JP2001209077A - エレクトロクロミックミラー - Google Patents

エレクトロクロミックミラー

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JP2001209077A JP2000018511A JP2000018511A JP2001209077A JP 2001209077 A JP2001209077 A JP 2001209077A JP 2000018511 A JP2000018511 A JP 2000018511A JP 2000018511 A JP2000018511 A JP 2000018511A JP 2001209077 A JP2001209077 A JP 2001209077A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射金属膜の耐腐食性を向上させた固体式E
Cミラーを提供する。 【解決手段】 固体式のエレクトロクロミックミラーに
おいて、ガラス基板22の片面(光の入射側から見て裏
面)にITO透明電極膜24とアノード化合物膜26、
固体電解質膜28、カソード化合物膜30の3層からな
るEC素子31とを順次積層して成膜する。さらにその
表面に高反射金属材料膜32、高耐食性金属膜33を順
次積層する。高反射金属材料膜32は、高耐食性金属3
3で覆われ、外部からの水分の侵入による腐食の防止効
果を高めているため、オフセット幅22bを縮小するこ
とができ、有効視界範囲22aを拡大することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】この発明は、防眩ミラー、調光窓
等に利用されるエレクトロクロミック(Electro
chromic)(以下「EC」という。)素子を用い
た、特に電解質を固体で構成した固体式ECミラーの反
射膜構造に関する。
【0002】
【従来の技術】EC素子はその光透過率の可変性を利用
して、自動車の防眩ミラーや調光窓等に利用されてい
る。従来の固体式ECミラーとしては、図2に示す構造
のものがあった。透明なガラス基板2の片面(光の入射
側から見て裏面)に透明電極膜4と、アノード化合物膜
6、固体電解質膜8、カソード化合物膜10の3層から
なるEC素子11と、Al反射電極膜12が積層して設
けられている。Al反射電極膜12の一部は、配線12
aを構成し、該配線12aはEC素子11の端面を通
り、透明電極膜4の一部を通してガラス基板2に設けら
れたカソード側電極部18に電気的に接続されている。
透明電極膜4は、EC素子11の下端部付近の箇所にレ
ーザビームカッティング等でスリット15が形成され
て、上下に分断されている。このスリット15により、
アノード側電極部17とカソード側電極部18が透明電
極膜4を通して短絡することを防止している。スリット
15を形成する位置は理論的にはEC素子11の下端部
のすぐ上の位置でよいが、実際には該スリット15を形
成する際の位置決め誤差を考慮して、EC素子11の下
端部から約1mm位上の位置に該スリット15を形成し
ている。スリット15は人の目で線として視認されるた
め、製品としてはスリット15をミラーホルダで隠す必
要がある。したがって、EC素子11の下端部から約1
mmの領域はスリット所要幅2cとして反射鏡としての
範囲から除外される。また、Al反射電極膜12の上端
部は、Al反射電極膜12が、透明電極膜4に接触した
状態に形成されるのを防止するために、Al反射電極膜
12を成膜する際の位置決め誤差を考慮して、EC素子
11の上端部から約0.5mm程度離して、絶縁幅2d
を設けて形成している。絶縁幅2dは、Al反射電極膜
12が成膜されていないため、反射鏡としての機能がな
い。Al反射電極膜12の表面は封止樹脂14で封止さ
れ、Al反射電極膜12を外気の水分や汚れから保護
し、Al反射電極膜12の水分による腐食の防止を図っ
ている。さらに封止樹脂14の表面には封止ガラス16
が装着され外気の温度、湿度変化に対して安定性を高め
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図2のECミラーの構
造では、温度、湿度変化により、封止樹脂14の外周面
(外気に露出している面)を通して外気に含まれる水分
が侵入することがあった。封止樹脂14から侵入した水
分は、封止樹脂14に接しているAl反射電極膜12の
表面およびAl反射電極膜12の一部として構成されて
いる配線12aを腐食させる。
【0004】Al反射電極膜12の腐食による弊害の1
つは、反射像が不明確になる点である。またもう1つ
