JP2001219266A - 溶融金属排出装置のガス吹込部材 - Google Patents

溶融金属排出装置のガス吹込部材

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JP2001219266A
JP2001219266A JP2000033318A JP2000033318A JP2001219266A JP 2001219266 A JP2001219266 A JP 2001219266A JP 2000033318 A JP2000033318 A JP 2000033318A JP 2000033318 A JP2000033318 A JP 2000033318A JP 2001219266 A JP2001219266 A JP 2001219266A
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molten metal
cermet
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gas blowing
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Kazuhide Kawai
和秀 河合
Hideo Uemoto
英雄 上本
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス吹込に対する信頼性が向上したスライド
ゲート・プレート、鋳造用ノズル等の溶融金属排出装置
のガス吹込部材を提供する。 【解決手段】 溶融金属が流れる通過孔内に不活性ガス
を吹込む溶融金属排出装置のガス吹込部材1において、
前記ガス吹込部材1は、不活性ガスが外側側面から内側
側面へ流通可能に形成された管状のガス透過体部2と、
前記ガス透過体部の少なくとも外側側面を覆うように設
けられた保持部6とを備え、かつ、前記保持部6がサー
メット材によって構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造に用いら
れるスライドゲート・プレート、鋳造用ノズル等の溶融
金属排出装置の溶融金属が流れる通過孔内に設けられる
溶融金属排出装置のガス吹込部材に関する。
【0002】
【従来の技術】銑鉄、鋼等の金属の連続鋳造において、
溶融金属を収容した容器から溶融金属出湯する際の流量
を制御する手段として、耐火物からなるスライドゲート
・プレートが広く用いられている。また、タンディシュ
等の溶融金属収容器からモ−ルド内に出湯する際、溶融
金属の飛散防止、あるいは無酸化鋳造を行う手段とし
て、耐火物からなる浸漬ノズル、ロングノズル等の鋳造
用ノズルが広く用いられている。
【0003】これらスライドゲート・プレートや鋳造用
ノズル等の溶融金属排出装置には、溶融金属収容器から
流出した溶融金属が通過する通過孔が設けられている。
このように溶融金属が通過孔を通過するため、溶融金属
の凝固によって、あるいはスラグ等の金属酸化物の付着
によって通過孔が閉塞することがある。また、溶融金属
の凝固、あるいはスラグ等の金属酸化物の付着によっ
て、前記通過孔の溶融金属の流れに偏りが生ずる。これ
ら弊害を防ぐため、溶融金属排出装置の通過孔にアルゴ
ン等の不活性ガスを吹き込むガス吹込部材が設けられて
いる。
【0004】このガス吹込部材について、溶鋼用のスラ
イドゲート・プレートに用いられているガス吹込部材を
例にとって、図5に示すと共に詳細に説明する。なお、
図5は、スライドゲート・プレートの一部である上固定
プレートの溶融金属通過孔の近傍を図示したものであ
る。前記スライドゲート・プレート50には、溶融金属
が通過する通過孔51を有する円筒状のガス吹込部材5
2が設けられている。このガス吹込部材52は、ガス透
過性の耐火物で構成されている。そして、ガス吹込部材
52はスライドゲート・プレート本体の孔に内挿され、
モルタル55等で接着することによって装着される。
【0005】このガス吹込部材52は、ガスが通過する
多数の小孔を設けた耐火物または多孔質の耐火物で作ら
れている。具体的にはアルミナ、スピネル、マグネシ
ア、ジルコニア、シリカ、カーボン等、スライドゲート
・プレート本体を構成する材質と同一または類似の材質
で構成されている。
【0006】また、ガス吹込部材52とスライドゲート
・プレート本体の間には、ガス導入管53を経て、外部
から導入した不活性ガスを貯留して均等な圧力になす均
圧帯(空隙)54が形成されている。前記ガス導入管5
3から導入された不活性ガスは、均等な圧力状態でガス
