JP2001205817A - ワイパデブリコレクタおよびトランザクションプリント装置 - Google Patents

ワイパデブリコレクタおよびトランザクションプリント装置

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JP2001205817A JP2000391922A JP2000391922A JP2001205817A JP 2001205817 A JP2001205817 A JP 2001205817A JP 2000391922 A JP2000391922 A JP 2000391922A JP 2000391922 A JP2000391922 A JP 2000391922A JP 2001205817 A JP2001205817 A JP 2001205817A
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体化されたインクジェットプリントヘッド
およびワイパデブリコレクタを備える使い捨て式プリン
トヘッドカートリッジを提供する。 【解決手段】 一定以下の幅寸法を有するベース14
と、該ベースに連結され、前記幅寸法に沿った移動経路
に沿って直線移動するために搭載され、プリントヘッド
カートリッジ26の下から支持して、一定幅寸法を有す
るトランザクションレシートへのインクの噴射を促進す
るよう採寸されるプリントヘッドカートリッジストール
30と、を備え、前記プリントヘッドカートリッジは、
略箱様形状を有するカートリッジ本体34と、前記イン
ク供給と液通して、前記カートリッジ本体内に収容され
るインクを噴射するプリントヘッド47と、前記カート
リッジ本体の前記前壁部材から前記プリントヘッドの間
隔をあけると共に、一対のワイパデブリコレクタを画定
する、前記前壁部材に一体的に連結され、外向きに突出
したボス36と、を備える、トランザクションプリント
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リントシステムおよびプリント方法に関する。特に、本
発明は、使い捨て式プリントヘッドおよびワイパデブリ
コレクタを備えるインクジェットトランザクションプリ
ント装置およびトランザクションレシートのプリント方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的なインクジェット・プリント装置
は、通常、1つまたは複数のプリントヘッドをインク受
け表面に対して所望の向きに支持する移動キャリッジユ
ニットを備える。この点に関して、キャリッジユニット
がインク受け表面に隣接した直線の移動経路に沿って移
動する際に、プリントヘッドがインクをインク受け表面
に噴射して、所望のしるしを形成する。
【0003】このようなプリントヘッドは、通常、イン
クをインク受け表面に向けて噴射するための複数の小さ
なオリフィスを備えるオリフィス板を有する。これら小
さなノズルすなわち開口部に、またはその周囲に残留物
が蓄積されるため、多くのインクジェットプリント装置
は、吐出されたインク滴をキャップすると共に、拭き取
り、キャッチする、プリントヘッドを清潔に保つよう促
進するサービスステーションモジュールを備えている。
このようなプリントヘッドへサービスを提供する際に必
要な動作とは、かかる残留物の除去に利用されるワイパ
も周期的にクリーニングするよう確実にすることであ
る。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】このようなワイパのク
リーニングに対する従来の解決策としては、サービスス
テーションモジュール内にワイパクリーニングステーシ
ョンを設けるというものが挙げられる。この点に関し
て、ワイパクリーニングステーションが必要となるだけ
でなく、ワイパをクリーニングするために、特別なワイ
パクリーニング液も必要となる。このため、このような
ワイパクリーニングステーションは、意図した目的を満
足するものではあるが、ワイパクリーニングステーショ
ン部分は、プリント装置の寿命までもつよう要求され、
かつ特別なクリーニング液を提供しなければならないた
め、プリンタを動作させるコストを上げてしまう。
【0005】したがって、プリント装置の寿命までもつ
よう要求されず、かついかなる特別なクリーニング液を
も必要としない新規の改良されたインクジェットプリン
ト装置が非常に望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プリントおよ