は、Alは腐食によって絶縁体(Al)となるこ
とである。配線12aが絶縁体となることによってAl
反射電極膜12にEC素子11の着色、消色に必要な電
流が十分かつ均一に流れなくなり、ECミラーの色むら
および着色、消色速度の低下を招いていた。
【0005】上記のようなAl反射電極膜12の腐食を
防止するため、封止樹脂を十分な厚み(例えば約3mm
程度)に形成して、水分の侵入を確実に防止する必要が
あった。ところが封止樹脂14を十分な厚みに形成する
ためには、EC素子11およびAl反射電極膜12は、
ガラス基板2の外周端面より十分(約3mm程度)内側
にずらして(オフセットして)形成し、そのEC素子1
1等が形成されていない約3mm程度のオフセット幅2
bを封止樹脂14の厚みとして設ける必要があった。こ
のため、ガラス基板2の外周縁付近は、封止樹脂を設け
るためのオフセット幅2b、上述のスリット所要幅2c
および絶縁幅2dの範囲を反射面として構成できず、そ
れらを除いた有効視界範囲2aは狭かった。また、これ
に伴い、ガラス基板2の有効視界範囲2aを除いた部分
を隠すためのミラーホルダー3は幅が広く見栄えが悪か
った。
【0006】
【発明の目的】この発明は、上記の点に鑑みてなされた
もので、Al等の反射電極膜の耐腐食性を向上させるこ
とによりガラス基板に対して有効視界範囲を拡大した固
体式ECミラーを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、透明基板
と、該透明基板の表面に順次積層された第1導電膜、ア
ノードまたはカソード化合物膜、固体電解質膜、カソー
ドまたはアノード化合物膜および第2導電膜を少なくと
も有し、該第2導電膜が、前記カソードまたはアノード
化合物側から高反射金属材料膜と高耐食性金属膜の少な
くとも2層を積層した積層体からなるものである。これ
によれば、高反射金属材料膜の表面に高耐食性金属膜を
成膜したので、外気に含まれる水分を高耐食性金属膜で
遮断して、高反射金属材料膜を腐食から保護することが
でき、これにより高反射金属材料膜の耐腐食性が向上
し、もって視認性を維持するとともに、EC素子の着
色、消色機能の低下を防止することができる。また、高
耐食性金属膜は、従来の封止樹脂に比べて、反射膜の保
護機能を確保しつつ薄く形成することができ、オフセッ
ト幅を小さくできるため有効視界範囲を広く確保するこ
とができる。
【0008】前記高反射金属材料膜は、例えば半透過性
膜を用いて構成することができる。これによれば、高反
射金属材料膜と高耐食性金属反射膜による反射が得ら
れ、高耐食性金属膜だけの場合よりも高い反射率が得ら
れる。また、高反射金属材料膜の使用量を少なくするこ
とができるため、高価な高反射金属材料を使用する場合
でも材料コストの低減を図ることができる。
【0009】前記高反射金属材料膜は、また光を透過し
ない膜を用いて構成することもできる。
【0010】この発明は、例えば前記高耐食性金属膜
を、前記高反射金属材料膜、前記カソードまたはアノー
ド化合物膜、前記固体電解質膜、前記アノードまたはカ
ソード化合物膜の端面を通り、前記透明基板または該透
明基板付近まで延設し配線として構成することができ
る。
【0011】また、この発明は、例えば前記高反射金属
材料膜と前記高耐食性金属膜の積層体を、前記カソード
またはアノード化合物膜、前記固体電解質膜、前記アノ
ードまたはカソード化合物膜の端面を通り、前記透明基
板または該透明基板付近まで延設し配線として構成する
ことができる。いずれの場合も、高耐食性金属膜で構成
された配線は腐食し難いため、EC素子の着色、消色に
必要な電流を流すことができ、ECミラーの色むらおよ
び着色、消色速度の低下を防止することができる。
【0012】また、この発明は、前記高耐食性金属膜の
表面に樹脂フィルム、エポキシ樹脂または塗料等からな
る封止樹脂層を備え、該封止樹脂層の表面にガラス、プ
ラスチックまたは金属等からなる封止基板を備えること
ができる。これにより、外気の急激な温度、湿度変化に
対してより高度な耐環境性および水分に対する耐腐食性
を得ることができる。この場合、高耐食性金属により耐
腐食性が得られているため、封止樹脂層は従来のものに
比べて薄くすることができ、オフセット幅を小さくでき
るため有効視界範囲を広く確保することができる。
【0013】また、この発明は、前記高反射金属材料膜
を、Sn、Ag、Al、Rhのいずれかを主成分として
構成することができる。
【0014】また、この発明は、前記高耐食性金属膜
を、Cr、Niのいずれかを主成分として構成すること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下説明
