JP2001213383A - 電動補助自転車 - Google Patents

電動補助自転車

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JP2001213383A
JP2001213383A JP2000025257A JP2000025257A JP2001213383A JP 2001213383 A JP2001213383 A JP 2001213383A JP 2000025257 A JP2000025257 A JP 2000025257A JP 2000025257 A JP2000025257 A JP 2000025257A JP 2001213383 A JP2001213383 A JP 2001213383A
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sprocket
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Kunio Yahagi
邦夫 矢萩
Masashi Igarashi
政志 五十嵐
Toshiyuki Cho
敏之 長
Tatsushi Akiba
竜志 秋葉
Masayuki Toriyama
正雪 鳥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動補助自転車のブレーキ時に回生電流を発
生させること。 【解決手段】 電動補助用モータMの回転はギヤ83,
76および第1のワンウェイクラッチ75を介して駆動
スプロケット13に伝達される。人力による踏力はペダ
ルクランク軸101から第2のワンウェイクラッチ78
を介して駆動スプロケット13に伝達される。駆動スプ
ロケットの回転はチェーン6を介してリヤスプロケット
から後輪に伝達される。後輪とリヤスプロケットは直結
されていて、ブレーキ時は第1のワンウェイクラッチ7
5が直結され、後輪の回転が各スプロケットおよび直結
された第1のワンウェイクラッチ75等を通じてモータ
Mのインナロータ111に伝達され、ステータコイル1
12に回生電流が発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動補助自転車に
関し、特に、踏力に電動補助力を与えるための電源用バ
ッテリに回生電流を供給することができる電動補助自転
車に関する。
【0002】
【従来の技術】ペダルに加えられた踏力を後輪に伝達す
るための人力駆動系と、踏力に応じて前記人力駆動系に
補助動力を付加させることができるモータ駆動系とを備
えた電動補助自転車が知られている。例えば、特開平1
0−250673号公報には、クランク軸およびその軸
受等を含む人力駆動系と、モータによる補助動力をクラ
ンク軸に合力させる駆動系とを単一のハウジングに収容
した駆動装置を有する自転車が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電動補助自転車には電
動補助力を与えるためのモータ用電源としてバッテリが
搭載されるが、1回のバッテリ充電で長時間走行できる
のが望ましい。そこで、自転車の自走期間中のエネルギ
を有効に利用するため回生発電によりバッテリを充電す
ることが考えられる。例えば、ブレーキレバーの操作を
検出して回生装置に回生動作を指令する電動補助自転車
用の回生制御装置が提案されている(特開平8−140
212号公報参照)。
【0004】しかし、電動補助自転車の駆動系には通常
一方向にのみ回転を伝達するワンウェイクラッチが設け
られているため、ブレーキ動作中の車輪の回転によって
回生電流を得ることはできなかった。車輪の回転によっ
てブレーキ動作中に回生電流を生じさせる具体的な構造
は上記公報にも提案されていない。そこで、従来、実用
性のある回生装置を有する電動補助自転車の提案が望ま
れている。
【0005】本発明は、上記要望に鑑み、ブレーキ動作
中の車輪の回転による回生電流でバッテリを充電できる
電動補助自転車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、踏力を伝達するペダルクランク軸を含む
人力駆動部と該人力駆動部に合成される補助動力を発生
させるモータを含むモータ駆動部とを有する電動補助自
