JP2001205670A - 多層成形品の成形方法 - Google Patents

多層成形品の成形方法

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JP2001205670A
JP2001205670A JP2000021236A JP2000021236A JP2001205670A JP 2001205670 A JP2001205670 A JP 2001205670A JP 2000021236 A JP2000021236 A JP 2000021236A JP 2000021236 A JP2000021236 A JP 2000021236A JP 2001205670 A JP2001205670 A JP 2001205670A
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molding
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heat
molded product
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JP2000021236A
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Kazuharu Yasuda
和治 安田
Isao Umei
勇雄 梅井
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種類の合成樹脂材料を同時又は逐次金型
内に射出して多層成形品を成形するに際し、薄いスキン
層を有する多層成形品を容易に成形することができるよ
うにする。 【解決手段】 金型内面が耐熱樹脂からなる断熱層で被
覆された射出成形用金型を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、スキン層(成形品
の表面層)とコア層(成形品の内層)とらなる多層成形
品の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2種類の合成樹脂材料を異なる2
つのシリンダーで可塑化し、単一のスプルー又はランナ
ーを介して両者を同時又は逐次金型内に射出充填し、二
層成形品を成形するサンドイッチ成形が知られている。
このサンドイッチ成形は、金型内に単一の溶融樹脂材料
を射出充填し、金型内で冷却・固化することによって成
形品を得ている通常の射出成形では対応しきれない多種
多様の機能を有する成形品を成形できる利点がある。
【0003】一方、近年環境問題が深刻になるに伴い、
合成樹脂成形品のリサイクルが重要な社会的課題となっ
てきている。
【0004】しかしながら、リサイクル材を用いて新た
に成形品を成形する場合、完全に除去できなかったゴミ
などの付着物や塗膜などの異物によって成形品表面に外
観上の不良が発生しやすい問題がある。この問題の解決
法の一つとして、特開平6−143278号公報には、
金型内面に断熱層を有する金型を用いたリサイクル材の
成形法が提案されている。この方法を用いれば、塗膜片
などが成形品表面へ露出するのを防ぐことができるが、
新しい成形品の要求色に合わせるためには再塗装が必要
となったり、回収樹脂への着色工程が必要となるといっ
た問題が生じている。更に、成形品表面に異物が露出は
しないが、表面から1μm以内の層には異物が存在する
場合があり、使用材料の色によっては、これが透けて見
えたり、強度的な問題を発生させる可能性もある。
【0005】また、リサイクル材を使用する場合の問題
を解決する別の手法として、リサイクル材をコア層とし
て使用するサンドイッチ成形が古くより提案され、一部
実用化に向けて検討が行われている。このサンドイッチ
成形では、スキン層を形成する合成樹脂材料にはバージ
ン材(リサイクル材ではない新しい材料)を用いるた
め、リサイクル材による外観不良の問題を解決でき、更
にスキン層を構成するバージン材よって、強度、物性的
にもある程度安定した成形品を得ることが可能となる。
従って、合成樹脂のリサイクルを可能とする有望な成形
法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サンド
イッチ成形は、二種類の合成樹脂材料を同方向に流動さ
せて二層成形品とするものであることから、スキン層と
コア層の肉厚を制御しにくく、特に薄いスキン層を有す
る成形品を成形できない問題がある。特にスキン層の合
成樹脂材料とコア層の合成樹脂材料の流動性が大きく異
なるほどスキン層の厚みむらが大きくなり、極端な場合
にはコア層が露出してしまうことになることから、ます
ます薄いスキン層とすることが困難となる。
【0007】上記サンドイッチ成形の問題は、リサイク
ル材をコア層として使用する場合についても全く同様で
ある。前記のように、サンドイッチ成形ではスキン層の
肉厚制御が困難なために、特にコア層をリサイクル材と
する場合、コア層を形成するリサイクル材の成形品全体
に占める割合は20〜30容量%程度が限界であり、リ
サイクル材の利用率を大きくできない問題がある。
【0008】本発明では、このような従来の問題点に鑑
みてなされたもので、複数種類の合成樹脂材料を同時又
は逐次金型内に射出して多層成形品を成形するに際し、
薄いスキン層を有する多層成形品を容易に成形すること
