JP2001217813A - Ｃｄｍａ無線通信装置およびｃｄｍａ無線通信方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非直交成分となるサーチコードが個別物理チ
ャネルに与える干渉を除去する。 【解決手段】 サーチコードを拡散させるための拡散コ
ードを生成する生成手段４１４と、サーチコードを受信
したタイミングを通知するタイミング通知手段４１２
と、タイミング通知手段４１２により通知された時に、
拡散コードを用いて受信信号からサーチコードを減算す
る減算手段４２０、４２２とを備える。タイミング通知
手段４１２は、複数のパスのうちいずれかのパスにおい
てサーチコードを受信したタイミングを減算手段４２
０、４２２に通知する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＣＤＭＡ無線通信
装置およびＣＤＭＡ無線通信方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１は、従来技術によるＣＤＭＡ（Ｃｏ
ｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅ
ｓｓ）無線通信方式における物理チャネルの信号フォー
マットの一例を示す図である。

【０００３】ＣＤＭＡ無線通信方式における物理チャネ
ルは、一般に、６４０ｍｓのスーパーフレームで構成さ
れ、各スーパーフレームは、６４個の無線フレーム（１
０ｍｓ）で構成され、さらに各無線フレームは、１６個
のタイムスロット（０．６２５ｍｓ）で構成される。ま
た、とまり木チャネル（移動局がセル選択を行うための
キャリアセンス用の物理チャネルであり、局間非同期シ
ステムにおいても移動局が容易に同期を引き込むことが
できるように特殊な拡散処理が適用されたもの）や個別
物理チャネル毎にタイムスロットの構成は、図１に示す
ように異なる。とまり木チャネルは、一般に、図1に示
すように第1とまり木チャネルと第２とまり木チャネル
が１組となって存在する。ここで、図１において、タイ
ムスロット構成に示された数字はシンボル数である。と
まり木チャネルのタイムスロットは、パイロットシンボ
ル同期検波に用いるパイロットシンボル（４シンボル）
と、論理チャネル用のシンボル（５シンボル）と、ロン
グコードマスクシンボル等と称されるサーチコード（１
シンボル）とから構成される。ここで、パイロットシン
ボルと論理チャネル用シンボルは、ロングコードおよび
ショートコードにより拡散されているが、サーチコード
は、後述するように、移動局において高速セルサーチに
使用されるため、他のシンボルと異なりショートコード
のみで拡散されている。個別物理チャネルは、パイロッ
トシンボル（４シンボル）、論理チャネル用のシンボル
（３５シンボル）のほかに、高速Ｃｌｏｓｅｄ−ｌｏｏ
ｐ送信電力制御において使用される送信電力制御（ＴＰ
Ｃ）シンボル（１シンボル）を含む。図1において、チ
ップレートを４０９６Ｍチップ／秒とすると、１無線フ
レームは４０９６０チップに、１タイムスロットは２５
６０チップに相当する。また、とまり木チャネルの１シ
ンボルは２５６チップに、個別物理チャネルの１シンボ
ルは６４チップに相当する。

【０００４】ＣＤＭＡ無線通信方式において、上述した
ように、伝送信号は非常に長い周期で（図1において、
ロングコード周期は、１０ｍｓとなる）、かつ無数の種
類のロングコードで拡散されている。ここで、異なるロ
ングコードの相関は小さく、また、同一ロングコードに
おいても、位相の異なるものにおいても、相関は小さく
なる。そのため、無線通信を確立するためには、ロング
コードの種類の特定や、ロングコードタイミングの検出
を行うが、このことは、一般に「セルサーチ」と称され
ている。セルサーチを高速に行うために、周期の短いシ
ョートコードだけで拡散された信号であるサーチコード
（ロングコードマスクシンボル）を含むチャネル（とま
り木チャネル）を利用して、セルサーチを行う技術が従
来より存在する。このサーチコードは、周期が短いため
逆拡散することが容易となり、高速にセルサーチを実行
することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、サーチコード
は、通信チャネルに対して非直交成分であり、相関が大
きくなる。すなわち、各とまり木チャネルのサーチコー
ド（１シンボル）部分に対応する個別物理チャネルの論
理チャネル用シンボル（４シンボル分）は、非直交成分
となるため相互に干渉となってしまい、その結果として
相関が大きくなり伝送特性が悪化するという問題点があ
る。

