JP2001214966A - 変速比無限大無段変速機の変速比調整方法 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の変速比調整方法

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JP2001214966A
JP2001214966A JP2000024266A JP2000024266A JP2001214966A JP 2001214966 A JP2001214966 A JP 2001214966A JP 2000024266 A JP2000024266 A JP 2000024266A JP 2000024266 A JP2000024266 A JP 2000024266A JP 2001214966 A JP2001214966 A JP 2001214966A
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ratio
variable transmission
continuously variable
transmission mechanism
speed ratio
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JP2000024266A
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Hiromasa Sakai
弘正 酒井
Hisaaki Higashijima
尚秋 東島
Yasushi Narita
靖史 成田
Motoharu Nishio
元治 西尾
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギアードニュートラルポイントにおけるユニ
ット変速比のバラツキを抑制する。 【解決手段】 変速比無限大無段変速機を運転した状態
で、ステップモータを予め設定したギアードニュートラ
ルポイント指令位置へ駆動してから、実際の傾転角φが
ギアードニュートラルポイントGNPを挟んで予め設定
した調整範囲±β内となるように変速リンクと連結部材
の相対位置関係を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる変速比無限大無段変速機の変速比調整方法の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式
やトロイダル型の無段変速機構が知られており、このよ
うな無段変速機構の変速領域をさらに拡大するために、
無段変速機構に一定変速機構と遊星歯車機構を組み合わ
せて変速比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無
段変速機が知られている。
【0003】これは、エンジンに連結される変速比無限
大無段変速機のユニット入力軸に、変速比を連続的に変
更可能な無段変速機構と、一定変速機構(減速機構)を
並列的に連結するとともに、これらの出力軸を遊星歯車
機構で結合したもので、無段変速機構の出力を遊星歯車
機構のサンギアに、一定変速機構の出力軸は動力循環モ
ードクラッチを介して遊星歯車機構のキャリアに連結す
る。
【0004】そして、サンギアと連結した無段変速機構
の出力軸は、直結モードクラッチを介して変速比無限大
無段変速機の出力軸であるユニット出力軸と選択的に結
合される一方、遊星歯車機構のリングギアはユニット出
力軸に結合される。
【0005】このような変速比無限大無段変速機では、
図10に示すように、動力循環モードクラッチを締結す
る一方、直結モードクラッチを解放することにより、無
段変速機構と一定変速機構の変速比の差に応じて、ユニ
ット変速比(以下、IVT比iiでユニット入力軸回転
数/ユニット出力軸回転数)を負の値から正の値まで無
限大(1/ii=0でギアードニュートラルポイントG
NPという)を含んで連続的に変速制御を行う動力循環
モードと、動力循環モードクラッチを解放する一方、直
結モードクラッチを締結して無段変速機構の変速比ic
に応じて変速制御を行う直結モードの2つの運転モード
を選択的に使用することができる。なお、動力循環モー
ドと直結モードの切り換えは、例えば、図10に示した
回転同期点RSPなどで、締結するクラッチを切り換え
ることで行われる。
【0006】無段変速機構を組み立てる際には、各構成
部品の寸法公差のバラツキや、組み付け精度のバラツキ
に起因するCVT比icのずれなどを吸収するため、予
め設定した変速比において、無段変速機構の変速比が所
定の範囲となるように調整を行っており、例えば、特開
平7−293654号公報に開示されるようなトロイダ
ル型無段変速機では、図11に示すように、ステップモ
ータへの指令位置STEPを、発進開始時=変速開始時
に使用する最大変速比側のLo指令位置に設定したと
