JP2001202967A - 鉛蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池およびその製造方法

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JP2001202967A
JP2001202967A JP2000007409A JP2000007409A JP2001202967A JP 2001202967 A JP2001202967 A JP 2001202967A JP 2000007409 A JP2000007409 A JP 2000007409A JP 2000007409 A JP2000007409 A JP 2000007409A JP 2001202967 A JP2001202967 A JP 2001202967A
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lead alloy
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Kiichi Koike
喜一 小池
Yoshibumi Hisama
義文 久間
Hiroyuki Jinbo
裕行 神保
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛合金よりも高い導電率を有する金属基体上
に鉛合金層を形成した集電体を用いた鉛蓄電池におい
て、金属基体上に均一で比較的厚い鉛合金層をピンホー
ルや鉛合金層と金属基体間の剥離等の欠陥が生じないよ
う被覆することによって、集電体の電気抵抗を低減させ
ることによりエネルギー密度が高く、高率放電特性に優
れるとともに寿命性能に優れた鉛蓄電池を得ること。 【解決手段】 第1の鉛合金層2で被覆された鉛より高
い導電率を有する金属基体1に第2の鉛合金層6からな
る箔を重ね合わせて圧延一体化して形成した集電体に活
物質ペースト7を塗着して極板8とし、この極板を用い
て鉛蓄電池を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池とその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に鉛蓄電池の極板用格子体の製造方
法としてはPb−Sb系合金やPb−Ca−Sn系合金
を用いて鋳造により格子体を形成する方法、あるいはP
b−Ca−Sn系合金シートをエキスパンドやパンチン
グ加工して格子体を形成する方法が採用されている。こ
のような極板用の格子体は、鉛蓄電池のエネルギー密度
を向上させることを目的として活物質の充填容積を大き
くする必要があり、格子体容積をできるだけ小さくする
よう設計されている。しかしながら格子体容積を小さく
設計しているために格子体の電気抵抗が大きくなり、結
果として大電流放電での電池出力電圧の低下をもたらし
ていた。特に鉛蓄電池では格子体として導電率が銅やア
ルミニウムに比べて低い鉛合金を用いるため、格子体の
電気抵抗による出力電圧低下は他の電池系に比較して大
きいものであった。そのため産業用分野等に使用されて
いる大容量の鉛蓄電池では負極格子体として銅の芯材を
鉛や鉛合金を電解メッキ等により被覆したものや、特に
大電流が集中する集電耳部に銅の芯材を埋め込んだもの
が用いられている。このような構成により大電流放電で
の出力電圧特性の向上を図るとともに、鉛合金よりも低
密度のCu合金を使用することにより、電池の軽量化を
も図ることができる。
【0003】しかしながらこのような格子体の製造方法
はCu板の加工やメッキ工程の生産性が悪いといった欠
点に加えて、以下のような欠点があった。すなわち特に
正極格子体にCu板を使用するには、Cuの溶出を防止
する必要がある。よってCuを被覆する鉛合金層として
はピンホール等がなく、しかも厚さを100μm以上に
確保し、さらに両者間の剥離等が発生しないようにする
必要があるが、従来の電解メッキや無電解メッキでは鉛
合金層を均一に厚く、しかもCu板全面をピンホールや
剥離等の欠陥が発生しないように被覆することは極めて
困難であった。そしてこのようなCuの溶出は負極板の
水素過電圧を低下させ、電池を早期に寿命に至らしめる
ものである。また、同時に集電体としての導電率も低下
するので電池寿命は急激に低下することが避けられなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するもので、前記したような鉛合金よりも高い導
電率を有する金属基体上に鉛合金層を形成した集電体を
用いた鉛蓄電池において、金属基体上に均一で比較的厚
い鉛合金層をピンホールや、鉛合金層と金属基体間の剥
