JP2001204827A - 治療用電極及びこの治療用電極を用いた電気治療器 - Google Patents

治療用電極及びこの治療用電極を用いた電気治療器

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JP2001204827A
JP2001204827A JP2000022276A JP2000022276A JP2001204827A JP 2001204827 A JP2001204827 A JP 2001204827A JP 2000022276 A JP2000022276 A JP 2000022276A JP 2000022276 A JP2000022276 A JP 2000022276A JP 2001204827 A JP2001204827 A JP 2001204827A
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electrode
insulating layer
therapeutic
conductive
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JP2000022276A
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Toshio Imazato
淑郎 今里
Hidetoshi Imazato
秀俊 今里
Tomeyuki Fujii
留幸 藤井
Mamoru Hayashi
護 林
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Chiyuuoo Kk
Original Assignee
Chiyuuoo Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好かつ均一な導電性を長期間維持でき、ま
た皮膚表面に沿ってぴったりとフィットする治療用電極
と、この電極を用い高度な治療効果を発揮する電気治療
器を得る。 【解決手段】 絶縁層とこの絶縁層に積層された導電層
とを備え、前記導電層には導電性繊維により形成された
メッシュ状シートを備えた。また導電性繊維は金属メッ
キを施した合成樹脂により形成し、そのメッシュ密度は
5メッシュ以上300メッシュ以下が好ましい範囲とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は治療用電極、特に中
周波治療器等の電気治療器の導子として用いられる治療
用電極、及びそれを用いた電気治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】電気治療器の導子に用いられる電極は、
導電層や絶縁層を有する積層体として形成される。各層
は、熱伝導率の良い導電体を有する導電層を含め、多く
の場合身体の形状にそってフィットできるよう、可撓性
に富んだシリコンゴム等の材質で成形されている。電気
治療器からの電流は、電極の一端に設けられた電流入力
部より電極内に入り、電極内の導電層を伝って身体に伝
えられる。このとき、治療効果を上げるためには導電層
のすみずみまで電流が流れることが必要で、そのために
は導電層が均一な導電性を有することが要求される。
【0003】かかる観点より、導電体としてカーボンブ
ラックを採用し、これが混合されたシリコンゴムにより
成形された導電層を用いた電極(従来例1)や、導電体
として金属箔を採用し、シリコンゴムで金属箔を挟み込
んで成形された導電層を用いた電極(従来例2)等が採
用されている。
【0004】
【解決しようとする課題】上記従来例は、次のような問
題点を有する。まず従来例1は、導電性が不均一である
という問題点を有する。つまり、広範囲の皮膚を治療で
きるよう、電極をある程度大きな平板状に成形した場
合、電流入力部がある一端(上流側)から電流がたどり
着く電極長さ方向の他端(下流側)までの距離が長くな
る。ここで、導電体であるカーボンブラックは、シリコ
ンゴム中に分散しているため、下流側に至る電流は距離
に比例した電気抵抗を受ける。その結果、下流側で出力
可能な電流値が上流側よりも小さくなり、均一な導電性
が実現できているとは言い難い(問題点1)。
【0005】筋線維に対し効果的な治療を行うために
