JP2001212984A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001212984A
JP2001212984A JP2000026110A JP2000026110A JP2001212984A JP 2001212984 A JP2001212984 A JP 2001212984A JP 2000026110 A JP2000026110 A JP 2000026110A JP 2000026110 A JP2000026110 A JP 2000026110A JP 2001212984 A JP2001212984 A JP 2001212984A
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JP2000026110A
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English (en)
Inventor
Akira Kuribayashi
明 栗林
Yoshiaki Kamuragi
義明 冠木
Mariko Suzuki
真理子 鈴木
Tadaki Inamoto
忠喜 稲本
Hiroyuki Saito
広行 斉藤
Hiroshi Yoshino
浩史 吉野
Tsugiko Takemura
亜子 竹村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の記録特性を簡易な構成で実現すること
を可能とし、さらに、取り扱い性が良好なインク−被記
録媒体一体型のパック、あるいはインクタンクを着脱自
在に搭載して使用可能として、それらにおけるインクの
無駄な使用と、インクの無駄な交換作業をなくして、種
々の記録特性を簡易に実現することができるインクジェ
ット記録装置を提供すること。 【解決手段】 インク−被記録媒体一体型のパックが交
換された場合に、単に、サブタンク内のインクをインク
−被記録媒体一体型のパック内のインクと交換するので
はなく、インクの種類に関するインク情報に基づいて、
インク交換が必要なサブタンクに関してのみインク交換
を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式で用いられるインクと被記録媒体を一体に収納し
たインク−被記録媒体一体型のパック、またはインクを
収容したインクタンクが着脱自在のインクジェット記録
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の被記録
媒体に付着させ、画像、文字等の記録を行うものであ
り、高速、低騒音の記録が可能である。また、多色化が
容易である等の利点を有し、さらに記録できるパターン
の自由度が大きく、現像、定着が不要である等の特徴を
有している。このような点から、この記録方式の記録装
置は、各種の画像あるいは被記録媒体に対応できるもの
として、情報処理をはじめとする種々の分野において急
速に普及している。
【0003】また、多色インクジェット記録方式により
形成される画像は、製版方式による多色印刷や、カラー
写真方式による印画と比較しても遜色のないものを得る
ことができる。特に、作製部数が少ない場合には、通常
の多色印刷や写真印画よりも安価に作製できることか
ら、フルカラー画像記録の分野でも広く用いられてい
る。
【0004】このようなインクジェット記録方式のさら
に広い応用に対応し、また、近年の記録の高速化、高精
細化、フルカラー化等の記録特性の向上を可能とするた
めに、記録装置もしくは記録方法が改良されつつある。
その改良に伴ない、被記録媒体およびインクに対しても
高度かつ多様な特性が要求されている。記録特性の向上
に対応するために要求される被記録媒体およびインクの
特性としては、例えば、記録されるインクドットの濃度
が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収
が速く、インクドットが重なった場合においてもインク
が流れ出したり惨んだりしないこと、インクドットが適
度な惨み率をもって拡散することなどが挙げられる。
【0005】ところで、これらの特性は、記録装置もし
くは記録方法のみならず、記録に用いられるインクや被
記録媒体そのものの改良によっても実現できることは知
られるところである。
【0006】例えば、インクの吸収性もしくは定着性の
観点から、被記録媒体として塗工紙を用いることが知ら
れている。これは、例えば、シリカ等の珪素顔料、また
はコロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレンオキサイドーイソシアネー
ト架橋物、カルボキシル基を有するアクリル系ポリマー
等の樹脂等の吸収性ポリマー、或いはアルミナ水和物や
酸化アルミニウム等のアルミナ系顔料が、水系バインダ
ー等とともに紙やフィルム、布等に塗工されたものであ
る。一方、インクについても、例えば含有する界面活性
剤等によって、そのインクの浸透性を調整することなど
が行われている。
【0007】しかしながら、記録特性の向上に対応する
ためには、それぞれの特性に応じた被記録媒体またはイ
ンクを個々に選択するより、被記録媒体とインクの最適
な組み合わせにおいて、上記特性を実現することがより
好ましい。インクと被記録媒体は、相互の関係におい
て、それぞれの特性が発揮されるからである。
【0008】この場合、被記録媒体とインクの最適な組
合せを、具体的にインクジェット記録装置において実現
するには、被記録媒体およびインクの組合せに応じて、
被記録媒体やインクを交換もしくは装着するため構成お
よび作業を要する。また、これらの組合せに応じた記録
モードの設定等、例えばホストコンピュータ上での記録
条件の設定操作も必要となる。すなわち、これらの作業
や設定操作を、被記録媒体とインクの組合せの切替ごと
に行うのは煩雑であり、また、ユーザーが最適な組合せ
を得るの容易でないという問題がある。
【0009】この点において、特開平11−25470
0号公報には、記録媒体を積載するカセット部に対し
て、インクタンク、またはインクの廃インクを収容する
廃インクタンクのいずれかの組合わせて、それらを一体
としたメディアカートリッジを成し、それを記録装置に
着脱自在に搭載することが開示されている。そして、記
録装置に対して着脱自在とするメディアカートリッジを
記録装置側で認識することにより、被記録媒体とインク
に応じた記録モードを自動設定して、簡易な操作で被記
録媒体とインクの組合せに応じた適切な記録制御を行う
ことを可能としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報には、被記録媒体を収納したカセットとインクタンク
とを一体としたメディアカートリッジが記載されるもの
の、そのカートリッジを用いる記録装置の構成として、
装置のコンパクト化、カートリッジの取り扱いや用途な
どを考慮した具体的構成は記載されていない。
【0011】また、被記録媒体とインク双方の材料もし
くは組成を考慮し、その観点から、上述の所望の記録特
性を実現できる組合せについては、示唆するところはな
い。すなわち、上記公報では、普通紙カートリッジとし
て被記録媒体に普通紙を設定した場合は、インクの設定
を処理液、黒、イエロー、マゼンタ、シアンとし、一
方、被記録媒体として、コート紙、光沢紙、OHPシー
トを設定するときは、インクの設定を上記設定から処理
液を除いたものとするものである。これは、インク受容
層が塗布された上記のコート紙等は、これに染料を不溶
化する処理液を用いると画質が低下することを考慮した
ことによるものである。さらに、上記公報では、写真画
質をモード設定する際には、インクの設定を例えば、濃
黒、淡黒、濃イエロー、淡イエロー、濃マゼンダ、淡マ
ゼンダ、濃シアン、淡シアンとすることが記載されてい
る。
【0012】このように、上述の公報では、ユーザーに
とって判別が容易な何種類かのインクの中から、被記録
媒体または記録モードに応じて選択されるインクの組合
せを一体のカートリッジとしたものを開示するのみであ
る。一方で、例えば染色性の観点から、一見同じ被記録
媒体であってもその材料もしくは組成が異なれば、それ
に適切なインクの組成もまた異なり、この点で最適な組
合せが存在する。この場合、ユーザーがこれらの組合せ
を選択することは、ほとんど不可能であるという事実も
ある。
【0013】さらに他の問題として、現在知られる多く
のインクジェット記録装置は、記録特性に関し、多かれ
少なかれある特性に振られており、この場合に、上述し
てきた種々の記録特性の要求に応えることは、比較的困
難であるという問題がある。
【0014】例えば、記録特性を定める一つの要因であ
る記録ヘッドの特性として、記録ヘッド自体の寿命があ
り、使用頻度が高い場合にはさらに耐久性を増すことが
挙げられる。また、同様にインクの特性としては、ある
程度長期的に記録を行わなくても回復動作等を行えばノ
ズル内のインクを容易に除去できること、またはインク
の組成が変化し難く変色し難いこと等が挙げられる。そ
して、インクジェット記録装置の特性は、以上のような
要因により制約されるため、全ての特性を備えたインク
ジェット記録装置を提供しようとすると、装置が大型化
したり、コストが高くなる傾向にある。このため、イン
クジェットプリンタ等のメーカーは、プリンタの特性
を、例えば使用頻度が高いユーザーに対応したもの、高
品位、高画質な画像を必要とするユーザーに対応したも
の、低温環境下や高温環境下で使用するユーザーに対応
したもの等、能力をある範囲に限定し、このような需要
の主流に合わせてプリンタを製造、販売しているのが現
状である。このため、ある特性Aを持ったインクジェッ
トプリンタを有するユーザーが、ある別の特性Bでプリ
ントを行いたい場合、特性Bに対応するように特殊モー
ドを設定しても、その対応には限度が有る。このため、
その特性Bに十分に対応するには、ユーザーは、その特
性を備えたプリンタを別に購入するしか手立てがないと
いう問題がある。
【0015】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
種々の記録特性を簡易な構成で実現することを可能と
し、さらに、取り扱い性が良好なインク−被記録媒体一
体型のパック、あるいはインクタンクを着脱自在に搭載
して使用可能として、それらにおけるインクの無駄な使
用と、インクの無駄な交換作業をなくして、種々の記録
特性を簡易に実現することができるインクジェット記録
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、交換可能に装着されるインクタンクからイ
ンクの供給が可能なサブインクタンクを備え、前記サブ
インクタンク内のインクを用いて、被記録媒体に画像を
記録可能なインクジェット記録装置において、前記サブ
インクタンク内のインクを前記インクタンク内のインク
と交換するインク交換動作が可能なインク交換手段と、
前記サブインクタンク内のインクの種類に関する第1イ
ンク情報と記録動作に使用するインクの種類に関する第
2インク情報とに基づいて、前記インク交換手段を制御
する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明のインクジェット記録装置
の一実施形態であるインクジェットプリンタを示す概略
斜視図である。また、図2は、図1に示すプリンタの主
に紙送り機構をプリンタ側方から示す要部断面図であ
る。
【0019】図1に示すように、本実施形態のインクジ
