JP2001215816A - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】第１の印写手段にて加熱定着が施された記録材
上に、第２トナー像を良好に転写させることが可能な印
刷装置を提供する。 【解決手段】第１の印写手段(1a,2a,3a,4a,6a)から送り
出された記録材(5)の含水率に基づき、第２の印写手段
(1b,2b,3b,4b,6b)における転写手段の転写条件を調節す
る転写条件調節手段を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、２つ以上の印写手
段を用いて記録材上にトナー像を形成する印刷装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】２つ以上の印写手段を用いて用紙等の記
録材上にトナー像を形成する印刷装置には、第１の印写
手段によって記録材上に形成された第１トナー像と、第
２の印写手段によって前記記録材上に形成された第２ト
ナー像とを１箇所に設けられた定着手段で一括して記録
材に定着させる構成の印刷装置（以下、「一括定着方式
印刷装置」と称する。）と、各印写手段に定着手段を備
えさせ、第１の印写手段によって記録材上に形成された
第１トナー像は第１の印写手段に設けられた定着手段で
記録材に定着させ、続く第２の印写手段によって前記記
録材上に形成された第２トナー像は第２の印写手段に設
けられた定着手段で記録材に定着させるように構成した
印刷装置（以下、「独立定着方式印刷装置」と称す
る。）とが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、一括定着方式
印刷装置の場合は、定着装置を１つにできるので定着部
の構成を簡素化できる。しかし、静電気力によって記録
材上に保持された未定着状態の第１トナー像を乗せたま
ま、記録材を第２の印写手段へ送り込むこととなるた
め、途中で第１トナー像が乱されぬようトナーの帯電状
態や搬送パスの構成等に配慮が必要となる。

【０００４】一方、独立定着方式印刷装置の場合は、ト
ナー像が記録材に転写された後にその都度、定着させて
行くので、一括定着方式印刷装置の場合のような第１ト
ナー像の乱れは発生しにくくなる。

【０００５】ところが、独立定着方式印刷装置の場合、
第２の印写手段への送り込みに先立ち、記録材は第１ト
ナー像を定着させるため第１の印写手段の定着手段にて
一度、加熱工程を経ているため記録材の含水率が減少し
た状態となっている。従って、第２の印写手段にて第２
トナー像を記録材に転写させる際に、記録材の単位面積
当りに供給されるコロナ放電量が過剰となり、印刷品質
を低下させてしまうという問題が生じていた。

【０００６】本発明の目的は、第１の印写手段にて加熱
定着が施された記録材上に、第２トナー像を良好に転写
させることが可能な印刷装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、トナー像
を保持する像保持体と、前記像保持体に形成されたトナ
ー像を記録材に転写させる転写手段と、前記トナー像が
転写された記録材に少なくとも加熱作用を付与し、前記
トナー像を前記記録材に定着させる定着手段とを備えた
第１の印写手段と、前記第１の印写手段に対し記録材搬
送方向下流側に設けられ、前記第１の印写手段と同様に
像保持体、転写手段および定着手段とを備えてなる第２
の印写手段とを有する印刷装置において、前記第１の印
写手段から送り出された記録材の含水率に基づき、前記
第２の印写手段における転写手段の転写条件を調節する
転写条件調節手段を備えることにより達成される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
用いて説明する。

【０００９】図１において、１ａは像保持体となる感光
体ドラムである。感光体ドラム１ａはコントローラ（図
示せず）からの印刷動作開始信号に基づいて矢印方向に
回転を始める。感光体ドラム１ａが回転を開始すると、
コロナ帯電器２ａに高電圧が印加され、感光体ドラム表
面は予め決められた正または負の極性の電荷によって均
一に帯電される。

【００１０】帯電した感光体ドラム表面は、半導体レー
ザや発光ダイオードなどの光源から出力された光によっ
て照射され、感光体ドラム１ａ表面には静電潜像が形成
される。この静電潜像を保持した感光体ドラム領域が現
像装置３ａと対向する位置に到達すると、静電潜像には
トナーが供給され、感光体ドラム１ａ上にトナー像が形
成される。そして、感光体ドラム１ａ上に形成されたト
ナー像は、転写器４ａによって記録材となる用紙５に転
写される。

【００１１】６ａは定着装置であり、例えばヒータラン
プ（図示せず）を備えた加熱ローラと、加熱ローラに圧
接する加圧ローラとから構成されており、トナー像を保
持した用紙５は、前記加熱ローラおよび加圧ローラ間を
通過することにより両ローラが形成するニップ部で加熱
加圧され、トナー像は用紙５に溶融定着される。

【００１２】なお、以下の説明においては、感光体ドラ
ム１ａ、コロナ帯電器２ａ、現像装置３ａ、転写器４ａ
および定着装置６ａからなる装置部分を便宜上、第１の
印写手段と称することとする。

