重量% ジアルキルマレート
【0033】本発明のマレートジエステル界面活性剤が
添加されてよい水をベースとする典型的な農業用組成物
は水性媒体中に以下の成分を含む農業用組成物を0.1
〜80重量%含有する。 水をベースとする農業用組成物 0.1〜50重量% 殺菌剤、殺虫剤、除草剤または植物
生長調整剤 0.01〜10重量% 界面活性剤 0〜5重量% 染料 0〜20重量% 増粘剤/安定剤/共界面活性剤/ゲ
ル化防止剤/消泡剤 0〜25重量% 凍結防止剤 0.01〜50重量% ジアルキルマレート
【0034】水をベースとする典型的なファウテンソリ
ューション組成物は以下の成分である。 水をベースとするファウテンソリューション 0.05〜10重量% フィルム形成性で水溶性の巨大分子 1〜25重量% 水溶性または水溶性にされることの
できる炭素原子2〜12個を有するアルコール、グリコー
ルまたはポリオール 0.01〜20重量% 水溶性の有機酸、無機酸またはそれ
らの塩 30〜70重量% 水 0.01〜5重量% ジアルキルマレート
【0035】本発明のジアルキルマレート界面活性剤が
添加されてよい水をベースとする典型的な接着剤組成物
は水性媒体中に以下の成分を含む接着剤組成物を30〜
65重量%含有するである。 水をベースとする接着剤 50〜99重量% ポリマー樹脂(SBR,VAE,ア
クリル) 0〜50重量% 粘着化剤 0〜0.5重量% 消泡剤 0.5〜2重量% ジアルキルマレート
【0036】市販で入手できたジイソプロピル−(S)
−(−)−マレートおよびジブチル−DL−マレートは
別として、以下の実施例でのすべてのマレートは合成さ
れ、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/M
S)および核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析法によ
り特性付けられた。製造されたジアルキルマレートの純
度はすべて>96%〜>99%の範囲にあった。
【0037】実施例1 ジイソプロピル−(S)−(−)−マレートをAldrich
Chemical Companyから購入し(99%)そして入手した
ままで使用した。この化合物は粘度が低く、透明で、無
色の液体であり、検知可能な匂いは無かった。
【0038】実施例2 ジブチル−DL−マレートをTCI Americaから購入し
(99%)そして入手したままで使用した。この化合物
は粘度が低く、透明で、無色の液体であり、心地よい匂
いが僅かにあった。
【0039】実施例3 DL−リンゴ酸をイソブチルアルコールでエステル化す
ることによりジイソブチル−DL−マレートを製造し
た。還流凝縮器、Dean-Starkトラップ、隔膜、熱電対お
よび機械的撹拌機を備えた1リットルの三つ口丸底フラ
スコに、DL−リンゴ酸(75.91g)、2−メチル
−1−プロパノール(210ml)およびAmberlyst(R)15
イオン交換樹脂(10g)を入れた。混合物を窒素下に
置き、加熱還流した。106℃で、Dean-Starkトラップ
内に2つの相が集まり始めた。反応温度を2時間15分
にわたって108℃に保持し、Dean-Starkトラップによ
って水を連続的に除去した。Dean-Starkトラップ中への
集まりが遅くなるにつれ、反応温度を115℃に上昇さ
せ、新規なアルコール(50ml)を反応物に加えた。反
応物を120℃に加熱し、さらにアルコール(50ml)
を添加した。この時、Dean-Starkトラップ内に水はもは
や集まらなかった。生成物を濾過により触媒から分離し
た。粗製の黄色の液体を真空蒸留により精製した。心地
よい匂いが僅かにある、粘度が低く、透明で、無色の液
体としてジイソブチル−DL−マレート(120.4
g、収率86.3%)を得た。
【0040】実施例4 実施例3に類似する手順を用いてジ−第2−ブチル−D
L−マレートをつくった。この化合物はボトム生成物と
して単離した。反応フラスコにDL−リンゴ酸(80.
