JP2001213670A - セラミック焼結体の製造方法 - Google Patents
セラミック焼結体の製造方法Info
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- JP2001213670A JP2001213670A JP2000024703A JP2000024703A JP2001213670A JP 2001213670 A JP2001213670 A JP 2001213670A JP 2000024703 A JP2000024703 A JP 2000024703A JP 2000024703 A JP2000024703 A JP 2000024703A JP 2001213670 A JP2001213670 A JP 2001213670A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2235/00—Aspects relating to ceramic starting mixtures or sintered ceramic products
- C04B2235/65—Aspects relating to heat treatments of ceramic bodies such as green ceramics or pre-sintered ceramics, e.g. burning, sintering or melting processes
- C04B2235/658—Atmosphere during thermal treatment
- C04B2235/6587—Influencing the atmosphere by vaporising a solid material, e.g. by using a burying of sacrificial powder
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】複雑形状の製品であっても、特性の優れた焼結
体を量産においても高い歩留まりで、安定して提供でき
る。 【解決手段】浸漬法または噴霧法により、スラリーを成
形体の全表面に着肉させ、窒化硼素を被覆した後、この
成形体を、ガラス粉末中に埋設してHIP装置内に設置
し、該装置内部の大気を、1気圧以上の圧力でガス置換
する。そして、特定の温度と圧力により前記成形体また
は前記仮焼体を焼成する。
体を量産においても高い歩留まりで、安定して提供でき
る。 【解決手段】浸漬法または噴霧法により、スラリーを成
形体の全表面に着肉させ、窒化硼素を被覆した後、この
成形体を、ガラス粉末中に埋設してHIP装置内に設置
し、該装置内部の大気を、1気圧以上の圧力でガス置換
する。そして、特定の温度と圧力により前記成形体また
は前記仮焼体を焼成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度特性に優れる
セラミック焼結体を製造する方法に関する。特に強度、
硬度、破壊靭性、耐酸化性に優れ、ピストン、シリン
ダ、バルブ、カムローラ、ロッカーアーム、ピストンリ
ング、ピストンピンなどの自動車用摺動部品や、タービ
ンロータ、タービンブレードなどのガスタービンエンジ
ン用動翼部品に好適に使用される窒化珪素質焼結体また
は炭化珪素質焼結体または複合焼結体の製造方法に関す
る。
セラミック焼結体を製造する方法に関する。特に強度、
硬度、破壊靭性、耐酸化性に優れ、ピストン、シリン
ダ、バルブ、カムローラ、ロッカーアーム、ピストンリ
ング、ピストンピンなどの自動車用摺動部品や、タービ
ンロータ、タービンブレードなどのガスタービンエンジ
ン用動翼部品に好適に使用される窒化珪素質焼結体また
は炭化珪素質焼結体または複合焼結体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】セラミック材料は、機械的特性、化学的安
定性などから、エンジニアリング用材料として広く使わ
れている。特に、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体
またはこれらの複合焼結体は、強度、硬度、熱的化学的
安定性に優れることからエンジニアリングセラミックス
として、従来から、特に熱機関構造用材料としてその応
用が進められている。
定性などから、エンジニアリング用材料として広く使わ
れている。特に、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体
またはこれらの複合焼結体は、強度、硬度、熱的化学的
安定性に優れることからエンジニアリングセラミックス
として、従来から、特に熱機関構造用材料としてその応
用が進められている。
【0003】これらのセラミック材料は、周期律表第3
a族元素酸化物等の焼結助剤を添加混合し、成形後、非
酸化性雰囲気中で1500〜2100℃の温度にて焼成
することにより得られている。しかし、焼結助剤を用い
た場合、得られた焼結体の高温での材料特性が劣った
り、また、焼結助剤を減らして高温で焼成した場合、粒
成長することにより強度劣化したり、または組成によっ
ては緻密体が得られない場合がある。
a族元素酸化物等の焼結助剤を添加混合し、成形後、非
酸化性雰囲気中で1500〜2100℃の温度にて焼成
することにより得られている。しかし、焼結助剤を用い
た場合、得られた焼結体の高温での材料特性が劣った
り、また、焼結助剤を減らして高温で焼成した場合、粒
