JP2001204735A - 骨外科のための外科装置及び外科的方法 - Google Patents

骨外科のための外科装置及び外科的方法

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JP2001204735A JP2000389435A JP2000389435A JP2001204735A JP 2001204735 A JP2001204735 A JP 2001204735A JP 2000389435 A JP2000389435 A JP 2000389435A JP 2000389435 A JP2000389435 A JP 2000389435A JP 2001204735 A JP2001204735 A JP 2001204735A
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ベルチェロッティー トマソ
Fernando Bianchetti
ビアンチェッティー フェルナンド
Domenico Vercellotti
ベルチェロッティー ドメニコ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に高い精度を有し危険性の少ない外科手
順を行うことを可能とさせる骨外科のための外科装置及
び外科的方法を提供する。 【解決手段】 本発明の骨外科のための外科装置１は、
使用者によって把持されることができる本体２と、本体
２の頭部に取り付けられており骨組織に作用を及ぼすよ
うに変調された超音波周波数で振動させられる先端部品
３とを備えている。外科装置１は、骨試料採取、嚢胞の
切除、第３大臼歯の抜歯、歯槽部位の形成、上顎洞への
穴の形成、稜経路による上顎洞の上昇のような口腔外科
手術手順、及び骨形成術、骨切り術、骨切除術のような
整形外科手術手順及び神経科外科手術手順に特に適して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は骨外科のための外科
装置及び外科的方法に関する。本発明の外科装置は、例
えば、骨切り術や骨切除術や骨形成術のような整形外科
手術、嚢胞の切除や第三大臼歯の抜歯やインプラント移
植部位の作成や上顎洞への穴の形成や骨内膜の持ち上げ
（剥離）のような口腔外科術などに特に適している。
【０００２】
【従来の技術】骨組織の切断（骨切り術）や骨組織のモ
デリング（成形）を含む骨外科手術は、これまで手動式
及び／又は回転式の器具を用いて行われてきた。手動式
器具は、手で又は小槌を用いて操作されるメス及び／又
はチゼルからなる。回転式器具はモータ駆動されるフラ
イス又は円盤からなる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】外科的なアクセスが制
限を受けるような困難な状況や、解剖学的に困難な骨の
状態や、特に柔らかい組織の近傍において操作すること
が必要となるときに、これらの方法を使用しなくてはな
らないとすれば、これらの方法は共に重大な制限を有す
る。
【０００４】現在使用されている技術の切断特性は、以
下の理由で不満足なものである。 −切断深さが十分に制御されていない。 −多くの場合、機械的な力が過大となって、切断の指向
性が失われたり、偶発的な骨折が引き起こされたりす
る。 −切断が選択的ではないので、柔軟な組織（例えば、血
管神経束）に損傷を与えることがある。
【０００５】本発明の目的は、最高の精度を有し、した
がって危険性の少ない、外科手術手順を行うことを可能
とさせる骨外科のための外科装置を提供することによっ
て、上記の欠点を解消することにある。本発明の他の目
的は、実用的で用途の広い骨外科のための外科装置を提
供することにある。本発明の別の目的は、柔軟な組織、
特に神経血管構造において切断及び損傷を引き起こすこ
となく、鉱化した骨組織を切断することができる骨外科
のための装置を提供することにある。本発明の別の目的
は、非常に正確で、効率的であり、患者にとっての危険
性が少ない骨外科のための外科的方法を提供することに
ある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的は、使用者によ
