JP2001220284A - 酸化物単結晶製造装置 - Google Patents

酸化物単結晶製造装置

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JP2001220284A
JP2001220284A JP2000033547A JP2000033547A JP2001220284A JP 2001220284 A JP2001220284 A JP 2001220284A JP 2000033547 A JP2000033547 A JP 2000033547A JP 2000033547 A JP2000033547 A JP 2000033547A JP 2001220284 A JP2001220284 A JP 2001220284A
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Masato Kumatoriya
誠人 熊取谷
Hideto Sato
秀人 佐藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 育成中の酸化物単結晶の温度変化をより直接
的に検出して精度を向上させるとともに、正確な温度情
報をコンピュータにフィードバックして、単結晶育成パ
ラメータの修正を適宜、適正かつ迅速に行うことができ
る、酸化物単結晶製造装置を提供する。 【解決手段】 酸化物単結晶製造装置21は、単結晶原
料を加熱溶融して融液28とする坩堝23と、種結晶ホ
ルダー26で保持した種結晶27を前記融液28に接触
させて単結晶を引き上げる引き上げ機構とを備え、前記
種結晶ホルダー26と異なる材質の金属線を少なくとも
1本有し、前記金属線の一端側を前記種結晶ホルダー2
6に接続して熱電対を構成し、この熱電対からの熱起電
力に基づいて単結晶育成パラメータを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(以下、CZ法という。)による酸化物単結晶の製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の酸化物単結晶製造装置を
示す断面図である。
【0003】酸化物単結晶製造装置1は、主として、育
成炉体2と、育成炉体2内の下部に設けられた坩堝3
と、坩堝3の周囲に設けられた加熱コイル4と、坩堝3
の鉛直上方に配置された単結晶引き上げ回転軸5とから
構成されている。坩堝3の周囲には保温材10が設けら
れ、坩堝3と保温材10の間には耐火材20が充填され
ている。また、単結晶引き上げ回転軸5の下端には種結
晶ホルダー6が設けられ、種結晶7を保持している。
【0004】坩堝3の底外部には熱電対14が坩堝3に
接触するように配置され、また、育成炉2の外部には記
録計15が配置されて熱電対14と接続されている。
【0005】単結晶引き上げ回転軸5の上端にはロード
セル9が設けられ、また、育成炉体2の外部には、コン
ピュータ11と高周波発振器13が配設されている。ロ
ードセル9とコンピュータ11、コンピュータ11と高
周波発振器13、高周波発振器13と加熱コイル4は互
いに接続されている。
【0006】CZ法による酸化物単結晶の製造は、上記
のような酸化物単結晶製造装置1を用いて次のようにし
て行われる。
【0007】坩堝3の周囲に配設された加熱コイル4の
高周波誘導加熱により、坩堝3内に充填した原料(図示
せず)を加熱溶融する。
【0008】次に、単結晶引き上げ回転軸5を回転させ
ながら下降させて、種結晶7を坩堝3内の融液8に接触
させる。
【0009】種結晶7と融液8とが充分なじんだところ
で、単結晶引き上げ回転軸5を回転させながら種結晶7
を定速度で引き上げる。このとき、表面張力によって引
っ張られた融液8は、放熱を伴って種結晶7の結晶方位
に単結晶化していく。
【0010】ロードセル9は、融液8が結晶固化した重
量を検出する。そして、ロードセル9の出力がコンピュ
ータ11に取り込まれ、融液8の結晶固化重量が所定の
値となるように、高周波発振器13の出力が調整されて
加熱コイル4に送られる。
【0011】育成中の単結晶の温度変化は、坩堝3の底
外部に熱電対14を配置して坩堝3に接触させ、これを
記録計15に接続することにより検出される。すなわ