は、細長い電極を用い、中周波電流で施療することが好
ましい。筋線維は細長く、また中周波電流は筋線維に直
接届くためである。しかし従来例1の電極は、上述のよ
うに広範囲にわたる均一な導電性を十分に具備できない
ため、皮膚に接する面が小さく形成されたものが多かっ
た。つまり、一つの筋線維全体に同時に治療を施すこと
はできず、中周波電流を用いても、その効果は思うよう
に得られていなかった。
【0006】なお、中周波電流とは、いわゆる低周波電
流といわれている1000ヘルツレベルの周波数以上の
電流、すなわちおおよそ1000ヘルツ以上15000
ヘルツ以下の範囲内に属する電流をいうものとする。一
方従来例2では、電流は、シリコンゴムではなく金属箔
を伝わるので、シリコンゴムよりも電気抵抗値は極めて
小さく、従来例1のような、導電性が不均一であるとい
う問題点は生じにくい。しかし、以下のような問題点を
有する。金属箔は、可能な限り薄くしても、材質が金属
であるためある程度の硬さを有する。従って、電極は身
体のなだらかな曲面に沿って自在に変形させることが難
しく、身体への密着性が良くない(問題点2)。
【0007】また長期間の使用に伴い発生する次のよう
な現象、(1)導電層が層間剥離する、(2)金属箔が
折れる、(3)金属箔がさびる、により導電性が損なわ
れ、電極としての機能を果たさなくなる(問題点3)。
現象(1)の層間剥離とは、導電層を形成するシリコン
ゴムや金属箔がそれぞれ剥離して、導電層がばらばらに
なる状態をいう。導電層は一般的に、シリコンゴムが金
属箔を挟み、接着剤でシリコンゴムと金属箔とを接着し
て成形されている。つまり金属箔を挟むシリコンゴム同
士は、間に金属箔を介するため、それらの全面同士では
なく金属箔と接していない面でのみ互いに接着されるに
すぎない。また、もともと接着性のよくないゴムと金属
箔は、長期間の使用で剥離しやすくなる。金属箔を挟む
シリコンゴムは、これらの理由により互いに剥離しやす
くなり、導電層の層間剥離を招くのである。
【0008】また現象(2)は、金属箔がどんなに薄く
ても、やはり硬さを有するために起こるもので、電極を
身体に沿わせて曲げているうちに、曲げのストレスが金
属箔にかかり、金属箔は弱った箇所から切断してしま
う。特に電流入力部付近の金属箔はかかるストレスを受
けやすい。電流入力部はリード線の端子が接続されるよ
う成形されるので、電流入力部周辺の薄い部分に比しど
うしても厚みが大きくなる。この分厚い部分と薄い部分
との境目は特に曲がりやすく、この部分の金属箔は曲げ
のストレスを受けやすいのである。
【0009】また現象(3)は、皮膚面の電気抵抗を下
げるための導電剤により起こる。長期間、電極に繰り返
し導電剤を塗布していると、導電剤中の薬剤が導電層に
しみこんでいき、それにより金属箔がさびてしまう。本
発明は上記問題点1〜3に鑑みなされたものであってそ
の目的とするところは、皮膚の広い範囲にわたって効果
的な治療を施すことが可能とするために、電極全体の導
電性が均一で身体への密着性がよく、かつ長期間良好な
導電性を維持できる電極を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決すべ
く、本発明においては以下の手段を採用した。すなわ
ち、本発明にかかる治療用電極は、絶縁層とこの絶縁層
に積層された導電層とを備え、前記導電層には導電性繊
維により形成されたメッシュ状シートが備えられている
ことを特徴とする。この手段によれば、メッシュ状シー
トは導電性の繊維により構成されているため変形性に富
み、絶縁層や導電層の変形にあわせて容易に変形させる
ことができる。従って、電極を自在に変形させて、身体
の曲面に十分にフィットさせることができる。
【0011】またシートがメッシュ状であるので、この
シートの上下面から接する層同士をメッシュの間で接着
させることができ、これらの層同士はほぼ全面にわたっ
て強固に接着される。従って、長期間使用しても導電層
は層間剥離を起こさず好適である。特に導電層や絶縁層
がシリコンゴムにより成形されているときは、メッシュ
の間で層同士を熱融着させることができ、電極の一体成
形が可能になる。このときは、接着剤が必要なく、製造
工程が簡略化されて特に好適である。
【0012】なお、本発明でいうメッシュ状シートに
は、網の目のような透孔生地を意味する通常のメッシュ
