JP2001213115A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2001213115A
JP2001213115A JP2000028804A JP2000028804A JP2001213115A JP 2001213115 A JP2001213115 A JP 2001213115A JP 2000028804 A JP2000028804 A JP 2000028804A JP 2000028804 A JP2000028804 A JP 2000028804A JP 2001213115 A JP2001213115 A JP 2001213115A
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belt
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carcass
layer
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Yoshihide Kono
好秀 河野
Makoto Tsuruta
鶴田  誠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトの少なくとも1層に周方向ベルト層を
適用した場合に代表される、ショルダー溝底の剛性が低
いベルト構造において、その溝底の亀裂を有利に回避す
る方途について提案する。 【解決手段】 一対のビードコア間に跨がってラジアル
方向に配置したコードによるプライからなるカーカスを
骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2層
のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの表
面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイヤ
であって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝(シ
ョルダー溝)のタイヤ径方向内側に、タイヤの赤道面に
沿って延びる補強素子による周方向ベルト層の少なくと
も1層を配置するとともに、タイヤの赤道面に対して傾
斜して延びる有機繊維コードによる補助ベルト層の少な
くとも1層を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りラジア
ルタイヤ、中でも小型トラックやトラック及びバスなど
中型ないし大型車両の使途に供する重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】小型トラックやトラック及びバス用タイ
ヤでは、その使用時に重い負荷が加わるために、接地に
伴う変形、とくに曲げ変形は、トレッドの中央域に比較
してタイヤショルダー部側で大きいのが一般的である。
さらに、この種のタイヤでは、その使用に伴ってショル
ダー部の磨耗が優先して進行して、トレッド中央域とシ
ョルダー部との半径差が大きくなるため、タイヤ寿命の
末期に近づくに連れて半径差は拡大し、上記接地時のシ
ョルダー部変形も大きくなる。
【0003】また、この種のタイヤのトレッドの表面に
は、タイヤの赤道面に沿って延びる周方向溝が複数本間
隔を置いて配された、リブまたはリブラグパターンが形
成されている。このトレッドパターンにおいて、ショル
ダー部側のトレッド側端付近に配された周方向溝(以
下、ショルダー溝と示す)には、上記のようにショルダ
ー部側での曲げ変形が大きいために、大きな圧縮力が繰
り返し加わる結果、その溝底に亀裂を発生し易い。この
亀裂は、溝の深さ方向に進展するとベルトに到達しベル
トセパレーションに至り、最悪のケースでは重大な事故
をまねくため、その発生を抑制する必要がある。
【0004】ここに、従来の小型トラックやトラック及
びバス用タイヤでは、そのカーカスの補強を司るベルト
が、タイヤの赤道面に対して傾斜して延びるコードによ
る傾斜ベルト層の少なくとも3層からなり、この傾斜ベ
ルト層の3層以上の構造がショルダー溝のタイヤ径方向
内側にも存在するため、上記したショルダー部での曲げ
変形およびショルダー溝底での圧縮変形に対する剛性が
高く、ショルダー溝底での亀裂は発生し難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、重荷
重用タイヤにおいては、走行にともなうタイヤの径成長
を抑制するために、ベルトの少なくとも1層に、タイヤ
赤道面に沿って延びるコードによる周方向ベルト層が適
用されてきている。
【0006】かようなベルト構造では、ショルダー溝の
タイヤ径方向内側に1層以上の周方向ベルト層が配置さ
れ、一方傾斜ベルト層が配置される場合でもタイヤ内部
の温度上昇を防ぐ目的から1層程度であるため、ショル
ダー溝底およびその周辺の曲げ剛性は、在来のベルト構
造に比較して極めて弱くなる。すると、ショルダー溝底
での圧縮変形に対する剛性も低くなる結果、上記したシ
ョルダー溝底での亀裂が新たに問題になるのである。
【0007】そこで、この発明は、ベルトの少なくとも
1層に周方向ベルト層を適用した場合に代表される、シ
ョルダー溝底の剛性が低いベルト構造において、その溝
底の亀裂を有利に回避する方途について提案することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、周方向ベル
ト層を適用したベルト構造ではベルトによってタイヤ幅
方向の剛性を高めることが難しいために、特に剛性の低
いショルダー溝の径方向内側の近接域を、タイヤ赤道面