びトランザクションプリント装置へサービス提供する、
一体化されたインクジェットプリントヘッドおよびワイ
パデブリコレクタを備える使い捨て式プリントヘッドカ
ートリッジを提供する。
【0007】添付図面と共に以下の本発明の実施形態の
説明を参照することで、本発明の上記特徴および該特徴
を得る方法がより明白となり、かつ本発明自体が最も良
く理解されよう。
【0008】
【発明の実施の形態】ここで、図1に、本発明により構
築されたトランザクションプリンタ10等のインクジェ
ットプリント装置を示す。トランザクションプリンタ1
0は、通常の商業的なトランザクションにおいて、レシ
ート等のプリントに利用されている。この点に関して、
トランザクションプリンタ10は、図1に示すトランザ
クションレシート12等、トランザクションレシートの
プリントに利用される消耗品を交換する目的のためだけ
に、操作者の介入を必要とする信頼性の高い様式で、使
いやすいように構築される。
【0009】次に、図1を参照してトランザクションプ
リンタ10についてより詳細に考慮する。プリンタ10
は、通常、用紙送出システム18およびインク送出シス
テム20を内部に支持するためのベース14を備える。
用紙送出システム18は、連続ロール用紙22をプリン
トゾーン24を通して移動させ、インクは、インク送出
システム20の部分を形成するプリントヘッドカートリ
ッジ26等、1つまたは複数の使い捨て式低プロファイ
ルインクジェットプリントヘッドカートリッジから用紙
22に噴射される。
【0010】図1に最もよく示すように、インク送出シ
ステム20は、プリントゾーン24に隣接した直線の移
動経路におけるスライドバー32に沿って移動するキャ
リッジカートリッジストール30の移動を制御するプリ
ントエンジン28を備える。また、プリントエンジン2
8は、カートリッジ26からのインクの噴射を制御し
て、トランザクションレシートの形成を促進する。キャ
リッジカートリッジストール30の移動制御様式、およ
びカートリッジ26からのインクの噴射様式は、インク
ジェットプリントの分野において既に知られているた
め、プリントエンジン28の詳細については、以下これ
以上詳細には説明しない。同様に、連続ロール用紙22
をプリントゾーン24を通して移動させる用紙送出シス
テム18もまた、衝撃式プリンターの分野では既に知ら
れているため、用紙送出システム18についてはこれ以
上詳細に説明しない。なお、カートリッジストール30
は、ブラックインクでのプリントのための単一カートリ
ッジ26、あるいはブラックおよび選択したカラーでの
プリントのための一対のカートリッジ26のいずれを収
容してもよい。
【0011】次に、図2を参照して、インクジェットプ
リントヘッドカートリッジ26についてより詳細に考慮
する。インクジェットプリントヘッドカートリッジ26
は、通常、インク供給を保持するための略中空の構造を
有するカートリッジ本体34を含む。この点に関して、
カートリッジ26に設けられるインク供給は、ブラッ
ク、あるいは例えばマゼンタ、シアン、またはイエロー
等のユーザが選択した色の速乾顔料インクである。
【0012】図2に最も良く示すように、カートリッジ
本体34は、後壁37と、上壁39と、底壁41と、一
対の側壁43および44それぞれと、前壁46とを含む
略箱様構造を有する。前壁46に一体形成され、かつそ
こから外側に突出するものは、下部リップ65において
終端する傾斜上壁71を有する前面部分36である。前
面部分36の下部は、より詳細に後述するように、イン
クジェットプリントヘッドワイパクリーニングステーシ
ョン45の画定を助ける。インクジェットプリントヘッ
ド47は、前面部分36の凹形溝エリア42内に搭載さ
れ、ワイパクリーニングステーション45の間に挟まれ
る。
【0013】プリントヘッド47の信頼性のある動作の
改良を助けるために、プリント装置10はまた、ワイパ
アセンブリ38と、ワイパ40とを備える。ワイパアセ
ンブリ38は、ワイパ40と、プリントヘッドカートリ
ッジ26との間に妨害物を設けるように、用紙送出シス
テム18に搭載される。この点に関して、その上部に形
成される微細に採寸されたオリフィス58(図7)のセ
ット上の、またはその周囲に蓄積された残留物をいずれ
も除去するために、プリントヘッド47にも妨害物が設
けられる。この点に関して、プリントヘッド47とのワ
イパ40の妨害物は、約0.25mmから約0.75m
mの間に設定される。より好ましい設定は、約0.35
