JP2001214806A - 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 - Google Patents
内燃機関用ピストンおよびその製造方法Info
- Publication number
- JP2001214806A JP2001214806A JP2000024188A JP2000024188A JP2001214806A JP 2001214806 A JP2001214806 A JP 2001214806A JP 2000024188 A JP2000024188 A JP 2000024188A JP 2000024188 A JP2000024188 A JP 2000024188A JP 2001214806 A JP2001214806 A JP 2001214806A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- outer peripheral
- inner peripheral
- side member
- internal combustion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ピストンの一層の軽量化が可能で、該ピスト
ンの軽量化によってピストンの振動を抑制することによ
り、振動抑制のためのリブ等の補強対策を不要にしてエ
ンジン全体の軽量化を図るとともに、エンジン回転数を
上げることを可能ならしめてエンジンの高出力化を図る
ことができ、さらには騒音の低減をも図ることができる
内燃機関用ピストンおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ピストンピン用孔部31およびピストン
リング用溝部11のピストンストローク方向の両位置
が、少なくとも一部で重複するように、外周側部材10
と内周側部材30とを接合して、ピストン本体1を構成
した。これにより、ピストン本体1の冠面32からピス
トンピン用孔部31までの距離Lが短くなり、ピストン
はコンパクト化かつ軽量化される。
ンの軽量化によってピストンの振動を抑制することによ
り、振動抑制のためのリブ等の補強対策を不要にしてエ
ンジン全体の軽量化を図るとともに、エンジン回転数を
上げることを可能ならしめてエンジンの高出力化を図る
ことができ、さらには騒音の低減をも図ることができる
内燃機関用ピストンおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ピストンピン用孔部31およびピストン
リング用溝部11のピストンストローク方向の両位置
が、少なくとも一部で重複するように、外周側部材10
と内周側部材30とを接合して、ピストン本体1を構成
した。これにより、ピストン本体1の冠面32からピス
トンピン用孔部31までの距離Lが短くなり、ピストン
はコンパクト化かつ軽量化される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダ内で往復動される内燃機関用ピストンおよびその製造
方法に関する。
ダ内で往復動される内燃機関用ピストンおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンに使用される内燃機関用ピスト
ン(以下、単にピストンという)は、エンジンの高出力
化の傾向にともない、シリンダ内で往復動されるときの
往復慣性力を低減するために、一層の軽量化が要求され
る。また、エンジンが高出力化されるとピストンに加え
られる負荷も大きくなることから、ピストンは、所定の
機械的強度を保持していなければならない。したがっ
て、軽量でかつ十分な強度を満足させるために、ピスト
ンの材料としては、例えば種々の元素を添加して強化さ
れたアルミニウム合金が使用されている。
ン(以下、単にピストンという)は、エンジンの高出力
化の傾向にともない、シリンダ内で往復動されるときの
往復慣性力を低減するために、一層の軽量化が要求され
る。また、エンジンが高出力化されるとピストンに加え
られる負荷も大きくなることから、ピストンは、所定の
機械的強度を保持していなければならない。したがっ
て、軽量でかつ十分な強度を満足させるために、ピスト
ンの材料としては、例えば種々の元素を添加して強化さ
れたアルミニウム合金が使用されている。
【0003】一方、ピストンに加えられる負荷は、ピス
トン全体で一様ではなく、例えばピストンの外周面部は
シリンダの内壁面と高速で摺動するとともに、シリンダ
内壁からの反力を直接受けるために、特に大きな強度が
要求される。しかし、ピストンの外周面部等に合わせて
強度の高い材料を全体に使用すれば、少ない材料で済み
軽量化が図れると共にピストンの強度も十分保つことが
できる利点があるものの、材料費が余計にかさむ欠点が
ある。
トン全体で一様ではなく、例えばピストンの外周面部は
シリンダの内壁面と高速で摺動するとともに、シリンダ
内壁からの反力を直接受けるために、特に大きな強度が
要求される。しかし、ピストンの外周面部等に合わせて
強度の高い材料を全体に使用すれば、少ない材料で済み
軽量化が図れると共にピストンの強度も十分保つことが
できる利点があるものの、材料費が余計にかさむ欠点が
ある。
【0004】これに対し、図8に示すように、それぞれ
異質の材料で形成された外周側部材110と内周側部材
130とを接合させると共に、外周側部材110に内周
側部材130より強度の高い材料を使用したピストンが
知られている(例えば特開平10−288086号公報
参照)。なお、図8は、上記した従来のピストンを示す
図であって、(A)はシリンダの燃焼室に露出する冠面
132側から見た上面図、(B)は(A)のT−Tで示
す断面図、(C)は(A)のU−Uで示す断面図であ
る。
異質の材料で形成された外周側部材110と内周側部材
130とを接合させると共に、外周側部材110に内周
側部材130より強度の高い材料を使用したピストンが
知られている(例えば特開平10−288086号公報
参照)。なお、図8は、上記した従来のピストンを示す
図であって、(A)はシリンダの燃焼室に露出する冠面
132側から見た上面図、(B)は(A)のT−Tで示