23g)、2−ブタノール(220ml)およびAmberlys
t(R)15イオン交換樹脂(11.2g)を入れた。混合物
を窒素下に置き、加熱還流した。102℃で1つの相が
Dean-Starkトラップ内に集まり始めた。102℃で4時
間反応を持続した。この際、新規のアルコールを添加す
るにつれ水/アルコール共沸混合物を除去した。生成物
をジエチルエーテル中に溶解し、シリカ床上での濾過に
よって触媒から分離し、飽和した重炭酸ナトリウムで多
数回洗浄し、水で1回洗浄し、そして硫酸マグネシウム
上で乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを
除去した。残留する2−ブタノールを除去するために試
料を真空吸引した後、検知可能な匂いがなく、粘度が低
く、透明で、明黄色の液体としてジ−第2−ブチル−D
L−マレート(46g、収率31%)を得た。
【0041】実施例5 実施例4に類似する手順を用いてジペンチル−DL−マ
レートをつくった。反応フラスコにDL−リンゴ酸(1
00.43g)、1−ペンタノール(325ml)およびAmb
erlyst(R)15イオン交換樹脂(14.2g)を入れた。混
合物を窒素下に置き、加熱還流した。108℃で、2つ
の相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。110〜
120℃で4時間15分反応を持続し、水を連続的に除
去した。300mlのジエチルエーテルを用いて生成物を
シリカ床上での濾過によって触媒から分離した。飽和し
た重炭酸ナトリウムで有機層を4回洗浄し、水で1回洗
浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。回転蒸
発によってジエチルエーテルを除去した。残留する1−
ペンタノールを除去するために試料を真空吸引した後、
心地よい匂いが僅かにあり、粘度が低く、僅かに曇りが
あり、極めて明るい黄色の液体としてジフェニル−DL
−マレート(116.5g、収率55.6%)を得た。
【0042】実施例6 実施例4に類似する手順を用いてジイソアミル−DL−
マレートをつくった。反応フラスコにDL−リンゴ酸
(87.54g)、3−メチル−1−ブタノール(28
5ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹脂(11.9
g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。
109℃で、2つの相がDean-Starkトラップ内に集まり
始めた。110℃で8時間反応を持続し、この際に水を
連続的に除去した。生成物をジエチルエーテル中に溶解
し、シリカ床上での濾過によって触媒から分離した。飽
和した重炭酸ナトリウムで有機層を多数回洗浄し、水で
1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。回転蒸発
によってジエチルエーテルを除去した。残留する3−メ
チル−1−ブタノールを除去するために試料を真空吸引
した後、匂いが僅かにあり、粘度が低く、透明で、無色
の液体としてジイソアミル−DL−マレート(130
g、収率72%)を得た。
【0043】実施例7 実施例4に類似する手順を用いてジ(2−メチルブチ
ル)−DL−マレートをつくった。反応フラスコにDL
−リンゴ酸(100.56g)、2−メチル−1−ブタ
ノール(325ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹
脂(15.1g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱
還流した。108℃で、2つの相がDean-Starkトラップ
内に集まり始めた。1.5時間の後、反応温度を20分
間115℃にまた20分間120℃に上昇させた。Dean
-Starkトラップ内への水の集まりが止まったら、生成物
をジエチルエーテルで希釈し、シリカの短い床上での濾
過によって収集し、飽和した重炭酸ナトリウムで4回洗
浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ
た。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残
留する2−メチル−1−ブタノールを真空蒸留によって
除去した後、検知可能な匂いが無く、粘度が低く、透明
で、極めて明るい黄色の液体としてジ(2−メチルブチ
ル)−DL−マレート(139.8g、収率68%)を
得た。
【0044】実施例8 実施例4に類似する手順を用い、触媒としてp−トルエ
ンスルホン酸を使用してジヘキシル−DL−マレートを
つくった。実施例3〜7とは異なり、反応はニートなア
ルコール中では実施しなかった。この場合、出発時の酸
を溶解するために1,4−ジオキサンを添加した。反応
フラスコにDL−リンゴ酸(80.91g)、ヘキシル
アルコール(307ml)、1,4−ジオキサン(200m
l)およびp−トルエンスルホン酸(12.3g)を入れ
