JP2001208705A - 散乱x線式欠陥検出装置及びx線検出装置 - Google Patents

散乱x線式欠陥検出装置及びx線検出装置

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JP2001208705A
JP2001208705A JP2000018212A JP2000018212A JP2001208705A JP 2001208705 A JP2001208705 A JP 2001208705A JP 2000018212 A JP2000018212 A JP 2000018212A JP 2000018212 A JP2000018212 A JP 2000018212A JP 2001208705 A JP2001208705 A JP 2001208705A
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ray
phosphor
rays
ring
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Kazunori Tejima
和範 手島
Shinji Nomura
真司 野村
Ikuo Wakamoto
郁夫 若元
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネルのコンクリートの欠陥を正確に検出
する。 【解決手段】 X線発生装置20にて発生したX線をピ
ンポールPH1,PH2に通して形成したビーム状のX
線X(11)を、被検査物(コンクリート)100に入
射する。そうすると後方散乱X線X(12)が発生し、
この後方散乱X線X(12)は、円形スリット33を通
過して、X線検出装置40の内周面に入射する。X線検
出装置40には、環状にX線検出器が配置されており、
この多数のX線検出器により後方散乱X線X(12)を
検出する。X線検出器は、深さ方向の分解能力を有して
おり、深さ方向の一部において後方散乱X線X(12)
を検出しない場合には、欠陥101の存在およびその位
置を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は散乱X線式欠陥検出
装置及びX線検出装置に関し、特にトンネルや橋梁など
のコンクリート等の欠陥(内部のクラック等)を検出す
るのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】被検査物の内部に存在する欠陥の位置
(深さ)を検出するのに、後方散乱X線を利用する装置
がすでに開発されている。この従来装置の具体的構成は
後述するが、その原理は次の通りである。即ち、被検査
物の表面からX線を照射すると、X線は被検査物の各深
さ位置にて反射して、表面側に反射してくる。このよう
に表面側に反射してくるX線を後方散乱X線と称してい
る。この後方散乱X線を、各深さ位置に分けてセンサに
て検出することにより、欠陥の有無および欠陥の位置を
検出することができる。
【0003】ここで従来の散乱X線式欠陥検出装置を、
図7を参照して説明する。この散乱X線式欠陥検出装置
1のX線チューブヘッド2からは、円錐状のX線ビーム
X(1)が発生する。このX線ビームX(1)は、スリ
ットダイヤフラム3を通過することにより、扇形のファ
インビームX(2)となる。このファインビームX
(2)は、図7において紙面に垂直な面に対して平行に
広がる扇形となって進行する。
【0004】ヘッド部4の先端部分の空胴部4aには、
スパイラル状スリット5aを有する円筒状コリメータ5
が配置されている。ファインビームX(2)は、スリッ
ト5aを通過することにより、ペンシルビームX(3)
となる。このとき、円筒状コリメータ5が回転すること
により、ペンシルビームX(3)は、図7において紙面
に垂直な面内で振られて走査される。
【0005】ペンシルビームX(3)は、被検査物6の
内部に侵入して進行する。そうすると、コンプトン効果
により、被検査物6の各深さ位置から後方散乱X線X
(4)が発生する。
【0006】ヘッド部4の左右には、板状の検出器アパ
ーチャー7,7が相対向して配置されており、後方散乱
X線X(4)は、ヘッド部4と左右の検出器アパーチャ
ー7,7との間の隙間を通って戻ってくる。
【0007】またヘッド部4の左右には、X線ラインセ
ンサ8,8が相対向する状態で配置されている。各X線
ラインセンサ8,8は、上下方向(被検査物6の深さ方
向)に沿う方向に複数の検出エレメントを配列したもの
であり、上下方向(深さ方向)の分解能を有している。
【0008】ヘッド部4と左右の検出器アパーチャー
7,7との間の隙間を通って戻ってきた後方散乱X線X
(4)のうち、被検査物6の深い位置で反射した成分
は、左右のX線ラインセンサ8,8の下部に入射し、被