す断面図、(C)は(A)のU−Uで示す断面図であ
る。
【0005】この従来のピストンは、特に大きな負荷が
かかる外周側部材110に、内周側部材130と比較し
て強度の高い材料を使用しているので、ピストン本体1
01全体としては、少ない材料で必要な強度を確保する
ことができ、しかも材料費の節減が可能である。
かかる外周側部材110に、内周側部材130と比較し
て強度の高い材料を使用しているので、ピストン本体1
01全体としては、少ない材料で必要な強度を確保する
ことができ、しかも材料費の節減が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ピストンは、強度の異なる2種の材料からなる外周側部
材110と内周側部材130とを接合してから、ピスト
ン形状にプレス成形し、その後に、ピストンリング用溝
部111や、ピストンピン用孔部131等の加工が行わ
れる。ピストンピン用孔部131は、ピストン本体10
1を図示しないコンロッドに連結する際に使用される図
示しないピストンピンを挿入するための孔であり、ピス
トンストローク方向(軸心方向)に直交する方向に、ピ
ストン本体101の外側から穿設される。
ピストンは、強度の異なる2種の材料からなる外周側部
材110と内周側部材130とを接合してから、ピスト
ン形状にプレス成形し、その後に、ピストンリング用溝
部111や、ピストンピン用孔部131等の加工が行わ
れる。ピストンピン用孔部131は、ピストン本体10
1を図示しないコンロッドに連結する際に使用される図
示しないピストンピンを挿入するための孔であり、ピス
トンストローク方向(軸心方向)に直交する方向に、ピ
ストン本体101の外側から穿設される。
【0007】したがって、ピストンピン用孔部131
は、ピストンリング用溝部111との干渉を避ける必要
があり、ピストン本体101におけるピストンリング用
溝部111よりも冠面132と反対側、すなわち図8
(B)(C)の下側の位置に加工しなければならない。
このため、ピストン本体101の冠面132からピスト
ンピン用孔部131までのストローク方向の距離Lを短
くすることは、おのずと限界がある。このように、従来
のピストンは、ストローク方向の寸法を所望通りに短縮
できないため、多少の軽量化は図れても、コンパクト化
を伴った大幅な軽量化を実現することができない、とい
う問題があった。
は、ピストンリング用溝部111との干渉を避ける必要
があり、ピストン本体101におけるピストンリング用
溝部111よりも冠面132と反対側、すなわち図8
(B)(C)の下側の位置に加工しなければならない。
このため、ピストン本体101の冠面132からピスト
ンピン用孔部131までのストローク方向の距離Lを短
くすることは、おのずと限界がある。このように、従来
のピストンは、ストローク方向の寸法を所望通りに短縮
できないため、多少の軽量化は図れても、コンパクト化
を伴った大幅な軽量化を実現することができない、とい
う問題があった。
【0008】また、上記従来のピストンは、ピストン本
体101をピストン形状にプレス成形しているため、ピ
ストン本体101の図中下側に位置するスカート部11
2の先端部の強度を確保した上で、ピストンの内側にプ
レス成形の型の抜き勾配をつけると、図中上方の部分の
肉厚が厚くなって余分に重量が増加する、という欠点も
あった。
体101をピストン形状にプレス成形しているため、ピ
ストン本体101の図中下側に位置するスカート部11
2の先端部の強度を確保した上で、ピストンの内側にプ
レス成形の型の抜き勾配をつけると、図中上方の部分の
肉厚が厚くなって余分に重量が増加する、という欠点も
あった。
【0009】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ピストン
の一層の軽量化が可能で、該ピストンの軽量化によって
ピストンの振動を抑制することにより、振動抑制のため
のリブ等の補強対策を不要にしてエンジン全体の軽量化
を図るとともに、エンジン回転数を上げることを可能な
らしめてエンジンの高出力化を図ることができ、さらに
は騒音の低減をも図ることができる内燃機関用ピストン
およびその製造方法を提供することにある。
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ピストン
の一層の軽量化が可能で、該ピストンの軽量化によって
ピストンの振動を抑制することにより、振動抑制のため
のリブ等の補強対策を不要にしてエンジン全体の軽量化
を図るとともに、エンジン回転数を上げることを可能な
らしめてエンジンの高出力化を図ることができ、さらに
は騒音の低減をも図ることができる内燃機関用ピストン
およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
る手段により達成される。
【0011】(1) ピストンリング用溝部を有する外
周側部材と該外周側部材の内側に位置されピストンピン
用孔部を有する内周側部材とにより構成されるピストン
本体を備えた内燃機関用ピストンであって、前記ピスト
ンピン用孔部および前記ピストンリング用溝部のピスト
ンストローク方向の両位置が少なくとも一部で重複する
ように、前記外周側部材と前記内周側部材とを接合した
ことを特徴とする内燃機関用ピストン。
周側部材と該外周側部材の内側に位置されピストンピン
用孔部を有する内周側部材とにより構成されるピストン
本体を備えた内燃機関用ピストンであって、前記ピスト
ンピン用孔部および前記ピストンリング用溝部のピスト
ンストローク方向の両位置が少なくとも一部で重複する
ように、前記外周側部材と前記内周側部材とを接合した
ことを特徴とする内燃機関用ピストン。
【0012】(2) 前記外周側部材は、前記内周側部
材に対して強度の高い異なる材料により形成されている
ことを特徴とする上記(1)に記載の内燃機関用ピスト
ン。
材に対して強度の高い異なる材料により形成されている
ことを特徴とする上記(1)に記載の内燃機関用ピスト
ン。
【0013】(3) 前記外周側部材と前記内周側部材
との接触面は、少なくとも一部にテーパ面を含むことを
特徴とする上記(1)または(2)に記載の内燃機関用
