JP2001206882A - 環状アセタール誘導体 - Google Patents

環状アセタール誘導体

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JP2001206882A
JP2001206882A JP2000017322A JP2000017322A JP2001206882A JP 2001206882 A JP2001206882 A JP 2001206882A JP 2000017322 A JP2000017322 A JP 2000017322A JP 2000017322 A JP2000017322 A JP 2000017322A JP 2001206882 A JP2001206882 A JP 2001206882A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】臭気や毒性がほとんどなく、保存安定性および
使用時の安定性に優れ、かつPVA、エチレン−ビニル
アルコール共重合体などの水酸基含有ポリマーとの良好
な相溶性を有し、架橋剤として有用な環状アセタール誘
導体を提供すること。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、R2
よびR3は一般式(II) 【化2】 (式中、R4は水素原子またはアルキル基を表し、k1
2およびk3のうちいずれか一つは1または2を表し、
残る二つのうちいずれか一つは0または1を表し、残る
一つは1を表す。また、*印を付した原子は一般式
(I)中の炭素鎖と結合する炭素原子を表す。)で示さ
れる環状アセタール構造を含む官能基を表し、mは5〜
7の整数を表す。)で示される環状アセタール誘導体を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な環状アセタ
ール誘導体に関する。本発明によって得られる環状アセ
タール誘導体は、例えばポリビニルアルコール(以下、
PVAと略称する)、エチレン−ビニルアルコール共重
合体などの水酸基含有ポリマーと良好な相溶性を有して
いるため、架橋剤として利用した場合、その水酸基含有
ポリマーに高い耐水性、耐熱性を付与することができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、PVA、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体などの水酸基含有ポリマーの架橋剤とし
て、ホルムアルデヒドなどのモノアルデヒド化合物;グ
リオキサール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒ
ド、ノナンジアールなどのジアルデヒド化合物が知られ
ている(例えば特公昭25−3945号公報、特公昭2
9−6145号公報、特開平3−174015号公報参
照)。しかしながら、前記のモノアルデヒド化合物およ
びジアルデヒド化合物は、独特の臭気を有しており、毒
性がある上、空気中の酸素で容易に酸化されるため、保
存時および使用時の安定性が悪いという問題点を有して
いる。この問題点を解決するために、テトラメトキシプ
ロパン、テトラメトキシノナンなどのジアセタール化合
物;1,7−ビス(1,3−ジオキソラン−2−イル)
ヘプタンなどの環状アセタール化合物が使用されており
(例えば特開平9−132816号公報、特開平10−
218876号公報参照)、中でも、テトラメトキシノ
ナン、1,7−ビス(1,3−ジオキソラン−2−イ
ル)ヘプタンなどの長い炭素鎖を有する化合物は、使用
時の安定性が優れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような長い炭素鎖を有するジアセタール化合物または環
状アセタール化合物は疎水性が強いため、親水性の強い
PVA、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの水
酸基含有ポリマーとの相溶性が低く、混合の際にこれら
のポリマーと分離する傾向にあり、その結果として組成
物の内部まで均一に架橋することが難しいという問題点
を抱えていた。しかして、本発明の目的は、臭気や毒性
がほとんどなく、保存時および使用時の安定性に優れ、
かつ水酸基含有ポリマーとの良好な相溶性を有してお
り、架橋剤として有用な環状アセタール誘導体を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1は水素原子またはアルキル基
を表し、R2およびR3は一般式(II)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R4は水素原子またはアルキル基
を表し、k1、k2およびk3のうちいずれか一つは1ま
たは2を表し、残る二つのうちいずれか一つは0または
1を表し、残る一つは1を表す。また、*印を付した原
子は一般式(I)中の炭素鎖と結合する炭素原子を表
す。)で示される環状アセタール構造を含む官能基を表
し、mは5〜7の整数を表す。)で示される環状アセタ
ール誘導体(以下、環状アセタール(I)と略称する)
を提供することにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。上記の一般式(I)および一般式(II)におい