成長することにより強度劣化したり、または組成によっ
ては緻密体が得られない場合がある。
【0004】これらの欠点を補うために、成形体の表面
を気密な材料で覆い、圧力媒体であるガスの浸透を防ぐ
とともに、成形体を加圧焼成させる熱間静水圧加圧法
(以下HIPという)が提案されている。この方法で
は、焼結助剤が必要最小限に抑制され、場合によっては
不要となるため、HIPで緻密化された焼結体は、高温
での材料特性、例えば高温強度やクリープ特性などに優
れるという利点があり、高温で使用され信頼性の要求さ
れる自動車用摺動部品やガスタービンエンジン用動翼部
品などの応用に好適である。
を気密な材料で覆い、圧力媒体であるガスの浸透を防ぐ
とともに、成形体を加圧焼成させる熱間静水圧加圧法
(以下HIPという)が提案されている。この方法で
は、焼結助剤が必要最小限に抑制され、場合によっては
不要となるため、HIPで緻密化された焼結体は、高温
での材料特性、例えば高温強度やクリープ特性などに優
れるという利点があり、高温で使用され信頼性の要求さ
れる自動車用摺動部品やガスタービンエンジン用動翼部
品などの応用に好適である。
【0005】また、圧力伝達を効率的に行うための方法
として、ガラスシールHIP法が開発されている。ガラ
スシールHIP法は、成形体または仮焼体をガラスでシ
ールし、このガラスを介して圧力が成形体または仮焼体
に伝わり、高温かつ高圧の条件で焼成を行うことができ
る。例えば、特開昭57−106575号公報では、成
形体を窒化硼素(以下BNということがある)粉末中に
埋設して加圧成形し、単純形状のブロックを形成し、こ
の表面をガラスで覆い、加熱してガラスを溶かし、表面
被覆層を形成する。続いて、このブロックを1500℃
以上、500気圧以上の高温高圧ガス雰囲気下でHIP
処理をするものである。この方法により、焼結助剤を未
添加のままでも高密度化が可能であるという利点があっ
た。
として、ガラスシールHIP法が開発されている。ガラ
スシールHIP法は、成形体または仮焼体をガラスでシ
ールし、このガラスを介して圧力が成形体または仮焼体
に伝わり、高温かつ高圧の条件で焼成を行うことができ
る。例えば、特開昭57−106575号公報では、成
形体を窒化硼素(以下BNということがある)粉末中に
埋設して加圧成形し、単純形状のブロックを形成し、こ
の表面をガラスで覆い、加熱してガラスを溶かし、表面
被覆層を形成する。続いて、このブロックを1500℃
以上、500気圧以上の高温高圧ガス雰囲気下でHIP
処理をするものである。この方法により、焼結助剤を未
添加のままでも高密度化が可能であるという利点があっ
た。
【0006】ところが、上記の加圧成形によるBNブロ
ックの形成は、複雑形状の製品に対応が困難であるた
め、成形体表面をBN粉末で覆うことが提案されてい
る。例えば、特開昭63−260864号公報では、成
形体表面に油脂類を塗布し、その上にBN粉体層を付与
している。この場合、BN粉末とバインダを溶媒に分散
させて塗布する従来の方法を改善し、分散液による成形
体への汚染防止が図られた。
ックの形成は、複雑形状の製品に対応が困難であるた
め、成形体表面をBN粉末で覆うことが提案されてい
る。例えば、特開昭63−260864号公報では、成
形体表面に油脂類を塗布し、その上にBN粉体層を付与
している。この場合、BN粉末とバインダを溶媒に分散
させて塗布する従来の方法を改善し、分散液による成形
体への汚染防止が図られた。
【0007】また、特開昭61−232271号公報に
は、窒化珪素との反応の少ないBNで成形体表面を覆
い、これを二酸化珪素粉末中に埋設し、真空脱気後にク
リストバライトの融点以上の温度でHIP処理を施すこ
とが記載されている。この方法を採用することにより、
ガラス中に含まれるアルカリ金属などによる汚染や反応
を回避でき、また高純度で表面性状に優れた製品ができ
るという利点があった。
は、窒化珪素との反応の少ないBNで成形体表面を覆
い、これを二酸化珪素粉末中に埋設し、真空脱気後にク
リストバライトの融点以上の温度でHIP処理を施すこ
とが記載されている。この方法を採用することにより、
ガラス中に含まれるアルカリ金属などによる汚染や反応
を回避でき、また高純度で表面性状に優れた製品ができ
るという利点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
57−106575号公報に記載された方法では、BN
のシールを冷間静水圧加圧法(CIP)で作製している
ため、量産性に乏しく、ロータなどの複雑形状では翼な
どを破損する可能性が高く、歩留まりが低いという問題
があった。
57−106575号公報に記載された方法では、BN
のシールを冷間静水圧加圧法(CIP)で作製している
ため、量産性に乏しく、ロータなどの複雑形状では翼な
どを破損する可能性が高く、歩留まりが低いという問題
があった。
【0009】また、特開昭63−260864号公報に
記載された方法では、塗布によるBN層の形成が記載さ
れているものの、他の具体的な方法が記載されていな
い。一般に、筆などによる塗布を用いたBN層の形成法
は、BN層の厚みが不均一になりやすく、量産性の低い
方法であり、また、複雑形状の製品には塗布が困難な場
合が生じたり、破損する可能性が高いという問題があっ
た。
記載された方法では、塗布によるBN層の形成が記載さ
れているものの、他の具体的な方法が記載されていな
い。一般に、筆などによる塗布を用いたBN層の形成法
は、BN層の厚みが不均一になりやすく、量産性の低い