た。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。103℃
で、1つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。
反応温度を110℃に上昇させた。2時間40分後に極
めて少量の液体がトラップ内に集まっていた。反応温度
を115℃に上昇させ、トラップに液体がもはや集まら
なくなるまでこの温度を保った。飽和重炭酸ナトリウム
で生成物を中和し、ジエチルエーテルで希釈し、飽和重
炭酸ナトリウムで3回洗浄し、水で1回洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエ
ーテルを除去した。残留するヘキシルアルコールを真空
蒸留によって除去した後、心地よい匂いが僅かにあり、
粘度が低く、透明で、無色の液体としてジヘキシル−D
L−マレート(127.7g、収率70%)を得た。
【0045】実施例9 実施例8に類似する手順を用いてジ(4−メチル−2−
ペンチル)−DL−マレートをつくった。反応フラスコ
にDL−リンゴ酸(90.76g)、4−メチル−2−
ペンタノール(350ml)、1,4−ジオキサン(20
0ml)およびp−トルエンスルホン酸(15.2g)を
入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。105
℃で、1つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始め
た。2時間後、温度を110℃に上昇させた。1時間1
0分後に温度を112℃に上昇させ、トラップに液体が
もはや集まらなくなるまでこの温度を保った。飽和重炭
酸ナトリウムで反応生成物を中和し、ジエチルエーテル
で希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで3回洗浄し、水で1
回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。回転蒸発に
よってジエチルエーテルを除去した。残留する4−メチ
ル−2−ペンタノールを真空蒸留によって除去した後、
検知可能な匂いが無く、粘度が低く、僅かに曇りがあ
り、明黄色の液体としてジ(4−メチル−2−ペンチ
ル)−DL−マレート(166.8g、収率81.5
%)を得た。
【0046】実施例10 Leeら、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.、1巻、1995
年、2877ページの方法を用いてジベンジル−DL−マレ
ートをつくった。還流凝縮器、Dean-Starkトラップ、熱
電対および機械的撹拌機を備えた1リットルの三つ口丸
底フラスコに、DL−リンゴ酸(81.96g)、ベン
ジルアルコール(132.0g)、トルエン(620m
l)およびp−トルエンスルホン酸(1.165g)を入
れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。100℃
で、Dean-Starkトラップ内に2つの相が集まり始めた。
2時間後、反応温度を1.5時間105℃に上昇させ
た。粗生成物を飽和重炭酸ナトリウムで中和し、分離漏
斗に注入した。有機層を飽和重炭酸ナトリウムで2回洗
浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ
た。回転蒸発によってトルエンを除去した。粗生成物の
2/3をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン溶離剤中
の20%エチルアセテート)によって精製した。残留す
るベンジルアルコールを真空蒸留によって除去して、検
知可能な匂いが無く、粘度が低く、透明で、無色の油状
物(49.9g、収率28%)を得た。
【0047】以下の実施例では、最大気泡法を用い、
0.1気泡/秒(b/s)〜20b/sの気泡速度で種
々の化合物の水溶液について動的表面張力のデータを得
た。このデータは、準平衡(0.1b/s)から極端に
大きな表面形成速度(20b/s)までにわたる条件で
の界面活性剤の性能に関する情報を与える。実際的にい
うと、大きな気泡速度はリトグラフィー印刷での大きな
印刷速度、塗料の施用での大きな噴霧速度またはローラ
ー速度、そして農産物に対する迅速な施用速度に相当す
る。
【0048】実施例11〜20 実施例1〜10の物質の蒸留水中の溶液をつくった。こ
れらの動的表面張力を上記したように25℃で評価し、
このデータを表1に示す量を決定するのに用いた。ρC
20値は水溶液の表面張力を52.1ダイン/cm、つまり
測定を0.1b/sで実施するときの純水の表面張力よ
り20ダイン/cm低い値まで減少するのに必要な界面活
性剤のモル濃度の対数に負号を付したものと定義され
る。この値は界面活性剤の効率の指標である。一般に、
ρC20値の1.0の増加は、所与の効果を認めるのに1
0倍少ない界面活性剤が必要なことを示す。加えて、界