転車において、前記モータ駆動部の回転を後輪に伝達す
る第1のワンウェイクラッチと、後輪を制動させるブレ
ーキ手段と、前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第
1のワンウェイクラッチを直結する直結手段とを具備し
た点に第1の特徴がある。第1の特徴によれば、第1の
ワンウェイクラッチが直結されることにより、走行中の
ブレーキ操作時に後輪の回転がモータ駆動部に伝達され
て回生電流が生起される。
【0007】また、本発明は、チェーンを介して後輪に
直結された駆動スプロケットと、前記ペダルクランク軸
の回転を前記駆動スプロケットに伝達する第2のワンウ
ェイクラッチとを具備し、前記モータ駆動部が前記第1
のワンウェイクラッチを介して前記駆動スプロケットに
結合されている点に第2の特徴がある。第2の特徴によ
れば、ペダルクランク軸は第2のワンウェイクラッチを
介して駆動スプロケットと結合されているので、駆動ス
プロケットに対して従動することはない。したがって、
制動中に後輪の回転はペダルクランク軸に伝達されず、
ペダルが回転されることもない。
【0008】また、本発明は、筒状の後輪ハブを具備
し、前記モータ駆動部が前記後輪ハブ内に収容されてい
ると共に、前記第1のワンウェイクラッチが前記モータ
駆動部の出力軸および前記後輪ハブ間に設けられている
点に第3の特徴がある。第3の特徴によれば、ペダルク
ランク軸の近くにモータ駆動部を設置しないので、ペダ
ルクランク軸周辺の構成要素のレイアウトに自由度が増
す。
【0009】また、本発明は、前記第1のワンウェイク
ラッチが、同軸上でその内周および外周にそれぞれ配置
された部材を結合するよう構成され、前記直結手段が、
前記各部材を側方から押圧して互いを直結するよう構成
されている点に第4の特徴があり、ワンウェイクラッチ
を直結するための構造が簡素化される。
【0010】また、本発明は、前記直結手段が、前記ブ
レーキ手段の操作力で付勢される点に第5の特徴があ
り、電気的駆動手段を用いることなく直結手段を駆動す
ることができる。
【0011】また、本発明は、前記ブレーキ手段の操作
を検出する検出手段と、前記検出手段による操作検出に
応答して前記直結手段を付勢する電磁手段とを具備した
点に第6の特徴があり、直結手段に機械的駆動力を伝達
するためのメカニズムを簡略化できる。
【0012】また、本発明は、前記第1のワンウェイク
ラッチを介して前記モータ駆動部に結合された駆動スプ
ロケットと、後輪と同軸に設けられたリニヤスプロケッ
トと、前記駆動スプロケットおよび前記リニヤスプロケ
ットを直結するチェーンと、前記リニヤスプロケットの
回転を後輪に伝達するための第3のワンウェイクラッチ
と、前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第3のワン
ウェイクラッチを直結する第2の直結手段とを具備した
点に第7の特徴がある。第7の特徴によれば、ブレーキ
操作をしない惰行時には第3のワンウェイクラッチは直
結されないので、後輪の回転はチェーンに伝達されな
い。したがって、ブレーキ操作によって回生発電がなさ
れるとともに、ブレーキ操作をしない惰行時には余分な
負荷が後輪に付加されないので軽快に惰行させることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本発明の駆動装置を有す
る電動補助自転車の側面図、図2は図1の要部拡大図で
ある。電動補助自転車の車体フレーム2は、車体前方に
位置するヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から下
後方に延びたダウンパイプ22と、ダウンパイプ22の
終端部近傍から上方に立上がるシートポスト23とを備
える。ダウンパイプ22とシートポスト23との結合部
およびその周辺部は、上下に2分割されて着脱される樹
脂カバー33により覆われている。ヘッドパイプ21の
上部にはハンドルポスト27Aを介して操向ハンドル2
7が回動自在に挿通され、ヘッドパイプ21の下部には
ハンドルポスト27Aに連結されたフロントフォーク2
6が支承されている。フロントフォーク26の下端には
前輪WFが回転自在に軸支されている。
【0014】車体フレーム2の下部には、踏力補助用の