に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層で補強する
ことが有効であることを見出し、この発明を完成するに
到った。すなわち、この発明の要旨構成は、次のとおり
である。
【0009】(1) 一対のビードコア間に跨がってラジア
ル方向に配置したコードによるプライからなるカーカス
を骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2
層のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの
表面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイ
ヤであって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝
(ショルダー溝)のタイヤ径方向内側に、タイヤの赤道
面に沿って延びる補強素子による周方向ベルト層の少な
くとも1層を配置するとともに、タイヤの赤道面に対し
て傾斜して延びる有機繊維コードによる補助ベルト層の
少なくとも1層を配置して成ることを特徴とする空気入
りラジアルタイヤ。
【0010】(2) 一対のビードコア間に跨がってラジア
ル方向に配置したコードによるプライからなるカーカス
を骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2
層のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの
表面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイ
ヤであって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝
(ショルダー溝)のタイヤ径方向内側に、タイヤの赤道
面に沿って延びる補強素子による周方向ベルト層の少な
くとも1層およびタイヤの赤道面に対して傾斜して延び
る補強素子による傾斜ベルト層の少なくとも1層を配置
するとともに、タイヤの赤道面に対して傾斜して延びる
有機繊維コードによる補助ベルト層の少なくとも1層を
配置して成ることを特徴とする空気入りラジアルタイ
ヤ。
【0011】(3) 一対のビードコア間に跨がってラジア
ル方向に配置したコードによるプライからなるカーカス
を骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2
層のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの
表面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイ
ヤであって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝
(ショルダー溝)のタイヤ径方向内側に、タイヤの赤道
面に対して傾斜して延びる補強素子による傾斜ベルト層
の少なくとも1層を配置するとともに、タイヤの赤道面
に対して傾斜して延びる有機繊維コードによる補助ベル
ト層の少なくとも1層を配置して成ることを特徴とする
空気入りラジアルタイヤ。
【0012】(4) 一対のビードコア間に跨がってラジア
ル方向に配置したコードによるプライからなるカーカス
を骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2
層のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの
表面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイ
ヤであって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝
(ショルダー溝)のタイヤ径方向内側にはベルト層がな
く、かつタイヤショルダー部に隣接する周方向溝(ショ
ルダー溝)のタイヤ径方向内側に、タイヤの赤道面に対
して傾斜して延びる有機繊維コードによる補助ベルト層
の少なくとも1層を配置して成ることを特徴とする空気
入りラジアルタイヤ。
【0013】(5) 上記(1) ないし(4) のいずれかにおい
て、補助ベルト層はベルトの径方向外側に位置すること
を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
【0014】(6) 上記(1) ないし(5) のいずれかにおい
て、補助ベルト層はベルトの最大幅をこえる幅を有する
ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に、この発明に従うトラック
およびバス用空気入りラジアルタイヤの具体例を図解す
る。このタイヤは、1対のビードコア1間でラジアル方
向にトロイド状に延びるコード、例えばスチールコード
のプライの少なくとも1枚からなるカーカス2、このカ
ーカス2のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置した、
少なくとも2層のベルト3およびこのベルト3のタイヤ
径方向外側に配置したトレッド4から成る。なお、トレ
ッド4の表面は、タイヤの赤道面に沿って延びる複数
本、図示例でトレッドの片側に3本および中央部に1本
計7本の周方向溝5a〜5cを有する、リブパターンに
成る。
【0016】ベルト3は、図示例でカーカス2側から順
に、第1ベルト層3a、第2ベルト層3b、第3ベルト
層3c、第4ベルト層3dおよび第5ベルト層3eの積
層構造になる。そして、第1ベルト層3aおよび第2ベ
ルト層3bは、タイヤの赤道面Oに沿って延びる、多数
本の補強素子、例えばスチールコードによるゴム被覆層
