JP2001213649A - 腐食防止方法 - Google Patents

腐食防止方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート構造体内部の鉄筋等の金属材料
の腐食を、簡便に安定して防止できる腐食防止方法を提
供する。 【解決手段】 セメント混合材料中に、複数の窒素原子
と炭素原子を環構成元素とし、該炭素原子の1個以上が
窒素原子に隣接して共鳴するカルボニル基を形成してい
る5又は6員環を含有する複素環式化合物類の1種以上
を混合した後、それらのセメント混合材料を配合混練
し、得られた混練物を打設し、形成されるコンクリー
ト、モルタル又はセメントペースト中の金属材料の腐食
防止方法である。この方法は、上記複素環式化合物類の
1種以上を水又は有機溶媒に溶解させ、これを金属材料
を内部に有する既設のコンクリート、モルタル又はセメ
ントペースト構造体表面に、塗布、散布又は該構造体の
破損部より注入して内部の金属材料の表面まで浸透さ
せ、金属材料の腐食を防止する。その複素環式化合物に
はウラシル、5−アミノウラシル、ウラミル、尿酸等が
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
製構造体内部における鉄筋等の腐食防止方法に関するも
のであり、さらに詳しくは、ビルディング、橋梁、トン
ネル等の鉄筋コンクリート製構造体内部の鉄筋が、飛来
塩、骨材中に含有される塩分等の影響により腐食し、鉄
筋コンクリート建築物の強度を減少させたり、また、そ
の腐食に伴って鉄酸化物が鉄筋表面に生成し、鉄筋の体
積が膨張することによりコンクリートを破損、剥落させ
る等の現象を防止する腐食防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄鋼材料は水溶液中に存在する
と腐食を生じるが、この腐食は一種の電池反応であっ
て、例えば、「セメント・コンクリート」第427号、
第80〜88頁(昭和57年9月)に示されているよう
に、鉄鋼材料の表面において、以下に示すような腐食反
応そのものであるアノード反応(1)〜(3)とこれと
対をなすカソード反応(4)が同時に生起することによ
って進行する。 Fe→Fe2++ 2e (1) Fe2++ 2OH→Fe(OH) (2) 4Fe(OH)+ 2HO + O→4Fe(OH) (3) O+2HO +4e→4OH (4) コンクリート中の鉄筋は、例えば「セメント・コンクリ
ート」第482号、第8〜15頁(昭和62年4月)に
示されているように、コンクリート間隙水に含まれる飽
和濃度のCa(OH)水溶液によって強塩基性の水溶液に接
触した状態にある。そこで、鉄鋼が強塩基性の水溶液中
に浸漬されると、その表面には上記(1)〜(3)の化
学反応により生成した鉄水酸化物が安定な酸化物である
FeO・nHOとなって、鉄鋼表面に不働態皮膜と呼ば
れる皮膜を形成して内部を保護する性質があるため、こ
れによりコンクリート内部では鉄鋼の腐食は防止され
る。しかしながら、海浜地区等では海からの飛来塩がコ
ンクリート内に侵入し、また、コンクリート混練時の細
骨材に海砂を用いるなどして塩分がコンクリート内に取
り込まれた場合は、例えば、上記の「セメント・コンク
リート」第482号、第8〜15頁(昭和62年4月)
に示されているように、塩素イオンにより上記した不働
態皮膜が破壊されて腐食が進行し、鉄筋コンクリートの
強度低下や生成する鉄酸化物によって鉄筋の体積が膨張
し、コンクリートのひび割れや剥落等の現象が生じる。
【0003】このような塩素イオンによる鉄筋の腐食を
防止する方法としては、例えば、「セメント・コンクリ
ート」第427号、第80〜88頁(昭和57年9月)
に示されているように、腐食防止剤としてNaNO、CaNO
等の亜硝酸塩をコンクリートの製造過程で混入した
後、打設する方法が知られている。この方法は、式
(4)のOのように亜硝酸イオンの酸化作用により鉄
がFeOに酸化される反応を加速させて、表面に不働
態被膜を形成させることにより腐食が防止されるもので
ある。この作用は、下記式(5)で表される。 2Fe2+ + 2OH + 2NO →2NO↑ + FeO + HO (5)
【0004】これを、図5を参照してさらに詳細に説明
する。図5は、鉄鋼の腐食反応における式(1)〜
(3)のアノード反応の速度及び式(4)のカソード反
