JP2001205697A - 樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体の製造方法

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JP2001205697A JP2000022185A JP2000022185A JP2001205697A JP 2001205697 A JP2001205697 A JP 2001205697A JP 2000022185 A JP2000022185 A JP 2000022185A JP 2000022185 A JP2000022185 A JP 2000022185A JP 2001205697 A JP2001205697 A JP 2001205697A
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Koji Ogura
公司 小倉
Satoru Funakoshi
覚 船越
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹み状欠陥のない美観・感触に優れた樹脂成
形体を得るための製造方法を提供する。 【解決手段】 まず熱可塑性合成樹脂板1が準備された
後、成形金型3を用いて熱成形される。この熱可塑性合
成樹脂板1の成形金型3に接する直前の成形金型3に接
する側の表面の温度(Ts1)が、Ts1≧表面の荷重
たわみ温度+45℃で、成形金型3に接する側とは反対
側の表面の温度(Ts2)が、Ts2≧反対側の表面の
荷重たわみ温度+45℃で、成形の際の成形金型3の温
度(Tm)が、成形金型3に接する側の表面の荷重たわ
み温度−20℃≦Tm<成形金型3に接する側の表面の
荷重たわみ温度−10℃の条件で熱成形が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形体の製造
方法に関し、特に熱可塑性合成樹脂板を熱成形すること
により得られる熱可塑性合成樹脂成形体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から熱可塑性樹脂からなる成形体は
広く知られており、たとえば浴槽(バスタブ)、洗面台
などのサニタリー製品として広く使用されている。この
ような成形体は、熱可塑性樹脂からなる板を真空成形、
圧空成形などにより加工することで得ることができる。
この方法では、樹脂板を加熱軟化させた後、成形型を板
に密着させて賦形を行なうことにより、目的とする形状
の成形品を得ることができる。この加熱には、循環加熱
炉式のヒータや遠赤外線輻射式のヒータなどが用いられ
る。
【0003】かかる熱可塑性樹脂成形体がサニタリー製
品などに用いられる場合、その表面は直接目に触れ、肌
に接するものであるため、通常は美観、感触などに優れ
たアクリル系樹脂などのような熱可塑性樹脂が成形され
たものが選択され使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常の熱成形
では、型に接触した側の成形品表面には無数の凹み状欠
陥が生じる場合が多い。特に型が接触する側を製品表面
とする場合には、美観、感触などが重視されるサニタリ
ー用品を始めとする用途には、上記凹み状欠陥は特に不
都合なものとなるという問題点があった。
【0005】それゆえ本発明の目的は、凹み状欠陥のな
い美観・感触に優れた樹脂成形体の製造方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、凹み状
の欠陥が生じないような熱成形による製造方法を検討し
た結果、熱成形の際の熱可塑性樹脂板の表面温度と金型
温度とを適切な範囲にすることにより、凹み状の欠陥が
ほとんど認められない成形体を製造し得ることを見出
し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明の樹脂成形体の製造方法
は、熱可塑性樹脂板を金型を用いて熱成形して熱可塑性
樹脂成形体を製造する方法であって、熱可塑性樹脂板の
金型に接する直前の金型に接する側の表面の温度(Ts
1)が、Ts1≧表面の荷重たわみ温度+45℃で、金
型に接する側とは反対側の表面の温度(Ts2)が、T
s2≧反対側の表面の荷重たわみ温度+45℃で、金型
の温度(Tm)が、金型に接する側の表面の荷重たわみ
温度−20℃≦Tm<金型に接する側の表面の荷重たわ
み温度−10℃の範囲である条件で熱成形することを特
徴とする。
【0008】これにより、凹み状欠陥のない美観・感触
に優れ、かつサニタリー製品に好適な樹脂成形体を製造
することができる。
