JP3006112U - 生体用電極 - Google Patents

生体用電極

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JP3006112U
JP3006112U JP1994007960U JP796094U JP3006112U JP 3006112 U JP3006112 U JP 3006112U JP 1994007960 U JP1994007960 U JP 1994007960U JP 796094 U JP796094 U JP 796094U JP 3006112 U JP3006112 U JP 3006112U
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な構成で、皮膚に対する追従性が
良く、正確に電気信号を測定することができ、安価であ
るため使い捨てとすることができる生体用電極を得る。 【構成】 可撓性且つ導電性を有する金属薄片から成る
電極片14の一側面の中央部を囲繞する帯状の無端環状
非通気性粘着材層16を形成し、前記粘着剤層で囲繞す
る電極片の中央部で形成され直接皮膚に接触する皮膚当
接面15と皮膚表面34間に吸着空間32を形成する。 【効果】皮膚表面に直接電極片を当接させ、電極片に吸
着空間を形成して直接的な密着性を高め、皮膚表面に直
接導通するので導電性のゲル状などの粘着剤層を介して
電気信号を測定する場合に比べて電気抵抗が少なく、正
確な診断・治療が可能となった。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、生体より発生する電気信号を測定するための生体用電極及び低周波 治療器などの電気的治療器からの電流を生体に導通させるための生体用電極に関 する。
【0002】 生体に発生する電気信号は、心臓、脳、筋肉等の活動によって発生し、これら の活動によって発生した電気信号は生体の皮膚表面に誘起される。
【0003】 これらの皮膚表面に誘起された電気信号は、心電図計、脳波計等の検診装置に より測定され医学的検診に用いられる。
【0004】 このように生体の皮膚表面に誘起された電気信号を測定するするためには該電 気信号の入力部である皮膚表面と心電図計、脳波計等の検診装置を電気的に結合 させる必要があり、そのため皮膚表面に生体用電極を密着させて装着し、電気信 号の測定を行っている。
【0005】 また、周波数1万ヘルツ以下の断続的な直流電流を身体に当てる所謂低周波治 療は、末梢性神経麻痺や血管障害の治療に有効とされており、かかる治療を行う 場合にあっても、低周波治療器より発生した低周波の電流を生体に出力するため 、低周波治療器と皮膚表面を電気的に接続する必要がある。
【0006】
【従来の技術】
従来この種の生体用電極は、吸盤状に形成したプラスチック、ゴム等の生体用 電極本体52の皮膚への当接面となる装着面にカーボン等の導電性フィラー54 を塗着したものをバンド、ベルトなどで皮膚表面に密着させると共に、この生体 用電極本体52の一端に設けられた接続孔56に図示せざる心電計、脳波計など の診断装置や低周波治療器などの電気的治療器に接続する接続端子58を接続し て、これらの装置を皮膚表面と電気的に接続させたものがある(図5)。
【0007】 また、前記導電性フィラーに代えて、導電性を有するゲル状の粘着剤層62を 生体用電極の装着面に塗布し、皮膚表面に対する追従性を向上させたもの等が存 在する。
【0008】 さらに、導電性を有する金属片の表面に導電性を有するゲル状の粘着剤層62 を設け、この導電性粘着剤層62を皮膚表面に接着して皮膚表面より発生する電 気信号を測定するように構成したものとして実公平3−963号公報記載の生体 用電極がある。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
前記プラスチック、ゴム等の生体用電極本体52にカーボン等の導電性フィラ ー54を塗着した従来の生体用電極にあっては、生体用電極はそれ自体で皮膚表 面に接着する構成を有しないので、生体用電極の皮膚表面に対する接着はベルト 、バンド等により生体用電極の装着面を被験者に縛りつけることによって皮膚表 面に密着させていた。しかし、かかる構成にあっては、被験者が電気信号の測定 中や電気的治療の間に動いた場合には生体用電極が容易に皮膚表面でずれ、生体 用電極の装着面と皮膚表面との接触不良やノイズ発生の原因となっていた。