応の速度を、反応に伴う電流の絶対値の大きさで表し、
これを鉄鋼の電位との相関で表したもので、分極曲線と
呼ばれる図である。一般に、腐食防止剤が添加されてい
ないう場合、カソード反応速度に対応するカソード電流
は、鉄鋼電位が低下するにつれてB−C1曲線のように
増大する。一方、アノード反応速度に対応するアノード
電流は、鉄鋼電位が高くなるにつれてB−A1曲線のよ
うに増大する。腐食が進行している場合、この2種の反
応速度、従って電流の大きさは等しい。ところが、亜硝
酸塩が添加されると、カソード反応速度は増大し、従っ
てカソード電流はB−C2曲線のように添加前より増大
する。これに伴いアノード反応も加速されて鉄酸化物の
生成を促し、これが鉄鋼表面を覆い不働態被膜を形成す
ることにより腐食反応であるアノード反応速度は阻害さ
れて低下し、アノード電流はB−A2曲線のように減少
して、腐食が防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
亜硝酸塩は、例えば、「防食技術」第25卷、第11
号、第693〜702頁(昭和51年11月)に示され
るように、濃度が不十分であると不働態皮膜が形成され
ず、腐食防止効果が得られないばかりでなく、逆にその
酸化作用により式(1)〜(3)で示される鉄の酸化反
応が加速され、鉄鋼の腐食が促進される性質がある。こ
れを図5の分極曲線を用いて説明する。亜硝酸濃度が十
分に存在すれば、前記のように鉄酸化物の形成が促さ
れ、これが鉄鋼表面に不働態被膜を形成してB−A1曲
線のように鉄鋼腐食が防止されるが、亜硝酸濃度が不足
すると、カソード電流はB−C3曲線のように増大する
ものの、その大きさは濃度が十分である場合に比べて小
さく、これに対する鉄酸化物の生成速度も不十分とな
り、不働態被膜の形成には至らず、却ってB−A3曲線
のようにアノード電流が増大して腐食が加速されること
となる。このため、亜硝酸塩を使用する場合には、コン
クリート製作時の濃度管理が難しく、また、打設後に、
コンクリート自体またはコンクリートのひび割れ部分へ
の侵入水等に亜硝酸が溶出したり、或いは微生物の影響
を受けて亜硝酸イオンが分解される等により亜硝酸濃度
が減少すると、この周囲の鉄筋腐食が加速される可能性
が高いという問題があった。
【0006】本発明は、従来の技術における上記した実
状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目
的は、腐食防止剤の濃度が不足したり変化しても、塩素
イオンの混入等に伴うコンクリート、モルタルまたはセ
メントペースト構造体の内部に配置された金属材料の腐
食を促進する弊害を生じることなく、特定の腐食防止剤
を低濃度で用いることにより、簡易に安定して金属材料
の腐食を防止できる腐食防止方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、上記し
た課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の環構
造及び官能基を持つ複素環式化合物が、上記した低濃度
においても腐食を加速する弊害を生ずることなくコンク
リート系構造体中に配設された鉄筋等の金属材料の腐食
防止に極めて有効であることを見出し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明の第1の腐食防止方法
は、少なくとも1種のセメント混合材料中に、複数の窒
素原子と炭素原子を環構成元素とし、該炭素原子の1個
以上が窒素原子に隣接して共鳴するカルボニル基を形成
している5員環または6員環を含有する複素環式化合物
またはその誘導体の1種以上を混合した後、それらのセ
メント混合材料を配合して混練し、得られた混練物を打
設することにより、形成されるコンクリート、モルタル
またはセメントペースト中に配置された金属材料の腐食
を防止することを特徴とする。
【0008】また、本発明の第2の腐食防止方法は、複
数の窒素原子と炭素原子を環構成元素とし、該炭素原子
の1個以上が窒素原子に隣接して共鳴するカルボニル基
を形成している5員環または6員環を含有する複素環式
化合物またはその誘導体の1種以上を、水または有機溶
媒中に溶解させ、これを金属材料を内部に有する既設の
コンクリート、モルタルまたはセメントペースト構造体
の表面に、塗布するか、散布するかまたは該構造体の破