吹込部材52を透過し、溶融金属の流れの中に吹込まれ
る。
【0007】また、浸漬ノズル、ロングノズル等の鋳造
用ノズルに用いられているガス吹込部材について、図6
に示すと共に、それに基づいて説明する。図6に示すよ
うに、鋳造用ノズル60は、溶融金属の通過孔61の内
側にガス吹込部材62が設けられ、ガス導入管63から
導入された不活性ガスは、ガス吹込部材62を透過し、
溶融金属流中に不活性ガスが吹き込まれるように構成さ
れている。なお、ガス吹込部材62に用いられる材質
も、前記したガス吹込部材52と同様に、アルミナ、ス
ピネル、マグネシア、ジルコニア、シリカ、カーボン
等、鋳造用ノズル60の本体を構成する材質と同一また
は類似の材質で構成されている。
【0008】このように、溶融金属流に対して、ガス吹
込部材52、62の通過孔から不活性ガスが吹込まれる
ため、溶融金属の凝固による、あるいはスラグ等の金属
酸化物の付着による通過孔の閉塞が防止される。また、
溶融金属の凝固による、あるいはスラグ等の金属酸化物
の付着による溶融金属流の偏りが防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スライドゲート・プレート、鋳造用ノズル等の溶融金属
排出装置の本体やそれらに装着されるガス吹込部材は、
上記したようにアルミナ、スピネル、マグネシア、ジル
コニア、シリカ、カーボン等の材料で構成されているた
め、耐熱衝撃性や強度が充分でなく、また高温の溶融金
属から受ける熱による熱応力で破損し易かった。また、
スライドゲート・プレートのように摺動を伴う溶融金属
排出装置にあっては、機械的な応力で破損し易かった。
また、溶融金属排出装置の本体スライドゲート・プレー
ト本体等が破損した場合、ガスのリークが生ずる。その
結果、所望のガス量を溶融金属通過孔内に供給すること
ができないという弊害があった。更に、ガス吹込部材が
破壊された場合、局所的なガスの流れが起こり、所望の
場所への均一なガスの供給ができないとう弊害があっ
た。このような事情から、従来、溶融金属排出装置のガ
ス吹込部材のガス供給に対する信頼性が低いという技術
的課題があった。
【0010】本発明は上記技術的課題を解決するために
なされたものであり、従来品に比較して、ガス吹込に対
する信頼性が向上したスライドゲート・プレート、鋳造
用ノズル等の溶融金属排出装置のガス吹込部材を提供す
ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明にかかる溶融金属排出装置のガス吹込
部材は、溶融金属排出装置に設けられた、溶融金属通過
孔内にガスを吹込む溶融金属排出装置のガス吹込部材に
おいて、前記ガス吹込部材は、ガスが外側側面から内側
側面へ流通可能に形成された管状のガス透過体部と、前
記ガス透過体部の少なくとも外側側面を覆うように設け
られた保持部とを備え、かつ、前記保持部がサーメット
材によって構成されていることを特徴としている。
【0012】特に、本発明にかかるガス吹込部材は、ガ
ス透過体部の少なくとも外側側面を覆うように、サーメ
ット材からなる保持部を設けたことを特徴としている。
この保持部を構成するサーメット材は、強度が強く、耐
熱性に優れるという特性を有し、ガスを透過しない不透
過性を備えている。このように構成することにより、ガ
ス吹込部材に供給されたガスを他の部分に逃すことな
く、確実にガス透過体部にのみ供給することができる。
また、溶融金属排出装置本体に亀裂などが生じても、ガ
ス透過体部の外側側面を覆うように保持部が設けられて
いるため、前記亀裂からガスが漏出することない。更
に、ガス透過体部は外側側面を覆うように保持部が設け
られているため、例えば、スライドゲート・プレート等
の摺動によって生ずる機械的衝撃からも保護される。
【0013】また更に、溶融金属からの熱衝撃によりガ
ス透過体部に微少な亀裂が発生しても、外側側面から保
持部(サーメット部材)で覆うように保持されているた
め、その亀裂は大きく進行することがない。その結果、
ガス透過体部が破壊するまでに至らない。よって、ガス
吹込部材を構成するガス透過体部自体の耐用期間を大幅
に延長することができる。以上のように、本発明にかか
るガス吹込部材は、従来のガス吹込部材と比べてガス供
給に対する信頼性を向上させることができる。
【0014】ここで、前記保持部が、前記ガス透過体部
の外側側面と、上端面あるいは下端面の少なくともいず
れか一方を覆い、前記ガス透過体部を保持するように形
成されたことが望ましい。このようにガス透過体部の外
側側面のみならず、上端面あるいは下端面の少なくとも
いずれか一方を保持部が覆うことにより、堅固に保持す