て、R1およびR4が表すアルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基が
好ましい。
【0010】一般式(I)中のR2およびR3は、同じで
あってもよいし、異なっていてもよい。これらが表す一
般式(II)で示される環状アセタール構造を含む官能
基としては、例えば4−ヒドロキシメチル−1,3−ジ
オキソラン−2−イル基、4−ヒドロキシエチル−1,
3−ジオキソラン−2−イル基などの1,3−ジオキソ
ラン環を含む官能基;5−ヒドロキシ−1,3−ジオキ
サン−2−イル基、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジ
オキサン−2−イル基、5−ヒドロキシメチル−1,3
−ジオキサン−2−イル基、5−ヒドロキシメチル−5
−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル基、5−エチ
ル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−
イル基などの1,3−ジオキサン環を含む官能基;5−
ヒドロキシ−1,3−ジオキセパン−2−イル基などの
1,3−ジオキセパン環を含む官能基が挙げられる。
【0011】以下に、環状アセタール(I)の代表例を
示す。
【0012】1,7−ビス(4−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0013】
【化5】
【0014】1,7−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−
ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0015】
【化6】
【0016】1−(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサ
ン−2−イル)−7−(4−ヒドロキシメチル−1,3
−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0017】
【化7】
【0018】1,6−ビス(4−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0019】
【化8】
【0020】1,6−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−
ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0021】
【化9】
【0022】1−(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサ
ン−2−イル)−6−(4−ヒドロキシメチル−1,3
−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0023】
【化10】
【0024】6−(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサ
ン−2−イル)−1−(4−ヒドロキシメチル−1,3
−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0025】
【化11】
【0026】1,8−ビス(5−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキサン−2−イル)オクタン。
【0027】
【化12】
【0028】1,7−ビス(5−ヒドロキシメチル−5
−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0029】
【化13】
【0030】1,7−ビス(5−エチル−5−ヒドロキ
シメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0031】
【化14】
【0032】1,6−ビス(5−ヒドロキシメチル−5
−メチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0033】
【化15】
【0034】1,6−ビス(5−エチル−5−ヒドロキ
シメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0035】
【化16】
【0036】1,7−ビス(4−ヒドロキシエチル−
1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0037】
【化17】
【0038】1,7−ビス(4−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0039】
【化18】
【0040】1,7−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−
ジオキセパン−2−イル)ヘプタン。
【0041】
【化19】
【0042】1−(4−ヒドロキシエチル−1,3−ジ
オキソラン−2−イル)−7−(4−ヒドロキシメチル
−1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0043】
【化20】
【0044】1−(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキセ
パン−2−イル)−7−(4−ヒドロキシエチル−1,
