JP2001201795A - 画像焼付装置およびこれを備えた写真処理装置 - Google Patents

画像焼付装置およびこれを備えた写真処理装置

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JP2001201795A
JP2001201795A JP2000013536A JP2000013536A JP2001201795A JP 2001201795 A JP2001201795 A JP 2001201795A JP 2000013536 A JP2000013536 A JP 2000013536A JP 2000013536 A JP2000013536 A JP 2000013536A JP 2001201795 A JP2001201795 A JP 2001201795A
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Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置などの光変調素子を用いて感光
材料に画像を焼き付ける画像焼付装置において、感光材
料上に照射する画像に、光変調素子が有する視角特性に
よるむらを生じさせないとともに、従来のアナログプリ
ンタを流用することが可能な画像焼付装置を提供する。 【解決手段】 画像情報に応じて、光源8からの光を各
画素毎に変調させて画像を表示するLCD11からの画
像光を、ロッドレンズアレイ12を介して、入射光を拡
散させる作用を有する投影フィルム13上に投影する。
そして、投影フィルム13から出射される、視角特性が
抑制された画像光を、バリフォーカルレンズ14を介し
て印画紙15上に投影する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示装
置などの光変調素子を用いて、感光材料に光を照射する
ことによって画像の焼付を行う画像焼付装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、画像表示装置として例えば液
晶表示装置を用いた、いわゆるデジタル露光デバイスと
しての画像焼付装置の研究、開発が盛んに進められてい
る。この種の画像焼付装置は、画像情報に応じて液晶表
示装置の各画素を駆動して光源からの光の透過を各画素
ごとに制御し、透過した光を印画紙に照射することで上
記画像情報に対応する画像を印画紙に焼き付けるもので
ある。
【0003】図9(a)は、液晶表示装置(以下、LC
Dと称する)を備えた従来の画像焼付装置における露光
部の概略構成を示す側面図である。該露光部は、光源5
1、LCD52、およびバリフォーカルレンズ53を備
えた構成となっている。また、図示はしていないが、該
露光部は、光源51における光量むらを除去するための
ミラートンネル、および青色(B)、緑色(G)、赤色
(R)のそれぞれの色成分の光のみを透過させる3つの
フィルタを備えたBGR回転フィルタなどの構成を備え
ている。
【0004】光源51は、白色光を出射するハロゲンラ
ンプなどから構成されるランプ部、ランプ部から出射さ
れた光をLCD52方向へ反射させるリフレクタなどか
ら構成されている。LCD52は、複数の画素がマトリ
クス状に2次元配置された液晶表示装置によって構成さ
れており、BGR回転フィルタにおいて選択されている
色成分の画像データを表示させるものである。バリフォ
ーカルレンズ53は、通常の可変焦点レンズであり、構
成レンズの一部を光軸に沿って移動させ、構成レンズの
間隔を変えることによって、連続して焦点距離を変化さ
せることができるものである。このバリフォーカルレン
ズ53には、図9(a)に示すように、絞り53Aが設
けられており、この絞り53Aの絞りを変化させること
によって、印画紙54上に焼き付けられる画像の鮮鋭度
を調節することができる。
【0005】以上のような構成の従来の画像焼付装置に
おける焼付動作は次のようになる。光源51から出射さ
れた光が、図示しないミラートンネルを通過することに
よって、その光量むらが除去される。そして、ミラート
ンネルを出射した光が、図示しないBGR回転フィルタ
において、光路上に配置されているフィルタを透過する
ことによって、該当する色成分の光に変換され、LCD
52に入射する。LCD52では、対応する色成分の画
像データに基づいて、各画素毎に光の透過状態が制御さ
れる。そして、LCD52を出射した画像光が、バリフ
ォーカルレンズ53を介して印画紙54上に照射され
る。このような焼付動作を、各色成分毎に順次行うこと
によって、印画紙54上にカラー画像が焼き付けられる
ことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような構成の画