ピストン。
との接触面は、少なくとも一部にテーパ面を含むことを
特徴とする上記(1)または(2)に記載の内燃機関用
ピストン。
【0014】(4) 前記外周側部材は、内面に肉ぬす
み部が形成されていることを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の内燃機関用ピストン。
み部が形成されていることを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載の内燃機関用ピストン。
【0015】(5) ピストンリング用溝部を有する外
周側部材と該外周側部材の内側に位置されピストンピン
用孔部を有する内周側部材とにより構成されるピストン
本体を備えた内燃機関用ピストンの製造方法であって、
ピストンピン用孔部が設けられた前記内周側部材の内部
に、連結用孔部が設けられたコンロッドを、前記ピスト
ンピン用孔部と前記連結用孔部とが同軸になるように位
置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記ピスト
ンピン用孔部と前記連結用孔部とにピストンピンを挿入
するピストンピン挿入工程と、ピストンリング用溝部が
設けられた外周側部材を、前記内周側部材の外側に嵌合
させて接合する接合工程と、有することを特徴とする内
燃機関用ピストンの製造方法。
周側部材と該外周側部材の内側に位置されピストンピン
用孔部を有する内周側部材とにより構成されるピストン
本体を備えた内燃機関用ピストンの製造方法であって、
ピストンピン用孔部が設けられた前記内周側部材の内部
に、連結用孔部が設けられたコンロッドを、前記ピスト
ンピン用孔部と前記連結用孔部とが同軸になるように位
置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記ピスト
ンピン用孔部と前記連結用孔部とにピストンピンを挿入
するピストンピン挿入工程と、ピストンリング用溝部が
設けられた外周側部材を、前記内周側部材の外側に嵌合
させて接合する接合工程と、有することを特徴とする内
燃機関用ピストンの製造方法。
【0016】(6) 前記外周側部材は、前記内周側部
材との接合前に、あらかじめ内面に肉ぬすみ部が形成さ
れることを特徴とする上記(5)に記載の内燃機関用ピ
ストンの製造方法。
材との接合前に、あらかじめ内面に肉ぬすみ部が形成さ
れることを特徴とする上記(5)に記載の内燃機関用ピ
ストンの製造方法。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、請求項毎に次のような
効果を奏する。
効果を奏する。
【0018】請求項1,5に記載の発明によれば、燃焼
室に露出する冠面からピストンピン用孔部までのピスト
ンストローク方向の距離を、従来に比べて格段に短くす
ることができる。したがって、ピストンは、ストローク
方向の全長(全高)が短縮されてコンパクト化されると
ともに、大幅な軽量化を達成することができる。そし
て、ピストンの軽量化によってピストンの振動を抑制す
ることができることから、振動抑制のためのシリンダブ
ロックのリブやクランクジャーナルの軸受の剛性強化等
の補強対策を不要にしてエンジン全体の軽量化を図るこ
とができるとともに、エンジン回転数を上げることが可
能となるので仕事量を増大させてエンジンの高出力化を
図ることができ、さらには騒音の低減をも図ることがで
きる、また、エンジンのシリンダブロックの全高を縮小
することも可能となり、エンジン全体の一層の軽量化が
図られる。
室に露出する冠面からピストンピン用孔部までのピスト
ンストローク方向の距離を、従来に比べて格段に短くす
ることができる。したがって、ピストンは、ストローク
方向の全長(全高)が短縮されてコンパクト化されると
ともに、大幅な軽量化を達成することができる。そし
て、ピストンの軽量化によってピストンの振動を抑制す
ることができることから、振動抑制のためのシリンダブ
ロックのリブやクランクジャーナルの軸受の剛性強化等
の補強対策を不要にしてエンジン全体の軽量化を図るこ
とができるとともに、エンジン回転数を上げることが可
能となるので仕事量を増大させてエンジンの高出力化を
図ることができ、さらには騒音の低減をも図ることがで
きる、また、エンジンのシリンダブロックの全高を縮小
することも可能となり、エンジン全体の一層の軽量化が
図られる。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、上記請求
項1に記載の発明の効果に加え、大きな負荷のかかる外
周側部材を重点的に、ピストン全体を効率的に強化する
ことができ、材料費を低減することができる。また、少
ない材料で強度を確保することができるので、薄肉化が
可能となり、より軽量化を図ることができる。
項1に記載の発明の効果に加え、大きな負荷のかかる外
周側部材を重点的に、ピストン全体を効率的に強化する
ことができ、材料費を低減することができる。また、少
ない材料で強度を確保することができるので、薄肉化が
可能となり、より軽量化を図ることができる。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、上記請求
項1または2に記載の発明の効果に加え、外周側部材と
内側部材とがテーパ面で当接するまで押し込むことが可
能となるので、両者の密着状態が良好になり、両者の接
合強度が増大する。また、テーパ面の加工精度が確保さ
れれば、外周側部材と内周側部材とをテーパ面で当接さ
せるだけで、両者のピストンストローク方向の位置決め
を容易に行うことができる。
項1または2に記載の発明の効果に加え、外周側部材と
内側部材とがテーパ面で当接するまで押し込むことが可
能となるので、両者の密着状態が良好になり、両者の接
合強度が増大する。また、テーパ面の加工精度が確保さ
れれば、外周側部材と内周側部材とをテーパ面で当接さ
せるだけで、両者のピストンストローク方向の位置決め
を容易に行うことができる。
【0021】請求項4,6に記載の発明によれば、それ
ぞれ上記請求項1〜3,5に記載の発明の効果に加え、
必要な強度を確保しつつ余分な駄肉を削除することがで