mmから約0.60mmであり、最も好ましい設定は、
約0.50mmである。プリントヘッドカートリッジ2
6の前面部分36によって画定されるワイパクリーニン
グステーション45は、ワイパ40およびプリントヘッ
ド47が相対的に移動する都度、ワイパ40に蓄積され
たデブリを確実に除去する。
【0014】インク送出システム20はさらに、カート
リッジ本体34の内部内の中空スペースによって画定さ
れるチャンバ50内に担持されるスポンジ48を含む。
スポンジ48は、インク供給をカートリッジ本体34の
内部内に保持するためのものである。直立管(図示せ
ず)は、チャンバ50からプリントヘッド47にプリン
ト用液を搬送する。
【0015】次に、図7を参照してプリントヘッド47
についてより詳細に考慮する。プリントヘッド47は、
通常、プリントヘッド47を、回路トレース54および
電気接点56のセットを介して、プリントエンジン28
に電気接続するプリント回路53を備える。すなわち、
電気接点56は、フレキシブル回路(図示せず)上の整
合する接点を、キャリッジストール30に対して個々に
電気接続し、プリントエンジン28とのプリントヘッド
47の電気的インタフェースを提供する。プリントヘッ
ド47のオリフィス58等、個々の精緻に採寸されたオ
リフィスは、適切な制御信号がプリントエンジン28に
より接点56に加えられたときに、液を噴射する。精緻
に採寸されたオリフィス58は、プリントヘッドカート
リッジ26の前面部分36が下にある凹形エリア42の
床に接着材で取り付けられた金属板部材62に形成され
る。
【0016】チャンバ50と、カートリッジ本体34の
前面部分36に形成された液収容キャビティ64の間に
液通経路を設けるために、前面部分36と金属板部材6
2のの間に貫通孔66を形成する。
【0017】次に、プリントヘッドカートリッジ26に
ついてより詳細に考慮する。プリントヘッドカートリッ
ジ26は、通常、キャリッジストール30に対するプリ
ントヘッドカートリッジ26の設置および取り外しを容
易にするための、一体形成された外側に突出するタブ3
5を備える。タブ35は、カートリッジ本体34の上壁
39に隣接するカートリッジ本体34の後壁37上に配
置される。
【0018】上壁39に一体形成される上部ブルフィー
ドリップ52は、後壁37に隣接するカートリッジ本体
34の幅寸法Wの略全体にわたって延在する。底部ブル
フィードリップ60は、カートリッジ本体34の底壁4
1上の後壁37の底部に隣接して配置される。底部ブル
フィードリップ60は、上部ブルフィードリップ52の
幅寸法の約半分である。この点に関して、上部ブルフィ
ードリップ52および底部ブルフィードリップ60は、
ブルフィーダ(図示せず)と協働して、アセンブリを製
造する目的のために、カートリッジ本体34が適切な向
きになるよう促進する。
【0019】カートリッジ本体34は、右側基準部材9
3および左側基準部材95を一体形成している。基準部
材93および95は、側壁43および44それぞれに一
体形成される。この点に関して、基準部材93および9
5はそれぞれ、側壁43および44それぞれの縦方向寸
法Dの略全体にわたって延在する。基準部材93および
95は、ブルフィーダと協働して、組立目的のためにカ
ートリッジ本体34を適切な向きにすることで、プリン
トヘッドカートリッジ26の製造の促進をさらに助ける
ために、カートリッジ本体34に設けられる。
【0020】基準部材93および95はまた、プリント
ヘッドカートリッジ26をカートリッジストール30に
適切に設置する際の助けにもなる。この点に関して、図
2に最も良く示すように、基準部材93および95はそ
れぞれ、カートリッジ26の前面部分36から外側に延
出し、カートリッジ26のカートリッジストール30へ
の設置時に、前面部分36とカートリッジストール30
の間に間隔を設ける。この間隔の距離としては、プリン
ト目的のために、オリフィス58と用紙22の間の間隔
が適切になるよう助けるものが選択される。
【0021】次に、図4から図6を参照して、前面部分
36についてより詳細に考慮する。前面部分36は、一
対の間隔のあけられた屈曲クリップクリーニングスロッ
ト31および33をそれぞれ備える。スロット31およ
び33は、略長方形の形状を有し、ガラス基板73に隣
接したプリントヘッド47の両側に配置される。屈曲ク
リップクリーニングスロット31および33は、配置さ
れている屈曲ケーブルクリップ(図示せず)を妨害する
ことなく、プリントヘッドカートリッジ26をカートリ