面活性剤の相対的効率は異なる界面活性剤を同一の量含
有する溶液の表面張力の低下を比較することにより得る
ことができる。このようなデータは1.0気泡/秒(b
/s)および6.0b/sでジアルキルマレートの0.1
重量%溶液について与えられる。溶解限度は、表面張力
/濃度の自然対数値の曲線の直線部分と、多くの教科書
に記載されている限界表面張力との交点によって決定し
た。0.1、1、6、および20b/sでの限界表面張力
は、使用される界面活性剤の量とはかかわりなく所定の
界面活性剤について所定の表面形成速度で得ることので
きる水中での最低の表面張力を表し、界面活性剤の効果
を評価するのに用いる。これらの値は、準平衡条件
(0.1b/s)から極めて動的な条件(20b/s)
にわたって界面活性剤が表面欠陥を低減する相対的能力
についての情報を与える。表面張力がより小さいとエネ
ルギーのより小さい表面に処方物を施用する際の欠陥を
無くすことができる。
【0049】
【表1】
【0050】表1のデータは種々のジアルキルマレート
が水性組成物の表面張力を減少させる能力を有し、多く
の場合、表面が速い速度で形成される条件でさえ表面張
力を低く保つことができることを示している。実施例1
1〜20は、炭素原子が3〜6個あるアルキル基を含む
ジアルキルマレートは、25℃の水中での濃度5重量%
以下および0.1b/sで45ダイン/cmより小さい表
面張力値を示すことを明らかにしている。さらに、炭素
原子が3〜5個あるアルキル基を含むジアルキルマレー
トは、より動的な条件(6b/s)下また25℃の水中
での濃度5重量%以下で45ダイン/cmより小さい水溶
液の動的表面張力の減少を示す。これに比べて、C6お
よびより高級なジアルキルマレートはこれらの条件での
性能は劣った。さらに、炭素原子が4〜5個あるアルキ
ル基を含むジアルキルマレートは、6b/sおよび1重
量%より小さい界面活性剤濃度で、42ダイン/cmより
小さい水性組成物の動的表面張力の減少を実現すること
ができる。驚くべきことに、C4基を含むジアルキルマ
レートは、有効性と効率との最適な組み合わせを示し、
1重量%より小さい濃度において極めて速い表面形成速
度(20b/s)で40ダイン/cmより小さい表面張力
の減少を示す。C4ジアルキルマレートのうち、第1ア
ルコールからつくられるものが好ましく、末端分枝を有
するものが最も好ましい。
【0051】全般的に見て、C3〜C5アルキル基を含
むジアルキルマレートは、小さい表面形成速度(0.1
b/s)で38ダイン/cmより小さい限界動的表面張力
値および大きな表面形成速度(20b/s)で50ダイ
ン/cmより小さい限界動的表面張力値を示す。特に、ジ
ペンチル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレ
ートおよびジ(2−メチルブチル)−DL−マレートは
動的表面張力を減少するのに極めて効率的である。この
特徴は3.52、3.86および3.47のこれらの化合
物についてのそれぞれのpC20値によって明らかにな
る。加えて、ジペンチル−DL−マレート、ジイソアミ
ル−DL−マレートおよびジ(2−メチルブチル)−D
L−マレートの効率の高さは、比較的大きな表面形成速
度(6b/s)で42ダイン/cmより小さい表面張力を
維持できるこれらの界面活性剤の組成0.1重量%に関
する表面張力データによって明らかになる。対照的に、
ジイソプロピル−(S)−(−)−マレートは極めて有
効ではあるが極めて効率的ではない界面活性剤である。
ジイソプロピル−(S)−(−)−マレートは極めて速
い速度(20b/s)で表面張力を34ダイン/cmより
小さく保つことができるが、C4ジアルキルマレート
(実施例12〜14)の0.1〜0.5重量%組成物およ
びC5ジアルキルマレート(実施例15〜17)の0.
05〜0.1重量%溶液に関して得られる似た値まで表
面張力を低下するのに5重量%の界面活性剤が必要であ
る。対照的にC4ジアルキルマレートは十分な有効性
(つまり動的表面張力の減少)とともに妥当な効率(つ
まり使用水準)を与える。例えば、ジイソブチル−DL
−マレートは、測定された最大の表面形成速度(20b
/s)であってさえ、36ダイン/cmより小さい限界表
面張力を維持することができる。さらに、この値はあら
ゆる気泡速度について狭い表面張力範囲をカバーする。
従って、C4アルキル基は十分な表面活性(つまり効
率)を物質に与えるのに最適な炭素を有するが、表面張
力を減少させる物質の能力が特定の応用にとって不十分
である(つまり有効性)程度まで溶解度を減少させるの
に十分な炭素は有さない。
【0052】アルキル鎖中の炭素原子の数に加えて、ア
ルキル鎖の構造は本発明のリンゴ酸ジエステル界面活性
剤の特性に対して予測できない影響を有することが認め
られた。特に、アルキル鎖の末端にある分枝はジアルキ
ルマレート界面活性剤の効率および有効性をともに向上
させることが分かったが、酸素原子がアルキル基の内部
の位置に結合すると界面活性剤の性能にマイナスの影響
を与えることが分かった。例えば、ジイソブチル−DL