き、変速比(≒パワーローラの傾転角φで、換言すれば
実際のCVT比ic)がLo傾転角に設定された調整範
囲内で、ノミナル(設計値)に近づくように調整を行っ
て、変速機の個体差を抑制している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10に示
したように、変速比無限大無段変速機では、ギアードニ
ュートラルポイントGNPが、CVT比icの最大変速
比と最小変速比の途中にあり、車両の停止時にはステッ
プモータをギアードニュートラルポイントGNPに対応
した位置となるように駆動して、IVT比iiを無限大
にしてエンジンから駆動輪までを連結した状態で停止可
能にしている。
【0008】そして、車両の発進時にはCVT比icを
ギアードニュートラルポイントGNPから変化させるこ
とで、前進または後進を開始する。
【0009】しかしながら、変速比無限大無段変速機の
変速比の調整を、図11に示したように、上記従来の無
段変速機と同様に、CVT比icが大側のLo指令位置
でLo傾転角に設定された調整範囲内に調整した場合、
このLo傾転角からギアードニュートラルポイントGN
Pまで傾転角φを変化させると、ステップモータへの指
令値に対するパワーローラの傾転角φは、加工精度や組
み付け精度のバラツキによって、調整を行ったLo傾転
角よりもGNP傾転角における傾転角のバラツキが調整
範囲よりも大きくなってしまう。なお、トロイダル型無
段変速機では、パワーローラを支持するトラニオンの傾
き等によって、ステップモータへの指令位置に対して傾
転角φがずれてしまう。
【0010】このため、ギアードニュートラルポイント
GNPが調整範囲を超えて設定されると、アイドル回転
数で停車する場合にエンジンがストールしたり、エンジ
ン負荷が大きくなって燃費が悪化したり、クリープトル
クの制御を正確に行うことができないという問題があっ
た。
【0011】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、無段変速機構の組み付け精度や加工精度の
バラツキに起因する変速比のバラツキを抑制するととも
に、変速比無限大無段変速機のギアードニュートラルポ
イントGNPを高精度で実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、変速比を
連続的に変更可能な無段変速機構と一定変速機構とをユ
ニット入力軸にそれぞれ連結するとともに、無段変速機
構と一定変速機構の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モ
ードクラッチ及び直結モードクラッチを介してユニット
出力軸に連結した変速比無限大無段変速機において、変
速比無限大無段変速機を運転した状態で、実際の変速比
がギアードニュートラルポイントを挟んで予め設定した
調整範囲内となるように調整する。
【0013】また、第2の発明は、変速比を連続的に変
更可能な無段変速機構と一定変速機構とをユニット入力
軸にそれぞれ連結するとともに、無段変速機構と一定変
速機構の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッ
チ及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連
結した変速比無限大無段変速機と、前記無段変速機の変
速機構を駆動する油圧シリンダと、前記油圧シリンダへ
の油圧を制御する変速制御弁と、前記変速制御弁を駆動
するアクチュエータとを備えた変速比無限大無段変速機
の変速比調整方法において、前記変速比無限大無段変速
機を運転した状態で、前記アクチュエータへの指令位置
を予め設定したギアードニュートラルポイントにしてか
ら、実際の変速比がギアードニュートラルポイントを挟
んで予め設定した調整範囲内となるように前記アクチュ
エータと変速制御弁の相対位置関係を調整する。
【0014】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記実際の変速比がギアードニュートラルポイン
トを挟んで予め設定した調整範囲内となるよう、前記メ
カニカルフィードバック手段を調整するときには、ユニ
ット出力軸が停止状態となるように設定する。
【0015】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、変速比無限
大無段変速機の総変速比(IVT比ii)が無限大とな
るギアードニュートラルポイントが、無段変速機構の最
大変速比と最小変速比の間に設定されている場合、無段
変速機構の変速比(CVT比ic)の調整を、アクチュ
エータへの指令値がギアードニュートラルポイントとし
たきに、実際の変速比を予め設定したギアードニュート
ラルポイントの調整範囲内へ調整しておくことで、変速
比無限大無段変速機が変速制御を開始する初期状態で調
整を行うことができ、ギアードニュートラルポイントの