ち、坩堝3の底部の温度変化を坩堝3内の融液8の温度
変化として捉え、さらには、これを育成中の単結晶(図
示せず)の温度変化として推定する。そして、この温度
変化情報にもとづき、人為的にコンピュータ11を調整
し、単結晶育成パラメータの修正を行う。
【0012】このようにして、融液8の結晶固化重量や
育成中の単結晶の温度変化がコンピュータ11にフィー
ドバックされ、所定の直径を有する単結晶が育成されて
行く。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、坩堝内
の融液には低温部と高温部が存在するので、融液中には
熱対流が発生している。このような状況下で、育成中の
単結晶の温度変化そのものを、上記のような温度測定方
法で間接的に推定しようとするので、育成単結晶の実際
の温度変化に対する検知精度が悪く、単結晶自体の温度
変化を正確に捉えることができなかった。
【0014】そのため、育成中の単結晶と融液との界面
形状の変化や、融液対流の変化による単結晶の品質の悪
化に対応して、単結晶育成パラメータである、結晶の引
き上げ速度、結晶回転数、坩堝に対する加熱温度を適
宜、適正かつ迅速に修正することができず、単結晶製造
における歩留まりが低下していた。
【0015】そこで、本発明の目的は、育成中の酸化物
単結晶の温度変化をより直接的に検出して精度を向上さ
せるとともに、正確な温度情報をコンピュータにフィー
ドバックして、単結晶育成パラメータである、引き上げ
速度、結晶回転数、加熱温度の修正を適宜、適正かつ迅
速に行うことができる、酸化物単結晶製造装置を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記のように、従来の酸
化物単結晶製造装置における育成単結晶の温度変化の捉
え方は、間接的で精度の低い測定方法が一般的であっ
た。本発明は、このような測定方法の欠点を取り除き、
より直接的に精度よく育成単結晶の温度変化を捉えるこ
とができるようにしたものである。
【0017】本発明の酸化物単結晶製造装置は、単結晶
原料を加熱溶融して融液とする坩堝と、種結晶ホルダー
で保持した種結晶を前記融液に接触させて単結晶を引き
上げる引き上げ機構とを備えた酸化物単結晶製造装置で
あって、前記種結晶ホルダーと異なる材質の金属線を少
なくとも1本有し、前記金属線の一端側を前記種結晶ホ
ルダーに接続して熱電対を構成し、この熱電対からの熱
起電力にもとづいて、結晶引き上げ速度、結晶回転数、
加熱温度のうち少なくとも一つを制御することを特徴と
する。
【0018】これにより、種結晶ホルダーとそこに接続
された異種材料の金属線とが熱電対となり、育成中の単
結晶の温度変化に伴って熱起電力が発生する。そして、
この熱起電力を測定することにより、育成中の単結晶の
温度変化を種結晶を通して、より直接的に精度よく捉え
ることができる。こうして捉えた精度の高い単結晶の温
度情報にもとづいて、単結晶育成パラメータである、結
晶引き上げ速度、結晶回転数、加熱温度のうち少なくと
も一つの制御を行えば、適宜、適正な修正が迅速に行え
るようになるので、品質のよい単結晶を歩留まりよく製
造することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では、CZ法により酸化物
単結晶を製造する際に、種結晶を保持する金属製の種結
晶ホルダーに、この種結晶ホルダーと異なる材質の金属
線を少なくとも1本接続して熱電対を構成する。
【0020】そして、上記熱電対の他端側を育成炉体外
部にある記録計やコンピュータに接続し、単結晶育成中
に熱電対に発生する熱起電力を計測する。この熱起電力
の変化は、種結晶自身の温度変化に相当するので、種結
晶を通して育成中の単結晶の熱的な変化を、より直接的
にかつ正確に読み取ることができる。
【0021】すなわち、種結晶が融液に接触することに
よる温度変化、育成中の結晶界面形状が変動することに
よる温度変化、融液対流が変動することによる温度変
化、単結晶を融液から切り離すことによる温度変化等
を、種結晶ホルダーにおける熱起電力の変化により検知
して測定することができる。
【0022】以下、本発明の実施の形態を実施例にもと
づき具体的に説明する。
【0023】(実施例1)図1は本発明の一実施例に係