−マレート中に存在する末端分枝は、ジブチル−DL−
マレートと比べると、20b/sで3.3ダイン/cmの
限界表面張力の低下をもたらす。加えて、0.1重量%
のC4ジアルキルマレートを含有する水性組成物につい
て示された最大の表面張力は、第2アルコールからつく
られたジ−第2−ブチル−DL−マレートについて認め
られた。同一の数の炭素原子を含有するジアルキルマレ
ートの性能のこのような差異は技術上知られていること
からは予期されない。従って、本発明に適合するジアル
キルマレートに関しては、末端位置に結合した酸素原子
を含むアルキル基を有するものが特に応用可能であり、
末端分枝を含むものが好ましく、水性コーティング、イ
ンキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用
処方物を含む水をベースとする有機化合物中の水の表面
張力を減少させるのにイソブチル基が最も好ましい。し
かしながら、究極的には、ジアルキルマレートの選定は
応用の仕方に関係する。
【0053】実施例21〜30 ASTM D 1173-53を基礎とする手順を用いて、本発明のジ
アルキルマレート界面活性剤の0.1重量%溶液の発泡
特性を調べた。この試験では、界面活性剤の0.1重量
%溶液を、高い所にある泡沫ピペットから、同じ溶液の
入った泡沫受容器に滴加した。添加終了時に泡沫の高さ
(『初期泡沫高さ』)を測定し、空気−液体界面で泡沫
が消散するのに要する時間『泡沫ゼロまでの時間』を記
録した。この試験により、種々の界面活性剤溶液の発泡
特性の間の比較がなされる。一般に、泡沫は取り扱いを
複雑にし、塗装および印刷の欠陥を生じ、農業用物質の
施用を非効率にするので、コーティング、インキ、接着
剤、ファウテンソリューションおよび農業用処方物にお
いては、泡沫は好ましくない。
【0054】
【表2】
【0055】上記に説明したように、泡沫を抑制する能
力は、コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリ
ューション、農業用処方物、石鹸、洗剤、食品加工剤な
どを含む多くの応用に有利である。マレートジエステル
に対する結果を表2に示す。コーティング、インキ、接
着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物中
で慣用の界面活性剤を使用することの欠点は、これらの
系内に持続性のある泡沫がかなりの量形成されることで
ある。このような応用の場合、界面活性剤がほとんど発
泡せず、生成する泡沫が迅速に消散するのが望ましい。
表2のデータは本発明の化合物は極めて僅かしか発泡せ
ず、またははっきりとは発泡しないこと、生成する泡沫
が迅速に消散することを示す。さらに、これらの物質は
最初すべて、より少ない泡沫を生成し、多くが現在の技
術より迅速に壊れる泡沫を生成する。驚くべきことに、
線状アルキル基および第2アルコールからつくられるも
のは、同数の炭素原子および、末端分枝のあるアルキル
基を含むこれらの相対物より多くの初期泡沫を発生し、
より長く持続する泡沫を発生する。従って、末端分枝を
含むリンゴ酸ジエステル界面活性剤、特にジイソブチル
−DL−マレートおよびジイソアミルーDL−マレート
が低発泡性界面活性剤として好ましい。全般的に見て、
これらの物質は有機物を含有する水性組成物の表面張力
を低下させるそれらの能力に加えて、コーティング、イ
ンキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用
組成物にそれらを使用することに関して望ましい泡沫特
性を有する。
【0056】実施例31〜41 種々のジアルキルマレート(ジイソプロピル−(S)−
(−)−マレート、ジブチル−DL−マレート、ジイソ
ブチル−DL−マレート、ジ−第2−ブチル−DL−マ
レート、ジペンチル−DL−マレート、ジイソアミル−
DL−マレート、ジ(2−メチルブチル)−DL−マレ
ート、ジヘキシル−DL−マレート、ジ(4−メチル−
2−ペンチル)−DL−マレートおよびジベンジル−D
L−マレート)の究極的な生分解性を表3に示す。これ
らの化合物の生分解性の評価はCarbonaceous Biologica
l Demand試験を用いて5日目(CBOD5)および28
日目(CBOD28)に実施した。試験試料を秤量し、
目標の全有機炭素(TOC)を100mg/Lとするよう
にMilli-Q水中に溶解した。これらの溶液について、完
全な酸化の指標またはUltimate Biological Oxygen Dem
and(UBOD)として化学的酸素要求量(COD)を
測定した。調製されたこれらの試料を、本発明の化合物
に馴化されていないEastonのPA Wastewater Treatment
Plantからのバイオマス種子を使用して5日目および2
8日目のCBOD試験において、三重に重複した操作を
行った。再現性を確認するために各化合物についてそれ
ぞれの測定(5日目および28日目のCBOD)を3回
実施した。5日目および28日目のCBOD試験の結果