損部より注入することにより該構造体内部の金属材料の
表面まで浸透させて、その金属材料の腐食を防止するこ
とを特徴とする。さらに、本発明の第3の腐食防止方法
は、複数の窒素原子と炭素原子を環構成元素とし、該炭
素原子の1個以上が窒素原子に隣接して共鳴するカルボ
ニル基を形成している5員環または6員環を含有する複
素環式化合物またはその誘導体の1種以上と、2価また
は3価の金属イオン及びこれと対をなす陰イオンを含む
水溶液に可溶な塩とを、水または水を含む混合溶液に溶
解させることにより、該水溶液中に配置された金属材料
表面の腐食反応を防止することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、主として、金属材料が内部に設けられ
ているコンクリート、モルタルまたはセメントペースト
構造体の作製過程において、またはそれらの既設の構造
体に、特定の腐食防止剤を適用することにより、その金
属材料の腐食を有効に防止する方法である。本発明にお
いて腐食防止の対象とするコンクリート、モルタルまた
はセメントペースト構造体(以下、これらを、単に「コ
ンクリート系構造体」という。)は、鉄筋等の金属材料
が内部に設けられているセメントの誘導製品であって、
セメント、水及び必要に応じて配合する砂等の細骨材や
小石等の粗骨材等のセメント混合材料を混練して硬化さ
せることにより構築されたものである。また、その金属
材料としては、主に前記構造体の強度を向上させるため
に、それらの内部に配置される金属材料であれば何ら制
限されるものではないが、鉄、鉄鋼等が好ましい。
【0010】本発明の腐食防止方法は、コンクリート系
構造体の作製時に混練されるセメント、水、細骨材や粗
骨材等のセメント混合材料のいずれか1種中またはその
複数種中に、予め腐食防止剤を粉末または水溶液として
添加して混合し、これを混練して得られた混練物を打設
するか、或いは、それにより構築されている既設のコン
クリート系構造体の表面に、水または有機溶媒中に溶解
させた腐食防止剤を、塗布するか、散布するか或いはひ
び割れ等の破損部から注入すること等により構造体内部
の金属材料表面まで浸透させることにより、コンクリー
ト系構造体内部の金属材料の腐食を簡易に防止すること
ができるものある。
【0011】本発明の腐食防止方法に使用される腐食防
止剤としては、複数の窒素原子と炭素原子を環構成元素
とし、該炭素原子の1個以上が窒素原子に隣接して共鳴
するカルボニル基を形成している5員環または6員環を
含有する複素環式化合物またはその誘導体から選ばれる
少なくとも1種以上である。その複素環式化合物または
その誘導体は、さらに、5員環または6員環内に、硫黄
原子、窒素原子等の孤立電子対を含む原子或いは二重結
合を有するか、その環にアミノ基、メルカプト基等の孤
立電子対を持つ原子を含む官能基が結合しているか、ま
たはその両者を有する単環の複素環式化合物または他の
環と縮合した複素環式化合物であることが好ましい。そ
の縮合環式化合物としては、複数の窒素原子と炭素原子
を環構成元素とし、該炭素原子の1個以上が窒素原子に
隣接して共鳴するカルボニル基を形成している5員環ま
たは6員環を含有する複素環に、さらに窒素原子を含む
5員環または6員環からなる複素環が縮合しているもの
が好ましい。
【0012】本発明の腐食防止剤として使用されるその
ような複素環式化合物としては、例えば、環状ウレイド
構造を有する単環化合物または縮合環化合物であり、具
体的にはウラシル、ウラゾール、ウラミル、ウラミル二
酢酸、ビオルル酸、5−アミノウラシル、5−ニトロウ
ラシル、6−アミノウラシル、オロチン酸、5−アミノ
オロチン酸、尿酸或いはその誘導体またはそれらの塩が
挙げられる。なかでも、本発明においては、ウラシル、
ウラミル、ウラミル二酢酸、5−アミノウラシル、5−
ニトロウラシル、尿酸が好適である。
【0013】以下、これらの化合物の性状について、5
−アミノウラシルの化学構造式を例示して説明する。
【化1】 5−アミノウラシル
【0014】上記化学構造式に見られるように、5−ア
ミノウラシルは、コンクリート間隙水のような塩基性水
溶液中ではケト−エノール互変異性により有機酸に変化
し、イオンとして溶解する。また、コンクリート間隙水
の主要成分である水酸化カルシウムの水溶液中では、水
酸化カルシウムの飽和濃度(約2×10−2mol/dm)
付近のカルシウムイオン濃度でも沈殿を生じない。従っ