ッジストール30に置載できるようにする。
【0022】図4に最もよく示すように、細長い凹形エ
リア42は、その中にプリントヘッド47を収容するの
に十分な深さおよび幅を有する。この点に関して、プリ
ントヘッド47が凹形エリア42内に搭載されると、プ
リントヘッド47は、凹形エリア42の右側壁69およ
び左側壁70と協働して、一対のデブリ蓄積溝73およ
び74をそれぞれ形成する。溝73および74は、それ
ぞれ略長方形箱様形状を有する一対の凹形デブリキャッ
チャ77および79それぞれに延出する。デブリキャッ
チャ77および79は、一端が閉じており、かつ各溝7
3および74内に向けては開いているため、重力の作用
で溝を流れ落ちるデブリをデブリキャッチャ77および
79内に蓄積できる。一対のダム67および68は、溝
に残留したインクをデブリキャッチャ77および79に
向けるよう助けるため、各溝73および74をブロック
する。
【0023】前面部分36はさらに、前壁46から外側
に向けて垂直に延出する一対の間隔のあけられた側壁部
材81および83を備える。側壁部材81および83
は、凹形エリア42に隣接して配置される一対のリップ
85および87それぞれにおいて終端する。この点に関
して、リップは、プリントヘッド47に対して平行であ
るが、わずかに高い水平面に配置される。これは、側壁
部材81等の側壁部材にまず係合してから、リップ87
等のリップに係合するようにして、ワイパ40のクリー
ニングを容易にするためである。図2に最も良く示すよ
うに、リップ85および87はそれぞれ、ワイパ40の
クリーニング表面に係合するクリーニング表面を提供す
るのに十分な幅を有する。
【0024】次に、図1および図2を参照して、ワイパ
クリーニングステーション45の動作についてより詳細
に考慮する。プリントヘッドカートリッジ26およびワ
イパ40が第1の方向に互いに対して移動するにつれ
て、プリントヘッドカートリッジ26が、ワイパ40の
第1のクリーニング表面を側壁81と係合させる。この
同じ第1の方向に相対移動し続けるにつれ、ワイパ40
の第1のクリーニング表面がリップ85の表面によって
設けられる第2のクリーニング表面に沿って擦られる。
この擦りアクションによって、ワイパ40の第1のクリ
ーニング表面上のあらゆるデブリを落とし、側壁81か
ら下部右側プラト(plateau)98に流し出す。リップ
85の表面から、ワイパ40が溝73にスナップ嵌めさ
れて、残っているワイパのデブリをすべて溝73および
デブリ蓄積キャッチャー77に自由落下させる。
【0025】次に、ワイパ40は、プリントヘッド47
のオリフィス58を横切って移動し、ワイパ40のクリ
ーニング済み拭き取り表面でオリフィス58をクリーニ
ングする。ワイパ40は、オリフィス58をクリーニン
グした後、プリントヘッド47からスナップ嵌めを解除
して、反対側の溝74に入り、あらゆるデブリをプリン
トヘッド47から除去して、溝74を自由落下させて溝
74およびデブリ蓄積キャッチャ79に蓄積できるよう
にする。第1の方向に相対移動し続けるにつれ、ワイパ
の第1のクリーニング表面が壁70に係合してから、リ
ップ87の表面に係合する。この係合および擦りアクシ
ョンはさらに、ワイパの第1のクリーニング表面をクリ
ーニングし、デブリを壁70および溝74から自由落下
させ、デブリ蓄積キャッチャ79に蓄積できるようにす
る。ワイパ40は、リップ85の表面を通過した後、反
対側の側壁83にスナップ嵌めし、残っているあらゆる
デブリを重力の作用で下部左側プラト99外に落とすよ
うにする。
【0026】次に、図1および図2を参照して、ワイパ
クリーニングステーション45の動作についてさらに考
慮する。プリントヘッドカートリッジ26およびワイパ
40が第2の方向すなわち第1の方向と反対の方向に互
いに対して移動するにつれて、プリントヘッドカートリ
ッジ26が、ワイパ40の第2のクリーニング表面を側
壁83と係合させる。この同じ第2の方向に相対移動し
続けるにつれ、ワイパ40の第2のクリーニング表面が
リップ87の表面によって設けられる第2のクリーニン
グ表面に沿って擦られる。この擦りアクションによっ
て、ワイパ40の第2のクリーニング表面上のあらゆる
デブリを落とし、側壁83から下部右側プラト99に流
し出す。リップ87の表面から、ワイパ40が溝74に
スナップ嵌めされて、残っているワイパのデブリをすべ
て溝74およびデブリ蓄積キャッチャ79に自由落下さ
せる。
【0027】次に、ワイパ40は、プリントヘッド47