する。図1は、この発明によるECミラーの断面構造を
示す模式図である。無色透明のガラス基板22の片面
(光の入射側から見て裏面)には第1導電膜としてIT
O透明電極膜24を蒸着、スパッタリング等で成膜し、
ITO透明電極膜24の表面にIr−Sn(イリジウム
−錫)等で形成されたアノード化合物膜26と、Ta
等で形成された固体電解質膜28と、WO等で形
成されたカソード化合物膜30の3層からなるEC素子
31が蒸着、スパッタリング等で順次積層して成膜され
ている。EC素子31の表面には、第2導電膜29とし
て、Al等で形成された高反射金属材料膜32と、Cr
等で形成された高耐食性金属膜33が蒸着、スパッタリ
ング等で順次積層して成膜されている。高反射金属材料
膜32は、ここでは光透過性膜を構成する厚さに形成さ
れている。該高耐食性金属膜33の一部は、配線33a
を構成し、該配線33aはEC素子31の端面を通りガ
ラス基板22の一端部(例えば下端部)にクリップ状に
形成、装着されたカソード側電極部50に電気的に接続
されている。高耐食性金属膜33の表面および膜24、
31、32、33の積層体の外周端面全体は樹脂フィル
ム、エポキシ樹脂または塗料等からなる封止樹脂34で
封止されている。封止樹脂34の表面には外気の温度、
湿度変化に対して安定性を高めるための封止ガラス36
が装着されている。ITO透明電極膜24は、ガラス基
板22の他端部(例えば上端部)にクリップ状に形成、
装着されたアノード側電極部48に電気的に接続されて
いる。
【0016】ITO透明電極膜24は、EC素子31の
端面(図では下端)から約1mm程度離れた箇所にスリ
ット37が形成されて上下に分断されている。このスリ
ット37により、アノード側電極部48とカソード側電
極部50がITO透明電極膜24を通して短絡すること
を防止している。EC素子31の端面位置とスリット3
7の形成位置との間のスリット所要幅22cは反射鏡と
しての範囲から除外されている。
【0017】高反射金属材料膜32は、ここでは製造工
程上の簡易性を考慮してEC素子31と同一工程で(同
一マスクを使用して)成膜している。このため、高反射
金属材料膜32には絶縁幅が形成されてなく、ITO透
明電極膜24と一部が接触した状態に形成されている恐
れがある。しかし、ここでは高反射金属材料膜32は半
透過性膜を構成する程度に非常に薄く形成されているた
め、ITO透明電極膜24とたとえ一部が接触しても、
接触抵抗は大きく、短絡状態には至らない。これに対
し、高耐食性金属膜33は、EC素子31の端部(図で
は上端)から0.5mm程度の絶縁幅22dを設けて成
膜している。このミラーは、入射光を高反射金属材料膜
32の表面で一部反射し、高耐食性金属膜33が、高反
射金属材料膜32が透過する光をさらに反射し、高反射
金属材料膜32と高耐食性金属膜33とで車両用ミラー
としての反射率を確保している。絶縁幅22dは、高耐
食性金属膜33が成膜されていないため、十分な反射率
が得られていない。
【0018】電源40(車両のバッテリーを供給源とす
る電源等)からは、スイッチ42(アナログスイッチ
等)が接点aに接続されている時、配線44を介してア
ノード側電極部48に正極性の電位が与えられ、配線4
6を介してカソード側電極部50に負極性の電位が与え
られる。スイッチ42が接点aに接続されている状態で
は、EC素子31の酸化還元反応により、ECミラーは
防眩(着色)状態となる。ITO透明電極膜24の一部
分にはスリット37が形成され、アノード側電極部48
とカソード側電極部50がITO透明電極膜24を通し
て短絡することを防止している。
【0019】着色状態からスイッチ42を接点b側に切
り換えると、アノード側電極部48とカソード側電極部
50間が短絡されて瞬時に消色する。
【0020】アノード側電極部48とカソード側電極部
50間にはスイッチ42と並列に抵抗体52が接続され
ている。着色状態の時に素子の駆動回路が故障すれば、
スイッチ42が開放状態となるが、アノード側電極部4
8とカソード側電極部50は抵抗体52を介して緩やか
にゼロ電位平衡となり消色する。
【0021】自動車用防眩ミラーは、外気にさらした環
境において使用されるため、耐環境テスト(気温85
℃、湿度80%、720時間放置等)が行われ、反射金
属膜に腐食を生じないことが必要とされる。図1に示す
ECミラーでは、腐食しやすいAl等からなる高反射金
属材料膜32の表面をCr等からなる高耐食性金属膜3
3で覆っているので、封止樹脂34の外周面(外気に露
出している面)から水分が侵入しても、高耐食性金属膜
33で遮断されて、高反射金属材料膜32へは到達せ