生地の状態のシートの他、かかるメッシュを有さない通
常の織布シートに、この織布シートを上下から挟む導電
層同士を互いに接着可能な孔が多数設けられているシー
トも含まれる。また前記導電性繊維は、金属メッキが施
された合成樹脂により形成されていることが好ましい。
合成樹脂は加工性にすぐれるので、耐久性や太さ等、繊
維に要求される様々な条件を容易に実現することができ
る。
【0013】合成樹脂としては、ポリエステル、アクリ
ル、ナイロン、テトロンが特に好適であるが、金属メッ
キ可能なものであれば構わない。上記シートは金属メッ
キされることで、良好な導電性を具備できるとともに、
重なりあった繊維同士がこの金属メッキにより固定され
る。シートの導電性のみならず、形状安定性も良好に保
つことができる。上記の金属としては、導電性を有する
ものであればよく、例えばAl、Cu、Ni等があげら
れる。またこれらの合金であってもよく、例えばCuと
Niの合金等が使用可能である。
【0014】また前記メッシュ状シートのメッシュ密度
は、5メッシュ以上300メッシュ以下であることが好
ましい。5メッシュ未満であるとピッチが大きくなりす
ぎ、電気的空白部があるため好ましくなく、また300
メッシュを越えると、導電層同士を接着させるのに十分
な隙間を確保することが困難なためである。より好まし
くは、90メッシュ以上150メッシュ以下が好適であ
る。なお、本発明におけるメッシュ密度は、1インチあ
たりの縦糸及び横糸の本数で表す。例えば、1インチあ
たり縦糸90本、横糸90本の糸がある場合に、メッシ
ュ密度が90メッシュであるという。
【0015】また本発明にかかる治療用電極は、絶縁層
とこの絶縁層に積層された導電層とを備え、前記絶縁層
には前記導電層側に突出しかつこの導電層の外周を取り
囲む凸条が設けられていることを特徴とする。電極は施
療部分に対して、電気治療器が単相交流電流を流す場合
は二つ、三相交流電流を流す場合には三つ、というよう
に複数個使用される。複数個の電極が並列されると、隣
り合う電極の導電層の外周同士が接触し、発熱を引き起
こす場合がある。特に三相交流中周波では電流量も大き
く、このときは火傷をするおそれがある。
【0016】この手段を採用すれば、導電層の外周は絶
縁層の凸条により取り囲まれるので、導電層の外周同士
が直接接触することがなく、火傷のおそれは回避され
る。また前記導電層の前記絶縁層に積層された面とは逆
側の面には、前記導電層を皮膚に吸着させるための吸着
手段が設けられていてもよい。導電層の前記絶縁層に積
層された面とは逆側の面は、電気治療を受ける施療者の
皮膚に直接接触する面である。この面に吸着手段があれ
ば、施療者の皮膚に導電層を吸着させることができ、電
極を人体の皮膚面にフィットさせた状態で固定できる。
【0017】また前記吸着手段には、この吸着手段と皮
膚との間のエアを吸引する吸引手段が設けられているこ
とが好ましい。これにより、吸着手段と皮膚との間の空
間を減圧させることができ、導電層のより強い吸着を実
現することができる。また前記吸引手段は、前記電極に
内設されかつエアを流通させるエア流通路に連設されて
いることが好ましい。エア流通路にエアが一方向に流通
されれば、吸着手段と皮膚の間のエアは上記吸引手段を
介してこのエアに吸引され、導電層はより強固に皮膚面
に固定される。
【0018】かかる手段によれば、吸引のための大がか
りな装置は必要ないので、電気治療の妨げにならず好適
である。上述の凸条や吸引手段を設けた電極の導電層に
も、先述した導電性繊維により形成されたメッシュ状シ
ートが備えられていることがより好ましい。また本発明
にかかる電気治療器は、上述したいずれかの治療用電極
を備えており、人体の皮膚に沿わせた前記導電層に交流
電流を流して治療を行うことを特徴とする。
【0019】上述の治療用電極は、均一な導電性や耐久
性を備えているので、かかる電極を用いる電気治療器
は、長期間優れた治療効果を発揮することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる治療用電極
を図面に則して説明する。図1〜図3は、本発明の治療
用電極にかかる第1実施形態を示す。図1は治療用電極
1を導電層側からみた正面図、図2は図1のA−A線断
面図、図3は治療用電極1を絶縁層側からみた斜視図で