【００１３】また、図１において、１ｂは像保持体とな
る感光体ドラム、２ｂはコロナ帯電器、３ｂは現像装
置、４ｂは転写器、６ｂは定着装置であり、上述の第１
の印写手段のものと同様に機能している。

【００１４】なお、以下の説明においては、感光体ドラ
ム１ｂ、コロナ帯電器２ｂ、現像装置３ｂ、転写器４ｂ
および定着装置６ｂからなる装置部分を便宜上、第２の
印写手段と称することとする。

【００１５】ところで、先に述べたように、この種の独
立定着方式印刷装置の場合は、第２の印写手段への送り
込みに先立ち、用紙５は第１トナー像を定着させるため
第１の印写手段の定着装置６ａにて加熱工程を経ている
ため、図２に示すように用紙の含水率が激減した状態と
なっており、第２の印写手段にて第２トナー像を用紙５
に転写させる際、用紙単位面積当りに供給されるコロナ
放電量が過剰となり、印刷品質を低下させてしまう。

【００１６】そこで、本発明においては、図３に示すよ
うに印刷に使用する用紙の含水率に基づいて転写器のコ
ロトロンワイヤに流す転写電流値を調節し、これにより
用紙単位面積当りのコロナ放電量を安定させるようにし
ている。

【００１７】その結果、図４に示すように用紙の単位面
積当りに供給されるコロナ放電量を転写効率の高い領域
に設定することができ、第１の印写手段の定着装置６ａ
での加熱加圧により用紙の含水率が激減したとしても、
第２の印写手段での良好な印刷品質を確保することが可
能となる。ここで、転写条件調節手段は、予め実験から
得られた用紙サイズ、用紙連量、用紙含水率、転写電流
値および転写効率との関係のデータを記憶させておき、
使用する用紙の用紙サイズや用紙連量に関するデータが
入力されると、それに適した転写電流値がセットされる
ように構成されたり、あるいはディップスイッチ等をマ
ニュアル調整し、転写電流を最適値にセットするように
構成するなど、種々構成によって達成されるものであ
る。

【００１８】なお、第1の印写手段と第２の印写手段の
配置構成については、図１において破線Ａで示すように
第1の印写手段を独立した１台目の印刷装置として構成
するとともに、破線Ｂで示すように第２の印写手段を独
立した２台目の印刷装置として構成し、２台の印刷装置
からなる印刷システムとして構成してもよいし、また、
破線Ｃで示すように第１の印写手段と第２の印写手段と
を同一の筐体内に設け、１台の印刷装置の中に２つの印
写手段を備えた構成としてもよい。

【００１９】また、上記実施例においては、第１の印写
手段と第２の印写手段を、用紙の片面にトナー像を形成
するように配置した構成に基づき説明したが、いずれか
一方の印写手段の位置を用紙面に対し逆にし、一方の印
写手段で用紙の表側の面に印刷を行い、他方の印写手段
で用紙の裏側の面に印刷を行うようにしてもよい。

【００２０】さらに、印写手段は２つに限らず、印写手
段の数を増やし、多色印刷用に展開させてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、第１
の印写手段にて加熱定着が施された記録材上に、第２ト
ナー像を良好に転写させることが可能な印刷装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の印刷装置の概略構成図。

【図２】定着前と定着後における用紙含水率の様子を示
す説明図。

【図３】用紙含水率と転写条件との関係を示す説明図。

【図４】コロナ放電量と転写効率との関係を示す説明
図。

【符号の説明】

１ａ,１ｂ…感光体ドラム、２ａ,２ｂ…コロナ帯電器、
３ａ,３ｂ…現像装置、４ａ,４ｂ…転写器、５…用紙、
６ａ,６ｂ…定着装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 勝弘 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 片山 浩平 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 Ｆターム(参考） 2H027 DC02 DC04 DC05 EA03 EA11 EB06 ED16 ED24 ED25 2H032 AA02 AA15 BA05 BA13 BA21 BA23 CA02 CA12

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナー像を保持する像保持体と、前記像保
   持体に形成されたトナー像を記録材に転写させる転写手
   段と、前記トナー像が転写された記録材に少なくとも加
   熱作用を付与し、前記トナー像を前記記録材に定着させ
   る定着手段とを備えた第１の印写手段と、前記第１の印
   写手段に対し記録材搬送方向下流側に設けられ、前記第
   １の印写手段と同様に像保持体、転写手段および定着手
   段とを備えてなる第２の印写手段とを有する印刷装置に
   おいて、前記第１の印写手段から送り出された記録材の
   含水率に基づき、前記第２の印写手段における転写手段
   の転写条件を調節する転写条件調節手段を備えたことを
   特徴とする印刷装置。