ることができる。
【0015】また、前記ガス透過体部が、外側側面から
内側側面に連通するガス吹込用孔が形成されたサーメッ
ト材からなることが望ましい。このようにガス透過体部
がサーメット材からなる場合には、サーメット材がガス
を透過しない不透過性を備えているため、端面に溝が形
成された前記サーメット材を積層することにより、外側
側面から内側側面に連通するガス吹込用孔を形成すると
良い。
【0016】なお、特に、ガス透過体部がサーメット材
である必要はなく、従来から用いられているガス透過性
多孔質耐火物または外側側面から内側側面に連通するガ
ス吹込用孔が形成された耐火物であっても良い。一方、
ガス透過体部がサーメット材である場合には、前記耐火
物に比べて、強度が強く、耐熱性に優れるという効果を
得ることができる。
【0017】また、前記保持部を構成するサーメット
材、またはガス透過体部を構成するサーメット材が、モ
リブデン(Mo)・アルミナ(Al23 )系サーメッ
トまたはモリブデン(Mo)・ジルコニア(ZrO2
系サーメットからなることが望ましい。前記Mo含有率
が50重量%未満の場合は、耐熱衝撃性や機械的強度が
若干低下する傾向を示し、85重量%を越えると、使用
環境が高温、かつ酸素あるいは酸素を含む気体の存在下
ではMoが酸化し消失してしまうため、前記モリブデン
(Mo)・アルミナ(Al23 )系サーメットまたは
モリブデン(Mo)・ジルコニア(ZrO2 )系サーメ
ットにおけるモリブデン(Mo)含有率が50乃至85
重量%の範囲にあることが望ましい。更に、ガス吹込部
材は、スライドゲート・プレート、鋳造用ノズル等の溶
融金属排出装置に適用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる溶融金属
排出装置のガス吹込部材の実施形態を図面を参照しなが
ら更に詳細に説明する。なお、図1は、スライドゲート
・プレートの金属通過孔内に装着されるガス吹込部材の
一形態を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)
はその断面図、(c)はガス吹込部材のガス透過体部を
構成する1つのリング状サーメット材を示す部分斜視図
である。
【0019】図1に示すように、ガス吹込部材1は、不
活性ガスが外側側面から内側側面へ流通可能に形成され
た管状のガス透過体部2と、前記ガス透過体部2の外側
側面、及び上端面を覆うように設けられた保持部6とか
ら構成されている。また、前記ガス透過体部2は、図1
(a)、(b)に示すように3つのリング状サーメット
材2a、2b、2cから構成され、そのリング状サーメ
ット材2aの下面、リング状サーメット材2bの上下
面、リング状サーメット材2cの上面には溝が形成され
ている。そして、前記3つのリング状サーメット材2
a、2b、2cを積層することによって、外側側面から
内側側面へ連通する複数の吹込ガス透過用孔2dが形成
される。
【0020】また、図1(a)に示すように、ガス透過
体部2の上下端面を覆うように、サーメット材からなる
保持部6が形成されており、前記リング状サーメット材
2a、2cを保持部6にモルタルあるいはキャスタブル
等の接合材5に積層、固定する。この保持部6もガス透
過体部2と同様にサ−メット材で形成されている。な
お、ガス透過体部2の保持部6に対する固定は、ねじ切
りしてねじ止めにより接合固定しても良い。このねじ止
め固定の場合には、接合部にモルタルを塗布して、ガス
漏れを防止することがより好ましい。また、前記3つの
リング状サーメット材2a、2b、2cの溝部2dを除
く端面に、モルタル等の接合材5を塗布することによ
り、3つのリング状サーメット材2a、2b、2cを積
層、固定しても良い。
【0021】更に、前記ガス透過体部2と保持部6の相
対向する側面の間には、ガス透過用孔2dに均等に供給
するための空間(均圧帯)4が形成され、前記均圧帯4
にガス導入管3が接続される。また、ガス導入管3と保
持部6との接続は、ガス透過体部2と保持部6との接続
と同様ねじ止めにより接合固定するか、保持部6に設け
られたガス導入3の挿入用孔にガス導入管3をモルタ
ル、キャスタブルと共に挿入し固定する。この場合、ね
じ止めによる接続固定が機械的強度の点からより好まし
く、特に接続時にモルタル、キャスタブル等の接合材を
接続部に塗布し、ガス漏れを防止するのが良い。
【0022】また、ガス吹込部材においてガス透過体部
2、保持部6を構成するサーメットの材質としては、
鉄、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン等の金属