ある。本実施形態にかかる治療用電極(以下、電極とい
う)1は、絶縁層2と、絶縁層2の片面側に積層された
導電層3とを有し、これらはほぼ長方形の薄い平板状の
層に形成されている。導電層3は、絶縁層2の片面側の
ほぼ全面にわたって積層されている。
【0021】導電層3は、導電性物質のカーボンブラッ
クを配合したシリコンゴムで成形された導電層本体4
と、導電性繊維により形成されたメッシュ状シート5と
を有する。絶縁層2は、シリコンゴムにより成形されて
いる。この電極1の長手方向一端部には、電気治療器本
体20からの電流を電極に伝えるための電流入力部6が
設けられている。電流入力部6は図3に示すように、絶
縁層2の導電層3とは反対側の面に突出して設けられて
いる。電流入力部6は、絶縁層2と同質のシリコンゴム
により成形された被覆部6Aと、導電層本体4と同質の
シリコンゴムにより成形された接続部6Bとを有してい
る。接続部6Bには、電気治療器本体に着脱自在に接続
されたリード線10の端子11が接続される接続孔7が
設けられ、ここに端子11を挿入するようになってい
る。
【0022】導電層3には、上述のように、導電性繊維
により形成されたメッシュ状シート5が備えられてい
る。シート形状なので、導電層の広い範囲にわたって配
置することができ、均一な電流を広範囲に伝えることが
できる。従って、均一な導電性を具備したまま電極を平
面視において細長い状態(長方形等)に形成することが
できるので、先述したように、細長い筋線維への施療を
効果的に行える。またメッシュ状シート5は繊維により
形成されているので変形性に富み、絶縁層2や導電層3
の変形に応じて容易に変形できる。従って、電極1自体
が高度な変形性、柔軟性を有することになり、人体の皮
膚表面の微妙な凹凸にそってフィットさせることができ
る。
【0023】メッシュ状シート5は、金属メッキとして
銅・ニッケル合金メッキが施されたポリエステル繊維に
より形成されている。本実施形態においては、ポリエス
テル繊維の糸径が縦横ともに40μm、メッシュ密度が
90メッシュ、シートの厚みが0.07mmのものであ
る。メッシュ状シートは非常に薄いので、電流入力部6
を嵩低く形成でき、薄い電極部分との境界で折れやすい
ほどの厚みの差はできない。従って、電極が電流入力部
6付近で極端に曲がることを回避できる。
【0024】本実施形態においては、メッシュ状シート
5は導電層3に埋設されていて、導電層3の厚み方向ほ
ぼ中間の位置、すなわち導電層3の表面3Bに近すぎ
ず、また絶縁層2に接してもいない位置に配置されてい
る。メッシュ状シート5の位置があまりに導電層3の表
面3Bに近すぎると、メッシュ状シート5が表面3Bに
浮き出て、皮膚の電気抵抗を下げる導電剤等の影響で繊
維の脆化、金属の腐食等が起こり、電極1の耐久性が損
なわれるため好ましくない。またあまりに絶縁層2側に
近すぎて、導電層3と絶縁層2との間にメッシュ状シー
ト5が配置されることになれば、絶縁層2により導電率
が損なわれ、好ましくない。
【0025】メッシュ状シートは、本実施形態において
は電極のほぼ全面にわたって埋設されているが、例えば
短冊状に形成したメッシュ状シートを複数並べて埋設さ
せてもよい。絶縁層2には、その周縁の全周にわたっ
て、導電層3側に突出した凸条9が設けられている。凸
条9の内壁面9Aが導電層3の外壁面3Aと接した状態
で、絶縁層2と導電層3とが積層されている。つまり、
導電層3の外周である外壁面3Aは、凸条9により取り
囲まれるようになっている。
【0026】従来から複数の電極を並列して使用する際
には、隣接する導電層同士が接触して発熱し、火傷をす
るおそれがあったが、上記構成によれば隣接する電極の
導電層同士は接触せず、発熱を防止することができるの
で好適である。なお、外壁面3Aのみでなく、導電層の
表面3Bもその周縁が縁取られるように被覆されてもよ
い。つまり、例えば図2の電極1の端部1Bにおいて、
凸状9の先端9Bが、導電層3の表面3Bの周縁を被覆
するよう延設されていてもよい。更に、凸条9は必ずし
も絶縁層2の周縁の全周にわたっていなくてもよい。
【0027】本発明にかかる電気治療器は、電気治療器
本体20と電極1とを備えており、電極1を人体の皮膚
に沿わせて、導電層3に交流電流を流して治療を行う。
電気治療器20と電極1は、先述したリード線10、端