る酸化物単結晶製造装置を示す断面図である。
【0024】酸化物単結晶製造装置21は主として、育
成炉体22と、育成炉体22内の下部に設けられたIr
(イリジウム)製の坩堝23と、坩堝23の周囲に設け
られた加熱コイル24と、坩堝23の鉛直上方に配置さ
れた単結晶引き上げ回転軸25とから構成されている。
なお、育成炉体22内において、坩堝23は周囲を保温
材30で囲まれており、さらに坩堝23と保温材30の
間にはジルコニア製などの耐火材40が充填されてい
る。
【0025】単結晶引き上げ回転軸25の上端は、育成
炉体22の上部外側に設けられた引き上げ回転駆動モー
タ(図示せず)とつながり、単結晶引き上げ回転軸25
の下端には種結晶ホルダー26が設けられている。
【0026】坩堝23の底外部には熱電対34が坩堝2
3に接触するように配置されている。また、育成炉22
の外部には記録計35が配置され。熱電対34と接続さ
れている。
【0027】種結晶ホルダー26はPt−Rh30%合
金からなり、その表面にはこれと同材質のPt−Rh3
0%合金線36とPt−Rh6%合金線37の2本の金
属線の各一端側を溶着してある。
【0028】単結晶引き上げ回転軸25の上端部にはス
リップリング38が取り付けてあり、これに金属線3
6,37の各他端側が接続されている。これにより、単
結晶育成時に金属線36,37が単結晶引き上げ回転軸
25に巻き付くことが防止される。
【0029】スリップリング38からは、上記2本の金
属線とつながる2本の導線39が引き出され、記録計3
5に接続されている。
【0030】単結晶引き上げ回転軸25の上端にはロー
ドセル29が設けられている。育成炉体22の外部に
は、コンピュータ31と高周波発振器33が配設されて
いる。そして、ロードセル29とコンピュータ31、コ
ンピュータ31と高周波発振器33、高周波発振器33
と加熱コイル24は互いに接続されている。また、コン
ピュータ31は、単結晶引き上げ回転軸25を駆動する
引き上げ回転駆動モータ(図示せず)ともつながってい
る。
【0031】ロードセル29は、単結晶育成中に坩堝2
3内の融液28が固化する結晶重量を検出し、これをコ
ンピュータ31に出力する。コンピュータ31には、検
出された単位時間当たりの結晶固化重量が一定になるよ
うに、高周波発振器33の高周波出力を調整する結晶重
量(結晶直径)制御プログラムが組み込まれている。こ
れにより、ロードセル29が検出した結晶固化重量にも
とづいて、高周波発振器33の出力が調整され、加熱コ
イル24にフィードバックされる。
【0032】また、種結晶ホルダー26に溶着した金属
線36,37に発生する熱起電力と、坩堝23の底外部
の熱電対34の熱起電力とは、それぞれ記録計35で測
定される。前者は育成中の単結晶(図示せず)の温度変
化、後者は融液28の温度変化として捉えられる。これ
らの温度情報をもとに、単結晶育成中に人為的にコンピ
ュータ31が調整され、単結晶育成に必要なパラメータ
である、結晶引き上げ速度、結晶回転数、加熱温度のう
ち少なくとも一つの修正が行われる。
【0033】以上のような酸化物単結晶製造装置21を
用いて、酸化物単結晶の育成を行った。
【0034】始めに、融液用の原料として、La23
3266.4g、Ga23を3132.0g、SiO2
を401.6g、それぞれ秤量して回転乾式混合した
後、この混合原料を1350℃で8時間、空気中にて仮
焼した。
【0035】得られた仮焼済み原料(図示せず)を、I
r(イリジウム)製の坩堝23(寸法:直径130m
m,高さ130mm)に充填した。
【0036】また、種結晶ホルダー26には、La3
5SiO14で表わされる<001>方位に軸出された種
結晶27を装着した。
【0037】次に、加熱コイル24の高周波誘導加熱に
より、坩堝23内の仮焼済み原料を加熱溶融した。そし
て、坩堝23の底外部に接触させた熱電対34に接続し
た記録計35により、坩堝23の底部の温度が一定にな
り、安定したことを確認した。
【0038】そして、単結晶引き上げ回転軸25を10
回転/分で回転させながら、先端の種結晶ホルダー26
で保持した種結晶27を融液28に対し、10mm/分
の速度で降下させ、融液28に接触させた。
【0039】この種結晶27と融液28との接触で、種