検査物6の浅い位置で反射した成分は、左右のX線ライ
ンセンサ8,8の上部に入射する。
【0009】例えば、被検査物6の深い位置P(1)で
発生した後方散乱X線X(4)は、X線ラインセンサ
8,8の下端の検出エレメントに入射し、被検査物6の
中程の位置P(2)で発生した後方散乱X線X(4)
は、X線ラインセンサ8,8の中程の検出エレメントに
入射し、被検査物6の浅い位置P(3)で発生した後方
散乱X線X(4)は、X線ラインセンサ8,8の上端の
検出エレメントに入射する。
【0010】なお、被検査物6の中に欠陥(クラック
等)がある場合には、その部分では後方散乱X線X
(4)は発生しない。
【0011】左右のX線ラインセンサ8,8の検出エレ
メントは、入射した後方散乱X線X(4)の強度に応じ
た強度の検出信号を出力する。そして、検出信号の値が
ゼロ乃至ゼロに近い値となっている検出エレメントがあ
る場合には、被検査物6の中に欠陥があることを検出す
ることができる。しかも、検出信号の値がゼロ乃至ゼロ
に近い値となっている検出エレメントの位置から、欠陥
が存在する深さ位置を検出することができる。
【0012】上述したような散乱X線式欠陥検出装置1
は、飛行機の機体材料に使用される複合材などの検査に
使用されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近では、ト
ンネルの安全性を確認するために、トンネルのコンクリ
ートの欠陥を表面側から検出することが望まれている。
しかし、トンネルのコンクリートの欠陥は、従来の散乱
X線式欠陥検出装置1では検出することができなかっ
た。その理由は次の通りである。
【0014】(1) コンクリートはX線を透過しにく
く、このため後方散乱X線も発生しにくく、コンクリー
トの欠陥を検出しにくい。 (2)X線ラインセンサ8,8を左右に配置しているだ
けであるため、X線ラインセンサの設置数が少なく、ト
ンネルのコンクリート中の欠陥を検出するのに必要な検
出精度が得られない。また個々のラインセンサの検出精
度を向上させるには、限界がある。 (3)従来装置によりコンクリート中の欠陥を検出する
のに必要な検出精度を得ようとして、X線チューブヘッ
ド2の出力を大きくしようとすると、X線強度が強すぎ
てしまい、検出効率が低下するうえ、X線遮蔽部材であ
るスリットダイヤフラム3や円筒状コリメータ5(スリ
ットを除く部分)を透過してしまい、ビーム状のX線を
形成することができなくなり欠陥検出ができない。ま
た、このようにした場合には、人体に危険である。
【0015】本発明は、上記従来技術に鑑み、トンネル
のコンクリートのように、厚いコンクリート等の内部に
存在する欠陥を表面側から正確に検出することのできる
散乱X線式欠陥検出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、ビーム状にしたX線を被検査物の表面側か
ら入射するX線発生装置と、前記被検査物に入射してい
くX線を囲む状態で複数のX線検出器が環状に配置され
ると共に、各X線検出器は前記被検査物の深さ方向に沿
う方向の分解能を有しているX線検出装置と、入射した
X線により前記被検査物の各深さ位置で発生した後方散
乱X線を通過させて前記X線検出器に導く隙間を有する
X線絞り部材とを備えていることを特徴とする。また、
前記X線検出装置のX線検出器を冷却する冷却装置を備
えていることを特徴とする。
【0017】また本発明の構成は、ビーム状にしたX線
を被検査物の表面側から入射するX線発生装置と、前記
被検査物に入射していくX線が中央の内周空間部分を通
過する状態で配置した蛍光体リングと、光絶縁及びX線
遮蔽をする遮蔽リングとを、前記被検査物の深さ方向に
沿う方向に交互に積層してなる蛍光体多層リングと、入
射したX線により前記被検査物の各深さ位置で発生した
後方散乱X線を通過させて前記蛍光体多層リングの内周
面に導くX線絞り部材と、前記蛍光体多層リングの各蛍
光体リング毎の光を区別して検出する光検出アレイ素子
とを備えていることを特徴とする。また、前記光検出ア
レイ素子を冷却する冷却装置を備えていることを特徴と
する。
【0018】また本発明の構成は、蛍光体リングと、光
絶縁及びX線遮蔽をする遮蔽リングとを、交互に積層し
てなる蛍光体多層リングと、前記蛍光体多層リングにX
線が入射して発生した光を、各蛍光体リング毎に区別し
て検出する光検出アレイ素子とを備えていることを特徴
とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の第1の実施の形態にかかる
散乱X線式欠陥検出装置10を示す。この散乱X線式欠
陥検出装置10のX線発生装置20は、X線管21と、
絞り部材22に形成した第1ピンホールPH1と、X線
