JP2001205760A - ポリオレフィン発泡シート接合構造体及びその製造方法、並びに樹脂複合管の製造方法。 - Google Patents
ポリオレフィン発泡シート接合構造体及びその製造方法、並びに樹脂複合管の製造方法。Info
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Abstract
オレフィン発泡シートの接合構造体、及びその製造方
法、並びに、低コスト化が図れ、接合信頼性が向上した
樹脂複合管の製造方法を提供する。 【解決手段】 粘度平均分子量50万以上の超高分子量
ポリオレフィン発泡シート1の一方の表層にスキン層2
を有し、内部が発泡層3であり、多数の凹部からなる多
孔層4である他方の表層が被着体6と接合されてなる。
Description
レフィン発泡シート(以下、単に「ポリオレフィンシー
ト」、又は、「発泡シート」ということがある)を被着
体に接合した構造体、及びその製造方法並びに樹脂複合
管の製造方法に関するものである。
ため、他の材料との接合性が低く、接合が困難であっ
た。特に超高分子量のポリエチレンは自己潤滑性が高い
ため、他の材料と接合する際は、ビス止めを行ったり、
ゴムを溶融状態で超高分子量の製品に裏貼りし、このゴ
ム面に他の材料を接着するなど、材料のコストアップが
必要な方法や、生産性の悪い方法を取らざるを得ないの
が実状であった。例えば、特開平8−207163号公
報には、超高分子量のポリエチレンシート層をゴムの内
部側に一体的に配設した耐磨耗性ホースが開示されてい
るが、かかる構成とするには、通常、接着性の極めて低
い超高分子量のポリエチレンシート層とゴム層とを融着
せざるを得ず、ポリオレフィン材料と他材料との接合体
を得るという点では、生産性が悪いものであった。
子量ポリオレフィンを発泡させて得た表層にスキン層を
有する発泡体が、意外にも、発泡させていない成形体と
比べて耐摩耗性等の物性に殆ど遜色がないこと、及び、
発泡体の表層の一部を除去して多孔層を形成し、その多
孔層と被着体とを接合することによって、十分な接着強
度を有する発泡体接合構造体が得られることを見出し、
これらの知見を基に本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の目的は、軽量で耐摩耗性に優れている超高
分子量ポリオレフィン発泡シートの接合構造体を提供す
ること、及びその製造方法を提供すること、並びに、低
コスト化が図れ、接合信頼性が向上した樹脂複合管の製
造方法を提供することにある。
に、請求項1記載の発明は、粘度平均分子量50万以上
の超高分子量ポリオレフィン発泡シートが被着体と接合
された構造体であるポリオレフィン発泡シート接合構造
体を提供する。また、請求項2に記載の発明は、粘度平
均分子量50万以上の超高分子量ポリオレフィン発泡シ
ートが接着剤により被着体と接合された構造体であっ
て、ポリオレフィンシートの一方の表層にスキン層を有
し、内部が発泡層であり、多数の凹部からなる多孔層で
ある他方の表層が被着体と接合されてなることを特徴と
するポリオレフィン発泡シート接合構造体を提供する。
分子量50万以上の超高分子量ポリオレフィン発泡シー
トが被着体と接合された構造体であって、被着体が熱硬
化性樹脂であり、ポリオレフィンシートの一方の表層に
スキン層を有し、内部が発泡層であり、多数の凹部から
なる多孔層である他方の表層が被着体と接合されてなる
ことを特徴とするポリオレフィン発泡シート接合構造体
を提供する。
分子量50万以上の超高分子量ポリオレフィン発泡シー
トが接着剤により接合された構造体であって、ポリオレ
フィン発泡シートの比重が0.85〜0.15である請
求項1又は2に記載のポリオレフィン発泡シート接合構
造体を提供する。また、請求項5に記載の発明は、超高
分子量ポリオレフィン発泡シートの摩耗輪による摩耗試
験における摩耗損量が、同一材料の非発泡成形体と比較
して、150〜25重量%の範囲である請求項1〜3い
ずれか1項に記載のポリオレフィン発泡シート接合構造
体を提供する。
フィン発泡シート接合構造体の剪断接合強度が、同一材
料の非発泡成形体が同一材料の被着体と接合された接合
構造体と比較して、125〜1000%である請求項1
〜4いずれか1項に記載のポリオレフィン発泡シート接
合構造体を提供する。
分子量50万以上の超高分子量ポリオレフィンに非反応
性ガスを高圧下で溶解させて易成形状態とし、押出機中
で溶融混練した後に金型から押出発泡させる際に、該易
成形状態の樹脂を溶解時のガス圧力以上の樹脂圧力で金
型に導入し、次いで冷却しながら樹脂圧力を溶解時のガ
ス圧力以上に保持した状態で(降温時の結晶化ピーク温
度−10℃)〜(降温時の結晶化ピーク温度+10℃)
の温度範囲で金型先端からシート状に押出して発泡させ
た後、得られたポリオレフィン発泡シートの表層の一方
のスキン層を除去して多数の凹部からなる多孔層を形成
した後、該多孔層と被着体とを接合する請求項2〜5い
ずれか1項に記載のポリオレフィン発泡シート接合構造