【0010】 また、従来の生体用電極は、その本体をプラスチックやゴムなどの部材で構成 しているが、生体用電極本体52をある程度柔軟性のある可撓性の部材で構成し た場合であっても、起伏に富む皮膚表面に完全に追従させることは困難である。 そのため生体用電極の装着面と皮膚表面との接触不良が生じ、正確な電気信号の 測定や有効な電気的治療は行えない。また、かかる生体用電極の装着面と皮膚表 面との密着性を向上させるために生体用電極と皮膚表面との間に電解質を含む導 電性のクリームやペーストを介在させるなどの手段が講じられている。しかし、 これらのクリーム、ペーストの塗布作業は煩雑であり、また発汗時に生体用電極 の装着面と皮膚表面の接触不良が生じるばかりか、クリーム、ペーストによる皮 膚表面の汚れや測定・治療作業後のクリーム、ペーストの拭き取り作業が煩雑で ある等の問題が生じていた。
【0011】 加えて電極片に塗着する導電性フィラーとして例えばカーボンを使用した場合 には、コストが高くなり、使い捨てには適さず、また、その電気抵抗は104 Ω と極めて高く、このカーボン等の導電性フィラーを介して電気信号の測定を行っ た場合には正確な電気信号の測定や有効な低周波治療は行えない。
【0012】 かかる問題点のうち、皮膚表面に対する生体用電極の装着面の追従性を向上さ せるべく、生体用電極の装着面に導電性・粘着性を有するゲル状の粘着剤層62 を設けたものや〔図6(A)参照〕、導電性・粘着性を有するゲル状の粘着剤層 62を装着面たる金属片64の表面に設けたものが存在する(実公平3−963 号公報)〔図6(B)参照〕。
【0013】 上記従来の構成によれば、生体用電極の装着面と皮膚の接触面は柔軟性に富む ゲル状の粘着剤層となっているので生体用電極の装着面の皮膚表面に対する追従 性は向上しクリーム、ペースト等を皮膚表面に塗布する作業を省略でき、また粘 着剤層の有する粘着力によりベルト・バンド等の器具を必要とせず生体用電極を 直接皮膚表面に貼り付けることができる。
【0014】 上述の粘着剤層としては、例えばカラヤガム等の多糖類、天然ゴム等の天然系 高分子物質、各種セルロース類等の半合成系高分子物質、ポリアクリル酸又はそ の塩、ポリアクリル酸エステル誘導体、ポリビニルアルコールの単独重合体又は 共重合体等の合成系高分子物質を使用できるが、これらの物質により構成される 粘着剤層は導電性能が不安定で、また導電性を向上させるために各種金属の粉末 、カーボン、水等の導電性物質を添加した場合には皮膚表面への接着力が低下し 、特に運動中の被験者に対する検査や、また皮膚表面が発汗で濡れた場合等には 皮膚表面から剥がれ落ちてしまうという技術的な問題点と共に、この場合にもコ ストが高くなり、さらに使い捨てには適さないものになるという経済的な問題点 があった。
【0015】 さらに、ゴムやプラスチックで生体用電極本体を構成したものや、前記導電性 を有するゲル状の粘着剤層を用いた生体用電極は一般に高価であり一回の使用に よりこれを廃棄することは非経済的である。そのためこれらの生体用電極は可能 な限り何度も繰り返し使用されている。
【0016】 かように、これら従来の生体用電極は、皮膚表面に直接貼り付けて使用するも のであり、異なる被験者あるいは患者による繰り返しの使用は不衛生であるばか りか、これらの生体用電極が病院、研究所などで頻繁に使用されることを考えれ ば、かかる繰り返しの使用が病気の感染経路ともなりかねない。
【0017】 そこで、本考案は比較的簡単な構成で、電極片を直接皮膚に接触させ、皮膚に 対する追従性が良く、正確に電気信号を測定することができ、しかも吸引効果に より電気信号の測定中に生体用電極が剥がれ落ちることがなく、安価であるため 一回の使用により使い捨てとすることができる生体用電極を提供することを目的 とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願の生体用電極10は、可撓性且つ導電性を有 する金属薄片から成る電極片14の一側面の中央部を囲繞する帯状の無端環状非 通気性粘着材層16を形成し、前記粘着剤層で囲繞する電極片の中央部で形成さ れ直接皮膚に接触する皮膚当接面15と皮膚表面34間に吸着空間32を形成し たことを特徴とするものである。また、 前記構成に加え、前記電極片14と一体の接続端子片20を前記粘着剤層外周 より突出形成したことを特徴とする。