【０００６】また、マルチパスの場合には、あるパスの
サーチコードがその他のパスの個別物理チャネルに対し
て、干渉を生じさせるという問題点がある。

【０００７】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、サー
チコードの通信チャネルに対する干渉を除去できるＣＤ
ＭＡ無線通信装置およびＣＤＭＡ無線通信方法を提供す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、ＣＤＭＡ無線通信装置において、サーチコードを拡
散させるための拡散コードを生成する生成手段と、前記
サーチコードを受信したタイミングを通知するタイミン
グ通知手段と、該タイミング通知手段により通知された
時に、前記拡散コードを用いて受信信号から前記サーチ
コードを減算する減算手段とを備え、前記サーチコード
が個別物理チャネルに与える干渉を除去することを特徴
とする。

【０００９】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
のＣＤＭＡ無線通信装置において、前記タイミング通知
手段は、複数のパスのうちいずれかのパスにおいてサー
チコードを受信したタイミングを前記減算手段に通知す
ることを特徴とする。

【００１０】請求項３に記載の発明は、ＣＤＭＡ無線通
信装置において、サーチコードを拡散させるための第１
拡散コードを生成する第１拡散コード生成手段と、サー
チコード以外の信号を拡散させるための第２拡散コード
を生成する第２拡散コード生成手段と、前記第１拡散コ
ードと前記第２拡散コードとの相互相関値を演算する相
互相関値演算手段と、前記サーチコードを受信したタイ
ミングを通知するタイミング通知手段と、該タイミング
通知手段により通知された時に、前記相互相関値を用い
て受信信号から前記サーチコードをベクトル減算するベ
クトル減算手段とを備え、前記サーチコードが個別物理
チャネルに与える干渉を除去することを特徴とする。

【００１１】請求項４に記載の発明は、請求項３に記載
のＣＤＭＡ無線通信装置において、前記タイミング通知
手段は、複数のパスのうちいずれかのパスにおいてサー
チコードを受信したタイミングを前記ベクトル減算手段
に通知することを特徴とする。

【００１２】請求項５に記載の発明は、ＣＤＭＡ無線通
信方法において、サーチコードを拡散させるための拡散
コードを生成する生成ステップと、前記サーチコードを
受信したタイミングを通知するタイミング通知ステップ
と、該タイミング通知ステップにより通知された時に、
前記拡散コードを用いて受信信号から前記サーチコード
を減算する減算ステップとを備え、前記サーチコードが
個別物理チャネルに与える干渉を除去することを特徴と
する。

【００１３】請求項６に記載の発明は、請求項５に記載
のＣＤＭＡ無線通信方法において、前記タイミング通知
ステップは、複数のパスのうちいずれかのパスにおいて
サーチコードを受信したタイミングを前記減算ステップ
に通知することを特徴とする。

【００１４】請求項７に記載の発明は、ＣＤＭＡ無線通
信方法において、サーチコードを拡散させるための第１
拡散コードを生成する第１拡散コード生成ステップと、
サーチコード以外の信号を拡散させるための第２拡散コ
ードを生成する第２拡散コード生成ステップと、前記第
１拡散コードと前記第２拡散コードとの相互相関値を演
算する相互相関値演算ステップと、前記サーチコードを
受信したタイミングを通知するタイミング通知ステップ
と、該タイミング通知ステップにより通知された時に、
前記相互相関値を用いて受信信号から前記サーチコード
をベクトル減算するベクトル減算ステップとを備え、前
記サーチコードが個別物理チャネルに与える干渉を除去
することを特徴とする。

【００１５】請求項８に記載の発明は、請求項７に記載
のＣＤＭＡ無線通信方法において、前記タイミング通知
ステップは、複数のパスのうちいずれかのパスにおいて
サーチコードを受信したタイミングを前記ベクトル減算
ステップに通知することを特徴とする。

【００１６】請求項９に記載の発明は、請求項１に記載
のＣＤＭＡ無線通信装置において、各パスの受信レベル
を測定する手段をさらに備え、前記減算手段は、各パス
の該受信レベルに応じて、前記拡散コードを用いて受信
信号から前記サーチコードを減算することを特徴とす
る。

【００１７】請求項１０に記載の発明は、請求項３に記
載のＣＤＭＡ無線通信装置において、各パスの受信レベ
ルを測定する手段をさらに備え、前記ベクトル減算手段
は、各パスの該受信レベルに応じて、前記相互相関値を
用いて受信信号から前記サーチコードをベクトル減算す
ることを特徴とする。