体、の製造方法を提供する。
ル外周面に、粘度平均分子量50万以上の超高分子量ポ
リオレフィン発泡シートを螺旋状に巻回して筒体を形成
する工程と、形成された筒体をマンドレルに沿って螺旋
送りしつつ、その筒体の外周面に合成樹脂層を積層する
工程と、前記筒体とともに合成樹脂層を硬化させながら
ポリオレフィンシートを接合する工程と、硬化された合
成樹脂および筒体を、所定の長さに切断する工程と、を
包含することを特徴とする樹脂複合管の製造方法を提供
する。
とのできる超高分子量ポリオレフィンとしては従来公知
のポリオレフィン樹脂を用いることができ、オレフィン
性モノマーの単独重合体、または主成分オレフィン性モ
ノマーと他のモノマーとの共重合体であり、特に限定さ
れるものではない。例えば、低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエ
チレン、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタイプポ
リプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン等のポリ
プロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エレ
チン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレ
ンを主成分とする共重合体等を挙げることができる。更
に、オレフィン性モノマーと、共役ジエン系炭化水素化
合物、非共役ジエン系炭化水素化合物、共役オレフィン
系炭化水素化合物、非共役オレフィン系炭化水素化合
物、その他分子内に少なくとも2 個の不飽和結合、好ま
しくは二重結合を有する炭化水素化合物との共重合体等
を挙げることができる。
フィンの粘度平均分子量は50万以上である。例えば粘
度平均分子量50万以上のポリエチレン樹脂は、耐摩耗
性、自己潤滑性、耐衝撃性及び低温特性などの優れた性
質を有する点で好ましい。粘度平均分子量が100万以
上であることがより好ましく、200万以上であること
が更に好ましい。
耐摩耗性、自己潤滑性、耐衝撃性、低温特性はより優れ
た性質を示すが、過大であると、成形が困難となる。本
発明においては、粘度平均分子量が50万未満のポリオ
レフィンを超高分子量ポリオレフィンに混合、配合して
用いても構わない。ただし、本発明の目的を損なわない
範囲にとどめることが必要である。同様にポリオレフィ
ン以外の合成樹脂もしくは天然樹脂や、可塑剤、耐熱安
定剤、耐候安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、スリ
ップ剤、顔料、染料、充填剤等を本発明の目的を損なわ
ない範囲で配合しても構わない。
部に多数の気泡もしくは気孔(以下、単に気泡という)
を有した発泡シートであるので、比重が低く、軽量であ
る。上記発泡シートの比重は特に限定されないが、請求
項4で後述するように、0.85〜0.15が好まし
い。
500μmであることが好ましく、より好ましくは1.
0〜300μmである。細か過ぎては、接着剤が浸み込
みにくくなって強度低下を来たし、また、大き過ぎても
やはり接着強度や耐摩耗性が低くなるからである。これ
ら気泡の形状や大きさは走査型電子顕微鏡などで観察す
ることができる。
る被着体の材質は特に限定されず、SUS、鉄、アルミ
ニウムなどの金属材料、各種合成高分子材料、材木や紙
などの天然高分子材料、硝子やセラミックスなどの無機
材料などを用いることが可能である。これらは単独で用
いられてもよいし、複合材料として用いられてもよい。
また相手材料の形状も、板状、管状あるいは異型といず
れでもよく特には限定されない。接合する方法も特に限
定されず、接着剤を用いてもよいし、ビス、ナット、
釘、鋲など従来公知の方法を採用できるが、均一に強度
を分散できることから接着剤により接合することが好ま
しい。
ポリオレフィン発泡シートは一方の表層にスキン層を有
し、内部が発泡層であり、他方の表層が多数の凹部から
なる多孔層である。上記スキン層は非発泡層からなり、
本発明の目的を達成する上で支障とならない程度であれ
ば、微細な開口部を有していても良く、その割合はスキ
ン層の全表面積に対して、通常20%以下、好ましくは
10%以下、より好ましくは5%以下である。また、そ
の厚みは、通常、10〜2000μm、好ましくは50
〜1000μmである。スキン層の開口部、及び厚みが
上記範囲にあることにより、超高分子量ポリオレフィン
接合構造体はより好ましい耐摩耗特性を発揮する。
はなく、接合される相手材料と接する裏面側はスキン層
が無いことが好ましい。スキン層が存在するため、超高
分子量ポリオレフィン発泡シートであるにも関わらず、
超高分子量ポリオレフィンが本来有する性能である良好
な耐摩耗性を発揮し得る。
からなる多孔層は、スキン層の反対側の表層における全
表面積に対して微細な開口部が50〜99面積%を占め
ているのが好ましい。多孔層は内部の発泡層と均一な構
