JP2001212434A - 白血球除去フィルターの製造方法および製造装置 - Google Patents
白血球除去フィルターの製造方法および製造装置Info
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Abstract
代表される細胞浮遊液から白血球を選択的に除去できる
フィルターであって血小板通過率及び白血球除去性能に
優れた白血球選択除去フィルターを効率良く製造する方
法、および装置を提供する。 【解決手段】 フィルター基材にポリマー溶液をコーテ
ィングして、ニップした後、低温と高温との少なくとも
2つの異なる温度で低温から高温へと順次乾燥すること
を特徴とする白血球除去フィルターの製造方法、および
そのための装置。
Description
両方を含有する、血液に代表される細胞浮遊液から血小
板の損失を小さく抑えながら白血球を除去する、血小板
通過率および白血球除去性能に優れた白血球除去フィル
ターを効率良く製造するための方法、および装置に関す
る。
来の全血輸血に代わって、患者が必要とする血液の成分
だけを与え、不要な成分は極力与えない成分輸血が注目
をあびている。成分輸血には、赤血球輸血、血小板輸
血、血漿輸血などがあり、赤血球を必要とする患者には
赤血球濃縮液が投与され、血小板を必要とする患者には
血小板濃縮液が投与される病例が極めて多い。しかしな
がら、成分輸血においても様々な病例が確認されてい
る。例えば、血小板濃縮液を輸血された患者が、非溶血
性発熱反応、同種免疫反応、輸血後急性肺障害、GVH
D、アレルギー反応、アナフィラキシー反応、ウイルス
ならびに細菌感染、さらに免疫変調などの多岐にわたる
副作用を示すことが報告されている。こうした輸血副作
用の原因の多くは、血液製剤中に混入している白血球に
由来すると考えられ、これらの副作用を防ぐのに十分な
程度に低い水準にまで白血球を除去することが必要であ
る。
方法には、大別して、遠心分離機を用いて赤血球と白血
球との比重の違いを利用して分離する方法と、繊維素材
やスポンジ状構造物を濾材とするフィルターを用いて白
血球を除去するフィルター法の2種類があるが、白血球
を吸着除去するフィルター法が、白血球除去能に優れて
いること、操作が簡便であること及びコストが低いこと
などの利点を有するために広く用いられている。
て、ある特定のポリマー溶液をフィルター基材にコーテ
ィング、または、ポリマー溶液中にフィルター基材を浸
漬することを特徴とした方法(例えば、特開平10−3
38639号公報、WO87/05812号公報)が知
られている。特開平10−338639号公報には、キ
トサン又は改質キトサン溶液に不織布を30分ないし1
20分間浸漬し、1次乾燥を1〜2時間程度、2次乾燥
を24〜48時間程度行うフィルターの製造方法が記載
されている。また、WO87/05812号公報には、
不織布を円形等に切断し、これをポリマー溶液に浸した
後、余分なポリマー溶液を除去し、フィルターホルダー
にセットして乾燥空気を送りながら乾燥するフィルター
の製造方法が記載されている。しかしながら、これらの
製造方法では、溶剤の乾燥時間が長くなり生産効率が悪
いという問題点があった。
板と白血球の両方を含有する、血液に代表される細胞浮
遊液から血小板の損失を小さく抑えながら白血球を除去
する、血小板通過率および白血球除去性能に優れた白血
球除去フィルターを効率良く製造する方法、および装置
を提供することにある。
決したものである。すなわちこの発明は、(1)フィル
ター基材にポリマー溶液をコーティングして、ニップし
た後、低温と高温との少なくとも2つの異なる温度で低
温から高温へと順次乾燥することを特徴とする白血球除
去フィルターの製造方法、(2)低温が80℃未満、高
温が45℃以上である上記(1)記載の白血球除去フィ
ルターの製造方法、(3)低温乾燥後のフィルター中の
残存溶剤量が30%以下である上記(1)又は(2)記
載の白血球除去フィルターの製造方法、(4)フィルタ
ー基材を連続長尺体とすることにより連続的に白血球除
去フィルターを製造する上記(1)〜(3)記載の白血
球除去フィルターの製造方法、(5)フィルター基材に
ポリマー溶液をコーティングする手段と、ニップする手
段と、少なくとも2つ以上の異なる温度の乾燥手段とを
有することを特徴とする白血球除去フィルターの製造装
置、に関するものである。
溶液をコーティングして、ニップした後、乾燥すること
からなる白血球除去フィルターの製造方法において、ニ
ップした後に、低温と高温との少なくとも2つの異なる
温度で低温から高温へと順次乾燥するという乾燥工程を
採用することによって、思いがけず白血球除去性能が高
く且つ血小板通過率も高い白血球除去フィルターを効率
よく得ることができることを見出し、本発明に至ったも
のである。すなわち、本発明者らは、前記の課題を解決
