JP2001212682A - 金属チューブのレーザ加工方法およびその装置 - Google Patents

金属チューブのレーザ加工方法およびその装置

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JP2001212682A
JP2001212682A JP2000023961A JP2000023961A JP2001212682A JP 2001212682 A JP2001212682 A JP 2001212682A JP 2000023961 A JP2000023961 A JP 2000023961A JP 2000023961 A JP2000023961 A JP 2000023961A JP 2001212682 A JP2001212682 A JP 2001212682A
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metal tube
laser beam
laser
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magnet
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Yasuki Nishiwaki
靖樹 西脇
Kenji Goto
賢志 後藤
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Nippon Sharyo Ltd
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Nippon Sharyo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステントなど金属チューブの円筒面をレーザ光
で貫通切削するレーザ加工において、集光点に対向する
内壁面を保護するとともに金属チューブの内壁面に付着
する溶融物を最小にする簡素なレーザ加工方法を提供す
る。 【解決手段】金属チューブ1内に磁性研磨剤2aを封入
し、レーザ光の集光点8に対向する金属チューブ1の外
側に磁石6を往復移動可能に設け、磁性研磨剤2aを金
属チューブ1の内壁面で摺動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステントなど小径
薄肉の金属チューブの円筒面をレーザ光で貫通切削する
レーザ加工方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、血管などのアテローム性狭窄症
の治療など体腔に移植されるステントは、種々のものが
開発されているが、特開平6−181993号や特開平
10−155915号には、外径1.5〜1.7mm、
肉厚0.05〜0.11mm、長さ約30mmのステン
レスチューブをレーザ加工によって起伏パターンの切断
を行って製作したものが開示されている。
【0003】ステントのように小径で薄肉の金属チュー
ブをレーザ光で円筒面を貫通切削すると、金属チューブ
の集光点に対抗する内壁面へレーザ光が照射され、その
内壁面を溶融させたり切削してしまうことが少なくな
い。また、レーザ加工時に発生する溶融物が再凝固して
金属チューブの内壁面に付着し、これを除去するために
機械的または化学的(電解研磨など)な工程を必要と
し、これに多くの時間を要している。
【0004】そこで、これを解決したレーザ加工方法が
特許第2904264号に開示されている。このレーザ
加工方法では、図4に示すように、ステンレス製の金属
チューブ1にマンドレル30と称するステンレス棒を内
装し、コンピュータ制御で金属チューブ1を移動させつ
つレーザ光によって起伏パターンの切断を行っており、
切断箇所にレーザ光と同軸上から酸素ガスであるアシス
トガス5を噴射させ、溶融物を金属チューブ1内を通し
て外部へ吹き飛ばすようにしている。そして、マンドレ
ル30はレーザ光の集光点8と対向する内壁面を保護す
るように金属チューブの底部に設けられ、起伏パターン
を切断するときに回転させている。
【0005】さらに、筒状の一端を密封し筒面に多数の
小孔を形成したマンドレル30を、レーザ光の集光点8
の直下に配置し、マンドレル30内に真空または正圧を
導入して切断時に発生した溶融物を除去するようにした
ものも開示されている。なお、図4において、3は集光
レンズ、4はレーザトーチである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のマンドレルを使
用した加工方法は、集光点に対向する内壁面の保護とい
う点においては十分機能するが、金属チューブの寸法に
対応して多種のマンドレルを用意しなければならず、ま
た、マンドレルを金属チューブ内部に支持する機構やマ
ンドレルを回転させる機構を必要とし、これがきわめて
複雑で大掛かりなものとなっている。さらに、溶融物の
除去はアシストガスによる吹き飛ばしでは効果が小さ
く、実際には金属チューブの内壁面にかなりの溶融物が
付着してしまうという欠点がある。
【0007】そこで、本発明は、ステントなど金属チュ
ーブの円筒面をレーザ光で貫通切削するレーザ加工にお
いて、集光点に対向する内壁面を保護する簡便な方法を