造でもよく、また、気泡、気孔サイズが異なった構造で
もよく、また、厚みなどは特に限定されない。また発泡
層及び多孔層である表層における気泡及び気孔の径につ
いては請求項1と、またポリオレフィン発泡シートの比
重については、後述する請求項4と同様であることが好
ましい。
相手材料も請求項1と同じく特に限定されないが、固定
する方法は、接着剤による接着が最も好ましい。本発明
のポリオレフィン発泡シート接合構造体は、上記多孔層
側の表層で相手材料である被着体と接着剤により接着さ
れてなる。無論、接合強度を向上させる目的で、ビス、
ナット、釘、鋲などの従来公知の緊結材を併用しても構
わない。接着剤を用いるため、被着体の形状は特殊な形
状を採用することも可能である。板状、管状あるいは異
型といずれでもよく特には限定されない。
は特に限定されず、従来公知の有機溶剤型接着剤、反応
型接着剤、ホットメルト型接着剤、エマルジョン型接着
剤などの接着剤を好ましく利用することができる。ま
た、天然ゴム、合成ゴムあるいはアクリル系の粘着剤、
あるいはそれらによる粘着テープなども好適に用いるこ
とができる。接着するポリオレフィン発泡シートの組成
あるいは接着する被着体の材質により好適な接着剤が異
なるため、材料に応じた接着剤を選択することが好まし
い。本発明においては、ポリオレフィン発泡シートの多
孔層の多数の凹部に接着剤が染み込むため、硬化した接
着剤がポリオレフィン材料にくいこんで固定され、発泡
シートと被着体とが高い接着強度をもって接合された接
合体を得ることが可能である。
は、被着体が熱硬化性樹脂であり、従って、発泡シート
と被着体との接合にあたり、接着剤は不要である。この
場合、硬化前の液状の熱硬化性樹脂がポリオレフィン発
泡シートの多孔層の多数の凹部に接着剤が染み込むた
め、硬化した熱硬化性樹脂がポリオレフィン材料にくい
こんで固定され、発泡シートと被着体とが高い接着強度
をもって接合された接合体を得ることが可能である。
ず、例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹
脂、ジアリルフタレート系樹脂、フタル酸系樹脂などが
あげられる。
明の目的を著しく損なわない範囲で、天然樹脂、可塑
剤、熱安定剤、顔料、染料、充填剤などが添加されても
よい。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上
併用されてもよい。
て、補強繊維が添加されてもよい。上記補強繊維として
は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、有
機繊維などが挙げられる。また、繊維の形態としても特
に限定されず、長繊維、ヤーン、クロス、チョップ状の
ものなどが使用される。
フィン発泡シート接合構造体において、ポリオレフィン
発泡シートの比重が0.85〜0.15である場合は、
接合構造体全体の軽量化を図ることが出来る点で好まし
い。0.15より小さい場合には、気泡気孔の形状が粗
大になり成形が困難となる場合がある。また、性能面で
も耐摩耗性などの性能を良好に発揮することが困難とな
る場合が多い。0.85を越えた比重を有する場合は、
発泡倍率が低すぎ、軽量性等、発泡体としての効果の発
現が困難となる。より好ましくは0.70〜0. 20の
範囲である。
レフィン発泡シートの摩耗輪による摩耗試験における摩
耗損量が、同一材料の非発泡成形体と比較して、150
〜25重量%の範囲であるポリオレフィン発泡シート接
着構造体である。摩耗試験の方法としては同一条件下で
の値であれば構わないが、例えばJISK7204に例
示される測定方法が例示される。また、ここでいう摩耗
損量の比は、それぞれのシートの摩耗輪の回転数500
0回転を実施した時点での値とする。
レフィン発泡シート接着構造体の剪断接合強度が同一材
料の非発泡成形体が同一材料の被着体と接合された接合
構造体と比較して、125〜1000%であるポリオレ
フィン発泡シート接合構造体である。具体的には同一条
件下で接合試験片を作成し、強度を測定することにより
両者の強度比較を行うことができる。接合試験片の作成
方法、接合強度を測定する方法としては同一条件であれ
ば構わないが、例えばJIS K6833に例示される
方法に準じた方法で剪断接合強さを測定する方法が例示
される。
とのできる超高分子量のポリオレフィンとしては請求項
1で例示した従来公知の超高分子量のポリオレフィンを
好適に用いることができる。尚、本発明においては、本
発明の趣旨に損なわない範囲で従来公知の超高分子量の
ポリオレフィン以外の他の天然、あるいは合成樹脂をブ
レンド、添加しても構わない。各種添加剤についても同
様であるが、過剰にブレンド、添加すると超高分子量ポ
リオレフィンの持つ特性を最終製品が発揮することが困
難となるため、その使用は最小限にとどめることが好ま
しい。
ンは、超高分子量である特性から溶融粘度が高く、通常
の加熱による押出成形が困難な材料である。本発明にお
いては超高分子量ポリオレフィンの可塑化剤として、常