結晶ホルダー26に溶着された2本の金属線36,37
の間に熱起電力が発生し、これが種結晶27の温度変化
として記録計35で測定された。その後、種結晶27と
融液28がなじんで、種結晶27の温度変化がなくなっ
たことが記録計35で確認された。その時点で、単結晶
引き上げ回転軸25の回転数を10回転/分に保ちなが
ら、引き上げ速度1.5mm/時間で種結晶27の引き
上げを開始した。
【0040】次に、高周波発振器33の出力を調整しな
がら、育成結晶径を徐々に広げた。そして、結晶径が目
標の80mmに達した時点から、結晶回転数を10回転
/分から12回転/分まで徐々に増加させた。
【0041】これにより、融液28に新たな熱対流か喚
起され、融液28内に温度変化が生じて育成単結晶に伝
わり、種結晶ホルダー26に接続された2本の金属線3
6,37の間の熱起電力が急激に変化し、同時に記録計
35で単結晶の温度が約10℃上昇したことが測定され
た。この時点で、結晶回転数を12回転/分で固定し
た。
【0042】しばらくすると、先に上昇した温度が変化
前の温度に低下するとともに再び熱起電力の変化が起こ
った。これにより、結晶成長界面の熱的な均一性が高ま
り、結晶界面形状が平坦になったことが確認された。
【0043】なお、単結晶の育成環境に変化が生じて、
種結晶ホルダー26を通して測定される単結晶の温度に
変化が現われた場合は、コンピュータ31により、結晶
回転数または高周波発振器33の出力を測定温度の変化
が最小となるように調整して、単結晶育成を継続すれば
よい。
【0044】このように、種結晶ホルダー26を通して
得られる単結晶の温度変化を注意深く監視しながら、±
1.5℃の温度変化の範囲内になるように、結晶回転数
に対して0.1回転/分の回転数の調整をしながら、4
2時間、単結晶を育成し、定径部の長さが200mmの
単結晶(図示せず)を育成した。そして、最後に単結晶
を融液28から切り離した。
【0045】以上のようにして得られた単結晶につい
て、<001>面方位厚みが300μmのウェハーを作製
し、ベルク−バレット(Berg−Barret)法に
よるX線トポグラフ撮影を行った。
【0046】その結果、分解能の範囲内において、双晶
や転位等は観察されず、超音波顕微鏡による漏洩弾性表
面波の音速測定においても、従来が平均音速±2〜4m
/秒であったのに対し、±1.5m/秒の面内均一性の
高い単結晶が育成できたことがわかった。
【0047】(実施例2)図2は本発明の他の実施例に
係る酸化物単結晶製造装置を示す断面図である。
【0048】酸化物単結晶製造装置41は、実施例1と
同様に、育成炉体42、Ir(イリジウム)製の坩堝4
3、加熱コイル44、単結晶引き上げ回転軸45とから
構成されている。また、坩堝43の周囲には保温材5
0、耐火材60を備えている。
【0049】単結晶引き上げ回転軸45の上端は、実施
例1と同様に、引き上げ回転駆動モータ(図示せず)と
つながり、下端には種結晶ホルダー46が設けられてい
る。
【0050】坩堝43の底外部には、実施例1と同様
に、熱電対54が配置されている。また、育成炉42の
外部には記録計55が配置され。熱電対54と接続され
ている。
【0051】種結晶ホルダー46とその表面に溶着され
る2本の金属線56,57には、それぞれ実施例1と同
じ材質のものが用いられている。
【0052】単結晶引き上げ回転軸45の上端部にはス
リップリング58が取り付けてあり、これに金属線5
6,57の各他端側が接続されている。
【0053】単結晶引き上げ回転軸45の上端にはロー
ドセル49が設けられ、また、育成炉体42の外部に
は、コンピュータ51と高周波発振器53がそれぞれ配
設されている。
【0054】スリップリング58からは、単結晶ホルダ
ー46から配線された2本の金属線56,57とつなが
る2本の導線59が引き出され、コンピュータ51に接
続されている。ロードセル49とコンピュータ51、コ
ンピュータ51と高周波発振器53、高周波発振器53
と加熱コイル44は互いに接続されている。また、コン
ピュータ51は、単結晶引き上げ回転軸45を駆動する
引き上げ回転駆動モータ(図示せず)ともつながってい
る。
【0055】ロードセル49は、融液48が固化する結
晶重量を検出し、これをコンピュータ51に出力する。