提供し、また、簡便な手段で集光点に対向する内壁面を
保護するとともに金属チューブの内壁面に付着した溶融
物を最小にするレーザ加工方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では次の手段を採った。即ち、請求項1の発
明では、ステントなど金属チューブの円筒面をレーザ光
で貫通切削するレーザ加工方法において、金属チューブ
内に磁性粉末を封入し、レーザ光の集光点に対向する金
属チューブの外側に磁石を設け、磁性粉末を集光点の対
向する内壁面部分に滞留させるようにしたことを特徴と
している。
【0009】このレーザ加工方法は、ステントのように
小径で薄肉な金属チューブの円筒面にレーザ光を照射し
て貫通切削する製品で、金属チューブが非磁性体のもの
に適用される。磁性粉末としては、安価で一般的である
鉄粉を用いるのがよいが、その粒径はレーザ加工によっ
て切断された溝部から流出しない程度のものを選定す
る。
【0010】磁性粉末は、金属チューブの回転および軸
線移動によって流動するが、磁石によって常にレーザ光
の集光点に対向する内壁面へ滞留することになるので、
この内壁面は十分にレーザ光から保護される。請求項2
に記載の発明は、集光点に対向する内壁面を保護すると
ともにレーザ加工によって金属チューブの内壁面に付着
した溶融物を最小にするようにしたもので、金属チュー
ブ内に磁性研磨剤を封入し、レーザ光の集光点に対向す
る金属チューブの外側に磁石を往復移動可能に設け、磁
性研磨剤を金属チューブの内壁面で摺動させることを特
徴としている。
【0011】磁性研磨剤としては鉄粉にセラミックスな
どの研磨剤を混合したものを用いればよい。粒径は上記
請求項1の発明の場合と同じく、レーザ加工によって切
断された溝部から流出しない程度のものを選定すればよ
い。金属チューブの外側に設けられる磁石は、金属チュ
ーブの外周に沿うように揺動させるか、軸線方向に往復
させる。これによって、金属チューブの内壁面に付着し
た溶融物は磁性研磨剤によって研磨され除去される。
【0012】この発明を実施するためのレーザ加工装置
は、請求項3に記載のように、アシストガスを噴射する
ノズルを備えたレーザトーチの直下に金属チューブを把
持してNC制御装置からの指令によって回転および軸線
方向に移動する加工台を設け、レーザ光の集光点に対向
する金属チューブの外側に磁石を往復移動させる磁石往
復移動装置を設けたものとするのがよい。
【0013】磁性研磨剤の供給は金属チューブを加工台
にセットするときに行ってもよいが、別途磁性研磨剤供
給装置を付設すればより作業が簡便になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属チューブのレ
ーザ加工方法の実施形態例を図面に基づいて説明する。
請求項1の発明は図1に示すように、レーザトーチ4の
直下に金属チューブ1を回転および軸方向に移動可能に
加工台に支持し、アシストガス5として酸素ガスを噴射
させつつレーザ光を照射し、金属チューブ1に集光させ
て切断加工を行う。酸素ガスは切断時に発生する酸化反
応に似た反応を引き起こし切断を促進させる。
【0015】金属チューブ1内には鉄粉などの磁性粉末
2が封入されており、集光点8に対向する金属チューブ
1の外側には、磁石6が設けられている。なお、磁性粉
末2の粒径はレーザ光による切断溝より大きなものを使
用している。レーザ加工は、切断パターンにしたがって
金属チューブ1を回転および軸方向へ移動させながら行
われるが、かなりの高速で移動させたとしても磁性粉末
2は常に、磁石6によって集光点に対向する金属チュー
ブ1の内壁面に滞留する。そして、レーザ光は金属チュ
ーブ1の円筒面を切断し対向する内壁面に向かって照射
するが、磁性粉末2によって阻止され、対向する内壁面
は保護される。
【0016】なお、磁石6は円弧状で図1に示すように
金属チューブ1の外周に沿うように設けているが、図2
に示すように直線状の磁石7を金属チューブ1の外側に
設けてもよい。請求項2の発明は、上記の磁性粉末2に
代えて磁性研摩材2aを用い、金属チューブ1の外側に
設けた磁石6を金属チューブ1の外周に沿って軸線方向
に往復移動させるように構成する。
【0017】これにより、レーザ光によって切断され金
属チューブ1の内壁面に付着した溶融金属は、磁性研磨
剤2aの摺動によって研削される。したがって、加工後
の後処理を簡素にできる。次に、請求項3のレーザ加工
装置の実施態様例を図3に基づいて説明する。
【0018】このレーザ加工装置は、レーザ光を照射す
るレーザ機本体と、レーザトーチ4の直下に金属チュー
ブ1を把持して回転および軸線方向に移動させる加工台
10と、切断パターンに基づいて加工台10へ指令する
NC制御装置20とから構成されている。
【0019】レーザ発振器11はYAGレーザ(106
4nm)でレーザ光は反射鏡12を介して集光レンズ3
に入射され、金属チューブ1の表面に焦点が結ばれるよ
うに設定される。レーザトーチ4の下端にはノズル13
が付設されており、酸素などのアシストガス5がレーザ
光軸と同軸上にガスの流線中心が重なるように高圧力で
噴射するように構成されている。
【0020】加工台10は、金属チューブ1の両端を把