子11等により、着脱自在に接続されている。電気治療
器本体20からの電流は、リード線10、端子11、電
流入力部6を通って電極1に流れ込む。この電流は、メ
ッシュ状シート5によって導電層3全体に伝わり、皮膚
に接したこの導電層3により、人体に流れ込む。
【0028】電極1は、プレス成形により成形される。
絶縁層2を構成するシリコンゴム、導電層3を構成する
カーボンブラック入りシリコンゴムには、その他必要に
応じてシリカ、加硫剤、オイル等が適宜配合される。具
体的な製造方法を述べる。金型にまず導電層3を成形す
る、カーボンブラック入りシリコンゴム(第一層)を入
れ、この上にメッシュ状シート5を載置し、更に同質の
シリコンゴム(第二層)を入れてプレス成形する。これ
により、メッシュ状シート5が埋設された導電層3が成
形される。メッシュ状シート5のメッシュを通して第1
層と第2層が熱融着し、層間剥離のおそれのない導電層
3が成形される。
【0029】次いでその上から絶縁層2を成形するシリ
コンゴムを入れ、更にプレスする。これにより絶縁層2
が成形されると同時に、絶縁層2と導電層3とが熱融着
して一体化される。かかる方法で成型されるので、絶縁
層2、導電層3は加硫と同時にプレス成形され、また各
層はこのプレス時の高温下で熱融着するので、容易に一
体成形されるのである。プレス成形の条件は、温度は1
55〜185℃、プレス時間は10〜15分、圧力は3
0〜200kgf/cm2である。これらの各条件は、
シリコンゴムの組成内容や成形物の大きさ等に応じ、適
宜調整して行う。
【0030】様々な種類のメッシュ状シートを用い、上
述の加工条件に従って電極を作製した。各電極について
導電層の接着性等を評価した。その結果を表1、表2に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1は本発明の実施例を、表2は本発明の
比較例を示したものである。メッシュ状シートはメッシ
ュカウント(縦糸、横糸の密度)、糸径、メッキ金属、
厚さの各項目を物性内容として示してある。また電極に
ついては、導電層の接着性、導電率、加工性の各項目を
評価した。接着性は、層間剥離せず密着した導電層が得
られたときに○、接着しない、あるいは接着しても層間
剥離を容易に起こすものは×、と評価した。またこれら
の中間に評価されるもの、例えば一部層間剥離を起こ
す、全体として接着が弱い、等の場合は△と評価した。
【0034】導電率は、電流入力部付近(以下、入力
部)の電流値と、電極長手方向において電流入力部とは
反対側の部分付近(以下、出力部)の電流値を測定し、
その差の程度により評価した。入力部と出力部との電流
値の差が小さいと評価されるものは○、中程度と評価さ
れるものは△、大きいと評価されるものは×とした。導
電層を形成するシリコンゴムは、加工時、メッシュ状シ
ートの糸と糸との間に容易に侵入できるので、導電層同
士の接着性が得られる。この仕上がりの度合いの評価
を、加工性の観点より行った。
【0035】メッシュ状シートは、シリコンゴム成形時
に片寄ったり、メッシュが変形し曲がったり等による歪
みが生じる。この歪みの多少により、上記加工性を評価
した。メッシュ状シートの歪みがないときは○、歪みが
少ないときは△、歪みが多いときは×と評価した。一般
に、メッシュ状であるといえる密度は5〜300メッシ
ュ程度であり、かかる範囲内にあれば本発明にかかる電
極を成形できると考えられるが、好ましくは90〜15
0メッシュのものが好適であることが判明した(実施
例、比較例1、2)。
【0036】また、繊維によるシートであっても、メッ
シュがないものはやはり不適であることも判明した(比
較例3、4)。熱融着するための十分な隙間がないもの
と考えられる。絶縁層と導電層をあわせた電極全体の厚
みは1.5mmで、絶縁層と導電層はそれぞれ0.75
mmである。また、絶縁層の硬度は42.0°、導電層
の硬度は75.0°である(いずれもJISK6249
による)。電極として好ましい厚みは1.0〜5.0m
mである。また絶縁層、導電層とも0.5mm以上の厚
さが必要であり、好ましくは0.5〜2.5mmの厚さ
が好適である。
【0037】絶縁層、導電層を構成するシリコンゴムの
硬度は適宜に設定可能であるが、絶縁層は30〜55°
であることが好ましく、また導電層は30〜80°であ
