JP2001207408A - 吊構造用ケーブルの防食装置及び吊構造用ケーブルの防食方法 - Google Patents

吊構造用ケーブルの防食装置及び吊構造用ケーブルの防食方法

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JP2001207408A
JP2001207408A JP2000021602A JP2000021602A JP2001207408A JP 2001207408 A JP2001207408 A JP 2001207408A JP 2000021602 A JP2000021602 A JP 2000021602A JP 2000021602 A JP2000021602 A JP 2000021602A JP 2001207408 A JP2001207408 A JP 2001207408A
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Masayuki Hori
雅之 堀
Masatoshi Nakanose
正敏 中ノ瀬
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Kyowakiden Industry Co Ltd
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Kyowakiden Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気圧より被覆体に損傷を与えないこと。 【解決手段】複数の素線の集合体6が被覆体7により被
覆されているメインケーブル1の中の空気を吸引して大
気中に排出する排気装置9と、メインケーブル1の中に
大気圧が通じる吸気口19を有する排気装置9とからナ
ル。排気装置9と吸気装置8との間に生じる負圧は大気
圧以下である。負圧の落差は大気圧以下であり、被覆体
7に損傷が生じる恐れは小さい。メインケーブルの中が
大気圧に対して必ず負圧になる場合には、内部圧力によ
り被覆体が膨張により損傷することは絶対にありえな
い。吸気装置8は、大気を吸い込む動力源を含まないこ
とによって、メインケーブルの中は必ず大気圧に比べて
負圧に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吊構造用ケーブル
の防食装置及び吊構造用ケーブルの防食方法に関し、特
に、既存吊橋の改修の防食施行が容易である吊構造用ケ
ーブルの防食装置及び吊構造用ケーブルの防食方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】吊橋は、主塔と、吊りケーブルと、吊り
ケーブルにより吊られる桁とから構成されている。その
吊りケーブルは、素線を束ねたストランドとそのストラ
ンドを被覆する被覆体とから形成されている。ストラン
ドは、複数本が用いられている。海峡に構築される吊り
橋の吊りケーブルの被覆体の中に塩気を含む雨水が流れ
込む。このような雨水により、その素線が腐食する。
【0003】図8は、吊り橋の一般的構造と素線腐食防
止装置の一例を示している(例示:特開平8−1770
12号)。複数本のストランド101のそれぞれの両端
部は、アンカレイジ102にそれぞれに結合され、複数
本のストランド101は1束に束ねられ被覆体に被覆さ
れてメインケーブル103が形成されている。その素線
腐食防止装置は、アンカレイジ102に埋め込まれた両
側の空気室104と、両側の送気装置105とから構成
されている。一方の片側の送気装置105は一方の片側
の空気室104に空気を送り込み、空気室104はスト
ランド101の周囲及び素線間に空気を供給する。他方
の片側の送気装置105は他方の片側の空気室104か
ら空気を排気し、空気室104はストランド101の周
囲及び素線間の空気を吸引して大気中に排気する。素線
の周囲及び素線間で毛細管力で素線に付着している水分
又は水蒸気は、素線の周囲及び素線間で流れる空気流に
より流されて、他方の側の空気室104から排出され
る。空気としては、乾燥冷却空気が用いられている。
【0004】このようにメインケーブル103の中が乾
燥状態に維持され、素線の腐食が長期に防止されてい
る。メインケーブル103を複数の離隔位置に巻き付
き、桁106を吊るハンガーロープ107の上端部を結
合している複数のケーブルバンド107には、水抜き孔
(図示されず)が設けられている。敷設工事の終了後に
その水抜き孔はドレインプラグで閉められるが、既述の
乾燥設備がない吊橋では、そのドレインプラグは敷設工
事の終了後にもそのまま開放されている。
【0005】このような公知装置は、一方側から他方側
まで長距離間で狭い通路に空気を流すために、注入側で
相当程度に高圧化する必要がある。そのような高圧化
は、注入側に近い部位のメインケーブルの被覆体に亀裂
を生じさせる恐れがある。メインケーブルには常態的に
振動が発生していて、メインケーブルの内部で気圧変動