粉末と、炭化チタン、炭化ジルコン等の炭化物あるいは
アルミナ、ジルコニア等の酸化物からなるセラミック粉
末とを圧縮成形、焼成して得られたサーメット材であれ
ば支障なく用いることができる。その中でも金属成分と
してはモリブデン(Mo)、セラミック成分としては耐
火性セラミックが好ましく、特にモリブデンと、アルミ
ナあるいはジルコニアからなるものが好ましい。アルミ
ナやジルコニアはモリブデンと反応せず、またモリブデ
ンとの熱膨張係数差が比較的少ないため目的に適合した
サーメット材を得やすく、また得られたサーメット材は
良好な耐食性を有する。
【0023】特に、本発明に好適なサーメットとして、
モリブデン含有率が50乃至85重量%のMoーAl2
3 系、またはMoーZrO2 系サーメット材を挙げる
ことができる。この態様のサーメット材において、Mo
含有率が50重量%未満の場合は、耐熱衝撃性や機械的
強度が若干低下する傾向を示し、85重量%を越える
と、使用環境が高温、かつ酸素あるいは酸素を含む気体
の存在下ではMoが酸化し消失してしまう。また、ガス
透過体部をサーメット材で形成した場合には、溶鋼に対
する耐食性が若干低下する傾向を示す。
【0024】なお、上記実施形態において、ガス透過用
孔は、サーメット材2aの下面、サーメット材2bの上
下面、サーメット材2cの上面に形成された溝によって
構成されるものを示したが、ガス透過体部2にレ−ザ加
工等にの手段により、外側側面から内側側面に連通する
小孔を形成しても良い。またこのガス透過用孔、溝2d
の形成は、ガス透過体部2の成形時でも良く、あるいは
焼成後の機械加工によって形成してもよい。
【0025】このように構成された溶融金属排出装置の
ガス吹込部材は、スライドゲート・プレート等に装着さ
れ、溶融金属流に対して不活性ガスが吹込まれる。その
結果、溶融金属の凝固による、あるいはスラグ等の金属
酸化物の付着による通過孔の閉塞が防止される。また、
溶融金属の凝固による、あるいはスラグ等の金属酸化物
の付着による溶融金属流の偏りが防止される。また、こ
の保持部を構成するサーメット材は、強度が強く、耐熱
性に優れるという特性を有し、ガスを透過しない不透過
性を備えているため、ガス吹込部材に供給されたガスを
他の部分に逃すことなく、確実にガス透過体部にのみ供
給することができる。また、スライドゲート・プレート
等に亀裂などが生じても、ガス透過体部の外側側面を覆
うように保持部が設けられているため、前記亀裂からガ
スが漏出することない。更に、ガス透過体部は外側側面
を覆うように保持部が設けられているため、例えば、ス
ライドゲート・プレート等の摺動によって生ずる機械的
衝撃からも保護される。
【0026】更にまた、溶融金属からの熱衝撃によりガ
ス透過体部に微少な亀裂が発生しても、外側側面から保
持部(サーメット部材)で覆うように保持されているた
め、その亀裂は大きく進行することがない。その結果、
ガス透過体部が破壊するまでに至らない。よって、ガス
吹込部材を構成するガス透過体部自体の耐用期間を大幅
に延長することができる。以上のように、本発明のガス
吹込部材は、従来のガス吹込部材と比べて、ガス供給に
対する前記ガス吹込部材の信頼性が向上する。
【0027】次に、本発明にかかる溶融金属排出装置の
ガス吹込部材の他の実施形態を図2に示す。なお、図2
は、スライドゲート・プレートの金属通過孔内に装着さ
れる本発明にかかるガス吹込部材の第2の形態を示す図
であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。こ
の第2の実施形態にかかるガス吹込部材10は、第1の
実施形態のガス吹込部材と比べて、ガス透過体部11が
ガス透過性多孔質耐火物またはガス流通可能な連通細孔
が形成された耐火物からなる点において異なる。また、
保持部6がガス透過体部2の外側側面のみを保持してい
る点において異なり、他の構成は、第1の実施形態と同
様に構成される。なお、第1の実施形態と同一、あるい
は相当する構成は、同一符号を付することによって、そ
の説明を省略する。
【0028】この第2の実施形態に用いられるガス透過
体部11の材質としては、従来から用いられているもの
を用いることができる。具体的には、アルミナ、スピネ
ル、マグネシア、ジルコニア、シリカ、カーボン等の耐
火材を用いることができる。また、前記ガス透過体部1
1がガス透過性多孔質耐火物で構成されていない場合に
ガス透過孔を形成する手段としては、成型時に、硬質紙
またはビニール線を所定位置に埋め込んでおき、焼成工
程で該硬質紙あるいはビニール線を消失させて小孔ある
いはスリットを設ける。あるいは成形体焼成後にドリル