ェットプリンタは、インク収納部と、紙等の被記録媒体
の収納部と、を一体としたパック20(以下「インクメ
ディアパック」ともいう)を着脱自在に装着して用いる
ことができるものである。すなわち、インクメディアパ
ック20は、プリンタ本体に装着された自動給紙装置
(以下、単に「ASF」ともいう)1に対して、着脱自在に
装着されるものである。インクメディアパック20が装
着された状態において、その被記録媒体収納部210は
ASF1の姿勢に沿い、またインク収納部211は、後
述のように装着動作に伴って被記録媒体収納部210か
ら離れて略水平の姿勢を保つ。インクメディアパック2
0に収納される被記録媒体は、例えば、写真調記録を行
う場合に用いる光沢紙や、捺染で用いる布帛などであ
り、比較的特殊な用途のものである。これに応じて、イ
ンクメディアパック20に収納されるインクについて
も、写真調記録に必要な種類のインクで光沢紙について
適したインクや、布帛を構成する繊維の材料に適切に染
色できるインクである。このように、インクメディアパ
ック20は、被記録媒体およびインクの組合せを最適に
組み合わせるために用いられるものであり、通常の普通
紙に記録を行うとき場合は、ASFに装着された普通紙
に、プリンタ本体に収容された普通紙用インクで記録を
行う。
【0020】図2は、ASF1に対する普通紙の装着状
態を示し、インクメディアパック20は取外され、普通
紙4が直接ASF1に装着される。また、インクは、図
1に示されるように、プリンタ本体に予め装着された普
通紙インク補充ユニット30に収納されており、これか
ら普通使用のインクが供給される。普通紙インク補充ユ
ニット30は、インクメディアパック20が装着される
ときには、それと並んで配置される。
【0021】キャリッジ2は、プリンタ本体を略横断す
るように設けられるガイドシャフト3(図2参照)に沿っ
て移動可能に設けられる。そして、キャリッジ2の下部
には、インクを吐出する記録ヘッド(不図示)が設けら
れており、インク種類の数に応じたサブタンク(不図
示;本実施例では4つ)と連通している。これにより、
記録領域8(図2参照)において搬送される被記録媒体の
紙幅方向に移動しつつ、記録情報に応じてインクを吐出
する走査を行うことができる。
【0022】本実施形態のキャリッジ2には、その上部
にインク導入部2Aが設けられる。すなわち、インク導
入部2Aは、4つのサブタンクに対応して4つ設けられ
ており、それぞれのインク導入部2Aは、対応するサブ
タンク(不図示)に対して、後述のインク・空気導入口を
介して連通している。そして、キャリッジ2は、後述さ
れるように所定のタイミングで移動して、インクメディ
アパック20の供給部21aまたは普通紙インク補充ユ
ニット30の供給部30aに対応する位置に、上述のイ
ンク導入部2Aを移動させる。また、この対応する位置
は、記録ヘッドのインク吐出口がキャップ41に対応す
る位置、または記録ヘッドのインク吐出口が普通紙イン
ク用のキャップ40に対応する位置でもある。これによ
り、後述されるように、各記録ヘッドのサブタンクに対
するインク供給、インク交換、および吐出回復動作をそ
れぞれ行うことが可能となる。
【0023】詳細には、上記インク供給およびインク交
換の際には、キャリッジ2の移動により、そのインク導
入部2Aが供給部21aまたは供給部30aに対応する
位置に到達し、カムを有した不図示のキャリッジ昇降機
構によって、キャリッジ2全体がガイド軸3(図2参照)
を回動軸として回動する。そして、そのインク導入部2
Aのインク漏れ防止部材を、それぞれインクメディアパ
ック20のインク収納部のジョイント部、または普通紙
インク補充ユニット30のジョイント部に密着させる。
その後、キャップ41またはキャップ40は、その上昇
動作によって、キャリッジ2の下部に搭載された記録ヘ
ッド等に当接し、図11等にて後述されるようなインク
供給やインク交換の動作が可能となる。
【0024】なお、吐出回復処理を行う場合は、上記キ
ャリッジ昇降機構は動作せず、キャップ41または40
の上昇による当接のみが行われることは勿論である。ま
た、インク導入部2Aと上記それぞれのジョイント部と
の密着を解除する動作は、キャリッジ昇降機構の上述し
た動作と逆の動作によって可能となる。さらに、この昇
降機構におけるカムの動作は、モータの駆動力によって
行われるものであり、上述したキャリッジ昇降のための
駆動制御が行われるとともに、キャリッジ2の移動の際
は、そのカムを、それがキャリッジと係合しないような
位置に退避させる駆動制御が行われる。
【0025】また、上記インク供給およびインク交換の
際には、図11等にて後述するように、プリンタ本体に
設けられたカムや押し込みピン等からなる押圧機構(不
図示)が所定の動作を行う。そして、その押し込みピン
が、インクメディアパック20の押圧部221aまたは
普通紙インク補充ユニット30の押圧部301aの所定
部材に係合することよって、インク供給やインク交換の
ための動作を行うことができる。
【0026】また、キャップ40およびキャップ41の
略下方には、回復機構42が設けられる。この回復機構
42は、上述のインク供給、インク交換および吐出回復
動作の際に用いられる吸引用のポンプ等を有して構成さ
れるものである。
【0027】以上の構成において、記録時には、まず、
ASF1に設けられる給紙ローラ5(図2参照)によっ
て、インクメディアパック20から、またはASF1か
ら直接、被記録媒体が記録領域8に対して供給される。
そして、図2に示すように、キャリッジ2に装着された
記録ヘッドの走査ごとに、紙送りローラ7および押圧ロ
ーラ6との協働によって、被記録媒体は図中矢印A方向
に所定量ずつ紙送りされ、被記録媒体上に順次記録がな
されていく。
【0028】図3は、ASF1の詳細な構成を示す斜視
図である。
【0029】同図に示すように、ASF1は、ベース1
02、圧板103、給紙ローラユニット5、可動サイド
ガイド105、圧板ばね(不図示)、分離パッド10
6、その他不図示の駆動力伝達のためのギア列等を備え
ている。
【0030】ベース102は、プリンタ本体に対して3
0°〜60°傾斜した姿勢で設けられ、普通紙を用いる
ときには直接それを支持し、一方、インクメディアパッ
ク20に収納された被記録媒体を用いるときは、装着さ
れるそのパック自体を支持する。このベース102の下
方には、分離面107が設けられる。この分離面107
は、基本的な機能として、ASF1に普通紙が直接搭載
される際に、給紙ローラ5によって送り出される普通紙
の先端に所定の抵抗を与え、これにより、普通紙の先端
を規制して一枚ずつ分離する機能を有するものである。
また、分離面107は、積層して搭載される複数の普通
紙の下端部を支持する機能も兼ねるものでもある。
【0031】さらに、分離面107は、回転軸107a
により回転可能に軸支されるとともに、不図示のばねで
図中上方に付勢されており、これにより、上述の普通紙
を支持するための所定の姿勢を保つことができる。一
方、インクメディアパック20がASF1に装着される
ときは、その装着動作に伴って、インクメディアパック
20の下端部が分離面107を上記ばねの付勢力に逆ら
って図中下方に回転させて、分離面107を退避させ
る。
【0032】べース102上において、上述の分離面1
07の上方に隣接して圧板103が設けられている。圧
板103は、ベース102に対して、それに垂直な方向
に全体としてスライド可能に設けられており、圧板10
3の裏側に設けられる圧板ばね(不図示)によって給紙ロ
ーラユニット5に対して付勢されている。すなわち、圧
板ばねは、圧板103の裏側において、給紙ローラユニ
ット5のローラ部104に略対応する位置に設けられて
おり、この圧板ばねの付勢力によって、普通紙またはイ
ンクメディアパック20に収納された被記録媒体を給紙
ローラユニット5に対して付勢することができる。
【0033】サイドガイド105は、ベース102上に
装着される普通紙の紙幅方向、すなわち図中横方向にス
ライド可能に設けられており、これにより、普通紙をA
SF1にセットしたとき、そのサイズに応じて普通紙の
紙幅方向の位置を規制することができる。すなわち、A
SF1に普通紙をセットする際の基準面としてのべース
右側板102aに、普通紙の一方の側端を当接させると
共に、その普通紙の他方の側端にサイドガイド105を
当接させることにより、普通紙を紙幅方向の位置を規制
してセットすることができる。
【0034】給紙ローラユニット5は、べース102の
両端に一体に設けられる右側板102aおよび左側板1
02bによって回転自在に支持され、その回転支持され
る軸部と、この軸部において所定の間隔を置いて設けら
れる2つのローラ部104と、からなるプラスチック等
の一体成型品である。また、それぞれのローラ部104
の円周部をなす外周面には、普通紙を含む被記録媒体の
送給に際して、より大きな搬送力を生じさせるための給
紙ローラユニットゴムが取り付けられている。ローラ部
104は、詳細には、その外周面が略D形の断面形状
(あるいは半月形の断面形状)を有するものであり、こ
れにより、積層された被記録媒体を適切に一枚づつ給送
することを可能としている。また、2つ設けられるロー
ラ部104は、軸部において、例えば右側板102aの
普通紙基準位置から約40mmと170mmの位置に夫
々配置されている。従って、被記録媒体のうち、A4サ
イズ等の比較的紙幅の大きいものを用いる場合は、2つ
のローラ部104によって給送を行い、例えば葉書等の
サイズの紙幅のものを用いる場合は、べース右側板10
2aに近い側の一個のローラ部104によって給送動作
を行う。
【0035】普通紙のセット時またはインクメディアパ
ック20のセット時には、圧板103は、不図示のカム
の作用により、圧板ばねの付勢力に逆らって給紙ローラ
ユニット5から離れる方向にスライドする。すなわち、
このカムは、給紙ローラユニット5に不図示の駆動伝達
系を介して連結されており、そのカム作用によって圧板
103が上述のように給紙ローラユニット5からスライ
ド退避した時(圧板103のリリース状態)、給紙ローラ
ユニット5のローラ部104は、そのD形外周の直線状
部分(半月状の弦部)が圧板103に対向するように、
その回転の位相が制御される。これにより、給紙ローラ
ユニット5と圧板103との間に一定の空間が形成さ
れ、普通紙あるいはインクメディアパック20のセット
が可能となる。また、給紙ローラユニット5には、ロー
ラセンサ(不図示)が設けられており、給紙ローラユニ
ット5におけるローラ部104の回転位相、および給紙
ローラユニット5に位相を合わせて連動する圧板103
のスライド位置を検出することができ、普通紙またはイ
ンクメディアパック20内の被記録媒体の給送シーケン
スにおける制御タイミングを知ることができる。
【0036】普通紙の給紙時には、上述のカムが所定の
回転を行うことにより、圧板ばねの付勢力によって圧板
103が給紙ローラユニット5に対して近接する動作を
行い、これにより、給紙ローラユニット5のローラ部1
04と最上位の普通紙の上面とが接触する。そして、ロ
ーラ部104の回転に伴い、普通紙には、給紙方向(図
中下方向)ヘの摩擦力が作用する。このとき、最上位か
ら2枚目以降の普通紙には、普通紙間で発生する比較的
弱い摩擦力しか作用しないため、これらの普通紙は、ベ
ース102の下方に設けられた分離面107による抵抗
によって給紙方向への移動が阻止され、これにより、最
上位の普通紙一枚だけが分離されて給送される。
【0037】分離、給紙された普通紙は、被記録媒体送