が局所的に生起している。その高圧化は、その局所的変
動を増幅して被覆体の許容限界強度を越える膨張力を発
生させる恐れがある。このような公知装置は、更に、ア
ンカレイジ102にメインケーブル103の両端部を固
定して埋め込む敷設工事が終了した後に、改修により追
加されることがしばしば困難である。
【0006】図9は、吊橋の他の一般的構造と素線腐食
防止装置の他の一例を示している。適宜離隔間隔でメイ
ンケーブル103’の被覆体部位に送気部111と排気
部112が配置される(図は、その両部をそれぞれに1
体ずつ示している。)送気部111と排気部112が配
置される部位の被覆体は部分的に剥ぎ取られ、その剥き
出し部位が割筒113で覆われ、割筒と被覆体との間隙
が塗り材料で埋められて内部が密封される。主塔114
の塔頂部位に設置される送気乾燥装置115により乾燥
空気が送気部111からメインケーブル103’の内部
に送り込まれる。乾燥空気は、送気部111から排気部
112まで素線の周囲及び素線間を流動する。
【0007】この公知装置も、メインケーブルの中の湿
潤環境を乾燥環境に変えることにより素線の錆の発生を
防止することができるが、図8に示される既述の公知装
置と同様に、被覆体に損傷を与える恐れがあり、更に、
メインケーブルの敷設後に被覆体の剥き出しを行うこと
は、足場がない場合に作業上困難であるという問題点が
ある。
【0008】被覆体の損傷の恐れがないことが望まれ
る。更に、作業性がよく、既存吊橋に素線腐食防止装置
を改修に容易に付加することができることが好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、空気
圧より被覆体に損傷を与える恐れがない吊構造用ケーブ
ルの防食装置及び吊構造用ケーブルの防食方法を提供す
ることにある。本発明の他の課題は、空気圧より被覆体
に損傷を与える恐れがなく、当該設備の敷設の作業性が
よい吊構造用ケーブルの防食装置及び吊構造用ケーブル
の防食方法を提供することにある。本発明の更に他の課
題は、空気圧より被覆体に損傷を与える恐れがなく、当
該設備の敷設の作業性がよく、更に、更に既存吊橋の改
修工事により当該設備を容易に付加することができる吊
構造用ケーブルの防食装置及び吊構造用ケーブルの防食
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複
数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実
施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特
に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現さ
れている技術的事項に付せられている参照番号、参照記
号等に一致している。このような参照番号、参照記号
は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の
技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよ
うな対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の
形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されるこ
とを意味しない。
【0011】本発明による吊構造用ケーブルの防食装置
は、複数の素線の集合体(6,6,・・,6)が被覆体
(7)により被覆されているメインケーブル(1)と、
メインケーブル(1)の中の空気を吸引して大気中に排
出する排気装置(9)と、メインケーブル(1)の中に
大気圧が通じる吸気口(19)を有する排気装置(9)
とを含み、排気装置(9)と吸気装置(8)との間に生
じる負圧は大気圧以下である。負圧の落差は大気圧以下
であり、被覆体(7)に損傷が生じる恐れは小さい。メ
インケーブルの中が大気圧に対して必ず負圧になる場合
には、内部圧力により被覆体が膨張により損傷すること
は絶対にありえない。吸気装置(8)は、大気を吸い込
む動力源を含まないことによって、メインケーブルの中
は、必ず大気圧に比べて負圧に維持される。
【0012】吸気装置は、主塔(2)の塔頂部に設けら
れメインケーブル(1)の塔頂部分を密閉的に覆うカバ
ー(17)と、主塔(2)の塔頂部に取り付けられカバ
ー(17)を支持するサドル(16)とを備え、カバー
(17)には既述の吸気口(19)が開けられ、カバー
(17)により形成される密閉空間(18)は吸気口
(19)を介して大気中に接続し、密閉空間(18)は
メインケーブル(1)の被覆体(7)の中に通じてい
る。サドル(16)は、吊橋では必須の構成要素であ
り、この構成要素を利用して吸気装置が構成される。既
存吊橋の改修による防食施行が容易である。密閉空間
(18)には除湿器が設けられ、更に、徐塩装置が設け
られることが好ましい。
【0013】更に、排気装置(9)はメインケーブル