ときに、変速比無限大無段変速機の総変速比のバラツキ
が最小になって、動力循環モードクラッチを締結したま
まで停車する場合では、エンジンのストールやエンジン
負荷の増大を防止でき、また、発進する際には、クリー
プトルクの制御を高精度で行うことが可能となって、変
速比無限大無段変速機の品質を確保することができる。
【0016】また、第2の発明は、アクチュエータへの
指令値がギアードニュートラルポイントのときに、アク
チュエータと変速制御弁の相対位置関係を実際の変速比
がギアードニュートラルポイントを挟んで予め設定した
調整範囲内となるように調整することで、変速制御を開
始する初期状態で変速比無限大無段変速機の総変速比の
バラツキが最小になり、動力循環モードクラッチを締結
したままで停車する場合では、エンジンのストールやエ
ンジン負荷の増大を防止でき、また、発進する際には、
クリープトルクの制御を高精度で行うことが可能となっ
て、変速比無限大無段変速機の品質を確保することがで
きる。
【0017】また、第3の発明は、ギアードニュートラ
ルポイントを挟んで予め設定した調整範囲内となるよう
にアクチュエータと変速制御弁の相対位置関係を調整す
るときには、ユニット出力軸が停止状態となるように設
定することで、ギアードニュートラルポイントにおける
停車を正確に実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0019】図1に示すように、変速比無限大無段変速
機は無段変速機構2としてトロイダル型を用いた一例を
示しており、エンジンと連結したユニット入力軸1に、
変速比を連続的に変更可能な無段変速機構2と、ギア3
a、ギア3bから構成された一定変速機構3(減速機)
を並列的に連結するとともに、これらの出力軸4、3c
をユニット出力軸6上で同軸的に配設するとともに、遊
星歯車機構5で連結したものである。
【0020】ユニット出力軸6に配置した無段変速機構
2の出力軸4は、遊星歯車機構5のサンギア5aと直結
モードクラッチ10にそれぞれ連結され、また、一定変
速機構3の出力軸3cは、動力循環モードクラッチ9を
介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結される。
【0021】サンギア5aと連結した無段変速機出力軸
4は、スプロケット4a及びチェーン4bから無段変速
機構2の駆動力を受け、直結モードクラッチ10を介し
て変速比無限大無段変速機の出力軸であるユニット出力
軸6と選択的に結合される。
【0022】一方、動力循環モードクラッチ9を介して
一定変速機構3の出力軸3cと選択的に結合するキャリ
ア5bは、リングギア5cを介してユニット出力軸6に
連結される。
【0023】ユニット出力軸6には変速機出力ギア7が
設けられ、この変速機出力ギア7はディファレンシャル
ギア8のファイナルギア12と歯合し、ディファレンシ
ャルギア8に結合する駆動軸11は、所定のIVT比i
iで駆動力が伝達される。
【0024】無段変速機構2は、図1〜図4に示すよう
に、2組の入力ディスク21、出力ディスク22で、パ
ワーローラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブル
キャビティのハーフトロイダル型で構成され、一対の出
力ディスク22の間に介装された出力スプロケット2a
は、チェーン4bを介してユニット入力軸1と平行して
配置されたユニット出力軸6の無段変速機出力軸4に形
成したスプロケット4aと連結する。
【0025】また、ユニット入力軸1とCVTシャフト
1bは、図示しないローディングカム装置を介して回転
方向で結合しており、ユニット入力軸1はエンジン91
と結合されるとともに、一定変速機構3のギア3aを形
成し、CVTシャフト1bは2組の入力ディスク21、
21に連結されて、ユニット入力軸1からの入力トルク
に応じて、ローディングカム装置が発生した軸方向の押
圧力によって、パワーローラ20、20を入出力ディス
ク21、22の間で挟持、押圧する。
【0026】この変速比無限大無段変速機では、図10
にも示したように、動力循環モードクラッチ9を解放す
る一方、直結モードクラッチ10を締結して無段変速機
構2のCVT比icに応じて駆動力を伝達する直結モー
ドと、動力循環モードクラッチ9を締結する一方、直結
モードクラッチ10を解放することにより、無段変速機
構2と、一定変速機構3の変速比の差に応じて、変速比
無限大無段変速機全体のIVT比iiを負の値から正の
値まで無限大を含んでほぼ連続的に制御を行う動力循環
モードとを選択的に使用することができる。
【0027】そして、IVT比iiが無限大となる動力
循環モードのギアードニュートラルポイントGNPで
は、停車状態からIVT比iiを変更することで、車両
の発進を行うことができる。
【0028】また、上記動力循環モードと直結モードの