り部ヘ給送される。給紙ローラユニット5は、普通紙を
被記録媒体送り部へ送り込むまで回転し、圧板103
は、給紙ローラユニット5に対して上述のリリースした
状態となり、普通紙に対する給紙ローラユニット5のロ
ーラ部104の回転駆動力が遮断され、この状態が保持
される。
【0038】このようにして、ASF1の圧板103上
に載置された紙や合成樹脂等で構成される普通紙は、給
紙ローラユニット5により給送された後、紙送りローラ
7(図2参照)によって、記録ヘッドに対向する記録位置
にての記録のための搬送が行われる。
【0039】なお、給紙ローラユニット5のそれぞれの
ローラ部104に対向する圧板103上には、人工皮革
等の摩擦係数の比較的大きい材質からなる分離パッド1
06が設けられており、これにより、普通紙の載置枚数
が少なくなった時の重送等を防止している。
【0040】次に、以上説明したASF1に着脱自在に
装着されて用いられるインクメディアパック20の構成
について説明する。
【0041】図4〜図6は、インクメディアパック20
の構成を示す図であり、図4はこのインクメディアパッ
クを前面側から見た斜視図、図5は裏面側から見た斜視
図、図6は、そのインク収納部を構成するインクケース
を開いた状態で示す斜視図である。
【0042】インクメディアパックは、前述したよう
に、種々の記録特性に対応して、その記録特性に最適な
被記録媒体とインクの組合せを収納するとともに、その
パックの装着によって自動的な記録モードの設定を可能
とするものである。すなわち、本実施形態では、基本的
に、ユーザーにとって一見して同じ被記録媒体であって
も、その材料もしくは組成が異なれば記録特性の上で最
適なインクの種類も異なる場合に、その被記録媒体とイ
ンクの組合せを誤ることがないようにし、しかもユーザ
ーがその選択したインクメディアパックをプリンタに装
着して用いるときに、装着された被記録媒体とインクの
組合せに適した記録モードが自動的に実行されるもので
ある。
【0043】例えば、記録特性として、濃度の高い画像
を記録するという特性の場合、被記録媒体がインクの浸
透性について異なれば、最適なインクの種類も異なり、
この点において、一般的には、ユーザーが被記録媒体に
対する最適なインクの組み合わせを選ぶことは困難であ
る。また、被記録媒体として、布帛を用いる場合、一見
同じ布帛であっても、それを構成する繊維の種類に応じ
て、染色性に関して最適なインクは異なる。例えば、イ
ンクメディアパックにおいて組み合わされる被記録媒体
とインクの組み合わせとしては、反応染料を含有したイ
ンクに対しては、この反応染料と共有結合によって染色
される布帛が組み合わされる。また、酸性染料または直
接染料を含有したインクに対しては、水素結合またはイ
オン結合によって染色される布帛が組み合わされる。
【0044】図4、図5および図6において、インクメ
ディアパック20は、概略、被記録媒体収納部210と
インク収納部211とによって構成され、これらの被記
録媒体収納部210およびインク収納部211には、上
述したような最適な組合せに係る被記録媒体とインクが
それぞれ収納される。そして、このようなインクメディ
アパック20は被記録媒体とインクの組み合わせ毎に複
数用意され、ユーザーの選択に応じて、プリンタのAS
F1に装着されて用いられる。
【0045】インク収納部211は、その全体がインク
ケース218によって密閉された構造を有する。その内
部は、図7にて後述されるように、収納する複数のイン
クごとのインク室が形成され、それらの各室に、インク
を貯留したインク袋が収納されている。また、インク収
納部211は、被記録媒体収納部210に対して開閉で
きるように設けられる(図6参照)。すなわち、そのイン
クケース218は、被記録媒体収納部210の両側部に
それぞれ設けられた回動軸212eによって回動自在に
軸支され、これにより、インクメディアパック20がプ
リンタに装着される際、その装着動作に伴って回動して
所定の位置(図1参照)を占めることができる。インクケ
ース218には、その矩形状の上面におけるコーナー部
に押圧部221a(図4参照)が設けられ、これに対向す
る下面側にはジョイント部220(図6参照)が設けられ
る。これらは、後述のようにインク交換およびインク供
給の際に用いられる。
【0046】一方、被記録媒体収納部210は、その前
面側を形成するメディアケース212と裏面側の背面カ
バー213とにより、それが収納する被記録媒体の大部
分を覆うとともに、その下方の一部に開口部が設けられ
るものである。すなわち、被記録媒体収納部210に
は、図6に示すように、その前面側の下方に前面開口部
215が設けられる。これは、主に、インクメディアパ
ック20がASF1に装着されたときに、その給紙ロー
ラユニット5のローラ部104(図3参照)に対して、収
納されている被記録媒体217を接触させて、その給送
を可能とするためである。一方、被記録媒体210の裏
面側には、図5に示されるように、背面開口部216が
設けられる。これは、主に、インクメディアパック20
がASF1に装着されたときに、ASF1の圧板103
との係合を可能とするためのものである。
【0047】被記録媒体収納部210に収納される被記
録媒体は、上記背面側において保護シート214を介し
て収納される。また、背面開口部214には抜け止め2
12bが設けられる。これらの保護シート214および
抜け止め212bとによって、収納される被記録媒体が
裏面側ヘ抜け出すことを防止できるとともに、収納部2
10内に、この背面開口部214を介して埃などが入り
込むことを防止できる。また、保護シート214は、収
納される被記録媒体と同じ材料で形成するなど、その摩
擦係数を被記録媒体との関係で適切なものとし、これに
より、積層されて収納される最下部の被記録媒体、すな
わち保護シート214と直接接する被記録媒体が、良好
に送れない現象、あるいはその上に積層される被記録媒
体の給送につられて給送される現象(重送)の発生を抑
えることができる。
【0048】さらに、被記録媒体収納部210の下端面
の一部には、図6に示すように、ASF1に設けられた
コネクタ310(図8参照)と電気的に接続するためのコ
ネクタ400が設けられ、これによって、後述されるよ
うに、プリンタ本体側から、インクメディアパック20
の所定のメモリに記憶されている種々の情報の読出しが
可能となる。
【0049】また、被記録媒体収納部210の前面開口
部215を区画する一つの辺には、パック分離面212
a(図8参照)が形成される。パック分離面212aは、
インクメディアパック20に収納される被記録媒体を給
送する際に、図3にて前述した普通紙の場合と同様に、
1枚づつ被記録媒体を分離して給送するためのものであ
る。具体的には、パック分離面212aは、被記録媒体
収納部210において、それに収納される被記録媒体の
下流端が給送動作によって突き当たる面として形成さ
れ、その被記録媒体を分離するのに最適の突き当て角度
を有している。
【0050】なお、本実施形態では、図3に示した分離
面107および上記の分離面212aを分離手段として
いるが、分離爪等を分離手段とするASFにおいては、
パックの装着時に、ASFの分離爪を退避させる方法が
必要である。その場合、被記録媒体収納部側に別の分離
爪が設けられていても良く、また、全く別の分離手段が
設けられていても良い。ASFおよびパックにおける分
離手段は、上述の分離面に限定されず、最適な分離手段
の組み合わせとすることができる。
【0051】図7は、インク収納部211の内部構造を
示す図であり、同図は、インク収納部を構成するインク
ケース218のインクケースカバー219を取外した状
態で示す図である。
【0052】インクケース218の内部には、記録に用
いるインクの色等に応じて4つのインク室218aが形
成される。4つのインク室218aには、例えば、イエ
ロー、シアン、マゼンタ、ブロックのインクが貯留され
ている。もちろん、記録の事情に応じて適切なインクが
貯留されればよく、上記のインクに限られるものではな
い。本例の場合は、各インク室218aにインク袋21
8dが配置され、各インク袋218d内にインクが貯留
される。インク袋218dは、可とう性の材料で形成さ
れるものであり、その一部がインク室218aの底面に
接着されることにより、インク室218aに固定され
る。各インク袋218dからのインク供給は、インク袋
218dの一端に取り付けられたインク供給管218c
が、それぞれ対応するジョイントバルブ221に接続さ
れることによって可能となる。そして、このジョイント
バルブ221は、図6に示したジョイント部220に連
通するものであり、これにより、図1にて前述したよう
に、キャリッジの移動によってインク導入部2Aがジョ
イント部220に対向することにより、記録ヘッドへの
インク供給が可能となる。
【0053】以上、図4〜図7に示した構成のインクメ
ディアパック20において、そのプリンタに対する非装
着状態では、インクメディアパック20は、そのインク
収納部211が被記録媒体収納部210に対して閉じて
おり、これにより、インク収納部211は、被記録媒体
収納部210に対して蓋として機能する。すなわち、被
記録媒体収納部210の前面開口部215を介して収納
される被記録媒体200Pが、外気にさらされることを
防止している。
【0054】さらに、被記録媒体収納部210の上記前
面開口部215に隣接し、かつインク収納部211のジ
ョイント部220に対応する位置には、ゴムキャップ2
22が設けられる。これにより、インク収納部211が
被記録媒体収納部210に対して閉じた状態にあると
き、ゴムキャップ222は、上記ジョイント部220を
密閉して、各インク室218aのインク袋218dから
のインクの漏れ防止している。
【0055】一方、インクメディアパック20がプリン
タのASF1に装着された状態では、インク収納部21
1は、被記録媒体収納部210に対して開いた状態とな
る(図1参照)。すなわち、インク収納部211が回動軸
212eによって回動可能に支持されることにより、イ
ンク収納部211は、その装着動作に伴って被記録媒体
収納部210に対して開き、これにより、上述の記録ヘ
ッドに対するインク供給が可能となる。
【0056】なお、本実施形態では、インク収納部に、
被記録媒体に最適な組合せのインクを収納するものとし
たが、これ以外にも、インクを交換する際に記録ヘッド
および記録へッドに対するインク供給路内を洗浄するた
めの洗浄インクを収納しても良い。また、記録ヘッドの
吐出エネルギー発生素子が電気熱変換体である場合にお
いて、被記録媒体に最適なインクとして電気熱変換体上
にコゲを発生することがあるインクを用いる場合には、
電気熱変換体上のコゲを除去するコゲ取り用液体を収納
していても良い。
【0057】次に、図3〜図6を参照して、インクメデ
ィアパック20をASF1に装着する動作について説明
する。
【0058】インクメディアパック20は、インクジェ
ットプリンタのASF1に対して着脱可能に構成されて
おり、この着脱の際に必要な構成がASF1とインクメ
ディアパック20に設けられている。
【0059】図3に示すASF1において、ベース右側
板102aおよびベース左側板102bには、それぞれ
導入ガイド102eが設けられる。この導入ガイド10
2eは、インクメディアパック20が装着される際、イ
ンクメディアパック20における被記録媒体収納部21
0の両側部に設けられたガイドリブ212cと係合し、
これにより、インクメディアパック20の装着動作をガ
イドすることができる。すなわち、ガイドリブ212c