(1)の最低位部分を覆うケーブルバンド(11)を備
え、ケーブルバンド(11)は、メインケーブル(1)
の中に通じる水抜き孔(13)を有し、排気装置(9)
は、水抜き孔(13)に接続する排気管(14)と、排
気管(14)の中の空気を抜く排気用動力源(15)を
備える。排気用動力源(15)が風力(B)であれば、
電気的動力源に必要な保守点検が省略され得る。風力利
用は、慣用のノズル管(37)による負圧の生成による
ことがことが好ましい。
【0014】本発明による吊構造用ケーブルの防食方法
は、素線の集合体とその集合体を覆う被覆体とから形成
されるメインケーブルの中の空気を負圧化して排気す
る。この負圧化は、被覆体の圧力による損傷を絶対的に
防止する。負圧化を風力により行うことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図に一致対応して、本発明による
吊構造用ケーブルの防食装置の実施の形態は、主塔間に
張られたメインケーブルとともに吸気装置が設けられて
いる。そのメインケーブル1は、図1に示されるよう
に、2基の主塔2,3の塔頂部位でそれぞれに支持さ
れ、両端部は図示されないアンカレイジにそれぞれに結
着している。メインケーブル1は、主塔2,3の間で懸
垂線状に垂れ下がり、その最低部位(ケーブルラインの
最低位置)と桁4との間のハンガーロープ5の長さはそ
の間の複数のハンガーロープの中で最も短い。桁4は、
ハンガーロープ5によりメインケーブル1から吊り下げ
られている。
【0016】メインケーブル1は、図2に示されるよう
に、複数のストランド6の集合と被覆体7とから形成さ
れている。各ストランド6は、複数本のそれぞれに素線
の集合体である。断面が円形である複数のストランド6
の間にはメインケーブル1が連続して延びる方向(軸心
線方向)に連続した隙間があり、更に、1本のストラン
ド6の中で断面が円形である複数本の素線(図示され
ず)の間にも、既述の隙間と同様の隙間がある。
【0017】吸気装置8は、ケーブルラインの最高部位
である主塔2の塔頂部位に配置されている。排気装置9
は、ケーブルラインの既述の最低部位に配置されてい
る。図3は、排気装置9の詳細を示している。メインケ
ーブル1に、2つ割り構造のケーブルバンド11が外装
されている。このようなケーブルバンド11は、主塔間
で複数個が設けられている。図3に示されるケーブルバ
ンド11は、ケーブルラインの最低部位に位置してい
る。
【0018】ケーブルバンド11は、4個の締付ボルト
で締め付けられてメインケーブル1に強固に結合してい
る。ハンガーロープ5は、ケーブルバンド11の上端面
部の係合部12に係合してそこで折り返されている。こ
の最低部位のケーブルバンド11に限られず他のケーブ
ルバンド11にも、それらの最下端部位に水抜き孔13
が開けられている。最低部位のケーブルバンド11を除
く全てのケーブルバンド11の水抜き孔13は、通常は
詰め栓で閉められている。
【0019】メインケーブル1とケーブルバンド11と
の間に、外気とメインケーブル1の中が通じる隙間はな
いが、それらの水抜き孔13は、図示されないメインケ
ーブル1の被覆体にそれぞれに局所的に開けられている
孔を通してメインケーブル1の中に通じている。従っ
て、ストランド6の間の連続隙間と素線間の連続隙間
は、メインケーブル1の被覆体7に開けられた孔である
剥き出し部を介して、水抜き孔13に通じている。メイ
ンケーブル1の被覆体7の中で結露した水、又は、何ら
かの原因で被覆体7の中に漏水により侵入した水は、水
抜き孔13を閉めている既述の詰め栓が外される時に、
外部に排出され得る。
【0020】最低部位のケーブルバンド11の水抜き孔
13は、初めから栓をされず開放されている。その開放
端に、排気管14の一端部が密閉的に接続されている。
排気管14の他端部は、吸引機15に接続されている。
吸引機15として、慣用の真空ポンプが適切である。吸
引機15は、桁の端部の上面又は桁の端部の側面に配置
されている。
【0021】図4は、吸気装置8の詳細を示している。
サドル16は、主塔2に支持されている。メインケーブ
ル1に、鋼製のカバー17が支持されている。サドル1
6の一部とカバーとは、内部密閉空間18を形成してい
る。内部密閉空間18は、後述する吸気口を除いて外界
である大気中には通じていない。内部密閉空間18の中
に含まれるメインケーブル1の部分はその被覆体7(図
4には図示されず)が剥き出しになっていて、その剥き
出し部(図示されず)を介して、被覆体7の内部はその
内部密閉空間に通じている。従って、ストランド6の間
の連続隙間と素線間の連続隙間は、内部密閉空間18に
通じている。
【0022】内部密閉空間18は、吸気口19のみを介
して大気中に通じている。吸気口19は、カバー17の
上面部に形成されている。吸気口19は、雨水侵入防止
用蓋21でカバーされている。吸気口19の内側開放端
は、覆壁22により囲まれている。覆壁22に除塩フィ
ルタ23が取り付けられている。覆壁22の外側で内部