像焼付装置において、画像を表示させる手段として用い
ているLCDが、その光透過制御性能において十分な面
内均一性を有していたとしても、印画紙への露光量が面
内で均一とならず焼付画像に図10に示すようなムラを
引き起こす場合がある。これは、LCDとして通常用い
られるTN(Twisted Nematic) 型の液晶表示装置が、大
きな視角特性、つまり透過光強度の入出射角への依存性
を有することに起因する。
【0007】ここで、LCDにおいて生じている視角特
性について説明する。図11(c)は、一般的なLCD
における視角特性を示す説明図である。また、同図
(b)は、同図(c)における視角の方向と、LCD内
の液晶分子の配向方向との関係を示す説明図である。ま
た、同図(a)は、同図(c)および(b)における視
角の方向を示す説明図である。なお、上記LCDは、ノ
ーマリーホワイトモードに設定されているものとする。
【0008】図11(c)は、LCDに対する4つの視
角の方向と、各方向から見た際のLCDの表示濃度を示
している。このように、LCDは、中間階調表示させた
際に、見る方向によって濃度が異なっている状態で表示
が行われている。例えば、図中において、視角aにおい
て最も明るく、視角cにおいて最も暗くなっている。こ
れに関して、図11(b)に示すように、例えば視角a
は、液晶分子の配向方向に対して角度が大きくなってい
る。これにより、視角a方向の光は、液晶分子による位
相差の発生量が多くなるので、2枚の偏光板を透過する
量が多くなっている。また、例えば視角cは、液晶分子
の配向方向に対して角度が小さくなっている。よって、
視角c方向の光は、液晶分子による位相差の発生量が少
なくなり、2枚の偏光板を透過する量が少なくなってい
る。このような理由によって、LCDでは、図11
(c)に示すような視角特性が生じている。
【0009】図9(a)に示す画像焼付装置において
は、LCD52の中央近傍を出射し、印画紙54上に照
射される光は、LCD52からほぼ垂直に出射されたも
のであるが、LCD52の端部近傍を出射し、印画紙5
4上に照射される光は、LCD52から斜めに出射され
たものとなっている。すなわち、印画紙54上に焼き付
けられた画像は、その位置に応じて、LCD52を出射
する角度が異なっていることになるので、上述したよう
な視角特性の影響を受けていることになる。つまり、図
9(a)に示すような構成によって焼付を行った場合に
は、印画紙54上の画像に、図10に示すような視角特
性のムラが発生することになる。このようなムラは、焼
付画像の画質を著しく損なうものとなる。
【0010】このような視角特性によるムラを防止する
構成として、図9(b)に示すような構成が提案されて
いる。図9(b)に示す構成では、図9(a)に示す構
成におけるバリフォーカルレンズ53の代わりに、片側
テレセントリックレンズ55が備えられている。片側テ
レセントリックレンズ55は、レンズと印画紙との間に
絞り55Aを設けることによって、レンズへの入射光
が、レンズの中心における法線方向とほぼ平行である場
合に限り結像に用いられるレンズである。
【0011】図9(b)に示すように、印画紙54上に
照射される光は、LCD52上のどの位置においても、
LCD52からほぼ垂直に出射されたものとなる。すな
わち、印画紙54上に焼き付けられた画像は、どの位置
においても、LCD52を出射する角度がほぼ一定とな
っていることになるので、視角特性の影響がほとんど生
じていないことになる。つまり、図9(b)に示すよう
な構成によって焼付を行えば、印画紙54上の画像に視
角特性のムラがほとんど生じていないことになる。
【0012】しかしながら、図9(b)に示す構成は、
上記のように、図9(a)に示す構成におけるバリフォ
ーカルレンズ53をなくして、その代わりに片側テレセ
ントリックレンズ55を設けた構成である。片側テレセ
ントリックレンズは、基本的には、その構成上、焦点調
節機構を備えることは困難である。したがって、このよ
うな構成は、焼付倍率を変化させることが困難になると
いう問題を有している。
【0013】また、従来から広く用いられている画像焼
付装置として、ネガフィルム上に光を照射し、その透過
光を焼付レンズとしてのバリフォーカルレンズを介して
印画紙上に照射するアナログ露光方式の画像焼付装置
(以下、アナログプリンタと称する)がある。このアナ
ログプリンタの一般的な構成としては、印画紙を露光位
置に搬送する機構、およびバリフォーカルレンズが内部
に設けられた露光部本体と、この露光部本体に外付けさ
れた形態で、ネガフィルムを露光位置に搬送させるオー
トネガマスクと呼ばれる機構、および光源部とが設けら
れた構成となっている。
【0014】このようなアナログプリンタにおいて、オ
ートネガマスクを取り外して、LCDを備えたユニット