は、主に被記録媒体収納部210のASF1への挿入を
ガイドするものであり、ガイドリブ212cが導入ガイ
ド102eに沿って摺動することにより、被記録媒体収
納部の装着をガイドすることができる。そして、このガ
イドリブ212cの摺動は、被記録媒体収納部210の
両側部に形成された突き当てリブ212d(図6参照)
が、ベース右側板102aおよびベース左側板102b
にそれぞれ設けられたストッパ102f(図6参照)に突
当たるまで行われ、これによって被記録媒体収納部21
0の挿入位置を定めることができる。
【0060】以上のような被記録媒体収納部210の装
着の際、ASF1に設けられたプリンタ側のコネクタ3
10(図8参照)と被記録媒体収納部210の下部端面に
設けられたコネクタ400とが相互に接続し、これによ
って、インクメディアパック20が装着されたことをプ
リンタ側が認識することができる。また、この装着の
後、図8に示すように、ASF1の左側板102bに設
けられレバー軸150aによって回動自在に支持される
ロックレバー150を回転させ、レバー150の突起部
150bを、インクメディアパック210に形成された
ロック穴210aに挿入することにより、インクメディ
アパック20のASF1に対する固定を行うことができ
る。そして、この固定により、上述のコネクタ同士の接
続を確実なものとすることができる。
【0061】なお、この導入ガイド102eは、普通紙
を直接ASF1に搭載して用いる際、その積載および給
送する動作を阻害しないよう、普通紙の最大積載時にお
ける最上位の普通紙と隙間が空く構成となっている。ま
た、サイドガイド105を図3において最も左側に移動
したとき、このサイドガイド105は、ベース左側板1
02bに設けられたサイドガイド収納部(付図示)に収納
される。
【0062】一方、インクメディアパック20における
インク収納部211の装着動作は、ASF1のベース両
側板102a、102bのそれぞれに設けられたガイド
溝102dと、インク収納部211のインクケース21
8の両側部に設けられたガイドボス218bとの係合に
よって、ガイドされる。すなわち、上述した被記録媒体
収納部210の挿入動作の際、併せて、インク収納部2
11の2つのガイドボス218bをASF1の対応する
2つのガイド溝102dに係合させる。これにより、上
述の被記録媒体収納部210の挿入動作に従い、インク
収納部211は、その回転軸212eを中心に回転し、
上記挿入動作の終了時には、図1にて示した略水平な所
定位置となって装着が完了する。
【0063】図8は、上述の装着動作によってインクメ
ディアパック20がASF1に装着された状態を示す図
である。
【0064】同図に示すように、装着状態では、インク
収納部211は被記録媒体収納部210に対し開いた状
態となり、被記録媒体収納部210の前面開口部215
が給紙ローラユニット5のローラ部104に対向する。
また、このとき、背面開口部216は圧板103に対向
する。すなわち、背面開口部216の開口面積は圧板1
03のそれよりも大きく、圧板103が押圧状態になる
と、被記録媒体収納部210内の保護シート214を介
して被記録媒体の背面を押圧し、これにより、インクメ
ディアパック20が変位することなく、それが収納する
被記録媒体を給紙ローラユニット5のローラ部104に
圧接させることができる。
【0065】インク収納部211は、前述のようにガイ
ドされて略水平に保持され、そのジョイント部220お
よび押圧部221aを含むインク収納部の先端部は、イ
ンクジェットプリンタ本体内に入り込む位置をとること
ができる。すなわち、この先端部は、キャリッジの移動
範囲の上部に位置することができる。さらに、後述され
るように、プリンタ本体に設けられた不図示のカム機構
によって押圧部221aが押圧されることにより、ジョ
イント部220が作動し、キャリッジ上のインク導入部
2Aを介したインク供給などを行うことが可能となる。
【0066】なお、インクメディアパック20をASF
1から外す場合には、上記の動作が逆の順序で行われ
る。
【0067】図9は、本実施形態のインクジェットプリ
ンタおよびインクメディアパックから構成されるシステ
ムの主に制御構成を示すブロック図である。
【0068】インクジェットプリンタにおいて、マイク
ロプロセッサ(MPU301)は、ROM302に格納さ
れた制御プログラムに従って、インクジェットプリンタ
全体の制御を行う。RAM303は、ホスト装置300
から転送される記録データを保存する受信バッファなど
を含み、また上記MPU301の処理実行におけるワー
クエリアとして使用される。また、RAM303には、
後述するように、直前の記録動作で使用したインクの種
類を示すインク情報と、次の記録動作で使用されるイン
クの種類を示すインク情報も、記憶できるエリアが確保
されている。次の記録動作で使用されるインク情報は、
パックが装着された場合には、そのパックのメモリから
読み出したインク情報となり、またパックが外された場
合には、プリンタのメモリに格納されたインク情報とな
る。このインク情報は、インクを収容するタンク部毎に
区別して記憶する。この情報により、パックの着脱前後
での、同一インクの無駄な置換を防ぐことができる。
【0069】MPU301は、ROM302に記憶され
ているプログラムの手順に従って、ホストコンピュータ
(ホスト装置)300から公知のセントロニクスインタ
ーフェース等で構成された送受信手段304を介して転
送されてくる指令データおよび記録データに基づいて、
機能する。すなわち、入出力ポート305およびモータ
駆動回路306を介してキャリッジモータや搬送モータ
の回転を制御するとともに、ヘッド制御部307および
ヘッド駆動部308を介して記録ヘッドに記録データを
出力して、その記録動作を制御する。また、上記記録ヘ
ッドの駆動パルス幅の作成、及びモータの回転数制御の
ために、タイマ309が設けられている。
【0070】一方、上述のインクジェットプリンタに接
続されて機能するインクメディアパック20のシステム
において、プリンタ本体と電気的に接続するたのコネク
タ400は、プリント基板4O1(図5参照)上に実装さ
れている。さらに、プリント基板401上には、電気的
に読み書き可能であって、電圧を印可していないときで
もデータの保持が可能なEEPROM402が実装され
ている。本実施形態のEEPROM402は、一般的な
シリアル式のものであり、CS信号311が“H”のと
き動作可能となる。すなわち、CS信号が“H”の時
に、CLK信号312の立ち上がりで、DI入力信号3
13上のコマンド(書き込み、読み出し、消去等)また
は書き込みデータがEEPROM402に書き込まれ
る。また、DO出力信号314上に読み出しデータが出
力されることにより、EEPROM402からのデータ
の読みとり可能となる。各信号線311〜314は、プ
リンタ側のコネクタ310を介して入出力ポート305
に接続され、MPU301の制御によってデータの読み
書きを実現する。シリアル式のEEPROMの容量は数
Kビット程度、その書き換え可能回数は10の5乗から
7乗程度であり、本実施形態のプリンタに関する情報を
記憶する書き換え可能な記憶素子として適したものであ
る。
【0071】さらに、インクジェットプリンタ側には、
インクメディアパック20の装着を検出するための装着
検出用スイッチ315が設けられており、そのスイッチ
315は、インクメディアパック20が装着されるとO
Nとなる構成になっている。スイッチ315の出力信号
316は、入出力ポート305に入力され、MPU30
5は、この信号をリードすることにより、インクメディ
アパック20の脱着を検出することができる。MPU3
01は、パック20の装着を検出すると、入出力ポート
305の出力信号317により、パック20内のEEP
ROM402に電源を供給し、EEPROM402をリ
ード・ライト可能状態とする。
【0072】インクメディアパック内のEEPROM4
02に記憶する情報としては、2つの情報に大別され
る。1つは、パック製造時に工場で書き込み、以後は、
インクジェットプリンタ側から読み出すだけの情報であ
り、他の1つは、インクジェットプリンタにインクメデ
ィアパックを装着した状態で、インクジェットプリンタ
側から書き換える情報である。前者の情報としては、パ
ック内にセットされている被記録媒体の種類およびイン
クの種類を代表的に挙げることができる。
【0073】図10は、本実施形態のインクジェットプ
リンタにおける制御手順を示すフローチャートである。
【0074】インクジェットプリンタの電源投入後、M
PU301は、初期設定を行う(S101)。次に、パ
ック装着検出用スイッチ315の状態を、入力ポート3
05を介して読み取る(S102)。スイッチ315が
ONの時は、パック20が装着されていると判断して、
EEPROM402に電源を供給し(S103)、その
EEPROM402に記憶されている各種データを読み
取る(S104)。EEPROM402には、インクメ
ディアパック20に収容されている被記録媒体およびイ
ンクの種類のID、記録制御用パラメータ等の各種デー
タが、工場出荷時に記憶されている。このEEPROM
402からの読み取りデータは、セントエレクトロニク
スインターフェース等の送受信手段304を介して、ホ
スト機器300に転送する(S105)。ホスト機器3
00のプリンタドライバは、以降、この情報を元にし
て、ユーザの選択なしに自動的に最適な記録データを作
成して、インクジェットプリンタに転送する。すなわ
ち、ホスト機器300は、インクジェットプリンタに装
着されているパック20内の被記録媒体およびインクの
組み合わせに最適な画像処理、インク打ち込み量、プリ
ントパス数(マルチパスのパス数)を考慮し、以降、最
適な記録データを作成してインクジェットプリンタに転
送する。一方、MPU301は、EEPROM402か
らの読み取りデータに基づいて、プリンタ内部の制御用
レジスタに記録制御用パラメータを設定する(S10
6)。そして、EEPROM402の電源の供給を停止
して(S107)、待機状態(S109)となる。
【0075】パック装着検出用スイッチ315がOFF
の時は、MPU301は、プリンタ内部の制御用レジス
タに普通紙用の記録制御用パラメータを設定する(S1
08)。これにより、インクジェットプリンタは、ユー
ザーがホスト機器300のプリンタドライバを介して指
示したプリント品位およびプリントスピードによって、
記録データの記録ができるようにされてから、待機状態
(S109)となる。
【0076】待機状態(S109)では、ホスト機器3
00からの記録データの受信を待つ(S110)。記録
データの受信がない場合は、周期的に、パック装着検出
スイッチ315の状態を監視し(S111)、その状態
に変化があったときにパック20の状態を判断する(S
112)。
【0077】パック20が装着状態から外されたと判断
した場合、MPU301は、普通紙用の記録制御用パラ
メータをプリンタ内部の制御用レジスタに設定し(S1
13)、ユーザーがホスト機器300のプリンタドライ
バを介して指示したプリント品位およびプリントスピー
ドによって、記録データの記録ができるようにしてか
ら、待機状態(S109)となる。
【0078】逆に、パック20が外された状態から装着
されたと判断した場合、MPU301は、そのパック2
0のEEPROM402から、そのEEPROM402
に工場出荷時に記録しておいた被記録媒体の種類および
インクの種類のID、記録制御用パラメータ等のか各種
データを読み取る(S115)。このEEPROM40