するために、鋭意研究を重ねたところ、乾燥は、高温で
行う方が、生産性からみると好ましいが、高温のみで乾
燥するとコーティング層が破壊されて血小板通過率が低
下することを見出した。一方、低温のみでの乾燥では、
乾燥に多くの時間を費やしてしまうために、生産性が悪
い。そこで、本発明者らは、最初に低温で乾燥すること
によって、コーティング層を固定した後、除去の困難な
残存溶剤を高温で除去しようと試みた結果、最初から高
温で乾燥する場合と比較して生産性を殆ど低下させるこ
となく、血小板通過率をも維持できることを見出し本発
明に至ったものである。また、ニップを行わなければ、
低温から高温へと順次乾燥を行っても、乾燥に時間がか
かり効率よくフィルターを得ることができないのみでな
く、所望の血小板通過率を有するフィルターを得ること
ができない。
する。本発明の製造方法は、血小板と白血球との両方を
含有する、血液に代表される細胞浮遊液から、血小板通
過率および白血球除去性能に優れた白血球除去フィルタ
ーを効率良く製造するのに非常に有効な方法である。そ
のためには、まず、フィルター基材にポリマー溶液をコ
ーティングして、ニップした後、2つ以上の異なる温度
で低温から高温へと順次乾燥することが必要である。ニ
ップする工程により残ポリマー溶液及び/又は溶剤を除
去することで、乾燥時間が短縮され、効率的なフィルタ
ー生産が可能となる。またニップすることにより、フィ
ルター基材の厚み方向に対して均一にポリマー溶液をコ
ーティングでき、その結果、高い血小板通過率を有する
フィルターを得ることができるという思わぬ効果を奏す
ることができる。
ティングして、ニップした後、低温と高温との少なくと
も2つの異なる温度で低温から高温へと順次乾燥するこ
とにより血小板通過率の低下を起こさずに効率良くフィ
ルターを生産することが可能になる。乾燥工程は、具体
的には、0℃以上80℃未満の温度で乾燥した後、45
℃以上のより高い温度で乾燥することが好ましい。低温
での乾燥温度が0℃未満では生産性が悪く、低温での乾
燥温度が80℃以上になると血小板通過率が低下する傾
向にある。低温乾燥温度は、より好ましくは、10〜6
0℃で、さらに好ましくは10〜45℃である。高温乾
燥温度は、より好ましくは、45〜150℃、さらに好
ましくは45〜100℃である。また、低温での乾燥後
のフィルター中の残存溶剤量は、30%以下であること
が好ましく、18%以下がさらに好ましい。低温での残
存溶剤量が30%を超えると血小板通過率が低下する傾
向にある。
出式より求める。 Ws=(W1−W2)/W2×100 (ここで、Ws:フィルター中の残存溶剤量(%) W1:フィルター重量(g) W2:乾燥により溶剤を除去した後のフィルター重量
(g))
ングする方法としては、フィルター基材に所望のコーテ
ィング量よりも余分にコーティングしておいた後に規定
のコーティング量に減少させる後計量法、およびフィル
ター基材にコーティングする前にあらかじめ所望のコー
ティング量になるように計量しておいたコーティング溶
液をフィルター基材に転移させる前計量法があるが、い
ずれでも良い。
コーティング後にフィルター基材に含まれた余分なポリ
マー溶液および残存溶剤を絞り出すことをいい、例え
ば、コーティング後のフィルター基材を一定の間隙を有
する2つのロール間を通過させる方法を例示することが
できる。また、ポリマー溶液をコーティング後にニップ
することによりフィルター基材の厚み方向においてポリ
マー溶液を均一に分散することが可能である。ニップロ
ール間の間隙の大きさは、フィルター基材の厚みと同等
以下でフィルター基材を破損しなければ良く、フィルタ
ー基材の空隙率が50%〜95%であれば、フィルター
基材の厚みの0.10倍〜1.20倍にすることが好ま
しい。間隙の大きさが0.10倍未満ではフィルター基
材が破損しやすく、1.20倍より大きいと得られたフ
ィルターの血小板通過率が低下する傾向にある。
雰囲気中で行うことができる。このようにして得られた
白血球除去フィルターは、例えば、フィルター基材が繊
維からなる場合、各繊維の表面はポリマーで被覆され、
ポリマー被覆層と各繊維とは接着した構造を有する。
基材との接着をよくするために、フィルター基材の表面
をγ(ガンマー)線照射、コロナ放電、プラズマ処理、
UV処理、または化学薬品等を用いて酸化することも有
効である。また、コーティングの後でガス中または液体
中で熱処理することにより、フィルター基材とポリマー
との接着を強めたり、上記ポリマー材料内で架橋反応を
起こさせてコーティング層を安定化させたりすることも
できる。
当たりのフィルターの長さを意味するが、本発明におい
て適用可能なライン速度は、0.1m/分〜200m/
分、好ましくは1m/分〜50m/分である。ライン速
度が0.1m/分未満では、ニップする前に溶剤の多く
が蒸発してしまうため、ニップの効果が十分に発揮され
ない傾向にあり、200m/分より大きいと乾燥による