って把持されることができる本体と、前記本体の頭部に
取り付けられており骨組織に作用を及ぼすことができる
ような形状を有した先端部品とを備えた骨外科のための
外科装置であって、振動手段が、前記本体の内部に設け
られ、前記先端部品と作動可能に接続されており、前記
先端部品を超音波域の周波数で振動させることを特徴と
する骨外科のための外科装置によって達成される。
【０００７】また、上記目的は、超音波域の周波数で振
動させられる先端部品によって骨組織に外科的処置を施
すことを特徴とする骨外科のための外科的方法によって
達成される。
【０００８】本発明による骨外科のための外科装置は、
骨組織に作用を及ぼすことができるチップすなわち先端
部品を備えたハンドピースを提供する。この目的のため
に、必要に応じて、チゼル、圧迫器、骨刀、骨膜起子及
び骨内膜起子などのような様々な先端部品をハンドピー
スに取り付けることができる。
【０００９】ハンドピースは変換器を備え、この変換器
は例えば圧電セラミックとすることができ、先端部品を
振動状態にさせる超音波を発生させる機能を果たす。先
端部品は可聴域及び超音波域の範囲の周波数で振動させ
られ、先端部品が鉱化した骨組織と接触したときに、当
該組織において極めて緻密で正確な切断を行うようにな
っている。鉱化した骨組織の圧搾、圧密化、変位もまた
外科的要求に応じて可能である。
【００１０】本発明による外科装置はハンドピースへの
電気及び流体の供給を行うコンソール（操作卓）を備え
ることが可能である。コンソールは、ハンドピースの制
御電子回路を制御するために、術者が操作することがで
きるキーボードを有している。
【００１１】制御電子回路により、低周波数に変調した
又は変調させていない可聴域及び／又は超音波域の振動
によって又は低周波バーストによって、ハンドピースを
作動させることが可能となる。こうして、使用者は外科
手術手順の要求に応じて、ハンドピースの先端部品に伝
達される超音波パルスを変調させることができる。
【００１２】本発明による骨外科のための外科装置は様
々な利点を有している。本発明による骨外科のための外
科装置では、骨組織に対する切断作用は可変な変調超音
波振動によって生じ、変調超音波振動は切断されるべき
鉱化した組織と接触する先端部品の切断端でのみ活性化
する。したがって、この切断作用によって影響を受ける
骨組織の表面は極めて小さくなる。これにより、外科医
が骨組織上で行おうと意図している理想的なタイプの手
順を極めて正確に実現することが可能となる。したがっ
て、例えば、先端部品によってなされる実際の切断は外
科医によって事前に計画された理想的な切断とは最小限
の違いとなる。
【００１３】本発明による外科装置の他の利点は、切断
が極めて緻密であることから切断器具の摩擦及びその結
果の熱損失によって骨組織が受ける外傷が最小となるこ
とによって提供されるものである。
【００１４】さらに、振動する先端部品が神経血管構造
のような柔軟な組織に遭遇したときは、先端部品はその
切断能力を喪失する。つまり、柔軟な組織は切除される
ことなく先端部品の振動を吸収し、先端部品の振動によ
って発生するエネルギが僅かな熱の形態で放散されるの
である。この熱は、外科医が先端部品がもう振動しない
と感じたらすぐに器具を後退させるようにする外科医の
機敏さによって、さらに減少させられ得る。したがっ
て、神経血管構造のような柔軟な組織への熱の伝達が、
このような構造の損傷又は切断によって引き起こされ得
るような回復不能な損傷を引き起こすことはなくなる。
【００１５】結果として、手術の際に、外科医が先端部
品で神経血管構造を触ったとしても、回復不能な損傷を
引き起こす問題を生じさせずに先端部品を後退させるの
に外科医は十分な時間を確保できる。したがって、本発
明による外科装置の使用は、神経血管構造の近傍で手術
する必要がある一層過酷な骨外科の臨床事例を解決する
ことを可能とさせる。
【００１６】例えば、口腔外科において本発明による外
科装置を以下のタイプの手術に対して使用することがで
きる。 −アクセスのため、又は、領域が神経末端又は極めて小