コンピュータ51には、高周波発振器53の高周波出力
を調整する結晶重量(結晶直径)制御プログラムが組み
込まれている。そして、種結晶ホルダー46から検知し
た育成単結晶の温度変化と、ロードセル49が検出した
結晶固化重量にもとづいて、高周波発振器53の出力が
調整され、加熱コイル44にフィードバックされる。
【0056】また、引き上げ回転駆動モータ(図示せ
ず)は、単結晶引き上げ回転軸45をコンピュータ51
からの制御信号により、0〜10mm/時間または0〜
100mm/分の速度で上下運動、及び0〜60回転/
分の範囲で回転駆動が独立して行えるようになってい
る。
【0057】なお、融液48の温度変化は、坩堝43の
底外部の熱電対54に発生する熱起電力を記録計55で
測定することで捉えられる。
【0058】以上のような単結晶製造装置を用いて、酸
化物単結晶の育成を行った。
【0059】始めに、融液用の原料として、実施例1と
同じ種類の原料を同様に秤量し、回転乾式混合した後、
その混合原料を実施例1と同じ方法で仮焼した。
【0060】得られた仮焼済み原料(図示せず)を、実
施例1と同じ材質、同じ寸法の坩堝43に充填した。
【0061】また、種結晶ホルダー46には、実施例1
と同じ組成で、同じ方位に軸出された種結晶47を装着
し、坩堝43上端から50mm鉛直上方の位置に保持し
た。
【0062】次に、加熱コイル44の高周波誘導加熱に
より、坩堝43内の仮焼済み原料を加熱溶融した。そし
て、坩堝43の底外部に接触させた熱電対54に接続し
た記録計55により、坩堝43の底部の温度が一定にな
り、安定したことを確認した。
【0063】次に、コンピュータ51内にあらかじめ設
けた、単結晶引き上げ回転軸45の引き上げ回転駆動モ
ータ(図示せず)を制御できる高周波出力制御プログラ
ムを動作させた。制御信号により、単結晶引き上げ回転
軸45を10回転/分で回転させながら、種結晶47を
融液48に対し、10mm/分の速度で降下させ、融液
48に接触させた。
【0064】この種結晶47と融液48との接触で、種
結晶ホルダー46に溶着された2本の金属線56,57
の間に熱起電力が発生し、種結晶47が融液48に接触
したときから種結晶ホルダー46の温度が3℃上昇した
ことがコンピュータ51で検知された。この温度上昇
は、あらかじめ、結晶自動育成プログラムに設定してお
いた閾値以上の値であり、この時点で、コンピュータ5
1からの制御信号により、単結晶引き上げ回転軸45の
降下が自動的に停止し、回転数を10回転/分に保った
まま所定の時間、その状態を保持した。
【0065】種結晶47と融液48がなじんで、種結晶
ホルダー46の測定温度の上昇が1℃以内となった時点
で、コンピュータ51からの制御信号により、単結晶引
き上げ回転軸45を引き上げ速度1.5mm/時間で上
昇させた。それとともに、コンピュータ51内では、ロ
ードセル49の出力信号から結晶重量を検知し、あらか
じめ設定した結晶形状となるような、高周波発振器53
の出力を設定する演算を実行させた。
【0066】上記の高周波発振器53の出力制御を継続
しながら、次に、結晶径が目標となる80mmに達した
時点で、コンピュータ51からの制御信号により、単結
晶引き上げ回転軸45の回転数を10回転/分から12
回転/分まで徐々に増加させた。
【0067】その結果、融液48に新たな熱対流が喚起
され、回転数が11.8回転/分に達した時点で融液4
8内に急激な温度変化が生じて育成結晶に伝わり、種結
晶ホルダー46に接続された2本の金属線56,57の
間の熱起電力が変化し、約10℃上昇したことがコンピ
ュータ51で検知された。この温度上昇は、あらかじ
め、結晶自動育成プログラムに設定しておいた、単位時
間当たりの温度上昇分の閾値以上の値であり、この時点
で、コンピュータ51からの制御信号により、単結晶引
き上げ回転軸45の回転が自動的に停止した。
【0068】その後も、ロードセル49の出力信号と種
結晶ホルダー46に接続された2本の金属線56,57
間の熱起電力の変化に対応して、高周波発振器53の出
力制御と単結晶引き上げ回転軸45の回転数調整を継続
した。
【0069】これより以降、引き続き、コンピュータ5
1に組み込まれた単結晶育成制御プログラムにより、単
結晶製造装置41を作動させながら、ほぼ無人状態で4