【００１８】請求項１１に記載の発明は、請求項５に記
載のＣＤＭＡ無線通信方法において、各パスの受信レベ
ルを測定するステップをさらに備え、前記減算ステップ
は、各パスの該受信レベルに応じて、前記拡散コードを
用いて受信信号から前記サーチコードを減算することを
特徴とする。

【００１９】請求項１２に記載の発明は、請求項７に記
載のＣＤＭＡ無線通信方法において、各パスの受信レベ
ルを測定するステップをさらに備え、前記ベクトル減算
ステップは、各パスの該受信レベルに応じて、前記相互
相関値を用いて受信信号から前記サーチコードをベクト
ル減算することを特徴とする。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態について詳細に説明する。

【００２１】（本発明の原理）本発明の原理を図２およ
び図３を参照して説明する。

【００２２】図２は、ＣＤＭＡ移動通信方式の無線通信
装置における拡散コード生成装置の構成の一例を示す図
であり、拡散コード生成装置の構成のうち本発明に関係
する部分のみを概念的に示している。

【００２３】拡散コード生成装置２００は、少なくとも
ショートコード生成器２０２、同相成分用ロングコード
生成器２０４、直交成分用ロングコード生成器２０６、
Ｃ_i演算部２０８およびＣ_q演算部２１０から構成され
る。ショートコード生成器２０２は、シンボル毎のショ
ートコード周期の拡散コードであるショートコードＳＣ
（Ｃｓ_i,Ｃｓ_q）を生成する。同相成分用ロングコード
生成器２０４は、無線フレーム毎のロングコード周期
（１０ｍｓ）の拡散コードであるロングコードのうちの
同相成分ＬＣ_iを生成する。直交成分用ロングコード生
成器２０６は、無線フレーム毎のロングコード周期（１
０ｍｓ）の拡散コードであるロングコードのうちの直交
成分ＬＣ_qを生成する。Ｃ_i演算部２０８は、ＳＣ_iとＬ
Ｃ_iの排他的論理和を演算してＣ_iを生成する。Ｃ_q演算
部２１０は、ＳＣ_qとＬＣ_qの排他的論理和を演算してＣ
_qを生成する。

【００２４】図３は、ＣＤＭＡ移動通信方式の無線通信
装置における拡散装置の構成の一例を示す図であり、拡
散装置の構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的
に示している。

【００２５】拡散装置３００は、少なくとも排他的論理
和演算器３０２、Ｓ_i演算部３０４およびＳ_q演算部３０
６から構成される。排他的論理和演算器３０２は入力さ
れる信号（すなわち、拡散されるシンボルＤ（Ｄ_i，
Ｄ_q）および拡散符号Ｃ（Ｃ_i，Ｃ_q））の排他的論理和
を演算する機能を有する。Ｓ_i演算部３０４は、数式１
によりＳ_iを演算する機能を有する。

【００２６】Ｓ_i＝Ｄ_iＣ_i−Ｄ_qＣ_q ・・・（数式１） また、Ｓ_q演算部３０６は、数式２によりＳ_qを演算する
機能を有する。

【００２７】Ｓ_q＝Ｄ_iＣ_q＋Ｄ_qＣ_i ・・・（数式２） 数式１および数式２から、受信側の無線通信装置におけ
る逆拡散は、以下の数式３により表される（数式３にお
いて、ｊは任意の複素数である）。

【００２８】 （Ｓ_i＋ｊＳ_q）（Ｃ_i−ｊＣ_q）・・・（数式３） すなわち、数式３は、数式４に展開される。

【００２９】 （Ｄ_i＋ｊＤ_q）（Ｃ_i＋ｊＣ_q）（Ｃ_i−ｊＣ_q）・・・（数式４） ここで、とまり木チャネルのサーチコードをＤｓ（Ｄｓ
_i,Ｄｓ_q）として、サーチコードに対する拡散コード
（ショートコード）をＣｓ（Ｃｓ_i,Ｃｓ_q）とすると、
数式１および数式２から、数式５および数式６が導かれ
る。

【００３０】 Ｓｓ_i＝Ｄｓ_iＣｓ_i−Ｄｓ_qＣｓ_q・・・（数式５） Ｓｓ_q＝Ｄｓ_iＣｓ_q＋Ｄｓ_qＣｓ_i・・・（数式６） ここで、Ｄｓ（Ｄｓ_i,Ｄｓ_q）は、無線通信装置におい
て既知の値とする。例えば、Ｄｓ（Ｄｓ_i,Ｄｓ_q）の値
を（１，１）として予め設定してもよい。