方法であり、また、複雑形状の製品には塗布が困難な場
合が生じたり、破損する可能性が高いという問題があっ
た。
【0010】さらに、特開昭61−232271号公報
に記載された方法では、BNで表面を覆った成形体をH
IP装置の中で、二酸化珪素粉末中に埋設した後、装置
を真空脱気しているため、脱気中にガラスが噴出する危
険が高く、また、クリストバライトの融点以上で圧媒ガ
スを供給するため、バリア材であるBNがはがれ、セラ
ミックスとガラスが反応するという問題があった。
に記載された方法では、BNで表面を覆った成形体をH
IP装置の中で、二酸化珪素粉末中に埋設した後、装置
を真空脱気しているため、脱気中にガラスが噴出する危
険が高く、また、クリストバライトの融点以上で圧媒ガ
スを供給するため、バリア材であるBNがはがれ、セラ
ミックスとガラスが反応するという問題があった。
【0011】従って、本発明は、複雑形状の製品であっ
ても、BN層の均一性に優れ、またはがれたりすること
がなく、セラミック焼結体を安定して量産できる製造方
法を提供することを目的とする。
ても、BN層の均一性に優れ、またはがれたりすること
がなく、セラミック焼結体を安定して量産できる製造方
法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化硼素の被
覆層を作製する工程と、1気圧以上で装置内の大気をガ
ス置換する工程とによって、大型または複雑形状のセラ
ミック製品を安定して製造できるという知見に基づくも
のであり、高特性のセラミック焼結体を得る製造方法に
関するものである。
覆層を作製する工程と、1気圧以上で装置内の大気をガ
ス置換する工程とによって、大型または複雑形状のセラ
ミック製品を安定して製造できるという知見に基づくも
のであり、高特性のセラミック焼結体を得る製造方法に
関するものである。
【0013】すなわち、成形体または仮焼体をガラス系
材料でシールし、熱間静水圧プレス処理を行って高密度
のセラミック焼結体を製造する方法において、浸漬法ま
たは噴霧法により、窒化硼素、バインダおよび溶媒から
なるスラリーを前記成形体または前記仮焼体の全表面に
着肉させ、窒化硼素を被覆する工程と、該窒化硼素の被
覆層が形成された前記成形体または前記仮焼体を、ガラ
ス粉末中に埋設して熱間静水圧プレス装置内に設置し、
該装置内部の大気を、窒素および/または不活性ガスに
より1気圧以上の圧力でガス置換する工程とを含むこと
を特徴とするものである。
材料でシールし、熱間静水圧プレス処理を行って高密度
のセラミック焼結体を製造する方法において、浸漬法ま
たは噴霧法により、窒化硼素、バインダおよび溶媒から
なるスラリーを前記成形体または前記仮焼体の全表面に
着肉させ、窒化硼素を被覆する工程と、該窒化硼素の被
覆層が形成された前記成形体または前記仮焼体を、ガラ
ス粉末中に埋設して熱間静水圧プレス装置内に設置し、
該装置内部の大気を、窒素および/または不活性ガスに
より1気圧以上の圧力でガス置換する工程とを含むこと
を特徴とするものである。
【0014】この製造方法においては、複雑形状のセラ
ミック製品の量産に対してもガラスシールHIPが容易
となる。すなわち、窒化硼素の被覆層の形成に当たり浸
漬法または噴霧法による方法を使用するため、スラリー
を成形体または仮焼体表面に、均一に、かつ緻密に着肉
させることが可能で、量産にも十分対応できる。そし
て、成形体や仮焼体が複雑な形状であっても、筆や治具
を直接接触せずに被覆層を形成できるため、上記の方法
は歩留まりを高める効果がある。
ミック製品の量産に対してもガラスシールHIPが容易
となる。すなわち、窒化硼素の被覆層の形成に当たり浸
漬法または噴霧法による方法を使用するため、スラリー
を成形体または仮焼体表面に、均一に、かつ緻密に着肉
させることが可能で、量産にも十分対応できる。そし
て、成形体や仮焼体が複雑な形状であっても、筆や治具
を直接接触せずに被覆層を形成できるため、上記の方法
は歩留まりを高める効果がある。
【0015】また、不活性ガスの導入に当たり、装置内
の大気を1気圧以上の圧力で不活性ガスと置換を行うた
め、HIP装置内へのガラス飛散を防止するため、装置
の保全を図ることができ、HIP処理の歩留まりが向上
して量産にも容易に対応できる。そして、安価で簡便な
方法であるとともに、均一で、緻密な被覆層を形成する
ことができる。
の大気を1気圧以上の圧力で不活性ガスと置換を行うた
め、HIP装置内へのガラス飛散を防止するため、装置
の保全を図ることができ、HIP処理の歩留まりが向上
して量産にも容易に対応できる。そして、安価で簡便な
方法であるとともに、均一で、緻密な被覆層を形成する
ことができる。
【0016】さらに、本発明のセラミック焼結体の製造
方法では、窒化硼素の被覆層が形成された成形体または
仮焼体を、100気圧未満の圧力でガラスの軟化点以
上、軟化点+200℃以下の範囲から選ばれた溶融温度
で前記ガラスを溶融し、ガラス浴を作製する工程と、前
記溶融温度以上で100気圧以上に加圧、保持して前記
成形体または前記仮焼体を焼成する工程とを含むことが
好ましい。
方法では、窒化硼素の被覆層が形成された成形体または
仮焼体を、100気圧未満の圧力でガラスの軟化点以
上、軟化点+200℃以下の範囲から選ばれた溶融温度
で前記ガラスを溶融し、ガラス浴を作製する工程と、前
記溶融温度以上で100気圧以上に加圧、保持して前記
成形体または前記仮焼体を焼成する工程とを含むことが
好ましい。
【0017】この方法では、ガラスの溶融温度を制御す