脱溶剤不足により巻き取り後にフィルター同士が接着し
てしまい生産性が悪くなる傾向にある。
マー、および単独あるいは2種類以上の有機溶剤から構
成される。本発明に用いられるポリマーとしては、水中
で膨潤するが、水に溶解しないものであれば良く、特に
限定されないが、スルホン酸基、カルボキシル基、カル
ボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、メトキシ基、リン酸基、オキシエチレン基、イミ
ノ基、イミド基、イミノエーテル基、ピリジン基、ピロ
リドン基、イミダゾール基、4級アンモニウム基等を単
独あるいは複数種有するポリマーを例示することができ
る。
官能基とを有する共重合体が血小板の非吸着性において
好ましい。本発明において非イオン性親水基としてはヒ
ドロキシル基、エーテル基、エステル基及びアミド基な
どが挙げられる。また、塩基性含窒素官能基としては、
第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、4
級アンモニウム基、及びピリジン基、イミダゾール基な
どの含窒素芳香族等が挙げられる。
基性含窒素官能基中の窒素原子を示すが、塩基性窒素原
子の含量が0.05重量%〜4.0重量%であることが
好ましく、より好ましくは0.25重量%〜1.5重量
%である。塩基性窒素原子の含量が0.05重量%未満
であると血小板とともに白血球も粘着しにくくなるため
に白血球の選択除去が行えない傾向にある。一方、塩基
性窒素原子の含量が4.0重量%を超えると、血小板及
び白血球ともに粘着しやすくなり、この場合も選択的白
血球除去が行えない傾向にある。
量は、ヒドロキシル基、オキシエチレン基、あるいはア
ミド基として塩基性窒素原子の量に対して等モル以上で
あることが好ましく、より好ましくは3倍モル以上であ
る。塩基性含窒素官能基及び非イオン性親水基の量、お
よび塩基性窒素原子の含有量は、多重全反射赤外線分光
計を用いる赤外線吸光光度法や元素分析および核磁気共
鳴分光法などの通常の公知の方法により測定することが
可能である。
量は、1,000〜3,000,000の範囲であるこ
とが好ましく、10,000〜1,000,000の範
囲であることがより好ましい。重量平均分子量が1,0
00未満ではフィルター処理される血液中にモノマーお
よびオリゴマーが溶出する可能性があり、重量平均分子
量が3,000,000を超えると溶解性が悪い傾向に
ある。
例えば、ポリマーが2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートとジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
からなる共重合体であればエチレングリコール、ジエチ
レングリコール等のグリコール類;メタノール、エタノ
ール、n(ノルマル)−プロピルアルコール、イソープ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソーブチ
ルアルコール、t(ターシャリー)−ブチルアルコール
等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミドおよ
びメチルセルソルブ等を挙げることができる。
ィング可能な濃度の範囲であれば特に制限されないが、
0.1重量%〜30重量%が好ましく、より好ましくは
0.5重量%〜20重量%である。0.1重量%未満で
はコート層の厚みむらが生じる傾向にあり、30重量%
より高いとポリマー溶液の粘度が高すぎるためにコーテ
ィングが困難となる傾向にある。又、溶液粘度、溶解状
態を制御する目的で、水、塩類等の非溶剤を複数添加す
ることも可能であり、その種類、添加量は組み合わせに
より随時行えばよい。本発明のポリマー溶液は、温調が
可能な容器に溶剤とポリマーをいれ、攪拌機等の混合機
により溶解することにより作成される。
に用いられるフィルター基材としては、メルトブロー法
やフラッシュ紡糸法あるいは抄造法等により作成された
不織布の他、紙、織布、メッシュおよび高分子多孔質体
などの公知のフィルター材料のいずれの形態であっても
良いが、不織布は特に好適な形態である。なお、ここで
不織布とは、編織によらずに繊維あるいは糸の集合体
が、化学的、熱的、または機械的に結合された布状のも
のをいう。
リアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ
トリフルオロクロルエチレン、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ−4−メチルペンテン等の合成繊維や、セルロー
ス、セルロースアセテート等の再生繊維などを例示する
ことができる。
であれば、その平均繊維直径は0.3μm〜10μm、
好ましくは0.3μm〜3μm、さらに好ましくは0.