【0019】 さらに、前記構成に加え、前記粘着剤層又は粘着剤層及び前記皮膚当接面を剥 離紙で被覆すると共に、前記電極片の外周の一部を突出して形成した剥離用舌片 17を設ける。
【0020】 さらに、本考案においては、前記電極片の皮膚当接面15に粘着剤を適宜間隔 で線状に塗布(すじ塗り)することが皮膚への密着効果を高める上で好適である 。
【0021】 また、前記電極片14の皮膚当接面15に適宜間隔で平行な突条40aあるい は、前記電極片の皮膚当接面15に多数の突起40bを分散して突出形成すれば 、電極片14の皮膚当接面15と皮膚表面34との導通性を高めることができる 。
【0022】 さらに、前記金属薄片は、直径30〜100mm、厚さ0.3〜0.1mmのアル ミニウム、銅、錫、又はニッケルの内これらの一種又は数種の合金で成り、非通 気性の粘着剤層を金属薄片の外周縁に15μ〜3mmの厚さで幅8〜11mmの帯状 のドーナツ状に形成することができる。
【0023】
【作用】
本願の生体用電極10は、電極片14を、導電性ゲルなどを介在させることな く、電極片外周の環状の粘着剤層により心電図、脳波等の電気信号の測定を行う ための適宜の位置や低周波治療などの電気的治療を要する患部など皮膚表面34 に、直接貼り付ける。
【0024】 生体用電極10の貼り付けに際しては、剥離用舌片17を設けたときは、これ を一方の手指で挾み他方の手指で、剥離紙19を粘着剤層16表面から剥がし、 電極片14を皮膚表面34に押圧しながら粘着剤層16、導電性金属薄片から成 る電極片14により構成された吸着空間32内の空気を押し出すように、生体用 電極10の粘着剤層16の帯状表面を皮膚表面34に貼り付ける。すると皮膚表 面34に貼り付けられた生体用電極10の吸着空間32は例えばドーナツ状に設 けた無端の帯状非通気性粘着剤層16と皮膚表面34により被蓋される。
【0025】 この生体用電極10の貼り付けに際して吸着空間32内部の空気が抜かれた状 態となっており、その内部は負圧状態となり、非通気性の粘着剤層16が気密状 態で吸着空間32の負圧を維持し電極片14の皮膚当接面15、非通気性の環状 粘着剤層16及び皮膚表面34により負圧空間33が形成するので電極片14は 皮膚表面に直接密着するのみか、貼り付ける際に皮膚表面34に押圧されていた 電極片14の可撓性により無端の粘着剤層16で囲まれた皮膚表面34と電極片 14の皮膚当接面15は相互に吸引され、電極片14の皮膚当接面15と皮膚表 面34とは確実に直接密着する。
【0026】 また、皮膚表面34に貼り付けられた生体用電極10の一側端に設けられた接 続端子片20には、図示せざる心電計、脳波計などの検診装置や低周波治療器な どの電気的治療器に接続するリード線18を接続する。このようにして、生体用 電極10を皮膚表面34に貼り付け、この生体用電極10をリード線18を介し て心電図計、脳波計等の検診装置に接続することにより、皮膚表面34より生じ た電気信号は、生体用電極10の電極片14、リード線18を介して生体医学的 検診装置に伝達され、心電図、脳波等の電気信号を検出・測定することができる 。また、リード線18の一端に低周波治療器などの電気的治療器を接続した場合 には電気的治療器より発生した電流が生体用電極の貼られた患部に導通する。
【0027】
【実施例】
次に、本考案の生体用電極の実施例につき図面を参照しながら以下説明する。
【0028】 図1は、本考案にかかる生体用電極の一実施例を示す生体用電極の斜視図であ り、10は生体用電極を示す。
【0029】 この生体用電極10は、適宜の形状に構成された厚さ0.3〜0.1mmの箔状 を成すアルミニウム、銅、錫、ニッケルの内これらの1種又は数種の合金等の材 質もしくは前記厚みにより可撓性を有する導電性の金属薄片から成る電極片14 の表面であって、皮膚表面34に当接する面の周縁に非通気性の粘着剤層16を 15μ〜3mmの厚さで幅8〜11mmの帯状に形成している。
【0030】 本実施例では、厚さ0.5mmのアルミニウム製金属薄片から成る電極片14を 直径70mmの円盤に形成し、この電極片14の外周縁に、非通気性の粘着剤層1 6を厚さ20μ、幅11mmの帯状にドーナツ状に形成したものである。