るため、ガラスの粘度を調節することとなり、その結
果、セラミックスの成形体または仮焼体が、良好なHI
P効果を受けるため、特性の優れたセラミック焼結体を
製造できる。
るため、ガラスの粘度を調節することとなり、その結
果、セラミックスの成形体または仮焼体が、良好なHI
P効果を受けるため、特性の優れたセラミック焼結体を
製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック焼結体の製造
方法では、大きく、4つの工程に分けることができる。
成形体または仮焼体の表面にBN層を形成する第1工程
と、成形体または仮焼体をHIP装置内へ設置する第2
工程と、ガラスを溶融する第3工程と、成形体または仮
焼体を焼成する第4工程である。このうち、第1工程お
よび第2工程に特徴を有する製造方法である。
方法では、大きく、4つの工程に分けることができる。
成形体または仮焼体の表面にBN層を形成する第1工程
と、成形体または仮焼体をHIP装置内へ設置する第2
工程と、ガラスを溶融する第3工程と、成形体または仮
焼体を焼成する第4工程である。このうち、第1工程お
よび第2工程に特徴を有する製造方法である。
【0019】まず第1工程において、成形体または仮焼
体表面をBN層で完全に覆うために必要なスラリーを作
製する。すなわち、BN粉末およびバインダーとして例
えばCMC(カルボキシメチルセルロース)に、水また
は有機溶剤などの溶媒を加えてスラリーを作製する。B
N粉末の平均粒径は、ガラスのバリヤ材として機能すれ
ばよく、特に限定するものではないが、30μm以下で
有れば、ガラスがBN層を浸透してセラミックまで進入
して反応を起こすような問題は発生しない。
体表面をBN層で完全に覆うために必要なスラリーを作
製する。すなわち、BN粉末およびバインダーとして例
えばCMC(カルボキシメチルセルロース)に、水また
は有機溶剤などの溶媒を加えてスラリーを作製する。B
N粉末の平均粒径は、ガラスのバリヤ材として機能すれ
ばよく、特に限定するものではないが、30μm以下で
有れば、ガラスがBN層を浸透してセラミックまで進入
して反応を起こすような問題は発生しない。
【0020】次に、成形体または仮焼体を表面にBN層
を形成する。BN層の形成には、浸漬法と噴霧法を用い
ることができる。浸漬法とは、成形体または仮焼体をス
ラリーの中に浸漬後、引き上げて表面にスラリーを付着
させる方法であり、噴霧法とは、スラリーを液滴状にし
て表面に吹き付けて被覆層を形成する方法である。
を形成する。BN層の形成には、浸漬法と噴霧法を用い
ることができる。浸漬法とは、成形体または仮焼体をス
ラリーの中に浸漬後、引き上げて表面にスラリーを付着
させる方法であり、噴霧法とは、スラリーを液滴状にし
て表面に吹き付けて被覆層を形成する方法である。
【0021】本発明では、上記のBN層の形成方法によ
れば、窪み、溝部、あるいは肉厚の薄い部位であって
も、BN層が均一な厚みで形成されるため、再現良く、
また欠損などが無く、歩留まり良くセラミック焼結体の
製造が可能となり、量産に適応できるようになる。ま
た、緻密なBN層が形成されるため、ガラスのバリヤ材
としての機能性を高めることができる。そして、成形体
や仮焼体が複雑な形状であっても、筆や治具を直接接触
せずにBN層を形成できるため、上記の方法は歩留まり
を高める効果がある。
れば、窪み、溝部、あるいは肉厚の薄い部位であって
も、BN層が均一な厚みで形成されるため、再現良く、
また欠損などが無く、歩留まり良くセラミック焼結体の
製造が可能となり、量産に適応できるようになる。ま
た、緻密なBN層が形成されるため、ガラスのバリヤ材
としての機能性を高めることができる。そして、成形体
や仮焼体が複雑な形状であっても、筆や治具を直接接触
せずにBN層を形成できるため、上記の方法は歩留まり
を高める効果がある。
【0022】この時、成形体または仮焼体がBN層で完
全に覆われるようにすることが重要である。被覆層が不
完全な場合は、成形体または仮焼体に圧力がかからなか
ったり、またはガラスが浸入して強度が劣化するという
問題が生じる。したがって、BN層の厚みは、0.5〜
5mm、特に1〜3mmが好ましい。なお、このBN層
の厚みは、スラリーの粘度や噴霧時間に寄って容易に調
整できる。
全に覆われるようにすることが重要である。被覆層が不
完全な場合は、成形体または仮焼体に圧力がかからなか
ったり、またはガラスが浸入して強度が劣化するという
問題が生じる。したがって、BN層の厚みは、0.5〜
5mm、特に1〜3mmが好ましい。なお、このBN層
の厚みは、スラリーの粘度や噴霧時間に寄って容易に調
整できる。
【0023】なお、成形体とは、一軸加圧成形法や等加
圧成形法、または鋳込み成形法、押出成形法、射出成形
法、冷間静水圧プレス、排泥成形などの公知のセラミッ
ク成形手段にて所望の形状に形成した成形体を示す。こ
の時、必要に応じて成形体に切削加工を施しても良い。
また、仮焼体とは、上記成形体を常圧焼成や雰囲気焼
成、または加圧焼成、ホットプレスなどの公知のセラミ
ック焼成手段にて焼成したものであり、一般には気孔率
の高い焼結体を示す。
圧成形法、または鋳込み成形法、押出成形法、射出成形
法、冷間静水圧プレス、排泥成形などの公知のセラミッ
ク成形手段にて所望の形状に形成した成形体を示す。こ
の時、必要に応じて成形体に切削加工を施しても良い。
また、仮焼体とは、上記成形体を常圧焼成や雰囲気焼
成、または加圧焼成、ホットプレスなどの公知のセラミ
ック焼成手段にて焼成したものであり、一般には気孔率