電動モータMを含む駆動装置としての電動補助ユニット
1が、ダウンパイプ22の下端の連結部92、シートポ
スト23に溶接されたバッテリブラケット49の前部に
設けられた連結部91、およびブラケット49の後部の
連結部90の3か所でボルト締めされて懸架されてい
る。連結部90では電動補助ユニット1とともにチェー
ンステー25が共締めされている。
【0015】電源キーによりオン・オフされる電動補助
ユニット1の電源スイッチ部29がダウンパイプ22上
のヘッドパイプ21の近傍に設けられている。電源スイ
ッチ29の取付位置は図示の位置に限らず、例えば、ハ
ンドルポスト27A前方のハンドル27上に設けても良
い。また、電源補助ユニット1は、例えば赤外線信号を
使ったリモートコントロールスイッチ(後述)によって
その電源を投入するようにすることができる。その場
合、電源スイッチ部29には、リモートコントロールス
イッチから送出される赤外線信号を受信する受信機を設
ける。
【0016】電動補助ユニット1には駆動スプロケット
13が設けられていて、ペダルクランク軸(以下、単に
「クランク軸」という)101の回転は駆動スプロケッ
ト13からチェーン6を通じてリアスプロケット14に
伝達される。なお、駆動スプロケット13とリヤスプロ
ケット14とは、回生発電を可能にするためリジッド取
付け、つまり双方のスプロケットの一方がいずれの方向
に回転しても他方がこれに追従して回転するような取付
けになっている。
【0017】ハンドル27にはブレーキレバー27Bが
設けられており、このブレーキレバー27Bが操作され
たことは、ブレーキワイヤ39を通じて後輪WRのブレ
ーキ装置(図示せず)に伝達される。さらに、ブレーキ
ワイヤ39は電動補助ユニット1に分岐し、ブレーキレ
バー27Bの操作はブレーキワイヤ39の変位として後
述の回生発電装置動作用のカムにも伝達される。
【0018】この自転車では、ダウンパイプ22とシー
トポスト23との結合部が電動補助ユニット1の前部に
レイアウトされているので、電動補助ユニット1を低位
置に配置でき、低重心化が図られている。また、車体フ
レーム2の高さを低く抑えられるので“跨ぎ易さ”も良
好である。
【0019】電動補助ユニット1にはクランク軸101
が回転自在に支承され、クランク軸101の左右両端に
はクランク11を介してペダル12が軸支されている。
電動補助ユニット1から後方側に延出される左右一対の
チェーンステー25の終端間には、駆動輪としての後輪
WRが軸支されている。シートポスト23の上部および
両チェーンステー25の終端間には、左右一対のシート
ステー24が設けられている。シートポスト23の上端
にはシート30が備えられ、シートパイプ31はシート
30の高さを調整するためシートポスト23内で摺動で
きるように装着されている。
【0020】シート30の下方でシートポスト23の後
部には、収納ケースに収容されたバッテリ4が取り付け
られている。バッテリ4は複数のバッテリセルからな
り、長手方向が略上下方向となるようシートポスト23
に沿って設置される。
【0021】図2は電動補助ユニット1の断面図、図3
は図2のA−A矢視図である。電動補助ユニット1のケ
ースは本体70、ならびにその両側面にそれぞれ取付け
られる左カバー70Lおよび右カバー70Rからなる。
ケース70ならびに左カバー70Lおよび右カバー70
Rは軽量化のため樹脂成型品によって製作される。ケー
ス本体70の周囲には前記ダウンパイプ22やバッテリ
ブラケット49の連結部90,91,92にそれぞれ適
合するハンガー90a,91a,92aが形成されてい
る。本体70には軸受71が設けられ、右カバー70R
には軸受72が設けられている。軸受71の内輪にはク
ランク軸101が内接し、軸受72の内輪にはクランク
軸101と同軸でクランク軸101に対してその外周方
向に摺動自在に設けられたスリーブ73が内接してい
る。すなわち、クランク軸101は軸受71と軸受72
によって支持されている。
【0022】スリーブ73にはボス74が固定されてい
て、このボス74の外周には、例えばラチェット機構か
らなるワンウェイクラッチ(第1のワンウェイクラッ
チ)75を介してアシストギヤ76が設けられている。
アシストギヤ76は軽量化の観点から樹脂製であるのが
好ましく、また、静粛性等の観点からヘリカルギヤとす
るのがよい。