さな骨組織が存在する部位の近傍にあるために、解剖学
的に困難な領域におけるサンプリング（試料採取） −嚢胞の切除及び／又は三叉神経の第３分岐の炎症細胞
の切除 −歯槽の近傍の埋伏第３大臼歯（埋伏智歯）の抜歯 −神経末端の近傍のインプラント移植部位の作成 −洞膜（ｓｉｎｕｓａｌ ｍｅｍｂｒａｎｅ）に損傷を
与えない上顎洞への穴の形成（コールドウェル−リュッ
ク手術） −篩骨稜経路による上顎洞の上昇（ｅｌｅｖａｔｉｏ
ｎ）
【００１７】整形外科及び神経外科において本発明によ
る外科装置を次のような手術で使用することができる。 −骨形成術 −骨切除術 −例えば椎骨手術における場合のような神経血管構造の
近傍における骨切り術
【００１８】本発明の特徴は図面に示されている実施態
様を参照することで、以下の詳細な説明によってより明
らかとなるが、これら実施態様は単に説明のためのもの
であり、したがって制限を意味するものではない。
【００１９】
【発明の実施の形態】図面を参照して、全体を参照番号
１で示される本発明による骨外科のための外科装置を説
明する。図１に示されているように、外科装置１は、形
状が概略筒状である本体２を備えた手持ちの動力付き器
械すなわちハンドピース（ｈａｎｄｐｉｅｃｅ）であ
り、外科医が容易に把持できるようになっている。本体
２の頭部には、以下で説明するようにハンドピースの目
的とする様々なタイプの骨外科手術に適した形状を有し
たチップすなわち先端部品３が取り付けられている。
【００２０】ハンドピースの本体２は外部コネクタ要素
すなわち外部コネクタ手段４に接続されている。外部コ
ネクタ手段４は、２つの電気供給ケーブル５及び６と、
第１の流体供給管７とを支持しており、被覆８の内部に
これらが包まれている。コネクタ手段４はさらに第２の
流体供給管９を支持している。
【００２１】電気供給ケーブル５及び６はコンソール
（操作卓）１０に接続されており、このコンソール１０
は配電幹線から電気供給を受けているか又は独立した給
電装置を有している。第１の流体供給管７は流体供給装
置に接続されている。この流体供給装置は、コンソール
１０内に設けられることもできれば、別個の流体装置内
に設けられることもできる。第２の流体供給管９はコン
ソール１０に設けられた蠕動ポンプ１１に接続されてい
る。蠕動ポンプ１１は、第２の流体供給管９によってハ
ンドピース１へ送られる流体の流量を変化させることが
できるように、回転速度を制御された回転子１２を備え
ている。
【００２２】コンソール１０は、ハンドピース１が配置
されるハウジング１３と、容器１５を支持する支持棒１
４とを備えている。この容器１５は、例えばボトルやバ
ッグとすることができ、外科手術手順の際に外科的に治
療される領域を液体で洗い流すために使用しなくてはな
らない滅菌流体を収容している。第２の流体供給管９
は、蠕動ポンプ１１の内部を通過し、出口８０を通って
容器１５内に挿入されている。容器１５の滅菌流体は容
器１５から第２の流体供給管９を通って蠕動ポンプ１１
へ送られ、次に、蠕動ポンプ１１が滅菌流体をハンドピ
ース１へ向かって送給する。第２の流体供給管９及び容
器１５の出口８０は使い捨て可能な滅菌包装内に入れて
提供することができる。
【００２３】コンソール１０には、コンソール１０の内
部に設けられた制御用マイクロプロセッサユニット２０
を制御するために術者によって操作され得る制御キーボ
ードが設けられている。図２を参照すると、電気配電幹
線２１から受けた供給電気がコンソール１０の内部に設
けられた電源装置２２へ送られている。電源装置２２
は、マイクロプロセッサユニット２０、電力ステージ
（電力段）２３、蠕動ポンプ１１の制御装置２４へ電力
を提供している。
【００２４】電力ステージ２３は適切な出力電流及び電
圧信号を発生させ、ハンドピース１に供給することがで
きる。蠕動ポンプ１１の制御装置２４は、容器１５から
ハンドピース１へ向け滅菌流体を送給するように蠕動ポ
ンプ１１の回転子１２を作動させる制御信号を発信す
る。
【００２５】キーボード１７はマイクロプロセッサユニ
ット２０の入力へ向かって制御信号Ｓ１を発生させる。
マイクロプロセッサユニット２０は、受信した制御信号
Ｓ１に基づいて、電力ステージ２３及び蠕動ポンプ１１