の高い焼結体を示す。
【0024】さらに、スラリー状のBN層を全表面に形
成した成形体または仮焼体は、BN層中の溶剤を除去す
るために乾燥を行うことが好ましい。これにより、BN
層が成形体または仮焼体表面での保形性を高めることが
できる。また、この後に、所望によりバインダを除去す
るために、脱脂のための加熱をしても差し支えない。
成した成形体または仮焼体は、BN層中の溶剤を除去す
るために乾燥を行うことが好ましい。これにより、BN
層が成形体または仮焼体表面での保形性を高めることが
できる。また、この後に、所望によりバインダを除去す
るために、脱脂のための加熱をしても差し支えない。
【0025】第2工程では、被覆層を表面に形成した成
形体または仮焼体を、るつぼ内のガラス中に埋設する。
このとき、るつぼは、カーボンなどのように安価で高温
に耐えうる材料であればよい。また、ガラスは特に種類
によらないが、焼成するセラミック材料によってHIP
温度が異なるため、HIP温度で軟化あるいは溶融する
ように、最適な軟化点や融点をもつガラスを選べばよ
い。なお、ガラスの量は、溶融したときに、セラミック
成形体またはセラミック仮焼体の全面を覆い尽くすこと
ができれば良い。そして、ガラスと成形体または仮焼体
の埋設したるつぼを熱間静水圧プレス装置内に設置し、
ガス置換を行う。すなわち、装置内に窒素やアルゴンな
どの不活性ガスを導入して1気圧以上の加圧状態とした
後、ガスを放出する。この加圧と放出を繰り返して大気
を排出し、装置内を不活性ガス雰囲気とする。なお、加
圧したときの圧力は、ガス置換ができれば特定するもの
ではないが、効率を考慮すると2気圧以上、特に5気圧
以上がよい。
形体または仮焼体を、るつぼ内のガラス中に埋設する。
このとき、るつぼは、カーボンなどのように安価で高温
に耐えうる材料であればよい。また、ガラスは特に種類
によらないが、焼成するセラミック材料によってHIP
温度が異なるため、HIP温度で軟化あるいは溶融する
ように、最適な軟化点や融点をもつガラスを選べばよ
い。なお、ガラスの量は、溶融したときに、セラミック
成形体またはセラミック仮焼体の全面を覆い尽くすこと
ができれば良い。そして、ガラスと成形体または仮焼体
の埋設したるつぼを熱間静水圧プレス装置内に設置し、
ガス置換を行う。すなわち、装置内に窒素やアルゴンな
どの不活性ガスを導入して1気圧以上の加圧状態とした
後、ガスを放出する。この加圧と放出を繰り返して大気
を排出し、装置内を不活性ガス雰囲気とする。なお、加
圧したときの圧力は、ガス置換ができれば特定するもの
ではないが、効率を考慮すると2気圧以上、特に5気圧
以上がよい。
【0026】従来行われていた真空排気では、るつぼ中
のガラスが熱間静水圧プレス装置内に噴出し、HIP処
理の不具合、及び装置の故障を引き起こしていた。これ
は、BN層を表面に設けた成形体または仮焼体に内在す
るガスが特定の真空度ではじめて一気に放出されるため
と考えられ、そのために、BN層が割れたり、ガラスが
噴出したりする問題があった。しかし、加圧によるガス
置換では成形体または仮焼体内部へのガスの出入りは不
要なため、何ら問題が発生しないと考えられる。
のガラスが熱間静水圧プレス装置内に噴出し、HIP処
理の不具合、及び装置の故障を引き起こしていた。これ
は、BN層を表面に設けた成形体または仮焼体に内在す
るガスが特定の真空度ではじめて一気に放出されるため
と考えられ、そのために、BN層が割れたり、ガラスが
噴出したりする問題があった。しかし、加圧によるガス
置換では成形体または仮焼体内部へのガスの出入りは不
要なため、何ら問題が発生しないと考えられる。
【0027】第3工程では、100気圧未満の圧力下で
ガラス浴を作製する。すなわち、ガラスの軟化点をTs
としたときに、Ts〜(Ts+200℃)の温度範囲に
おいてガラスを溶融することが望ましい。特に、(Ts
+50)〜(Ts+150℃)の温度範囲が好ましい。
これらの条件で、ガラス粉末を十分溶融し、ガラス浴化
することで、次工程のHIP焼成を可能ならしめるので
ある。
ガラス浴を作製する。すなわち、ガラスの軟化点をTs
としたときに、Ts〜(Ts+200℃)の温度範囲に
おいてガラスを溶融することが望ましい。特に、(Ts
+50)〜(Ts+150℃)の温度範囲が好ましい。
これらの条件で、ガラス粉末を十分溶融し、ガラス浴化
することで、次工程のHIP焼成を可能ならしめるので
ある。
【0028】このとき圧力を100気圧よりも大きい
と、ガラス浴中に高圧のガスがトラップされ、十分なH
IP効果が得られない。また、ガラスの溶融温度はTs
〜(Ts+200℃)に設定することが重要である。T
sより低い温度では十分な流動性、粘性が得られないた
め、ガラス浴が不完全であり、HIPの効果が得られな
い。一方、Ts+200℃より高い温度では粘性が低す
ぎるため、ガラスの流出やBNコート層の剥がれなどに
よりHIP効果が得られない。
と、ガラス浴中に高圧のガスがトラップされ、十分なH
IP効果が得られない。また、ガラスの溶融温度はTs
〜(Ts+200℃)に設定することが重要である。T
sより低い温度では十分な流動性、粘性が得られないた
め、ガラス浴が不完全であり、HIPの効果が得られな
い。一方、Ts+200℃より高い温度では粘性が低す
ぎるため、ガラスの流出やBNコート層の剥がれなどに
よりHIP効果が得られない。
【0029】最後の第4工程では、溶融温度以上の温度
で100気圧以上に加圧し、特定時間の間保持してHI
P処理を行う。これは、温度が溶融温度以下では、ガラ