絞り部材30の中央に形成した第2ピンホールPH2と
で構成されている。なお図面では見やすくするために、
ピンホールPH1,PH2を大きく描いているが、実際
は小径の孔である。
【0021】X線管21から発生したX線X(10)
は、第1ピンホールPH1と第2ピンホールPH2を通
過することにより、ビーム状のX線X(11)となる。
このX線X(11)は被検査物100の表面側から入射
する。被検査物100としては、トンネルのコンクリー
トを対象としているが、レンガやプラスチックやセラミ
ックや金属等を対象とすることもできる。
【0022】ビーム状(円柱状)のX線X(11)は、
被検査物100の内部に侵入して進行する。そうする
と、コンプトン効果により、被検査物100の各深さ位
置から後方散乱X線X(12)が発生する。なお、被検
査物100の内部に欠陥101が存在する場合には、こ
の欠陥101の部分では、殆ど、後方散乱X線は発生し
ない。なお欠陥101としては、クラックやひび割れ等
も含むものである。
【0023】X線絞り部材30は、中央部材31と周囲
部材32とで構成されている。そして中央部材31と周
囲部材32との間に、円形スリット(リング状の隙間)
33を形成している。なお、X線絞り部材30の中央部
材31及び周囲部材32、並びに、絞り部材22は、加
工性の良いX線遮蔽材、例えば、鉛や、タングステン合
金や、タンタル合金などで形成している。
【0024】X線検出装置40は、X線管21とX線絞
り部材30との間に配置されている。そして、円形スリ
ット33を通過して戻ってきた後方散乱X線X(12)
が、X線検出装置40のX線入射窓41に入射するよう
な配置構成となっている。
【0025】詳細は後述するが、このX線検出装置40
には、冷却装置50が配置されている。
【0026】ここで、図1のII−II断面である図2、及
び、図2のIII −III 断面である図3を参照して、X線
検査装置40及び冷却装置50の構造を更に説明する。
【0027】図2に示すように、X線検出装置40の複
数のX線検出器42は、冷却装置50の冷却リング51
の内周面に沿って配置されている。このため、複数のX
線検出器42は、被検査物100に入射していくX線を
囲む状態で環状に配置されている。なお、この例では、
隣接するX線検出器42の間に隙間があるが、隙間なく
X線検出器42を詰めて配置するようにしてもよい。こ
のように複数のX線検出器42を環状配置しているた
め、X線検出器42を多数配置することができ、検出感
度の向上に寄与する。
【0028】図3に示すように、冷却装置50の冷却リ
ング51にはパイプ52が貫通しており、パイプ52内
にはマイナス10°C程度の冷媒(水やエチレングリコ
ール)が流通している。冷却リング51は保冷材53で
包まれると共に、ケーシング54で覆われている。ケー
シング54により、空気中の水分が結露するのを防止で
きると共に、このケーシング54はX線検出装置40の
ケーシングとしての機能も果たしている。なお、冷却リ
ング51はリング状になっているが、ブロック状にして
もよい。
【0029】電子冷却素子55は、冷却リング51の内
周面に密着して配置されている。この電子冷却素子55
は、通電されるとペルチェ効果により、冷却リング51
側をマイナス10°CにしX線検出器42側をマイナス
70°Cに冷却する。
【0030】なお、冷却装置50としては、上述した構
成にかぎらず、スターリングサイクルクーラを用いても
よい。
【0031】図3に示すように、X線検出装置40のX
線入射窓41は、X線透過膜43で覆われている。この
X線透過膜43は、ベリリウム,マイラー,アルミニウ
ム,ポリマー等で形成されている。そして、ケーシング
54とX線透過膜43とで囲った密閉空間44内を真空
にしたり、この密閉空間44内に窒素ガス等の不活性ガ
スを封入している。
【0032】密閉空間44内にはX線検出器42が配置
されている。X線検出器42のマウント基板45は、電
子冷却素子55の低温側(マイナス70°C側)に備え
られている。このマウント基板45に光検出アレイ素子
46がマウントされている。光検出アレイ素子46は、
被検査物100の深さ方向に沿う方向(図3では上下方
向)に光センサをアレイ状に並べて構成したものであ
る。
【0033】この光検出アレイ素子46には光ファイバ
束47が接続されており、光検出アレイ素子46の個々
の光センサと、光ファイバ束47の個々の光ファイバと
が一対一に対応して接続されている。また、光ファイバ
束47の先端部には蛍光体アレイ48が接続されてお
り、光ファイバ束47の個々の光ファイバと、蛍光体ア
レイ48の個々の蛍光体とが一対一に対応している。
【0034】蛍光体アレイ48は、被検査物100の深
さ方向に沿う方向(図3では上下方向)に蛍光体をアレ
イ状に並べて構成したものである。この蛍光体アレイ4