ができるようにすることを第1の目的とする。また、本
発明は、スキン層を薄くすることでコア層の占有割合を
増やし、コア層をリサイクル材で構成した場合のリサイ
クル材の利用率を大きく改善することを第2の目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】ところで、スキン層を薄
くしてコア層の占有割合を大きくできない原因の一つと
して、スキン層を形成する溶融樹脂が金型内面に接触す
ると同時に急速に冷却固化するため、スキン層の肉厚を
薄くするのに限界があることが考えられる。本発明は、
本発明者らの上記知見に基づいてなされたものである。
【0010】即ち、本発明は、スキン層を構成する合成
樹脂材料が金型内面と接触したときの冷却固化を遅らせ
ることでスキン層の薄肉化を図るもので、金型内面が耐
熱樹脂からなる断熱層で被覆された射出成形用金型を用
い、二種以上の合成樹脂材料を同時又は逐次金型内に射
出して、スキン層とコア層とからなる多層成形品を成形
することを特徴とする多層成形品の成形方法を提供する
ものである。
【0011】また、本発明は、コア層を構成する合成樹
脂材料の少なくとも一種類がリサイクル材であること、
および、スキン層の厚みが、0.8mm以下またはコア
層の厚みの1/2以下であることをその好ましい態様と
して含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、金型内面に耐熱樹脂
からなる断熱層を有する射出成形用金型を用いる。本発
明で用いる射出成形用金型は、金型本体と、その内面に
設けられた耐熱樹脂の断熱層とを備えたもので、室温に
おける熱伝導率が0.05cal/cm・sec・℃以
上の金属で構成された金型本体の内面に、熱伝導率が
0.002cal/cm・sec・℃以下の断熱層が
0.01〜3mm厚に設けられたものが好ましい。
【0013】金型本体の構成材料の具体例としては、鉄
又は鉄を50重量%以上含有する鋼材、アルミニウム又
はアルミニウムを50重量%以上含有する合金、亜鉛合
金、銅合金、例えばベリリウム銅合金等、一般に合成樹
脂の成形用金型に使用されている金属を挙げることがで
きる。特に鋼材が最も良好に使用できる。
【0014】金型本体の内面は、後述する断熱層との密
着性を高めるため、クロムメッキ又は/及びニッケルメ
ッキで被覆されていることが好ましい。
【0015】金型本体の内面は断熱層で被覆されてい
る。この断熱層を設けておくと、金型内に射出された溶
融樹脂は断熱層と接触することになるが、断熱層と接し
てもその断熱作用で通常の金型に比べて冷却固化が遅
れ、流動状態が長く保たれる。結果としてスキン層の形
成速度が遅くなるため、サンドイッチ成形時のスキン層
をより薄く制御することが可能となる。また、リサイク
ル材でコア層を形成する場合のリサイクル材の利用率ア
ップが可能となる。更には、通常の射出成形で問題とな
るウエルドライン等による外観不良等をも同時に解消で
きる。
【0016】前記のように、断熱層は、熱伝導率が0.
002cal/cm・sec・℃以下で、厚みが3mm
以下であることが好ましい。断熱層の熱伝導率が0.0
02cal/cm・sec・℃を超える場合、必要な断
熱効果が得にくく、厚みが3mmを超えると成形品の冷
却効率が悪くなって成形効率が遅延しやすい。断熱層の
厚みは、断熱効果と成形品の冷却効率の観点から、より
好ましくは0.05〜0.4mmであり、最適には0.
07〜0.3mmである。
【0017】断熱層を構成する耐熱樹脂とは、ガラス転
移温度が150℃以上の樹脂である。具体例としては、
主鎖に芳香族環を有するポリイミド、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアリレ
ート、ポリフェニレンエーテル等の芳香族系重合体を挙
げることができる。断熱層を構成する耐熱樹脂は、耐久
性を高めるため、ガラス転移温度が190℃以上の樹脂
であることが好ましい。
【0018】本発明で用いる射出成形用金型を容易に得
られるようにする上で、耐熱樹脂の溶液又は前駆体溶液
を金型本体の内面に塗布することで断熱層を形成できる
ことが好ましい。従って、耐熱樹脂としては、溶液とな
る非結晶性芳香族重合体、あるいはポリアミド酸等の前
駆体溶液から構成されるポリイミドが良好に使用され
る。ここで述べるポリイミドとは、ピロメリット酸(P
MDA)系ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸系
ポリイミド、トリメリット酸を用いたポリアミドイミト゛、
ビスマレイミド系樹脂(ビスマレイミド/トリイジン系
等)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系ポリイミド、
アセチレン末端ポリイミド、熱可塑性ポリイミド等であ
る。
【0019】特に好適な耐熱樹脂としては直鎖型熱硬化
性ポリイミドが挙げられる。直鎖型熱硬化性ポリイミド
の前駆体溶液を金型本体の内面に塗布し加熱することで
容易に直鎖型熱硬化性ポリイミドの断熱層を形成するこ
とができる。この前駆体溶液の塗布に際しては、粘度、
表面張力、チキソトロピー性等を調整するための添加物
を加えたり、金型本体との密着性を高めるための添加剤
を加えることができる。断熱層を形成するのに適した直
鎖型熱硬化性ポリイミドの前駆体溶液の具体例として
は、東レ社製「トレニース♯3000」を挙げることが