ず、高反射金属材料膜33の腐食は防止される。
【0022】このように、高耐食性金属膜33を設ける
ことにより、高反射金属材料膜32の腐食防止効果が高
まるので、封止樹脂34の厚み、すなわちEC素子のオ
フセット幅22bを小さく(例えば2mm以下)するこ
とができる。したがって、EC素子31の形成ができな
い範囲をガラス基板22の外周端面より約2mmに狭め
ることができるので、ガラス基板22からオフセット幅
22b、スリット所要幅2cおよび絶縁幅22dを除い
た有効視界範囲22aを広く確保することができる。ガ
ラス基板22の有効視界範囲22aを除いた部分は、反
射鏡としての機能がなく、誤認防止のためミラーホルダ
23が設けられている。また、配線33aが高耐食性金
属膜33により構成されるため、配線33aが腐食によ
り絶縁体となることがなく、EC素子の着色、消色に必
要な電流を流すことができ、ECミラーの色むらおよび
着色、消色速度の低下を防止することができる。
【0023】
【他の実施の形態】この発明の他の実施の形態を図3に
示す。図3は、この発明によるECミラーの断面図であ
る。図1に示した構造と同様に、ガラス基板22の片面
に第1導電膜としてITO透明電極膜24が設けられ、
ITO透明電極膜24の表面にはアノード化合物膜2
6、固体電解質膜28、カソード化合物膜30の3層か
らなるEC素子31が設けられている。EC素子31の
表面には、第2導電膜29として、Al等で形成された
高反射金属材料膜32とCr等で形成された高耐食性金
属膜33が積層成膜されている。高反射金属材料膜32
は半透過性薄膜を構成する厚さに形成されている。ま
た、ここでは高反射金属材料膜32と高耐食性金属膜3
3を同一工程で成膜するため、両膜32、33に共通に
絶縁幅22dを形成している。該高反射金属材料膜32
および該高耐食性金属膜33の積層体の一部は、配線3
8を構成し、該配線38は、EC素子31の端面を通り
ガラス基板22の一端部(例えば下端部)に装着された
カソード側電極部50に電気的に接続されている。高耐
食性反射膜33の表面および膜24、31、32、33
の積層体の外周端面全体は樹脂フィルム、エポキシ樹脂
または塗料等からなる封止樹脂34で封止されている。
封止樹脂34の表面には外気の温度、湿度変化に対して
安定性を高めるための封止ガラス36が装着されてい
る。ITO透明電極膜24は、ガラス基板22の他端部
(例えば上端部)に装着されたアノード側電極部48に
電気的に接続されている。その他電源および配線に関し
ては、図1に記載の実施の形態と同一であるため図示お
よび説明を省略する。
【0024】この発明のさらに別の実施の形態を図4に
示す。図4は、この発明によるECミラーの断面図であ
る。図1に示した構造と同様に、ガラス基板22の片面
にITO透明電極膜24が設けられ、ITO透明電極膜
24の表面にはアノード化合物膜26、固体電解質膜2
8、カソード化合物膜30の3層からなるEC素子31
が設けられている。EC素子31の表面には、第2導電
膜29として、Al等で形成された高反射金属材料膜3
2とCr等で形成された高耐食性金属膜33が積層成膜
されている。該高反射金属材料膜32および該高耐食性
金属膜33の一部は、配線33aを構成し、該配線33
aはEC素子31の端面を通りガラス基板22の一端部
(例えば下端部)に装着されたカソード側電極部50に
電気的に接続されている。ITO電極膜24は、ガラス
基板22の他端部(例えば上端部)に装着されたアノー
ド側電極部48に電気的に接続されている。その他電源
および配線に関しては、図1に記載の実施の形態と同一
である。
【0025】図4に示す構造によれば、図1、図2の構
造と異なり、高耐食性金属膜33の表面に封止樹脂34
および封止ガラス36を設けていない。環境変化の少な
い場所で使用する時は、外気からの高反射金属材料膜3
2の腐食に対して、高耐食性金属膜33のみでも十分な
防止効果が得られる場合がある。よって封止樹脂34お
よび封止ガラス36の工程を省略することができ、材料
のコストを削減することができる。
【0026】また、図4の構造において、高耐食性金属
33の表面および膜24、31、32、33の外周端面
全体を樹脂フィルム、エポキシ樹脂、または塗料等から
なる封止樹脂(図1、2の符号34)で被覆して封止
し、封止ガラス36は設けない構造としたインナーミラ
ーあるいはアウターミラーも実現可能である。
【0027】なお、以上の各実施の形態において、アノ
ード化合物膜26とカソード化合物膜30の配置を入れ
替えることもできる。また、上記各実施の形態では、高
反射金属材料膜を非常に薄い膜に形成して半透過成膜に