等で加工して小孔あるいはスリットを設けたり、もしく
はレーザ加工により小孔あるいはスリットを設けても良
い。
【0029】また保持部6は、管形状のガス透過体部2
を外側から保持し、ガス透過体部2の保護部材として機
能するものであり、その形成範囲は、図2(a)に示す
ようにガス透過体部2の外側側面のみ形成されている。
【0030】また、この実施形態にかかるガス吹込部材
は、図3に示すように鋳造用ノズルにも装着することが
できる。また図5に示すようなスライドゲート・プレー
トにも装着することができる。なお、図3に示すよう
に、ガス吹込部材を鋳造用ノズルに装着する場合、両者
の間に、モルタルあるいはキャスブル等の接合材5を介
して、固定される。また、浸漬鋳造用ノズル、ロング鋳
造用ノズル等の鋳造用鋳造用ノズルに装着される場合、
その形状、構造上の理由から、スライドゲート・プレー
トに装着される部材とは異なり均圧帯4が設けられない
場合がある。
【0031】次に、本発明にかかる溶融金属排出装置の
ガス吹込部材の第3の実施形態を図4に示す。図4は、
本発明の溶融金属排出装置のガス吹込部材の第3の実施
形態を示す斜視図であり、このガス吹込部材20み第1
の実施形態で用いた保持部6によって、第2の実施形態
で用いたガス透過体部11の上端面及び外側側面を保持
したものである。
【0032】
【実施例】ガス透過体部が多孔質耐火物(Al23
系)、外側の保持部が(MoーAl 23 系)サーメッ
トから成り、図4に示した形状の本発明のガス吹込部材
を装着したスライドゲート・プレート(スライドゲート
・プレートA)、ガス透過体部と保持部が共に(Moー
Al23 系)サーメットから成り、図1に示した形状
の本発明のガス吹込部材を装着したスライドゲート・プ
レート(スライドゲート・プレートB)、及び図5に示
した形状の従来型スライドゲート・プレート(スライド
ゲート・プレートC)をそれぞれ用意した。なお、各ス
ライドゲート・プレートの溶融金属通過孔径はいずれも
50mmである。これらスライドゲート・プレートの各
々に対して以下の試験を実施した。
【0033】「試験1」スライドゲート・プレートの溶
融金属通過孔内に1550℃で溶解した溶鉄(銑鉄)2
00kgを流下させてガス吹込部材を急速加熱した。溶
鉄を流下させる間、ガス吹込部材には、1kg/cm2
の圧力をかけてアルゴンガスをガス導入管から供給し
た。冷却後の各スライドゲート・プレートについてスラ
イドゲート・プレート本体、ガス吹込部材等の損傷とガ
スリークの有無を比較評価した。
【0034】上記試験の結果、スライドゲート・プレー
トA,B共にガス吹込部材には亀裂などの損傷はなかっ
た。また、スライドゲート・プレート本体A、Bにはい
ずれにも亀裂が発生したが、ガスのリークは見られなか
った。これに対し、スライドゲート・プレートCでは、
ガス吹込部材とスライドゲート・プレート本体の両方に
亀裂が発生し、これらの亀裂からガスのリークが見られ
た。それぞれのスライドゲート・プレートの試験前後の
ガス通気量を表1に示す。なお、通気量は、1kg/c
2 の圧力でアルゴンガスを供給したときの供給量であ
る。
【0035】
【表1】
【0036】「試験2」それぞれのスライドゲート・プ
レートの溶融金属通過孔内をバーナーで約1600℃に
加熱した状態で1時間保持した。なお、加熱中、ガス供
給部材にはアルゴンガスを約10リットル/minの流
量で供給した。冷却後のスライドゲート・プレートにつ
いてガス吹込部材等の損傷とガスリークの有無を比較評
価した。上記試験の結果、それぞれのスライドゲート・
プレートの状況は試験1の場合とほぼ同様であった。試
験1と同様にして測定したガス通気量を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる溶融金属
排出装置のガス吹込部材は、ガスリークの発生が抑制さ
れ、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の溶融金属排出装置のガス吹込
部材の一実施形態を示す図であって、(a)はその斜視
図、(b)はその断面図、(c)はガス透過体部を構成
するリング状サ−メット材を示す部分斜視図である。
【図2】図2は、本発明の溶融金属排出装置のガス吹込
部材の第2の実施形態を示す図であって、(a)はその
斜視図、(b)はその断面図である。
【図3】図3は、鋳造用鋳造用ノズルに図2に示した第
2の実施形態のガス吹込部材を装着した状態を示す斜視
図である。
【図4】図4は、本発明の溶融金属排出装置のガス吹込