切り換えは、図10の変速マップに示すように、無段変
速機構2の出力軸4と、一定変速機構3の出力軸3cの
回転数が一致する回転同期点RSPで行われる。
【0029】図1〜図5において、入出力ディスク2
1、22の対向面にはパワーローラ20、20が狭持さ
れ、パワーローラ20はトラニオン23(ローラ支持部
材)に軸支されており、トラニオン23の下部に設けた
軸部23Aは、油圧シリンダ30に連結されて軸方向
(図中Z軸方向)へ駆動されるとともに、軸まわりで回
動自在に支持されて、パワーローラ20の傾転角φ(≒
変速比、以下同様)を連続的に変更する。
【0030】パワーローラ20を支持する複数のトラニ
オン23のうち、一つの軸部23Aには、パワーローラ
20の傾転角φとトラニオン23の軸方向変位を変速制
御弁17に伝達するためプリセスカム35が配設され
る。
【0031】トラニオンの軸部23Aの下端には、軸方
向変位及び軸まわり変位(傾転角)を、フィードバック
リンク54(フィードバック部材)へ伝達するためのプ
リセスカム35が形成されて、このプリセスカム35に
形成されたカム面35Aが、フィードバックリンク54
に設けた係合部材55aを案内する。
【0032】フィードバックリンク54は、一端でプリ
セスカム35と係合する一方、他端で変速リンク19と
係合しており、図4に示すように、図中X軸方向に延設
されたアーム55と、同じくZ軸方向に延設されたアー
ム56を筒状部材57により一体的に結合したL字状の
部材で形成され、アーム55の端部にプリセスカム35
と係合する係合部材55aを突設する一方、アーム56
の下端には変速リンク19の係合部90と係合するボー
ル58が固設される。なお、係合部90はX−Y平面内
でほぼコの字状に形成され、内周でボール58と摺接す
る。
【0033】そして、フィードバックリンク54は、筒
状部材57の内周に挿通された揺動軸60で、Y軸回り
に揺動自在に支持されて、他端に設けたボール58を図
中X軸方向へ変位させる。
【0034】このボール58は、車両の前進時に油圧シ
リンダ30への作動油の吸排を行う変速制御弁17と、
ステップモータ50(アクチュエータ)とを連結する変
速リンク19の一端に形成された係合部90と係合す
る。
【0035】一方、変速リンク19の他端には、減速機
構51を介してアクチュエータとしてのステップモータ
50により軸方向へ駆動されるスライダ52に突設した
ピン52aと係合する係合部91が形成される。
【0036】さらに、変速リンク19の途中の所定の位
置では、図2、図4、図5に示すように、連結部材53
のピン53aを介して変速制御弁17の内周を摺動する
スプール18のロッド80が連結される。こうして、プ
リセスカム35からボール58を介して変速リンク19
と連結したメカニカルフィードバック手段によって、パ
ワーローラ20の傾転角φ、換言すれば実際のCVT比
icが変速制御弁17に伝達され、また、ステップモー
タ50の位置に応じて変速制御弁17が駆動される。
【0037】ここで、ロッド80と連結部材3には、変
速制御弁17のスプール18と変速リンク19の相対位
置関係を調整して、ステップモータ50のステップ数S
TEPと、実際のCVT比icまたはIVT比iiの相
対関係を設定する調整部材が配設される。
【0038】この調整部材は、図2、図4、図5に示す
ように、ロッド80の端部に設けたネジ部80aが、連
結部材53に形成したネジ穴に螺合するとともに反対側
へ貫通し、この貫通したネジ部80aに螺合したロック
ナット53cによって、ロッド80と連結部材53が結
合され、連結部材53から突設したピン53aを介して
変速リンク19とロッド80が揺動可能に連結される。
【0039】なお、連結部材53を貫通したネジ部80
aの端面には、図2、図4、図5に示すように、レンチ
等の工具と係合可能な孔部80bが形成され、変速比の
調整(傾転角φの調整、以下同様)時にはロックナット
53cを緩めてから、この孔部80bへレンチを差し込
んで回転させることにより、ネジ部80aを介して連結
部材53に螺合したロッド80及びスプール18が軸方
向へ変位し、スプール18と連結部材53の相対位置関
係を変更することで調整が行われる。なお、この孔部8
0bは、例えば、6角穴などで形成される。
【0040】さらに、連結部材53と変速制御弁17の
ボディとの間には、変速リンク19の係合部90、91
とボール58やピン53aとのガタ、あるいはフィード
バックリンク54のガタを排除してフィードバック制御
を正確に行うため、連結部材53と平行してスプリング
81が配設される。
【0041】ここで、図2、図3において、パワーロー
ラ20がLo側へ傾転すると、トラニオンの軸部23A
に取り付けられたプリセスカム35も図中Lo側へ回動
して係合部材55aを下降させる一方、プリセスカム3
5がHi側へ回動すると係合部材55aは上昇して、他
端のボール58と連結した変速リンク19はパワーロー