の制御装置２４へ向かってそれぞれ出力制御信号Ｓ２及
びＳ３を送出する。電力ステージ２３は、受信した制御
信号Ｓ２に基づいて、ハンドピース１へ供給電気を送
る。蠕動ポンプ１１の制御装置２４は、受信した信号Ｓ
３に基づいて、蠕動ポンプ１１の回転子１２の速度を調
節する。
【００２６】図３を参照すると、外部コネクタ手段４は
電源装置の電気供給ケーブル５及び６にそれぞれ接続さ
れた２つの電気接点３０及び３１を備えている。さら
に、コネクタ手段４は流体供給管７に接続された流体管
路３２を備えている。第２の流体供給管９は留め具３３
によって被覆８に留められることができる。外側コネク
タ手段４は、ハンドピース１の後部分に設けられた相補
形状の接続手段（コネクタ）４０に挿入されるようにな
っている。
【００２７】接続手段４０は、コネクタ手段４の接点３
０及び３１と接触するようになっている２つの電気接点
４１及び４２を備えている。接続手段４０は、さらに、
ハンドピース１の流体供給のために、それぞれコネクタ
手段４の管路３２及び第２の流体供給管９と結合する２
つの管路４３及び４４を備えている。管路４３は、塞が
れて、コネクタの管路３２から流通してくる流体を制限
するように機能する。ハンドピース１は管路４４のコネ
クタへ挿入された第２の流体供給管９を通して流体の供
給を受ける。
【００２８】電気接点４１及び４２はそれぞれ変換器
（トランスデューサ）４７へ供給電気を搬送する電線４
５及び４６へ接続されている。変換器４７は、交流の電
圧及び電流が供給されなくてはならない圧電セラミック
共振器である。変換器４７は２５ｋＨｚから３０ｋＨｚ
の間の範囲の周波数でＲＭＳ電圧（実効値電圧）約１６
０Ｖの正弦波電圧を供給されることが好ましい。
【００２９】このタイプの電気供給を得るために、コン
ソール１０は、電源装置２２と、電気変圧器として機能
する電力ステージ（電力段）２３とを有しており、この
電力ステージ２３が配電幹線から得たライン電圧を２５
ｋＨｚから３０ｋＨｚの間の範囲の周波数でＲＭＳ電圧
約１６０Ｖの正弦波電圧へ変圧する。
【００３０】変換器４７は、電気供給を受けると、音波
集中装置（ｓｏｕｎｄ ｗａｖｅｃｏｎｃｅｎｔｒａｔ
ｏｒ）として機能し、ハンドピース１の頭部に設けられ
た平坦な部分であるタング（ｔａｎｇ）４８を超音波域
周波数で振動する状態にさせる。タング４８は先端部品
（いわゆるチップ）３の螺刻された受座５０に係合する
ための螺刻された取付部４９を有している。こうして、
超音波振動がタング４８から先端部品３へ伝達される。
【００３１】コンソール１０のマイクロプロセッサユニ
ット２０は、制御信号Ｓ２を介して、変換器４７に供給
を行うための異なる作動モードにさせるべく、電力ステ
ージ２３を制御する。このようにして、超音波のみによ
って又は低周波数（６〜４０Ｈｚ）に変調された超音波
によって又は一連の低周波数バーストによって、先端部
品３を振動状態にさせることができる。先端部品３の振
動の変調を採用するこの方法は、先端部品の振動による
エネルギを放散させることにより、柔軟な組織上で発生
する熱を最小限にすることを可能にさせる。
【００３２】デューティサイクルが可変である低周波バ
ーストの変調超音波を使用する方法は、鉱化した組織に
おいて清潔で正確な切断を生み出す超音波振動効率と共
に、先端部品に打撃作用を持たせることを可能とさせ
る。マイクロプロセッサユニット２０は以下の様々な機
能を果たすことができる。 −電力ステージ２３の制御 −使用される特定の先端部品３に作用する超音波の自動
調整 −変調、すなわちバーストの持続時間及び周波数の設定 −振幅を増加又は減少させたバーストでの作動
【００３３】これらの目的のために、マイクロプロセッ
サユニット２０は、特定の臨床設定における特定のタイ
プの先端部品を用いた使用のための前もって設定された
一連のソフトウエアプログラムを有している。これらの
ソフトウエアプログラムを更新することもできるし、他
のソフトウエアプログラムをコンソール１０に蓄積、記
憶し、より新しい日付に評価されたものを利用可能とさ
せることができる。さらに、使用者は制御キーボード１
７を介して使用者自身が選択した作動パラメータを設定