温・常圧で気体状態の非反応性ガスを用いるので、加熱
時の溶融粘度を低下させて成形を行うことができる。ま
た、後述するように、脱圧時には非反応性ガスは多泡状
集合体を形成する発泡剤として作用する。
・常圧で気体である有機ないしは無機物質であって、上
記高分子量ポリオレフィンを劣化させないものなら特に
限定されず、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネ
オン、ヘリウム、酸素等の無機ガスや、フロンガス、低
分子量の炭化水素等の有機ガスが挙げられる。環境に与
える悪影響が低く、そしてガスの回収を必要としない点
で、無機ガスが好ましく、超高分子量ポリオレフィン
(以下単に樹脂と記載する場合がある)に対する溶解度
が高く、樹脂の溶融粘度の低下が大きいという観点か
ら、二酸化炭素が最も好ましい。なお、このような非反
応性ガスは、単独で使用されても良いし、2種以上併用
されても良い。
ては、ガスを溶融状態の樹脂に溶解させる方法と、固体
状態の樹脂に溶解させる方法があるが、どちらの方法を
用いても良く、また、両者を併用しても良い。溶融状態
の樹脂にガスを高圧下で溶解させる方法としては、例え
ば、ベントタイプスクリューを使用して、シリンダーの
途中からベント部分に混入する方法や、タンデム押出機
を利用して第1押出機内または第2押出機への樹脂流入
部付近においてガスを圧入させて、第2押出機で充分溶
解・混練する方法等が挙げられる。
る方法としては、例えば以下のような方法が挙げられ
る。(1)予め高圧容器などでペレットまたはパウダー
状態の樹脂にガスを溶解させる方法。(2)押出機内の
ホッパから固体輸送部においてガスを樹脂中に溶解させ
る方法。(1)の方法の場合、ガスを溶解させた樹脂の
押出機への供給は、樹脂に溶解したガスが拡散によって
大気中に抜けていくことを抑制するためにできるだけ速
やかに行うことが好ましい。一方(2)の方法の場合
は、ガスが押出機外へ揮散しないようにスクリュー駆動
軸及びホッパの耐圧シール構造を組み入れることが好ま
しい。ガスの供給はガスボンベから直接行っても良い
し、プランジャーポンプ等を用いて加圧供給しても良
い。
非反応性ガスを樹脂に高圧下で溶解させると、樹脂は、
可塑化されて流動性が向上し、スクリュ押出機内で溶融
混練が可能(易成形状態)となる。樹脂に対する非反応
性ガスの溶解量は、溶解によって樹脂の溶融粘度が成形
に適した粘度になるのであれれば特に限定されず、超高
分子量ポリオレフィンの分子量、ガスの種類によって適
宜選択できる。次いで該溶融混練した樹脂を溶解時のガ
ス圧力以上の樹脂圧力を保持した状態で、押出機排出側
に配設した金型に導入する。この場合、樹脂圧力は溶解
時のガス圧力以上であることが好ましい。
していたガスが樹脂から相分離して気泡となりやすく、
ついには金型先端から吹き出すおそれがある。次いで金
型内で冷却しながら樹脂圧力を溶解時のガス圧力以上に
保持した状態で(降温時の結晶化ピーク温度−10℃)
〜(降温時の結晶化ピーク温度+10℃)の範囲におい
て金型先端から押出して発泡させる。この場合、金型先
端近傍部分での樹脂圧力は、溶解時のガス圧力以上であ
ることが好ましい。溶解時のガス圧力未満の場合には、
粗大な孔径の気泡ができやすく、外観が悪くなり、良好
な発泡体を得ることができなくなる。
−10℃)未満の温度で押出した場合には、樹脂の結晶
化が進み、樹脂の粘度が急激に上昇するために、ほとん
ど発泡が起こらず、その結果、比重がほとんど低下しな
くなり、良好な発泡体を得ることができなくなる。一
方、(降温時の結晶化ピーク温度+10℃)を超える温
度で押出した場合には、樹脂の粘度が低いために粗大な
孔径の気泡ができやすく、それが欠陥となって強度の低
下した発泡体となりやすい。
ーク温度」とは、溶融状態の樹脂が降温して結晶化する
際の結晶かピーク温度を意味し、より詳細には、このよ
うな降温の際に、樹脂が発熱する熱量が最大となる温度
を意味する。このような温度は、大気圧下で示差走査型
熱量計(DSC)により測定される。また、「結晶化ピ
ーク温度」は、JIS K 7121の9. 2にその求
め方とともに詳細に記載されている。上記条件で押出発
泡することにより、超高分子量ポリオレフィンからな
る、表層にスキン層を形成した発泡体が得られる。なお
表層スキンの形状は請求項1で記載した形状が好ましい
が特に限定はされない。また、内部の発泡構造および、
比重などの値も請求項4に記載した内容が好ましく例示
される。
ガスとして二酸化炭素を用いる場合には、樹脂に対する
二酸化炭素の溶解量は、1重量%以上30重量%以下の
範囲が好ましく、3重量%以上20重量%以下の範囲が
より好ましい。1重量%未満の場合、樹脂の粘度が充分
に低下せず、押出が困難となる。一方、30重量%を超
える量にしようとする場合には、大がかりな設備を用い
て溶解時の圧力を極端に高くする必要がある場合があ
り、生産効率上好ましくない。
酸化炭素の圧力は0. 5MPa 以上50MPa 以下であるこ