ラ20の傾転に応じて図中LoまたはHi側へ駆動され
る。
【0042】したがって、ステップモータ50が図示し
ないコントローラからの目標変速比に応じてスライダ5
2を伸縮駆動すると、変速リンク19の一端の変位に応
じてスプール18が移動し、変速制御弁17の供給圧ポ
ート17Pを、ポート17Aまたはポート17Bの一方
に連通させて、油圧シリンダ30のHi側またはLo側
の油室30A、30Bに圧油を供給してトラニオン23
を軸方向へ駆動する。なお、供給圧ポート17Pと連通
しないポート17Aまたは17Bは、ドレーンポート1
7Dに連通し、また、ピストン31によって油圧シリン
ダ30内に画成された油室30A、30Bは、図3に示
すように、対向する油圧シリンダ30、30’では、油
室30A、30Bの配置が逆になって、対向するトラニ
オン23、23を逆方向に駆動するよう設定されてい
る。
【0043】パワーローラ20は、トラニオンの軸方向
変位に応じて傾転して変速比を変更し、この傾転運動は
トラニオン23の軸部23A、プリセスカム35、フィ
ードバックリンク54を介して変速リンク19の一端に
伝達され、目標変速比と実際の変速比が一致すると、ス
プール18はポート17A、17B及び供給圧ポート1
7P、ドレーンポート17Dを封止する中立位置に復帰
する。
【0044】次に、図2、図6を参照しながら油圧制御
装置について詳述する。
【0045】まず、油圧制御装置は、油圧ポンプから供
給された油圧が、PLソレノイド75によって制御され
たプレッシャレギュレータ100で所定の圧力に調整さ
れ、ライン圧PLとしてライン圧回路101へ供給され
る。
【0046】そして、ライン圧回路101には、トラニ
オン23を駆動する油圧シリンダ30への流量と供給方
向を制御する変速制御弁17が接続され、変速リンク1
9を介してステップモータ50またはフィードバックリ
ンク54の変位に応じてスプール18が変位し、スプー
ル18の変位量に応じて、ライン圧PLが油圧シリンダ
30の2つの油室30A、30Bのうちの一方へ供給さ
れる。
【0047】また、ライン圧回路101には、直結モー
ドクラッチ10を制御するソレノイド71と、動力循環
モードクラッチ9を制御するソレノイド72が配設され
る。
【0048】ソレノイド71からの信号圧の増大に応じ
て制御弁73は、マニュアルバルブ70からのライン圧
PLを、直結モードクラッチ10へ供給して締結する一
方、ソレノイド71からの信号圧が減少すると制御弁7
3は直結モードクラッチ10をドレーンに接続して解放
する。
【0049】同様に、ソレノイド72からの信号圧の増
大に応じて制御弁74は、シャトル弁121を介して供
給されたマニュアルバルブ70からのライン圧PLを、
動力循環モードクラッチへ供給して締結する一方、ソレ
ノイド72からの信号圧が減少すると、制御弁74は動
力循環モードクラッチ9をドレーンに接続して解放す
る。
【0050】上記ソレノイド71、72によって動力循
環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10のうち
の一方が締結されて、動力循環モードと直結モードが選
択的に切り換えられる。
【0051】ここで、変速制御弁17は、ライン圧回路
101に連通した供給圧ポート17Pと、油圧シリンダ
30の油室30Aと連通したHi側ポート17Aと、油
圧シリンダ30の油室30Bと連通したLo側ポート1
7Bと、2つのドレーンポート17Dが、供給圧ポート
17Pを挟んで設けられており、スプール18の軸方向
変位に応じて、供給圧ポート17PからHi側ポート1
7AまたはLo側ポート17Bのうちの一方にライン圧
PLが調圧されて供給される一方、他方のポートはドレ
ーンポート17Dと連通する。
【0052】すなわち、図2、図6において、スプール
18が中立位置にある場合は、供給圧ポート17P、ド
レーンポート17D、Hi側ポート17A及びLo側ポ
ート17Bはそれぞれ封止されて、油室30A及び油室
30Bの油圧が保持される。
【0053】この中立位置からステップモータ50をH
i側へ駆動すると、まず、図中上方へスプール18が変
位して、供給圧ポート17PとHi側ポート17Aが連
通する一方、Lo側ポート17Bがドレーンポート17
Dと連通し、供給圧ポート17Pの開口量に応じた流量
がHi側ポート17Aを介して油室30Aへ供給され
る。
【0054】逆に、ステップモータ50をLo側へ駆動
すると、中立位置から図中下方へスプール18が変位し
て、供給圧ポート17PとLo側ポート17Bが連通す
る一方、Hi側ポート17Aがドレーンポート17Dと
連通し、供給圧ポート17Pの開口量に応じた流量がL
o側ポート17Bを介して油室30Bへ供給される。
【0055】したがって、スプール18と変速リンク1
9の相対位置関係を連結部材53で調整することによ
り、ステップモータ50の位置とパワーローラの傾転角
φを調整することができるのである。