きるので、さらなる軽量化を図ることができる。また、
空気との接触面積が増加するので、放熱効果が良くな
り、ピストンの温度上昇を抑制することができる。
ぞれ上記請求項1〜3,5に記載の発明の効果に加え、
必要な強度を確保しつつ余分な駄肉を削除することがで
きるので、さらなる軽量化を図ることができる。また、
空気との接触面積が増加するので、放熱効果が良くな
り、ピストンの温度上昇を抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施形態に係るピスト
ンを示す図であって、(A)はシリンダの燃焼室に露出
する冠面32側から見た上面図、(B)は(A)のP−
Pで示す断面図、(C)は(A)のQ−Qで示す断面図
である。
ンを示す図であって、(A)はシリンダの燃焼室に露出
する冠面32側から見た上面図、(B)は(A)のP−
Pで示す断面図、(C)は(A)のQ−Qで示す断面図
である。
【0024】本実施形態のピストンは、例えば図示しな
い自動車エンジンのシリンダ内に収容され、該シリンダ
内で往復動されるピストンである。
い自動車エンジンのシリンダ内に収容され、該シリンダ
内で往復動されるピストンである。
【0025】図1に示すように、ピストンは、外周側部
材10と該外周側部材10の内側に位置される内周側部
材30とにより構成されるピストン本体1を備えてい
る。
材10と該外周側部材10の内側に位置される内周側部
材30とにより構成されるピストン本体1を備えてい
る。
【0026】外周側部材10は、略円筒形状を呈してお
り、図示しないシリンダ内の燃焼室に露出する冠面32
に近接する外周面に、ピストンリング用溝部11が形成
されている。ピストンリング用溝部11は複数の環状溝
を備えており、当該溝内に図示しない複数のピストンリ
ングがそれぞれ嵌着される。ピストンリングは、ピスト
ンとシリンダ内壁との気密を保持する。外周側部材10
はまた、冠面32と反対側、すなわち図1(C)の下方
の端部に、スカート部12を有している。このスカート
部12により、ピストンとシリンダ内壁との接触面積が
増し、ピストンの往復動が安定化される。
り、図示しないシリンダ内の燃焼室に露出する冠面32
に近接する外周面に、ピストンリング用溝部11が形成
されている。ピストンリング用溝部11は複数の環状溝
を備えており、当該溝内に図示しない複数のピストンリ
ングがそれぞれ嵌着される。ピストンリングは、ピスト
ンとシリンダ内壁との気密を保持する。外周側部材10
はまた、冠面32と反対側、すなわち図1(C)の下方
の端部に、スカート部12を有している。このスカート
部12により、ピストンとシリンダ内壁との接触面積が
増し、ピストンの往復動が安定化される。
【0027】内周側部材30は、略円板状を呈してい
る。また、内周側部材30は、冠面32の反対側に、相
互に対向する一対のボス部33,33を有しており、両
ボス部33,33の間には、コンロッド50の連結部5
1が嵌挿される凹部34が形成されている。コンロッド
50の連結部51には、連結用孔部52が設けられてい
る。
る。また、内周側部材30は、冠面32の反対側に、相
互に対向する一対のボス部33,33を有しており、両
ボス部33,33の間には、コンロッド50の連結部5
1が嵌挿される凹部34が形成されている。コンロッド
50の連結部51には、連結用孔部52が設けられてい
る。
【0028】そして、内周側部材30には、一対のボス
部33,33を貫通して、ピストンストローク方向(軸
心方向)に直交する方向にピストンピン用孔部31が形
成されている。コンロッド50は、ピストンピン71を
ピストンピン用孔部31および連結用孔部52に挿入す
ることにより、ピストン本体1の内周側部材30に連結
される。
部33,33を貫通して、ピストンストローク方向(軸
心方向)に直交する方向にピストンピン用孔部31が形
成されている。コンロッド50は、ピストンピン71を
ピストンピン用孔部31および連結用孔部52に挿入す
ることにより、ピストン本体1の内周側部材30に連結
される。
【0029】外周側部材10および内周側部材30の材
料としては、軽量でかつ十分な強度を確保するために、
種々の元素を添加し、必要に応じて熱処理等により強化
されたアルミニウム合金を使用するのが好ましい。
料としては、軽量でかつ十分な強度を確保するために、
種々の元素を添加し、必要に応じて熱処理等により強化
されたアルミニウム合金を使用するのが好ましい。
【0030】本実施形態では、外周側部材10は、内周
側部材30に対して強度の高い異なる材料により形成さ
れている。ここで強度とは、本実施形態では引張強度を
いう。但し、特許請求の範囲に記載の本発明では、強度
は、引張強度に限定されるものではなく、例えば疲労強
度、耐磨耗性、耐熱性等をも含むものである。
側部材30に対して強度の高い異なる材料により形成さ
れている。ここで強度とは、本実施形態では引張強度を
いう。但し、特許請求の範囲に記載の本発明では、強度
は、引張強度に限定されるものではなく、例えば疲労強
度、耐磨耗性、耐熱性等をも含むものである。
【0031】具体的には、例えば、外周側部材10にA
C8A(Al−Si−Cu−Ni−Mg系アルミニウム
合金鋳物)、内周側部材30にAC4B(Al−Si−
Cu系アルミニウム合金鋳物)が使用される。なお上記
材料記号は、JIS H 5202による(以下の材料
も同様)。この場合、外周側部材10は、例えば引張強
度270MPa程度、内周側部材30は、例えば引張強
度240MPa程度に、熱処理等により調整することが
できる。但し、上記材料に限定されるものではなく、種
々の材料を使用することができ、例えば、外周側部材1
0にAC2A(Al−Cu−Si系アルミニウム合金鋳
物)、内周側部材30にAC4B(Al−Si−Cu系
アルミニウム合金鋳物)を使用してもよい。この場合
も、外周側部材10は、例えば引張強度270MPa程
度、内周側部材30は、例えば引張強度240MPa程
度に、熱処理等により調整することができる。
C8A(Al−Si−Cu−Ni−Mg系アルミニウム
合金鋳物)、内周側部材30にAC4B(Al−Si−
Cu系アルミニウム合金鋳物)が使用される。なお上記