ることが好ましい(硬度はJISK6249による)。
図4は本発明にかかる治療用電極の第2実施形態の、図
3B−B線における断面図である。導電層3の絶縁層2
に積層された面とは逆側の面、すなわち導電層3の表面
3Bには、導電層3を人体の皮膚に吸着させるための吸
着手段として凹部13、13・・・が設けられている。
【0038】凹部13はその内面が球面状(B−B線断
面において円弧状)になっていて、電極1が皮膚12に
押圧されると、吸盤のように変形して皮膚面12に吸着
する。これにより導電層3は皮膚12に吸着されるの
で、、電極が容易にはがれることなく、好適である。か
かる凹部13は、導電層を成形する際に同時に成形して
もよいし、後から設けてもよい。なお必要に応じて、皮
膚と導電層との間に水膜を形成すれば、吸着力が増すた
めなおよい。
【0039】図5は、本発明にかかる治療用電極の第3
実施形態を、図4と同様に示した断面図である。本実施
形態においても、第2実施形態と同様、吸着手段として
の凹部13、13・・・が設けられている。この凹部1
3が人体の皮膚12に接したとき、凹部13と皮膚12
との間のエアを吸引して凹部13内を減圧すれば、凹部
13の内面13Aに皮膚12側へ引っ張られる力が加わ
り、導電層3がより強固に皮膚12に吸着される。かか
る吸引を行うため、本実施形態においては、凹部13に
吸引手段15を設けている。吸引手段15は、凹部13
内面に設けられた吸引口16と、凹部13から導電層
3、絶縁層2を貫通し、吸引したエアを通す吸引通路1
7とを有している。
【0040】また電極1内部には、電極長手方向にエア
流通路18が延設されている。吸引通路17がエア流通
路18に連結されていることにより、吸引手段15はエ
ア流通路18に連設されている。吸引を行う場合は、こ
のエア流通路18にエアを流通させれば、このエアの吸
引作用により、吸引口16から凹部13内のエアが図示
する矢印方向に吸引される。エアの流通方向流通は電極
長手方向、つまり図5でいえば図面手前から奥へ向かっ
て、又は奥から手前側へと流通させる(エア供給措置は
図示略)。
【0041】かかる構成によれば、エアの流通によって
凹部13内のエアが吸引口16から吸引され、吸引され
たエアは吸引通路17を通ってエア流通路18へ吸引さ
れる。その結果凹部13内は減圧され、導電層3は皮膚
12に強固に吸着される。また、後述する図6の実施形
態のように、電極1に吸引のための装置を別途設ける必
要がないので、電極1自体が嵩張らず治療の邪魔になる
ことはない。また、エア量や流通速度を変えることによ
り、吸引の強さを微妙に調節できる。なお、エア流通路
18は絶縁層2中に設けてあるが、導電層3の中でもよ
い。
【0042】上述の実施形態において、凹部13の大き
さ、位置、個数等は適宜設定可能である。導電層と一体
成形する、接着剤等で後付けする、等の手段により、導
電層に取り付けられる。図6は本発明にかかる電極の第
4実施形態を、図4、5と同様に示した断面図である。
エア流通路18を設けておらず、吸引通路17が電極1
を貫通している点が上記第3実施形態と異なる。吸引通
路17に水を満たし、これにより導電層と皮膚との間に
水分を供給して吸引力を発揮させることができるし、ま
た必要であれば吸引装置19を取り付けて、凹部13内
のエアを図示する矢印方向に吸引することもできる。
【0043】第2〜4実施形態にかかる電極も、先述し
た第1実施形態と同様、導電性繊維により形成されたメ
ッシュ状シートを用いることができる。またプレス成形
によって絶縁層、導電層、メッシュ状シート等を一体的
に成形することができる。プレス成形によれば、均一な
ものを大量生産することができ、製造工程が簡略化さ
れ、低コスト化を実現できる。なお上記吸着手段として
は、例えば吸盤や医療用の両面粘着テープ等であっても
構わない。また電極の製造方法も、上述のプレス成形に
限定されることはない。熱融着によらなくても、接着剤
等を用いて各層を接着してもよい。
【0044】また図では、電流入力部6は電極1の端部
に、一カ所しか設けられていないが、設置個所は任意で
あり、また設置個数も適宜設定可能である。電極の形状
は上述のような長方形に限られず、円形、楕円形、正方
形等、適宜の形状でよいし、大きさも適宜に設定可能で
ある。なお先述の、導電層の外周を絶縁層に設けられた