【0009】上記の製造方法においては、熱可塑性樹脂
板が、45%以上90%以下のゲル化率を有する部分的
に架橋されたアクリル系樹脂からなることが好ましい。
【0010】上記の製造方法においては、熱可塑性樹脂
板は、2種以上の熱可塑性樹脂層が積層された多層構造
よりなることが好ましい。
【0011】上記の製造方法においては、熱成形により
得られた樹脂成形体はサニタリー製品であることが好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態における熱
可塑性合成樹脂成形体の製造方法を示す概略断面図であ
る。図1(a)を参照して、まず熱可塑性合成樹脂板1
が準備される。この熱可塑性合成樹脂板1の材質は、熱
成形し得るものであれば特に限定されるものではなく、
たとえばアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)
樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂などが用いられ得る。これらの熱可塑性樹脂
は、熱成形し得る程度に架橋されていてもよく、45%
以上90%以下のゲル化率を有する部分的に架橋された
アクリル系樹脂からなることが好ましい。
【0014】またこれらの熱可塑性合成樹脂板1には、
着色剤、離型剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、タルク、ガラス繊維などの無機系充填剤などが配合
されていてもよい。
【0015】また、図1に示した熱可塑性合成樹脂板1
は単層であるが、これに限定されず、2種以上の熱可塑
性合成樹脂層が積層された多層構造を有していてもよ
い。この2種以上の熱可塑性合成樹脂層の組合せには、
たとえば、アクリル樹脂層とABS樹脂層との積層体、
アクリル樹脂層とポリオレフィン樹脂層との積層体、ア
クリル樹脂層とポリ塩化ビニル樹脂層との積層体、アク
リル樹脂層とポリスチレン樹脂層との積層体などが用い
られ得る。このような多層構造の場合は、熱プレス法や
押出ラミネート法などの一般的な方法によって製造する
ことができる。
【0016】図1(b)を参照して、上記の熱可塑性合
成樹脂板1が、加熱され、成形金型3を用いて熱成形さ
れる。この熱可塑性合成樹脂板1を加熱するに際して
は、熱可塑性合成樹脂板1の成形金型3に接する直前の
成形金型3に接する側の表面温度(Ts1)を、Ts1
≧前記表面の荷重たわみ温度+45℃とする。成形温度
がこの温度よりも低い場合には成形金型3への密着が不
十分となり凹み状の欠陥が発生しやすい傾向にある。ま
た成形温度の上限は、樹脂ごとに異なるものであるが、
各樹脂の分解温度以下であればよい。
【0017】成形金型3と接する側とは反対側の表面の
温度(Ts2)は、前記反対側の表面の荷重たわみ温度
+45℃以上である。
【0018】また加熱された熱可塑性合成樹脂板1が成
形金型3に接触するに際しては、金型温度(Tm)が、
成形金型3に接する側の表面の荷重たわみ温度−20℃
≦Tm<成形金型3に接する側の表面の荷重たわみ温度
−10℃の範囲である必要がある。
【0019】金型温度が荷重たわみ温度−20℃よりも
低い場合には、凹み状の欠陥が発生しやすい傾向にあ
る。また、金型温度が荷重たわみ温度−10℃以上の場
合には、樹脂の表面が肌荒れするため好ましくない。
【0020】なお、上記の荷重たわみ温度とは、JIS
K 7207に準拠したものであり、たとえばポリメ
タクリル酸エチル(PMMA)樹脂ではA法により荷重
たわみ温度が求められる。
【0021】上記方法において、製品表面の美観を発現
させるために成形金型3は、JISB 0601に準拠
した10点平均粗さ(Rz)が2以上20以下の範囲に
ある表面粗さを有することが好ましい。なおこの10点
平均粗さ(Rz)の測定における基準長さは3.0mm
である。
【0022】10点平均粗さ(Rz)が2未満であれ
ば、成形時に熱可塑性合成樹脂板1と成形金型3との間
で過度の密着が生じるため痘痕状の欠陥が生じる。ま
た、10点平均粗さ(Rz)が10を超えた場合、成形
金型3の表面粗さが粗くなるため必然的に樹脂成形体表
面も粗くなる。
【0023】なお、上記の形成方法は、真空成形であっ
てもよく、また圧空成形であってもよく、通常の方法で
熱成形することができる。
【0024】上記のようにして得られた熱可塑性合成樹
脂成形体は、サニタリー製品に用いられることが好まし
い。
【0025】なお、部分的に架橋されたアクリル樹脂に
は、たとえば、以下のようなものがある。 (1)メチルメタクリレートを主成分とする単官能単量
体80〜99.99質量%とアリル系多官能単量体0.