離等の欠陥が生じないよう被覆して、格子体の電気抵抗
を低減させることによりエネルギー密度が高く、大電流
放電時の出力電圧特性に優れるとともに寿命性能に優れ
た鉛蓄電池を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明の請求項1記載に係る発明は、鉛よりも
高い導電率を有する金属基体と、前記金属基体を被覆す
る第1の鉛合金層と、この第1の鉛合金層を被覆する第
2の鉛合金層を備えた集電体を用いることとした。
【0006】また、本発明の請求項2記載に係る発明
は、請求項1に記載する構成を有する鉛蓄電池におい
て、金属基体はCuもしくはCu合金からなり、第1の
鉛合金層は5.0重量%から63重量%のSnを含有す
るPb−Sn系合金からなり、第2の鉛合金層は5重量
%以下のSnを含有するPb−Sn系合金からなること
とした。
【0007】また、本発明の請求項3記載に係る発明
は、請求項2に記載する構成を有する鉛蓄電池におい
て、第2の鉛合金層は0.002重量%〜0.5重量%
のAgを含有することとした。
【0008】また、本発明の請求項4記載に係る発明
は、請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載する
鉛蓄電池において、金属基体は複数の貫通孔を有すると
ともに、この貫通孔の側壁は第1の鉛合金層と第2の鉛
合金層とで被覆することとした。
【0009】また、本発明の請求項5記載に係る発明
は、第1の鉛合金層と同じ鉛合金で被覆された鉛より高
い導電率を有する金属基体に第2の鉛合金層と同じ鉛合
金からなる箔を重ね合わせて圧延一体化して形成した集
電体に活物質を塗着して極板とし、この極板を用いて鉛
蓄電池を構成する鉛蓄電池の製造方法とした。
【0010】また、本発明の請求項6記載に係る発明
は、請求項5に記載する鉛蓄電池の製造方法において、
金属基体はCuもしくはCu合金からなり、第1の鉛合
金層は5.0重量%から63重量%のSnを含有するP
b−Sn系合金からなり、第2の鉛合金層は5重量%以
下のSnを含有するPb−Sn系合金からなる鉛蓄電池
の製造方法とした。
【0011】また、本発明の請求項7記載に係る発明
は、請求項6に記載の鉛蓄電池の製造方法において、第
2の鉛合金層は0.002重量〜0.5重量%のAgを
含有する鉛蓄電池の製造方法とした。
【0012】また、本発明の請求項8記載に係る発明
は、請求項5ないし7のうちのいずれか1項に記載する
鉛蓄電池の製造方法において、金属基体は複数の貫通孔
を有するとともに、前記貫通孔の側壁は前記第1の鉛合
金層と前記第2の鉛合金層とで被覆されている鉛蓄電池
の製造方法とした。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】図1に示したように鉛より導電率が高い金
属、例えばCuの圧延シートからなる金属基体1上に溶
融鉛メッキ、電解メッキもしくは無電解メッキ等の手段
によりPb−Sn合金からなる第1の鉛合金層2が形成
される。金属基体1の厚みとしては20〜100μm、
第1の鉛合金層2の厚みとしては2〜10μmが適切で
ある。次いで、図2に示したように金属基体1は切断加
工されて電極面に対応する主面3と集電耳として作用す
る耳部4が形成される。次に第1の鉛合金層2が形成さ
れた金属基体1を図3に示すように2枚の鉛合金シート
5の間にはさみこむように配置し、これらを多段階に圧
延一体化することにより図4に示したように金属基体1
上に形成された第1の鉛合金層2の上に鉛合金シート5
と同じ組成を有する第2の鉛合金層6が形成される。こ
の第2の鉛合金層6は活物質との界面を形成するので少
なくとも100μm以上の厚みで形成する必要がある。
その後、第2の鉛合金層6上に図5に示すように活物質
ペースト7(もしくは活物質スラリー)が塗着される。
【0015】次に金属基体1を第1の鉛合金層2および
第2の鉛合金層6とともに打ち抜くことにより図5に示
したような断面構造を有する極板8が形成される。この
時、この極板切断面に金属基体1が外部に露出しないよ
うに切断位置決めを厳密に行う必要がある。ここで、第
1の鉛合金層2に含有されるSn濃度としては5重量%
〜63重量%のなかから選択される。この第1の鉛合金
層2を溶融メッキで形成する際には特にSn濃度が5重
量%以下ではこの合金の融点は高く、また、合金表面に
酸化皮膜を形成しやすいことから第1の鉛合金層2を厚
みを均一に形成することが困難になる。またSn濃度の
上限としてはPb−Sn系合金の共晶点となる63重量
%が用いられる。このSn濃度で融点は183℃と最も
低いので第1の鉛合金層2を均一な厚みに形成すること
ができる。そしてこのようなSn濃度領域を有する第1