し、後続の利用のためにそのパラメータをコンソール１
０に蓄積、記憶することができる。
【００３４】接続手段４０の流体管路４４は室５２と連
通しており、この室５２はさらにハンドピース１の本体
２の内部に設けられた管路５３と連通している。管路５
３はタング４８の内部の管路（不図示）へ流体を搬送す
る管５４に接続されている。流体は、タング４８の内部
の管路から先端部品３の受座５０に行き渡り、管路５５
を通って外部へ向かって流れる。このようにして、流体
は、先端部品３が作用を及ぼす組織を潅注することがで
き、先端部品３と組織との間の摩擦による動作温度を最
小に抑える。
【００３５】図４〜図９には、本発明によるハンドピー
スにおいて使用することができる様々なタイプの先端部
品が示されている。これらの図では、同じ参照番号は同
じ部分又は等価な部分を指している。各先端部品３はハ
ンドピース１に設けられた取付部４９と係合することが
できる受座５０を備えている。受座５０はハンドピース
１の軸線と概略平行な軸線を有する幹部６０に接続して
いる。幹部６０はハンドピース１の頭部６２に接続して
いる肘部分６１で終わっている。
【００３６】図４は、省略符号ＯＳＴ１、ＯＳＴ２、Ｏ
ＳＴ３、ＯＳＴ４、ＯＳＴ５によって示されている５つ
の骨刀を示している。これらの先端部品（骨刀）３は骨
切除のために使用される非常に幅の広い刃６３を備えた
頭部６２を示している。実際には、刃６３は破断すなわ
ち骨折を起こさせて、骨組織を取り去ることなく骨格部
分の連続性を断ち切らなければならない。
【００３７】図５（ａ）〜（ｃ）は、符号Ｔ１、Ｔ２、
Ｔ３によって示される３つのチゼルタイプの先端部品を
示している。チゼル先端部品は骨刀の刃６３よりも薄い
刃６４を有している。実際には、チゼル先端部品は骨組
織での非常に緻密で正確な切断が要求される手術に向け
たものである。この目的のために、チゼルタイプの先端
部品の刃６４は切断効率を高めるためにダイヤモンド表
面を有することができる。
【００３８】図６は符号ＣＰ１によって示される圧迫器
タイプの先端部品を示している。このタイプの先端部品
は骨組織を圧迫するために頭部に扁平部分６５を有して
いる。図７（ａ）及び（ｂ）は、様々なタイプの手術に
使用することができる符号Ｕ１及びＵ２によって示され
る２つの万能先端部品を示している。図８では符号ＳＰ
１は骨膜起子先端部品を示している。この先端部品は、
骨を取り囲む膜（骨膜）から骨を引き離すためにスプー
ン形状の頭部６６を有している。
【００３９】図９（ａ）及び（ｂ）は符号ＳＥ１及びＳ
Ｅ２によって示されている２つの骨内膜起子を示してい
る。これらの先端部品は骨膜起子のスプーン形状の頭部
６６よりもサイズが小さいスプーン形状の頭部６７を有
している。実際に、骨内膜起子は骨の空腔を区画する結
合組織（骨内膜）を除去しなくてはならない。
【００４０】本発明による外科装置１を使用する外科手
術技法が図１０〜図１５を参照して説明されている。例
として、失歯稜（歯のない稜）にインプラント（人工歯
根）を移植するための外科手術手順が説明されている。
【００４１】図１０には、外科手術手順の開始時の失歯
稜１００が示されている。失歯稜１００の厚さは、歯肉
消息子１０１を用いて測定すると、２．２ｍｍから２．
８ｍｍまでの範囲となる。このような厚さの小さい失歯
稜では、切断器のような従来技術の器具を用いた手術は
不可能又は極めて困難である。
【００４２】図１１は図１０の失歯稜１００の側面図を
示している。この図は、失歯稜１００の外科手術の最中
を捉えたものであり、粘液分泌弁のタイプの厚さの混在
する無歯稜１００を示している。図１１は本発明による
超音波ハンドピース１によって駆動されるＴ２タイプの
チゼルタイプ先端部品を示している。
【００４３】図１２は、Ｔ２タイプのチゼル先端部品
で、２つの解放切開部（一方が近心側切開部、他方が遠
心側切開部）を有した水平方向稜切開部１０３を形成し
た後の失歯稜１００を示している。この図では、Ｔ２タ
イプの先端部品によって行われた切断が極めて正確且つ
緻密であることが分かる。
【００４４】図１３は、本発明によるハンドピース１に
取り付けられ超音波によって作動される第２のタイプの