とが好ましく、1. 5MPa 以上35MPa 以下であること
がより好ましい。本発明においては、続いて押し出され
たポリオレフィン発泡体の片方の表層を除去して、内部
の多孔構造が露出した構造とする。露出させる方法とし
ては、表層をカッター刃、ノコギリ刃などの刃物、熱せ
られた金属線、レーザーなどで切除するあるいは、ヤス
リ、グラインダーなどで切削し削除する方法などが挙げ
られるが、特に限定はされず内部の多孔構造が露出でき
れば構わない。押出方向にポリオレフィン発泡体をスラ
イスし、2枚の製品とすることが、生産効率上好まし
い。
フィン発泡シートを接合する相手材料となる被着体は特
に限定されないが、SUS、鉄、アルミニウムなどの金
属材料、各種合成高分子材料、材木や紙などの天然高分
子材料、硝子やセラミックスなどの無機材料などを用い
ることが可能である。これらは単独で用いられてもよい
し、複合材料として用いられてもよい。また相手材料の
形状も、板状、管状あるいは異型といずれでもよく特に
は限定されない。
用いてもよいし、ビス、ナット、釘、鋲など従来公知の
方法を採用できるが、均一に強度を分散できることから
接着剤により接合することが最も好ましく、また本発明
で超高分子量ポリオレフィン発泡シートの特性を十分発
揮することになる。相手材料の形状は、接着剤を用いる
場合、特殊な形状も採用することがより可能である。板
状、管状あるいは異型といずれでもよく特には限定され
ない。本発明で用いることのできる接着剤としては特に
限定されず、従来公知の有機溶剤型接着剤、反応型接着
剤、ホットメルト型接着剤、エマルジョン型接着剤など
の接着剤を好ましく利用することができる。
ル系の粘着剤、あるいはそれらによる粘着テープなども
好適に用いることが可能である。これらは、接着するポ
リオレフィン発泡シートの組成あるいは接着する相手材
料により好適な接着剤が異なるため、材料に応じた接着
剤を選択することが好ましい。本発明においては、ポリ
オレフィン発泡シートの多孔面に接着剤が染みむため、
接着剤がポリオレフィン材料にくいこみ固定され、高い
接着強度を得ることが可能である。
とのできる超高分子量のポリオレフィン発泡シートとし
ては請求項1で例示した従来公知の超高分子量のポリオ
レフィンシートが用いられ、好ましくは請求項2または
3に記載される、一方の表層にスキン層を有し、内部が
発泡層であり、多数の凹部からなる多孔層である他方の
表層が、上記合成樹脂層と接合されてなるものが好まし
い。上記超高分子量のポリオレフィンとしては、請求項
4〜6で例示したものが好ましく使用される。
層される合成樹脂層には、請求項3で例示した熱硬化性
樹脂が好適に使用されるが、光硬化性樹脂であってもよ
い。
リオレフィン発泡シート接合構造体について、図面を参
照して説明する。図1は本発明の接合構造体の一実施形
態を示す斜視図である。図1において、1は粘度平均分
子量50万以上の超高分子量ポリエチレン発泡シートで
あり、図示しない両面の表層にスキン層を有する超高分
子量ポリエチレン発泡シートの一方のスキン層をスライ
スして得られたもので、他方のスキン層2は、殆どが非
発泡の層からなり、厚さは、通常、10〜2000μm
とされ、良好な耐摩耗性を発揮する。スキン層2は本発
明の目的を達成する上で支障とならない程度であれば、
微細な開口部を有していても良く、その割合はスキン層
の全表面積に対して、通常20%以下である。
は、多孔層4を形成しており、その孔は前記スライスに
より内部の発泡層3の孔の一部が表面に露出した多数の
凹部からなるものであり、一般に、スキン層の反対側の
表層における全表面積に対して50〜99面積%を占め
ている。多孔層4は内部の発泡層3と均一な構造でもよ
く、また、気泡、気孔サイズが異なった構造でもよく、
また、厚みなどは特に限定されない。
用いられている接着剤であり、多孔層4の多数の凹部に
染み込んで硬化しており、すなわち、接着剤5がポリオ
レフィン材料である発泡シート1にくいこんで固定さ
れ、発泡シート1と被着体6とが高い接着強度をもって
接合されている。被着体6の形状は、板状、管状あるい
は異型といずれでもよく特には限定されず、材質も、S
US、鉄、アルミニウムなどの金属材料、各種合成高分
子材料、材木や紙などの天然高分子材料、硝子やセラミ
ックスなどの無機材料等を、特に限定されず用いること
が可能である。
の製造方法について、図面を参照して説明する。
実施形態を示す概略図である。この製造方法では、架台
11に片持ち状態で水平に支持された円柱状のマンドレ
ル12が使用される。このマンドレル12には、帯状の
超高分子量ポリオレフィン発泡シート24(粘度平均分
子量50万以上、以下、単に「発泡シート」という)が
螺旋状に巻回されて筒体25を形成している。発泡シー
ト24は、図3に示すように、内側の表層にスキン層2
4aを有し、内部が発泡層24bであり、外側の表層に
多数の凹部からなる多孔層24cが形成されている。
ば、1)隣接する発泡シートの端面同士を突き合わせた
状態で巻回する方式、2)端面同士を部分的に重ねた状