の鉛合金層2は第2の鉛合金層6と圧延一体化して強固
に結合することができる。
【0016】一方、第2の鉛合金層6は、第1の鉛合金
層2と同様、Pb−Sn系合金が使用される。そしてこ
の第2の鉛合金層6中のSn濃度は高いほど第2の鉛合
金層6の強度が向上し、第1の鉛合金層2との圧着性も
向上する。しかしながら第2の鉛合金層6中のSn濃度
は鉛蓄電池の電解液中へのSn溶解と、負極でのSnデ
ンドライト析出による正負極間ショートを抑制するため
に、5重量%以下にする必要がある。なお、第2の鉛合
金層6中にAgを0.002重量%以上添加するとSn
の電解液中の溶解をさらに抑制することができる。また
Agは第2の鉛合金層6自体の耐食性を向上させる効果
を有しているが、添加量を0.5重量%以上にしてもそ
の効果は変わらない。よって、Agの添加量は経済性も
考えて0.002〜0.5重量%が適切である。
【0017】なお、活物質を充填するステップとしては
第2の鉛合金層6を形成した金属基体1を切断加工した
後に行うことももちろん可能である。しかしながら、切
断加工前に活物質充填を行う方が連続生産に適してい
る。いずれにせよ、活物質充填後は熟成乾燥されて鉛蓄
電池用極板となる。その後は常法にしたがって極板群が
形成され、電槽に組み込まれた後、化成充電されて本発
明による鉛蓄電池が作製される。
【0018】(第2の実施の形態)前記した第1の実施
の形態における金属基体1は板状であり、貫通孔等が形
成されていない構成について記載した。貫通孔がない集
電体に非常に薄い活物質層を形成することにより、活物
質重量あたりの活物質−集電体間の接触面積を増加させ
ることができるので、電池の出力特性を重視する場合に
は貫通孔がない構成が有効な構成である。しかしながら
このような構成は活物質の充填量が制限されるので、放
電容量をある程度以上に確保することが必要な場合には
集電体に活物質を充填できる貫通孔が必要になる。集電
体に貫通孔を形成する場合の構成について以下に記載す
る。
【0019】図6はCu製の金属基体1に貫通孔9を形
成した場合の集電体を示す図である。まず、この金属基
体1は第1の実施の形態と同様の方法で、表面に第1の
鉛合金層2が形成される。第1の鉛合金層2は金属基体
1の貫通孔9の側壁9aにも形成される。第1の鉛合金
層2が形成された後には、第1の実施の形態と同様、金
属基体1を2枚の鉛合金シート5の間にはさみこむよう
配置し、これらの多段階に圧延一体化することにより第
1の鉛合金層2を被覆するように第2の鉛合金層6が形
成される。この圧延直後の状態においては貫通孔9は第
2の鉛合金層6によって埋められた状態となる。この貫
通孔9に埋められた第2の鉛合金層6はパンチング等に
より容易に打ち抜かれ、再び貫通孔9が形成される。貫
通孔9の側壁9aは第1の鉛合金層2と第2の鉛合金層
6とで被覆された構成となる。以降は第1の実施の形態
と同様に本発明による鉛蓄電池が構成される。
【0020】第1および第2の発明の実施の形態は金属
基体としてCuを用いた例を示したが他の良好な導電率
を有する金属、例えばアルミニウム合金にも適用可能で
ある。しかしながらCuはPb−Sn系合金を比較的容
易に形成できるのでCu合金を用いることが好ましい。
【0021】
【実施例】本発明の効果を確認するために本発明例、従
来例および比較例による鉛蓄電池を作製して電池特性と
して初期放電特性、トリクル寿命特性の確認試験を行っ
た。確認試験に用いた電池は本発明例、従来例および比
較例のいずれも12V20Ahの密閉形鉛蓄電池とし
た。各試験電池の仕様は以下の通りである。
【0022】(1)本発明による電池A 本発明例の電池として第2の実施の形態で示した密閉形
鉛蓄電池とした。正極板および負極板に用いた金属基体
は厚み50μmのCu圧延箔を用いた。このCu圧延箔
には極板面積の25%に相当する開口部を有するよう貫
通孔を設けている。このCu圧延箔上には10μmの厚
みでPb−63重量%Sn合金の層を第1の鉛合金層と
して形成する。その後、正極用としては厚み0.3m
m、負極用としては厚み0.05mmの圧延鉛シート2
枚で鉛合金層を形成したCu圧延箔をはさみこみ、これ
らを圧延一体化して集電体を作製した。圧延一体化した
後の集電体の厚みは正極で450μm、負極で150μ
mとした。ここで圧延鉛シートの合金組成としては正極
用としてPb−2.5重量%Sn−0.05重量%A
g、負極用としてはPb−0.5重量%Snとした。こ
れらの集電体に鉛蓄電池用活物質を充填した後、切断加
工した。その後熟成乾燥を行い、未化成の正極板と負極
板とした。なお、極板厚みは正極で1.2mm、負極で
0.8mmである。以降は常法にしたがって密閉形の鉛
蓄電池を構成した。