を取り付ければ、図9(a)に示すようなデジタル露光
方式の画像焼付装置に変更することが可能である。すな
わち、従来から使われているアナログプリンタにおける
露光部本体をそのまま流用してデジタル露光方式に変更
することが可能であるので、アナログ露光方式からデジ
タル露光方式に変更する際に必要となるコストを低く抑
えることができる。
【0015】しかしながら、図9(b)に示す構成を採
用しようとすると、アナログプリンタの露光部本体の内
部に設けられているバリフォーカルレンズを取り外し、
片側テレセントリックレンズを設置する必要が生じる。
また、バリフォーカルレンズから片側テレセントリック
レンズに変えたことによる焦点距離の変化量によって
は、印画紙を搬送する経路も移動させる必要が生じる可
能性もある。すなわち、露光部本体の設計自体も変更す
る必要が生じることになり、従来から用いられているア
ナログプリンタを流用することによるメリットが極めて
小さくなってしまう。
【0016】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、液晶表示装置などの光変
調素子を用いて感光材料に画像を焼き付ける画像焼付装
置において、感光材料上に照射する画像に、光変調素子
が有する視角特性によるむらを生じさせないとともに、
従来のアナログプリンタを流用することが可能な画像焼
付装置およびこれを備えた写真処理装置を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の画像焼付装置は、感光材料に光を
照射することによって画像の焼付を行う画像焼付装置で
あって、光源と、画像情報に応じて、上記光源からの光
を各画素毎に変調させる光変調手段と、上記光変調手段
を出射した画像光が投影される被投影手段とを備え、上
記被投影手段に投影された画像光が上記感光材料上に投
影されるとともに、上記被投影手段が、入射光を拡散さ
せて出射させる作用を有していることを特徴としてい
る。
【0018】上記の構成では、光源からの光を、画像情
報に応じて各画素毎に変調させる光変調手段から出射し
た画像光は、一旦被投影手段に投影された後に、感光材
料上に投影される。そして、被投影手段が、入射光を拡
散させて出射させる作用を有しているので、被投影手段
に対する入射光が特定の方向性を有していたとしても、
出射する際には、あらゆる方向に拡散されることにな
る。したがって、光変調手段が視角特性を有していて
も、被投影手段に一旦投影されることによって、その視
角依存性が抑制されることになり、感光材料上の画像に
視角特性によるむらが生じることを抑制することが可能
となる。
【0019】また、被投影手段からの光を感光材料上に
投影する手段としては、従来、アナログプリンタにおい
て焼き付け部の内部に設けられていたバリフォーカルレ
ンズなどからなる投影手段をそのまま使用することが可
能である。したがって、従来のアナログプリンタの焼き
付け部に対して、光変調手段および被投影手段などの構
成を取り付けることによって、デジタルプリンタとして
使用することが可能となる。よって、アナログ露光方式
からデジタル露光方式に変更する際に必要となるコスト
を低く抑えることができる。
【0020】請求項2記載の画像焼付装置は、請求項1
記載の構成において、上記被投影手段が、複数のマイク
ロレンズを備えた投影フィルムであることを特徴として
いる。
【0021】上記の構成によれば、投影フィルムに対し
て光が入射した場合、マイクロレンズに入射した光は、
各マイクロレンズによるレンズ効果によってあらゆる方
向に拡散されて出射される。すなわち、投影フィルムに
対する入射光が特定の方向性を有していたとしても、投
影フィルムから出射される際には、拡散光として出射さ
れることになるので、光変調手段が視角特性を有してい
ても、投影フィルムに一旦投影されることによって、そ
の視角依存性が抑制されることになり、感光材料上の画
像に視角特性によるむらが生じることを効果的に抑制す
ることが可能となる。
【0022】請求項3記載の画像焼付装置は、請求項2
記載の構成において、上記投影フィルムが、拡散させる
方向が特定の範囲となっている特殊フィルムからなるこ
とを特徴としている。
【0023】上記の構成によれば、光変調手段における
視角特性によって光量変化が生じる方向と、特殊フィル
ムによって拡散される方向とが一致するように、該特殊
フィルムを配置することによって、光変調手段が有する
視角依存性の影響を抑制することが可能である。また、
このような特殊フィルムを用いれば、必要以上に光を拡
散させることがなくなるので、光の利用効率を高めるこ
とができる。
【0024】請求項4記載の画像焼付装置は、請求項1
記載の構成において、上記被投影手段が、回折格子であ
ることを特徴としている。