チゼル先端部品Ｖ２を通過させた後の失歯稜１００を示
している。Ｖ２タイプの先端部品は、骨弁外科手術技法
に従って口蓋骨壁から前庭皮質骨壁を分離させるため
に、幅広の先端を有している。
【００４５】図１４は、直径２ｍｍの２つの移植部位１
０４が水平方向稜切開部１０３の底部に形成された後の
失歯稜１００を示している。図４を参照して説明された
ＯＳＴ１タイプの骨刀先端部品を使用して、このような
小さい直径の移植部位１０４を形成することが可能とな
った。ＯＳＴ１タイプの先端部品はハンドピース１に取
り付けられ超音波によって作動させられた。
【００４６】図１５は、移植後３ヶ月たった失歯稜１０
０を示している。それぞれ移植部位１０４における皮質
骨壁の間の骨材料を移植するための位置に配置された２
つのインプラント１０５が見える。完全に鉱化した骨稜
が分かるが、歯肉消息子１０１で測定したところ、約
２．５ｍｍから約５ｍｍまで成長した骨稜の厚さの増加
を検出することができた。
【００４７】本発明による外科装置は、顎顔面外科手術
手順及び耳鼻咽喉科外科手術手順のために使用されるこ
とが可能である。また、本発明による外科装置は、椎弓
切除術処置のために使用されることが可能である。さら
に、本発明による外科装置は、手骨及び足骨外科手術の
ために使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】骨外科の手術のための装置を完備した本発明に
よる骨外科のための外科装置の不等角投影図である。
【図２】本発明による外科装置の作用を示しているブロ
ック図である。
【図３】コネクタ手段と先端部品を分解した状態で示し
ている図１の外科装置の軸方向断面図である。
【図４】５つのタイプの骨切り術用先端部品を示してい
る平面図である。
【図５】３つの異なるタイプのチゼル挿入部分（ａ）、
（ｂ）、（ｃ）をそれぞれが示しており、（ａ）、
（ｂ）、（ｃ）の各図には側面図、平面図、他方の側面
の図が示されている。
【図６】圧迫器先端部品の側面図、平面図、他方の側面
の図をそれぞれが示している。
【図７】２つの異なるタイプの万能先端部品（ａ）、
（ｂ）を示しており、（ａ）、（ｂ）の各図にはそれぞ
れ平面図及び右側面の図が示されている。
【図８】骨膜起子の側面図、平面図、他方の側面の図を
それぞれ示している。
【図９】２つの異なるタイプの骨内膜起子（ａ）、
（ｂ）を示しており、（ａ）、（ｂ）の各図にはそれぞ
れ一方の側面の図、平面図、他方の側面の図が示されて
いる。
【図１０】本発明による外科装置を使用して行われた外
科手術手順の様々な段階を示している。
【図１１】本発明による外科装置を使用して行われた外
科手術手順の様々な段階を示している。
【図１２】本発明による外科装置を使用して行われた外
科手術手順の様々な段階を示している。
【図１３】本発明による外科装置を使用して行われた外
科手術手順の様々な段階を示している。
【図１４】本発明による外科装置を使用して行われた外
科手術手順の様々な段階を示している。
【図１５】本発明による外科装置を使用して行われた外
科手術手順の様々な段階を示している。
【符号の説明】
１…外科装置又はハンドピース ２…本体 ３…先端部品 ４…コネクタ手段 １０…コンソール １１…蠕動ポンプ ２０…マイクロプロセッサユニット ２２…電源装置 ２３…電力ステージ ４０…接続手段 ４３…管路 ４４…管路 ４７…変換器 ５２…室 ５３…管路 ５４…管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500581777 ドメニコ ベルチェロッティー イタリア国，ジェノバ，セストリ レバン テ，サンタ マルゲリータ ディ フォサ ルパラ 16039，ビア パルマ 20 (72)発明者 トマソ ベルチェロッティー イタリア国，ジェノバ 16121，ビア ド ディセシモ オットブレ ２／111 (72)発明者 フェルナンド ビアンチェッティー イタリア国，ジェノバ，チアバリ 16043, コルソ ダンテ 142 (72)発明者 ドメニコ ベルチェロッティー イタリア国，ジェノバ，セストリ レバン テ，サンタ マルゲリータ ディ フォサ ルパラ 16039，ビア パルマ 20