スの粘性が低くなり、HIP効果が小さくなってしまう
ためであり、また、圧力が100気圧以下ではHIP効
果が十分ではないため、気孔が焼結体内部に残留し、密
度が低下するためである。特に、1000気圧以上、さ
らに1500気圧以上が特に好ましい。
で100気圧以上に加圧し、特定時間の間保持してHI
P処理を行う。これは、温度が溶融温度以下では、ガラ
スの粘性が低くなり、HIP効果が小さくなってしまう
ためであり、また、圧力が100気圧以下ではHIP効
果が十分ではないため、気孔が焼結体内部に残留し、密
度が低下するためである。特に、1000気圧以上、さ
らに1500気圧以上が特に好ましい。
【0030】本発明のセラミック焼結体の製造方法を用
いて作製した焼結体は、高密度で結晶粒が小さい微細組
織となるため、特に、強度および硬度に優れる。また第
二粒子、ウィスカー、繊維強化などにより複合材料化す
ることも可能で、高靭化が期待できる。
いて作製した焼結体は、高密度で結晶粒が小さい微細組
織となるため、特に、強度および硬度に優れる。また第
二粒子、ウィスカー、繊維強化などにより複合材料化す
ることも可能で、高靭化が期待できる。
【0031】次に、本発明を用いて窒化珪素質焼結体を
製造する場合について説明する。まず、出発原料とし
て、窒化珪素粉末及び周期律表第3a族元素酸化物粉
末、または所望により酸化珪素粉末をそれぞれ準備す
る。なお、窒化珪素粉末はα型を使用し、その粒子は
0.4〜1.2μm、陽イオン不純物量は1重量%以
下、特に0.5重量%以下、不純物酸素量が0.5〜
2.0重量%が適当であり、直接窒化法、イミド分解法
などのいずれの製法によるものであっても差し支えな
い。また、β型の窒化珪素粉末を単独または混合して使
用してもかまわない。
製造する場合について説明する。まず、出発原料とし
て、窒化珪素粉末及び周期律表第3a族元素酸化物粉
末、または所望により酸化珪素粉末をそれぞれ準備す
る。なお、窒化珪素粉末はα型を使用し、その粒子は
0.4〜1.2μm、陽イオン不純物量は1重量%以
下、特に0.5重量%以下、不純物酸素量が0.5〜
2.0重量%が適当であり、直接窒化法、イミド分解法
などのいずれの製法によるものであっても差し支えな
い。また、β型の窒化珪素粉末を単独または混合して使
用してもかまわない。
【0032】上記原料粉末を所望の割合で秤量後、振動
ミル、回転ミル、バレルミルなどで十分に混合した後、
混合粉末を所望の成形手段、例えば、金型プレス、鋳込
み成形、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧プレス、
排泥成形等により所望の形状に成形する。
ミル、回転ミル、バレルミルなどで十分に混合した後、
混合粉末を所望の成形手段、例えば、金型プレス、鋳込
み成形、押し出し成形、射出成形、冷間静水圧プレス、
排泥成形等により所望の形状に成形する。
【0033】次に、この成形体を、BNを主成分とする
スラリーに浸漬し、BN層を形成した後、80℃に設定
された乾燥機中で24時間乾燥させる。乾燥させた成形
体を、るつぼ中にバイコールガラス(軟化点1530
℃)粉末で埋設する。るつぼをHIP装置中に設置し、
窒素ガスにより加圧(10気圧)・放出(1気圧)のサ
イクルを2回行ってガス置換した後、HIP装置中で1
530〜1730℃、好ましくは1550〜1700℃
の温度、例えば1650℃(溶融温度)に昇温し1時間
保持することによりガラスを溶融する。ガラス浴形成
後、2000気圧まで昇圧し、溶融温度以上の温度、例
えば1700℃の温度で焼結させる。
スラリーに浸漬し、BN層を形成した後、80℃に設定
された乾燥機中で24時間乾燥させる。乾燥させた成形
体を、るつぼ中にバイコールガラス(軟化点1530
℃)粉末で埋設する。るつぼをHIP装置中に設置し、
窒素ガスにより加圧(10気圧)・放出(1気圧)のサ
イクルを2回行ってガス置換した後、HIP装置中で1
530〜1730℃、好ましくは1550〜1700℃
の温度、例えば1650℃(溶融温度)に昇温し1時間
保持することによりガラスを溶融する。ガラス浴形成
後、2000気圧まで昇圧し、溶融温度以上の温度、例
えば1700℃の温度で焼結させる。
【0034】なお、高い寸法精度が要求される場合に
は、窒化珪素粉末の一部をSi粉末に置き換えて成形体
を作製し、これを窒素含有雰囲気中、800〜1500
℃で熱処理しSi3N4に変換して成形体密度を高めたう
えで、前述した焼成条件で焼成することにより、焼成時
の収縮を小さくすることが出来る。
は、窒化珪素粉末の一部をSi粉末に置き換えて成形体
を作製し、これを窒素含有雰囲気中、800〜1500
℃で熱処理しSi3N4に変換して成形体密度を高めたう
えで、前述した焼成条件で焼成することにより、焼成時
の収縮を小さくすることが出来る。
【0035】本発明のセラミック焼結体の製造方法を用
いて作製した窒化珪素質焼結体は、高密度で組織が微細
であるため、高強度・高硬度が得られる。また、ウィス
カー第二粒子を添加することで高靭化が期待できる。
いて作製した窒化珪素質焼結体は、高密度で組織が微細
であるため、高強度・高硬度が得られる。また、ウィス
カー第二粒子を添加することで高靭化が期待できる。
【0036】
【実施例】実施例1 窒化珪素をマトリックスにする場合、原料粉末として窒
化珪素粉末(BET比表面積9m2/g、α率98%以
上、酸素量1.1重量%、Al、Mg、Ca、Feなど
の陽イオン金属不純物量30ppm以下、平均粒径0.