2からの読み取りデータは、セントエレクトロニクスイ
ンターフェース等の送受信手段304を介して、ホスト
機器300に転送する(S116)。ホスト機器300
のプリンタドライバは、以降、この情報を元にして、ユ
ーザの選択なしに自動的に最適な記録データを作成し
て、インクジェットプリンタに転送する。すなわち、ホ
スト機器300は、インクジェットプリンタに装着され
ているパック20内の被記録媒体およびインクの組み合
わせに最適な画像処理、インク打ち込み量、プリントパ
ス数(マルチパスのパス数)を考慮し、以降、最適な記
録データを作成してインクジェットプリンタに転送す
る。一方、MPU301は、EEPROM402からの
読み取りデータに基づいて、プリンタ内部の制御用レジ
スタに記録制御用パラメータを設定する(S117)。
そして、EEPROM402の電源の供給を停止して
(S118)、待機状態(S109)となる。
【0079】待機状態(S109)において記録データ
を受信した場合、MPU301は、RAM303内の記
憶データから、直前に使用したインク情報と、次に使用
するインク情報を読み出して、それらを比較する(S1
19)。直前に使用したインク情報とは、直前の記録動
作において、記録ヘッドが使用するインクとしてキャリ
ッジ2上のサブタンクに収容されていたインクの種類に
関する情報であり、本例の場合は、4つの記録ヘッドの
ぞれぞれに対応する計4つのサブタンク毎のインク情報
である。また、次に使用するインク情報とは、次の記録
動作において、記録ヘッドが使用するインクとしてキャ
リッジ2上のサブタンクが収容していなければならない
インクの種類に関する情報であり、本例の場合は、4つ
の記録ヘッドのそれぞれに対応する計4つのサブタンク
毎のインク情報である。
【0080】サブタンクの全てに関して、上記比較対象
のインク情報が一致した場合、つまり直前の記録動作時
における使用インクと、次の記録動作時における使用イ
ンクが全て一致した場合は、後述するインク交換をする
ことなく、そのまま記録動作を開始する(S121)。
一方、少なくとも1つのサブタンクに関して、上記比較
対象のインク情報が不一致の場合、つまり直前の記録動
作時における使用インクと、次の記録動作時における使
用インクの少なくとも1つが不一致の場合は、その不一
致のサブタンクのみについて、後述するインクの交換動
作を行って(S120)、そのサブタンク内のインクを
次の記録動作時における使用インクと入れ替える。そし
て、このようなインクの交換動作を終了した後、記録動
作を行う(S120)。
【0081】したがって、パック20を交換して使用す
る場合には、そのパック20のEEPROM402から
読み出したインク情報に基づき、インク交換が必要なサ
ブタンクに関してのみインク交換を実施することがで
き、単に、パック20の交換時に全てのサブタンクに関
してインク交換を行う場合に比して、インクの無駄な消
費をなくすことができる。また、このようなインク交換
動作を記録動作直前に行うことにより、単に、パック2
0のみを複数回交換するだけではインク交換をせずに、
記録動作直前においてインク交換が必要なサブタンクを
適確に認識して、そのインク交換が必要なサブタンクに
関してのみインク交換を行うことができ、この結果、イ
ンクの無駄な消費をなくすことがきる。また、インク交
換が必要なサブタンクに関してのみインク交換を行うた
め、結果的にインクの交換動作に掛かる時間を短縮し
て、記録時間をトータル的に短くすることができる。
【0082】その後、1ページ分の記録が終了したとき
に、パック20内の被記録媒体の残数、およびインクの
残量を求め、それらのデータをパック20のEEPRO
M402に送信して、それらのデータの更新を行う(S
122)。つまり、EEPROM402には、それらの
データの格納エリアが確保されており、1ページ分の記
録が終了する毎に、パック20内における被記録媒体の
残数、およびインクの残量のデータが更新される。パッ
ク20内の被記録媒体の残数は、インクジェットプリン
タが1ページ分の記録を終了する毎に、EEPROM4
02に格納されている被記録媒体の残数データから1つ
ずつ減算すればよい。また、パック20内のインクの残
数は、パック20からキャリッジ2上のサブタンク内へ
の後述するインク供給動作毎に、そのときのインク供給
量を、EEPROM402に格納されているインクの残
量データから減算すればよい。したがって、EEPRO
M402におけるインクの残量の更新時期は、キャリッ
ジ2上のサブタンク内への後述するインク供給動作時で
あってもよい。インクの残量は、EEPROM402に
おいてインクの種類毎に更新される。また、EEPRO
M402における被記録媒体の残数およびインクの残量
は、被記録媒体およびインクを満載したパック2の出荷
時に、被記録媒体の満載量およびインクの満たん量とし
て予め記憶しておくことができる。
【0083】その後、所定枚数の記録動作を終了してか
ら、EEPROM402の電源をOFFにして(S12
3)、待機状態(S109)に戻る。
【0084】以上の制御を行うことにより,ユーザの指
示無しに,インクジェットプリンタは、インクメディア
パックにセットされているインクと被記録媒体の組み合
わせに応じて最適化された記録データによって記録可能
となるため、高品位の画質で記録を行うことが可能とな
る。また、ステップS104.S115では、MPU3
01が読み取った被記録媒体の種類、インクの種類のデ
ータを元に、ROM302に記憶されたインクジェット
プリンタ側の記録に関するパラメータ、つまり記録ヘッ
ドの駆動パルス幅、ヘッドのインク不吐出を防止するた
めに予備吐出するドット数(予備吐出ドット数)、予備
吐出時間間隔、記録ヘッドの吐出状態を正常に保つため
の回復および吸引時間間隔等、もセットすることが可能
であり、プリンタドライバでの最適化と合わせて、さら
に最適制御が可能である。
【0085】ところで、パックのインク収納部内のイン
ク残量は、厳密にはインク収納部からキャリッジ内のサ
ブタンクに供給された量に基づいて計算されるものであ
る。しかし、サブタンクのインク収納量が小さく、その
ため比較的高い頻度でインク収納部からサブタンクに対
しインク供給が行われる場合には、記録動作時に吐出し
たインク量や予備吐出量等をそのままインク収納部内の
インク残量の計算に用いることもできる。その場合に
は、例えば、1枚分の記録し終了したときに、EEPR
OM402から、各色毎のインク残量値を読みとり、そ
の値から、1枚の記録で吐出したインク量及び予備吐出
量、また、吸引動作を行ったときはその吸引量を引き、
その結果を新たなインク残量としてEEPROM402
に書き込むことができる。
【0086】また、現在のインクメディアパック内の被
記録媒体の枚数を知ることにより、このデータをホスト
機器300に送信して、ホスト機器300のCRT上
に、それを表示することが可能であり、ユーザインター
フェースが向上する効果がある。また、常に最新のイン
クメディアパック内の状態を知ることができ、この情報
を読み出すことにより、リサイクル時のインク注入量の
定める処理等に利用することも可能である。
【0087】なお、以上の実施形態では、インクメディ
アパックに記憶される被記録媒体およびインクの種類
(ID)を読み取り、そのIDからROM302に記憶
してある記録制御に関するパラメータを読み取ってセッ
トするものとした。しかし、インクメディアパックのE
EPROM402に上記パラメータを予め記憶してお
き、EEPROMから直接パラメータを読み取り、イン
クジェットプリンタの記録制御回路にセットしてもよ
い。この方法により、例えば、インクジェットプリンタ
発売前に想定されていなかった被記録媒体とインクの組
み合わせのパックを追加発売しても、その被記録媒体お
よびインクの組み合わせに最適な記録制御により記録が
可能となる。
【0088】次に、インクの交換動作について説明す
る。
【0089】まず、プリント命令が出されると、後述す
るように、キャリッジが回復系へ移動し、記録ヘッド側
からインクを吸引することにより、記録ヘッドとキャリ
ッジ上のサブタンク内のインクを空にした後、キャリッ
ジが、インクメディアパックからのインク供給ポジショ
ンまたはインクジェットプリンタ内のインク供給ポジシ
ョンに移動して、各インク色毎のインク供給を行う。こ
のように、サブタンク内を空にしてからインク供給を行
うことにより、そのサブタンク内のインクを交換する。
また、このようなインク交換は、前述したように、イン
クの交換が必要なサブタンクに関してのみ行われること
になる。そして、このようなインク交換が終了した後、
インクメディアパックから被記録媒体を給紙して記録を
行い、記録終了後に排紙を行う。また、記録ヘッド内へ
のインク供給のみが必要な場合には、上述した場合と同
様に、キャリッジが、インクメディアパックからのイン
ク供給ポジションまたはインクジェットプリンタ内のイ
ンク供給ポジションに移動して、各インク色毎のインク
供給を行う。
【0090】次に、本実施形態に具備されるインク交換
システム及びインク供給方法を説明する。
【0091】本実施形態におけるインク交換システム
は、インク供給源である前述のインクメディアパックの
各インクタンク収納部からプリンタ装置本体のキャリッ
ジに搭載されるサブタンクへとインクを供給するもので
あり、主としてサブタンク、記録ヘッド、インク空気導
入機構等を備える。
【0092】図11ないし図16は、上記インク交換シ
ステムのサブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機
構を示す説明縦断側面図であり、図11は記録動作中の
状態を、図12はサブタンクを減圧させた状態を、図1
3は空気導入時の状態を、図14はインク空気排出動作
時の状態を、図15は再度サブタンクを減圧させた状態
を、図16はインク導入時の状態をそれぞれ示してい
る。
【0093】各図において、501はインク吐出圧発生
源としての電気熱変換体あるいは電歪素子(不図示)と
インクを吐出させる吐出口502を有するノズル部とを
多数配列した記録ヘッドであり、各ノズル部内の各イン
ク吐出圧発生源には、図示されない記録信号及び電気を
供給するためのヘッド駆動回路が接続されている。
【0094】520は前記インクメディアパックに形成
されるインク供給源としてのインク収納部211から供
給されるインクを貯留するサブタンクであり、その底部
には、前記記録ヘッド501が一体的に固定されてい
る。
【0095】このサブタンク520において、521は
サブタンク520の外殻をなすサブタンク本体であり、
このサブタンク本体521には、適用するインクの種類
数(ここでは、4種類)と同数の減圧室505が設けら
れている。各減圧室505は前記サブタンク本体521
の底部に形成された減圧調整口506に連通する吸気通
路505cに接続されている。
【0096】また、前記各サブタンク本体521の上面
には図20に示すように各減圧室505に対応してそれ
ぞれ4個の開口Hが前記導入口508aを含めて縦方向
(主走査方向と直交する方向)に沿って一列に形成され
ており、サブタンク全体としては16個の開口Hがマト
リクス状に形成されている。このうち、各減圧室505
に形成される4個の導入口508aは、キャリッジの移
動方向である主走査方向と交叉する直線上に配置されて
いる。これに対し、導入口508a以外の開口Hは、後
述の導入針553を挿通させる凹部508cの開口とな
っており、その凹部508cの底面上には弾性を有する
不図示のインク漏れ防止部材が固定されている。