【0031】 この粘着剤層16は、例えばポリエチレン、塩化ビニル等の非通気性の独立気 泡の発泡体シートの両面にゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニル系、 ポリエステル系、ポリウレタン系等の適宜の粘着剤を塗布して両面テープとなし 、この両面テープを予め前記電極片14の外形寸法に合わせてドーナツ状に形成 しておきこれを前記電極片14の表面に接着して形成している。もっとも、粘着 材層16は本実施例のように発泡シート等と重合させず、粘着剤のみを転写塗布 した単層の粘着剤層を形成してもよい。なお、本願の生体用電極10にあっては 前記粘着剤層16は導電性を有する必要がなく、そのため粘着剤中に金属粉末等 の導電性物質を混入する必要がないので、該粘着剤層16による接着力は極めて 強力である。
【0032】 このように、電極片14の周縁に一定の厚さに粘着剤層16を形成することに より、生体用電極10の一側面には、粘着剤層16と電極片14によって囲まれ た部分に吸着空間32が形成される。この吸着空間32は、生体用電極10を生 体皮膚表面34に貼り付けた際に、皮膚表面34により被蓋されて粘着剤層16 の内周縁と皮膚表面34間の間隙に負圧空間33が形成される。この負圧空間3 3は、生体用電極10を生体皮膚表面に貼り付ける際に吸着空間32内部の空気 が抜かれ負圧状態になり、電極片14の有する可撓性によって常に皮膚表面34 を吸引することになるので生体用電極10を皮膚表面34に強固に固定する所謂 吸盤と同様の吸引効果を発揮する。
【0033】 生体用電極10の粘着剤層16の表面は、製造工程や輸送等の際に表面にゴミ や埃等が付着して接着力が減少することを防止するために剥離紙19で形成した マスキングテープにより被覆しておく。また、皮膚表面34に密着する電極片1 4の表面は、この部分を長期間空気中に露出させておくと酸化してしまい皮膚表 面34に貼り付けた際にこの接触面に電気抵抗が生じ、特に微弱電流である心電 図、脳波などの電気信号の正確な測定の障害ともなり得ることから、電極片14 の酸化を防止するため前記剥離紙と一体又はこれとは別に皮膚当接面15を被覆 する形状のマスキングテープ(図示せず)で被覆することとすれば好適である。
【0034】 このように構成された生体用電極10は、使用に際してこれを皮膚表面34に 貼り付ける。皮膚表面34に対する貼り付けに際しては、、粘着剤層16の表面 に付されている剥離紙19及び電極片14の表面酸化防止用に付されているマス キングテープを剥がす。そして粘着剤層16の表面を皮膚表面34の適宜位置に 貼り付ける。
【0035】 皮膚表面34への生体用電極10の装着に際しては、生体用電極10の一側端 から他側端に向かって徐々に皮膚表面に貼り付けたり、また電極片14を直接皮 膚表面に押圧するように貼り付けるなどして吸着空間32内の空気を排出するよ うに皮膚表面に貼り付ける。
【0036】 以上のようにして生体用電極10を皮膚表面34に貼り付けることによって密 閉された吸着空間32は皮膚表面34と粘着剤層16の内周縁の間隙に気密の負 圧空間33を構成する。この負圧空間33内部は、負圧状態となっており、皮膚 表面34は電極片14の可撓性により吸引されて電極片14の皮膚当接面15と 皮膚表面34は常にこの吸引力によって密着すると共に、生体用電極10の皮膚 表面に対する直接的な密着性を確保している。
【0037】 さらに、皮膚表面34に対して接着された生体用電極10は、図示せざる心電 計、脳波計等の検診装置や低周波治療器などの電気的治療器と接続される。この 生体用電極10と検診装置、電気的治療器との接続は、リード線18の一端を生 体用電極10に接続し、他端を検診装置又は電気的治療器に接続することにより 行う。
【0038】 生体用電極10とリード線18の接続は、前記生体用電極10の電極片14の 皮膚当接面15と反対側の側面に露出している電極片14の皮膚当接面15に、 粘着テープ等によってリード線18の一端を接続させても良いが、生体用電極1 0とリード線18との接続の簡便さを考慮すれば、電極片14の外周の一部を突 出させて接続端子片20を突出形成し、この接続端子片20を診断装置などのリ ード線18に設けた接続端子のクリップ36にて挟持することとすれば好適であ る。
【0039】 図1中、17は剥離用舌片で、粘着剤層16上の剥離紙ないし前記マスキング テープの剥離を容易にするため、電極片14の外周の一部を略三角形状に突出し て形成したものである。