【0023】スリーブ73の一端部にはギヤ73aが形
成されていて、このギヤ73aを太陽ギヤとしてその外
周に3つの遊星ギヤ77が配置されている。遊星ギヤ7
7は支持プレート102に立設した軸77aで支持され
ており、さらに支持プレート102はワンウェイクラッ
チ(第2のワンウェイクラッチ)78を介してクランク
軸101に支持されている。遊星ギヤ77は踏力検知用
リング79に対して、その内周に形成されたインナギヤ
に噛み合っている。スリーブ73の端部(ギヤが形成さ
れていない側)にはチェーン6によって前記リヤスプロ
ケット14に結合されている駆動スプロケット13が固
定されている。
【0024】踏力検知用リング79はその外周に張出し
たアーム79a,79bを有しており、アーム79a,
79bは、アーム79aと本体70との間に設けられた
引張りばね80、およびアーム79bと本体70との間
に設けられた圧縮ばね81によってクランク軸101
の、走行時回転方向と反対の方向(図中時計方向)に付
勢されている。圧縮ばね81はリング79のがたつき防
止のために設けられる。アーム79bにはリング79の
回転方向の変位を検出するためのポテンショメータ82
が設けられている。
【0025】アシストギヤ76にはスプリングワッシャ
85を介して回生発電用の円板状クラッチプレート86
が隣接配置されており、さらにクラッチプレート86に
は、スプリングワッシャ85に抗してプレート86をア
シストギヤ76側に押圧するためのプレッシャプレート
87が隣接配置されている。クラッチプレート86およ
びプレッシャプレート87はいずれもスリーブ73に対
してその軸方向に摺動自在に設けられている。
【0026】プレッシャプレート87はそのハブ部分に
形成された傾斜面に当接させたカム88によってクラッ
チプレート86寄りに偏倚される。カム88はシャフト
89によって右カバー70Rに回動自在に支持されてお
り、このシャフト89の端部つまり右カバー70Rから
外部に突出した部分にはレバー7が固着されている。レ
バー7はブレーキワイヤ39に結合されていて、ブレー
キがかけられたときにブレーキワイヤ39によってレバ
ー7が回動し、このレバー7の回動に伴ってカム88は
シャフト89を中心に回動する。
【0027】前記アシストギヤ76にはモータMの軸に
固定されたピニオン83が噛み合っている。モータMは
3相のブラシレスモータであり、ネオジウム(Nd−F
e−B系)磁石の磁極110を有するロータ111と、
その外周に設けられたステータコイル112と、ロータ
111の側面に設けられた磁極センサ用のゴム磁石リン
グ(N極とS極とが交互に配置されてリングを形成した
もの)113と、ゴム磁石リング113に対向して配置
され、基板114に取付けられたホールIC115と、
ロータ111の軸116とからなる。軸116は左カバ
ー70Lに設けられた軸受98とケース本体70に設け
られた軸受99で支持されている。
【0028】ケース本体70の、車体前方寄りにはモー
タMを制御するためのドライバ用のFETやコンデンサ
を含むコントローラ100が設けられており、このFE
Tを通じてステータコイル112に給電される。コント
ローラ100は、踏力検出器としてのポテンショメータ
82で検出された踏力に応じてモータMを動作させ、補
助動力を発生する。
【0029】ケース本体70やカバー70L,70Rは
軽量化の観点から樹脂成型品で構成するのが好ましい
が、その一方で、軸受の周囲等は強度を高める必要があ
る。そこで、本実施形態では軸受の周囲に鉄、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、銅合金等、金属の補強部材1
05,106,107を配している。特に、ケース本体
70に配置される補強部材は、クランク軸101の軸受
71およびモータ軸116の軸受99、ならびに車体へ
の取付部材となるハンガー90a,91a,92a等、
大きい荷重が予想される部位を補強するものであるた
め、各部分の補強部材を互いに連結して一体的な補強プ
レート105を形成した。この補強プレート105によ
れば、各軸受やハンガーの周囲に配置されたそれぞれの
補強部材が互いに他と連絡して補強効果を一層高めてい
る。
【0030】補強プレート105は、軸受71および軸
受99、ならびにハンガー90a,91a,92aの周