01〜20質量%(好ましくは0.05〜10質量%)
との単量体混合物を重合してなるアクリル樹脂。 (2)メタクリル系モノマー100質量部に対し、粘度
平均分子量約10000〜約300000のメタクリル
系樹脂5〜50質量部(好ましくは10〜40質量部)
を溶解させてシロップとし、該シロップを重合させてな
るメタクリル樹脂。 (3) アクリル系単量体100質量部に、メルカプタ
ン0.01〜0.2質量部と、式{CH2=C(R)−
COO−}nY(式中、RはCH3またはHであり、Yは
炭素数5〜20のn価の炭化水素残基であり、nは2〜
4である。)で表される多官能性単量体(メルカプタン
1モル当たり0.1〜1.0モル)と、ラジカル重合開
始剤とを混合し、該混合液を重合させてなるアクリル樹
脂。
【0026】上記(1)に関し、メチルメタクリレート
を主成分とする単官能単量体は、メチルメタクリレート
のほかに、耐熱水性や加工性を更に改良するため、ある
いはその他の物性バランスを取るために、メチルメタク
リレートと共重合可能な他の単量体を含むものである。
該共重合可能な他の単量体としては、例えば、2ーエチ
ルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、メチル
アクリレートなどのアクリレート類、2ーエチルヘキシ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アリルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
などのメタクリレート類、スチレン、αメチルスチレン
などのスチレン類、あるいはメタクリル酸、アクリル
酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロヘ
キシルマレイミドなどである。また、アリル系多官能単
量体とは、分子内に2個以上のアリル基もしくはメタア
リル基を有する単量体である。アリル系多官能単量体の
具体例としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフ
タレート、ジアリルテレフタレート、ジメタリルテレフ
タレート、ジフェン酸ジアリル、ジフェン酸ジメタリル
などの芳香族系アリル系多官能単量体や、ジエチレング
リコールジアリルカーボネート、ポリエチレングリコー
ルジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリ
ルエーテル、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、ジアリルマレート、ジアリルクロレン
デート、ジアリルイタコネート、などの非芳香族系アリ
ル系多官能単量体がある。これらの単量体混合物を重合
するには、アクリル樹脂の製造に用いられている通常の
重合開始剤を用いることが出来る。
【0027】上記(2)に関し、メタクリル系モノマー
とは、メタクリル酸メチルを主成分とし、必要により共
重合可能なコモノマーを含有するモノマー混合物であ
る。コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
イソノニル等のアクリル酸アルキルエステル類;エチレ
ングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ヘキサンジオールジメタクリレート、ノナンジオールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、2、2−ビス〔4(メタクリロイルポリオキシ
エチル)フェニル〕プロパン、フタル酸ビス(2−メタ
クリロイルオキシエチル)エステル、アリルメタクリレ
ート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の分子
内に2個以上のラジカル重合性基を有する多官能モノマ
ー類;シクロヘキシルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、メタクリル酸、無水
マレイン酸、スチレン、シクロヘキシルマレイミド、ア
クリロニトリル等がある。また高い耐薬品性、耐熱性が
要求される場合は、分子内に2個以上のラジカル重合性
基を有する多官能モノマー類を、モノマー中0.005
〜5質量%の範囲内で用いることができる。 メタクリ
ル系モノマーに溶解させるメタクリル系樹脂は、メタク
リル酸メチル単位を主成分としてなる樹脂のことを意味
し、メタクリル酸メチル単独重合体の他、メタクリル酸
メチルとアクリル酸アルキルエステル、スチレン、メタ
クリル酸等のコモノマーとの共重合体も含む。その好ま
しい粘度平均分子量は、50000〜200000の範
囲であり、更に好ましくは70000〜150000の