3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン。
【0045】
【化21】
【0046】1−(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキセ
パン−2−イル)−7−(4−ヒドロキシメチル−1,
3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン。
【0047】
【化22】
【0048】環状アセタール(I)は、例えば一般式
(III)
【0049】
【化23】
【0050】(式中、R1およびmは前記定義のとおり
である。)で示される脂肪族ジアルデヒド(以下、ジア
ルデヒド(III)と略称する)を、酸性物質の存在下
に一般式(IV)
【0051】
【化24】
【0052】(式中、R4、k1、k2およびk3は前記定
義のとおりである。)で示される脂肪族トリオール(以
下、トリオール(IV)と略称する)とアセタール化反
応させることにより調製することができる。
【0053】ジアルデヒド(III)の具体例として
は、1,8−オクタンジアール、1,9−ノナンジアー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジアール、1,10
−デカンジアールなどが挙げられる。これらのうち1種
を用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。
【0054】トリオール(IV)の具体例としては、グ
リセリン、1,2,4−ブタントリオール、2−(ヒド
ロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられ
る。これらのうち1種を用いてもよいし2種以上を混合
して用いてもよい。トリオール(IV)の使用量に特に
制限はないが、通常ジアルデヒド(III)1モルに対
して2〜100モルの範囲であることが好ましく、2〜
10モルの範囲であることがより好ましい。トリオール
(IV)の使用量が上記の範囲にあるとき、環状アセタ
ール(I)が高収率で得られ、かつ製造コストが低く抑
えられる。
【0055】酸性物質としては、例えば塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸などの
カルボン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸などのスルホン酸;p−トルエンスルホン酸ピリジ
ニウムなどのスルホン酸塩;塩化アンモニウムなどの塩
類;塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのルイス酸;酸性
イオン交換樹脂;活性白土、酸性白土などの固体酸など
が使用される。酸性物質の使用量に特に制限はないが、
酸性物質が無機酸、カルボン酸、スルホン酸またはその
塩、塩類、ルイス酸などの場合には、その使用量は通常
ジアルデヒド(III)1モルに対して0.0001〜
1モルの範囲であることが好ましい。酸性物質の使用量
が上記の範囲にあるとき、アセタール化の反応速度が高
く保たれ、副反応が抑制され、かつ製造コストが低く抑
えられるという利点がある。また酸性物質が酸性イオン
交換樹脂、または固体酸の場合には、その使用量は通常
ジアルデヒド(III)1モルに対して0.1〜100
gの範囲であることが好ましい。酸性物質の使用量が上
記の範囲にあるとき、前記の利点の他に、反応後に酸性
物質が容易に除去されるという利点がある。
【0056】アセタール化反応は、溶媒の存在下または
不存在下に行うことができる。使用できる溶媒として
は、反応に悪影響を与えない限り特に制限はなく、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ルなどのエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル;クロロホルム、塩化メチレン、四塩
化炭素などのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。溶
媒の使用量に特に制限はないが、通常ジアルデヒド(I
II)1重量部に対して、1〜100重量部の範囲であ
ることが好ましい。溶媒の使用量が上記の範囲にあると
き、製造コストが低く抑えられる。
【0057】アセタール化反応は、通常0〜150℃の
範囲の温度で行われる。ただし、沸点が150℃より低
い溶媒を使用する場合には、アセタール化反応は0℃か
らその溶媒の沸点までの範囲の温度で行われる。温度が
上記の範囲にあるとき、アセタール化の反応速度が高く
保たれ、かつ副反応が抑制される。
【0058】アセタール化反応は、ジアルデヒド(II
I)、トリオール(IV)、酸性物質、および溶媒を使
用する場合には溶媒を混合し、所定温度で攪拌すること
により行われる。反応時間は、反応温度その他の反応条
件により変化するが、通常10分から30時間の範囲で
ある。この際に、アセタール化反応に伴い生成する水を
反応系から除去することが好ましい。水を除去すること
により、環状アセタール(I)を高収率で得ることがで
きる。水を除去する方法としては、水と共沸する溶媒を
用いて共沸脱水する方法、モレキュラーシーブスなどの
脱水剤を用いて脱水する方法などが挙げられる。共沸脱
水により水を除去する場合、炭化水素などの水に対する