を、対応する各溶液に関するCODの結果によって除
し、生分解性百分率を算出するために100を乗じた。
バイオマスの健全性をチェックするために、容易に生分
解するグルコース/グルタミン酸溶液をポジティブコン
トロールとして試験した。これは、Standard Methodsに
示されているBOD試験にとって好ましいコントロール
であった。試験に関する検出限界(24mg/L未満また
は生分解率8%未満)に達しない極めて低い生分解率を
示す実施例を表3では分解率0%と記載した。
【0057】生分解性が極端である化合物の場合、馴化
されていないバイオマスを使用する時でさえ、CBOD
5測定において通常大きな生分解百分率が認められる。
他の化合物は分解する有機体が試験物質を食料源として
利用する酵素系を生じるのにより長い期間を必要とす
る。これらの化合物については、28日目により大きな
酸素必要量が認められた。28日後の生分解性が大きい
(つまり60%より大きい)化合物は容易に生分解され
ると考えられる。
【0058】これらの検討の結果により、ジブチル−D
L−マレート、ジイソブチル−DL−マレート、ジペン
チル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレー
ト、ジ(2−メチルブチル)−DL−マレート、ジヘキ
シル−DL−マレートおよびジベンジル−DL−マレー
トはすべて、馴化されていないバイオマスを使用するC
BOD5試験においてわずか5日後に顕著な生分解性を
発揮することを示す。驚くべきことに、末端位置に結合
する酸素原子を含むこれらのジアルキルマレートは、ア
ルキル基の内部の位置に結合する酸素原子を対応するマ
レートよりかなり大きい生分解百分率を示した。例え
ば、ジイソプロピル−(S)−(−)−マレート、ジ−
第2−ブチル−DL−マレートおよびジ(4−メチル−
2−ペンチル)−DL−マレートは5日後に0〜3%し
か分解しなかったが、ジイソブチル−DL−マレート、
ジイソアミル−DL−マレートおよびジ(2−メチルブ
チル)−DL−マレートはわずか5日後にかなりの程度
(つまり13〜39%)の生分解性を示した。
【0059】28日後、分枝の著しいジ(4−メチル−
2−ペンチル)マレートを除いてすべてのマレートは6
0%より多く分解した。ジ(4−メチル−2−ペンチ
ル)マレートについて測定した生分解率が低いため、こ
の化合物は生分解性のより大きな本発明のマレートほど
好ましくない。全般的に見て、アルキル鎖がより短いマ
レートは、28日後、鎖のより長いマレートより分解し
た。この効果はアルキル鎖の長さが大きくなるにつれ溶
解度が減少することによる。鎖のより長い(つまりC5
より大きい)マレートのうち、線状アルキル基を有する
マレートはより容易に分解した。これらのデータから、
ジ(4−メチル−2−ペンチル)マレートは別として、
すべてのマレート界面活性剤が容易に分解されると結論
することができる。加えて、すべてのマレートが28日
間でかなりの程度まで分解したので、これらの化合物は
自然の環境で持続したり、または生物に蓄積したりしな
いと期待される。さらに、本発明の物質のために用いら
れる試験は極めて厳格な生分解性スクリーニング試験で
あり、期間のより長い試験、つまり馴化されたバイオマ
スを使用し、保守が十分な廃水処理プラントの条件下で
の試験の場合、生分解の程度がより大きい可能性がある
ことが強調されるべきである。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】平衡条件および動的条件の双方の下で表面
張力を低下させる、水性系中の界面活性剤の能力は、水
をベースとするコーティング、インキ、接着剤、ファウ
テンソリューションおよび農業用組成物の性能において
重要性が大きい。低い平衡表面張力は、施用後に優れた
特性が生まれることを可能にする。低い動的表面張力は
動的施用条件の下での濡らしおよび広がりを増大させる
ことになり、その結果、処方物の使用がより効率的にな
り、欠陥が少なくなる。水性コーティング、インキ、接
着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物で
は、取り扱いを複雑にし、欠陥を生じるか、または施用
を非効率的にする結果を生むので、泡沫の形成は一般に
好ましくない。さらに、産業界には環境に優しい界面活
性剤の開発についてかなりの関心がある。この結果、こ
の新規な一群の界面活性剤は、上記した所望の性能特性
を有するだけでなく、天然にある化合物またはその合成
的な同等物から誘導もされ、生分解が容易なことのよう
な好ましい環境特性を有することが本発明にとって必須
である。さらに、良好な平衡表面張力特性および動的表
面張力特性を示すこの新規な一群の界面活性剤は、低発
泡性であり、取り扱いを容易にするために低粘度の液体
でもあり、色および匂いが少ないという特徴を有するの
が好ましい。
【0063】多くの応用でジアルキルマレートを検討し
てきたが、その役割は界面活性剤そのものに止まらない