囲の補強部材をすべて連結するものに限らず、これらの
補強部材のうち互いに近接するもの同士、例えばハンガ
90aの周囲の補強部材と軸受99の周囲の補強部材と
を連結したり、軸受71の周囲の補強部材と軸受99の
周囲の補強部材またはハンガ90a,91a,92aの
1つとを連結したりするものでもよい。なお、これら補
強部材105,106,107は樹脂成型時にケース7
0やカバー70L,70Rと一体で形成するのがよい。
【0031】上記構成の電動補助ユニット1では、クラ
ンク11を介してクランク軸101に踏力が加わると、
クランク軸101は回転する。クランク軸101の回転
はワンウェイクラッチ78を介して支持プレート102
に伝達され、遊星ギヤ77の軸77aを太陽ギヤ73a
の回りに回転させ、遊星ギヤ77を介して太陽ギヤ73
aは回転させられる。この太陽ギヤ73aが回転するこ
とによってスリーブ73に固着されている駆動スプロケ
ット13が回転する。
【0032】後輪WRに負荷が加わると、その大きさに
応じて前記踏力検知用リング79が回動し、その回動量
はポテンショメータ82で検出される。ポテンショメー
タ82の出力つまり負荷に対応した出力が予定値より大
きいときはその負荷の大きさに応じてモータMが付勢さ
れ補助動力が発生される。補助動力は、クランク軸10
1で発生された人力による駆動トルクと合成されて駆動
スプロケット13へ伝達される。
【0033】走行時、車両を減速させるためブレーキを
かけると、ブレーキワイヤ39によりカム88がシャフ
ト89を中心に回動し、プレッシャプレート87がクラ
ッチプレート86を押圧する。そうすると、クラッチプ
レート86がアシストギヤ76側に偏倚し、クラッチプ
レート86を介してボス74とアシストギヤ76とが結
合し、ボス74の回転はアシストギヤ76に伝達され
る。したがって、制動中の駆動スプロケット13の回転
はスリーブ73、ボス74およびアシストギヤ76を通
じてピニオン83に伝達される。ピニオン83の回転は
インナロータ111に伝達され、その結果ステータコイ
ル112に起電力が生じて回生発電が行われる。発電に
より生じた電流はコントローラ100を通じてバッテリ
4に供給され、バッテリ4が充電される。なお、ブレー
キ操作中のスリーブ73の回転によって遊星ギヤ77が
回転し、支持プレート102が回転するが、ワンウェイ
クラッチ78の作用により、支持プレート102の回転
はクランク軸101には伝達されない。
【0034】前記プレッシャプレート87はカム88に
よって付勢するのに代えて、次のように電磁式としても
よい。図4は、プレッシャプレート87の付勢手段の変
形例に係る断面図であり、図2と同符号は同一または同
等部分を示す。同図において、右カバー70Rには軸受
72に近接した位置にリニアソレノイド89aを取付け
ている。ソレノイド89aのプランジャ88aはクラン
ク軸101に平行に変位可能に設けられている。ソレノ
イド89aにはブレーキ操作を検出するための、図示し
ないスイッチ手段(例えばブレーキワイヤ39の動きに
連動する)を介して前記バッテリ4から動作電流が供給
される。ソレノイド89aは、電流が供給されるとプラ
ンジャ88aがプレッシャプレート87側に突出するよ
うに設定されている。
【0035】したがって、ブレーキが操作されてバッテ
リ4から電流が供給されると、プランジャ88aが突出
してプレッシャプレート87はクラッチプレート86側
に押圧される。その結果、クラッチプレート86はばね
85に打ち勝ってボス74側に変位し、ワンウェイクラ
ッチ75をロックし、ボス74とアシストギヤ76とを
結合する。
【0036】次に、第2実施形態を説明する。図5は第
2実施形態に係る電動補助リヤユニットの断面図であ
る。後輪軸34はその両端に形成されたねじ部およびそ
れに螺着されるナット35,35によって固着されたチ
ェーンステー25で支持されている。なお、後輪軸34
の両端はチェーンステー25だけでなく、シートステー
24や、荷台や後輪のカバー等を支持するステーも結合
されるが、ここでは図の煩雑を避けるため図示を省略し
ている。後輪軸34と同軸に設けられたモータMは3相
のブラシレスモータであり、ネオジウム(Nd−Fe−
B系)磁石の磁極110を有するロータ111と、その
外周に設けられたステータコイル112とからなる。こ