材料記号は、JIS H 5202による(以下の材料
も同様)。この場合、外周側部材10は、例えば引張強
度270MPa程度、内周側部材30は、例えば引張強
度240MPa程度に、熱処理等により調整することが
できる。但し、上記材料に限定されるものではなく、種
々の材料を使用することができ、例えば、外周側部材1
0にAC2A(Al−Cu−Si系アルミニウム合金鋳
物)、内周側部材30にAC4B(Al−Si−Cu系
アルミニウム合金鋳物)を使用してもよい。この場合
も、外周側部材10は、例えば引張強度270MPa程
度、内周側部材30は、例えば引張強度240MPa程
度に、熱処理等により調整することができる。
【0032】このように外周側部材10の材料を、内周
側部材30の材料より高い強度の材料とすれば、大きな
負荷のかかる外周側部材10を重点的に、ピストン全体
を効率的に強化することができ、材料費も低減される。
また、少ない材料で強度を確保することができるので、
例えばスカート部12の薄肉化が可能となり、より軽量
化が図られる。
側部材30の材料より高い強度の材料とすれば、大きな
負荷のかかる外周側部材10を重点的に、ピストン全体
を効率的に強化することができ、材料費も低減される。
また、少ない材料で強度を確保することができるので、
例えばスカート部12の薄肉化が可能となり、より軽量
化が図られる。
【0033】外周側部材10と内周側部材30とは、内
周側部材30にコンロッド50を連結させた状態で、両
者を嵌合(圧入を含む)させた後、例えばレーザ溶接を
施すことにより、一体的に接合される。なお、両者を接
合してからプレス成形することがないので、図8に示す
ような抜き勾配の関係で不要に厚い肉厚となる部分が生
じることが回避される。
周側部材30にコンロッド50を連結させた状態で、両
者を嵌合(圧入を含む)させた後、例えばレーザ溶接を
施すことにより、一体的に接合される。なお、両者を接
合してからプレス成形することがないので、図8に示す
ような抜き勾配の関係で不要に厚い肉厚となる部分が生
じることが回避される。
【0034】レーザ溶接によれば、熱歪みを抑制しなが
ら高精度に、外周側部材10および内周側部材30を接
合することができる。また、両者が相互に接触する接触
面の大きさに応じてレーザ出力を電流制御することによ
り、溶け込み深さも調整することができ、接触面の円周
方向全域で確実な接合を行うことが可能である。
ら高精度に、外周側部材10および内周側部材30を接
合することができる。また、両者が相互に接触する接触
面の大きさに応じてレーザ出力を電流制御することによ
り、溶け込み深さも調整することができ、接触面の円周
方向全域で確実な接合を行うことが可能である。
【0035】なお、外周側部材10および内周側部材3
0の両者の接合は、レーザ溶接に限られるものではな
く、例えばプラズマ溶接により行うこともできる。さら
には、両者の接合は、接触面にねじ部を形成して両者を
螺合することにより行ってもよい。ねじ接合によれば、
両者の接合時に熱を加えることがないので、熱変形の影
響を全く考慮しなくてもよいという利点がある。
0の両者の接合は、レーザ溶接に限られるものではな
く、例えばプラズマ溶接により行うこともできる。さら
には、両者の接合は、接触面にねじ部を形成して両者を
螺合することにより行ってもよい。ねじ接合によれば、
両者の接合時に熱を加えることがないので、熱変形の影
響を全く考慮しなくてもよいという利点がある。
【0036】本実施形態では特に、図1(B)(C)に
示すように、ピストン本体1は、ピストンピン用孔部3
1およびピストンリング用溝部11のピストンストロー
ク方向、つまり軸心方向の両位置が少なくとも一部で重
複するように、外周側部材10と内周側部材30とが接
合されて構成されている。つまり、ピストンピン用孔部
31の半径方向外方に、ピストンリング用溝部11の少
なくとも一部が位置されることになる。したがって、ピ
ストン本体1の冠面32からピストンピン用孔部131
までのストローク方向の距離Lは、図1と図8とを比較
すればわかるように、従来より格段に短くなっている。
示すように、ピストン本体1は、ピストンピン用孔部3
1およびピストンリング用溝部11のピストンストロー
ク方向、つまり軸心方向の両位置が少なくとも一部で重
複するように、外周側部材10と内周側部材30とが接
合されて構成されている。つまり、ピストンピン用孔部
31の半径方向外方に、ピストンリング用溝部11の少
なくとも一部が位置されることになる。したがって、ピ
ストン本体1の冠面32からピストンピン用孔部131
までのストローク方向の距離Lは、図1と図8とを比較
すればわかるように、従来より格段に短くなっている。
【0037】次に、このように構成されるピストンの製
造方法について、説明する。
造方法について、説明する。
【0038】図2は、内周側部材の加工前の斜視図、図
3は、内周側部材の加工後の斜視図、図4は、内周側部
材にコンロッドを連結した状態を示す斜視図、図5は、
外周部材と内周側部材とを接合した状態を示す斜視図で
ある。
3は、内周側部材の加工後の斜視図、図4は、内周側部
材にコンロッドを連結した状態を示す斜視図、図5は、
外周部材と内周側部材とを接合した状態を示す斜視図で
ある。
【0039】図2に示すように、内周側部材30は、鋳
造により、まず粗材が形成される。次いで、図3に示す
ように、内周側部材30は、外周面34が加工されると
ともに、一対のボス部33,33を貫通して、ピストン
ピン用孔部31がドリル等により穿設される。
造により、まず粗材が形成される。次いで、図3に示す
ように、内周側部材30は、外周面34が加工されると
ともに、一対のボス部33,33を貫通して、ピストン
ピン用孔部31がドリル等により穿設される。
【0040】なお、内周側部材30は、鋳造に限られる
ものではなく、例えば焼結により形成することも可能で
ある。この場合、ピストンピン用孔部31は、粗材の形
成時に同時に形成される。また、棒材や板材に削り加工
を施すことによって、内周側部材30を形成することも
可能である。
ものではなく、例えば焼結により形成することも可能で
ある。この場合、ピストンピン用孔部31は、粗材の形