態で巻回する方式が挙げられる。2)の方式の場合に
は、後述する合成樹脂層21との接着をより強固にする
ために、例えば、外側の発泡シートの重ねた部分を他の
部分より薄くし、厚み方向に貫通した孔を設けることに
より、内側の発泡シートの重ねた部分に位置する多孔層
24cの凹部に、硬化前の合成樹脂が染み込むことで、
より強固に巻回することができる。
24製の筒体25には、無端状になった推進ベルト16
が巻き付けられている。この推進ベルト16は、一対の
プーリ15に巻き掛けられて周回移動するようになって
おり、推進ベルト16が周回移動することにより、筒体
25がマンドレル12の周面上を回転されて、マンドレ
ル12の先端側へと螺旋送りされる。
ての帯状の合成樹脂層21が螺旋状に巻回される。合成
樹脂層21は、例えば、熱硬化性樹脂である不飽和ポリ
エステルが長繊維状のガラス繊維に含浸されて構成され
ている。
ト24の多孔層24cで合成樹脂層21と接合されてい
る。このように、発泡シート24の多孔層24cと、合
成樹脂層21とが直接接触しているために、硬化前の不
飽和ポリエステル樹脂が発泡シート24の多孔層24c
表層から多孔層24cに染み込み、硬化して、合成樹脂
層21が筒体25上に一体的に積層される。
に、所定幅および所定厚さの樹脂モルタル層22が積層
される。樹脂モルタル層22は、螺旋送りされる合成樹
脂層21上に螺旋状態に積層されており、その結果、樹
脂モルタル層22は繊維強化合成樹脂層21の全周に円
筒状に積層される。樹脂モルタル層22は、例えば、不
飽和ポリエステルと珪砂とによって構成されている。
積層されると、その樹脂モルタル層22上に、帯状にな
った合成樹脂層23が、螺旋状に積層される。この合成
樹脂層23も、例えば、合成樹脂層21と同様に、熱硬
化性樹脂である不飽和ポリエステルが長繊維状のガラス
繊維に含浸されたものが使用される。
られた発泡シート24製の筒体25上に、合成樹脂層2
1が一体的に積層されて、さらに、樹脂モルタル層2
2、合成樹脂層23が順次積層されることにより、マン
ドレル12上には、積層体20が形成される。積層体2
0は、筒体25がマンドレル12上を螺旋送りされるこ
とによって全体が一体となって螺旋送りされ、マンドレ
ル12の先端から、順次、延出して片持ち状態になる。
20は、マンドレル12の先端側に配置された硬化炉3
1に、順次、導入されて、この硬化炉31内を通過する
間に、遠赤外線によって加熱されて硬化される。硬化炉
31を通過して硬化した積層体20は、硬化炉31の出
口近傍に配置された切断機32によって、所定の長さに
切断される。切断機32は、ダイヤモンドチップが周面
に取り付けられた回転刃を有している。
32によって所定の長さに切断されることによって、図
4に示すように、内周側に発泡シート製の筒体25が設
けられてその筒体25に、合成樹脂モルタルの積層体2
0が積層された樹脂複合管20aが製造される。
ンドレル12に螺旋状に巻回されるような剛性になるよ
うに、また、容易に螺旋状に成形されるように、マンド
レル12の外径に基づいて、適宜設定される。発泡シー
ト24の厚さは、通常、0.2〜10mm程度、幅寸法
は40〜300mm程度が好適である。この範囲の寸法
の厚み、幅であれば、成形性が良好であり、また、得ら
れる樹脂複合管は、耐摩耗性に優れたものとなる。
容易に巻回されるように、メッキ処理等を施して表面が
滑らかであることが好ましい。
合成樹脂層21、樹脂モルタル層22および合成樹脂層
23が順番に積層された樹脂複合管20aを製造する場
合について説明したが、本発明はこのような実施の形態
に限定されるものではなく、例えば、図5に示すよう
に、樹脂モルタル層を積層することなく、筒体25上
に、直接、合成樹脂層21が複数層にわたって積層され
た樹脂複合管20aを製造する場合にも適用できる。
説明する。
子量ポリエチレン(三井石油化学工業社製「ハイゼック
ス・ミリオン240M」粘度平均分子量230万、融点
136℃、降温結晶化ピーク温度118℃)を成形装置
の原料供給ホッパから単軸押出機(スクリュー径40m
m、L/D=30)に供給した。
れをガス供給口から押出機の固体輸送部及び溶融物輸送
部に20MPa の圧力で圧入した。この圧力で超高分子量
ポリエチレン樹脂に対する二酸化炭素の溶解量は、約1
0重量%であった。尚このとき、押出機は、スクリュー
駆動軸の高圧軸シール機構とホッパ構造、及び押出機近
傍の溶融状態の超高分子量ポリエチレン樹脂により、押
出機内の二酸化炭素を高圧状態に保持した。次いで、押
出機に供給された樹脂をその内部で、押出量2kg/時
間、スクリュー回転数10rpm、バレル設定温度23
0℃の条件下で十分に溶融混練した。
保つことにより、金型入口での樹脂圧力を35MPa 、及
び金型出口近傍での樹脂圧力を25MPa とし、金型の先
端を通過する樹脂の温度を120℃として、金型から樹
脂をチューブ状に押出すと共に発泡させ、その直後に押
出方向に切り欠きを入れて、表裏にスキン層を有する発