5μm〜1.8μmである。平均繊維直径が0.3μm
未満の場合には、全血等を濾過する際の圧力損失が高す
ぎて実用的でない恐れがあり、逆に10μmを超えると
繊維と白血球との接触確率が低すぎるために、本発明の
白血球除去性能が充分に発揮されない恐れがある。な
お、ここで平均繊維直径とは、フィルターを構成する不
織布または織布から一部をサンプリングし電子顕微鏡写
真により測定した平均直径である。
ー基材の空隙率は、50%以上95%未満が好ましく、
より好ましくは70%以上90%未満である。空隙率が
50%未満の場合には血液等の白血球、血小板含有液の
流れが悪く、また95%以上ではフィルター基材の機械
的強度が弱いため適さない。空隙率の測定は、所定の面
積に切断したフィルター基材の乾燥時の重量(W3)を
測定し、さらに厚みを測定して体積(V)を算出する。
このフィルター基材を純水中に浸漬し、脱気した後含水
したフィルター基材の重量(W4)を測定する。これら
の値から以下に示す算出式により空隙率が求められる。
なお、下記の算出式中のρは純水の密度である。 空隙率(%)=(W4−W3)×100/ρ/V
ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリビニ
ルホルマール、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、
セルロース、セルロースアセテート、ポリウレタン、ポ
リビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
エーテルイミド、ポリメタアクリレート、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリイミドなどの多孔質体を例示することが
できる。高分子多孔質体は、平均気孔径が1μm〜60
μm、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは1
μm〜20μmである。1μm未満では血液等の白血球
および血小板含有液の流れが悪く、60μmを超えると
多孔質体と白血球との接触確率が低すぎるために白血球
の除去率が低くなり、好ましくない。ここでいう平均気
孔径とは、ASTM F316−86に記載されている
エアーフロー法に準じてPOROFIL(COULTE
R ELECTRONICS LTD.製)液中にて測
定した平均孔径を示す。
選択除去フィルターは、通常公知の血液の入口と出口を
有する適当な血液濾過用のフィルター基材容器に充填し
て使用することが可能である。充填の際のフィルターの
充填密度は、コーティング前のフィルター基材の種類に
より異なるが、0.02g/cm3〜0.7g/cm3で
あることが好ましく、0.15g/cm3〜0.38g
/cm3であることがより好ましい。0.02g/cm3
未満の場合には、機械的強度が不足し、血液を濾過させ
る際に変形する恐れがあるために好ましくない。0.7
g/cm3を超えるとフィルターの反発力が高すぎて容
器内に充填することが困難になるために好ましくない。
なお、ここで白血球選択除去フィルターの充填密度と
は、容器内に納められた状態での有効濾過面積部分につ
いてのフィルター重量を、フィルターの(有効濾過面積
×厚み)で割った値である。ただし、不織布の様に数枚
を重ねて用いる場合、不織布間に隙間ができる場合に
は、不織布1枚ずつについて測定する。
合、その厚みによって異なるが1枚で用いても良いし、
複数枚重ねて用いても良い。重ねる枚数としては血液濾
過の条件によって異なり臨界的ではないが、通常数枚か
ら数十枚が用いられる。
を図面を参照して説明する。図1において、フィルター
基材供給ロール(1)から供給された長尺フィルター基
材はポリマー溶液コーティング手段(2)でコーティン
グされ、ニップ手段(5)でニップされた後、低温乾燥
手段(11)および高温乾燥手段(12)を順次通過し
て乾燥され、フィルター巻取りロール(6)で巻き取ら
れる。
ングする手段2は、フィルター基材7とポリマー溶液8
とを接触できるものであれば特に限定されない。含浸に
よるときは、フィルター基材7とポリマー溶液8とを完
全に接触させるために、含浸ロール9等を用いることが
できる。本発明においてコーティングする手段は、図1
の9に例示した含浸ロールを用いた含浸コータまたは1
本または複数のアプリケータロールおよびクリーニング
ロールを組み合わせたコータが好ましく用いられる。ニ
ップする手段5としては、ポリマー溶液をコーティング