【0056】次に、トロイダル型の無段変速機構2の調
整は、変速比無限大無段変速機の変速比を運転しなが
ら、変速制御弁17のスプール18と、変速リンク19
の相対位置関係を連結部材53で調整することで行われ
る。
【0057】まず、トロイダル型の無段変速機構2の変
速比を検出するため、トラニオン23の回転角、換言す
れば、パワーローラ20の傾転角φを検出する回転角セ
ンサを配置する。なお、回転角センサは、例えば、図示
しないケーシングのプラグを取り外し、トラニオン23
の上端と結合したロッド等の回転角を測定するセンサで
構成される。
【0058】次に、ユニット入力軸1を原動機に連結
し、ユニット出力軸6を無負荷状態として、原動機を所
定の回転数で駆動するとともに、変速制御弁17への供
給圧が所定値(例えば、ライン圧PL)となるように油
圧制御装置のPLソレノイド75を駆動し、図示しない
変速制御コントロールユニットに前進レンジ(例えば、
Dレンジ)を指令しておく。
【0059】ステップモータ50のステップ数STEP
を最Hi指令位置へ向けて(減少方向)予め設定したス
テップ数α(例えば、制御範囲よりも大きい値)だけ送
り、確実に原点位置で脱調させた後に、図7〜図9に示
すように、傾転角φ(または実CVT比ic)がギアー
ドニュートラルポイントGNPに対応するGNP指令位
置へステップモータ50を駆動する。
【0060】そして、この状態でパワーローラ20の傾
転角φ、またはCVT比icを測定し、図7に示すよう
に、パワーローラの傾転角φがGNP傾転角φ0を中心
として、バラツキ上限であるφ0+βと、バラツキ下限
であるφ0−βによって設定された所定の調整範囲±β
以内で、ユニット出力軸6が停止状態となるように、ス
プール18と連結部材53の相対位置関係を修正する。
【0061】すなわち、スプール18のロッド80を連
結部材53に締結しているロックナット53cを緩めて
から、ネジ部80aの端面に形成された孔部80bへレ
ンチなどを係合させて、連結部材53内周のネジ穴に螺
合したロッド80を回転させることで、連結部材53と
スプール18の相対位置関係を変更し、ステップ数ST
EPがギアードニュートラルポイントGNP指令位置に
おける傾転角φ0を調整し、IVT比iiが無限大とな
ってユニット出力軸6が確実に停止するように設定す
る。
【0062】そして、ネジ部80aを傾転角φのずれに
応じて回転させた後には、再びロックナット53cを締
結して、調整作業を終了する。
【0063】あるいは、CVT比icで調整する場合で
あれば、上記と同様にステップモータ50をGNP指令
位置へ駆動した後、図8に示すように、入力ディスク2
1と出力ディスク22の速度比であるCVT比icを図
示しない回転センサなどによって測定し、このCVT比
icがギアードニュートラルポイントGNPに対応した
値icgから、所定の調整範囲±β1以内で、かつ、ユ
ニット出力軸6が停止状態となるように、スプール18
と連結部材53の相対位置関係を修正する。なお、IV
T比iiで調整することも可能であるが、ギアードニュ
ートラルポイントGNPではユニット出力軸6の回転数
が0に近づくため、回転センサの検出精度が低下するの
で、CVT比icで調整を行う方が、変速比の調整を高
精度で行うことができる。
【0064】こうして、従来の無段変速機構2を用いて
変速比無限大無段変速機を構成する際には、ステップモ
ータ50の指令位置を、ギアードニュートラルポイント
GNPに対応した位置に設定した状態で、無段変速機構
2の変速比または傾転角φを所定の範囲内で、ユニット
出力軸6が停止状態となるように調整することにより、
変速比無限大無段変速機がIVT比iiの制御を開始す
る初期状態で調整を行うことができ、変速比無限大無段
変速機のIVT比iiとステップ数STEPの関係は図
9に示すようになり、ステップ数STEP=GNP指令
位置のときに、IVT比ii及びCVT比icのバラツ
キが最小になって、動力循環モードクラッチ9を締結し
たままで停車する場合では、エンジンのストールやエン
ジン負荷の増大を防止でき、また、発進する際には、ク
リープトルクの制御を高精度で行うことが可能となっ
て、変速比無限大無段変速機の品質を確保することがで
きるのである。
【0065】なお、図7〜図9において、ステップモー
タのステップ数STEPがGNP指令位置から遠ざかる
につれて、ノミナル(設計値)とバラツキ上限または下
限の偏差が大きくなるが、ノミナルに対してIVT比i
iまたはCVT比icの偏差が大きくなる領域は車両の
走行中に使用される領域であるため、変速比が多少ずれ
ても運転者に与える違和感は、ギアードニュートラルポ
イントGNPに比してはるかに小さなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、変速比無限大無段
変速機の概略構成図。
【図2】同じくトロイダル型無段変速機構の底面を示す