泡シートを製造した。得られた超高分子量ポリエチレン
発泡シートの比重は0.35、厚さは2.2mmであっ
た。この発泡シートを厚み方向に破断して観察したとこ
ろ、スキン層は120μmで、内部の発泡層には気泡が
多数観察された。
で、金型から樹脂をチューブ状に押出すと共に発泡さ
せ、その直後に押出方向にスリットを入れて、発泡シー
トを押し出しつつ、一方のスキン層をスライスして多数
の凹部からなる多孔層が形成されている発泡シートを製
造した。この超高分子量ポリエチレン発泡シートの比重
は0.32、厚さは1.7mmであった。
発泡シートの多孔層表面および、SUS板にクロロプレ
ン溶剤型接着剤(コニシ社製「ボンドG17」)をそれ
ぞれ25.4×25.4mmあたり0.125gずつ塗
布して、両者を接着し、発泡シート接合構造体を得た。 〔発泡シートの耐摩耗性の測定〕得られた超高分子量ポ
リエチレン発泡シートのスキン層を評価面としてJIS
K7204に準拠して摩耗輪H22を使用し、回転数6
0rpm、荷重1000gで摩耗輪の回転数10000
回転時での摩耗損量を測定したところ摩耗損量は86m
gであった。 〔剪断接着強さの測定〕上記発泡シート接合構造体のサ
ンプルを万能試験機(島津製作所社製「オートグラフA
G10kNG」)にて25mm/minの試験速度で剪
断接着強さを測定したところ、1.85MPaの接着強
さであった。
分子量ポリエチレン(三井石油化学工業社製「ハイゼッ
クス・ミリオン240M」粘度平均分子量230万、融
点136℃、降温結晶化ピーク温度118℃)を160
℃の条件でミキシングロールにて混練後、160℃の条
件でプレスし、厚さ1 mmの超高分子量ポリエチレン非
発泡シートを作製した。
接合構造体の製造)得られた非発泡シートの片面およ
び、SUS板にクロロプレン溶剤型接着剤(コニシ社製
「ボンドG17」)をそれぞれ25.4×25.4mm
あたり0.125gずつ塗布して、両者を接着し、非発
泡シート接合構造体を得た。 〔超高分子量ポリオレフィン非発泡シートの耐摩耗製の
測定〕実施例1と同様の方法で摩耗損量を測定したとこ
ろ摩耗損量は258mgであった。
方法で、上記接合構造体の剪断接着強さを測定したとこ
ろ、1.13MPaの接着強さであった。
トにゴムシートが一体化され、接着性が改良されたシー
ト(作新工業社製「ニューライトWR」)を評価した。
ニューライトWRをクロロプレン系溶剤型接着剤を用い
てSUS板に接合して剪断接着強さの測定サンプルとし
た。
で摩耗損量を測定したところ摩耗損量は211mgであ
った。 〔剪断接着強さの測定〕実施例1と同様の方法で、上記
接合構造体の剪断接着強さを測定したところ、1.80
MPaの接着強さであった。
れた、一方の表層にスキン層を有し、内部が発泡層であ
り、他方の表層が多数の凹部からなる多孔層である発泡
シート(比重0.35、厚さ0.5mm、スキン層厚さ
120μm)24を用い、図2で説明した製造方法によ
り、図3及び図4に示した積層体20(筒体25:0.
5mm、合成樹脂層21:2mm、樹脂モルタル層2
2:10mm、合成樹脂層23:2mm)を得た。
21、23として長繊維ガラス65重量%に不飽和ポリ
エステル樹脂35重量%を含浸したものを使用し、樹脂
モルタル層22として、不飽和ポリエステル樹脂10重
量%と珪砂90重量%からなるモルタルを使用した。
1000mmの長さに切断し、樹脂複合管20aを得
た。
管20aを、オートグラフAG10kNG(島津製作所
社製)にて25mm/minの試験速度で剪断接合強さ
を測定したところ、3.0MPaの接合強さであった。
24の多孔層を内面に、スキン層を外面にして合成樹脂
層21を積層したが、すぐに剥離し、積層体は得られな
かった。
接合構造体は、粘度平均分子量が50万以上の超高分子
量ポリオレフィン発泡シートが被着体と接合されてお
り、耐摩耗性等の物性に優れている超高分子量ポリオレ
フィンと内部が発泡構造となっているため軽量な発泡体
の特性を兼ね備えた超高分子量ポリオレフィン発泡シー
トの利点が活かされ得る接合構造体である。
接合構造体は、一方の表層がスキン層で他方の表層が多
数の凹部からなる多孔層を有するため、スキン層側は耐
摩耗性等の物性に優れており、多数の凹部からなる多孔
層である他方の表層が接着剤により被着体と接合されて
なるので、接着剤がポリオレフィン材料である発泡シー
トにくいこんで固定され、発泡シートと被着体とが高い
接着強度をもって接合されている。
接合構造体は、被着体が熱硬化性樹脂であり、一方の表
層がスキン層で他方の表層が多数の凹部からなる多孔層
を有するため、スキン層側は耐摩耗性等の物性に優れて
おり、多数の凹部からなる多孔層である他方の表層が被
着体と接合されてなるので、硬化前の熱硬化性樹脂がポ
リオレフィン材料である発泡シートにくいこんで固定さ
れ、発泡シートと被着体とが高い接着強度をもって接合
されている。さらに、被着体が熱硬化性樹脂であるの
で、余分な接着剤を必要とせず、低コストであり、接合
プロセスも簡易である。
接合構造体は、ポリオレフィン発泡シートの比重が0.