【0097】また、前記導入路508内には、その上端
部に形成される導入口508aを開閉可能に封止する封
止機構509が設けられている。この封止機構509
は、導入路508の上流部に形成されたバルブ収納室5
08b内に収納したボールバルブ509aと、これを付
勢するばね509bとにより構成され、前記ばね509
bの付勢力によって常には前記導入口508aをボール
バルブ509aによって封止するようになっている。な
お、510はインク漏れ防止部材で、弾性部材からな
り、導入口508aの外側に固定されている。また、5
05bは前記導入路508の導出口505aに設けた導
出弁であり、導入路508へのインク及び空気の導出を
可能とする一方、導入路508からのインク及び空気の
逆流を阻止し得るようになっている。
【0098】507は前記吸気通路505c内に挿入さ
れた減圧調整機構である。この減圧調整機構507は前
記吸気通路505c内に形成された弁収納室507a
と、この弁収納室507a内に挿入された減圧調整弁5
07bと、この減圧調整弁507bを付勢するばね50
7cとにより構成される。
【0099】減圧調整弁507bは、前記ばね507c
の付勢力によって常には吸気通路505cと減圧調整口
506との連通を遮断状態に保つが、サブタンク本体5
21の側面に形成された挿通孔521aから所定の押圧
部材(図示せず)を挿入し、前記ばね507cに抗して
前記減圧調整弁507bを移動させると、減圧調整弁5
07bに形成された不図示の通気路を介して前記減圧調
整口506と吸気通路505cとが連通し、減圧室50
5内を減圧させるようになっている。
【0100】従って、この減圧調整弁507bは、減圧
度を調整するとき以外は減圧調整口506が閉じた状態
となり、外気と遮断されて減圧状態が維持されるように
なっている。このように、この減圧状態を形成すること
により、サブタンク505内のインクは減圧状態となっ
て吐出口502からのインクのぼた落ち及び吐出口50
2からの空気の引き込みを防止できるため、吐出口50
2では適正なインクメニスカスが形成され、インク吐出
の安定化を図ることができる。なお、減圧度の調整は上
記の吸気通路505c内に減圧測定手段としての圧力セ
ンサを設けることで管理することができる。
【0101】503は前記減圧室505内に収納されて
いるインク貯留部としてのインク液室である。このイン
ク液室503は、前記減圧室505の底面部に下端部が
固定された柔軟性部材によって袋状に形成されており、
その内外の圧力差によって容積変化するものとなってい
る。本実施形態においては、前記柔軟性部材は、その下
半部503bが厚肉に、上半部503aが薄肉にそれぞ
れ形成されており、下半部503bは比較的剛性が高く
一定形状を維持するが、上半部503aは剛性が低く減
圧室によって生じる内外の圧力変化に応じて容積変化す
るようになっている。これは、インク排出動作において
内容積を小さくし、インクの残量を少なくするためであ
る。但し、こうしたインク液室の厚さを変化させること
は、本発明において必須の要件ではない。
【0102】また、前記インク液室503は、減圧室5
05の底部に形成されたインク供給路504を介して記
録ヘッド501に連通しており、このインク供給路50
4を介してインク液室503からのインクが記録ヘッド
501へと供給される。
【0103】また、530は前記回復機構42に設けら
れた減圧付与機構(減圧手段)である。この減圧機構5
30は、前記一対のキャップ40,41と、各キャップ
40,41に対応して設けた減圧発生源としての不図示
の吸引ポンプと、この吸引ポンプとキャップとを接続す
る2組の減圧経路531,532と、前記記録ヘッド5
01の吐出口502及び減圧調整口506に対し減圧付
与状態を切換える切換機構530とを備える。このう
ち、前記両キャップ40,41は、図1及び図12に示
すように、いずれも前記吐出口532を密封した状態で
覆う吐出口側密封部541と、減圧調整口506を密封
した状態で覆う減圧口側密封部542とを備え、各密封
部541,542には、吸引孔541a,542aがそ
れぞれ形成されている。
【0104】また、前記2本の減圧経路531,532
は、前記両密封部541,542の吸引孔541a,5
42aに連結された2本のチューブ531,532によ
り構成されており、一方のチューブ531は、可撓性部
材によって形成されている。また、減圧切換機構530
は、所定の駆動源によって前記各チューブ531と53
2との間に配置され、所定の駆動源によって回動する回
動アーム535と、この回動アーム535の一端部に軸
着された圧接ローラ536とからなり、回動アーム53
5によって圧接ローラ536の位置を選択することによ
りチューブ531の連通、遮断を切換え得るようになっ
ている。
【0105】すなわち、図12,図15,図16に示す
ように圧接ローラ536をチューブ531に圧接させる
ことにより、チューブ531が潰れてその連通状態が遮
断され、吐出口側密封部541は吸引ポンプから遮断さ
れる。また、図13及び図14に示すように圧接ローラ
536をチューブ531から離間させることにより、チ
ューブ531は元の形状に復帰し、密接部541は吸引
ポンプに連通する。
【0106】一方、570はインク空気導入機構であ
る。このインク空気導入機構570は、インクと外気と
を選択的にサブタンク521のインク液室503へと導
入させるものであり、インク導入機構及び気体導入機構
として機能する。また、このインク空気導入機構は、前
記普通紙インク補充ユニット30からのインク及び空気
を導入させる普通紙側のインク空気導入機構と、前記イ
ンクメディアパック20内のインク及び空気を導入させ
るインクメディアパック側のインク空気導入機構の2種
類が設けられており、両インク空気導入機構は、同一構
造を有し、いずれも、押圧機構560と導入切換機構5
50とを備えるものとなっている。
【0107】前記普通紙側のインク空気導入機構におけ
る押圧機構560は、前記普通紙インク補充用のキャッ
プ40の配設位置を基準として設置され、パック側のイ
ンク空気導入機構における押圧機構560は、インクメ
ディアパック20に収納されている特殊紙インク補充用
のキャップ41の配設位置を基準として設置されてい
る。また、各押圧機構560の押圧ピン561は、キャ
リッジ2の移動方向(主走査方向)と直交する方向(副
走査方向)に沿って一列に配列されている。
【0108】また、導入切換機構550は、その一方が
普通紙インク補充ユニット30の供給部30aに設けら
れ、他方がインクメディアパック20の供給部21aに
設けられている。
【0109】また、前記押圧機構560は、プリンタ本
体側の所定の支持体P1に昇降自在に貫挿される複数本
(ここでは4本)の押圧ピン561と、各押圧ピン56
1の頭部562と前記支持体P1との間に弾装され、常
には各押圧ピン561の下端部が支持体P1内へと没入
するよう付勢するばね563と、所定の駆動源によって
回動中心Coを中心に回動する単一の偏心カム564と
を備える。この偏心カム564は、前記各押圧ピン56
1の頭部562と常時圧接する位置に設けられ、回動中
心Coを中心に回動することによって全ての押圧ピン5
61を上下に移動させ得るようになっている。
【0110】すなわち、偏心カム564の周面上の点a
(回動中心C0からの距離間隔が最も小となる点)が前
記押圧ピン561の頭部562に接するとき押圧ピン5
61の下端部は支持体P1内に没入する初期位置に設定
され、偏心カム564の周面上の点c(回動中心C0か
らの距離間隔が最も大となる点)が前記頭部562に接
するとき押圧ピン561の下端部は支持体P1の下面か
ら最も突出する最大突出位置に設定され、さらに、偏心
カム564の周面上の点bが頭部562と接するとき押
圧ピン561の下端部は前記初期位置と最大突出位置と
の間の所定の中間位置に設定されるようになっている。
【0111】一方、前記導入切換機構550は、前記押
圧ピン561に対応して区轄形成された複数(本実施形
態では4本)の収納室556Rを有する筐体556と、
この筐体556の各収納室556R内に昇降可能に収容
された切換ブロック551と、各切換ブロック551の
下端に固定されると共に中心部に導入路553aを形成
してなる導入針553と、前記切換ブロック551と筐
体556の底部との間に弾装されたばね554とからな
る。
【0112】このうち、前記筐体556の上面には、前
記押圧機構の押圧ピン561を挿脱可能とする挿通孔5
56aが各押圧ピンに対応して複数個(本実施形態では
4個)形成されると共に、底面には前記導入針553を
挿脱可能とする挿通孔556bが各導入針553に対応
して複数個(本実施形態では4個)形成されている。さ
らに、筐体556における各収納室556Rの側面に
は、外気に連通する空気導入口558及びインク導入口
559が形成されており、各空気導入口558は外気に
連通し、インク導入口559はインク供給源である普通
紙インク補充ユニット30、あるいはインクメディアパ
ック20のインク収納部211に所定の連通路を介して
接続されている。
【0113】また、前記各切換ブロック551は、その
周面に固定されたOリング552によって、筐体556
の各収納室556R内をその内面と気密状態を保ちつつ
昇降し得るものとなっている。この切換ブロック551
には、一側面に形成した側部開口から底部中央に形成さ
れた底部開口に至るL字状に屈曲した導入路551aが
形成されており、これが前記導入針553の導入路55
3aに連通している。
【0114】さらに、前記各導入針553は、前記各押
圧機構560の押圧ピン561と同様に副走査方向に沿
って配置されている。従って各導入針553の配列方向
に対し、前記導入口508aは、図20に示すように、
筐体556内の導入針553の配列方向と交叉する方向
に沿って配列されることとなる。但し、各導入口508
aの副走査方向における配設ピッチは、前記各導入針5
53の配設ピッチと同一に設定されており、図20に示
すように、キャリッジ2を主走査方向へと移動させるこ
とにより、4本の導入針553を順次1本ずつ対応する
導入口508aへと合致させ得るようになっている。な
お、この導入切換え機構によってインク導入切換え手段
及び気体導入切換え手段が構成されている。
【0115】次に、本実施形態におけるインク交換動作
及びインク供給動作を説明する。
【0116】先にも述べたように、本実施形態において
は、インクメディアパック20等の特殊用紙を用いた記
録動作と普通紙を用いた記録動作との切換え、及び使用
するメディアパック20の種類の変更などが行われるた
め、その記録媒体の変更に伴って、適用すべきインクの
種類も種々変更する必要があり、それまで貯留されてい
たインクと次の記録動作に使用すべきインクとの交換が
必要となる。
【0117】このインク交換は、図11ないし図16に
示すようにして行われる。なお、ここではインクメディ
アパック20の種類の変更に伴うインク交換時の動作を
例にとり説明する。
【0118】インクメディアパックの交換に際して交換
指令を入力すると、まず、サブタンク520を搭載した
キャリッジ2が、インクメディアパック20との干渉を
避け得る側方の退避位置へと移動し(図1参照)、その
状態で使用されていたインクメディアパック20の取り
外しを行う。
【0119】この後、新たなインクメディアパック20
を装着し、押圧機構560を退避位置から側方の装着位
置へと移動させると、導入切換機構550における筐体
556の底部がサブタンク本体521の上面に近接する