持して水平状態に保持する把持具15と、金属チューブ
1を回転させる回転装置17と、軸線方向へ移動させる
移動装置18とを備え、さらに、金属チューブ1内へ磁
性研磨剤を供給する磁性研磨剤供給装置16と、金属チ
ューブ1の下方に設けられた磁石6と、磁石6を金属チ
ューブの軸線方向へ往復移動させる磁石移動装置14と
を備えている。
【0021】レーザ加工する場合は、金属チューブ1を
把持具15に取り付け、磁性研磨剤を適量金属チューブ
1内へ供給し、NC制御装置20を作動させ、金属チュ
ーブ1を加工開始点に位置させる。そして、レーザ加工
は、レーザ発振器11を作動させてレーザ光を照射させ
るとともにアシストガス5をレーザトーチ5へ圧送し、
同時にNC制御装置20からの指令に基づいて、回転装
置17および移動装置18のモータを駆動して行う。ま
た、磁石往復移動装置14を駆動させ軸線方向に往復移
動させる。
【0022】金属チューブ1の円筒面は切削パターンに
したがって回転および軸線方向に移動しながら切削され
る。このとき、レーザ光は金属チューブ1の円筒面が貫
通し、対向する内壁面へ向かって照射するが、ここには
磁性研磨剤が滞留しているのでこれに照射されることに
なる。そして、磁性研磨剤が軸線方向に往復移動するこ
とにより、金属チューブ1の内壁面を摺動し研磨する。
なお、アシストガス5は金属チューブ1内にレーザ光と
ともに進入し、磁性研磨剤2aの供給側と反対方向から
排出される。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の金
属チューブのレーザ加工方法は、金属チューブ内に磁性
粉末を封入し、レーザ光の集光点に対向する金属チュー
ブの外側に磁石を設け、磁性粉末を集光点の対向する内
壁面部分に滞留させて、該内壁面をレーザ光から保護す
るようにしたので、従来のマンドレルによる場合のよう
に、複雑な機構を構成する必要がなく、また、金属チュ
ーブの内径や長さに応じて多種用意する必要もないな
ど、装置を簡素化できる。
【0024】また、請求項2記載の金属チューブのレー
ザ加工方法は、金属チューブ内に磁性研磨剤を封入し、
レーザ光の集光点に対向する金属チューブの外側に磁石
を往復移動可能に設け、レーザ光の集光点に対向する内
壁面を保護するとともにレー内壁面に付着した溶融物を
除去するようにしたので、装置が簡素化され高品質な加
工ができるばかりでなく、溶融物除去工程を短縮ないし
省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属チューブのレーザ加工方法の一実
施形態例の構成を示す説明図である。
【図2】同 別の実施形態例を示す説明図である。
【図3】同 請求項3記載の発明の実施形態例を示すレ
ーザ加工装置の構成図である。
【図4】(a)は従来の金属チューブのレーザ加工方法
を示す説明図で、(b)は金属チューブ部分の斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…金属チューブ 2…磁性粉末 2a…磁性研磨剤 3…集光レンズ 4…レーザトーチ 5…アシストガス 6、7…磁石 8…集光点 10…加工台 11…レーザ発振器 12…反射鏡 14…磁石往復移動装置 15…把持具 16…磁性研磨剤供給装置 17…回転装置 18…軸線移動装置 20…NC制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステントなど金属チューブの円筒面をレー
    ザ光で貫通切削するレーザ加工方法において、金属チュ
    ーブ内に磁性粉末を封入し、レーザ光の集光点に対向す
    る金属チューブの外側に磁石を設け、磁性粉末を集光点
    の対向する内壁面部分に滞留させるようにしたことを特
    徴とする金属チューブのレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】ステントなど金属チューブの円筒面をレー
    ザ光で貫通切削するレーザ加工方法において、金属チュ
    ーブ内に磁性研磨剤を封入し、レーザ光の集光点に対向
    する金属チューブの外側に磁石を往復移動可能に設け、
    磁性研磨剤を金属チューブの内壁面で摺動させることに
    よりレーザ加工で付着した溶融物を除去するようにした
    ことを特徴とする金属チューブのレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】アシストガスを噴射するノズルを備えたレ
    ーザトーチの直下に金属チューブを把持してNC制御装
    置からの指令によって回転および軸線方向に移動する加
    工台を設け、レーザ光の集光点に対向する金属チューブ
    の外側に磁石を往復移動させる磁石往復移動装置を設け
    たことを特徴とする請求項2に記載の金属チューブのレ
    ーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置。
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Cited By (4)

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