のインナロータ111の側面には磁極センサ用のゴム磁
石リング113と、ゴム磁石リング113に対向して配
置され、基板114に取付けられたホールIC115と
が設けられている。
【0037】インナロータ111を収容するモータハウ
ジング36はハウジング本体36aとキャップ36bと
からなる。ハウジング本体36aはキャップ36bを介
して後輪軸34に固着され、かつハウジング本体36a
は軸受37を介してインナロータ111の細径部外周に
係合している。キャップ36bとハウジング本体36a
との間に前記基板114が挟持され、これらキャップ3
6bと基板114との間の空間にコントローラ100が
収容される。
【0038】前記モータハウジング36を覆うように後
輪ハブ38が設けられ、この後輪ハブ38の側面には止
めねじ40によってカバー41が固着されており、後輪
ハブ38はこのカバー41の中心部に嵌合された軸受4
2とハウジング本体36aの外周に嵌合された軸受43
とを介して回転自在に後輪軸34に支持されている。さ
らに、後輪ハブ38と前記インナロータ111の細径部
外周との間にはワンウェイクラッチ44が介挿されてい
る。このワンウェイクラッチ44はコイル112に通電
されてインナロータ111が付勢されたときに、インナ
ロータ111の回転に伴って後輪ハブ38が回転するよ
うに係合方向が設定されている。
【0039】前記カバー41にはワンウェイクラッチ4
5を介して軸34と同軸にリヤスプロケット46が設け
られている。リヤスプロケット46はチェーン6を介し
て、図示しない駆動スプロケットと連結される。第2実
施形態では電動補助用のモータを後輪ハブ38内に設け
たので、電動補助力を人力による踏力に合力させるため
の、第1実施形態に係るような電動補助ユニット1は設
けない。この第2実施形態では、踏力を伝達させるクラ
ンク軸を車体フレーム2に固定した軸受に支持させ、か
つこのクランク軸に駆動スプロケットを直結してあれば
よい。但し、踏力検知用リング79をクランク軸に関し
て設置し、その付勢用のばねや回動量検知のためのポテ
ンショメータ等は第1実施形態を適宜変形して設ける。
【0040】ワンウェイクラッチ45は前記クランク軸
に踏力が加わってリヤスプロケット46が回転したとき
にカバー41と係合し、踏力が解除されたときにカバー
41とリヤスプロケット46との係合が解除されるよう
設定される。
【0041】インナロータ111の、ゴム磁石リング1
13が設けられた側とは反対側の側面にはスプリングワ
ッシャ85を介して回生発電用の円板状クラッチプレー
ト86が隣接配置されており、さらにクラッチプレート
86には、スプリングワッシャ85に抗してプレート8
6をアシストギヤ76側に押圧するためのプレッシャプ
レート87が隣接配置されている。クラッチプレート8
6およびプレッシャプレート87はいずれも後輪軸34
に対してその軸方向に摺動自在に設けられている。
【0042】プレッシャプレート87をクラッチプレー
ト86寄りに偏倚させるカム88が、第1実施形態と同
様に設けられる。カム88を支持するシャフト89は後
輪ハブ38の第2のカバー47によって回動自在に支持
されており、このシャフト89の端部つまり第2のカバ
ー47から外部に突出した部分にはレバー7が固着され
ている。レバー7はブレーキワイヤ39に結合されてい
て、ブレーキがかけられたときにブレーキワイヤ39に
よってレバー7が回動し、このレバー7の回動に伴って
カム88はシャフト89を中心に回動する。
【0043】シャフト89にはブレーキシュー48が固
着されており、レバー7の回動に伴ってカム88と同様
に回動する。ブレーキシュー48は後輪ハブ38の内周
面に押圧されて後輪ハブ38の回転を制動するよう構成
される。なお、第2のカバー47の周囲には後輪ハブ3
8との間を密封するシール部材49が設けられる。
【0044】上記構成の第2実施形態では、クランク軸
に加わった踏力はチェーン6を介してリヤスプロケット
46に伝達され、リヤスプロケット46の回転に伴い、
ワンウェイクラッチ45を介して後輪ハブ38が回転さ
せられる。踏力が予定の基準値を超えたときにステータ
コイル112に電流が供給される。この電流の大きさは
踏力に対応して変化させられる。ステータコイル112
に電流が供給されるとインナロータ111が回転され、