ように思われる。特に、鎖が比較的短いジアルキルマレ
ートに由来する界面活性は先行技術からは自明でない。
実際、水性の媒体中の短鎖ジアルキルマレートには多く
の例がない。先行技術から特に明白でない特性は、ジア
ルキルマレートが、表面形成速度が大きい条件下で水性
混合物の表面張力を減少させるのに示す顕著な動的特性
であり、この性能が、C3〜C5アルキル基を含むリン
ゴ酸エステルの場合特に良好であり、またC4アルキル
基を含むリンゴ酸エステルで特に良好であることであ
る。さらに、アルキル基の末端分枝が界面活性剤の効率
および有効性をともに増大させ、第1アルコールからつ
くられるジアルキルマレートが第2アルコールからつく
られるものより性能が良いこと、そしてイソブチルアル
キル基がこのような特性の最適な組み合わせを生むこと
は先行技術から予期されない。
【0064】高速度の施用条件下で満足な性能を得るた
めには、動的条件下での表面張力の低下および低発泡を
ともに示す界面活性剤が必須である。これらのリンゴ酸
エステル界面活性剤は予想外に低発泡性である。加え
て、これらのジアルキルマレートの多くは容易に生分解
する。この特性は、動的表面張力を減少させる独特な能
力、低い発泡性そして、色が少なく、匂いが少なくまた
粘度が低いといった望ましい物理的特徴と組み合わされ
て、コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリュ
ーションおよび農業用組成物を含む種々の水性組成物に
特に好適である新規な一群の界面活性剤のクラスを与え
る。
【0065】
【産業上の応用に関する言及 】本発明は水性コーティ
ング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよ
び農業用組成物の平衡表面張力および動的表面張力を減
少させるのに好適な組成物を提供する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 7/06 7/06 7/12 7/12 11/00 11/00 C09J 4/00 C09J 4/00 11/06 11/06 201/00 201/00 C11D 1/68 C11D 1/68 (72)発明者 ケヴィン・ロドニー・ラーシーラ アメリカ合衆国ペンシルベニア州18062. マキュンジー.ペリウィンクルドライブ 7320 (72)発明者 カロライン・サッサーノ・スローン アメリカ合衆国ペンシルベニア州18951. クエーカータウン.スリーピーホロウロー ド1605

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機化合物または有機化合物と、組成物
    の動的表面張力を減少させるのに有効な量の界面活性剤
    とを含有する水をベースとする組成物のコーティング
    を、表面を部分的または全体的にコートするようにこの
    表面に施す方法において、構造式 【化1】 (式中、R1およびR2はC3〜C6アルキル基である)を
    有するマレートジエステルを界面活性剤として使用する
    ことを改良点とする上記方法。
  2. 【請求項2】 水をベースとする組成物が、水性の有機
    コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューシ
    ョンおよび農業用組成物からなる群から選択され、マレ
    ートジエステルが水をベースとする組成物の0.001
    〜20重量%存在する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 最大気泡圧力法によるとき、25℃の水
    中の濃度5重量%またはそれ以下および6気泡/秒で、
    マレートジエステルの水溶液が45ダイン/cmより小さ
    い動的表面張力を示す請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 R1およびR2が同一である請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 R1およびR2がC4アルキル基である請
    求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 R1およびR2がC5アルキル基である請
    求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 アルキル基が末端に分枝を有する請求項
    4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 アルキル基がイソブチルである請求項4
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 アルキル基がn−ブチルである請求項4
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 エステルが第1アルコールから誘導さ