成時に同時に形成される。また、棒材や板材に削り加工
を施すことによって、内周側部材30を形成することも
可能である。
【0041】そして、内周側部材30の内部に形成され
る凹部34に、連結用孔部52が設けられたコンロッド
50の連結部51が嵌挿される。このとき、ピストンピ
ン用孔部31と連結用孔部52とは、両者の軸心が一致
して連通するように、図示しない治具等により位置決め
される。
る凹部34に、連結用孔部52が設けられたコンロッド
50の連結部51が嵌挿される。このとき、ピストンピ
ン用孔部31と連結用孔部52とは、両者の軸心が一致
して連通するように、図示しない治具等により位置決め
される。
【0042】次いで、図4に示すように、位置決めされ
軸心が一致しているピストンピン用孔部31と連結用孔
部52とに、ピストンピン71を挿入することにより、
内周側部材30にコンロッド50が連結される。このと
き、ピストンピン71は、連結用孔部52には圧入さ
れ、ピストンピン用孔部31には遊嵌される。これによ
り、ピストンピン71は、脱落することなく、位置決め
固定される。但し、圧入する代わりに、ねじ部材を用い
てピストンピン71と連結部51とを固定することも可
能である。さらには、ピストンピン71は、連結用孔部
52には遊嵌され、ピストンピン用孔部31には固定さ
れるように構成することも可能である。
軸心が一致しているピストンピン用孔部31と連結用孔
部52とに、ピストンピン71を挿入することにより、
内周側部材30にコンロッド50が連結される。このと
き、ピストンピン71は、連結用孔部52には圧入さ
れ、ピストンピン用孔部31には遊嵌される。これによ
り、ピストンピン71は、脱落することなく、位置決め
固定される。但し、圧入する代わりに、ねじ部材を用い
てピストンピン71と連結部51とを固定することも可
能である。さらには、ピストンピン71は、連結用孔部
52には遊嵌され、ピストンピン用孔部31には固定さ
れるように構成することも可能である。
【0043】最後に、図5に示すように、あらかじめピ
ストンリング用溝部11が設けられた外周側部材10
が、内周側部材30の外側に嵌合させられ、例えばレー
ザ溶接等により、両者の接合が行われる。このようにし
て、コンロッド付きのピストンの製造が完了する。
ストンリング用溝部11が設けられた外周側部材10
が、内周側部材30の外側に嵌合させられ、例えばレー
ザ溶接等により、両者の接合が行われる。このようにし
て、コンロッド付きのピストンの製造が完了する。
【0044】このように本実施形態によれば、ピストン
ピン用孔部31およびピストンリング用溝部11の軸心
方向の両位置が少なくとも一部で重複するように、外周
側部材10と内周側部材30とを接合してピストン本体
1を構成したので、ピストン本体1の冠面32からピス
トンピン用孔部131までのストローク方向の距離L
を、従来に比べて格段に短くすることができる。
ピン用孔部31およびピストンリング用溝部11の軸心
方向の両位置が少なくとも一部で重複するように、外周
側部材10と内周側部材30とを接合してピストン本体
1を構成したので、ピストン本体1の冠面32からピス
トンピン用孔部131までのストローク方向の距離L
を、従来に比べて格段に短くすることができる。
【0045】したがって、ピストンは、ストローク方向
の全長(全高)が短縮されてコンパクト化されるととも
に、大幅な軽量化を図ることができる。そして、ピスト
ンの軽量化によってピストンの振動を抑制することがで
きることから、振動抑制のためのシリンダブロックのリ
ブやクランクジャーナルの軸受の剛性強化等の補強対策
を不要にしてエンジン全体の軽量化を図ることができる
とともに、エンジン回転数を上げることが可能となるの
で仕事量を増大させてエンジンの高出力化を図ることが
でき、さらには騒音の低減をも図ることができる、ま
た、エンジンのシリンダブロックの全高を縮小すること
も可能となり、エンジン全体の一層の軽量化が図られ
る。
の全長(全高)が短縮されてコンパクト化されるととも
に、大幅な軽量化を図ることができる。そして、ピスト
ンの軽量化によってピストンの振動を抑制することがで
きることから、振動抑制のためのシリンダブロックのリ
ブやクランクジャーナルの軸受の剛性強化等の補強対策
を不要にしてエンジン全体の軽量化を図ることができる
とともに、エンジン回転数を上げることが可能となるの
で仕事量を増大させてエンジンの高出力化を図ることが
でき、さらには騒音の低減をも図ることができる、ま
た、エンジンのシリンダブロックの全高を縮小すること
も可能となり、エンジン全体の一層の軽量化が図られ
る。
【0046】図6は、本発明の他の実施形態に係るピス
トンの外周側部材と内周側部材との接合部を示す部分拡
大断面図である。
トンの外周側部材と内周側部材との接合部を示す部分拡
大断面図である。
【0047】図6に示すように、この実施形態のピスト
ンは、外周側部材10aと内周側部材30aとの接触面
が、テーパ面13,35を含む点で、図1に示したピス
トンと相違している。なお、テーパ面は、外周側部材1
0aと内周側部材30aとの接触面の少なくとも一部に
形成されていればよい。
ンは、外周側部材10aと内周側部材30aとの接触面
が、テーパ面13,35を含む点で、図1に示したピス
トンと相違している。なお、テーパ面は、外周側部材1
0aと内周側部材30aとの接触面の少なくとも一部に
形成されていればよい。
【0048】この実施形態によれば、内周側部材30a
のテーパ面35が、外周側部材10aのテーパ面13に
当接するまで押し込むことが可能となるので、両者の密
着状態が良好になり、レーザ溶接等により両者を接合し
た場合の接合強度の増大が図られる。また、テーパ面1
3,35の加工精度が確保されれば、外周側部材10a
と内周側部材30aとをテーパ面13,35で当接させ
るだけで、両者の軸心方向の位置決めを容易に行うこと
ができる利点がある。
のテーパ面35が、外周側部材10aのテーパ面13に
当接するまで押し込むことが可能となるので、両者の密
着状態が良好になり、レーザ溶接等により両者を接合し
た場合の接合強度の増大が図られる。また、テーパ面1
3,35の加工精度が確保されれば、外周側部材10a