凸条で取り囲む構成を採用する場合、上述のような適宜
の形状に形成した電極にも、かかる凸条を設けることが
できる。またかかる凸条を設ける場合、導電層へのメッ
シュ状シートの設置は任意であるが、先述の第1実施形
態のように、設けられる方がより好適である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、電極の全面にわたり均
一な導電性を維持することができるので、広範囲にわた
って効果的な施療を行うことができる。特に、平面視に
おいて細長い形状に電極を形成すると、細長い筋線維全
体に対して均一な電流を伝えることができ、中周波電流
の利用により特に効果的な治療を行うことができる。ま
た、電極は長期にわたり良好な導電性を保つことがで
き、身体への密着性も優れているので、より治療効果を
高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる治療用電極の第1実施形態を、
導電層側から示した正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1の治療用電極の、絶縁層側から示した斜視
図である。
【図4】本発明にかかる治療用電極の第2実施形態を、
図2と同様に示した断面図である。
【図5】本発明にかかる治療用電極の第3実施形態を、
図2と同様に示した断面図である。
【図6】本発明にかかる治療用電極の第4実施形態を、
図2と同様に示した断面図である。
【符号の説明】
1 治療用電極 2 絶縁層 3 導電層 4 導電層本体 5 メッシュ状シート 6 電流入力部 9 凸条 12 皮膚 13 凹部 15 吸引手段 16 吸引口 17 吸引通路 18 エア流通路 20 電気治療器本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 護 大阪府枚方市茄子作4丁目56番7号 Fターム(参考) 4C053 BB03 BB21 BB34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層とこの絶縁層に積層された導電層
    とを備え、前記導電層には導電性繊維により形成された
    メッシュ状シートが備えられていることを特徴とする治
    療用電極。
  2. 【請求項2】 前記導電性繊維は金属メッキが施された
    合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の治療用電極。
  3. 【請求項3】 前記メッシュ状シートのメッシュ密度
    は、5メッシュ以上300メッシュ以下であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の治療用電極。
  4. 【請求項4】 絶縁層とこの絶縁層に積層された導電層
    とを備え、前記絶縁層には前記導電層側に突出しかつこ
    の導電層の外周を取り囲む凸条が設けられていることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の治療用電
    極。
  5. 【請求項5】 前記導電層の前記絶縁層に積層された面
    とは逆側の面には、前記導電層を人体の皮膚に吸着させ
    るための吸着手段が設けられていることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の治療用電極。
  6. 【請求項6】 前記吸着手段には、この吸着手段と人体
    の皮膚との間のエアを吸引する吸引手段が設けられてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の治療用電極。
  7. 【請求項7】 前記吸引手段は、前記電極に内設されか
    つエアを流通させるエア流通路に連設されていることを
    特徴とする請求項6に記載の治療用電極。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の治療用
    電極を備え、人体の皮膚に沿わせた前記導電層に交流電
    流を流して治療を行うことを特徴とする電気治療器。
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