て、これらの腐食防止剤は、コンクリート混練時や打設
の後、或いは、コンクリート構造体外部よりコンクリー
ト内部に浸透させる際のいずれにおいても沈殿を生じる
ことが無く、効率的に分散して構造体内部の鉄鋼の表面
に到達することができる。
【0015】そして、これらの化合物は、上記化学式に
示すように、一部の水酸基が解離してイオン状となって
水溶液中に溶解し、他の水酸基、アミノ基等の極性基及
び二重結合等が金属表面に吸着し、カルシウムと共に保
護性の被膜を形成して酸素分子が鉄鋼表面に接近するの
を妨害すると共に、金属表面からの鉄イオンの溶出を阻
害し、鉄鋼の腐食を防止することができる。これを前記
した分極曲線で示すと、図6のようになり、カソード反
応はB−C4曲線、アノード反応はB−A4曲線となっ
て、ともに金属材料の腐食は抑制されることとなる。こ
の性質は化合物の濃度が変化しても変わることがないと
いう利点がある。このように、本発明において使用する
腐食防止剤は、カソード反応を促進する作用を示さない
ため、濃度が不適切な場合でも鉄鋼の腐食を加速するよ
うな弊害を生じず、効率的に鉄鋼の腐食を防止すること
ができる。
【0016】本発明は、前記したコンクリート、モルタ
ル、セメントペースト等に好適なものであるが、マグネ
シウム、カルシウム等を主成分とする他の材料、例えば
セッコウ等にも適用可能である。また、これらの内部に
存在する金属材料は、上記の鉄鋼、鉄の他に銅、アルミ
ニウム、ニッケル、亜鉛或いはこれらを含む合金等にも
使用可能であるが、鉄或いは鉄鋼製の鉄筋、鉄骨等がよ
り好ましい。また、腐食防止剤は、それらの化合物自体
を使用するほか、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ルミニウム、遷移金属等の金属塩またはアンモニウム塩
として使用することも可能であり、また、使用に際して
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、遷移
金属等の金属塩またはアンモニウム塩と混合して使用す
ることも可能である。
【0017】また、本発明方法は、腐食防止剤と2価ま
たは3価の金属イオン及びこれと対をなす陰イオンを含
む水溶液に可溶な塩とを、水または水を含む混合溶液に
溶解させることにより、その水溶液中に配置された金属
材料の表面の腐食反応を防止することもできる。例え
ば、本発明に使用する腐食防止剤をカルシウムイオンや
マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アル
ミニウムイオン、亜鉛、鉄等の遷移金属イオンを含む水
溶液に溶解させるか、または、水溶液がこれらのイオン
を含まない場合にはこれらのイオンの塩と共に水溶液中
に溶解させると、この水溶液中に浸漬された金属材料の
腐食を防止することにも適用できる。
【0018】本発明では、腐食防止剤をコンクリート混
練時に混合するセメント、細骨材、粗骨材、練り混ぜ水
等のいずれの配合材料に混合しても良いが、好適には練
り混ぜ水の中に溶解させて使用する。この時の腐食防止
剤の濃度は10−2〜10 mol/dm程度の低濃度で
十分である。さらに好適には、これに前記の1/2程度
の濃度の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム等の塩基性の金属塩をともに溶解させる。これ
をセメント、細骨材及び粗骨材等と混練して打設する。
または、打設後において、腐食防止剤を水溶液、有機溶
液等の中に溶解させた上で、これをコンクリート構造体
外部に塗布、散布、ひび割れ等の破損部に注入する等に
よってコンクリート内部に浸透させ、分散させる。その
分散量は、セメント1g当たり10−5〜10−4mol
程度であり、好適には5×10 mol程度の割合量で
十分である。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いて、さらに具体
的に説明する。 実施例1 コンクリート間隙水の主成分である飽和水酸化カルシウ
ム水溶液中に、濃度が3%となるように塩化ナトリウム
を加えた水溶液を調整し、この中に鉄筋と同じ材質の鉄
鋼材料を浸漬することにより、海水相当の塩分を含む鉄
筋コンクリート環境を模擬したモデル実験を実施した。
これを図1を用いて説明する。容器2に前記の水溶液3