のオリフィス58を横切って移動し、ワイパ40の第2
のクリーニング済み拭き取り表面でオリフィス58をク
リーニングする。ワイパ40は、オリフィス58をクリ
ーニングした後、プリントヘッド47からスナップ嵌め
を解除して、反対側の溝73に入り、あらゆるデブリを
プリントヘッド47から除去し、溝73を自由落下させ
て溝73およびデブリ蓄積キャッチャー77に蓄積でき
るようにする。第2の方向に相対移動し続けるにつれ、
ワイパの第2のクリーニング表面が壁69に係合してか
ら、リップ85の表面に係合する。この係合および擦り
アクションはさらに、ワイパの第2のクリーニング表面
をクリーニングし、デブリを壁69および溝73を自由
落下させ、デブリ蓄積キャッチャー77に蓄積できるよ
うにする。ワイパ40は、リップ85の表面を通過した
後、反対側の側壁81にスナップ嵌めし、残っているあ
らゆるデブリを重力の作用で下部左側プラト98外に落
とすようにする。
【0028】ワイパ40の第1のクリーニング表面およ
びワイパ40の第2のクリーニング表面の上記クリーニ
ングアクションは、プリントヘッドカートリッジ26の
インク供給が使い果たされるまで、繰り返される。この
時に、プリントヘッドカートリッジ26が交換されて、
新しいワイパステーションが設けられることになる。ま
た、当業者は、プラト98および99それぞれの上の隆
起した前面部分の各側の概して55および57で示す切
り欠きエリアにより、ワイパをプリントヘッドから係合
解除することができ、これは次に、実質的にワイパを全
く摩耗せずに、プリントヘッドカートリッジの線形並進
運動を逆にすることができることを理解されたい。切り
欠きエリア55および57はまた、中央に配置されるサ
ービスステーションをプリント装置10内に配置できる
ようにするため、プリント装置10の全体幅がかなり低
減される。
【0029】次に、図7乃至図10を参照して、プリン
トヘッド47の完全に一体化されたサーマル(FIT:
Fully Integrated Thermal)液噴射アーキテクチャにつ
いてより詳細に考慮する。サーマルインクジェットプリ
ントヘッド47は、最も好ましくはガラス板(すなわ
ち、非晶質の、通常非導電性材料)として形成される基
板72(図9および図10)を含む。平面図に示すよう
に、基板72は、略長方形の形状を有する。最も好まし
くは、ガラス基板は、普通のガラス窓に利用される安価
な種類のソーダ石灰ガラスから形成されるため、プリン
トヘッド47を極めて低価格で製造可能であるものとし
ている。プリントヘッド47は、シリコンまたは他の晶
質半導体材料を必要とする従来技術を利用したプリント
ヘッドと比較して考えた場合に、特に経済的であり、製
造が安価である。
【0030】ガラス基板72上には、複数層の薄膜構造
75が形成される。さらに説明するように、プリントヘ
ッド47の製造中、薄膜構造75は、それぞれ基板72
の平面形状全体をカバーすると共に、それと一致する、
順にかつ重ねて付着される実質的に複数の薄膜層で形成
される。ここでも、基板72のこの平面形状について
は、図7および図8からわかる。これら薄膜層の選択さ
れたものが基板72上に形成されると、例えば、接点5
6およびプリント回路53を画定するために、続けてパ
ターニングおよびエッチング動作を用いるが、これにつ
いてはより詳細に後述する。
【0031】薄膜構造75は、金属製ヒートシンクと、
基板72の上に付着される拡散隔壁薄膜層76(図5お
よび図6)を含む。層76は、基板72の平面形状全体
をカバーし、好ましくは、約1から2ミクロン厚のクロ
ムで形成される。あるいは、層76は、他の金属および
合金で形成してもよい。例えば、薄膜ヒートシンクおよ
び拡散隔壁層76は、金、パラジウム、またはプラチ
ナ、あるいはこれらまたは他の金属の合金で形成しても
よい。
【0032】金属製薄膜層76上に、絶縁薄膜層78が
形成される。絶縁層78は、酸化シリコンで形成される
ことが好ましく、約1から2ミクロンの厚さである。こ
こでも、この絶縁層78は、基板72の平面形状全体を
カバーするとともに、これと一致する。
【0033】次に、基板72上かつ絶縁層76上に、抵
抗薄膜層80が形成される。抵抗薄膜層80は、タンタ
ルとアルミニウムの合金で形成されることが好ましく、
また、約600オングストロームの厚さであることが好
ましい。抵抗薄膜層80は、基板72の平面形状全体を
カバーするとともにこれと一致するが、この広さを維持
しない。すなわち、抵抗薄膜層80は、プリント回路5