後にフィルター基材に含まれた余分なポリマー溶液およ
び残存溶剤を絞り出すことができれば特に限定されない
が、一定の間隙を有する2つのロール(ニップロール)
が好ましく用いられる。さらに、ニップロール等を用い
る場合は、付着したポリマー溶液を取り除く為にブレー
ド又はクリーニングロール等を組み合わせることが好ま
しい。また、血小板通過率を低下させずに生産性をさら
に向上させるために用いられる乾燥手段としては、フィ
ルターの入り側に低温側の乾燥手段11を用い、後段に
高温側の乾燥手段12を用いる。乾燥手段としては、風
流式による温調された気体をフィルターに当てる方法
や、単に乾燥気体中を通過させる方法等が用いられる。
は、これに限定されるものではない。
チル(メタ)アクリレート97モル%とジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート3モル%からなる共重合体
(重量平均分子量650,000、塩基性窒素原子の含
量0.32重量%、非イオン性親水基97モル%、塩基
性窒素原子の量3モル%)5.96重量%をエタノール
94.04重量%に40℃の温度で溶解して均一な溶液
とした。
て、平均繊維直径1.2μmのポリエチレンテレフタレ
ート繊維よりなる不織布(40g/m2目付、空隙率7
9%、厚さ0.25mm、密度0.16g/cm3、巾
300mm)30mを連続的に上記40℃の溶液に浸漬
した後、間隙が0.13mmであるロール間を通過させ
ることによりニップした。さらに、25℃の第1乾燥室
内(風速15m/秒)を3m通過させて、45℃の第2
乾燥室内(風速15m/秒)を3m通過させた後巻き取
った。ライン速度は、3m/分に固定した。第一乾燥室
通過直後の残エタノール量は18%であった。また、巻
き取り時の残エタノール量は1%以下であり、巻き取り
後にフィルター同士が接着することはなく、効率良く生
産することができた。
ルターから任意に選んだ一部を25mmの円形状に切断
し、4枚をフィルターホルダー(柴田科学器械工場
(株)製)にセットし(フィルターの充填密度0.16
g/cm3)、そこへ抗凝固剤としてCPD(citr
ate−phosphate−dextrose)を添
加したヒトの1日保存血6mlを、シリンジポンプを用
いて2.7ml/minの一定速度で室温にて流した。
不織布通過前後について、一定量の血液を採取してチュ
ルク液にて希釈し血球計算板を用いて白血球濃度を測定
した。また、血液中の血小板の濃度は、多項目自動血球
計数装置(SYSMEX製 K−4500)にてストマ
ライザー3WP(東亞医用電子(株)製)を希釈液に用
いて測定した。白血球除去率及び血小板通過率は次式に
より算出した。
に示した。全血濾過においては、80%以上の血小板通
過率が求められており、白血球除去能および血小板通過
率共に高い結果が得られた。不織布濾過前後での血液中
のヘマトクリツト値に差は見られなかった。
血(採血後にCPDを添加して3時間経過した全血)を
用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。この時の
血液評価結果を表1に示す。白血球除去能および血小板
通過率共に高い結果が得られた。
代わりに変性アルコール(日本化成品(株)製 品名A
−11 成分:エタノール85.5重量%+メタノール
13.4重量%+イソープロピルアルコール1.1重量
%(水分0.2重量%以下))を用いた以外は実施例1
と同様の操作を行った。この時の血液評価結果を表1に
示す。白血球除去能および血小板通過率共に高い結果が
得られた。
維直径1.2μmのポリ(トリメチレンテレフタレー
ト)繊維よりなる不織布(40g/m2目付、空隙率7
5%、厚さ0.23mm、密度0.17g/cm3、巾
300mm)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行
った。この時の血液評価結果を表1に示す。白血球除去
能および血小板通過率共に高い結果が得られた。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート95モル%とジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート5モル%から
なる共重合体(重量平均分子量780,000、塩基性
窒素原子の含量0.53重量%、非イオン性親水基95
モル%、塩基性窒素原子の量5モル%)を用いた以外