を入れ、この水溶液中に、外部電源7を介して鉄鋼片1
及びこれと電線により結線した基準電極4と対極5を浸
漬する。基準電極には、飽和カロメル電極等の電流が流
れたり温度が変化しても一定電位を示す性能を持つもの
を用いた。水溶液中に腐食防止剤として下記に示す5−
アミノウラシルを加えた後、外部電源を用いて基準電極
に対して鉄鋼電位を変化させ、この時、鉄鋼表面−対極
−外部電源間を流れる電流を電流計6により測定しとた
ところ、図2に示す分極曲線を得た。図2中、(A)は
5−アミノウラシルを添加前の分極曲線、(B)、
(C)はそれぞれ1.25×10−2及び5.0×10
−2mol/dmの5−アミノウラシルを加えた場合の分極
曲線である。5−アミノウラシルを添加したことに伴っ
て、カソード電流、アノード電流共に減少したことか
ら、腐食が防止されていることが判る。両濃度ともに、
図5に示す亜硝酸塩を添加した分極曲線のようなカソー
ド反応の上昇は見られなかった。これは、他の濃度に変
えても同様であった。得られたカソード電流とアノード
電流から、鉄鋼の腐食速度及び下記式(6)で示される
5−アミノウラシルの添加に伴う腐食抑制率を算出し
た。 I=(K0−K)/ K0 (6) ここで、Iは腐食抑制率であり、K0及びKは、それぞ
れ5−アミノウラシルの添加前及び添加後の鉄鋼腐食速
度である。このI値は、1に近づくほど腐食抑制効果が
大きいことを意味している。得られた結果を図3に示し
た。腐食速度は5.0×10−2mol/dm以上の添加で
1/100以下となり、鉄鋼腐食の防止効果が極めて高
いことを確認した。また、他の如何なる濃度にしても腐
食速度が添加前より増大する現象は見られなかった。
【0020】実施例2 腐食防止剤としてウラシルを用いたこと以外は、実施例
1と同様の方法を用いて実施し、得られた分極曲線を図
4に示した。図4中の(A)はウラシルを加える前の分
極曲線、(B)は1.25×10−2mol/dmのウラシ
ルを加えた場合の分極曲線である。実施例1と同様にカ
ソード電流、アノード電流は共に減少し、従って腐食が
防止されていることが判る。また、他の如何なる濃度で
も図5に見られるようなカソード反応の上昇は見られな
かった。
【0021】実施例3〜5 実施例1に用いた5−アミノウラシルの代わりに、それ
ぞれウラミル(実施例3)、ウラミル二酢酸(実施例
4)、尿酸(実施例5)を用いて、実施例1と同様の実
験を行ったところ、いずれも実施例1と同じく、鉄鋼腐
食反応が防止されることを確認した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、既設のコンクリート系
構造体及びその構築時において、塩素イオン等の腐食剤
混入に伴う内部の金属材料の腐食を、簡易にかつ長期的
に防止できるという優れた作用効果を奏するものであ
り、産業上の利用に大きく貢献するものである。また、
本発明では、腐食防止剤濃度が不足したり変化しても金
属材料の腐食を促進することなく、塩素イオンの混入等
によるコンクリート系構造体内部の金属材料の腐食を安
定して有効に防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属材料の腐食防止を確認するための試験装
置の一例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の腐食防止方法による腐食抑制状況の
一例を示すグラフである。
【図3】 本発明の腐食防止方法による腐食抑制状況の
一例をさらに詳細に示すグラフである。
【図4】 本発明の腐食防止方法による腐食抑制状況の
他の一例を示すグラフである。
【図5】 従来の腐食防止剤の腐食抑制機構を模式的に
示すグラフである。
【図6】 本発明の腐食防止方法による腐食抑制機構を
模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・鉄鋼試験片 2・・・容器 3・・・水溶液 4・・・基準電極 5・・・対極 6・・・電流計 7・・・外部電源
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04G 23/02 E04G 23/02 A E21D 11/00 E21D 11/00 Z // C04B 103:61 C04B 103:61 111:26 111:26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のセメント混合材料中