2時間、単結晶育成を継続し、実施例1と同様の過程を
処理しながら、定径部の長さが200mmの単結晶(図
示せず)を育成した。そして、最後に単結晶を融液48
から切り離した。
【0070】得られた単結晶について、実施例1と同様
に<001>面方位厚みが300μmのウェハーを切り出
し、ベルク−バレット(Berg−barret)法に
よるX線トポグラフ撮影を行った。その結果、分解能の
範囲内において、双晶や転位等は観察されず、超音波顕
微鏡による漏洩弾性表面波の音速測定においても、従来
が平均音速±2〜4m/秒であったのに対し、±1.0
m/秒の面内均一性の高い単結晶が育成されたことがわ
かった。
【0071】なお、上記実施例1,2では、種結晶ホル
ダーに接続する2本の金属線のうち、1本は種結晶ホル
ダーと同材質のものを用い、他の1本は種結晶ホルダー
と異なる材質のものを用いた。しかしながら、これらの
金属線には、2本とも種結晶ホルダーと異なる材質のも
のを用いてもよい。そして、それら金属線同士は互いに
同じ材質であっても、互いに異なる材質であってもよ
く、そのような金属線を用いても熱電対が構成されて熱
起電力が発生するので、本実施例と同様の効果が得られ
る。
【0072】また、上記二つの実施例では、熱電対を構
成するために、種結晶ホルダーに2本の金属線を接続し
たが、必ずしも2本必要とするものではない。すなわ
ち、種結晶ホルダーに対し、これと異なる材質の金属線
を1本接続することによっても、金属線と種結晶ホルダ
ーの間に熱電対が構成されるので、本実施例と同様の効
果が得られる。
【0073】また、上記二つの実施例では、坩堝内で加
熱溶融する融液の温度変化を検知するために、いずれも
従来と同様に、坩堝の底外部に熱電対を配置したが、融
液の温度変化を検知、測定できる他の手段があれば、上
記のような熱電対の使用に代えることができる。
【0074】また、本実施例では、育成単結晶材料の一
例としてランガサイト(La3Ga5SiO14)を用いた
が、CZ法による単結晶の育成であれば、他の単結晶材
料、例えば、LT(リチウムタンタル)系やLN(リチ
ウムニオブ)系の材料等を用いた単結晶育成でも、本実
施例と同様の効果を得ることができる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
育成単結晶の温度変化を、より直接的に精度よく捉える
ことができるようになるので、これをもとに単結晶を育
成するための各種パラメータを適宜、適切かつ迅速に修
正しながら単結晶を育成することが可能になる。
【0076】したがって、高品質の酸化物単結晶を歩留
まりよく製造することができ、また、単結晶育成を自動
化することにより、効率的で安定した単結晶の製造を可
能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る酸化物単結晶製造装置
の全体構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係る酸化物単結晶製造装
置の全体構成を模式的に示す断面図である。
【図3】従来の酸化物単結晶製造装置の全体構成を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,21,41 単結晶製造装置 3,23,43 坩堝 5,25,45 単結晶引き上げ回転軸 6,26,46 種結晶ホルダー 7,27,47 種結晶 8,28,48 融液 14,34,54 熱電対

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶原料を加熱溶融して融液とする坩
    堝と、 種結晶ホルダーで保持した種結晶を前記融液に接触させ
    て単結晶を引き上げる引き上げ機構とを備えた酸化物単
    結晶製造装置であって、 前記種結晶ホルダーと異なる材質の金属線を少なくとも
    1本有し、前記金属線の一端側を前記種結晶ホルダーに
    接続して熱電対を構成し、この熱電対からの熱起電力に
    もとづいて、結晶引き上げ速度、結晶回転数、加熱温度
    のうち少なくとも一つを制御することを特徴とする、酸
    化物単結晶製造装置。
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