インナロータ111の回転はワンウェイクラッチ44を
介して後輪ハブ38に伝達される。すなわち、モータM
による補助力が人力による踏力に合成される。
【0045】走行中にブレーキがかけられるとブレーキ
ワイヤ39を通じてシャフト89が回動させられ、プレ
ーシャプレート87によってクラッチプレート86が変
位させられ、後輪ハブ38とインナロータ111とが直
結される。その結果、後輪ハブ38の回転がインナロー
タ111に伝達され、ステータコイル112に回生電流
が生起される。この回生電流はコントローラ100を通
じてバッテリ4に供給されるのは第1実施形態と同様で
ある。
【0046】さらに、第2実施形態は次のように変形す
ることができる。まず、リヤスプロケット46の回転を
ワンウェイクラッチ45を介して後輪ハブ38に伝達す
るのに代えて、駆動スプロケットとクランク軸との間に
ワンウェイクラッチを介在させてもよい。要は、ワンウ
ェイクラッチを介してクランク軸の回転が後輪ハブ38
に伝達されるように構成してあればよい。また、プレッ
シャプレート87を付勢するカム88に代えて図4のよ
うなソレノイドを設けてもよいのも第1実施形態と同様
である。
【0047】また、第1実施形態に次の構成を付加する
ことができる。図6は、第1実施形態の変形例に係る後
輪ハブ周辺の断面図である。同図において、後輪軸34
はその両端に形成されたねじ部に螺着されたナット3
5,35によってチェーンステー25に固着されてい
る。後輪ハブ50は軸受51,51によって後輪軸34
に回転自在に支持されていて、その一端にはワンウェイ
クラッチ(第3のワンウェイクラッチ)54を介してリ
ヤスプロケット46が支持されている。後輪軸34の前
記スプロケット46が固着された側の延長部分には軸方
向に摺動自在にクラッチプレート52が設けられてい
て、クラッチプレート52と前記リヤスプロケット46
との間にはスプリングワッシャ53が挟まれている。前
記クラッチプレート52の背面側つまり後輪軸34の軸
端側にはリニヤソレノイド56が設けられ、そのプラン
ジャ55先端が前記クラッチプレート52の背面に当接
している。ソレノイド56のコイルには前記ソレノイド
89aと同様、ブレーキ操作に応答してバッテリ4から
電流が供給される。
【0048】図6において、前記電動補助ユニット1に
より踏力および電動補助力が前記チェーン6を介してリ
ニヤスプロケット46に伝達されると後輪ハブ50が回
転して後輪WRは回転させられる。走行中のブレーキ操
作に応答してソレノイド56が付勢されるとプランジャ
55がクラッチプレート52側に変位し、クラッチプレ
ート52はスプリングワッシャ53に抗してワンウェイ
クラッチ54側に偏倚しワンウェイクラッチ54をロッ
クする。
【0049】このように、電動補助ユニット1による駆
動力が与えられている場合、およびブレーキ操作中にだ
けリニヤスプロケット46は後輪ハブ50と直結される
ので、ブレーキ操作をしない惰行時には、チェーン6は
循環動作をしない。したがって惰行時の負荷が軽減さ
れ、軽快な走行感覚が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなとおり、請求項
1〜請求項7の発明によれば、ブレーキ操作時に第1の
ワンウェイクラッチが直結されてモータ駆動部による回
生発電を行うことができるので、この回生電流をモータ
駆動部の電源の充電に用いることができる。特に、請求
項2の発明によれば第2のワンウェイクラッチにより回
生発電時にペダルクランク軸が回転しないし、第7の特
徴によれば、ブレーキ操作を行わない惰行時には軽快な
惰行性能が得られる。
【0051】また、請求項3の発明によれば、ペダルク
ランク軸周辺のレイアウトの自由度を高めることがで
き、請求項4の発明によれば、回生のための第1のワン
ウェイクラッチを直結させる構造が簡素化される。
【0052】さらに、請求項5の発明によれば、電気的
駆動手段を用いずにワンウェイクラッチを直結させられ
るし、第6の特徴によれば、機械的駆動手段を用いずに
ワンウェイクラッチを直結させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電動補助自転車の側
面図である。
【図2】 電動補助ユニットの要部断面図である。
【図3】 図2のA−A位置での断面図である。