できる。
【0020】断熱層に好適なポリイミド以外の芳香族系
重合体としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリフェニ
レンエーテル、ポリベンツイミダゾール等を挙げること
ができる。また、これらの他、ポリフェニル、ポリ−m
−フェノキシレン、ポニフェニレンサルファイド、ポリ
ベンジル、ポリフェネチル、ポリ−p−キシレン、ポリ
テレフタールアミド、ポリスルファニルジベンザミド、
ポリヒドラジド、ポリオキサミド、フェノールフタレイ
ンポリマー、ハイドロキノンポリエステル、ポリヒドロ
キシベンゾイックアシッド、ポリベンゾチアゾール、ポ
リキノキザリン、ポリフェニレントリアゾール、ポリジ
チアゾール、ポリオキサジアゾール、ポリアミジン、パ
イロライズドポリアクリロニトリル、ポリ(ビニルイソ
シアネート)ラダーポリマー等から選択することもでき
る。
【0021】これらの重合体について、溶剤への溶解を
良くする目的で分子量を小さくしたり、共重合体とする
こともできる。
【0022】金型内面を被覆する断熱層と金型との密着
力は強いほど望ましい。合成樹脂材料の射出成形時に簡
単に剥離しないようにする上で、金型内面に垂直方向に
20mm/分の速度で断熱層を引っ張ったときの剥離強
度が200g/10mm幅以上の密着力を有することが
好ましく、より好ましくは400g/10mm幅以上で
あり、最適には1000g/10mm幅以上である。
【0023】金型本体と断熱層間の密着力を上げるため
に、金型本体側の金属面と断熱層の間にプライマー層を
介在させることが好ましい。このプライマー層として
は、金型本体側の金属面と断熱層の両者に対して密着力
が優れ、しかも耐熱性に優れた材料が選択される。断熱
層として熱硬化性ポリイミドを用いる場合、金型本体側
の金属面とこの熱硬化性ポリイミドの両者に対して密着
力に優れ、しかも耐熱性に優れることから、熱可塑性ポ
リイミドや加熱によって軟化する熱硬化性ポリイミド等
が好ましい。
【0024】上記プライマー層の付設は、熱可塑性ポリ
イミドあるいは熱硬化性ポリイミド前駆体溶液を金型本
体内面に塗布し、加熱してポリイミド層を形成すること
で行うことができる。プライマー層の厚みは0.5〜2
0μmであることが好ましく、特に1〜10μmが適し
ている。プライマー層が薄すぎると上記密着力の向上が
小さく、また過剰に厚くすると、該プライマー層の耐熱
温度が断熱層の耐熱温度より低い場合は、断熱層及びプ
ライマー層全体としての耐熱性が低下しやすくなる。プ
ライマー層を形成すのに適したポリイミド前駆体として
は、三井化学社製「LARC−TPI」や、ユニチカ製
「Uイミド」等を挙げることができる。
【0025】断熱層の表面には、断熱層の保護並びに表
面平滑性を向上させるために、メッキ処理を施したり、
高硬度のトップコート層を設けておくこともできる。
【0026】本発明における合成樹脂材料とは一般の熱
可塑性合成樹脂成形材料をいう。例えば、ポリスチレン
や、ハイインパクトポリスチレン、ミデイアムインパク
トポリスチレンのようなゴム補強スチレン系樹脂、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、アク
リロニトリル−ブチルアクリレートラバー−スチレン共
重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプ
ロピルラバー−スチレン共重合体(AES)、アクリロ
ニトリル−塩化ポリエチレン−スチレン共重合体(AC
S)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、A
BS樹脂(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン−アルファメチルスチレン共重合体、アクリロニト
リル−メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト(PMMA)等のアクリル系樹脂、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポ
リプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、エ
チレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート(PETP、PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBTP、PBT)等のポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート(PC)、変性ポリカーボネ
ート等のポリカーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポ
リアミド6、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂、ポ
リオキシメチレンコポリマー、ポリオキシメチレンホモ
ポリマー等のポリアセタール(POM)樹脂、その他の
エンジニアリング樹脂、スーパーエンジニアリング樹
脂、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエ
ーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(TP
