JP2001206957A - 緩衝材及びそれを用いた防護壁 - Google Patents
緩衝材及びそれを用いた防護壁Info
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- JP2001206957A JP2001206957A JP2000017153A JP2000017153A JP2001206957A JP 2001206957 A JP2001206957 A JP 2001206957A JP 2000017153 A JP2000017153 A JP 2000017153A JP 2000017153 A JP2000017153 A JP 2000017153A JP 2001206957 A JP2001206957 A JP 2001206957A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】低温環境下においても、緩衝性能が低下し難い
緩衝材や防護壁を提供する。 【解決手段】 曲げ弾性率が30〜800MPaの熱可
塑性樹脂からなり、嵩密度が25〜300kg/m3 で
厚みが3cm以上のシート状物であり、低温影響指数が
0.8以上である緩衝材及びそれを用いた防護壁。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量
緩衝材や防護壁を提供する。 【解決手段】 曲げ弾性率が30〜800MPaの熱可
塑性樹脂からなり、嵩密度が25〜300kg/m3 で
厚みが3cm以上のシート状物であり、低温影響指数が
0.8以上である緩衝材及びそれを用いた防護壁。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃吸収性が良好
であり、しかも、低温環境下にもこの性能が低下し難い
緩衝材及びそれを用いた防護壁を提供するものである。
であり、しかも、低温環境下にもこの性能が低下し難い
緩衝材及びそれを用いた防護壁を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】スキーは冬季レジャーとして代表的なも
のであり、特にスノーボードは最近、そのプレイヤー人
口は増加の一途を示している。一方、これらの冬季レジ
ャーによる事故も多い。
のであり、特にスノーボードは最近、そのプレイヤー人
口は増加の一途を示している。一方、これらの冬季レジ
ャーによる事故も多い。
【0003】スキーやスノーボードにより高速で移動す
る人は大きな運動エネルギーを有しているが、規定の走
路や領域ないで移動する限りにおいては相互の接触がな
い限り安全である。しかし、突発的な事項によって、規
定の走路や領域から運動エネルギーを保持した状態で逸
脱する場合、そのエネルギーや規定の走路や領域外にあ
る副次的要因、例えば、凹凸の多い岩などが存在した
り、規定の走路や領域内外の高低差による落下など、に
よるエネルギーを所謂「生身」で受けるために骨折をは
じめ、大きな怪我をする場合ある。
る人は大きな運動エネルギーを有しているが、規定の走
路や領域ないで移動する限りにおいては相互の接触がな
い限り安全である。しかし、突発的な事項によって、規
定の走路や領域から運動エネルギーを保持した状態で逸
脱する場合、そのエネルギーや規定の走路や領域外にあ
る副次的要因、例えば、凹凸の多い岩などが存在した
り、規定の走路や領域内外の高低差による落下など、に
よるエネルギーを所謂「生身」で受けるために骨折をは
じめ、大きな怪我をする場合ある。
【0004】このような、事象を未然に防ぐには規定の
通路や領域の外周に運動エネルギーを適度な反発力と変
形で緩やかに受け止める機能(以下、緩衝機能)を有し
た防護壁を敷設することが有効である。
通路や領域の外周に運動エネルギーを適度な反発力と変
形で緩やかに受け止める機能(以下、緩衝機能)を有し
た防護壁を敷設することが有効である。
【0005】軟質/硬質ポリウレタンフォームに代表さ
れるフォーム材を緩衝材に適用した防護壁が特開平08
−296212号公報などに開示がある。このようなフ
ォーム材は構造体そのものに連通した気泡を有する構造
(フォーム構造)であるが、使用される熱硬化性樹脂が
安価で複雑形状でも容易に成形でき、弾性率が低いため
柔軟性に富み、しかも、気泡を有しているため変形しろ
が大きく、気泡内の空気抵抗によって衝撃を緩やかに受
け止める優れた緩衝機能を有する。しかし、気泡内に浸
入した水は排出され難いので、低温環境下でその水が凍
結し、フォーム材の緩衝機能が激減する問題がある。
れるフォーム材を緩衝材に適用した防護壁が特開平08
−296212号公報などに開示がある。このようなフ
ォーム材は構造体そのものに連通した気泡を有する構造
(フォーム構造)であるが、使用される熱硬化性樹脂が
安価で複雑形状でも容易に成形でき、弾性率が低いため
柔軟性に富み、しかも、気泡を有しているため変形しろ
が大きく、気泡内の空気抵抗によって衝撃を緩やかに受
け止める優れた緩衝機能を有する。しかし、気泡内に浸
入した水は排出され難いので、低温環境下でその水が凍
結し、フォーム材の緩衝機能が激減する問題がある。
【0006】ポリスチレン発泡体に代表される発泡材を
緩衝材に適用した防護壁が特開平10−306523号
公報、特開平09−088015号公報などに開示があ
る。このような発泡体は独立気泡を内包したセルが相互
に密着した構造であり、複雑形状も比較的容易に成形で
き、独立気泡を有しているため変形し易いので、優れた
緩衝機能を有し、しかも、独立気泡なので内部に水が浸
入し難いので、低温環境下での凍結によって緩衝機能が
低減することがない。しかし、使用される熱可塑性樹脂
はポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレートなどの弾性率が高い樹脂であるので硬く、ま
た、一度、大きな変形を受けると回復しないので、交換
する必要が生じ、経済的ではない。これを改善するた
め、緩衝素材を固定した支柱などに取り付けず、ロープ
などで繋ぎ、ロープのたわみを利用して緩衝材のみに大
きな変形を与えないようにしたものが特開平11−06
1745号公報、特開平11−061746号公報など
で見られるが、敷設、ロープの維持管理に手間がかかる
問題がある。なお、緩衝材を使用せず織編物を支柱に取
り付けた防護ネットも同様の問題がある。
緩衝材に適用した防護壁が特開平10−306523号
公報、特開平09−088015号公報などに開示があ
る。このような発泡体は独立気泡を内包したセルが相互
に密着した構造であり、複雑形状も比較的容易に成形で
き、独立気泡を有しているため変形し易いので、優れた
緩衝機能を有し、しかも、独立気泡なので内部に水が浸
入し難いので、低温環境下での凍結によって緩衝機能が
低減することがない。しかし、使用される熱可塑性樹脂
はポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフ
タレートなどの弾性率が高い樹脂であるので硬く、ま
た、一度、大きな変形を受けると回復しないので、交換
する必要が生じ、経済的ではない。これを改善するた