部材の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図5】図5は、従来の溶融金属排出装置のガス吹込部
材(耐火物ガス透過体部)を装着した従来のスライドゲ
ート・プレートを示す斜視図である。
【図6】図6は、従来の溶融金属排出装置のガス吹込部
材を装着した鋳造用ノズルをを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ガス吹込部材 2 ガス透過体部 2a リング状サーメット材 2b リング状サーメット材 2c リング状サーメット材 3 ガス導入管 4 均圧帯 5 接合材 6 保持部 10 ガス吹込部材 11 ガス透過体部 12 保持部 20 ガス吹込部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属が流れる通過孔内に不活性ガス
    を吹込む溶融金属排出装置のガス吹込部材において、 前記ガス吹込部材は、不活性ガスが外側側面から内側側
    面へ流通可能に形成された管状のガス透過体部と、前記
    ガス透過体部の少なくとも外側側面を覆うように設けら
    れた保持部とを備え、かつ、前記保持部がサーメット材
    によって構成されていることを特徴とする溶融金属排出
    装置のガス吹込部材。
  2. 【請求項2】 前記保持部が、前記ガス透過体部の外側
    側面と、上端面あるいは下端面の少なくともいずれか一
    方を覆い、前記ガス透過体部を保持するように形成され
    たことを特徴とする請求項1に記載された溶融金属排出
    装置のガス吹込部材。
  3. 【請求項3】 前記ガス透過体部が、外側側面から内側
    側面に連通するガス吹込用孔が形成されたサーメット材
    からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載された溶融金属排出装置のガス吹込部材。
  4. 【請求項4】 前記ガス透過体部が複数のサーメット材
    からなり、端面に溝が形成された前記サーメット材を積
    層することにより、外側側面から内側側面に連通するガ
    ス吹込用孔が形成されることを特徴とする請求項3に記
    載された溶融金属排出装置のガス吹込部材。
  5. 【請求項5】 前記ガス透過体部が、ガス透過性多孔質
    耐火物または外側側面から内側側面に連通するガス吹込
    用孔が形成された耐火物からなることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載された溶融金属排出装置のガ
    ス吹込部材。
  6. 【請求項6】 前記溶融金属排出装置が、スライドゲー
    ト・プレートであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載された溶融金属排出装置のガス吹
    込部材。
  7. 【請求項7】 前記溶融金属排出装置が鋳造用ノズルで
    あることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、
    請求項5のいずれかに記載された溶融金属排出装置のガ
    ス吹込部材。
  8. 【請求項8】 前記保持部を構成するサーメット材、ま
    たはガス透過体部を構成するサーメット材が、モリブデ
    ン(Mo)・アルミナ(Al23 )系サーメットまた
    はモリブデン(Mo)・ジルコニア(ZrO2 )系サー
    メットからなることを特徴とする請求項1、請求項3、
    請求項4のいずれかに記載された溶融金属排出装置のガ
    ス吹込部材。
  9. 【請求項9】 前記モリブデン(Mo)・アルミナ(A
    23 )系サーメットまたはモリブデン(Mo)・ジ
    ルコニア(ZrO2 )系サーメットにおけるモリブデン
    (Mo)含有率が50乃至85重量%の範囲にあること
    を特徴とする請求項8に記載された溶融金属排出装置の
    ガス吹込部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101277959B1 (ko) 2011-06-28 2013-06-27 주식회사 포스코 어퍼노즐의 불량판단장치
CN112024866A (zh) * 2020-09-04 2020-12-04 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 全密封模铸浇注保护装置

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