【００３１】また、個別物理チャネルの論理チャネル用
シンボルをＤｄ（Ｄｄ_i,Ｄｄ_q）として、論理チャネル
用シンボルに対する拡散コードをＣｄ（Ｃｄ_i,Ｃｄ_q）
とすると、数式１および数式２から、数式７および数式
８が導かれる。

【００３２】 Ｓｄ_i＝Ｄｄ_iＣｄ_i−Ｄｄ_qＣｄ_q・・・（数式７） Ｓｄ_q＝Ｄｄ_iＣｄ_q＋Ｄｄ_qＣｄ_i・・・（数式８） ここで、とまり木チャネルと個別物理チャネルを伝送し
た場合、受信側では、数式９で示す信号を受信する。

【００３３】 （Ｓｓ_i＋Ｓｄ_i）＋ｊ（Ｓｓ_q＋Ｓｄ_q）・・・（数式９） Ｉチャネル（Ｓｓ_i＋Ｓｄ_i）と、Ｑチャネル（Ｓｓ_q＋
Ｓｄ_q）は直交しているため干渉は発生しないことにな
る。しかし、サーチコードは前述の如く非直交であるた
め、干渉が発生する。すなわち、数式９において、Ｓｓ
_iおよびＳｓ_qの値を０にすると、干渉が発生しないこと
になる。従って、本発明においては、数式９の演算にお
いて、Ｓｓ_iおよびＳｓ_qを減算するように構成すること
により、干渉を除去している。

【００３４】また、受信側において、個別物理チャネル
のサーチコードがかぶっている部分を逆拡散する場合
は、数式１０で示す演算を行う。なお、ここでは個別物
理チャネルの１シンボルが６４チップに対応する場合を
一例に説明する。

【００３５】

【数１】

【００３６】ここで、数式１０を展開すると、数式１１
が導かれる。

【００３７】

【数２】

【００３８】数式１１において、Ｓｓ_iＣｄ_i、Ｓｓ_qＣ
ｄ_q、Ｓｓ_qＣｄ_iおよびＳｓ_iＣｄ_qは、それぞれ直交し
ないもの（非直交成分）同士をかけることになるため干
渉が生じ、相関が発生することになる。従って、本発明
においては、数式１１の演算において、相互相関値であ
る（Ｓｓ_iＣｄ_i＋Ｓｓ_qＣｄ_q）および（Ｓｓ_qＣｄ_i―Ｓ
ｓ_iＣｄ_q）をベクトル減算するように構成することによ
り、干渉を除去している。

【００３９】（第１実施形態）図４は、本発明の第１実
施形態が適用されるＣＤＭＡ移動通信方式の無線通信装
置の構成の一例を示す図であり、無線通信装置の構成の
うち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。

【００４０】ＣＤＭＡ無線通信装置４００は、少なくと
も、アンテナ４０２、Ａ／Ｄコンバータ４０４、逆拡散
器４０６、検波器４０８、ＲＡＫＥ合成器４１０、受信
タイミング制御部４１２、サーチコード用ショートコー
ド生成器４１４、Ｓｓ_i演算器４１６、Ｓｓ_q演算器４１
８、Ｓｓ_i減算器４２０、Ｓｓ_q減算器４２２および拡散
コード生成器４２４から構成される。通常、ＣＤＭＡ無
線通信装置４００はマルチパス対応となっており、Ｓｓ
_i減算器４２０、Ｓｓ_q減算器４２２、逆拡散器４０６お
よび検波器４０８は、パス数分存在するが、本実施形態
においては、説明の簡略化のためパス数を２つとした場
合を一例として説明する。