め、緩衝素材を固定した支柱などに取り付けず、ロープ
などで繋ぎ、ロープのたわみを利用して緩衝材のみに大
きな変形を与えないようにしたものが特開平11−06
1745号公報、特開平11−061746号公報など
で見られるが、敷設、ロープの維持管理に手間がかかる
問題がある。なお、緩衝材を使用せず織編物を支柱に取
り付けた防護ネットも同様の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように軟質/硬
質ポリウレタンフォームに代表されるフォーム材を緩衝
材に適用した場合は低温環境下で緩衝機能が損なわれて
しまう問題がある。また、軟質/硬質ポリウレタンフォ
ームは焼却すると有毒ガスが発生するので焼却廃棄がで
きない問題があり、環境面にも問題を有している
質ポリウレタンフォームに代表されるフォーム材を緩衝
材に適用した場合は低温環境下で緩衝機能が損なわれて
しまう問題がある。また、軟質/硬質ポリウレタンフォ
ームは焼却すると有毒ガスが発生するので焼却廃棄がで
きない問題があり、環境面にも問題を有している
【0008】ポリスチレン発泡体に代表される発泡材を
緩衝材に適用した防護壁は繰返して使用すると緩衝機能
が低減する問題があり、これを改善するため、緩衝材の
支持方法の変更により改善できるが、新たに敷設方法な
どに課題が発生するため、根本的な問題解決には至らな
い。上記の問題点に鑑み、風雪、雨などの低温環境下や
氷結状態においても緩衝機能が低減せず、更には敷設や
維持管理性に優れた緩衝材及び防護壁を提供しようとす
るものである。
緩衝材に適用した防護壁は繰返して使用すると緩衝機能
が低減する問題があり、これを改善するため、緩衝材の
支持方法の変更により改善できるが、新たに敷設方法な
どに課題が発生するため、根本的な問題解決には至らな
い。上記の問題点に鑑み、風雪、雨などの低温環境下や
氷結状態においても緩衝機能が低減せず、更には敷設や
維持管理性に優れた緩衝材及び防護壁を提供しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、以下の
とおりである。 1.曲げ弾性率が30〜800MPaの熱可塑性樹脂か
らなり、嵩密度が25〜300kg/m3 で厚みが3c
m以上のシート状物であり、低温影響指数が0.8以上
である緩衝材。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量 2.前記緩衝材が熱可塑性弾性樹脂の曲がった複数の線
条が交互の融着により接点を形成した立体的な網状構造
である前記1に記載の緩衝材。 3.前記1〜2に記載の緩衝材を用いた防護壁。 なお、低温処理は試料を冷凍庫などの冷凍設備内で氷点
下10℃の状態で8時間保持することである。また、浸
漬処理は水槽などで試料の上面が水面より5cmの位置
になるよう水没させた状態で30分保持することであ
る。
とおりである。 1.曲げ弾性率が30〜800MPaの熱可塑性樹脂か
らなり、嵩密度が25〜300kg/m3 で厚みが3c
m以上のシート状物であり、低温影響指数が0.8以上
である緩衝材。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量 2.前記緩衝材が熱可塑性弾性樹脂の曲がった複数の線
条が交互の融着により接点を形成した立体的な網状構造
である前記1に記載の緩衝材。 3.前記1〜2に記載の緩衝材を用いた防護壁。 なお、低温処理は試料を冷凍庫などの冷凍設備内で氷点
下10℃の状態で8時間保持することである。また、浸
漬処理は水槽などで試料の上面が水面より5cmの位置
になるよう水没させた状態で30分保持することであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を更に詳
細に述べる。緩衝機能は運動エネルギーを適度な反発力
と変形で緩やかに受け止める機能であり、特に環境に依
らずその性能が発揮される必要がある。そのため、防護
壁に用いる緩衝材は対象となる運動エネルギーを考慮し
た樹脂と構造の選択を行なう必要がある。また、樹脂に
ついては、後々の廃棄なども考慮すべきである。
細に述べる。緩衝機能は運動エネルギーを適度な反発力
と変形で緩やかに受け止める機能であり、特に環境に依
らずその性能が発揮される必要がある。そのため、防護
壁に用いる緩衝材は対象となる運動エネルギーを考慮し
た樹脂と構造の選択を行なう必要がある。また、樹脂に
ついては、後々の廃棄なども考慮すべきである。
【0011】本発明の緩衝材に用いる樹脂は熱可塑性樹
脂を用いることが必要であり、熱可塑性樹脂は一般にエ
ンジニアプラスチックと呼ばれるナイロン6、ナイロン
66に代表されるポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートに代表される
ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンに
代表されるポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニルなど
が考えられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。しかし、本発明に適した弾性率を有する熱可塑性樹
脂はゴム弾性的な性能を有するため回復性に優れた下記
に例示する熱可塑性弾性樹脂(以下、熱可塑性エラスト
マー、あるいは、エラストマーとも呼称する)を用いる
ことが望ましい。
脂を用いることが必要であり、熱可塑性樹脂は一般にエ
ンジニアプラスチックと呼ばれるナイロン6、ナイロン
66に代表されるポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートに代表される
ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンに
代表されるポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニルなど
が考えられるが、特にこれらに限定されるものではな
い。しかし、本発明に適した弾性率を有する熱可塑性樹
脂はゴム弾性的な性能を有するため回復性に優れた下記
に例示する熱可塑性弾性樹脂(以下、熱可塑性エラスト
マー、あるいは、エラストマーとも呼称する)を用いる
ことが望ましい。
【0012】本発明において望ましい熱可塑性弾性樹脂
は、ソフトセグメントとして分子量300〜5000の
ポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−
ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ル等をブロック共重合
したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラス
トマ−、ポリウレタン系エラストマ−などが挙げられ
る。
は、ソフトセグメントとして分子量300〜5000の
ポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−
ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ル等をブロック共重合
したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラス
トマ−、ポリウレタン系エラストマ−などが挙げられ
る。
【0013】例えば、ポリエステル系エラストマ−とし
ては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、
ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリ
エステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポ
リエステルをソフトセグメントとするポリエステルエス
テルブロック共重合体が挙げられる。
ては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、
ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリ
エステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポ
リエステルをソフトセグメントとするポリエステルエス
テルブロック共重合体が挙げられる。
【0014】ポリエステルエ−テルブロック共重合体の
詳細な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン
酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸また
は、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジ
カルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオ−
ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テ
トレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、
ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1,1
−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエ
ステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少
なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000
のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−
ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド
−プロピレンオキシド共重合体等のポリアルキレンジオ
−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロック共重
合体が例示できる。
詳細な事例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジピン
酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸また
は、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジ
カルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオ−
ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テ
トレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、
ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、1,1
−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれらのエ
ステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成分の少
なくとも1種、および平均分子量が約300〜5000
のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−
ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド
−プロピレンオキシド共重合体等のポリアルキレンジオ
−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロック共重
合体が例示できる。
【0015】ポリエステルエステルブロック共重合体
は、上記ジカルボン酸とジオ−ル及びポリラクトンなど
の平均分子量が約300〜3000であるポリエステル
ジオ−ルより少なくとも1種から構成されるブロック共
重合体が例示できる。
は、上記ジカルボン酸とジオ−ル及びポリラクトンなど
の平均分子量が約300〜3000であるポリエステル
ジオ−ルより少なくとも1種から構成されるブロック共
重合体が例示できる。
【0016】なお、伸縮性、耐水性、回復性などを考慮
すると、テレフタル酸、または、及びナフタレン−2,
6−ジカルボン酸のジカルボン酸と、1・4−ブタンジ
オ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリラクトン
のより選択する1種以上のジオール成分によるブロック
共重合体が特に好ましい。
すると、テレフタル酸、または、及びナフタレン−2,
6−ジカルボン酸のジカルボン酸と、1・4−ブタンジ
オ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリラクトン
のより選択する1種以上のジオール成分によるブロック
共重合体が特に好ましい。
【0017】特殊な例では、ポリシロキサン系のソフト
セグメントを導入したものも使うことができる。
セグメントを導入したものも使うことができる。
【0018】また、上記ポリエステルエラストマ−は単
独または2種類以上混合して使用できる。更には、ポリ
エステルエラストマ−に非エラストマ−成分をブレンド
されたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。
独または2種類以上混合して使用できる。更には、ポリ
エステルエラストマ−に非エラストマ−成分をブレンド
されたもの、共重合したもの等も本発明に使用できる。
【0019】ポリアミド系エラストマ−としては、ハ−
ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等
及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメ
ントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテト
ラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレン
オキシド共重合体等のポリアルキレンジオ−ルのうち少
なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独ま
たは2種類以上混合したものが挙げられる。
ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等
及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメ
ントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテト
ラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレン
オキシド共重合体等のポリアルキレンジオ−ルのうち少
なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独ま
たは2種類以上混合したものが挙げられる。
【0020】また、ポリエステルエラストマーと同様
に、非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合
したもの等も本発明に使用できる。
に、非エラストマ−成分をブレンドされたもの、共重合
したもの等も本発明に使用できる。
【0021】ポリウレタン系エラストマ−は、通常の溶
媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)
の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1000
〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又
はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分
とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシ
アネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主
成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエ
ラストマ−を代表として例示できる。
媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)
の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1000
〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル及び又
はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを主成分
とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端がイソシ
アネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミンを主
成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレタンエ
ラストマ−を代表として例示できる。
【0022】(A)のポリエステル、ポリエ−テル類と
しては、平均分子量が約1000〜6000、好ましく
は1300〜5000のポリブチレンアジペ−ト共重合
ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレ
ングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレ
ンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等のポリアル
キレンジオ−ルが好ましい。
しては、平均分子量が約1000〜6000、好ましく
は1300〜5000のポリブチレンアジペ−ト共重合
ポリエステルやポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレ
ングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレ
ンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等のポリアル
キレンジオ−ルが好ましい。
【0023】(B)のポリイソシアネ−トとしては、従
来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ−トを主体
としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ従来公知のト
リイソシアネ−ト等を微量添加使用してもよい。
来公知のポリイソシアネ−トを用いることができるが、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ−トを主体
としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ従来公知のト
リイソシアネ−ト等を微量添加使用してもよい。
【0024】(C)のポリアミンとしては、エチレンジ
アミン、1,2−プロピレンジアミン等公知のジアミン
を主体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラア
ミンを併用してもよい。これらのポリウレタン系エラス
トマ−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。
アミン、1,2−プロピレンジアミン等公知のジアミン
を主体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラア
ミンを併用してもよい。これらのポリウレタン系エラス
トマ−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。
【0025】なお、本発明の特に好ましい実施形態であ
るポリエステル系エラストマ−として、酸成分としてテ
レフタル酸やナフタレン−2,6−カルボン酸などを9
0モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフタル
酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量は95
モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル
成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次い
で、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分
子量が500以上5000以下、特に好ましくは100
0以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを
15重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重