I)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエ
ーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイ
ド(PSU)等の成形材料他、セルロースアセテート
(CA)、セルロースアセテートブチレート(CA
B)、エチルセルロース(EC)等のセルロース誘導
体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポリエステル等の
液晶系ポリマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(TPU)、熱可塑性スチレンブタジエンエラストマー
(SBC)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(T
PO)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPE
E)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー(TPVC)、
熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)等の熱可
塑性エラストマー等の成形材料を挙げることができる。
【0027】本発明で用いる合成樹脂材料は、上記熱可
塑性合成樹脂成形材料の一種もしくはそれ以上のブレン
ド体や2種類以上の熱可塑性合成樹脂成形材料からなる
ポリマーアロイ材料でもよく、更には充填材及び/又は
添加材等を含有していてもよい。
【0028】本発明では、上記のような合成樹脂材料の
二種以上を同時又は逐次金型内に射出して多層成形品を
成形する。この多層成形品の成形は、通常のサンドイッ
チ成形を用いて行うことができる他、特殊な多層射出成
形方法を用いて行うこともできる。
【0029】通常のサンドイッチ成形では、2本のシリ
ンダーを有する射出成形機を用いて、それぞれのシリン
ダーにスキン層を形成する合成樹脂材料(A材)とコア
層を形成する合成樹脂材料(B材)を分けて供給し、A
材を射出した後、あるいはA材の射出と同時にB材を金
型内に射出する。2本のシリンダーは、ノズル先端で合
流するように一体化されたものでも、金型に別々に接続
されたものでもよい。リサイクル材を用いる場合、B材
として使用する。充填される形態のものでも良い。コア
材を形成するリサクル材からなるB材を金型内に射出充
填する。
【0030】また、特殊な多層射出成形の一例として
は、金型内にA材とB材を逐次射出充填し、B材の射出
時に未固化のA材を供給部、即ちシリンダーに戻すこと
によって多層成形品を得る方法がある(特開平10−1
38292号公報参照)。この多層成形法では、先に金
型内に充填したA材の未固化部分を、次いで金型内に充
填されるB材によって再流動化させるため、B材の射出
完了までのA材の固化を遅延させてスキン層の肉厚を小
さくするためには断熱層で被覆された金型を用いること
が特に有効である。
【0031】尚、上記の説明ではコア層を1種類の合成
樹脂材料で構成しているが、コア層を複数種類の合成樹
脂材料で構成することもできる。
【0032】本発明により成形する複合成形品は、合成
樹脂材料のリサイクルを促進するために、コア層として
リサイクル材を用いることが好ましい。また、リサイク
ル材をコア層に用いた場合の利用率を向上させるため
に、スキン層の厚み(片側のスキン層の厚み)が、0.
8mm以下、より好ましくは0.4mm以下、最適には
0.2mm以下であること、または、コア層の厚みの1
/2以下、より好ましくは1/3以下、最適には1/4
以下であることが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】実施例1 以下の金型と成形材料を用いて成形品を成形した。
【0035】(1)金型 成形品形状(金型キャビティ形状):210×300m
m、側壁高さ20mm、成形品肉厚2.0mmの箱形形
状成形品。
【0036】金型本体:鋼材(S55C)製金型のキャ
ビ、コア表面を鏡面仕上げし、更に内面に2μm厚の鏡
面状硬質クロムメッキ処理を施した。
【0037】プライマー処理:上記金型内面にポリイミ
ドコーティング剤(ユニチカ製「Uイミド・タイプ
C」)を約2μmの厚みで塗布し加熱硬化させた。
【0038】断熱層:直鎖型ポリイミド前駆体(東レ製
ポリイミドワニス「トレニース♯3000」)を塗布し
て160℃に加熱する操作を2度行った後、290℃に
加熱してイミド化し、ポリイミドの断熱層を100μm
の厚みで形成した。
【0039】トップコート層:ポリシロキサンとエポキ
シ樹脂を主成分とする溶液(東芝シリコーン製「YP−
9327」)を塗布し、150℃で加熱硬化して鏡面状
に研磨した。
【0040】(2)成形材料 リサイクル材料:メタリック塗装されたABS樹脂の粉
砕品。
【0041】バージン材料:グレー色に着色したABS
樹脂。
【0042】コア層をリサイクル材、スキン層をバージ
ン材とし、サンドイッチ成形機を用いてサンドイッチ成
形を行った。
【0043】射出はバージン材を金型内に充填後直ちに
リサイクル材を金型内に射出充填する逐次射出とし、リ
サイクル材とバージン材の計量値を変えながら成形を行
い、得られた成形品の表面が完全にバージン材で覆われ
ているか否かを目視観察した。