と内周側部材30aとをテーパ面13,35で当接させ
るだけで、両者の軸心方向の位置決めを容易に行うこと
ができる利点がある。
【0049】図7は、本発明のさらに他の実施形態に係
るピストンを示す図であって、(A)はシリンダの燃焼
室に露出する冠面32側から見た上面図、(B)は
(A)のR−Rで示す断面図、(C)は(A)のS−S
で示す断面図である。
るピストンを示す図であって、(A)はシリンダの燃焼
室に露出する冠面32側から見た上面図、(B)は
(A)のR−Rで示す断面図、(C)は(A)のS−S
で示す断面図である。
【0050】図7に示すように、この実施形態のピスト
ンは、外周側部材10bの内面に、肉ぬすみ部14が形
成されている点で、図1に示したピストンと相違してい
る。但し、図1に示したピストンとの共通点について
は、同一の符号を付して、その説明を省略する。
ンは、外周側部材10bの内面に、肉ぬすみ部14が形
成されている点で、図1に示したピストンと相違してい
る。但し、図1に示したピストンとの共通点について
は、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0051】肉ぬすみ部14は、外周側部材10bと内
周側部材30bとを接合する前に、あらかじめ、外周側
部材10bの内面に形成しておく。この肉ぬすみ部14
は、外周側部材10bの内面の、内周側部材30bとの
接合部を除く任意の箇所に、図7に示すようなリブ形状
ないしフィン形状を呈するように形成することができ
る。
周側部材30bとを接合する前に、あらかじめ、外周側
部材10bの内面に形成しておく。この肉ぬすみ部14
は、外周側部材10bの内面の、内周側部材30bとの
接合部を除く任意の箇所に、図7に示すようなリブ形状
ないしフィン形状を呈するように形成することができ
る。
【0052】また、肉ぬすみ部14は、内周側部材30
bに、図7に示すような複数の環状溝を内面加工するこ
とにより形成されるが、本発明の肉ぬすみ部は、環状溝
に限られるものではなく、例えば、穴スプラインのよう
に軸方向に沿う溝を外周側部材10b内面の円周方向に
複数形成することも可能である。肉ぬすみ部14は、機
械加工または鋳造により形成することができる。
bに、図7に示すような複数の環状溝を内面加工するこ
とにより形成されるが、本発明の肉ぬすみ部は、環状溝
に限られるものではなく、例えば、穴スプラインのよう
に軸方向に沿う溝を外周側部材10b内面の円周方向に
複数形成することも可能である。肉ぬすみ部14は、機
械加工または鋳造により形成することができる。
【0053】この実施形態によれば、肉ぬすみ部を形成
することにより、必要な強度を確保しつつ余分な駄肉を
削除することができるので、さらなる軽量化を図ること
ができる。また、空気との接触面積が増加するので、放
熱効果が良くなり、ピストンの温度上昇を抑制すること
ができる。
することにより、必要な強度を確保しつつ余分な駄肉を
削除することができるので、さらなる軽量化を図ること
ができる。また、空気との接触面積が増加するので、放
熱効果が良くなり、ピストンの温度上昇を抑制すること
ができる。
【0054】なお、以上説明した実施形態は、本発明を
限定するために記載されたものではなく、本発明の技術
的思想内において当業者により種々変更が可能である。
限定するために記載されたものではなく、本発明の技術
的思想内において当業者により種々変更が可能である。
【図1】 本発明の一実施形態に係るピストンを示す図
である。
である。
【図2】 内周側部材の加工前の斜視図である。
【図3】 内周側部材の加工後の斜視図である。
【図4】 内周側部材にコンロッドを連結した状態を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図5】 外周部材と内周側部材とを接合した状態を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図6】 本発明の他の実施形態に係るピストンの外周
側部材と内周側部材との接合部を示す部分拡大断面図で
ある。
側部材と内周側部材との接合部を示す部分拡大断面図で
ある。
【図7】 本発明のさらに他の実施形態に係るピストン
を示す図である。
を示す図である。
【図8】 従来のピストンを示す図である。
1,1a,1b…ピストン本体、 10,10a,10b…外周側部材、 11…ピストンリング用溝部、 12…スカート部、 13,35…テーパ面、 14…肉ぬすみ部、 30,30a…内周側部材、 31…ピストンピン用孔部、 50…コンロッド、 52…連結用孔部、 71…ピストンピン。
Claims (6)
- 【請求項1】 ピストンリング用溝部を有する外周側部
材と該外周側部材の内側に位置されピストンピン用孔部
を有する内周側部材とにより構成されるピストン本体を
備えた内燃機関用ピストンであって、 前記ピストンピン用孔部および前記ピストンリング用溝
部のピストンストローク方向の両位置が少なくとも一部
で重複するように、前記外周側部材と前記内周側部材と
を接合したことを特徴とする内燃機関用ピストン。 - 【請求項2】 前記外周側部材は、前記内周側部材に対
して強度の高い異なる材料により形成されていることを
特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストン。 - 【請求項3】 前記外周側部材と前記内周側部材との接
触面は、少なくとも一部にテーパ面を含むことを特徴と
する請求項1または2に記載の内燃機関用ピストン。 - 【請求項4】 前記外周側部材は、内面に肉ぬすみ部が
形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の内燃機関用ピストン。 - 【請求項5】 ピストンリング用溝部を有する外周側部
材と該外周側部材の内側に位置されピストンピン用孔部
を有する内周側部材とにより構成されるピストン本体を
備えた内燃機関用ピストンの製造方法であって、 ピストンピン用孔部が設けられた前記内周側部材の内部
に、連結用孔部が設けられたコンロッドを、前記ピスト
ンピン用孔部と前記連結用孔部とが同軸になるように位