量%以上60重量%以下共重合量させた場合、テレフタ
ル酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量が多
いとハ−ドセグメントの結晶性が向上するので塑性変形
し難く、回復性が向上する。
るポリエステル系エラストマ−として、酸成分としてテ
レフタル酸やナフタレン−2,6−カルボン酸などを9
0モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフタル
酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量は95
モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ−ル
成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、次い
で、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平均分
子量が500以上5000以下、特に好ましくは100
0以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−ルを
15重量%以上70重量%以下、より好ましくは30重
量%以上60重量%以下共重合量させた場合、テレフタ
ル酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量が多
いとハ−ドセグメントの結晶性が向上するので塑性変形
し難く、回復性が向上する。
【0026】なお、構造体形成後に融点より少なくとも
10℃以上低い温度でアン−リング処理すると更に回復
性が向上する。
10℃以上低い温度でアン−リング処理すると更に回復
性が向上する。
【0027】これは示差走査型熱量計(DSC)により
測定した熱可塑性弾性樹脂の融解曲線で融点以外に融点
以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現することか
ら、アン−リング処理により、ハ−ドセグメントが再配
列され、疑似結晶化様の架橋点が形成されるか、あるい
は、既存の架橋点がより強固になることでより弾性領域
が広がり、回復性が向上しているのではないかとも考え
られる。
測定した熱可塑性弾性樹脂の融解曲線で融点以外に融点
以下の温度で吸熱ピークをより明確に発現することか
ら、アン−リング処理により、ハ−ドセグメントが再配
列され、疑似結晶化様の架橋点が形成されるか、あるい
は、既存の架橋点がより強固になることでより弾性領域
が広がり、回復性が向上しているのではないかとも考え
られる。
【0028】なお、必要に応じ、これらの熱可塑性弾性
樹脂に抗酸化剤、紫外線吸収剤、防黴剤、難燃剤等を添
加して各種の機能をより向上させることができる。
樹脂に抗酸化剤、紫外線吸収剤、防黴剤、難燃剤等を添
加して各種の機能をより向上させることができる。
【0029】先に記したように緩衝機能は運動エネルギ
ーを適度な反発力と変形で緩やかに受け止める機能であ
り、防護壁の緩衝材に適用する熱可塑性樹脂の弾性率と
緩衝材の構造はその対象となる運動エネルギーに応じて
選択する必要がある。
ーを適度な反発力と変形で緩やかに受け止める機能であ
り、防護壁の緩衝材に適用する熱可塑性樹脂の弾性率と
緩衝材の構造はその対象となる運動エネルギーに応じて
選択する必要がある。
【0030】従って、緩衝材は、曲げ弾性率30〜80
0MPaの熱可塑性樹脂で嵩密度25〜300kg/m
3 の構造体で、荷重を受ける方向である厚みが3cm以
上である構造を有する緩衝材であることが必要である。
0MPaの熱可塑性樹脂で嵩密度25〜300kg/m
3 の構造体で、荷重を受ける方向である厚みが3cm以
上である構造を有する緩衝材であることが必要である。
【0031】曲げ弾性率は30MPaを下回ると反発力
が低すぎるため、嵩密度と厚さの増加が必要となるため
重量増加が著しくなり、コスト増加や運搬性が悪化す
る。また、800MPaを越えると反発力が大きくなり
過ぎるため、運動エネルギーの緩衝機能が得られない。
従って、曲げ弾性率30〜800MPaがよく、人が対
象となる場合は50〜500MPaが好ましい。
が低すぎるため、嵩密度と厚さの増加が必要となるため
重量増加が著しくなり、コスト増加や運搬性が悪化す
る。また、800MPaを越えると反発力が大きくなり
過ぎるため、運動エネルギーの緩衝機能が得られない。
従って、曲げ弾性率30〜800MPaがよく、人が対
象となる場合は50〜500MPaが好ましい。
【0032】緩衝材の構造は嵩密度25kg/m3に至
らない場合、適度な反発力が得られないので厚みの増加
が必要となり、重量増加や構造体の曲げ剛性不足により
運搬性が悪化する。また、300kg/m3を越える場
合、単に重量が大き過ぎるので運搬性が悪化する。従っ
て、嵩密度25〜300kg/m3がよく、人が対象と
なる場合は25〜100kg/m3が好ましく、30〜
100kg/m3が緩衝機能、重量などから適当であ
る。
らない場合、適度な反発力が得られないので厚みの増加
が必要となり、重量増加や構造体の曲げ剛性不足により
運搬性が悪化する。また、300kg/m3を越える場
合、単に重量が大き過ぎるので運搬性が悪化する。従っ
て、嵩密度25〜300kg/m3がよく、人が対象と
なる場合は25〜100kg/m3が好ましく、30〜
100kg/m3が緩衝機能、重量などから適当であ
る。
【0033】また、緩衝材の構造として厚みが3cmに
至らない場合、緩衝機能を発現するに充分な変形量を得
ることができない。従って、厚みは3cm以上が必要で
あり、5cm以上がより好ましく、取扱い性を考慮する
と6〜12cm程度が好ましい。
至らない場合、緩衝機能を発現するに充分な変形量を得
ることができない。従って、厚みは3cm以上が必要で
あり、5cm以上がより好ましく、取扱い性を考慮する
と6〜12cm程度が好ましい。
【0034】なお、本発明の緩衝素材は全体の防護壁の
設計により、幅、長さを選択できるが、交換などを想定
すると2〜5kgの板状物が適当である。
設計により、幅、長さを選択できるが、交換などを想定
すると2〜5kgの板状物が適当である。
【0035】上記の緩衝材はその上面が水面より5cm
の位置になるよう没した状態で30分保持する浸漬処理
を実施した後、氷点下10℃の状態で8時間保持する低
温処理を実施した場合の10kPa押圧時の厚みのひず
み量について、浸漬処理を実施しないで低温処理を実施
した場合の10kPa押圧時の厚みのひずみ量に対する
比(低温影響指数)が0.8以上である必要がある。
0.8に至らない場合、温度低下により氷結して変形す
ることができない状態になることを示しており、衝撃吸
収機能が損なわれている。従って、上記の低温影響指数
は0.8以上が必要で、0.9以上が好ましく、1に限
りなく近いことが理想的である。
の位置になるよう没した状態で30分保持する浸漬処理
を実施した後、氷点下10℃の状態で8時間保持する低
温処理を実施した場合の10kPa押圧時の厚みのひず