【0025】一般的に、回折格子に光が入射すると、出
射光が結像する結像面においては、入射した角度と同じ
方向の延長上に結像する0次の回折光と、入射した角度
から所定の角度だけずれた方向の延長上に結像するn次
(n=±1,±2,…)の回折光とに分光される。すな
わち、回折格子に対して特定の方向で入射した光は、複
数のn次回折光として分光された状態で結像面に照射さ
れることになる。
【0026】したがって、上記の構成によれば、回折格
子に対して光が入射すると、格子のそれぞれの方向に対
して分光された状態で結像面に照射されることになる。
すなわち、結果的には、上記のような回折格子に対して
光が入射した場合、回折による干渉効果によってあらゆ
る方向に拡散された状態で、感光材料上に投影されるこ
とになる。よって、回折格子に対する入射光が特定の方
向性を有していたとしても、回折格子を出射し、感光材
料上に投影される際には、拡散光として投影されること
になる。
【0027】したがって、光変調素子が有する視角特性
が抑制された画像光が、感光材料上に照射されることに
なるので、感光材料に焼き付けられる画像は、視角特性
によるむらが生じていない、良質な画像となる。
【0028】請求項5記載の画像焼付装置は、請求項4
記載の構成において、上記回折格子の格子の方向が1方
向に形成されていることを特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、光変調手段における
視角特性によって光量変化が生じる方向と、回折格子に
おける1方向に形成された格子によって拡散される方向
とが一致するように、回折格子を配置することによっ
て、光変調手段が有する視角依存性の影響を抑制するこ
とが可能である。また、格子が1方向に設けられた回折
格子を用いれば、必要以上に光を拡散させることがなく
なるので、光の利用効率を高めることができる。
【0030】請求項6記載の画像焼付装置は、請求項1
ないし5のいずれかに記載の構成において、上記光変調
手段を出射した画像光を上記被投影手段に投影する手段
として、入射側の焦点距離上に存在する光を、その相対
位置を変化させずに、出射側の焦点距離上に配置された
感光材料上に投影するロッドレンズアレイを備えている
ことを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、光入射側の焦点距離
上に位置する点とロッドレンズアレイを構成する各ロッ
ドレンズとの相対位置にかかわらず、光入射側の焦点距
離上に位置する点の位置と光出射側の結像点の位置とが
1対1で対応することになるので、光変調手段を出射し
た画像光を精度良く被投影手段に投影することが可能と
なる。
【0032】また、ロッドレンズアレイを構成する各ロ
ッドレンズは、開口角が特定の範囲内となっているの
で、被投影手段に投影する画像光における視角特性を弱
めることが可能となる。よって、感光材料上に焼き付け
られる画像における視角特性によるむらをより効果的に
抑制することが可能となる。
【0033】請求項7記載の画像焼付装置は、請求項1
ないし5のいずれかに記載の構成において、上記光変調
手段を出射した画像光を上記被投影手段に投影する手段
として、投影レンズを備え、上記投影レンズが、上記光
変調素子から該投影レンズを介して上記被投影手段に到
る光軸の方向が、上記光変調素子に入射する光の光軸の
方向に対して傾くように配置されていることを特徴とし
ている。
【0034】ここで、比較例として、光変調素子に入射
する光の光軸の方向と、光変調素子から投影レンズを介
して被投影手段に到る光軸の方向とが一致している構成
を想定する。この比較例と、上記の構成のように、投影
レンズが、光変調素子から該投影レンズを介して被投影
手段に到る光軸の方向が、光変調素子に入射する光の光
軸の方向に対して傾くように配置されている構成とを比
較すると、光変調素子および被投影手段の大きさ、およ
び投影レンズの倍率が等しいものであるとすると、上記
の本発明の構成の方が、光変調素子を出射し、被投影手
段に到る光が、光変調手段を出射する際の出射角度の範
囲が小さくなる。
【0035】すなわち、光変調手段から投影レンズを介
して被投影手段に到る光軸の方向を傾ける方向として、
光変調手段において視角特性による光量変化が生じてい
る方向に設定すれば、上記の比較例よりも、視角特性に
よるむらの程度が小さい画像光を被投影手段に投影する
ことが可能となる。したがって、感光材料上に焼き付け
られる画像は、被投影手段による拡散効果との相乗効果
により、視角特性によるむらがより抑制された、良質な
画像となる。
【0036】請求項8記載の画像焼付装置は、請求項1
ないし7のいずれかに記載の構成において、上記光変調
手段が、液晶表示装置であることを特徴としている。