【0040】 このようにして、皮膚表面34で発生した電気信号は、この皮膚表面34と接 触する電極片14、電極片14の一端に設けられた接続端子片20及びリード線 18を介して心電図計、脳波計等の図示せざる検診装置により測定される。また 、低周波治療器などの電気的治療器より発生した電流は、リード線18、接続端 子片20、電極片14を介して生体用電極の貼られた患部に出力される。
【0041】 なお、本実施例のようにアルミニウム性の電極片14を用いた場合には、この アルミニウム製電極片の電気抵抗は0.4Ω〜0.5Ωと極めて低いので、心電 図、脳波などの微弱電流の測定において特に有効である。
【0042】 なお、前記電極片14の皮膚当接面15は、図1、図2に示すように粘着剤層 を設けず、また平坦な形状としても良いが、生体用電極10の皮膚表面34に対 する接着力を向上させ、又は電極片14の皮膚当接面15の皮膚表面34に対す るより良好な接続を確保するためには、例えば図3に示すように電極片14の皮 膚当接面15に、電極片14の皮膚当接面15と皮膚との接触が妨げられない程 度の間隔で粘着剤を適宜間隔で平行線状に塗布した所謂すじ塗りにしてもよい( 図3)。
【0043】 このように、粘着剤を電極片14の皮膚当接面15にすじ塗りにすることで、 生体用電極10は、電極片14の周縁に設けられた無端環状の非通気性粘着剤層 16及び負圧空間33によって生じる吸引効果との相乗効果により、より強力に 皮膚表面に直接的に接着・密着する。
【0044】 また電極片14が皮膚表面34に接触する表面に凸状の突起を多数突設させる ことができる。すなわち、図4(A)及び図4(B)に示すように、電極片14 の皮膚当接面15を前述すじ塗りと同様適宜間隔で平行な突条40aに形成し〔 図4(A)〕、あるいは、皮膚表面に向かって突出する突起40bを電極片14 にエンボス加工などにより多数分散して形成することにより〔図4(B)〕、生 体用電極10の貼り付けの際に負圧空間33内の空気の抜き取りが不十分であり 、皮膚表面に対する吸引力が弱い場合であっても、少なくとも電極片14の皮膚 当接面15に設けられた突起が皮膚表面に対して直接接触し導通を確保できる。
【0045】 なお、図3に示すすじ塗りされた粘着剤層38及び図4(A)及び図4(B) に示す突部40は、負圧空間33による吸引効果を減殺しないように粘着剤層1 6の厚みよりも低く突出形成する。
【0046】
【考案の効果】
本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。
【0047】 皮膚表面に直接電極片を当接させて皮膚表面に誘起された電気信号を測定する のでカーボン等の導電性フィラーや導電性のゲル状粘着剤層を介して電気信号を 測定する場合に比べて電気抵抗が少なく、正確な電気信号の測定が可能である。 また、電極片に吸着空間を形成したので皮膚表面に生体用電極を貼り付ける際に この吸着空間内の空気が抜かれることにより生体用電極は皮膚表面を吸引し、生 体用電極の皮膚表面に対する直接的な密着性を高め正確な診断・治療が可能とな った。
【0048】 さらに、電極片より接続端子片を突出させ、この接続端子片にリード線の接続 を行うよう構成したので、生体用電極に対するリード線の接続が容易である。
【0049】 また、電極片の一側面の中央部を囲繞する帯状の無端環状非通気性粘着材層を 形成するという簡単な構成であるので、製造コストを安く抑えることができ、安 価な生体用電極を製造することができ、使い捨てに適する生体用電極を提供でき る。
【0050】 前記粘着剤層又は粘着剤層及び前記皮膚当接面を剥離紙で被覆すると共に、前 記電極片の外周の一部を突出して形成した剥離用舌片を設けたので、使い勝手が 良い。
【0051】 さらに、電極片の皮膚表面に接触する面であって粘着剤層が形成されていない 部分に粘着剤を適宜間隔で平行線状に塗布したすじ塗りにしたので、生体用電極 の皮膚表面に対する接着力が向上し、しかも電極片表面を確実に皮膚表面に直接 接触させることができた。また、 電極片の皮膚当接面に、皮膚表面に向かって突出する突条あるいは、突起など の突部を設けたので、電極片の皮膚当接面を皮膚表面に確実に直接的に接触させ ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す生体用電極の斜視図。