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 使用者によって把持されることができる
    本体（２）と、前記本体の頭部に取り付けられており骨
    組織に作用を及ぼすことができるような形状を有した先
    端部品（３）とを備えた骨外科のための外科装置であっ
    て、 振動手段（４７）が、前記本体（２）の内部に設けら
    れ、前記先端部品（３）と作動可能に接続されており、
    前記先端部品（３）を超音波域の周波数で振動させるこ
    とを特徴とする骨外科のための外科装置。
  2. 【請求項２】 前記振動手段（４７）が圧電セラミック
    変換器を備える、請求項１に記載の骨外科のための外科
    装置。
  3. 【請求項３】 前記先端部品（３）の作動領域へ向かっ
    て流体を送給するために、前記本体（２）の内部に流体
    回路（４３，４４，５２，５３，５４）が設けられてい
    る、請求項１又は請求項２に記載の骨外科のための外科
    装置。
  4. 【請求項４】 前記外科装置が、前記本体（２）と一体
    的に形成された相補形状の接続手段（４０）に結合する
    ことができる外部コネクタ手段（４）を備え、前記変換
    器（４７）及び前記流体回路へそれぞれ電気供給及び流
    体供給を行う、請求項３に記載の骨外科のための外科装
    置。
  5. 【請求項５】 前記外部コネクタ手段（４）が、前記外
    科装置に電気及び流体の供給を行うために電気供給手段
    （２２，２３）及び流体供給手段（１１）を備えたコン
    ソール（１０）と作動上接続されている、請求項４に記
    載の骨外科のための外科装置。
  6. 【請求項６】 前記電気供給手段が、配電幹線から電力
    を取り込む電源装置（２２）と、該電源装置（２２）か
    ら取り込んだ供給電気を前記外科装置の前記変換器（４
    ７）に供給することが可能な電気信号に変換する電力ス
    テージ（２３）とを備える、請求項５に記載の骨外科の
    ための外科装置。
  7. 【請求項７】 前記流体供給手段が蠕動ポンプ（１１）
    を備える、請求項５又は請求項６に記載の骨外科のため
    の外科装置。
  8. 【請求項８】 前記コンソール（１０）が前記外科装置
    （１）の作動機能を制御することができる制御手段（２
    ０）を備え、該制御手段が前記電力ステージ（２３）及
    び蠕動ポンプ（１１）を制御するマイクロプロセッサユ
    ニット（２０）を備える、請求項５から請求項７までの
    何れか一項に記載の骨外科のための外科装置。
  9. 【請求項９】 前記マイクロプロセッサユニット（２
    ０）が、前記変換器（４７）の振動周波数を自動的に調
    整し前記振動周波数を変調させるように構成されおり、
    前記先端部品（３）が超音波のみによって又は低周波変
    調された超音波によって又は一連の低周波バーストによ
    って振動することができるようになっている、請求項８
    に記載の骨外科のための外科装置。
  10. 【請求項１０】 前記先端部品（３）が、骨刀先端部品
    （ＯＳＴ１，ＯＳＴ２，ＯＳＴ３，ＯＳＴ４，ＯＳＴ
    ５）、チゼル先端部品（Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３）、圧迫器先
    端部品（ＣＰ１）、万能先端部品（Ｕ１，Ｕ２）、骨膜
    起子先端部品（ＳＰ１）、又は骨内膜起子先端部品（Ｓ
    Ｅ１，ＳＥ２）のいずれかである、請求項１から請求項
    ９までの何れか一項に記載の骨外科のための外科装置。
  11. 【請求項１１】 前記チゼル先端部品（Ｔ１，Ｔ２，Ｔ
    ３）が切断効率を高めるためにダイヤモンド先端を有し
    ている、請求項１０に記載の骨外科のための外科装置。
  12. 【請求項１２】 前記外科装置が骨外科手術手順におい
    て使用される、請求項１から請求項１１までの何れか一
    項に記載の骨外科のための外科装置。