8の個々の蛍光体は、X線が入射すると光を発生する。
発生した光は、光ファイバ束47の個々の光ファイバを
通じて、光検出アレイ素子46の個々の光センサに伝わ
り、光センサが受光した光強度に応じたセンサ信号を出
力する。
【0035】上記例では、光ファイバ束47を用いて光
伝送をしているが、凸レンズを用いて集光と光伝送をす
るようにしてもよい。
【0036】また、MCP(マイクロチャンネルプレー
ト)を配置して感度を向上させるようにしてもよい。つ
まり、光ファイバ束47により伝送された光を、光/電
変換膜により電子に変換し、この電子をMCPにより電
気的に増幅し、増幅した電子を電/光変換素子により光
に変換して光検出アレイ素子46に入力する構成とする
こともできる。
【0037】上記構成となっている散乱X線式欠陥検出
装置10では、X線発生装置20により発生したビーム
状のX線X(11)を被検査物100に入射すると、被
検査物100の各深さ位置から後方散乱X線X(12)
が発生する。この後方散乱X線X(12)は、X線絞り
部材30の円形スリット33を通過して、X線検出装置
40のX線入射窓41に入射する。
【0038】この場合、被検査物100の深い位置で発
生した後方散乱X線X(12)は、X線入射窓41の下
部に入射し、被検査物100の浅い位置で発生した後方
散乱X線X(12)は、X線入射窓41の上部に入射す
る。
【0039】入射したX線は、蛍光体アレイ48により
光に変換され、この光は光検出アレイ素子46により検
出される。そして複数の各光検出アレイ素子46(X線
検出器42)から出力される各センサ信号を、光センサ
のアレイ位置(深さ位置)に分けて合成する。
【0040】即ち、複数の各光検出アレイ素子46の最
下段の各光センサから出力される各センサ信号を合成
し、複数の各光検出アレイ素子46の最下段から2段目
の各光センサから出力される各センサ信号を合成し、同
様にして、複数の各光検出アレイ素子46の同一段の各
光センサから出力される各センサ信号を合成する。
【0041】そして、各段毎に合成した各合成センサ信
号の値を検査し、各段毎の合成センサ信号の中で値が小
さいものがあるときには、被検査物100中に欠陥10
1があると判定することができる。しかも、合成センサ
信号の値が小さくなっている段(光センサのアレイ位
置)から、欠陥の存在する位置(深さ)を検出すること
ができる。
【0042】第1の実施の形態にかかる散乱X線式欠陥
検出装置10では、X線検出器42を環状配置している
ため、多数のX線検出器42を配置することができる。
この結果、各X線検出器42から出力されるセンサ信号
の合成値(各段毎に合成した合成センサ信号の値)が大
きくなり、欠陥の検出を正確に行うことができる。
【0043】また、冷却装置50により、X線検出器4
2の光検出アレイ素子46をマイナス数十°C程度にま
で冷却しているため、光検出アレイ素子46の光検出感
度が極めて高くなる。これは、冷却により光検出アレイ
素子46中の自由電子の動きを拘束しているからであ
る。この結果、戻ってくる後方散乱X線X(12)の強
度が小さくても、欠陥の検出を正確に行うことができ
る。
【0044】上記散乱X線式欠陥検出装置10を用いて
トンネルの検査をする場合には、図4に示すような態様
で行う。つまり、台車(軌道車またはトラック)200
に搭載したアクチュエータ201の先端に、コロ付き収
納箱202を備え、このコロ付き収納箱202内に散乱
X線式欠陥検出装置10を配置する。そして、アクチュ
エータ201によりコロ付き収納箱202を、図4にお
いて矢印A方向に走査(移動)しつつ、台車200が走
行していくことにより、被検査物であるトンネル100
の欠陥検出をすることができる。
【0045】次に本発明の第2の実施の形態にかかる散
乱X線式欠陥検出装置10Aを、図5及び図6を参照し
つつ説明する。図5に示すように、第2の実施の形態に
かかる散乱X線式欠陥検出装置10Aは、第1の実施の
形態の散乱X線式欠陥検出装置10におけるX線検出装
置40の代わりに、X線検出装置400を用いたもので
あり、他の部分の構成は、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0046】分解斜視図である図6に示すように、X線
検出装置400は、蛍光体多層リング410と蛍光体ア
レイ素子420とで構成されている。
【0047】蛍光体多層リング410は、蛍光体リング
411と遮蔽リング412とを交互に積層して構成した
ものであり、積層方向は被検査物100の深さ方向に沿
う方向となっている。遮蔽リング412は、鉛やタング
ステン等の重金属で形成した薄いリング部材であり、X
線を遮蔽すると共に光絶縁(光の透過を阻止)する部材
である。
【0048】この蛍光体多層リング400は、その内周