から成り、残る第3ベルト層3c、第4ベルト層3dお
よび第5ベルト層3eは、タイヤの赤道面Oに対して傾
斜して、好ましくは30°〜70°の傾斜角度で配列し
た多数本のスチールコードによるゴム被覆層の複数層
を、その層間でスチールコードが互いに交差する配置で
重ね合わせた、構造を有する。
【0017】なお、ベルト3を構成する補強素子とは、
コードは勿論、素線または素線を撚らずに束ねたものを
含むが、以下ではコードを典型例として説明する。ちな
みに、ベルトプライコードとしては、スチールに限ら
ず、高強度有機繊維コード、例えばポリアミド繊維(商
品名:ケブラー)などを使用することも可能である。
【0018】上記のベルト3の構造では、トレッド4の
ショルダー部S側に形成した周方向溝、すなわちショル
ダー溝5aのタイヤ径方向内側に、第1ベルト層3aお
よび第2ベルト層3bの周方向ベルト層の2層と、第3
ベルト層3cおよび第4ベルト層3dの傾斜ベルト層の
2層と、が配置されることになる。従って、在来の傾斜
ベルト層の少なくとも3層構造と比較して、ショルダー
溝5aの底部の剛性は低くなるから、上述したショルダ
ー溝5aの底部での亀裂が問題になる。
【0019】この問題に対して、この発明では、ショル
ダー溝5aのタイヤ径方向内側でかつベルト3の径方向
外側に、タイヤの赤道面Oに対して傾斜して延びる有機
繊維コードによる補助ベルト層7の少なくとも1層を配
置することによって、ショルダー溝5aの底部の剛性を
高めて、そこでの亀裂を回避することにした。すなわ
ち、ショルダー溝5aのタイヤ径方向内側に補助ベルト
層7を設けると、タイヤ接地時の幅方向の曲げ変形に起
因した、ショルダー溝5aの底部での圧縮変形は回避さ
れるため、亀裂の発生を抑制することができるのであ
る。
【0020】ここで、補助ベルト層7は、多数本の有機
繊維コードを所定間隔で並べて配置ゴム引き布を用いる
ことが肝要である。なぜなら、補助ベルト層7の補強材
としてスチールコードを用いると、補助ベルト層7の特
にショルダーS側の端部に亀裂が容易に発生し、ここを
起点とするセパレーションに発展するからである。すな
わち、ショルダー溝5aの底部付近は、トレッド踏面に
近い領域にあることから接地圧によるゴムの変形が大き
く、一方スチールコードは曲げ剛性が高いため、このゴ
ムの変形にスチールコードを追随させることが難しく、
コード端のある補助ベルト層7の端部において亀裂が容
易に生じることになる。この点、有機繊維コードは、比
較的に曲げ剛性が低いために、上記の大きなゴム変形に
も追随できるから、補助ベルト層7端部での亀裂は回避
される。
【0021】なお、補助ベルト層7に適用する有機繊維
コードには、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートおよびポリアミド等から成
る、モノフィラメントを含む撚りコードを用いることが
できる。そして、この有機繊維コードを、好ましくはタ
イヤの赤道Oに対して30〜60°の傾斜角度(コード角
度)にて、15〜50本/5cmの打ち込み数で適用するこ
とが推奨される。
【0022】なぜなら、コード角度が30°未満では、シ
ョルダー溝5aの底部の幅方向曲げ剛性を十分に確保で
きず、一方60°をこえると、ショルダー溝5aの底部の
幅方向曲げ剛性が高くなりすぎて補助プライ7の端部で
のセパレーションをまねいてしまうからである。また、
打ち込み数が15本/5cm未満では、十分な幅方向曲げ
剛性が得られなくなり、一方50本/5cmをこえると、
補助プライ7の端部で発生した亀裂が進展し易くなる。
【0023】また、補助ベルト層7は、図1の例では、
ベルト3の最大幅をこえる幅にてトレッドの両端間にわ
たって延びる構造であるが、少なくともショルダー溝5
aの開口幅を十分に含む幅があればよい。従って、図2
に図1と同じタイヤ構造における補助ベルト層7の変形
例を示すように、ショルダー溝5aに対応する限定領域
に設けてもよく、あるいは図3に補助ベルト層7aおよ
び7bとして例示するように、2層以上で設けることも
可能である。
【0024】さらに、ショルダー溝5aの底部を構成す
るゴムは20MPa 以上の圧縮弾性率を有することが、底部
の亀裂を回避するのに有利である。すなわち、ショルダ
ー溝5a底部のゴムが20MPa 未満であると、ショルダー
部5aの底部の剛性が十分でなく、亀裂の発生を抑制す
ることが難しい。
【0025】ここで、上記ゴムの圧縮弾性率は、図4
(a)に示すように、内径dが14mmおよび高さhが28mm
の直円柱状の空洞を有する鋼鉄製の治具20に加硫ゴム試
験片21を隙間なく充てんした後、図4(b)に示すよう
に、治具20を圧縮試験装置22にセットし、加硫ゴム試験
片21の上下面に0.6 mm/minの速度で荷重Lを負荷し、こ
のときの加硫ゴム試験片21の変位量をレーザ変位計23に
より測定し、この変位量と荷重Lとから算出するものと
し、ここでは圧縮率0.5 %のときの値である。また、試
験温度は25℃である。
【0026】次に、この発明を適用するベルト構造の他
の例を、図5〜7に示す。図5〜7に示すタイヤは、図
1に示したベルト構造と同様、カーカス2側から順に、
第1ベルト層3a、第2ベルト層3b、第3ベルト層3
c、第4ベルト層3dおよび第5ベルト層3eの積層構
造になるが、第1ベルト層3a、第2ベルト層3b、第
3ベルト層3cおよび第4ベルト層3dは、タイヤの赤
道面Oに沿って延びる、多数本のスチールコードによる
ゴム被覆層から成る周方向ベルト層であり、残る第5ベ
ルト層3eのみが、タイヤの赤道面Oに対して傾斜して
配列した多数本のスチールコードによる傾斜ベルト層で
ある。
【0027】従って、ショルダー溝5aのタイヤ径方向