と共に、筐体556の上面に形成された挿通孔556a
に押圧機構560の押圧ピン561が対向する。
【0120】ここで、新たに装着されたインクメディア
パック20のメモリ400から各インク液室503に格
納されているインクに関する情報が読み出され、インク
交換指令を入力すると、その現在のインク情報と、直前
に使用されていたインクの情報とに基づき、MPU30
1が交換を要するインクを判断する。
【0121】この判断に基づきキャリッジ2が移動し、
交換を要するインクを収納した減圧室505の底面に形
成された減圧調整口506と記録ヘッド501の吐出口
502とを、前記キャップ40または41に設けられた
密接部541と542とにそれぞれ対向させる。その
後、キャップ40または41が上昇し吐出口502及び
減圧調整口506の周囲に密接部541及び542が密
接する(図12参照)。
【0122】この後、減圧切換機構530の回動アーム
535が回転し、圧接ローラ536がチューブ531に
圧接して吐出口502と吸引ポンプとの連通を遮断する
一方、減圧切換弁507bが不図示の押込み部材により
ばね507cの付勢力に抗して押し込まれ、減圧室50
5が減圧調整弁507b等を介して吸引ポンプに連通す
る。このとき減圧室505に連通可能な導入路508
は、封止機構509によって外気から遮断されているた
め、前記減圧室505内は、吸引ポンプの空気吸引動作
によって減圧されて行く。また、この減圧室505内に
収納されていたインク液室503はその上半部503a
が柔軟性部材によって形成されているため、減圧室50
5が大気より減圧されると、それに伴ってインク液室5
03は容積変化を生じ、減圧状態となる。
【0123】ここで、減圧室505が一定の減圧度に達
すると、不図示の押込み部材が減圧調整弁507bに対
する押圧を解除し、減圧調整弁507bがばね507c
の付勢力に従って初期位置に復帰し、吸気通路505c
と吸引ポンプとの連通を遮断して減圧室505及びイン
ク液室503の減圧状態を維持する(図12参照)。
【0124】次いで、不図示の駆動手段によって偏心カ
ム564は回動中心Coを中心に回転し、周面の点bが
頭部562に接する位置で停止する。これにより押圧ピ
ン561は支持体P1の下面から突出し、挿通孔556
aから筐体556内に侵入して切換ブロック551を下
方へと押し下げ、空気導入口(気体導入口)558と導
入路551aとを連通させる(図13参照)。その結
果、減圧状態にあるインク液室503には、前記空気導
入口558から導入路551a、553a、508及び
導入弁505bを経て外気が導入される。この減圧及び
空気導入によってインク液室503内では、インクの揺
動、撹拌が生じるため、インクの流動性を高めることが
できる。
【0125】次に、吸気源としての吸引ポンプを作動さ
せることにより、インク液室503内に残留している前
回の記録動作に使用したインクを記録ヘッド501の吐
出口502からチューブ531を介して排出させる(図
14参照)。この排出工程により、インク液室503内
のインクを完全に排出させることができるが、より確実
にインクの排出を行おうとする場合には、上述の減圧、
空気導入及び排出の各工程を繰り返し実行したり、ある
いはまたキャリッジ2を所定距離往復移動させて、内部
のインクを揺動させたりすることも有効である。
【0126】インクの排出完了後は、図15に示すよう
に、偏心カム564を回転させ、その周面の点aを頭部
562に当接させる。これにより、押圧ピン561はば
ね563の付勢力に従って上方の初期位置へと復帰し、
導入切換機構550の筐体556から抜脱する。その結
果、切換ブロック551と共に導入針553が、ばね5
54の付勢力によって上昇し、導入口508aから抜脱
する。これにより、ボールバルブ509aはばね509
bの付勢力によって導入路508の導入口508aを閉
塞し、外気との連通を遮断する。
【0127】またこれと同時に、減圧調整機構507の
減圧調整弁507bをばね507cに抗して押圧し、吸
気通路505cとチューブ532とを連通させて減圧室
505を吸引ポンプに連通させる一方、減圧切換機構5
30の圧接ローラ536によって吐出口502と吸引ポ
ンプとの連通を遮断し、その状態で吸引ポンプを駆動す
る。その結果、インク液室503は再び減圧状態とな
る。
【0128】次に、前記押圧機構560を駆動し、偏心
カム564を回転させて周面の点cを頭部562に圧接
させる(図16参照)。これにより、押圧ピン561は
下方へと突出して切換ブロック551を最大突出位置へ
と移動させ、インク導入口559と導入路551aとを
連通させる。その結果、インク供給源であるインクメデ
ィアパック20からインク液室503に至る経路、すな
わち、インクメディアパック20からインク供給管21
8c、インク導入口559、導入路551a、553
a、508、及びインク液室503に至る経路が連通状
態となる。
【0129】このとき、インク液室503は図15に示
す減圧工程において、減圧室505と共に減圧状態にあ
るため、インクメディアパック20に貯留されているイ
ンクは、上記経路を経てインク液室503に導入され、
その後インク液室503内にインク間が充填されたとこ
ろで、偏心カム564を回転して押圧ピン561を筐体
556から抜脱させ、導入針553を導入口508aか
ら抜脱させることによりインク導入工程は完了し、これ
によって1つのインク収容室に対するインク交換工程が
完了する。なお、このインク導入工程における動作は、
記録動作や回復動作によって消費したインクを補充する
場合に実行する動作と同一である。
【0130】また、図15のようにインク充填後に導入
針553を抜脱させた後、サブタンク520内の気圧を
記録動作に適した減圧度にするため、さらに減圧度を調
整しても良い。
【0131】上記のようにサブタンク520の中の1つ
の減圧室505におけるインク液室503にインクを供
給した後、さらに他のインク液室503に対してインク
を供給する必要がある場合には、まず、キャップ40ま
たは41が下降してサブタンク505の下面から離間
し、次に前述の昇降機構によってキャリッジ2がサブタ
ンクと共に下降して前記筐体556から離間する。この
後、キャリッジ2が主走査方向へと移動し、インク交換
あるいはインク補充を必要とする他の減圧室505の減
圧調整口506及び吐出口502を、キャップ40また
は41に対向させる。そして再びキャップ40、41が
上昇し、減圧調整口506及び吐出口502を密封し、
その後は前述と同様に、減圧、空気導入、排出、減圧、
インク導入等の工程を順次実行する。以上の動作はイン
ク交換を必要とする各減圧室505に対して繰り返し行
なわれる。
【0132】ところで、本実施形態において設けられて
いる4個の押圧機構560は、単一の偏心カム564が
全ての押圧ピン561を同時に同量昇降させる構造とな
っている。このため、押圧ピン561の押圧動作に伴っ
て導入切換機構550の切換ブロック551及び導入針
553にあっても、全てが同時に押圧されることとな
る。
【0133】しかしながら、前述のように各導入針55
3のうち導入口508aに挿入される導入針553は一
本のみであり、その他の導入針553はサブタンク本体
521aの上面に形成された12個の導入針挿入用の凹
部508cの中の同一列に属する3個に挿入される。こ
の凹部508cの底面上には、適度な弾性を有するイン
ク漏れ防止部材が設けられており、凹部508cに挿入
された導入針553の下端はこのインク漏れ防止部材に
圧接する。このため、導入針553の先端を破損させる
ことなく不要なインクの漏出を防止することができる。
また、導入針553が挿入されていない導入路508の
導入口508aはボールバルブ509によって閉塞状態
に保たれるため、導入路508内に塵埃などが混入する
虞もない。
【0134】なお、本実施形態における導入路551
a,553a及び508は、インクと空気の双方が流動
する共通の流路となっているが、インクと空気の導入路
をそれぞれ独立した流路とすることも可能である。
【0135】また、本実施形態では、インク液室内のイ
ンクの排出を記録ヘッド501の吐出口からインクを吐
出させることによって行うようにしたが、比較的流動面
積の大きなインク吐出用の流路を記録ヘッド501の吐
出口とは別個に設け、ここからインクを排出させるよう
にすることも可能であり、これによれば、インクの排出
をより迅速に行うことが可能となると共に、インク排出
による吐出口の寿命低下等も防止できる。
【0136】(他の実施形態)上述した実施形態におい
ては、インク−被記録媒体一体型のパックをプリンタに
交換可能に装着し、そのインク−被記録媒体一体型のパ
ックを構成するインクタンクから、サブタンクにインク
を供給する構成について説明した。しかし、インク−被
記録媒体一体型のパックを構成しないインクタンクプリ
ンタに交換可能に装着し、そのインクタンクから、サブ
タンクにインクを供給するように構成することもでき
る。いずれにしても、多種のインクを収容する複数のイ
ンクタンク(インク−被記録媒体一体型のパックを構成
するものを含む)から、複数のサブタンク内にインクを
供給して記録を行うインクジェット記録装置において、
前述したように、インクの交換が必要なサブタンクに対
してのみインク交換を行うことができる。
【0137】また、インクを吐出可能な記録ヘッドは、
インクの吐出エネルギーとして熱エネルギーを発生する
電気熱変換体を備えたインクジェット記録ヘッド、つま
りインク中に気泡を発生させて、その発泡エネルギーを
用いてインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを用
いることができる。また、本発明は、上述したようなシ
リアルタイプの記録装置の他、被記録媒体の幅方向に長
く延在する記録ヘッドを用いて記録を行う、いわゆるフ
ルラインタイプの記録装置としても適用することができ
る。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録装置は、インクタンクまたはインク−被記録
媒体一体型のパックが交換された場合に、単に、サブイ
ンクタンク内のインクをインクタンクまたはインク−被
記録媒体一体型のパック内のインクと交換するのではな
く、インクの種類に関するインク情報に基づいて、イン
ク交換が必要なサブインクタンクに関してのみインク交
換を実施することにより、インクの無駄な消費をなくす
ことができる。
【0139】また、このようなインク交換動作を記録動
作直前に行うことにより、単に、インクタンクまたはイ
ンク−被記録媒体一体型のパックのみを複数回交換する
だけではインク交換をせずに、記録動作直前においてイ
ンク交換が必要なサブインクタンクを適確に認識して、
そのインク交換が必要なサブインクタンクに関してのみ
インク交換を行うことができ、この結果、インクの無駄
な消費をなくすことがきる。また、インク交換が必要な
サブインクタンクに関してのみインク交換を行うため、
結果的にインクの交換動作に掛かる時間を短縮して、記
録時間をトータル的に短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリ
ンタの外観を示す斜視図である。
【図2】上記プリンタを側方から見た断面図であり、主
に被記録媒体の搬送機構を示す図である。
【図3】上記プリンタの自動給紙装置(ASF)を示す斜
視図である。
【図4】上記プリンタにおいて着脱自在に用いられるイ
ンクメディアパックの表側外観を示す斜視図である。
【図5】上記インクメディアパックの裏側の外観を示す