【0037】上記の構成によれば、技術的に完成度の高
い液晶表示装置によって、各画素における光の透過を変
調させ、光の出射を制御しているので、信頼度が高く、
かつ、画像情報を忠実に反映した画像光を感光材料上に
照射することができる。
【0038】請求項9記載の写真処理装置は、請求項1
ないし8のいずれかに記載の画像焼付装置と、上記画像
焼付装置によって焼き付けが行われた感光材料を、現像
処理液を用いることによって現像処理を行う現像処理部
と、上記現像処理部において現像処理がなされた感光材
料を乾燥させる乾燥部とを備えたことを特徴としてい
る。
【0039】上記の構成によれば、感光材料に対する焼
き付け処理、現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続
して行うことができるので、使用者に操作上の負担をか
けることなしに、多量の写真を連続的にプリントするこ
とができる。
【0040】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、
以下のとおりである。
【0041】図2は、本発明の実施の形態に係る写真処
理装置の概略構成を示す斜視図である。この写真処理装
置は、焼き付け部1と、現像処理部2と、乾燥部3とを
備えた構成となっている。
【0042】焼き付け部1は、ペーパーマガジン4から
搬送される感光材料としての印画紙に対して、ネガフィ
ルムあるいは液晶表示装置を透過した光を照射すること
によって露光を行っている。現像処理部2は、焼き付け
部1において露光が行われた印画紙を、現像処理液を吹
きつけながら、あるいは現像処理液に浸しながら搬送す
ることによって、現像処理を行っている。乾燥部3は、
現像処理部2において現像処理がなされた印画紙を乾燥
させることによって、プリントの最後の処理を行ってい
る。
【0043】このように、本実施形態に係る写真処理装
置は、印画紙の露光、現像処理、乾燥処理を一元管理の
下に連続して行う構成となっている。よって、使用者に
操作上の負担をかけることなしに、多量の写真を連続的
にプリントすることが可能となっている。
【0044】焼き付け部1の外部には、光源部5、導光
部6、および光学ユニット7が設けられている。光源部
5は、光源およびBGR回転フィルタなどを備えた構成
となっており、導光部6は、光源部5からの光を焼き付
け部1の内部に導くものであり、コールドミラーおよび
ミラートンネルなどを備えた構成となっている。また、
光学ユニット7については、後に各種の実施の形態を説
明することになるが、それぞれの構成に応じて、光学ユ
ニット7の大きさや形状などが変化することになる。
【0045】本実施形態の写真処理装置は、図2に示す
構成において、上記の光学ユニット7が設けられている
位置にANMユニットが装着され、ネガフィルムに記録
された画像を印画紙にプリントするアナログプリンタと
して用いられる装置がベースとなっている。ANMユニ
ットは、オートネガマスクを備えたユニットであり、オ
ートネガマスクは、ネガフィルムを搬送させ、焼き付け
対象となる画像を露光位置に移動させるとともに、その
画像の周囲を遮光する機能を有するものである。このよ
うなアナログプリンタは、ネガフィルムのサイズに応じ
てANMユニットを交換する構成となっているので、基
本的に、ANMユニットの取り外しは容易に行える構成
となっている。
【0046】そして、本実施形態の写真処理装置は、A
NMユニットにおける、焼き付け部1を構成する筐体と
の接続部分と互換性を有する接続部分を有する光学ユニ
ット7を備え、ANMユニットの代わりに、光学ユニッ
ト7を焼き付け部1に対して装着することが可能となっ
ている。言い換えれば、ANMユニットと上記筐体との
接続構造と、光学ユニット7と上記筐体との接続構造と
が互換性を有している。これにより、従来広く用いられ
ているアナログプリンタにおいて、ANMユニットのみ
を光学ユニット7と交換して装着することによって、後
述するようなデジタルプリンタとして用いることが可能
となる。すなわち、光学ユニット7を新しく追加するだ
けで、アナログプリンタをデジタルプリンタとして使用
することが可能となるので、デジタルプリントを行うた
めの設備投資を最小限にすることが可能となる。また、
従来用いているアナログプリンタをそのまま利用するこ
とができるので、資源の有効利用および廃棄物の削減に
も大きく貢献することになる。
【0047】図1は、本実施形態の露光光学系の概略構
成を示す説明図である。この露光光学系は、光源8、B
GR回転フィルタ9、ミラートンネル10、LCD(液
晶表示装置)11、ロッドレンズアレイ12、投影フィ
ルム(被投影手段)13、およびバリフォーカルレンズ
14から構成されている。なお、図1においては図示し
ていないが、BGR回転フィルタ9とミラートンネル1