概略構成図。
【図3】同じくトラニオンとプリセスカムの関係を示す
概念図。
【図4】同じく変速リンクの斜視概念図。
【図5】バルブボディの側面図。
【図6】油圧制御装置の要部回路図。
【図7】ステップモータのステップ数STEPとパワー
ローラの傾転角φの関係を示すグラフ。
【図8】ステップモータのステップ数STEPとCVT
比icの関係を示すグラフ。
【図9】ステップモータのステップ数STEPと速度比
(1/IVT比ii)の関係を示すグラフ。
【図10】IVT比iiの逆数とCVT比icの関係を
示すマップ。
【図11】従来例を示し、Lo指令位置でCVT比ic
の変速比を調整した場合のステップ数STEPとパワー
ローラの傾転角φの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
2 無段変速機構 3 一定変速機構 4 無段変速機出力軸 5 遊星歯車機構 6 ユニット出力軸 9 動力循環モードクラッチ 10 直結モードクラッチ 17 変速制御弁 18 スプール 19 変速リンク 20 パワーローラ 21 入力ディスク 22 出力ディスク 23 トラニオン 23A 軸部 30 油圧シリンダ 30A、30B 油室 35 プリセスカム 50 ステップモータ 53 連結部材 53a ピン 53c ロックナット 54 フィードバックリンク 55a 係合部材 80 ロッド部 80a ネジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 靖史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 西尾 元治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA07 MA09 MA30 NA01 NB01 PA22 PA48 PA53 PA59 PA64 QA24C QB07 RA00 TA01 TB18 VA24Z VA74Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速比を連続的に変更可能な無段変速機
    構と一定変速機構とをユニット入力軸にそれぞれ連結す
    るとともに、無段変速機構と一定変速機構の出力軸を遊
    星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードク
    ラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大
    無段変速機において、 変速比無限大無段変速機を運転した状態で、実際の変速
    比がギアードニュートラルポイントを挟んで予め設定し
    た調整範囲内となるように調整することを特徴とする変
    速比無限大無段変速機の変速比調整方法。
  2. 【請求項2】 変速比を連続的に変更可能な無段変速機
    構と一定変速機構とをユニット入力軸にそれぞれ連結す
    るとともに、無段変速機構と一定変速機構の出力軸を遊
    星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードク
    ラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大
    無段変速機と、 前記無段変速機の変速機構を駆動する油圧シリンダと、 前記油圧シリンダへの油圧を制御する変速制御弁と、 前記変速制御弁を駆動するアクチュエータとを備えた変
    速比無限大無段変速機の変速比調整方法において、 前記変速比無限大無段変速機を運転した状態で、前記ア
    クチュエータへの指令位置を予め設定したギアードニュ
    ートラルポイントにしてから、実際の変速比がギアード
    ニュートラルポイントを挟んで予め設定した調整範囲内
    となるように前記アクチュエータと変速制御弁の相対位
    置関係を調整することを特徴とする変速比無限大無段変
    速機の変速比調整方法。
  3. 【請求項3】 前記実際の変速比がギアードニュートラ
    ルポイントを挟んで予め設定した調整範囲内となるよう
    に、前記アクチュエータと変速制御弁の相対位置関係を
    調整するときには、ユニット出力軸が停止状態となるよ
    うに設定することを特徴とする請求項2に記載の変速比
    無限大無段変速機の変速比調整方法。
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WO2016013441A1 (ja) * 2014-07-23 2016-01-28 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 自動変速機の油圧制御装置
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