    れる請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】 測定が20気泡/秒で実施される請求
    項3に記載の方法。
  12. 【請求項12】 鉱石または顔料である無機化合物また
    は顔料である有機化合物、重合可能なモノマー、オリゴ
    マー樹脂、ポリマー樹脂、洗剤、除草剤、殺虫剤、殺菌
    剤、または植物生長調整剤と、組成物の動的表面張力を
    減少させるのに有効な、構造式 【化2】 (式中、R1およびR2はC3〜C6アルキル基である)を
    有するマレートジエステルとを水中に含有する水性組成
    物。
  13. 【請求項13】 最大気泡圧力法によるとき、25℃の
    水中の濃度5重量%またはそれ以下および6気泡/秒
    で、マレートジエステルの水溶液が45ダイン/cmより
    小さい動的表面張力を示し、マレートジエステルが水性
    組成物の0.01〜10重量%存在する請求項12に記
    載の水性組成物。
  14. 【請求項14】 R1およびR2がC4アルキル基である
    請求項12に記載の水性組成物。
  15. 【請求項15】 R1およびR2がC5アルキル基である
    請求項12に記載の水性組成物。
  16. 【請求項16】 アルキル基が末端に分枝を有する請求
    項12に記載の水性組成物。
  17. 【請求項17】 エステルが第1アルコールから誘導さ
    れる請求項16に記載の水性組成物。
  18. 【請求項18】 アルキル基がイソブチルである請求項
    12に記載の水性組成物。
  19. 【請求項19】 アルキル基がn−ブチルである請求項
    12に記載の水性組成物。
  20. 【請求項20】 測定が20気泡/秒で実施される請求
    項13に記載の水性組成物組成物。
  21. 【請求項21】 0〜50重量%の顔料分散剤、粉砕樹
    脂またはこれらの混合物、 0〜80重量%の着色顔料、エクステンダー顔料、防食
    顔料、他の種類の顔料またはこれらの混合物、 5〜99.9重量%の水性、水分散性または水溶性の樹
    脂またはこれらの混合物、 0〜30重量%の滑動添加剤、殺微生物剤、処理助剤、
    消泡剤またはこれらの混合物、 0〜50重量%の合着性溶媒または他の溶媒、 0.01〜10重量%の界面活性剤、湿潤剤、流動なら
    びに平坦化剤またはこれらの混合物、および0.01〜
    20重量%のマレートジエステルからなる成分を含むコ
    ーティング組成物を水性媒体中に30〜80重量%含有
    する水性の有機コーティング組成物である請求項12に
    記載の組成物。
  22. 【請求項22】 1〜50重量%の顔料、 0〜50重量%の顔料分散剤、粉砕樹脂またはこれらの
    混合物、 0〜50重量%の樹脂溶液ビヒクル中の粘土塩基、 5〜99重量%の水性、水分散性または水溶性の樹脂ま
    たはこれらの混合物、 0〜30重量%の合着性溶媒または他の溶媒 0.01〜10重量%の処理助剤、消泡剤、可溶化剤ま
    たはこれらの混合物、 0.01〜10重量%の界面活性剤、湿潤剤またはこれ
    らの混合物、および 0.01〜20重量%のマレートジエステルからなる成
    分を含むインキ組成物を水性媒体中に20〜60重量%
    含有する水性のインキ組成物である請求項12に記載の
    組成物。
  23. 【請求項23】 0.1〜50重量%の除草剤、殺虫
    剤、植物成長調整剤またはこれらの混合物、 0.01〜10重量%の界面活性剤、 0〜5重量%の染料、 0〜20重量%の増粘剤、安定剤、共界面活性剤、ゲル
    抑制剤、消泡剤またはこれらの混合物 0〜25重量%の凍結防止剤、および 0.01〜50重量%のマレートジエステルからなる成
    分を含む農業用組成物を水性媒体中に0.01〜80重
    量%含有する水性の農業用組成物である請求項12に記
    載の組成物。
  24. 【請求項24】 0.05〜10重量%のフィルム形成
    性で水溶性の巨大分子、 1〜25重量%の水溶性であるか水溶性化されうる炭素
    原子が2〜12個のアルコール、グリコールまたはポリ
    オール、 0.01〜20重量%の水溶性有機酸、無機酸またはこ
    れらの塩、 30〜70重量%の水、および 0.01〜5重量%のマレートジエステルからなる成分
    を含む水性ファウテンソリュ−ション組成物である請求
    項12に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 50〜99重量%のポリマー性樹脂、 0〜50重量%の粘着化剤、 0〜0.5重量%の消泡剤、および 0.5〜2重量%のマレートジエステルからなる成分を
    含む接着剤組成物を水性媒体中に30〜65重量%含有
    する水性の接着剤組成物である請求項12に記載の組成
    物。
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