3のトレース54、各接点56、および複数のプリント
抵抗器82のエリアそれぞれと一致するエリア(図9、
および図8において概して矢印付きの符号82で示す)
のみをカバーするようになるまで、後にパターニングさ
れて、エッチングバックされる。
【0034】次に、パターニングされておらず、かつエ
ッチングされていない抵抗層80上に、金属導体薄膜層
84が形成される。金属導体薄膜層84は、好ましくは
アルミニウムで形成され、約0.5ミクロン厚である。
ここでも、この金属導体薄膜層84は、まず、基板72
の平面形状全体をカバーするとともに、これと一致する
よう形成される。しかし、導体層84もまた、プリント
回路53のトレース54を画定するとともに、接点56
を画定するエリアのみをカバーするよう後にパターニン
グされ、エッチングバックされる。より詳細には、導体
層84はまず、プリント抵抗器82の場所においてエッ
チングにより除去されて、プリント回路53のトレース
54の間に延びる抵抗薄膜層80の一部が、これらトレ
ース54間の導体経路のみを提供するようにする。後
に、エッチング動作がさらに行われ、トレース54およ
び接点パッド56の場所を除き、基板72の平面形状全
体にわたり、導体層64およびその下にある抵抗層60
の双方を除去する。図9からわかるように、このエッチ
ング動作により、トレース54および接点パッド56を
絶縁層78上に浮き上がらせた状態にする。
【0035】したがって、上記を鑑みて、プリントヘッ
ド47の動作中、電流が、トレース54を介してプリン
ト抵抗器82の1個の両側に繋がっている2つの接点5
6の間に加えられると、各プリント抵抗器82への電流
およびそこからの電流が、導体薄膜層84およびその下
の抵抗薄膜層80の組み合わせによって、プリント回路
53のトレースに運ばれることが理解されよう。導体層
64は、抵抗層80よりもはるかに低い抵抗を有するた
め、この電流の大部分は、導体薄膜層84に流れる。し
かし、プリント抵抗器82自体では、下にある抵抗層8
0のみが搬送に利用可能である(上にある導体層64
は、局所的にエッチングにより除去されている)。プリ
ント抵抗器82は、抵抗層80の精緻に採寸されたエリ
アである。したがって、プリント抵抗器82は、エネル
ギを迅速に散逸させ、熱を発散させることができる。し
かし、また、図7に最も良く示し、かつ金属製ヒートシ
ンク層76が基板72の平面形状の略全体をカバーする
ことを想起すると、このヒートシンク層76が、抵抗器
82からの熱を吸収するために抵抗器82の下にあり、
かつそこから余分な熱を放散する広いエリア(すなわ
ち、本質的にプリントヘッド47の平面エリア全体)を
有することが理解されよう。したがって、動作中のプリ
ントヘッド47は、望ましい低温度を維持し、ガラス基
板を用いた従来のプリントヘッドでは今まで不可能であ
った発射反復率で動作することが可能である。
【0036】図10において部分断面図を示すように、
上述したパターニングおよびエッチングステップ以前、
かつ貫通孔66の形成以前の、第1の製造中間製品90
が、上述した製造ステップから得られる。第1の製造中
間製品90は、基板72と、薄膜層76、78、80、
および84とを有し、該薄膜層はそれぞれ、基板72の
平面形状の略全体をカバーすると共に、それと一致して
いる。第1の製造中間製品90は、上述したパターニン
グおよびエッチング工程を受けて、実質的に図4および
図5に示すような第2の製造中間製品92を生成する。
第2の製造中間製品92の上に、一対のパッシベーショ
ン薄膜層86(図9)が形成されるが、これは図6にお
いて破線で示されている。このパッシベーション薄膜層
86は、窒化シリコンの第1の基板層88と、それに続
く炭化ケイ素の第2の基板層89とを含む。部分的に図
9に示すように、プリントヘッド47の完成に必要なの
は、金属製板部材44をプリントオリフィス58に、プ
リント抵抗器82と位置合わせして接着剤で取り付ける
ということだけである。
【0037】以上を鑑みれば、薄膜構造74を、様々な
技術を用いて、基板72上に形成することができること
が理解できるであろう。概略としては、1つまたは複数
の蒸着工程中に、第1および第2の中間製品になると共
に、完成されたプリントヘッド47になるワークピース
を、無線周波数エネルギにさらしてもよい。特に、パッ
シベーション層88および89の形成中に、第2の製造
中間製品92は、層の蒸着を補助するため、高温および
無線周波数エネルギにさらされる。製品92を高温で無