【００４１】アンテナ４０２は、Ａ／Ｄコンバータ４０
４に接続され、電波を送信または受信する機能を有す
る。Ａ／Ｄコンバータ４０４は、アンテナ４０２および
各パスのＳｓ_i減算器４２０およびＳｓ_q減算器４２２に
接続され、受信されたアナログ信号をデジタル信号に変
換する機能を有する。逆拡散器４０６は、Ｓｓ_i減算器
４２０、Ｓｓ_q減算器４２２および検波器４０８に接続
され、拡散コード生成器４２４で生成された拡散コード
により逆拡散を実行する機能を有する。検波器４０８
は、逆拡散器４０６およびＲＡＫＥ合成器４１０に接続
され、検波する機能を有する。ＲＡＫＥ合成器４１０
は、各パスの検波器４０８に接続され、ＲＡＫＥ合成を
行う機能を有する。受信タイミング制御部４１２は、サ
ーチコード用ショートコード生成器４１４および拡散コ
ード生成器４２４に接続され、全パスの受信タイミング
を制御する機能を有し、各パスにおいてとまり木チャネ
ルのサーチコードを受信したタイミングをサーチコード
用ショートコード生成器４１４および拡散コード生成器
４２４に送信する。サーチコード用ショートコード生成
器４１４は、Ｓｓ_i演算器４１６およびＳｓ_q演算器４１
８に接続され、サーチコード用のショートコードを生成
し、該ショートコードを記憶する機能を有する。ここ
で、サーチコード用のショートコードはセル毎に固定で
あり、セルサーチ時において在圏するセルの拡散コード
情報等により判明するため、セルサーチ時にサーチコー
ド用ショートコード生成器４１４においてセルサーチ用
ショートコードを生成し、記憶してもよい。Ｓｓ_i演算
器４１６は、サーチコード用ショートコード生成器４１
４および各パスのＳｓ_i減算器４２０に接続され、サー
チコード用ショートコード生成器４１４で生成されたＣ
ｓ_iから、数式５により、Ｓｓ_iを演算して、Ｓｓ_i減算
器４２０に送信する機能を有する。Ｓｓ_q演算器４１８
は、サーチコード用ショートコード生成器４１４および
各パスのＳｓ_q減算器４２２に接続され、サーチコード
用ショートコード生成器４１４で生成されたＣｓ_qか
ら、数式６により、Ｓｓ_qを演算して、Ｓｓ_q減算器４２
２に送信する機能を有する。Ｓｓ_i減算器４２０は、Ａ
／Ｄコンバータ４０４、逆拡散器４０６およびＳｓ_i演
算器４１６に接続され、チャネルＩからＳｓ_i演算器４
１６で生成されたＳｓ_iを減算する機能を有する。Ｓｓ_q
減算器４２２は、Ａ／Ｄコンバータ４０４、逆拡散器４
０６およびＳｓ_q演算器４１８に接続され、チャネルＱ
からＳｓ_q演算器４１８で生成されたＳｓ_qを減算する機
能を有する。拡散コード生成器４２４は、受信タイミン
グ制御部４１２および各パスの逆拡散器４０６に接続さ
れ、拡散コードを生成して、各パスの逆拡散器４０６に
送信する機能を有する。ここで、拡散コード生成器４２
４は、サーチコード用ショートコード生成器４１４と同
一の筐体中に実現してもよい。

【００４２】次に、このように構成された本実施の形態
における無線通信装置の動作の一例について、以下に詳
細に説明する。

【００４３】逆拡散器４０６により逆拡散する場合、上
述したように、数式９において、Ｓｓ_iおよびＳｓ_qは非
直交成分となり干渉を発生させるのでこれらの値を減算
することにより０にすることにより、本発明の実施形態
１では干渉が発生しないことになる。

【００４４】まず、受信タイミング制御部４１２におい
て、各パスのとまり木チャネルのサーチコードを受信し
たタイミングをサーチコード用ショートコード生成器４
１４に知らせることにより、サーチコード用ショートコ
ード生成器４１４はそのタイミングで、Ｃｓ_iおよびＣ
ｓ_qをＳｓ_i演算器４１６およびＳｓ_q演算器４１８に送
信する。Ｓｓ_i演算器４１６は、数式５によりＳｓ_iを演
算して、Ｓｓ_i減算器４２０に送信し、また、Ｓｓ_q演算
器４１８は、数式６によりＳｓ_qを演算して、Ｓｓ_q減算
器４２２に送信する。ついで、Ｓｓ_i減算器４２０は各
パスのＩチャネルからＳｓ_iを減算し、またＳｓ_q減算器
４２２は、各パスのＱチャネルからＳｓ_qを減算する。
従って、本発明の第１実施形態においては、数式９の演
算において、非直交成分であるＳｓ_iおよびＳｓ_qを減算
するように構成することにより、干渉を除去している。

【００４５】ここで、受信タイミング制御部４１２は全
パスの受信タイミングを制御している。マルチパス対応
の無線通信装置では、一般に複数のパスは時間的にずれ
て送信されるので（例えば、パスが２本の場合には、各
パスはそれぞれ第１波と第２波にずれて受信される）、
ある１つのパスのサーチコードは、当該パスの個別物理
チャネルのみならず、その他のパスの個別物理チャネル
とも干渉が生じてしまう。従って、受信タイミング制御
部４１２は全パスのうちいずれかのパスにおいてサーチ
コードを受信したタイミングで、サーチコード用ショー
トコード生成器４１４に対してタイミングを通知する。