み量について、浸漬処理を実施しないで低温処理を実施
した場合の10kPa押圧時の厚みのひずみ量に対する
比(低温影響指数)が0.8以上である必要がある。
0.8に至らない場合、温度低下により氷結して変形す
ることができない状態になることを示しており、衝撃吸
収機能が損なわれている。従って、上記の低温影響指数
は0.8以上が必要で、0.9以上が好ましく、1に限
りなく近いことが理想的である。
【0036】上記の特性を得る構造の一つとして熱可塑
性弾性樹脂による複数の螺旋状の線条が交互の融着によ
り接点を形成した立体的な網状構造が望ましい。この場
合、線条の断面は中空、中実の何れでもよく、その形状
も丸や矩形、扁平などの異形、「井」型、轡十文字など
が考えられるが、残留水分を考慮すると表面積が小さい
丸型で内部に空洞を設けることが有利である。
性弾性樹脂による複数の螺旋状の線条が交互の融着によ
り接点を形成した立体的な網状構造が望ましい。この場
合、線条の断面は中空、中実の何れでもよく、その形状
も丸や矩形、扁平などの異形、「井」型、轡十文字など
が考えられるが、残留水分を考慮すると表面積が小さい
丸型で内部に空洞を設けることが有利である。
【0037】線条の外径は嵩密度によるが0.1〜5m
mが適当である。外径が0.1mmより細いと線条間の
距離が小さくなり、毛細管現象により急激に水分を保持
し易くなる。また、外径が5mmより大きいと構造が荒
くなり、衝撃吸収機能が低下する場合がある。従って、
線条の外径は0.1〜5mmで設定することが望まし
い。
mが適当である。外径が0.1mmより細いと線条間の
距離が小さくなり、毛細管現象により急激に水分を保持
し易くなる。また、外径が5mmより大きいと構造が荒
くなり、衝撃吸収機能が低下する場合がある。従って、
線条の外径は0.1〜5mmで設定することが望まし
い。
【0038】なお、熱可塑性弾性樹脂を用いた上記の構
造の場合、静的な圧縮弾性率は凡そ下記の式(1)より
求まるので、この式を用いて吸収エネルギーを見積もっ
た上、設計することが好ましい。
造の場合、静的な圧縮弾性率は凡そ下記の式(1)より
求まるので、この式を用いて吸収エネルギーを見積もっ
た上、設計することが好ましい。
【0039】
【数1】
【0040】このような緩衝材を支持具に設置して防護
壁にする。緩衝材の状態は1層あるいは複数層重ね合わ
せた平板状のままで使用することが最も簡単でよいが、
筒状に巻き、更に筒状の中空を緩衝機能発現の変形空間
にすることも考えられる。また、これらの組み合わせ
や、ロープなどを使用して変形空間を大きくする工夫を
実施してもよく、衝撃緩衝の目的に応じた緩衝壁を設計
する必要がある。
壁にする。緩衝材の状態は1層あるいは複数層重ね合わ
せた平板状のままで使用することが最も簡単でよいが、
筒状に巻き、更に筒状の中空を緩衝機能発現の変形空間
にすることも考えられる。また、これらの組み合わせ
や、ロープなどを使用して変形空間を大きくする工夫を
実施してもよく、衝撃緩衝の目的に応じた緩衝壁を設計
する必要がある。
【0041】なお、緩衝材は屋外に長期間に渡って曝さ
れる場合、使用する熱可塑性樹脂に応じて耐光剤の添
加、暴露部分を塗装や側地で被覆するなどの耐久性の向
上を図ることが肝要である。
れる場合、使用する熱可塑性樹脂に応じて耐光剤の添
加、暴露部分を塗装や側地で被覆するなどの耐久性の向
上を図ることが肝要である。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例にて詳述する。なお、
本文中、及び、実施例中の評価は下記の方法にて行なっ
た。
本文中、及び、実施例中の評価は下記の方法にて行なっ
た。
【0043】(1)融点(Tm)および融点以下の吸熱
ピーク 島津製作所社製TA50、DSC50型示差熱分析計に
て昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から融点及
び吸熱ピーク温度を求めた。
ピーク 島津製作所社製TA50、DSC50型示差熱分析計に
て昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から融点及
び吸熱ピーク温度を求めた。
【0044】(2)溶液還元比粘度 樹脂濃度0.4g/dl(溶媒:フェノール/テトラク
ロロエタン=6/4)溶液のウベローゼ粘度管通過時間
を溶媒のみの通過時間で除した値(溶液相対粘度)より
1を減算し、その値を樹脂溶液濃度で除した値を溶液還
元比粘度として求めた。
ロロエタン=6/4)溶液のウベローゼ粘度管通過時間
を溶媒のみの通過時間で除した値(溶液相対粘度)より
1を減算し、その値を樹脂溶液濃度で除した値を溶液還
元比粘度として求めた。
【0045】(3)残留水分率 □50cmの試料を30分間、試料上面が水面より5c
mの位置になるように完全に浸漬し、自然落下のみの水
の滴下となるよう静かに取り出す浸漬処理直後の重量と
浸漬処理前重量の差を浸漬処理前重量で除した値を残留
水分率として求めた。
mの位置になるように完全に浸漬し、自然落下のみの水
の滴下となるよう静かに取り出す浸漬処理直後の重量と
浸漬処理前重量の差を浸漬処理前重量で除した値を残留
水分率として求めた。
【0046】(4)低温影響指数 タテ、ヨコ各50cmの試料を目合い15mmの金属メ
ッシュ上で冷凍庫などの冷凍設備内で氷点下10℃の状
態で8時間保持して低温処理する。また、浸漬処理は水
槽などで試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
水没させた状態で30分保持する。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量
ッシュ上で冷凍庫などの冷凍設備内で氷点下10℃の状
態で8時間保持して低温処理する。また、浸漬処理は水
槽などで試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
水没させた状態で30分保持する。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量
【0047】(5)曲げ弾性率 ASTM D−790に準拠した三点曲げ試験により曲
げ弾性率を求めた。
げ弾性率を求めた。
【0048】実施例1 ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールおよ
び数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレン)グ
リコールに少量の触媒、抗酸化剤を添加し、常法により
エステル交換反応を行わせた後、昇温減圧下で縮重合さ
せて得た溶液還元比粘度1.9dl/gの熱可塑性弾性
樹脂(ポリブチレンテレフタレート/ポリ(テトラメチ
レン)グリコール≒60重量%/40重量%、Tm≒2
08℃、曲げ弾性率110MPa)を溶融状態(樹脂温
度約225℃)で複数のオリフィス(孔径φ1mm、孔
間ピッチ6mm−千鳥配列、厚さ方向13列、幅方向1
70/171列)より単孔1.0g/分で鉛直方向に吐
出させて複数の溶融状態の線条をオリフィス鉛直下約3
0cm下に配された冷却水上で線条の線速度より充分遅