線周波数エネルギにさらしている間、金属製ヒートシン
ク76は、ナトリウムがソーダ石灰ガラス基板72から
プリントヘッド47の他の薄膜構造に移動しないよう
に、拡散隔壁として機能する。特に、ナトリウムのパッ
シベーション層88への移動が防止されていない場合、
ナトリウムは、パッシベーション層に損傷を生じさせる
可能性があり、この層は、該損傷においては、インクジ
ェット滴の噴射後泡がつぶれる度に、プリント用液にお
いて発生する空洞現象に対して長く耐えることができな
い。しかし、ヒートシンク層76がプリントヘッド47
の平面形状全体をカバーするため、ガラス基板72から
のナトリウムが、金属製ヒートシンク層76上の薄膜層
構造に移動可能な場所はない。したがって、ガラス基板
72からのナトリウムによる薄膜構造74の汚染が防止
される。
【0038】次に図3を参照して、本発明により構築さ
れた別のプリントヘッドカートリッジ126を示す。プ
リントヘッドカートリッジ126は、前面部分の構造以
外は、プリントヘッドカートリッジ26と略同一であ
る。この点に関して、プリントヘッドカートリッジ12
6は、隆起した前面部分136に一体接続されたカート
リッジ本体134を含む。隆起した前面部分136は、
側壁と外部プラトとが相互接続されている以外は、前面
部分36と略同一である。この点に関して、前面部分1
36は、それぞれ角度θでプラト198および199そ
れぞれから上向きに延出する(但し、角度θは約60度
である)一対の側壁181および183を含む。側壁1
81および183はそれぞれ、リップ185およびリッ
プ187等のリップにおいて終端する。上記から、くさ
び形側壁181および183がまずワイパ40の先端部
分と係合し始めてから、徐々に第1のクリーニング表
面、およびかかるクリーニング表面に対してより多くの
擦り取りアクションを提供する第2のクリーニング表面
のそれぞれに係合することを、当業者は理解されたい。
【0039】本発明の特定の実施形態を開示したが、各
種の異なる変形が可能であり、かつこれらが特許請求の
範囲の趣旨および範囲内にあるものと意図されることを
理解されたい。したがって、本明細書に提示した厳密な
要約または開示に制限する意図はない。この点に関し
て、当業者はさらに、本発明の趣旨または中心をなす特
徴から逸脱せずに、本発明を他の具体的な形態で実施し
うることを理解しよう。本発明の上記説明は、本発明の
特に好ましい例示的な実施形態のみを開示するため、他
の変更が本発明の範囲内にあるものとして認識されるこ
とを理解されたい。例えば、本発明のガラス基板は、平
面において長方形を有するものと説明されたが、本発明
の実施に、他の平面形状を同様に形成することができる
ということが意図される。したがって、本発明は、本明
細書に詳細に記載された特定の実施形態に制限されな
い。本発明の趣旨およびその範囲は、特許請求の範囲に
記載された内容による。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ワイパクリーニングス
テーション部分はプリント装置の寿命までもつよう要求
されず、いかなる特別なクリーニング液をも必要としな
いので、プリンタを動作させるコストを低減させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構築された、一体型プリントヘッ
ドおよびプリントヘッドワイパクリーニングステーショ
ンを備える例示的な使い捨て式インクジェット・プリン
トカートリッジを用いたインクジェットプリント装置の
斜視図である。
【図2】図1のプリント装置に使用することの可能な一
体型インクジェットプリントヘッドおよびプリントヘッ
ドワイパステーションを備える例示的な使い捨て式プリ
ントカートリッジである。
【図3】図1のプリント装置に使用することの可能な一
体型インクジェットプリントヘッドおよびプリントヘッ
ドワイパステーションを備える別の例示的な使い捨て式
プリントカートリッジである。
【図4】図2のプリントカートリッジ前面の平面図であ
る。
【図5】図4の線5−5に沿った概略的な部分拡大断面
図である。
【図6】図4の線6−6に沿った概略的な部分拡大断面
図である。
【図7】図2のプリントカートリッジのプリントヘッド
前面をかなり拡大した平面図である。
【図8】説明を明確にするために、いくつかの部分を取
り外したプリントヘッド前面を図7と同様にかなり拡大
した平面図である。
【図9】図8の線5−5に沿った概略部分断面図であ
り、図8の図と比較してかなり拡大して示している。