密閉空間18の中に、除湿器24が配置されている。塔
頂部位で部分的に剥き出しになっているメインケーブル
1をサドル16とカバー17とにより覆って、その剥き
出し部分を外界から遮断している点は、既存の吊橋の公
知装置のその点に一致している。
【0023】吸引機15が動作すると、その動作に連動
して除湿器24が動作する。最低部位のケーブルバンド
11の水抜き孔は開放されているが、その他のケーブル
バンド11の水抜き孔はそれらの全てが栓で閉じられて
いる。吸引機15による吸引が開始され、最低部位のケ
ーブルバンド11の近辺のメインケーブル1の内部の連
続隙間の空気が、その水抜き孔13と排気管14とを介
して、吸引機15により吸引され吸引機15から大気中
に排気され排出される。
【0024】最低部位のケーブルバンド11からより遠
いメインケーブル1の部分の内部の連続隙間の空気は、
最低部位のケーブルバンド11により近いメインケーブ
ル1の部分の内部の連続隙間に向かって引き寄せられ
る。やがて、吸気装置8の内部密閉空間18に含まれる
メインケーブル1の内部の連続隙間の空気は、最低部位
のケーブルバンド11に近い連続隙間の方に引き寄せら
れる。最高部位のメインケーブル1の部分の中の連続隙
間の気圧と最低部位のメインケーブル1の部分の中の連
続隙間の気圧との差は、最大値で1大気圧である。
【0025】最高部位の連続隙間から最低部位の連続隙
間に流れる気流量は、その最高部位からその最低部位ま
での軸心線の長さに依存して概ね一定量である。1大気
圧の落差は、メインケーブル1を収縮させる収縮力とし
てメインケーブル1に作用するが、メインケーブル1を
膨張させる膨張力として作用しない。このような収縮力
は、内部が素線の集合体で詰まっているメインケーブル
1を現実に収縮させることはなく、メインケーブル1の
被覆体とコーキング材に損傷を与えない。
【0026】連続隙間で素線に付着している湿気は連続
流れの乾燥空気の中に蒸発して、より負圧化される連続
隙間の方に向かって流れ、やがて排気管14から大気中
に排出される。乾燥空気からは、除塩フィルタ23によ
り塩分が除去され、除湿器24により水分が除去されて
いる。このような乾燥空気流れは、メインケーブル1の
内部を防食環境に維持する。新設の吊橋では、他の水抜
き孔はケーブルバンド11に初めから存在しなくてよ
い。
【0027】防食のためのこのような稼動は、常態的に
行う必要はなく適時に行えばよく、あるいは、より小さ
い負圧で常態的に行うことも好ましい。より小さい負圧
で常態的に行う排気装置の実施の形態が、図5に示され
ている。パイプ31が、桁4に垂下式に吊るされ固定さ
れて支持される。パイプ31に、ベアリング継手32を
介して、鉛直方向に延びる回転可能管33が回転自在に
結合している。回転可能管33の下方部に方向制御板3
4が取り付けられている。
【0028】方向制御板34は、図6に示されるよう
に、回転可能管33から水平方向に突き出す排気管35
の根本部に取り付けられる2葉の板から形成されてい
る。その2葉の板は補強板36により補強され、補強板
36はその開き角度を適正に規定している。方向制御板
34の両側の風の空気流れAにより、回転可能管33は
風上から風下に常態的に向くことができる。ノズル管3
7が回転可能管33の一部を貫いていて、ノズル管37
の先細り口38は、排気管35の入り口近くで開放され
ている。ノズル管37は、概ね、円錐形内面39を有し
ている。
【0029】既述の実施の形態で示されている排気管1
4の自由端14’の一部は、パイプ31を貫通してパイ
プ31の内部に侵入し、自由端14’の開放端はパイプ
31の中でノズル管37の方に向かっている。方向制御
板34に対して定角度位置に配置されているノズル管3
7の軸心線は、常に風上から風下に向くことになる。風
の流れBはその勢いでノズル管37の先頭側の細い流路
に侵入してその速度が上昇する。より高速化された空気
流Cは、ノズル管37の先細り口38から吐出される。
空気流Cは、周囲の大気の気圧よりも低くなり、排気管
35の開放口に接続しているパイプ31の内部は低圧化
される。自由端14’の中は負圧化される。吸気装置8
がそのまま使用される点は、既述の通りである。
【0030】図7は、ノズル管37が改変された他のノ
ズル管37’を示している。ノズル管37’の細径部4
1の開放端が排気管35の入り口近くで開放されている
点は、既述のノズル管37に同じである。パイプ31の
中に、既述の排気管14’の自由開放端とノズル管3
7’との間で、漏斗42が挿入されている。漏斗42の
下流側の出口は細径部41に連通している。パイプ31
の中が負圧になる原理は、既述の通りである。
【0031】このように利用される風は、本発明による
吊構造用ケーブルの防食装置が使用される場所で一般的
に常態的に強い。素線間空気の流動化が風力によって行
われる本実施の形態は、電気的設備がなく塩分が多い吊
橋の周囲環境で特に好適であり、保守点検の作業量が有
効に削減される。強風と弱風に対応して除湿器の動力の