8μm)85重量%、周期律表第3a族元素酸化物粉末
(純度99%、平均粒径2.2μm)10重量%および
酸化珪素粉末(純度99%、平均粒径0.7μm)を5
重量%秤量した。
化珪素粉末(BET比表面積9m2/g、α率98%以
上、酸素量1.1重量%、Al、Mg、Ca、Feなど
の陽イオン金属不純物量30ppm以下、平均粒径0.
8μm)85重量%、周期律表第3a族元素酸化物粉末
(純度99%、平均粒径2.2μm)10重量%および
酸化珪素粉末(純度99%、平均粒径0.7μm)を5
重量%秤量した。
【0037】また、これらの原料粉末100重量部に対
して、所望により、SiC粉末、TaSi2粉末、Nb
Si2粉末、MoSi2粉末、WSi2粉末、SiCウィ
スカーまたはSiCファイバーを10重量部添加した。
して、所望により、SiC粉末、TaSi2粉末、Nb
Si2粉末、MoSi2粉末、WSi2粉末、SiCウィ
スカーまたはSiCファイバーを10重量部添加した。
【0038】また、窒化珪素以外をマトリックスにする
場合、炭化珪素粉末(平均粒径0.7μm)、アルミナ
粉末(平均粒径0.8μm)、窒化アルミニウム粉末
(平均粒径1.2μm)を用いた。
場合、炭化珪素粉末(平均粒径0.7μm)、アルミナ
粉末(平均粒径0.8μm)、窒化アルミニウム粉末
(平均粒径1.2μm)を用いた。
【0039】上記の粉末に、メタノールを溶媒として窒
化珪素ボールを用いて60時間振動ミルで混合粉砕し、
スラリーを作製した。このスラリーを乾燥後、直径60
mm、厚み20mmの形状に3t/cm2の圧力でラバ
ープレスにて成形し、表1に示す方法によりBN層を約
1.5mmの厚みで施した。そして、かかる成形体をガ
ラス粉末中に埋設し、装置内の大気を除去して窒素ガス
を導入した。そして、ガラスを10気圧、1650℃で
溶融した後、2000気圧、1750℃でHIP処理し
た。
化珪素ボールを用いて60時間振動ミルで混合粉砕し、
スラリーを作製した。このスラリーを乾燥後、直径60
mm、厚み20mmの形状に3t/cm2の圧力でラバ
ープレスにて成形し、表1に示す方法によりBN層を約
1.5mmの厚みで施した。そして、かかる成形体をガ
ラス粉末中に埋設し、装置内の大気を除去して窒素ガス
を導入した。そして、ガラスを10気圧、1650℃で
溶融した後、2000気圧、1750℃でHIP処理し
た。
【0040】得られた焼結体は、BN層に破損が有るか
無いかを観察した。また、BN層の均一性は、表と裏、
および側面のBN層の厚みを測定し、そのばらつきが5
0%以内を○、50%を越えた時を×とした。さらに、
ガラスが置換時に噴出したかどうかをHIP後に観察し
た。
無いかを観察した。また、BN層の均一性は、表と裏、
および側面のBN層の厚みを測定し、そのばらつきが5
0%以内を○、50%を越えた時を×とした。さらに、
ガラスが置換時に噴出したかどうかをHIP後に観察し
た。
【0041】さらに、アルキメデス法による密度から理
論密度を算出した。また、3×4×40mmのテストピ
ース形状に切断研磨し、JIS−R1601に基づき室
温および1500℃での4点曲げ抗折強度試験を実施し
た。さらに、JIS−R1610に基づきビッカース硬
度を測定し、JIS−R1607に基づき破壊靭性を測
定した。結果を表1に示す。
論密度を算出した。また、3×4×40mmのテストピ
ース形状に切断研磨し、JIS−R1601に基づき室
温および1500℃での4点曲げ抗折強度試験を実施し
た。さらに、JIS−R1610に基づきビッカース硬
度を測定し、JIS−R1607に基づき破壊靭性を測
定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】本発明の試料No.2、3および6〜21
は、BN層の破損がなく、BN層の厚みも均一で、大気
除去時のガラス噴出もなかった。そして、窒化珪素の場
合、相対密度が100%と非常に緻密であり、窒化珪素
単体の場合には、室温強度が950MPa以上、150
0℃の高温強度が500MPa以上と非常に高く、破壊
靭性値は6MPa・m1/2以上、硬度は17.5GPa
以上であった。特に、第二添加物を加えることで、破壊
靭性値は最大13.2MPa・m1/2まで上昇した。
は、BN層の破損がなく、BN層の厚みも均一で、大気
除去時のガラス噴出もなかった。そして、窒化珪素の場
合、相対密度が100%と非常に緻密であり、窒化珪素
単体の場合には、室温強度が950MPa以上、150
0℃の高温強度が500MPa以上と非常に高く、破壊
靭性値は6MPa・m1/2以上、硬度は17.5GPa
以上であった。特に、第二添加物を加えることで、破壊
靭性値は最大13.2MPa・m1/2まで上昇した。
【0044】一方、BN層の形成を塗布で行った本発明
の範囲外の試料No.1は、成形体の角に欠けが生じて
いた。また、BN層の厚みは不均一であった。また、H
IP装置内の大気を真空にて排気した後に窒素ガスを導
入した本発明の範囲外の試料No.4は、ガラスが噴出
したためにガラス浴の形成が悪く、HIP効果が極めて
低く、焼結しなかった。さらに、HIPではなく常圧で
焼成した本発明の範囲外の試料No.5は、特性が不十
分であった。 実施例2 原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面積9m2/
g、α率98%以上、酸素量1.1重量%、Al、M
g、Ca、Feなどの陽イオン金属不純物量30ppm
以下、平均粒径0.8μm)85重量%、周期律表第3
a族元素酸化物粉末(純度99%、平均粒径2.2μ
m)10重量%および酸化珪素粉末(純度99%、平均
粒径0.7μm)を5重量%秤量した。
の範囲外の試料No.1は、成形体の角に欠けが生じて
いた。また、BN層の厚みは不均一であった。また、H
IP装置内の大気を真空にて排気した後に窒素ガスを導
入した本発明の範囲外の試料No.4は、ガラスが噴出
したためにガラス浴の形成が悪く、HIP効果が極めて
低く、焼結しなかった。さらに、HIPではなく常圧で