85〜0.15であるので、軽量でかつ、耐摩耗性に優
れている。請求項5記載のポリオレフィン発泡シート接
合構造体は、ポリオレフィン発泡シートが、摩耗輪によ
る摩耗試験における摩耗損量が、同一材料の非発泡成形
体と比較して、150〜25重量%の範囲であるため、
摩擦に対する耐久性に極めて優れている。
接合構造体は、ポリオレフィン発泡シート接合構造体の
剪断接合強度が、同一材料の非発泡成形体が同一材料の
被着体と接合された接合構造体と比較して、125〜1
000%であるため、耐久性に優れている。請求項7記
載のポリオレフィン発泡シート接合構造体の製造方法
は、上述の通りの構成であり、超高分子量ポリオレフィ
ンにガスを溶解させて易成形状態とし、溶融混練した後
に金型から押出発泡させる際に、溶解時のガス圧力以上
の樹脂圧力で金型に導入し、次いで冷却しながら溶解時
のガス圧力以上に保持した状態で特定の温度範囲で金型
からシート状に押出して発泡させるので、生産性よく超
高分子量ポリオレフィン発泡シートを製造することがで
き、その後、発泡シートの表層の一方のスキン層を除去
して多数の凹部からなる多孔層を形成した後、該多孔層
と被着体とを接合するものであるので、従来公知の接着
剤などを用いて、容易に被着体と接合することが可能で
あり、結局、高い生産性をもって容易に、本発明のポリ
オレフィン発泡シートを製造することができる。
上述の通りの構成であり、マンドレル外周面に上記ポリ
オレフィンシートを螺旋状に巻回して筒体を形成し、形
成された筒体をマンドレルに沿って螺旋送りしつつ、そ
の筒体の外周面に合成樹脂層を積層するし、前記筒体と
ともに合成樹脂層を硬化させながらポリオレフィンシー
トを接合するので、極めて合理的に、生産性よく、ポリ
オレフィンシートが合成樹脂層に接合された樹脂複合管
を製造することができる。さらに、従来の樹脂複合管の
製造方法のように接着剤を必要とせず、低コスト化が図
れ、ポリオレフィンシートと、被着体である合成樹脂層
が直接接合されているので、接合信頼性が向上する。さ
らに、マンドレルを交換することにより、任意の内径の
樹脂複合管を、容易に、かつ、経済的に製造することが
できる。
レフィン発泡シート接着構造体の一例を示す斜視図であ
る。
方法の一実施形態を示す概略図である。
管の一例の要部を拡大して示す断面図である。
管の一例を示す断面図である。
管の別の一例を示す断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 粘度平均分子量50万以上の超高分子量
ポリオレフィン発泡シートが被着体と接合された構造体
であることを特徴とするポリオレフィン発泡シート接合
構造体。 - 【請求項2】 粘度平均分子量50万以上の超高分子量
ポリオレフィン発泡シートが接着剤により被着体と接合
された構造体であって、ポリオレフィンシートの一方の
表層にスキン層を有し、内部が発泡層であり、多数の凹
部からなる多孔層である他方の表層が被着体と接合され
てなることを特徴とするポリオレフィン発泡シート接合
構造体。 - 【請求項3】 粘度平均分子量50万以上の超高分子量
ポリオレフィン発泡シートが被着体と接合された構造体
であって、被着体が熱硬化性樹脂であり、ポリオレフィ
ンシートの一方の表層にスキン層を有し、内部が発泡層
であり、多数の凹部からなる多孔層である他方の表層が
被着体と接合されてなることを特徴とするポリオレフィ
ン発泡シート接合構造体。 - 【請求項4】 超高分子量ポリオレフィン発泡シートの
比重が0.85〜0.15であることを特徴とする請求
項1〜3いずれか1項に記載のポリオレフィン発泡シー
ト接合構造体。 - 【請求項5】 ポリオレフィン発泡シートの摩耗輪によ
る摩耗試験における摩耗損量が、同一材料の非発泡成形
体と比較して、150〜25重量%の範囲であることを
特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のポリオレ
フィン発泡シート接合構造体。 - 【請求項6】 ポリオレフィン発泡シート接合構造体の
剪断接合強度が、同一材料の非発泡成形体が同一材料の
被着体と接合された接合構造体と比較して、125〜1
000%であることを特徴とする請求項1〜5いずれか
1項に記載のポリオレフィン発泡シート接合構造体。 - 【請求項7】 粘度平均分子量50万以上の超高分子量
ポリオレフィンに非反応性ガスを高圧下で溶解させて易
成形状態とし、押出機中で溶融混練した後に金型から押
出発泡させる際に、該易成形状態の樹脂を溶解時のガス
圧力以上の樹脂圧力で金型に導入し、次いで冷却しなが
ら樹脂圧力を溶解時のガス圧力以上に保持した状態で
(降温時の結晶化ピーク温度−10℃)〜(降温時の結
晶化ピーク温度+10℃)の温度範囲で金型先端からシ
ート状に押出して発泡させた後、得られたポリオレフィ
ン発泡シートの表層の一方のスキン層を除去して多数の
凹部からなる多孔層を形成した後、該多孔層と被着体と
を接合することを特徴とする請求項2〜6いずれか1項
に記載のポリオレフィン発泡シート接合構造体、の製造
方法。 - 【請求項8】 マンドレル外周面に、粘度平均分子量5
0万以上の超高分子量ポリオレフィン発泡シートを螺旋
状に巻回して筒体を形成する工程と、 形成された筒体をマンドレルに沿って螺旋送りしつつ、
その筒体の外周面に合成樹脂層を積層する工程と、 前記筒体とともに合成樹脂層を硬化させながらポリオレ
フィンシートを接合する工程と、 硬化された合成樹脂および筒体を、所定の長さに切断す
る工程と、 を包含することを特徴とする樹脂複合管の製造方法。
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