内側には、4層の周方向ベルト層と1層の傾斜ベルト層
とが配置され、主に周方向ベルト層の積層構造になるか
ら、在来の傾斜ベルト層の少なくとも3層構造と比較し
て、ショルダー溝5aの底部の剛性は低くなり、上述し
たショルダー溝5aの底部での亀裂が問題になる。
【0028】なお、図5、図6および図7の区別は、上
記した図1、図2および図3の場合と同様に、補助ベル
ト層7の幅または層数の相違である。
【0029】さらに、この発明を適用するベルト構造と
しては、図8に示すように、ショルダー溝5aのタイヤ
径方向内側に周方向ベルト層3aが1層配置される場
合、図9に示すように、ショルダー溝5aのタイヤ径方
向内側に傾斜ベルト層3eが1層配置される場合、そし
て図10に示すように、ショルダー溝5aのタイヤ径方向
内側にベルトが存在しない場合、等を挙げることができ
る。いずれの場合も、ショルダー溝5aの径方向内側に
補助ベルト層7を設けることによって、溝底での亀裂を
回避することができる。また、それぞれの場合につい
て、上記した図1、図2および図3の場合と同様に、補
助ベルト層7の幅または層数を変化できることは勿論で
ある。
【0030】ちなみに、この種のタイヤのベルトにおい
て、周方向ベルト層を構成する補強素子としては、タイ
ヤ加硫前に1〜5%の初期伸び特性を有すること、そし
て加硫後の製品タイヤにて0.2 〜3.0 %の初期伸び特性
を有することが、例えば荷重負荷の下で転動するタイヤ
の異物乗り上げ時の集中衝撃入力乃至カット入力に対
し、これらの入力エネルギの吸収能力が高く、優れた耐
ショックバースト性及び耐カットバースト性を発揮させ
る上で好ましい。
【0031】すなわち、製品タイヤにて0.2 〜3.0 %の
初期伸び特性を有する補強素子を必要とするのは、周方
向ベルト層に適正な張力負担をさせるためであり、初期
伸び0.2 %未満では周方向ベルト層の張力負担が過大と
なる結果、周方向ベルト層の周方向剛性が大きくなり、
タイヤが異物に乗り上げたときのトレッドの変形エネル
ギを十分に吸収できず、所望する耐ショックバースト性
及び耐カットバースト性を得ることができないからであ
る。一方、初期伸びが3.9 %をこえると、周方向ベルト
層の張力負担が小さくなり過ぎ、耐ショックバースト性
及び耐カットバースト性がいずれも低下するからであ
る。
【0032】さらに、加硫前の初期伸び特性が1〜5%
とするのは、未加硫タイヤに加硫を施す際に、各補強素
子間にゴムが侵入し、なおかつ未加硫タイヤ内面に高圧
が作用し補強素子が幾分引き伸ばされたままゴムの架橋
反応が終了するため、製品タイヤでの初期伸びに比しよ
り大きい初期伸びを有する必要があるためである。
【0033】ここに、周方向ベルト層における各補強素
子に、上記の範囲の初期伸び特性をもたせるには、その
一として複数本のスチール素線に施す撚り数又は撚りピ
ッチを調整したスチールコードを用いる場合と、その二
として1本のスチール素線又は複数本のスチール素線束
に2次元の波形型付けを施した、いわゆるウェイビィ線
とする場合とがあり、いずれを選択するかは、タイヤの
使用条件、コストなどを勘案して定めれば良い。
【0034】なお、ウェイビィ線は、タイヤ内にて波形
の形状を与えた1本のスチール素線または2本以上のス
チール素線束であり、図11に1本のスチール素線による
場合を示すように、その波の位相を束内および隣接相互
で揃えた配置にて、周方向ベルト層に適用する。このウ
ェイビィ線は、タイヤ種やその使用形態によって、波形
の波長λや振幅2aは種々に変化し、例えば加硫前は波
形であるが使用時には直線状になる場合もある。
【0035】
【実施例】図1〜図3および図5〜図7、さらに図8〜
10に示したところに従って、サイズ 285/60R22.5のト
ラックおよびバス用ラジアルタイヤを試作した。なお、
ベルト3において、周方向ベルト層は種々の補強素子を
表1に従って適用し、一方傾斜ベルト層はタイヤの赤道
面に対して左38°の角度で傾斜する向きで打ち込み数24
本/20mmで配置した。また、カーカスは、(3+9+1
5)×0.165 (mm)スチールコードを20本/50mmで配置
して成る。なお、ショルダー溝底ゴムの圧縮弾性率は、
25MPa とした。この圧縮弾性率は、図4にて示したとこ
ろと同様に測定した結果である。
【0036】かくして得られた各タイヤについて、その
標準リムに組み込み内圧を900kPaに調整したのち、3540
0 Nの荷重を付加した状態において、速度65km/hで回転
する直径1.5 mのドラムに押し当てて連続走行させ、シ
ョルダー溝底に亀裂が発生するまで走行させた。なお、
亀裂が発生しない場合は、走行距離が10万kmに到った時
点で終了した。この試験結果を、表1に併記する。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、ショルダー溝の径方
向内側領域の剛性が低いベルト構造において、その溝底
の亀裂が有利に回避されるから、長寿命な空気入りタイ
ヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図2】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図3】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図4】 ゴムの圧縮弾性率測定用試験片およびその収
容治具の斜視図、並びにゴムの圧縮弾性率測定用試験装
置の側面図である。