  13. 【請求項１３】 骨試料採取、嚢胞の切除、第３大臼歯
    の抜歯、歯槽部位の作成、上顎洞への穴の形成、稜経路
    による上顎洞の上昇を含む口腔外科手術手順、及び骨形
    成術、骨切り術、骨切除術を含む整形外科手術手順及び
    神経科外科手術手順において使用する、請求項１２に記
    載の骨外科のための外科装置。
  14. 【請求項１４】 超音波域の周波数で振動させられる先
    端部品によって骨組織に外科的処置を施すことを特徴と
    する骨外科のための外科的方法。
  15. 【請求項１５】 前記外科的方法が整形外科及び神経科
    の外科手術手順において使用される、請求項１４に記載
    の骨外科のための外科的方法。
  16. 【請求項１６】 前記外科的方法が骨切り術の処置にお
    いて使用される、請求項１４又は請求項１５に記載の骨
    外科のための外科的方法。
  17. 【請求項１７】 前記骨切り術の処置が、超音波域の周
    波数で振動させられた骨刀先端部品によって、骨に制限
    を加え、骨格部分の連続性を破壊することによって、請
    求項１６に記載の骨外科のための外科的方法。
  18. 【請求項１８】 前記外科的方法が骨形成術の処置にお
    いて使用される、請求項１４又は請求項１５に記載の骨
    外科のための外科的方法。
  19. 【請求項１９】 前記外科的方法が骨切除術の処置にお
    いて使用される、請求項１４又は請求項１５に記載の骨
    外科のための外科的方法。
  20. 【請求項２０】 前記外科的方法が、口腔外科手術手
    順、顎顔面外科手術手順、又は耳鼻咽喉科外科手術手順
    において使用される、請求項１４に記載の骨外科のため
    の外科的方法。
  21. 【請求項２１】 前記外科的方法が失歯稜でのインプラ
    ント移植のための外科手術手順に使用される、請求項２
    ０に記載の骨外科のための外科的方法。
  22. 【請求項２２】 前記方法が、 極めて正確且つ緻密な切開を行うように超音波によって
    作動させられるチゼル先端部品により、失歯稜に水平方
    向稜切開部を作成するステップと、 超音波によって作動させられる幅広の先端を有したチゼ
    ル先端部品によって前記切開部を広げ、口蓋骨壁から前
    庭皮質骨壁を分離するステップと、 超音波によって作動させられる骨刀先端部品により、広
    げられた前記水平方向稜切開部の底部に少なくとも１つ
    の移植部位を作成するステップと、 前記移植部位にそれぞれインプラントを配置するステッ
    プと、 を含む、請求項２１に記載の骨外科のための外科的方
    法。
  23. 【請求項２３】 前記外科的方法がアクセス困難な解剖
    学的領域において骨試料採取を行うべく組織を切開する
    ために使用される、請求項２０に記載の骨外科のための
    外科的方法。
  24. 【請求項２４】 前記外科的方法が、嚢胞又は炎症組織
    の切除のために使用される、請求項２０に記載の骨外科
    のための外科的方法。
  25. 【請求項２５】 前記外科的方法が歯槽の近傍の埋伏第
    ３大臼歯の抜歯のために使用される、請求項２０に記載
    の骨外科のための外科的方法。
  26. 【請求項２６】 前記外科的方法が、洞膜に損傷を与え
    ることなく上顎洞への骨穴を形成するため又は上顎洞の
    上昇のために使用される、請求項２０に記載の骨外科の
    ための外科的方法。
  27. 【請求項２７】 前記外科的方法が篩骨稜経路による上
    顎洞の上昇のために使用される、請求項２０に記載の骨
    外科のための外科的方法。
  28. 【請求項２８】 前記方法が椎弓切除術の処置のために
    使用される、請求項１４に記載の骨外科のための外科的
    方法。
  29. 【請求項２９】 前記方法が手骨及び足骨の外科処置の
    ために使用される、請求項２０に記載の骨外科のための
    外科的方法。
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