は、実施例1と同様の操作を行った。この時の血液評価
結果を表1に示す。白血球除去能および血小板通過率共
に高い結果が得られた。
とエタノール91.85重量%からなるポリマー溶液を
用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。この時
の血液評価結果を表1に示す。白血球除去能および血小
板通過率共に高い結果が得られた。
実施例1と同様の操作を行った。この時の血液評価結果
を表2に示す。白血球除去能および血小板通過率共に高
い結果が得られた。
例1と同様の操作を行った。この時の第1乾燥室通過直
後の残エタノール量は29%であった。巻き取り時の残
エタノール量は1%以下であり、巻き取り後にフィルタ
ー同士が接着することがないことから、効率良く生産す
ることができた。また、得られた結果を表2に示す。白
血球除去能および血小板通過率共に高い結果が得られ
た。
温度を60℃にした以外は、実施例6と同様の操作を行
った。この時の第1乾燥室通過直後の残エタノール量は
11%、巻き取り時の残エタノール量は1%以下であっ
た。また、得られた結果を表2に示す。白血球除去能お
よび血小板通過率ともに高い結果が得られた。
の温度を80℃にした以外は、実施例6と同様の操作を
行った。この時の第1乾燥室通過直後の残エタノール量
は11%、巻き取り時の残エタノール量は1%以下であ
った。また、得られた結果を表2に示す。白血球除去能
および血小板通過率ともに高い結果が得られた。
った以外は実施例と同様な操作を行った。巻き取り時の
残エタノール量は、250%であり、巻き取り後にフィ
ルター同士が接着するために効率良く生産することがで
きなかった。
作を行った。この時の血液評価結果を表2に示す。
℃にした以外は、実施例1と同様な操作を行った。この
時の血液評価結果を表2に示す。
温度を25℃にした以外は、実施例6と同様の操作を行
った。巻き取り時の残エタノール量は70%であり、巻
き取り後にフィルター同士が接着するために効率よく生
産することができなかった。
得られた白血球除去フィルターは、血小板と白血球の両
方を含有する、血液に代表される細胞浮遊液から、白血
球を選択的に除去することができ、血小板通過率及び白
血球除去性能に優れた性能を有する。よって得られたフ
ィルターは医薬用途、医療用途及び一般工業用途に用い
ることができる。また、本発明の製造方法および装置で
は、ニップ後、低温と高温の2つ以上の異なる温度で低
温から高温へと順次乾燥することで、白血球除去フィル
ターを、血小板通過率を低下させずに効率良く得ること
ができる。
の一例を示す正面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 フィルター基材にポリマー溶液をコーテ
ィングして、ニップした後、低温と高温との少なくとも
2つの異なる温度で低温から高温へと順次乾燥すること
を特徴とする白血球除去フィルターの製造方法。 - 【請求項2】 低温が80℃未満、高温が45℃以上で
ある請求項1記載の白血球除去フィルターの製造方法。 - 【請求項3】 低温乾燥後のフィルター中の残存溶剤量
が30%以下である請求項1又は2記載の白血球除去フ
ィルターの製造方法。 - 【請求項4】 フィルター基材を連続長尺体とすること
により連続的に白血球除去フィルターを製造する請求項
1ないし3のいずれかに記載の白血球除去フィルターの
製造方法。 - 【請求項5】 フィルター基材にポリマー溶液をコーテ
ィングする手段と、ニップする手段と、少なくとも2つ
以上の異なる温度の乾燥手段とを有することを特徴とす
る白血球除去フィルターの製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000023174A JP2001212434A (ja) | 2000-01-31 | 2000-01-31 | 白血球除去フィルターの製造方法および製造装置 |
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Family Applications (1)
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- 2000-01-31 JP JP2000023174A patent/JP2001212434A/ja active Pending
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