【0044】表面が完全にバージン材で覆われている成
形品において、リサイクル材が占める最大容積比は45
%であった。これ以上リサイクル材の比率を高めたもの
は成形品表面にリサイクル材が現れた。また、表面が完
全にバージン材で覆われている成形品の外観は、ウエル
ドライン等の他の欠陥も全く見られない光沢のある優れ
たものであった。
【0045】比較例1 実施例1における金型で、プライマー処理の施される前
の鋼材製金型のキャビ、コア表面を鏡面仕上げし、更に
金型内面に2μm厚の鏡面状硬質クロムメッキ処理のみ
が施された金型を用いてサンドイッチ成形を行った。金
型以外は、実施例1と同条件で成形品を成形した。
【0046】表面が完全にバージン材で覆われている成
形品において、リサイクル材が占める最大容積比は29
%であった。これ以上リサイクル材の比率を高めたもの
は成形品表面にリサイクル材が現れた。また、表面が完
全にバージン材で覆われている成形品であっても、表面
にはウエルドラインが見られ、外観上商品価値の低い成
形品であった。
【0047】実施例2 以下の金型と成形材料を用いて成形品を成形した。
【0048】(1)金型 成形品形状(金型キャビティ形状)を、厚さ4mm、幅
10mmのダンベル形状でISO規格(ISO524)
による成形品とした以外は実施例1と同様とした。
【0049】(2)成形材料 リサイクル材料:塗装されたハイインパクトポリスチレ
ンの粉砕品。
【0050】バージン材料:着色したポリプロピレン。
【0051】2本のシリンダーを有する二色成形機を用
い、多層成形を行った。ダンベル成形品の両端をランナ
ー、ゲートを介して2本のシリンダーに連結し、一方の
シリンダー(以下、「Aシリンダー」と記す。)にはバ
ージン材を、他方のシリンダー(以下「Bシリンダー」
と記す。)にはリサイクル材を供給した。
【0052】まず、シリンダ−A,Bからバージン材と
リサイクル材を速度差をつけて金型キャビティ内に射出
充填した。この両成形材料がダンベル片のリサクル材供
給側のランナーでぶつかるように速度調整を行い、当初
は金型内をバージン材のみで満たした。
【0053】次いで、直ちにAシリンダーのスクリュー
をバックさると同時に、シリンダーBのスクリューを前
進させ、リサイクル材を成形品内部に押し込むことによ
って、成形品内の未固化のバージン材をAシリンダー側
に押し戻した。即ち、リサイクル材でコア層を形成させ
るように充填して2層成形品を得た。
【0054】得られた2層成形品のスキン層の平均肉厚
は0.33mmで、得られた成形品の外観はウエルドラ
イン等も全く見られない光沢のある優れたものであっ
た。
【0055】比較例2 実施例2における金型で、プライマー処理の施される前
の鋼材製金型のキャビ、コア表面を鏡面仕上げし、更に
金型内面に2μm厚の鏡面状硬質クロムメッキ処理のみ
が施された金型を用いてサンドイッチ成形を行った。金
型以外は、実施例2と同条件で成形品を成形した。
【0056】得られた2層成形品のスキン層の平均肉厚
は0.44mmで、実施例2に比べ30%も肉厚のスキ
ン層を有する成形品しか得られなかった。また成形品の
外観は実施例2に比べて光沢性の劣ったものであった。
【0057】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
多層成形品の外観を向上させることができると共にスキ
ン層の厚みを薄く制御することができ、しかもコア層と
してリサイクル材を用いる場合のリサイクル材の利用率
を大きく向上させることができる。このため、外観に優
れ、商品価値が極めて高く、しかも環境に優しい成形品
を提供することが可能となるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA50 AG03 AJ03 AJ09 AJ13 CA11 CB01 CB22 CB30 CD22 CK11 CN27 4F206 AA50 AG03 AJ03 AJ09 AJ13 JA07 JB22 JB30 JN12 JQ81

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内面が耐熱樹脂からなる断熱層で被
    覆された射出成形用金型を用い、二種以上の合成樹脂材
    料を同時又は逐次金型内に射出して、スキン層とコア層
    とからなる多層成形品を成形することを特徴とする多層
    成形品の成形方法。
  2. 【請求項2】 コア層を構成する合成樹脂材料の少なく
    とも一種類がリサイクル材であることを特徴とする請求
    項1に記載の多層成形品の成形方法。
  3. 【請求項3】 スキン層の厚みが、0.8mm以下また
    はコア層の厚みの1/2以下であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の多層成形品の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023036760A1 (en) * 2021-09-07 2023-03-16 Ineos Styrolution Group Gmbh Multilayer article comprising a recycled abs copolymer core layer

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