溶解性が低い溶媒を用いることが好ましい。このような
溶媒を用いることにより、共沸脱水により回収された水
と溶媒の混合物を容易に分別することができる。また、
アセタール化反応は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス
下で行われてもよい。
【0059】このようにして得られた環状アセタール
(I)は、そのまま使用してもよいし、また通常の有機
反応において用いられる方法で単離・精製してその純度
を高めてから使用してもよい。単離・精製の方法として
は、反応混合物に塩基性化合物を添加して減圧蒸留する
方法、反応混合物に塩基性化合物を添加して薄膜蒸留す
る方法、カラムクロマトグラフィーを用いる方法などが
挙げられる。上記の塩基性化合物の具体例としては、ナ
トリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのナト
リウムアルコラート;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどの金属水酸化物;ジエチルアミン、トリオクチル
アミンなどのアミンなどが挙げられる。また、酸性イオ
ン交換樹脂または固体酸を酸性物質として用いた場合
は、単離・精製の方法として、反応混合物を濾過するな
どして酸性物質を除去した後、引き続き前記と同様の単
離・精製を行う方法などが挙げられる。なお、上記のよ
うな単離・精製により得られる物質は、複数の環状アセ
タール(I)の異性体の混合物になり得る。例えば、ジ
アルデヒド(III)として1,9−ノナンジアール、
トリオール(IV)としてグリセリンを用いた場合、生
成し得る環状アセタール(I)は、1,7−ビス(4−
ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)
ヘプタン、1,7−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−ジ
オキサン−2−イル)ヘプタンおよび1−(5−ヒドロ
キシ−1,3−ジオキサン−2−イル)−7−(4−ヒ
ドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘ
プタンの3種となる。これらの環状アセタール(I)の
異性体の混合物は、用途に応じて混合物のまま使用して
もよいし、またそれぞれの異性体を高速液体クロマトグ
ラフィーを用いる方法などによってさらに分離して使用
してもよい。
【0060】このようにして得られた環状アセタール
(I)は、アセタール部分を反応点として水酸基含有ポ
リマーの架橋に用いることができる。例えば、まず、水
酸基含有ポリマーと環状アセタール(I)を溶融混練な
どの方法で混合し、次いで硫酸などの酸を用いて処理す
ることにより、架橋された水酸基含有ポリマーの組成物
が得られる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0062】実施例1 反応器に1,9−ノナンジアール12.6g、グリセリ
ン15.6g、トルエン50gおよび硫酸0.5gを仕
込み、Dean−Stark脱水管を着け、111℃で
2時間加熱還流脱水させた。得られた反応液にナトリウ
ムメチラート(28%メタノール溶液)0.2gを加
え、薄膜蒸留にて精製し、1,7−ビス(4−ヒドロキ
シメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタ
ン、1,7−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサ
ン−2−イル)ヘプタンおよび1−(5−ヒドロキシ−
1,3−ジオキサン−2−イル)−7−(4−ヒドロキ
シメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン
の混合物12.8gを得た。この混合物の物性を以下に
示す。
【0063】1H−NMRスペクトル(270MHz) δ(ppm in CDCl3 : TMS):1.15〜1.70(m,14H),3.27〜
4.18(m,10H),4.38〜4.98(m,4H)
【0064】実施例2 反応器に1,9−ノナンジアール10g、グリセリン1
4.9g、ベンゼン14gおよび活性白土1gを仕込
み、Dean−Stark脱水管を着け、80℃で1時
間加熱還流脱水させた。得られた反応液にナトリウムメ
チラート(28%メタノール溶液)0.2gを加え、薄
膜蒸留にて精製し、1,7−ビス(4−ヒドロキシメチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタン、1,
7−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサン−2−
イル)ヘプタンおよび1−(5−ヒドロキシ−1,3−
ジオキサン−2−イル)−7−(4−ヒドロキシメチル
−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタンの混合物
13.5gを得た。この混合物の物性は実施例1で得ら
れた混合物の物性と一致した。
【0065】実施例3 反応器に2−メチル−1,8−オクタンジアール50
g、グリセリン61.9g、トルエン200gおよび硫
酸2gを仕込み、Dean−Stark脱水管を着け、
111℃で4時間加熱還流脱水させた。得られた反応液
にナトリウムメチラート(28%メタノール溶液)0.