置決めする位置決め工程と、 位置決めされた前記ピストンピン用孔部と前記連結用孔
部とにピストンピンを挿入するピストンピン挿入工程
と、 ピストンリング用溝部が設けられた外周側部材を、前記
内周側部材の外側に嵌合させて接合する接合工程と、有
することを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。 - 【請求項6】 前記外周側部材は、前記内周側部材との
接合前に、あらかじめ内面に肉ぬすみ部が形成されるこ
とを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用ピストンの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000024188A JP2001214806A (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000024188A JP2001214806A (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001214806A true JP2001214806A (ja) | 2001-08-10 |
Family
ID=18550222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000024188A Withdrawn JP2001214806A (ja) | 2000-02-01 | 2000-02-01 | 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001214806A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013506086A (ja) * | 2009-09-28 | 2013-02-21 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 粗い表面を有するピストン |
JP2015510565A (ja) * | 2012-01-19 | 2015-04-09 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングMAHLE International GmbH | ピストン |
-
2000
- 2000-02-01 JP JP2000024188A patent/JP2001214806A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013506086A (ja) * | 2009-09-28 | 2013-02-21 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 粗い表面を有するピストン |
JP2015510565A (ja) * | 2012-01-19 | 2015-04-09 | マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングMAHLE International GmbH | ピストン |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6099566B2 (ja) | ピストンアセンブリ | |
JP4597997B2 (ja) | 内燃機関のためのピストンを作製する方法 | |
US20080271562A1 (en) | Connecting rod for internal combustion engine and method of manufacturing the connecting rod | |
EP2969366B1 (en) | Welded piston assembly | |
EP3379065B1 (en) | Piston structure for engine | |
US8973484B2 (en) | Piston with cooling gallery | |
US6499387B2 (en) | Unified multi-piece piston and method of manufacture | |
JP2003193972A (ja) | 密閉型往復式圧縮機のクランクシャフト製造方法 | |
EP2370701B1 (en) | Connecting rod being made of two different materials | |
JP2004060634A (ja) | 密閉型往復式圧縮機のクランクシャフトの製造方法 | |
JP2001214806A (ja) | 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 | |
US20130283614A1 (en) | Connecting Rod Having a Press Fit and Method of Producing a Connecting Rod | |
JPH09324857A (ja) | ピストンの鋳造方法 | |
JP4064335B2 (ja) | 内燃機関用コンロッド及び内燃機関 | |
JP2005337027A (ja) | 内燃機関用ピストン | |
JP2864497B2 (ja) | 内燃機関のピストン | |
KR200290481Y1 (ko) | 캠 샤프트용 엔드 피스 | |
JP2748572B2 (ja) | 内燃機関のピストン成型方法 | |
JP2008144638A (ja) | ピストン | |
CN118188415A (zh) | 压缩机以及压缩机的制造方法 | |
JP2021156205A (ja) | 分割型ピストン | |
JP2005133613A (ja) | 内燃機関用ピストン | |
JPS60261957A (ja) | 内燃機関のピストン | |
JPH11101160A (ja) | 直噴式ディーゼルエンジンのピストン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070403 |