空間部分に、被検査物100に入射されるX線が通過す
る状態で配置されている。また、円形スリット33を通
過して戻ってきた後方散乱X線X(12)が、蛍光体多
層リング400の内周面に入射するような配置構成とな
っている。
【0049】複数(本例では4個)の光検出アレイ素子
420は、蛍光体多層リング410の外周面において、
周方向に90°ずれた位置に配置されている。各光検出
アレイ素子420は、被検査物100の深さ方向に沿う
方向(図5では上下方向)に光センサをアレイ状に並べ
て構成したものである。この光検出アレイ素子420
は、積層された各蛍光体リング411毎の光を区別して
検出することができる。
【0050】また光検出アレイ素子420内には、ペル
チェ効果を利用した電子冷却素子が内蔵されており、こ
れにより光検出アレイ素子420を冷却して光検出アレ
イ素子420による光検出感度を向上させている。
【0051】上記構成となっている散乱X線式欠陥検出
装置10Aでは、X線発生装置20により発生したビー
ム状のX線X(11)を被検査物100に入射すると、
被検査物100の各深さ位置から後方散乱X線X(1
2)が発生する。この後方散乱X線X(12)は、X線
絞り部材30の円形スリット33を通過して、X線検出
装置400の蛍光体多層リング410の内周面に入射す
る。
【0052】入射したX線は、積層した各蛍光体リング
411により光に変換され、変換された光は各蛍光体リ
ング411内を内周側から外周側に伝送される。このと
き、上下に隣接する蛍光体リング411相互間は遮蔽リ
ング412により光絶縁されており、上下の光の混在や
分散を防止している。
【0053】各蛍光体リング411内を伝送してきた光
は、各光検出アレイ素子420により、積層された各蛍
光体リング411毎に区別して光強度が検出される。そ
して、各蛍光体リング411毎に区別して、各光検出ア
レイ素子420にて検出した光強度に応じたセンサ信号
を合成する。
【0054】そして、各蛍光体リング411毎に合成し
た各合成センサ信号の値を検査し、各段毎の合成センサ
信号の中で値が小さいものがあるときには、被検査物1
00中に欠陥101があると判定することができる。し
かも、合成センサ信号の値が小さくなっている段(光セ
ンサのアレイ位置)から、欠陥の存在する位置(深さ)
を検出することができる。
【0055】
【発明の効果】上述したように本発明では、ビーム状に
したX線を被検査物の表面側から入射するX線発生装置
と、前記被検査物に入射していくX線を囲む状態で複数
のX線検出器が環状に配置されると共に、各X線検出器
は前記被検査物の深さ方向に沿う方向の分解能を有して
いるX線検出装置と、入射したX線により前記被検査物
の各深さ位置で発生した後方散乱X線を通過させて前記
X線検出器に導く隙間を有するX線絞り部材とを備えて
いる構成とした。また、必要に応じて、前記X線検出装
置のX線検出器を冷却する冷却装置を備えている構成と
した。
【0056】かかる構成としたため、本発明では、X線
検出器を環状配置して多数のX線検出器を配置すること
ができる結果、各X線検出器から出力されるセンサ信号
の合成値が大きくなり、欠陥の検出を正確に行うことが
できる。このためトンネルのコンクリートのようにX線
を透過しにくい部材の欠陥の有無および欠陥位置を正確
に検出することができる。
【0057】また、冷却装置により、X線検出器を冷却
しているため、X線検出器の光検出感度が極めて高くな
る。このため、戻ってくる後方散乱X線の強度が小さく
ても、欠陥の検出を正確に行うことができる。
【0058】また本発明では、ビーム状にしたX線を被
検査物の表面側から入射するX線発生装置と、前記被検
査物に入射していくX線が中央の内周空間部分を通過す
る状態で配置した蛍光体リングと、光絶縁及びX線遮蔽
をする遮蔽リングとを、前記被検査物の深さ方向に沿う
方向に交互に積層してなる蛍光体多層リングと、入射し
たX線により前記被検査物の各深さ位置で発生した後方
散乱X線を通過させて前記蛍光体多層リングの内周面に
導くX線絞り部材と、前記蛍光体多層リングの各蛍光体
リング毎の光を区別して検出する光検出アレイ素子とを
備えている構成とした。また、必要に応じて、前記光検
出アレイ素子を冷却する冷却装置を備えている構成とし
た。
【0059】かかる構成としたため、戻ってきた後方散
乱X線を全て、蛍光体多層リングにより受けることがで
き、この蛍光体多層リングにて、深さ位置に分けて、X
線を光に変換することができ、効率良く欠陥の検出がで
きる。
【0060】また本発明では、蛍光体リングと、光絶縁
及びX線遮蔽をする遮蔽リングとを、交互に積層してな
る蛍光体多層リングと、前記蛍光体多層リングにX線が
入射して発生した光を、各蛍光体リング毎に区別して検
出する光検出アレイ素子とを備えている構成とした。