範囲である。重合に供する際、該シロップにラジカル重
合開始剤を添加する。ラジカル重合開始剤は、メタクリ
ル樹脂板の製造に用いられている通常の重合開始剤を用
いることが出来る。
【0028】上記(3)に関し、アクリル系単量体と
は、メタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メチル
を主成分とし共重合可能な単官能単量体の混合物、ある
いはさらにこれら単量体に可溶な重合体を含有する混合
物である。 共重合可能な単官能単量体としては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸イソノニル、などのアクリル酸アルキ
ルエステル類のほか、シクロヘキシルメタクリレート、
エチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、メタ
クリル酸、無水マレイン酸、スチレン、アクリロニトリ
ル、シクロヘキシルマレイミドなどを例示することがで
きる。アクリル系単量体に可溶な重合体を含有する混合
物はいわゆるシロップと称されるものであり、該重合体
を含有させる方法としては、単量体に微量のラジカル重
合開始剤を用いて部分重合するいわゆる予備重合法と、
予め準備した重合体を単量体中に溶解させる方法など周
知の方法がある。この際、予備重合によって該重合体を
得る場合、あるいは予め準備した該重合体を得る場合の
双方とも、重合時に連鎖移動剤を使用、あるいは連鎖移
動剤と架橋剤とを併用することが可能である。メルカプ
タンは、連鎖移動剤でありその具体例としては、ラウリ
ルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルメルカ
プタンのごときアルキルメルカプタン類;チオグリコー
ル酸−2−エチルヘキシル、チオグリコール酸エチル、
あるいはトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどの多価アルコールの水酸基をチオグリコール酸で
エステル化したもののごとき、チオグリコール酸のエス
テル類;β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプト
プロピオン酸オクチルなどのβ−メルカプトプロピオン
酸とそのエステル類;チオフェノール、p(t−ブチ
ル)チオフェノールなどの芳香族メルカプタン類等であ
る。また式で表される化合物の具体例としては、1、5
−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナン
ジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ンテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレートなどがある。ラジカル重合開始剤
は、アクリル系単量体の重合に用いられている通常の重
合開始剤を用いることが出来る。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例により限定されるものではな
い。
【0030】(実施例1)部分的に架橋されたアクリル
系樹脂からなる金型接触面層(スミペックスGS710
(住友化学工業(株)製)、荷重たわみ温度は100
℃、厚みは3mm)とABS系樹脂からなる裏面層(ク
ララスチックMTH−2石目調色(日本A&L(株)
製)、荷重たわみ温度は94℃、厚みは5mm)とが積
層されている多層熱可塑性樹脂板を、厚み8mm、サイ
ズ900mm□で準備した。この多層熱可塑性樹脂板を
金型接触面層が下になるようにして、真空成形装置(C
UPF1015−PWB、布施真空(株)製)のクラン
プ枠にセットしクランプ枠の上下に配置した1対の電気
ヒータにより加熱した。この電気ヒータには、大きさ1
20mm×120mmの遠赤外線ヒータパネル(Eleste
in-Werk Steinmetz社製、「HFS」、400W(20
0V))が縦に150mm間隔で7枚、横に150mm
間隔で10枚、計70枚並べられたものを用いた。上側
と下側のヒータ設定温度は、それぞれ280℃と380
℃とした。加熱は、金型接触面層となるアクリル系樹脂
の中央部の表面の温度(Ts1)が218℃となり、そ
の反対側のABS系樹脂の中央部の表面の温度(Ts
2)が160℃となるように行なった。
【0031】次いで、ヒータを系外へ退避させ、この加
熱された多層熱可塑性樹脂板を直ちに雄型状の洗面台成
形型(金型温度85℃、Rz(平均値)4)を用いて圧
空成形(リバースドロー法)を行ない洗面台状の成形品
を得た。この実施例の構成、シート温度、金型温度、外
観などを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】上記表1に示されているように、この洗面