く引取ることによって螺旋を形成させる。なお、冷却水
を配した所には幅150cmの平行な一対のステンレス
製エンドレスネットの引取り機構を設けており、この引
取り機構により螺旋の線条が溶融状体で交互に融着させ
て後、冷却することで厚さ5cm、幅100cm、そし
て、切断により長さ100cmの嵩密度100kg/m
3 の網状構造物を得た。
び数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレン)グ
リコールに少量の触媒、抗酸化剤を添加し、常法により
エステル交換反応を行わせた後、昇温減圧下で縮重合さ
せて得た溶液還元比粘度1.9dl/gの熱可塑性弾性
樹脂(ポリブチレンテレフタレート/ポリ(テトラメチ
レン)グリコール≒60重量%/40重量%、Tm≒2
08℃、曲げ弾性率110MPa)を溶融状態(樹脂温
度約225℃)で複数のオリフィス(孔径φ1mm、孔
間ピッチ6mm−千鳥配列、厚さ方向13列、幅方向1
70/171列)より単孔1.0g/分で鉛直方向に吐
出させて複数の溶融状態の線条をオリフィス鉛直下約3
0cm下に配された冷却水上で線条の線速度より充分遅
く引取ることによって螺旋を形成させる。なお、冷却水
を配した所には幅150cmの平行な一対のステンレス
製エンドレスネットの引取り機構を設けており、この引
取り機構により螺旋の線条が溶融状体で交互に融着させ
て後、冷却することで厚さ5cm、幅100cm、そし
て、切断により長さ100cmの嵩密度100kg/m
3 の網状構造物を得た。
【0049】実施例2 ポリエチレン(三井石油化学社製、ミラソンNo.17)
である熱可塑性樹脂(Tm≒120℃、曲げ弾性率20
0MPa)を溶融状態(樹脂温度約145℃)であるこ
と以外は実施例1と同様にして厚さ5cm、幅100c
m、そして、切断により長さ100cmの嵩密度100
kg/m3 の網状構造物を得た。
である熱可塑性樹脂(Tm≒120℃、曲げ弾性率20
0MPa)を溶融状態(樹脂温度約145℃)であるこ
と以外は実施例1と同様にして厚さ5cm、幅100c
m、そして、切断により長さ100cmの嵩密度100
kg/m3 の網状構造物を得た。
【0050】比較例1 溶液還元比粘度0.9dl/gの主としてポリエチレン
テレフタレート(帝人社製、TR8580)である熱可
塑性樹脂(Tm≒255℃、曲げ弾性率3000MP
a)を溶融状態(樹脂温度約275℃)であること以外
は実施例1と同様にして厚さ5cm、幅100cm、そ
して、切断により長さ100cmの嵩密度100kg/
m3 の網状構造物を得た。
テレフタレート(帝人社製、TR8580)である熱可
塑性樹脂(Tm≒255℃、曲げ弾性率3000MP
a)を溶融状態(樹脂温度約275℃)であること以外
は実施例1と同様にして厚さ5cm、幅100cm、そ
して、切断により長さ100cmの嵩密度100kg/
m3 の網状構造物を得た。
【0051】比較例2 溶液還元比粘度0.9dl/gの主としてポリエチレン
テレフタレート(帝人社製、TR8580)である熱可
塑性樹脂(Tm≒255℃、曲げ弾性率3000MP
a)を溶融状態(樹脂温度約270〜285℃)で押出
す際に押出し機途中のベント口より樹脂100重量部に
対して、1.5重量部のテトラフルオロエタンを圧入
し、これを厚さ方向2.5mm、幅方向700mmのス
リットから押出した。押出された樹脂は直ぐに発泡する
ので、これを厚さ方向5cm、幅方向120cm、冷却
区間50cm(外周より冷却水を浴びせて、20〜35
℃に保持)を滑らせながら引取り、厚さ5cm、幅10
0cm、切断による長さ100cmの嵩密度100kg
/m3 の独立気泡を内包したセルが相互に密着した構造
体を得た。
テレフタレート(帝人社製、TR8580)である熱可
塑性樹脂(Tm≒255℃、曲げ弾性率3000MP
a)を溶融状態(樹脂温度約270〜285℃)で押出
す際に押出し機途中のベント口より樹脂100重量部に
対して、1.5重量部のテトラフルオロエタンを圧入
し、これを厚さ方向2.5mm、幅方向700mmのス
リットから押出した。押出された樹脂は直ぐに発泡する
ので、これを厚さ方向5cm、幅方向120cm、冷却
区間50cm(外周より冷却水を浴びせて、20〜35
℃に保持)を滑らせながら引取り、厚さ5cm、幅10
0cm、切断による長さ100cmの嵩密度100kg
/m3 の独立気泡を内包したセルが相互に密着した構造
体を得た。
【0052】比較例3 ベンジリックエーテル型フェノール樹脂(約14重量
%)とエチレンジアミン系ポリオール(約30重量%)
と有機スズ系ウレタン化触媒ならびに分子中にイソシア
ネート基と反応する官能基を有する三級アミン系ウレタ
ン化触媒(併せて約2重量%)とシリコン系発泡剤と水
(併せて約1重量%)の予備攪拌物にポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート(約53重量%)を加えた後に
激しく攪拌して発泡装置を以て発泡した厚さ5cm、幅
100cm、長さ100cmの嵩密度100kg/m3
のフォーム材を得た。
%)とエチレンジアミン系ポリオール(約30重量%)
と有機スズ系ウレタン化触媒ならびに分子中にイソシア
ネート基と反応する官能基を有する三級アミン系ウレタ
ン化触媒(併せて約2重量%)とシリコン系発泡剤と水
(併せて約1重量%)の予備攪拌物にポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート(約53重量%)を加えた後に
激しく攪拌して発泡装置を以て発泡した厚さ5cm、幅
100cm、長さ100cmの嵩密度100kg/m3
のフォーム材を得た。
【0053】下記に記載する実施例1〜2ならびに比較
例1〜3により得た試料に関して評価を実施した結果を
表1に記載する。
例1〜3により得た試料に関して評価を実施した結果を
表1に記載する。
【0054】
【表1】
【0055】10kPa圧縮ひずみは緩衝機能をは圧縮
ひずみは緩衝機能性を示す指標であり、ひずみ量が大き
いほど、所謂クッション性が良好であることを示す。し
かも、適度なひずみ量が望まれる。なお、10kPaは
体重50kg位の人が立位状態の時に足下で生じる圧力
に相当する。更に、浸漬処理有りの10kPa圧縮ひず
みは模擬的な氷結するような環境下でのクッション性を
示すもので、これが浸漬処理のない状態に近いほど良好
であることを示し、また、10kPa圧縮の繰返しによ
っても変化が少ないことがその状態を維持できているこ
とを示す。実施例1、2は本発明に該当する緩衝材であ
るのでクッション性が良好であり、しかも、圧縮を繰返
し実施しても変化がないこと示している。これは網状構
造なので残留水分が少ないので、低温環境の影響が認め
られず、常に良好なクッション性が得られることを示し
ている。特に、実施例1は熱可塑性弾性樹脂を用いてい
るので繰返して使用できる期間が長いことを示してい
る。
ひずみは緩衝機能性を示す指標であり、ひずみ量が大き
いほど、所謂クッション性が良好であることを示す。し
かも、適度なひずみ量が望まれる。なお、10kPaは
体重50kg位の人が立位状態の時に足下で生じる圧力