【図10】製造工程段階でのプリントヘッドの一部の概
略断面図であり、図9に見られる部分と同様なものであ
る。
【符号の説明】
14 ベース 26 プリントヘッドカートリッジ 30 プリントヘッドカートリッジストール 34 カートリッジ本体 36 ボス 39 上壁部材 41 底壁部材 42 細長凹部 43、44 側壁部材 46 前壁部材 47 プリントヘッド 73、74 デブリ蓄積溝 77、79 ワイパデブリコレクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イナン・シュ アメリカ合衆国カリフォルニア州92128, サン・ディエゴ,エッセンス・ロード 13621

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約6.5インチ以下の幅寸法を有するベ
    ースと、該ベースに連結され、前記幅寸法に沿った移動
    経路に沿って直線移動するために搭載され、プリントヘ
    ッドカートリッジの下から支持して、約3インチの幅寸
    法を有するトランザクションレシートへのインクの噴射
    を促進するよう採寸されるプリントヘッドカートリッジ
    ストールと、を備え、 前記プリントヘッドカートリッジは、 内部にインク供給を保持するため、前壁部材、側壁部
    材、上壁部材、および底壁部材を含む略箱様形状を有す
    るカートリッジ本体と、 前記インク供給と液通して、前記カートリッジ本体内に
    収容されるインクを噴射するプリントヘッドと、 前記カートリッジ本体の前記前壁部材から前記プリント
    ヘッドの間隔をあけると共に、一対のワイパデブリコレ
    クタを画定する、前記前壁部材に一体的に連結され、外
    向きに突出したボスと、を備える、トランザクションプ
    リント装置。
  2. 【請求項2】 前記一体的に連結されたボスは、前記プ
    リントヘッドを中に収容するのに十分な深さおよび幅の
    寸法を有し、一対の間隔のあいたデブリ蓄積溝を形成す
    る細長凹部を備える、請求項1記載のトランザクション
    プリント装置。
  3. 【請求項3】 前記デブリ蓄積溝は、前記デブリコレク
    タそれぞれと液通する、請求項2記載のトランザクショ
    ンプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記一体的に連結されたボスは、前記カ
    ートリッジ本体の前記前壁部材との平面において、逆T
    字型の構成を有する、請求項1記載のトランザクション
    プリント装置。
  5. 【請求項5】 前記ワイパデブリコレクタは、前記平面
    図において、略長方形の形状を有する、請求項3記載の
    トランザクションプリント装置。
  6. 【請求項6】 プリントヘッドカートリッジを備えたト
    ランザクションプリント装置において、 内部にインク供給を保持するため、前壁部材、側壁部
    材、上壁部材、および底壁部材を含む略箱様形状を有す
    るカートリッジ本体と、 前記インク供給と液通して、前記カートリッジ本体内に
    収容されるインクを噴射するプリントヘッドと、 前記カートリッジ本体の前記前壁部材から前記プリント
    ヘッドから間隔をあけると共に、一対のワイパデブリコ
    レクタを画定する、外向きに突出した、前記前壁部材に
    一体的に連結されたボスと、を備える、トランザクショ
    ンプリント装置。
  7. 【請求項7】 前記一体的に連結されたボスは、前記プ
    リントヘッドを中に収容するのに十分な深さおよび幅の
    寸法を有し、一対の間隔のあいたデブリ蓄積溝を形成す
    る細長凹部を備える、請求項6記載のトランザクション
    プリント装置。
  8. 【請求項8】 前記デブリ蓄積溝は、前記デブリコレク
    タそれぞれと液通する、請求項6記載のトランザクショ
    ンプリント装置。
  9. 【請求項9】 前記一体的に連結されたボスは、前記カ
    ートリッジ本体の前記前壁部材との平面において、逆T
    字型の構成を有する、請求項6記載のトランザクション
    プリント装置。
  10. 【請求項10】 前記ワイパデブリコレクタは、前記平
    面図において、略長方形の形状を有する、請求項8記載
    のトランザクションプリント装置。
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