斜視図である。
【図6】上記インクメディアパックについてそのインク
収納部を開いた状態で示す斜視図である。
【図7】上記インク収納部の内部構造を示す斜視図であ
る。
【図8】上記インクメディアパックがプリンタのASF
に装着された状態を示す図である。
【図9】上記プリンタとインクメディアパックにおけ
る、主に信号、データの授受のための構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】上記プリンタの制御手順を示すフローチャー
トである。
【図11】上記プリンタのインク交換システムにおける
サブタンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す
説明縦断側面図であり、記録動作中の状態を示してい
る。
【図12】上記プリンタのインク交換システムのサブタ
ンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦
断側面図であり、サブタンクを減圧させた状態を示す図
である。
【図13】上記プリンタのインク交換システムのサブタ
ンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦
断側面図であり、空気導入時の状態を示す図である。
【図14】上記プリンタのインク交換システムのサブタ
ンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦
断側面図であり、インク空気排出動作時の状態を示す図
である。
【図15】上記プリンタのインク交換システムのサブタ
ンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦
断側面図であり、再度サブタンクを減圧させた状態を示
している。
【図16】上記プリンタのインク交換システムのサブタ
ンク、記録ヘッド及びインク空気供給機構を示す説明縦
断側面図であり、インク導入時の状態を示している。
【図17】上記サブタンクのインク導入孔等を示す説明
平面図である。
【符号の説明】
A 記録紙排出方向 1 自動給紙装置(ASF) 2 キャリッジ 2A インク導入部 4 普通紙 5 給紙ローラユニット 6 押圧ローラ 7 紙送りローラ 8 記録領域 20 インクメディアパック 21a、30a 供給部 30 普通紙インク補充ユニット 40 普通紙インク吸引キャップ 41 特殊紙インク吸引キャップ 42 回復系 102 ベース 102a ベース右側板 102b ベース左側板 102d ガイド溝 102e 導入ガイド 102f ストッパ 103 圧板 104 ローラ部 105 サイドガイド 106 分離パッド 107 分離面 150 ロックレバー 150b 突起部 210 被記録媒体収納部 210a ロック穴 211 インク収納部 212 被記録媒体ケース 212b 抜け止め部材 212c ガイドリブ 213 背面カバー 214 保護シート 215 前面開口部 217 被記録媒体 218 インクケース 218a インク室 218b ガイドボス 218d インク袋 219 インクケースカバー 220 ジョイント部 221 ジョイントバルブ 221a 押圧部 300 ホスト機器 301 MPU 302 ROM 304 送受信手段 305 入出力ポート 306 モータ駆動回路 310 コネクタ(プリンタ側) 315 スイッチ 400 コネクタ(インクメディアパック側) 401 プリント基板 501 記録ヘッド 502 吐出口 503 インク液室(インク貯留部) 503a 上半部 503b 下半部 504 インク供給路 505 減圧室 505a 導出口 505b 導出弁 505c 吸気通路 506 減圧調整口 507 減圧調整機構 507a 弁収納室 507b 減圧調整弁 507c ばね 508 導入路 508a 導入口 508b バルブ収納室 508c 凹部 509 封止機構 509a ボールバルブ 509b ばね 510 インク漏れ防止膜 520 サブタンク 521 サブタンク本体 521a 挿通孔 530 減圧切換機構 531 チューブ 532 チューブ 535 回動アーム 536 圧接ローラ 537 減圧切換機構 541 減圧口側密接部 541a 吸引孔 542 吐出口側密接部 542a 吸引孔 550 導入切換機構 551 切換ブロック 551a 導入路 552 Oリング 553 導入針 553a 導入路 554 ばね 556 筐体 556a 挿通孔 556b 挿通孔 556R 収納室 558 空気導入口 559 インク導入口 560 押圧機構 561 押圧ピン 562 頭部 563 ばね 564 偏心カム 570 インク空気導入機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 真理子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 稲本 忠喜 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 広行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉野 浩史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 竹村 亜子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA11 EA22 EA25 EB02 EB13 EB20 EB21 EB44 EB45 EB56 EC02 EC11 EC18 EC20 EC22 EC34 EC64 EE20 FA03 FA10 FA13 FB03 HA28 HA60 JA03 JA14 JC05 JC21 KB05 KB37 KC05 KC13 KC14 KC16 KC22 KC27 KC30 2C058 AB06 AB12 AC07 AE02 AF04 AF17

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交換可能に装着されるインクタンクから
    インクの供給が可能なサブインクタンクを備え、前記サ
    ブインクタンク内のインクを用いて、被記録媒体に画像
    を記録可能なインクジェット記録装置において、 前記サブインクタンク内のインクを前記インクタンク内
    のインクと交換するインク交換動作が可能なインク交換
    手段と、 前記サブインクタンク内のインクの種類に関する第1イ
    ンク情報と記録動作に使用するインクの種類に関する第
    2インク情報とに基づいて、前記インク交換手段を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 前記インクタンクは、被記録媒体を供給
    可能に収容するインク−被記録媒体一体型のパックを構
    成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記第1インク情報と
    前記第2インク情報が一致しないときに前記インク交換
    手段を動作させ、前記第1インク情報と前記第2インク
    情報が一致したときは前記インク交換手段を動作させな
    いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第1インク情報は、直前の記録動作
    に使用したインクの種類に関するインク情報であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記インクタンクは、それが収容するイ
    ンクの種類に関する情報を記憶しており、 前記第2インク情報は、前記インクタンクから読み出し
    たインク情報であることを特徴とする請求項1から4の
    いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インクタンクは、4色の異なるイン
    クを貯留していることを特徴とする請求項1から5のい
    ずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記4色のインクは、イエロー、シア
    ン、マゼンタ、ブラックであることを特徴とする請求項
    6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記サブインクタンクは、異なる種類の
    インクを収容可能な複数のサブインクタンクであり、 前記インク交換手段は、前記複数のサブインクタンク毎
    のインク交換動作が可能であり、 前記制御手段は、前記複数のサブインクタンク毎におけ
    る前記第1インク情報と前記第2インク情報とに基づい
    て、前記インク交換手段を制御することを特徴とする請
    求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記サブインクタンクにインクを供給可
    能なインク供給手段を備え、 前記インクタンクが装着されていないときは、前記イン
    ク供給手段から供給された前記サブインクタンク内のイ
    ンクを用いて記録をすることを特徴とする請求項1から
    8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記第2インク情報は、前記インク供
    給手段から前記サブインクタンクに供給可能なインクの
    種類に関するインク情報であることを特徴とする請求項
    9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、ホスト装置からの記
    録データの入力後における記録動作の開始直前に、前記
    インク交換手段を制御することを特徴とする請求項1か
    ら10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 インクを吐出可能な記録ヘッドを用い
    て、前記サブインクタンクから供給されるインクを吐出
    して画像を記録することを特徴とする請求項1から11
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは、インクの吐出エネ
    ルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えたことを特徴とする請求項12に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
JP2000026110A 2000-02-03 2000-02-03 インクジェット記録装置 Pending JP2001212984A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007521988A (ja) * 2004-01-21 2007-08-09 シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド 高速デジタルプリンタ装置
US7731327B2 (en) 2004-01-21 2010-06-08 Silverbrook Research Pty Ltd Desktop printer with cartridge incorporating printhead integrated circuit

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