に相当する。更に、浸漬処理有りの10kPa圧縮ひず
みは模擬的な氷結するような環境下でのクッション性を
示すもので、これが浸漬処理のない状態に近いほど良好
であることを示し、また、10kPa圧縮の繰返しによ
っても変化が少ないことがその状態を維持できているこ
とを示す。実施例1、2は本発明に該当する緩衝材であ
るのでクッション性が良好であり、しかも、圧縮を繰返
し実施しても変化がないこと示している。これは網状構
造なので残留水分が少ないので、低温環境の影響が認め
られず、常に良好なクッション性が得られることを示し
ている。特に、実施例1は熱可塑性弾性樹脂を用いてい
るので繰返して使用できる期間が長いことを示してい
る。
【0056】一方、比較例1は実施例1〜2と同一構造
であるのが、熱可塑性弾性樹脂の弾性率が高いため、適
度な変形が得られず、クッション性が適当でない。低温
環境の影響は認められないが、剛性が大きいので繰返し
て押圧すると破壊してしまう。
であるのが、熱可塑性弾性樹脂の弾性率が高いため、適
度な変形が得られず、クッション性が適当でない。低温
環境の影響は認められないが、剛性が大きいので繰返し
て押圧すると破壊してしまう。
【0057】また、比較例2は実施例1〜2と構造が異
なるが、熱可塑性弾性樹脂の弾性率が高いため、適度な
変形が得られず、クッション性が適当でない。なお、残
留水分率が小さいため、低温環境の影響は少ない。
なるが、熱可塑性弾性樹脂の弾性率が高いため、適度な
変形が得られず、クッション性が適当でない。なお、残
留水分率が小さいため、低温環境の影響は少ない。
【0058】更に、比較例3は軟質の熱硬化系の樹脂を
使用しているので適当なクッション性が得られるが、実
施例1〜2及び比較例1、ならびに比較例2とも構造が
異なるため残留水分率が高く、低温環境下で著しい緩衝
機能の低下が認められる。
使用しているので適当なクッション性が得られるが、実
施例1〜2及び比較例1、ならびに比較例2とも構造が
異なるため残留水分率が高く、低温環境下で著しい緩衝
機能の低下が認められる。
【0059】実施例3〜4、比較例4〜6 ポリエステル製メッシュシート(東洋紡績社製「アロー
キャッチ」)を縫製した袋内に実施例1〜2ならびに比
較例1〜3で得た緩衝素材を各々挿入しシート状緩衝材
を得た。このシート状緩衝材を先に記した浸漬処理後、
低温処理を行なった直後に床上に設置し、これに卵(L
サイズ、重量64〜69g)を高さ50cmより10回
落下させ、卵の破壊した回数の割合で衝撃吸収がなされ
たかを確認した結果を表2に示す。
キャッチ」)を縫製した袋内に実施例1〜2ならびに比
較例1〜3で得た緩衝素材を各々挿入しシート状緩衝材
を得た。このシート状緩衝材を先に記した浸漬処理後、
低温処理を行なった直後に床上に設置し、これに卵(L
サイズ、重量64〜69g)を高さ50cmより10回
落下させ、卵の破壊した回数の割合で衝撃吸収がなされ
たかを確認した結果を表2に示す。
【0060】
【表2】 このように、本発明の緩衝材とこれを用いた緩衝材は低
温環境下の氷結などによる緩衝機能の低下が少なく、優
れていることが分かった。
温環境下の氷結などによる緩衝機能の低下が少なく、優
れていることが分かった。
【0061】
【発明の効果】本発明の緩衝材は低温環境下の氷結など
による緩衝機能の低下が少ないので屋内外に関わらずレ
ジャー、スポーツなどの施設や危険区域との物理的分離
が必要な空間に対する障壁などに緩衝材として環境に影
響されることなく適用できる。
による緩衝機能の低下が少ないので屋内外に関わらずレ
ジャー、スポーツなどの施設や危険区域との物理的分離
が必要な空間に対する障壁などに緩衝材として環境に影
響されることなく適用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】曲げ弾性率が30〜800MPaの熱可塑
性樹脂からなり、嵩密度が25〜300kg/m3 で厚
みが3cm以上のシート状物であり、低温影響指数が
0.8以上である緩衝材。 低温影響指数=S1/S0 S0:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直後
の10kPa押圧時の厚み方向のひずみ量 S1:氷点下10℃の状態で8時間保持の低温処理直
後、更に試料の上面が水面より5cmの位置になるよう
没した状態で30分保持した直後の厚み方向のひずみ量 - 【請求項2】前記緩衝材が熱可塑性弾性樹脂の曲がった
複数の線条が交互の融着により接点を形成した立体的な
網状構造である請求項1に記載の緩衝材。 - 【請求項3】請求項1〜2に記載の緩衝材を用いた防護
壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000017153A JP2001206957A (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 緩衝材及びそれを用いた防護壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000017153A JP2001206957A (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 緩衝材及びそれを用いた防護壁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001206957A true JP2001206957A (ja) | 2001-07-31 |
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ID=18544183
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---|---|---|---|
JP2000017153A Withdrawn JP2001206957A (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 緩衝材及びそれを用いた防護壁 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001206957A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004065912A (ja) * | 2002-08-05 | 2004-03-04 | Biotech One Inc | 外用骨固定材およびその製造方法 |
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2000
- 2000-01-26 JP JP2000017153A patent/JP2001206957A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004065912A (ja) * | 2002-08-05 | 2004-03-04 | Biotech One Inc | 外用骨固定材およびその製造方法 |
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