【図4】 ワンウェイクラッチの直結手段を示す断面図
である。
【図5】 後輪ハブに内蔵されたモータ駆動部の断面図
である。
【図6】 第3のワンウェイクラッチを含む後輪ハブの
断面図である。
【符号の説明】
1…電動補助ユニット、 2…車体フレーム、 4…バ
ッテリ、 13…駆動スプロケット、 29…電源スイ
ッチ部、 38,50…後輪ハブ、 39…ブレーキワ
イヤ、 46…リヤスプロケット、 54…第3のワン
ウェイクラッチ、70…ケース本体、 75…第1のワ
ンウェイクラッチ、 78…第2のワンウェイクラッ
チ、 86…クラッチプレート、 100…コントロー
ラ、 101…ペダルクランク軸、 102…遊星ギヤ
支持プレート、 111…インナロータ、 112…ス
テータコイル 116…モータの軸
フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 政志 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 長 敏之 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 秋葉 竜志 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鳥山 正雪 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 踏力を伝達するペダルクランク軸を含む
    人力駆動部と該人力駆動部に合成される補助動力を発生
    させるモータを含むモータ駆動部とを有する電動補助自
    転車において、 前記モータ駆動部の回転を後輪に伝達する第1のワンウ
    ェイクラッチと、 後輪を制動させるブレーキ手段と、 前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第1のワンウェ
    イクラッチを直結する直結手段とを具備したことを特徴
    とする電動補助自転車。
  2. 【請求項2】 チェーンを介して後輪に直結された駆動
    スプロケットと、 前記ペダルクランク軸の回転を前記駆動スプロケットに
    伝達する第2のワンウェイクラッチとを具備し、 前記モータ駆動部が前記第1のワンウェイクラッチを介
    して前記駆動スプロケットに結合されていることを特徴
    とする請求項1記載の電動補助自転車。
  3. 【請求項3】 筒状の後輪ハブを具備し、 前記モータ駆動部が前記後輪ハブ内に収容されていると
    共に、 前記第1のワンウェイクラッチが前記モータ駆動部の出
    力軸および前記後輪ハブ間に設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の電動補助自転車。
  4. 【請求項4】 前記第1のワンウェイクラッチが、同軸
    上でその内周および外周にそれぞれ配置された部材を結
    合するよう構成され、 前記直結手段が、前記各部材を側方から押圧して互いを
    直結するよう構成されていることを特徴とする請求項1
    記載の電動補助自転車。
  5. 【請求項5】 前記直結手段が、前記ブレーキ手段の操
    作力で付勢されることを特徴とする請求項1〜請求項4
    記載のいずれかに記載の電動補助自転車。
  6. 【請求項6】 前記ブレーキ手段の操作を検出する検出
    手段と、 前記検出手段による操作検出に応答して前記直結手段を
    付勢する電磁手段とを具備したことを特徴とする請求項
    1〜請求項4のいずれかに記載の電動補助自転車。
  7. 【請求項7】 前記第1のワンウェイクラッチを介して
    前記モータ駆動部に結合された駆動スプロケットと、 後輪と同軸に設けられたリニヤスプロケットと、 前記駆動スプロケットおよび前記リニヤスプロケットを
    直結するチェーンと、 前記リニヤスプロケットの回転を後輪に伝達するための
    第3のワンウェイクラッチと、 前記ブレーキ手段の付勢に応答して前記第3のワンウェ
    イクラッチを直結する第2の直結手段とを具備したこと
    を特徴とする請求項1記載の電動補助自転車。
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