形成したが、微細な島状(点状)に形成して半透過成膜
に形成することもできる。また、高反射金属材料膜は半
透過性に限らず、光を透過しない膜に形成することもで
きる。
【0028】
【実施例】図4のECミラー20を用いて自動車用防眩
ミラーを構成した実施例を説明する。ガラス基板22を
自動車用バックミラーの寸法(縦約100mm、横約2
00mm)に形成する。ガラス基板22の表面にITO
透明電極膜24を成膜し、該ITO透明電極膜の表面
に、Ir−Snで形成されたアノード化合物膜26、T
で形成された固体電解質膜28、WOで形成
されたカソード化合物膜30、Alで形成された高反射
金属材料膜32を真空中で高周波を用いたイオンプレー
ティング法により、順次積層して成膜した。この時のそ
れぞれの膜厚は50nm、500nm、500nm、3
0nmである。さらにその表面に、Crで形成された高
耐食性金属膜33を真空蒸着法により成膜した。この
時、該高耐食性金属膜33の膜厚は約100nmであ
る。その他電源および配線に関しては、図1に記載の実
施の形態と同一である。
【0029】この構造のEC防眩ミラーは、電圧をかけ
ない状態では、50%の反射率を示す。そこから、スイ
ッチ42を接点aに接続し、1.3Vの電圧を印加する
と、反射率は8%に変化する。さらに、スイッチ42を
接点bに接続すると、両極間が短絡し反射率は50%に
戻り、EC防眩ミラーとして実用上良好な特性を得てい
ることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のECミラーの実施の断面構造を示
す、模式図である。
【図2】 従来のECミラーの断面構造を示す模式図で
ある。
【図3】 この発明のECミラーの他の実施の形態を示
す図で、該ミラーの断面構造を示す模式図である。
【図4】 この発明のECミラーのさらに別の実施の形
態を示す図で、該ミラーの断面構造を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
20…ECミラー(エレクトロクロミックミラー)、2
2…ガラス基板(透明基板)、24…ITO透明電極膜
(第1導電膜)、26…アノード化合物膜、28…固体
電解質膜、29…第2導電膜、30…カソード化合物
膜、32…高反射金属材料膜、33…高耐食性金属膜、
34…封止樹脂(封止樹脂層)、36…封止ガラス(封
止基板)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板と、該透明基板の表面に順次積層
    された第1導電膜、アノードまたはカソード化合物膜、
    固体電解質膜、カソードまたはアノード化合物膜および
    第2導電膜を少なくとも有し、 該第2導電膜が、前記カソードまたはアノード化合物側
    から高反射金属材料膜と高耐食性金属膜の少なくとも2
    層を積層した積層体からなるエレクトロクロミックミラ
    ー。
  2. 【請求項2】前記高反射金属材料膜が、半透過性膜であ
    る請求項1記載のエレクトロクロミックミラー。
  3. 【請求項3】前記高反射金属材料膜が、光を透過しない
    膜である請求項1記載のエレクトロクロミックミラー。
  4. 【請求項4】前記高耐食性金属膜が前記高反射金属材料
    膜、前記カソードまたはアノード化合物膜、前記固体電
    解質膜、前記アノードまたはカソード化合物膜の端面を
    通り、前記透明基板または該透明基板付近まで延設され
    てなる請求項1から3のいずれかに記載のエレクトロク
    ロミックミラー。
  5. 【請求項5】前記高反射金属材料膜と前記高耐食性金属
    膜の積層体が、前記カソードまたはアノード化合物膜、
    前記固体電解質膜、前記アノードまたはカソード化合物
    膜の端面を通り、前記透明基板または該透明基板付近ま
    で延設されてなる請求項1から3のいずれかに記載のエ
    レクトロクロミックミラー。
  6. 【請求項6】前記高耐食性金属膜の表面に封止樹脂層を
    備え、該封止樹脂層の表面に封止基板を備えた請求項1
    から5のいずれかに記載のエレクトロクロミックミラ
    ー。
  7. 【請求項7】前記高反射金属材料膜が、Sn、Ag、A
    l、Rhのいずれかを主成分とする請求項1から6のい
    ずれかに記載のエレクトロクロミックミラー。
  8. 【請求項8】前記高耐食性金属膜が、Cr、Niのいず
    れかを主成分とする請求項1から7のいずれかに記載の
    エレクトロクロミックミラー。
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