    に、複数の窒素原子と炭素原子を環構成元素とし、該炭
    素原子の1個以上が窒素原子に隣接して共鳴するカルボ
    ニル基を形成している5員環または6員環を含有する複
    素環式化合物またはその誘導体の1種以上を混合した
    後、それらのセメント混合材料を配合して混練し、得ら
    れた混練物を打設することにより、形成されるコンクリ
    ート、モルタルまたはセメントペースト中に配置された
    金属材料の腐食を防止することを特徴とする腐食防止方
    法。
  2. 【請求項2】 前記セメント混合材料が、セメント、水
    及び必要に応じて細骨材または粗骨材を含むものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の腐食防止方法。
  3. 【請求項3】 複数の窒素原子と炭素原子を環構成元素
    とし、該炭素原子の1個以上が窒素原子に隣接して共鳴
    するカルボニル基を形成している5員環または6員環を
    含有する複素環式化合物またはその誘導体の1種以上
    を、水または有機溶媒中に溶解させ、これを金属材料を
    内部に有する既設のコンクリート、モルタルまたはセメ
    ントペースト構造体の表面に、塗布するか、散布するか
    または該構造体の破損部より注入することにより該構造
    体内部の金属材料の表面まで浸透させて、その金属材料
    の腐食を防止することを特徴とする腐食防止方法。
  4. 【請求項4】 複数の窒素原子と炭素原子を環構成元素
    とし、該炭素原子の1個以上が窒素原子に隣接して共鳴
    するカルボニル基を形成している5員環または6員環を
    含有する複素環式化合物またはその誘導体の1種以上
    と、2価または3価の金属イオン及びこれと対をなす陰
    イオンを含む水溶液に可溶な塩とを、水または水を含む
    混合溶液に溶解させることにより、該水溶液中に配置さ
    れた金属材料表面の腐食反応を防止することを特徴とす
    る腐食防止方法。
  5. 【請求項5】 前記複素環式化合物またはその誘導体
    が、さらに、5員環または6員環内に孤立電子対を含む
    原子或いは二重結合を有するか、該環に孤立電子対を持
    つ原子を含む官能基が結合しているか、またはその両者
    を有する単環の複素環式化合物または他の環と縮合した
    複素環式化合物であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の腐食防止方法。
  6. 【請求項6】 前記複素環式化合物またはその誘導体
    が、環状ウレイド構造を有するウラシル、ウラゾール、
    ウラミル、ウラミル二酢酸、ビオルル酸、5−アミノウ
    ラシル、5−ニトロウラシル、6−アミノウラシル、オ
    ロチン酸、5−アミノオロチン酸、尿酸或いはその誘導
    体またはそれらの塩から選ばれる化合物であることを特
    徴とする特許請求項1〜5のいずれか1項に記載の腐食
    防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010062155A1 (es) 2008-11-28 2010-06-03 Arturo Solis Herrera Mezcla cementante con propiedades fisicoquímicas y bacteriológicas significativamente mejoradas que contiene dopamelanina, sus precursores, sus análogos o sus derivados como aditivo
KR101433338B1 (ko) 2013-10-17 2014-08-22 주식회사 비앤비 방청성과 이산화탄소 고정 및 염소 고정이 있는 고알카리 유기계 방청제와 방청표면 피복재를 사용한 철근부식 보수 및 억제 방법
WO2024014003A1 (ja) * 2022-07-15 2024-01-18 日本電信電話株式会社 腐食再現装置、制御装置、評価システム、制御方法、及びプログラム

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