8gを加え、薄膜蒸留にて精製し、1,6−ビス(4−
ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)
ヘプタン、1,6−ビス(5−ヒドロキシ−1,3−ジ
オキサン−2−イル)ヘプタン、1−(5−ヒドロキシ
−1,3−ジオキサン−2−イル)−6−(4−ヒドロ
キシメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)ヘプタ
ンおよび6−(5−ヒドロキシ−1,3−ジオキサン−
2−イル)−1−(4−ヒドロキシメチル−1,3−ジ
オキソラン−2−イル)ヘプタンの混合物47.2gを
得た。この混合物の物性を以下に示す。
【0066】1H−NMRスペクトル(270MHz) δ(ppm in CDCl3 : TMS):0.82〜0.94(m,3H),1.11〜
1.75(m,11H),3.27〜4.15(m,10H),4.20〜4.98(m,4H)
【0067】実施例4 反応器に1,10−デカンジアール17g、2−(ヒド
ロキシメチル)−1,3−プロパンジオール23.3
g、トルエン100gおよびp−トルエンスルホン酸
0.17gを仕込み、Dean−Stark脱水管を着
け、111℃で2.5時間加熱還流脱水させた。得られ
た反応液にナトリウムメチラート(28%メタノール溶
液)2gを加え、薄膜蒸留にて精製し、下記の物性を有
する1,8−ビス(5−ヒドロキシメチル−1,3−ジ
オキサン−2−イル)オクタン22.5gを得た。
【0068】1H−NMRスペクトル(270MHz) δ(ppm in CDCl3 : TMS):1.16〜1.72(m,18H),3.60〜
4.18(m,12H),4.41〜4.85(m,4H)
【0069】参考例1 A.エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EV
OHと略称する。エチレンmol%:44%)50gと
実施例1で得られた反応混合物(以下、アセタールaと
略称する)10g(EVOH/アセタールa=83.3
/16.7、重量比)をプラストミルを用いて200℃
にて15分間混練した。得られた樹脂組成物を熱プレス
した後、液体窒素中で破断し、破断面をトルエンで洗浄
してアセタールaを溶出させてSEM観察したところ、
溶出痕は見られなかった。また、混練後のEVOHとア
セタールaの重量比は83.8/16.2で、混練中の
揮散および飛散により失われたアセタールaは、仕込み
量の4%であった。 B.上記のAで用いたものと同じEVOH50gと1,
7−ビス(1,3−ジオキサン−2−イル)ヘプタン
(以下、アセタールbと略称する)10g(EVOH/
アセタールb=83.3/16.7、重量比)をプラス
トミルを用いて200℃にて15分間混練した。得られ
た樹脂組成物を熱プレスした後、液体窒素中で破断し、
破断面をトルエンで洗浄してアセタールbを溶出させて
SEM観察したところ、50〜100μmの粒径の溶出
痕が見られた。また、混練後のEVOHとアセタールb
の重量比は90.2/9.8で、混練中の揮散および飛
散により失われたアセタールbは、仕込み量の46%で
あった。
【0070】参考例1の結果から、本発明の環状アセタ
ール誘導体の一つであるアセタールaはEVOHと均一
に混合しており、従来の環状アセタール化合物であるア
セタールbと比較すると、EVOHとの相溶性に優れて
いることがわかる。また、アセタールaはアセタールb
に比較して、混練中の揮散および飛散が少なく、これは
両者のEVOHとの相溶性の差異によるものと考えられ
る。
【0071】参考例2 参考例1のAで得られた、EVOHおよびアセタールa
を含む樹脂組成物の熱プレスシート(重量20g)を、
バットに注いだ希硫酸(pH=2)に浸漬させ、温度を
70℃に保って40分間静置した。その後、流水で3分
間洗浄し、さらに80℃、20mmHgで16時間減圧
乾燥した。得られたシートは100℃に加熱したジメチ
ルスルホキシドに不溶であり、内部まで均一に架橋され
ていることが確認された。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、臭気や毒性がほとんど
なく、保存安定性および使用時の安定性に優れ、かつ水
酸基含有ポリマーとの良好な相溶性を有し、架橋剤とし
て有用な環状アセタール誘導体を提供することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはアルキル基を表し、R2
    よびR3は一般式(II) 【化2】 (式中、R4は水素原子またはアルキル基を表し、k1
    2およびk3のうちいずれか一つは1または2を表し、
    残る二つのうちいずれか一つは0または1を表し、残る
    一つは1を表す。また、*印を付した原子は一般式
    (I)中の炭素鎖と結合する炭素原子を表す。)で示さ
    れる環状アセタール構造を含む官能基を表し、mは5〜
    7の整数を表す。)で示される環状アセタール誘導体。
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