【0023】(2)従来例の電池B 従来例の電池Bについては本発明例の電池Aの集電体を
変更したものである。この電池Bに用いた集電体の厚み
は正極で0.45mm、負極で0.15mmの圧延鉛合
金シートであり、その合金組成は正極でPb−2.5重
量%Sn−0.05重量%Ag、負極でPb−0.5重
量%Snである。このような集電体を用いた他は本発明
例の電池Aと同様とした。
【0024】(3)比較例の電池C 比較例の電池Cについては従来例の電池Bと同様、本発
明例の電池Aの集電体を変更したものとした。電池Cに
用いた集電体は電池Aに用いた厚み50μmのCu圧延
箔を鉛合金で溶融メッキにより被覆した構成とした。溶
融メッキ層の厚みは両面で正極では400μm、負極で
は100μmである。合金組成は従来例の電池Bと同
様、正極でPb−2.5重量%Sn−0.05重量%A
g、負極でPb−0.5重量%Snとした。
【0025】(4)比較例の電池D 比較例の電池Dについては従来例の電池Bおよび比較例
の電池Cと同様、本発明例の電池Aの集電体を変更した
ものとした。電池Dに用いた集電体は電池Aに用いた厚
み50μmのCu圧延箔を2枚の鉛合金シートではさみ
こみ、これらを圧延一体化したものを用いた。鉛合金シ
ートの圧延前の厚みは正極用で0.3mm、負極用で
0.05mmである。鉛合金シートの合金組成は電池A
に用いたものと同じく正極でPb−2.5重量%Sn−
0.05重量%Ag、負極でPb−0.5重量%Snと
した。圧延一体化した後の集電体の厚みは正極で450
μm、負極で150μmとした。この圧延一体化する工
程においてはCuと鉛合金との密着性は良好でなく、製
造条件を各種検討したがCuと鉛合金間の剥離が発生し
ていた。このことから単に圧延によってのみCu基体上
に欠陥なく鉛合金層を形成することは極めて困難である
ことがわかる。
【0026】以上の本発明例による電池A、従来例によ
る電池Bおよび比較例による電池Cについて200A高
率放電を行った。図7はその放電特性を示す図である。
この図7に示す結果から本発明例による電池A、比較例
による電池Bおよび電池Cは従来例の電池Bに比較して
良好な電圧特性、放電持続時間を有していることがわか
る。これは銅を集電体に用いることにより、集電体の電
気抵抗が低減したことによる。比較例の電池Dは本発明
例の電池Aおよび比較例の電池Cに対して放電時の電圧
も低く、放電持続時間も短いことがわかる。これは前述
したような集電体での銅と鉛合金層との剥離が影響して
いると推測される。
【0027】次にこれらの電池A,B,CおよびDにつ
いてトリクル寿命試験を行った。トリクル試験条件とし
ては60℃雰囲気中で13.7Vの定電圧で連続充電を
2週間行った後、放電電流100A(5CA)で放電終
止電圧7.2Vまで放電を行う。この充電−放電のサイ
クルを繰り返して行い、放電持続時間が初期の50%に
低下した時点で寿命終了とした。また、寿命終了した電
池は分解調査を行った。これらの結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示した結果から電池Aは他の電池に
比較して良好なトリクル寿命特性を有していることが確
認できた。また、電池Aの正極活物質は軟化・脱落が顕
著に進行しており、正極活物質の寿命を有効に利用でき
ていることが確認できた。一方、従来例の電池Bについ
ては本発明例の電池Aに比較してトリクル寿命は大幅に
低下するものの、本発明例の電池Aに見られるほど正極
活物質の軟化は顕著ではなかった。むしろ、集電体の導
電率が電池Aに比較して低いことから放電時の電圧降下
が大きく、早期に寿命に至ったものと考えられる。よっ
て正極活物質はそれほど利用されておらず、結果として
活物質自体の軟化も進行しなかったと考えられる。電池
Cについては正極集電体の表面が一部腐食を受け、内部
の銅が正極板外部に露出した状態になっていた。希硫酸
の電解液中には銅イオンの存在が確認された。また、電
解液中の水分量の大幅な低下が確認され、電池の内部抵
抗が増大して早期に寿命に至ったと予測される。電池D
については正極集電体の腐食は電池Cに比較して進行し
ていないものの、集電体の銅と鉛合金層との界面に硫酸
の浸透が見られた。また、電解液中に微量の銅イオンが
検出されたものの電池Cに比較すればはるかに少ない量
であった。電池Dの寿命要因は集電体中の銅と鉛合金と
の間にもともと発生していた剥離がさらに進行したこと
による電圧低下であると推測される。また、各電池の負
極の集電体には正極で発生したような問題は認められな
かった。よって、少なくとも正極板に本発明の構成を適
用すれば本発明が奏する効果が得られることが判る。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば
鉛合金よりも高い導電率を有する金属基体上に鉛合金層
を形成した集電体を用いた鉛蓄電池において、大電流放
電時の放電特性に優れるとともに寿命性能に優れた鉛蓄
電池を得ることができ、工業上、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属基体の一部断面図
【図2】切断された金属基体の斜視図
【図3】集電体の製造前段階の一部断面図
【図4】本発明の鉛蓄電池の集電板の一部断面図
【図5】本発明の鉛蓄電池の極板の断面図
【図6】(a)第2の実施の形態による本発明の鉛蓄電
池の集電板の平面図 (b)(a)のA−A断面図
【図7】本発明例、従来例および比較例による鉛蓄電池
の放電特性を示す図
【符号の説明】
1 金属基体 2 第1の鉛合金層 3 主面 4 耳部 5 鉛合金シート 6 第2の鉛合金層 7 活物質ペースト 8 極板 9 貫通孔 9a 側壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神保 裕行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H017 AA01 DD03 EE01 HH01 HH10 5H028 AA05 CC11 EE01 HH01 HH10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛よりも高い導電率を有する金属基体
    と、前記金属基体を被覆する第1の鉛合金層と、前記第
    1の鉛合金層を被覆する第2の鉛合金層を備えた集電体
    を用いたことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 金属基体はCuもしくはCu合金からな
    り、第1の鉛合金層は5.0重量%から63重量%のS
    nを含有するPb−Sn系合金からなり、第2の鉛合金
    層は5.0重量%以下のSnを含有するPb−Sn系合
    金からなることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電
    池。
  3. 【請求項3】 第2の鉛合金層は0.002重量%〜
    0.5重量%のAgを含有することを特徴とする請求項
    2に記載の鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 金属基体は複数の貫通孔を有するととも
    に、前記貫通孔の側壁は第1の鉛合金層と第2の鉛合金
    層とで被覆されていることを特徴とする請求項1ないし
    3のうちのいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  5. 【請求項5】 鉛よりも高い導電率を有する金属基体
    と、前記金属基体を被覆する第1の鉛合金層と、前記第
    1の鉛合金層を被覆する第2の鉛合金層を備えた集電体
    を用い、前記第1の鉛合金層と同じ鉛合金で被覆された
    鉛より高い導電率を有する金属基体に前記第2の鉛合金
    層と同じ鉛合金からなる箔を重ね合わせて圧延一体化し
    て形成した集電体に活物質を塗布して極板とし、この極
    板を用いて鉛蓄電池を構成することを特徴とする鉛蓄電
    池の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属基体はCuもしくはCu合金からな
    り、第1の鉛合金層は5.0重量%から63重量%のS
    nを含有するPb−Sn系合金からなり、第2の鉛合金
    層は5重量%以下のSnを含有するPb−Sn系合金か
    らなることを特徴とする請求項5に記載の鉛蓄電池の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 第2の鉛合金層は0.002重量%〜
    0.5重量%のAgを含有することを特徴とする請求項
    6に記載の鉛蓄電池の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属基体は複数の貫通孔を有するととも
    に、前記貫通孔の側壁は第1の鉛合金層と第2の鉛合金
    層とで被覆されていることを特徴とする請求項5ないし
    7のうちのいずれか1項に記載の鉛蓄電池の製造方法。
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Cited By (3)

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