【００４６】（第２実施形態）図５は、本発明の第２実
施形態が適用されるＣＤＭＡ移動通信方式の無線通信装
置の構成の一例を示す図であり、無線通信装置の構成の
うち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。

【００４７】ＣＤＭＡ無線通信装置５００は、少なくと
も、アンテナ４０２、Ａ／Ｄコンバータ４０４、逆拡散
器４０６、検波器４０８、ＲＡＫＥ合成器４１０、受信
タイミング制御部４１２、サーチコード用ショートコー
ド生成器４１４、拡散コード生成器４２４、相互相関値
演算器５０２およびベクトル減算器５０４から構成され
る。通常、ＣＤＭＡ無線通信装置５００はマルチパス対
応となっており、逆拡散器４０６、検波器４０８および
ベクトル減算器５０４は、パス数分存在するが、本実施
形態においては、説明の簡略化のためパス数を２つとし
た場合を一例として説明する。ここで、図４と同一の符
号を付した部分は、同一の機能を有するため、説明を省
略する。

【００４８】相互相関値演算器５０２は、受信タイミン
グ制御部４１２、サーチコード用ショートコード生成器
４１４および拡散コード生成器４２４に接続され、数式
１１における相互相関値である（Ｓｓ_iＣｄ_i＋Ｓｓ_qＣ
ｄ_q）および（Ｓｓ_qＣｄ_i−Ｓｓ_iＣｄ_q）を演算する機
能を有する。ベクトル減算器５０４は、数式１１の演算
結果から、相互相関値演算器５０２により演算された相
互相関値、すなわち（Ｓｓ_iＣｄ_i＋Ｓｓ_qＣｄ_q）および
（Ｓｓ_qＣｄ_i−Ｓｓ_iＣｄ_q）をベクトル減算する機能を
有する。すなわち、上述したように、数式１１におい
て、Ｓｓ_iＣｄ_i、Ｓｓ_qＣｄ_q、Ｓｓ_qＣｄ_iおよびＳｓ_i
Ｃｄ_qは、それぞれ直交しないものをかけることになる
ため干渉が生じ、相関が発生することになるので、本発
明の第２実施形態においては、数式１１の演算におい
て、（Ｓｓ_iＣｄ_i＋Ｓｓ_qＣｄ_q）および（Ｓｓ_qＣｄ_i―
Ｓｓ_iＣｄ_q）をベクトル減算するように構成することに
より、干渉を除去している。

【００４９】（他の実施の形態）上述した実施の形態に
おいては、各実施形態を独立に実現する場合を一例に説
明したが、本発明はこの場合に限定されるものではな
く、他の実施の形態においては、各実施形態を適宜組み
合わせて実施することができることは当業者にとって自
明である。

【００５０】また、上述した実施の形態において、受信
タイミング制御部４１２において、各パスの受信レベル
を測定してもよい。一般にマルチパスにおいて、各パス
の受信レベルは異なる。よって、各パスにおける受信レ
ベルが大きくなると、発生する干渉が大きくなることに
なる。従って、受信タイミング制御部４１２において測
定した各パスの受信レベルに応じて、Ｓｓ_i減算器４２
０は各パスのＩチャネルからＳｓ_iを減算し、またＳｓ_q
減算器４２２は、各パスのＱチャネルからＳｓ _qを減算
してもよい。さらに、各パスの受信レベルに応じて、ベ
クトル減算器５０４は、数式１１の演算結果から、相互
相関値演算器５０２により演算された相互相関値、すな
わち（Ｓｓ_iＣｄ_i＋Ｓｓ_qＣｄ_q）および（Ｓｓ_qＣｄ_i−
Ｓｓ_iＣｄ_q）をベクトル減算してもよい。

【００５１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、サーチコードを拡散させるための拡散コードを生
成する生成手段と、サーチコードを受信したタイミング
を通知するタイミング通知手段と、タイミング通知手段
により通知された時に、拡散コードを用いて受信信号か
らサーチコードを減算する減算手段とを備えたので、非
直交成分となるサーチコードが個別物理チャネルに与え
る干渉を除去することができる。