台成形品の金型接触面に顕著な外観異常は認められなか
った。
【0034】(比較例1)金型温度を75℃とする以外
は実施例1と同様に操作して成形品を得た。その結果、
表1に記されているように成形品の金型接触面に凹み状
の欠陥が見られた。
【0035】(比較例2)金型温度を90℃とする以外
は実施例1と同様に操作して成形品を得た。その結果、
表1に記されているように成形品の金型接触面に痘痕状
の肌荒れ欠陥が見られた。
【0036】(実施例2)多層熱可塑性樹脂板を、金型
接触面層となるアクリル系樹脂の中央部の表面の温度
(Ts1)が205℃となり、その反対側の裏面層とな
るABS系樹脂の中央部の温度(Ts2)が148℃と
なるように加熱した以外は、実施例1と同様に操作して
成形品を得た。表1に示すように、この洗面台成形品の
金型接触面に顕著な外観異常は認められなかった。
【0037】(比較例3)多層熱可塑性樹脂板を、金型
接触面層となるアクリル系樹脂の中央部の表面の温度
(Ts1)が190℃となり、その反対側の裏面層とな
るABS系樹脂の中央部の温度(Ts2)が135℃と
なるように加熱した以外は、実施例1と同様に操作して
成形品を得た。表1に示すように、この洗面台成形品の
金型接触面には凹み状の欠陥が見られた。
【0038】(比較例4)多層熱可塑性樹脂板を、金型
接触面層となるアクリル系樹脂の中央部の表面の温度
(Ts1)が180℃となり、その反対側の裏面層とな
るABS系樹脂の中央部の温度(Ts2)が127℃と
なるように加熱した以外は、実施例1と同様に操作して
成形品を得た。表1に示すように、この洗面台成形品の
金型接触面には凹み状の欠陥が見られた。
【0039】今回開示された実施の形態および実施例は
すべての点で例示であって制限的なものではない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂成形
体の製造方法によれば、成形時の熱可塑性樹脂板の表面
温度と金型温度とを最適化したことにより、凹み状欠陥
のない美観・感触に優れた樹脂成形体を得ることができ
る。これにより、美観・感触などが重視されるサニタリ
ー用品を始めとする用途に好適な成形体を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における樹脂成形体の
製造方法を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性合成樹脂板、3 成形金型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 B29L 22:00 Fターム(参考) 4F202 AA21 AH49 AM34 AR06 CA17 CB01 CK11 CN01 4F208 AA21 AH49 AM34 AR06 MA01 MA02 MB01 MG04 MK13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂板を金型を用いて熱成形し
    て熱可塑性樹脂成形体を製造する方法であって、 前記熱可塑性樹脂板の前記金型に接する直前の前記金型
    に接する側の表面の温度(Ts1)が、Ts1≧前記表
    面の荷重たわみ温度+45℃で、前記金型に接する側と
    は反対側の表面の温度(Ts2)が、Ts2≧前記反対
    側の表面の荷重たわみ温度+45℃で、前記金型の温度
    (Tm)が、前記金型に接する側の表面の荷重たわみ温
    度−20℃≦Tm<前記金型に接する側の表面の荷重た
    わみ温度−10℃の範囲である条件で熱成形することを
    特徴とする、樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂板が、45%以上90
    %以下のゲル化率を有する部分的に架橋されたアクリル
    系樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の樹
    脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂板は、2種以上の熱可
    塑性樹脂層が積層された多層構造よりなることを特徴と
    する、請求項1または2に記載の樹脂成形体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記熱成形により得られた前記樹脂成形
    体がサニタリー製品であることを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれかに記載の樹脂成形体の製造方法。
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