強弱制御が行われることは好ましい。一般的に、排気装
置の吸引力と除湿器の動力との強弱制御が行われること
は好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明による吊構造用ケーブルの防食装
置及び吊構造用ケーブルの防食方法は、負圧を利用して
いてメインケーブルの損傷を確実に防止することがで
き、更に、圧力の管理が不要である。更に付加的には、
僅かであり且つ低コストである補修・改修工事により確
実に腐食を防止することができるケーブルに既存のケー
ブルを改変することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による吊構造用ケーブルの防食
装置の実施の形態を示す正面図である。
【図2】図2は、メインケーブルを示す断面図である。
【図3】図3は、排気装置を示す正面図である。
【図4】図4は、吸気装置を示す部分的断面図である。
【図5】図5は、排気装置の実施例を示す断面図であ
る。
【図6】図6は、図1の平面断面図である。
【図7】図7は、排気装置の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図8】図8は、公知の吊橋の吸排気装置を示す正面図
である。
【図9】図9は、公知の吊橋の他の吸排気装置を示す正
面図である。
【符号の説明】
1…メインケーブル 6…素線の集合体 7…被覆体 8…吸気装置 9,37…排気装置 11…ケーブルバンド 13…水抜き孔 14…排気管 B,15…排気用動力源 16…サドル 17…カバー 18…密閉空間 19…吸気口 37…ノズル管 B…風力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中ノ瀬 正敏 長崎県西彼杵郡時津町久留里郷376番5 協和機電工業株式会社時津事業所内 Fターム(参考) 2D059 AA41 BB06 BB08 GG21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の素線の集合体が被覆体により被覆さ
    れているメインケーブルと、 前記メインケーブルの中の空気を吸引して大気中に排出
    する排気装置と、 前記メインケーブルの中に大気圧が通じる吸気口を有す
    る排気装置とを含み、 前記排気装置と前記吸気装置との間に生じる負圧は大気
    圧以下である吊構造用ケーブルの防食装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記吸気装置は、大気を吸い込む動力源を含まない吊構
    造用ケーブルの防食装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記吸気装置は、 主塔の塔頂部に設けられ前記メインケーブルの塔頂部分
    を密閉的に覆うカバーと、 主塔の塔頂部に取り付けられ前記カバーを支持するサド
    ルとを備え、 前記カバーには前記吸気口が開けられ、 前記カバーにより形成される密閉空間は前記吸気口を介
    して大気中に接続し、 前記密閉空間は前記メインケーブルの前記被覆体の中に
    通じている吊構造用ケーブルの防食装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記密閉空間には除湿器が設けられている吊構造用ケー
    ブルの防食装置。
  5. 【請求項5】請求項3において、更に、 前記排気装置は前記メインケーブルの最低位部分を覆う
    ケーブルバンドを備え、 前記ケーブルバンドは、前記メインケーブルの中に通じ
    る水抜き孔を有し、 前記排気装置は、 前記水抜き孔に接続する排気管と、 前記排気管の中の空気を抜く排気用動力源を備える吊構
    造用ケーブルの防食装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 前記排気用動力源は風力である吊構造用ケーブルの防食
    装置。
  7. 【請求項7】素線の集合体と前記集合体を覆う被覆体と
    から形成されるメインケーブルの中の空気を負圧化して
    排気することを含む吊構造用ケーブルの防食方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記負圧化を風力により行うことを含む吊構造用ケーブ
    ルの防食方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011044611A1 (en) * 2009-10-14 2011-04-21 The Roads And Traffic Authority Of New South Wales A bridge construction and method for modifying strain characteristics of a bridge
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