【００５２】また、本発明によれば、サーチコードを拡
散させるための第１拡散コードを生成する第１拡散コー
ド生成手段と、サーチコード以外の信号を拡散させるた
めの第２拡散コードを生成する第２拡散コード生成手段
と、第１拡散コードと第２拡散コードとの相互相関値を
演算する相互相関値演算手段と、サーチコードを受信し
たタイミングを通知するタイミング通知手段と、タイミ
ング通知手段により通知された時に、相互相関値を用い
て受信信号からサーチコードをベクトル減算するベクト
ル減算手段とを備えので、非直交成分となるサーチコー
ドが個別物理チャネルに与える干渉を除去することがで
きる。

【００５３】さらに、本発明によれば、タイミング通知
手段は、複数のパスのうちいずれかのパスにおいてサー
チコードを受信したタイミングを減算手段またはベクト
ル減算手段に通知するので、あるパスのサーチコードが
その他のパスの個別物理チャネルに与える干渉をも除去
することができる。

【００５４】さらにまた、本発明によれば、各パスの受
信レベルを測定する手段をさらに備え、減算手段は、各
パスの受信レベルに応じて、拡散コードを用いて受信信
号からサーチコードを減算するので、各パスの受信レベ
ルが異なる場合においても、受信レベルに応じて干渉を
除去することができる。

【００５５】さらにまた、本発明によれば、各パスの受
信レベルを測定する手段をさらに備え、ベクトル減算手
段は、各パスの受信レベルに応じて、相互相関値を用い
て受信信号からサーチコードをベクトル減算するので、
各パスの受信レベルが異なる場合においても、受信レベ
ルに応じて干渉を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術によるＣＤＭＡ無線通信方式における
物理チャネルの信号フォーマットの一例を示す図であ
る。

【図２】ＣＤＭＡ移動通信方式の無線通信装置における
拡散コード生成装置の構成の一例を示す図である。

【図３】ＣＤＭＡ移動通信方式の無線通信装置における
拡散装置の構成の一例を示す図である。

【図４】本発明の第１実施形態が適用されるＣＤＭＡ移
動通信方式の無線通信装置の構成の一例を示す図であ
る。

【図５】本発明の第２実施形態が適用されるＣＤＭＡ移
動通信方式の無線通信装置の構成の一例を示す図であ
る。

【符号の説明】

２００ 拡散コード生成装置 ２０２ ショートコード生成器 ２０４ 同相成分用ロングコード生成器 ２０６ 直交成分用ロングコード生成器 ２０８ Ｃ_i演算部 ２１０ Ｃ_q演算部 ３００ 拡散装置 ３０２ 排他的論理和演算器 ３０４ Ｓ_i演算部 ３０６ Ｓ_q演算部 ４００ ５００ ＣＤＭＡ無線通信装置 ４０２ アンテナ ４０４ Ａ／Ｄコンバータ ４０６ 逆拡散器 ４０８ 検波器 ４１０ ＲＡＫＥ合成器 ４１２ 受信タイミング制御部 ４１４ サーチコード用ショートコード生成器 ４１６ Ｓｓ_i演算器 ４１８ Ｓｓ_q演算器 ４２０ Ｓｓ_i減算器 ４２２ Ｓｓ_q減算器 ４２４ 拡散コード生成器 ５０２ 相互相関値演算器 ５０４ ベクトル減算器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 真資 東京都港区虎ノ門二丁目10番１号 エヌ・ ティ・ティ移動通信網株式会社内 Ｆターム(参考） 5K022 EE02 EE32 EE35 5K028 AA02 BB04 CC05 DD01 DD02 KK12 MM16 5K059 CC03 CC07 DD31 EE02 5K067 AA02 CC00 CC10 DD25 EE02 GG11 HH00 HH21 JJ71