【図2】本考案の生体用電極の使用状態を示す概略断面
図。
【図3】本考案の生体用電極の他の実施例を示す概略
図。
【図4】本考案の生体用電極の他の実施例を示す概略図
であり、同図(A)は電極片に凸状の筋を設けたもの、
同図(B)はエンボスを設けたもの、同図(C)は同図
(B)の中央横断面を示す図である。
【図5】従来の生体用電極の断面図。
【図6】従来の生体用電極の断面図であり、同図(A)
は生体電極本体に導電性ゲル状粘着剤層を設けたもの、
同図(B)は金属片の一側面に導電性ゲル状粘着剤層を
設けたものを示す。
【符号の説明】
10 生体用電極 14 電極片(導電性金属薄片) 15 皮膚当接面 16 粘着剤層 17 剥離用舌片 18 リード線 19 剥離紙 20 接続端子片 32 吸着空間 33 負圧空間 34 皮膚表面 36 クリップ 38 粘着剤 40 突部 40a 突条 40b 突起 52 生体用電極本体 54 導電性フィラー 56 接続孔 58 接続端子 62 導電性ゲル状粘着剤層

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性且つ導電性を有する金属薄片から
    成る電極片の一側面の中央部を囲繞する帯状の無端環状
    非通気性粘着材層を形成し、前記粘着剤層で囲繞する電
    極片の中央部で形成され直接皮膚に接触する皮膚当接面
    と皮膚表面間に吸着空間を形成したことを特徴とする生
    体用電極。
  2. 【請求項2】 可撓性且つ導電性を有する金属薄片から
    成る電極片の一側面の中央部を囲繞する帯状の無端環状
    非通気性粘着材層を形成し、前記粘着剤層で囲繞する電
    極片の中央部で形成され直接皮膚に接触する皮膚当接面
    と皮膚表面間に吸着空間を形成すると共に、前記電極片
    と一体の接続端子片を前記粘着剤層外周より突出形成し
    たことを特徴とする生体用電極。
  3. 【請求項3】 可撓性且つ導電性を有する金属薄片から
    成る電極片の一側面の中央部を囲繞する帯状の無端環状
    非通気性粘着材層を形成し、前記粘着剤層で囲繞する電
    極片の中央部で形成され直接皮膚に接触する皮膚当接面
    と皮膚表面間に吸着空間を形成し、且つ、前記電極片と
    一体の接続端子片を前記粘着剤層外周より突出形成し、
    さらに、前記粘着剤層又は粘着剤層及び前記皮膚当接面
    を剥離紙で被覆すると共に、前記電極片の外周の一部を
    突出して形成した剥離用舌片を設けたことを特徴とする
    生体用電極。
  4. 【請求項4】 前記電極片の皮膚当接面に粘着剤を適宜
    間隔で平行線状に塗布したことを特徴とする請求項1,
    2又は3に記載の生体用電極。
  5. 【請求項5】 前記電極片の皮膚当接面を適宜間隔で平
    行な突条に突出形成したことを特徴とする請求項1,2
    又は3に記載の生体用電極。
  6. 【請求項6】 前記電極片の皮膚当接面に多数の突起を
    分散して突出形成したことを特徴とする請求項1,2又
    は3に記載の生体用電極。
  7. 【請求項7】 前記金属薄片は、直径30〜100mm、
    厚さ0.3〜0.1mmのアルミニウム、銅、錫、又はニ
    ッケルの内これらの一種又は数種の合金で成り、非通気
    性の粘着剤層を前記金属薄片外周縁に15μ〜3mmの厚
    さで幅8〜11mmの帯状のドーナツ状に形成したことを
    特徴とする請求項1,2又は3に記載の生体用電極。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10234865A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Ooshin Seiyaku Kk 低周波治療用粘着シート及びこれを用いた低周波治療器
JP2001204827A (ja) * 2000-01-31 2001-07-31 Chiyuuoo:Kk 治療用電極及びこの治療用電極を用いた電気治療器
JPWO2019044649A1 (ja) * 2017-08-29 2020-08-20 東洋紡株式会社 生体接触型電極および生体情報計測用衣服

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