焼成した本発明の範囲外の試料No.5は、特性が不十
分であった。 実施例2 原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面積9m2/
g、α率98%以上、酸素量1.1重量%、Al、M
g、Ca、Feなどの陽イオン金属不純物量30ppm
以下、平均粒径0.8μm)85重量%、周期律表第3
a族元素酸化物粉末(純度99%、平均粒径2.2μ
m)10重量%および酸化珪素粉末(純度99%、平均
粒径0.7μm)を5重量%秤量した。
【0045】上記の粉末を、メタノールを溶媒として窒
化珪素ボールを用いて60時間振動ミルで混合粉砕し、
スラリーを乾燥後、直径60mm、厚み20mmの形状
に3t/cm2の圧力でラバープレス成形した。次に、
浸漬法によりBN層を表1の厚みに施し、そしてかかる
成形体を軟化点1530℃のバイコールガラス粉末中に
埋設し、装置内の大気を置換法により除去して窒素ガス
を導入した。
化珪素ボールを用いて60時間振動ミルで混合粉砕し、
スラリーを乾燥後、直径60mm、厚み20mmの形状
に3t/cm2の圧力でラバープレス成形した。次に、
浸漬法によりBN層を表1の厚みに施し、そしてかかる
成形体を軟化点1530℃のバイコールガラス粉末中に
埋設し、装置内の大気を置換法により除去して窒素ガス
を導入した。
【0046】そして、表1に示すガラス溶融条件と焼成
条件にてHIP焼成した。得られた焼結体は、実施例1
と同様にして評価した。その結果、BN層は均一で破損
はなく、ガラスの噴出も無かった。その他の測定値を表
2に示す。
条件にてHIP焼成した。得られた焼結体は、実施例1
と同様にして評価した。その結果、BN層は均一で破損
はなく、ガラスの噴出も無かった。その他の測定値を表
2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】本発明の試料No.22〜36は、100
気圧未満の圧力でガラスの軟化点以上、軟化点+200
℃以下の範囲から選ばれた溶融温度で前記ガラスを溶融
してガラス浴を作製し、前記の溶融温度以上で100気
圧以上に加圧、保持してHIPを行っており、相対密度
が100%と非常に緻密であり、窒化珪素単体の場合に
は、室温強度が1100MPa以上、1500℃の高温
強度が590MPa以上と非常に高く、破壊靭性値は
5.5MPa・m1/2以上、硬度は18GPa以上であ
った。
気圧未満の圧力でガラスの軟化点以上、軟化点+200
℃以下の範囲から選ばれた溶融温度で前記ガラスを溶融
してガラス浴を作製し、前記の溶融温度以上で100気
圧以上に加圧、保持してHIPを行っており、相対密度
が100%と非常に緻密であり、窒化珪素単体の場合に
は、室温強度が1100MPa以上、1500℃の高温
強度が590MPa以上と非常に高く、破壊靭性値は
5.5MPa・m1/2以上、硬度は18GPa以上であ
った。
【0049】
【発明の効果】本発明のセラミック焼結体の製造方法を
用いると、複雑形状の製品にも対応でき、特性の優れた
焼結体を量産においても高い歩留まりで、安定して提供
できる。
用いると、複雑形状の製品にも対応でき、特性の優れた
焼結体を量産においても高い歩留まりで、安定して提供
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】成形体または仮焼体をガラス系材料でシー
ルし、熱間静水圧加圧処理を行って高密度のセラミック
焼結体を製造する方法において、浸漬法または噴霧法に
より、窒化硼素、バインダおよび溶媒からなるスラリー
を前記成形体または前記仮焼体の全表面に着肉させ、窒
化硼素を被覆する工程と、該窒化硼素の被覆層が形成さ
れた前記成形体または前記仮焼体を、ガラス粉末中に埋
設して熱間静水圧プレス装置内に設置し、該装置内部の
大気を、窒素および/または不活性ガスにより1気圧以
上の圧力でガス置換する工程と、熱間静水圧加圧処理に
よる焼結工程とを含むことを特徴とするセラミック焼結
体の製造方法。 - 【請求項2】窒化硼素の被覆層が形成された成形体また
は仮焼体を、100気圧未満の圧力でガラスの軟化点以
上、軟化点+200℃以下の範囲から選ばれた溶融温度
で前記ガラスを溶融し、ガラス浴を作製する工程と、前
記溶融温度以上で100気圧以上に加圧、保持して前記
成形体または前記仮焼体を焼成する工程とを含むことを
特徴とする請求項1記載のセラミック焼結体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000024703A JP2001213670A (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | セラミック焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000024703A JP2001213670A (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | セラミック焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001213670A true JP2001213670A (ja) | 2001-08-07 |
Family
ID=18550646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000024703A Pending JP2001213670A (ja) | 2000-01-28 | 2000-01-28 | セラミック焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001213670A (ja) |
-
2000
- 2000-01-28 JP JP2000024703A patent/JP2001213670A/ja active Pending
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