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＣＤＭＡ無線通信装置において、 サーチコードを拡散させるための拡散コードを生成する
   生成手段と、 前記サーチコードを受信したタイミングを通知するタイ
   ミング通知手段と、 該タイミング通知手段により通知された時に、前記拡散
   コードを用いて受信信号から前記サーチコードを減算す
   る減算手段とを備え、前記サーチコードが個別物理チャ
   ネルに与える干渉を除去することを特徴とするＣＤＭＡ
   無線通信装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のＣＤＭＡ無線通信装置
   において、 前記タイミング通知手段は、複数のパスのうちいずれか
   のパスにおいてサーチコードを受信したタイミングを前
   記減算手段に通知することを特徴とするＣＤＭＡ無線通
   信装置。
3. 【請求項３】 ＣＤＭＡ無線通信装置において、 サーチコードを拡散させるための第１拡散コードを生成
   する第１拡散コード生成手段と、 サーチコード以外の信号を拡散させるための第２拡散コ
   ードを生成する第２拡散コード生成手段と、 前記第１拡散コードと前記第２拡散コードとの相互相関
   値を演算する相互相関値演算手段と、 前記サーチコードを受信したタイミングを通知するタイ
   ミング通知手段と、 該タイミング通知手段により通知された時に、前記相互
   相関値を用いて受信信号から前記サーチコードをベクト
   ル減算するベクトル減算手段とを備え、前記サーチコー
   ドが個別物理チャネルに与える干渉を除去することを特
   徴とするＣＤＭＡ無線通信装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載のＣＤＭＡ無線通信装置
   において、 前記タイミング通知手段は、複数のパスのうちいずれか
   のパスにおいてサーチコードを受信したタイミングを前
   記ベクトル減算手段に通知することを特徴とするＣＤＭ
   Ａ無線通信装置。
5. 【請求項５】 ＣＤＭＡ無線通信方法において、 サーチコードを拡散させるための拡散コードを生成する
   生成ステップと、 前記サーチコードを受信したタイミングを通知するタイ
   ミング通知ステップと、 該タイミング通知ステップにより通知された時に、前記
   拡散コードを用いて受信信号から前記サーチコードを減
   算する減算ステップとを備え、前記サーチコードが個別
   物理チャネルに与える干渉を除去することを特徴とする
   ＣＤＭＡ無線通信方法。
6. 【請求項６】 請求項５に記載のＣＤＭＡ無線通信方法
   において、 前記タイミング通知ステップは、複数のパスのうちいず
   れかのパスにおいてサーチコードを受信したタイミング
   を前記減算ステップに通知することを特徴とするＣＤＭ
   Ａ無線通信方法。
7. 【請求項７】 ＣＤＭＡ無線通信方法において、 サーチコードを拡散させるための第１拡散コードを生成
   する第１拡散コード生成ステップと、 サーチコード以外の信号を拡散させるための第２拡散コ
   ードを生成する第２拡散コード生成ステップと、 前記第１拡散コードと前記第２拡散コードとの相互相関
   値を演算する相互相関値演算ステップと、 前記サーチコードを受信したタイミングを通知するタイ
   ミング通知ステップと、 該タイミング通知ステップにより通知された時に、前記
   相互相関値を用いて受信信号から前記サーチコードをベ
   クトル減算するベクトル減算ステップとを備え、前記サ
   ーチコードが個別物理チャネルに与える干渉を除去する
   ことを特徴とするＣＤＭＡ無線通信方法。
8. 【請求項８】 請求項７に記載のＣＤＭＡ無線通信方法
   において、 前記タイミング通知ステップは、複数のパスのうちいず
   れかのパスにおいてサーチコードを受信したタイミング
   を前記ベクトル減算ステップに通知することを特徴とす
   るＣＤＭＡ無線通信方法。
9. 【請求項９】 請求項１に記載のＣＤＭＡ無線通信装置
   において、 各パスの受信レベルを測定する手段をさらに備え、 前記減算手段は、各パスの該受信レベルに応じて、前記
   拡散コードを用いて受信信号から前記サーチコードを減
   算することを特徴とするＣＤＭＡ無線通信装置。
10. 【請求項１０】 請求項３に記載のＣＤＭＡ無線通信装
    置において、 各パスの受信レベルを測定する手段をさらに備え、 前記ベクトル減算手段は、各パスの該受信レベルに応じ
    て、前記相互相関値を用いて受信信号から前記サーチコ
    ードをベクトル減算することを特徴とするＣＤＭＡ無線
    通信装置。
11. 【請求項１１】 請求項５に記載のＣＤＭＡ無線通信方
    法において、 各パスの受信レベルを測定するステップをさらに備え、 前記減算ステップは、各パスの該受信レベルに応じて、
    前記拡散コードを用いて受信信号から前記サーチコード
    を減算することを特徴とするＣＤＭＡ無線通信方法。
12. 【請求項１２】 請求項７に記載のＣＤＭＡ無線通信方
    法において、 各パスの受信レベルを測定するステップをさらに備え、 前記ベクトル減算ステップは、各パスの該受信レベルに
    応じて、前記相互相関値を用いて受信信号から前記サー
    チコードをベクトル減算することを特徴とするＣＤＭＡ
    無線通信方法。