【0061】このようなX線検出装置によれば、放射状
に戻ってくる後方散乱X線の強度を、深さ位置に分けて
正確に検出することができる。また、後方散乱X線に限
らず、放射状に発生するX線の強度検出をすることもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる散乱X線式
欠陥検出装置を示す構成図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図2のIII −III 断面図。
【図4】第1の実施の形態にかかる散乱X線式欠陥検出
装置の使用状態を示す説明図。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる散乱X線式
欠陥検出装置を示す構成図。
【図6】第2の実施の形態にかかる散乱X線式欠陥検出
装置に用いるX線検出装置を示す分解斜視図。
【図7】従来の散乱X線式欠陥検出装置を示す構成図。
【符号の説明】
10,10A 散乱X線式欠陥検出装置 20 X線発生装置 21 X線管 22 絞り部材 30 X線絞り部材 31 中央部材 32 周囲部材 33 円形スリット 40 X線検出装置 41 X線入射窓 42 X線検出器 43 X線透過膜 44 密閉空間 45 マウント基板 46 光検出アレイ 47 光ファイバ束 48 蛍光体アレイ 50 冷却装置 51 冷却リンク 52 パイプ 53 保冷材 54 ケーシング 55 電子冷却素子 100 被検査物 101 欠陥 400 X線検出装置 410 蛍光体多層リング 411 蛍光体リング 412 遮蔽リング 420 光検出アレイ素子 PH1,PH2 ピンホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 1/00 G21K 1/00 X 1/02 1/02 C (72)発明者 若元 郁夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 BA15 CA01 DA01 DA02 DA06 DA08 GA08 GA13 HA12 JA04 JA06 JA11 JA14 KA03 LA03 MA07 RA03 SA01 SA04 2G088 EE29 EE30 FF02 FF14 GG15 GG16 GG19 GG20 GG28 JJ02 JJ05 JJ14 JJ23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビーム状にしたX線を被検査物の表面側
    から入射するX線発生装置と、 前記被検査物に入射していくX線を囲む状態で複数のX
    線検出器が環状に配置されると共に、各X線検出器は前
    記被検査物の深さ方向に沿う方向の分解能を有している
    X線検出装置と、 入射したX線により前記被検査物の各深さ位置で発生し
    た後方散乱X線を通過させて前記X線検出器に導く隙間
    を有するX線絞り部材とを備えていることを特徴とする
    散乱X線式欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記X線検出装置の
    X線検出器を冷却する冷却装置を備えていることを特徴
    とする散乱X線式欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】 ビーム状にしたX線を被検査物の表面側
    から入射するX線発生装置と、 前記被検査物に入射していくX線が中央の内周空間部分
    を通過する状態で配置した蛍光体リングと、光絶縁及び
    X線遮蔽をする遮蔽リングとを、前記被検査物の深さ方
    向に沿う方向に交互に積層してなる蛍光体多層リング
    と、 入射したX線により前記被検査物の各深さ位置で発生し
    た後方散乱X線を通過させて前記蛍光体多層リングの内
    周面に導くX線絞り部材と、 前記蛍光体多層リングの各蛍光体リング毎の光を区別し
    て検出する光検出アレイ素子とを備えていることを特徴
    とする散乱X線式欠陥検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記光検出アレイ素
    子を冷却する冷却装置を備えていることを特徴とする散
    乱X線式欠陥検出装置。
  5. 【請求項5】 蛍光体リングと、光絶縁及びX線遮蔽を
    する遮蔽リングとを、交互に積層してなる蛍光体多層リ
    ングと、 前記蛍光体多層リングにX線が入射して発生した光を、
    各蛍光体リング毎に区別して検出する光検出アレイ素子
    とを備えていることを特徴とするX線検出装置。
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