【図5】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図6】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図7】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図8】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図9】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図10】 この発明に従うタイヤの断面図である。
【図11】 ウェビィスチール線の周方向ベルト層への
適用を示す図である。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 カーカス 3 ベルト 3a 第1ベルト層 3b 第2ベルト層 3c 第3ベルト層 3d 第4ベルト層 3e 第5ベルト層 4 トレッド 5a 周方向溝(ショルダー溝) 5b 周方向溝 5c 周方向溝 7 補助ベルト層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードコア間に跨がってラジアル
    方向に配置したコードによるプライからなるカーカスを
    骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2層
    のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの表
    面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイヤ
    であって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝のタ
    イヤ径方向内側に、タイヤの赤道面に沿って延びる補強
    素子による周方向ベルト層の少なくとも1層を配置する
    とともに、タイヤの赤道面に対して傾斜して延びる有機
    繊維コードによる補助ベルト層の少なくとも1層を配置
    して成ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 一対のビードコア間に跨がってラジアル
    方向に配置したコードによるプライからなるカーカスを
    骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2層
    のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの表
    面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイヤ
    であって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝のタ
    イヤ径方向内側に、タイヤの赤道面に沿って延びる補強
    素子による周方向ベルト層の少なくとも1層およびタイ
    ヤの赤道面に対して傾斜して延びる補強素子による傾斜
    ベルト層の少なくとも1層を配置するとともに、タイヤ
    の赤道面に対して傾斜して延びる有機繊維コードによる
    補助ベルト層の少なくとも1層を配置して成ることを特
    徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 一対のビードコア間に跨がってラジアル
    方向に配置したコードによるプライからなるカーカスを
    骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2層
    のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの表
    面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイヤ
    であって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝のタ
    イヤ径方向内側に、タイヤの赤道面に対して傾斜して延
    びる補強素子による傾斜ベルト層の少なくとも1層を配
    置するとともに、タイヤの赤道面に対して傾斜して延び
    る有機繊維コードによる補助ベルト層の少なくとも1層
    を配置して成ることを特徴とする空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 一対のビードコア間に跨がってラジアル
    方向に配置したコードによるプライからなるカーカスを
    骨格とし、該カーカスの径方向外側に、少なくとも2層
    のベルトおよびトレッドを順に配置し、該トレッドの表
    面に複数本の周方向溝を有する空気入りラジアルタイヤ
    であって、タイヤショルダー部に隣接する周方向溝のタ
    イヤ径方向内側にはベルト層がなく、かつタイヤショル
    ダー部に隣接する周方向溝のタイヤ径方向内側に、タイ
    ヤの赤道面に対して傾斜して延びる有機繊維コードによ
    る補助ベルト層の少なくとも1層を配置して成ることを
    特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    補助ベルト層はベルトの径方向外側に位置することを特
    徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    補助ベルト層はベルトの最大幅をこえる幅を有すること
    を特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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