0との間には、上記したコールドミラーなどの構成が設
けられている。光源8から印画紙15に到る光軸上に
は、光源8側から順に、BGR回転フィルタ9、ミラー
トンネル10、LCD11、ロッドレンズアレイ12、
投影フィルム13、およびバリフォーカルレンズ14が
配置されている。
【0048】光源8は、上記の光源部5の内部に備えら
れており、例えばハロゲンランプなどから構成されるラ
ンプ部、およびランプ部から出射した光をBGR回転フ
ィルタ9が配置されている方向に反射させるリフレクタ
(図示せず)、ランプ部およびリフレクタを所定位置に
支持するとともに、ランプ部に電力を供給するためのソ
ケット部(図示せず)などから構成されている。ランプ
部から発せられる光は、青色、緑色、赤色の各色成分の
光を全て含んだ光であり、やや赤みがかった白色光とな
っている。やや赤みがかった白色光であるのは、印画紙
において、赤色の発色特性が他の色に比べて弱いことを
補うためである。
【0049】BGR回転フィルタ9は、円盤形状となっ
ており、中心角を3等分する扇型領域に、青色、緑色、
赤色のそれぞれに対応したフィルタ9B・9G・9Rが
設けられているとともに、中心廻りに回動可能な構成と
なっている。そして、フィルタ9B・9G・9Rのいず
れか1つを選択的に光路上に配置することによって、光
源8から出射した白色光を当該色成分の光に変換する。
このBGR回転フィルタ9も、上記の光源部5の内部に
備えられている。
【0050】なお、このBGR回転フィルタ9の代わり
に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の
各色のフィルタを備え、減色方式によって調光を行う調
光フィルタを備えた構成としてもよい。これらの各色の
フィルタは、それぞれ2枚のフィルタからなり、光源か
ら出射される光の光路に対して、その両側に上記2枚の
フィルタがそれぞれ配置された構成となっている。そし
て、各色のフィルタにおいて、光路を挟んだ2枚のフィ
ルタの間隔を変更することによって、言い換えれば、各
色のフィルタを光路中に挿入する量を変化させることに
よって、該当する色成分の調整を行う。この調光フィル
タの調光によって、光源から出射した光を、白色光、青
色光、緑色光、赤色光などに調節して、以降の光学系に
入射させることができる。
【0051】ミラートンネル10は、上記の導光部6内
部に備えられており、内周面に光反射面が形成された筒
状のミラートンネル本体と、ミラートンネル本体におけ
る光入射側および光出射側の両開口部に設けられた拡散
板とから構成されている。ミラートンネルに入射した光
は、光入射側の拡散板によって拡散されてミラートンネ
ル本体の内部に進入する。そして、進入した光は、ミラ
ートンネル本体内部の光反射面によって反射・拡散を繰
り返し、光出射側の拡散板において再度拡散される。こ
のミラートンネルによって、光源が有する光源むらを除
去し、均一な光を以降の光学系に入射させることができ
る。
【0052】なお、導光部6には、ミラートンネル10
の他に、上記したように、コールドミラーが備えられて
いる。このコールドミラーは、図1においては示してい
ないが、BGR回転フィルタ9とミラートンネル10と
の間に設けられている。コールドミラーは、光源部8か
らの光のうち、赤外線成分の光を透過させ、それ以外の
成分の光を反射させる機能を有している。すなわち、コ
ールドミラーによって反射された光を焼き付け部1に入
射させることによって、以降の光学系の温度上昇を抑え
ることができる。したがって、BGR回転フィルタ9か
らミラートンネル10に到る光軸の方向は、実際には、
コールドミラーを介して折れ曲がっていることになる。
【0053】LCD11は、複数の画素がマトリクス状
に2次元配列された、透過型の液晶表示装置によって構
成されており、BGR回転フィルタにおいて選択されて
いる色成分の画像データを表示させるものである。な
お、このLCD11としては、TFT(Thin Film Trans
istor)などのアクティブ素子を備えたアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置でもよいし、STN方式などのパ
ッシブマトリクス型の液晶表示装置でもよい。このLC
D11は、上記の光学ユニット7の内部に備えられるこ
とになる。
【0054】ロッドレンズアレイ12は、複数のロッド
レンズを束ねて、光入射面と光出射面とを有する板状の
構成としたものである。ロッドレンズとしては、セルフ
ォック(登録商標)レンズなどがあげられる。セルフォ
ックレンズは、円柱形状からなる中実のレンズであり、
円柱の軸方向に垂直な断面において、中心部へいくほど
屈折率が大きくなっている構成のレンズである。このよ
うなセルフォックレンズの一方の端面から光が入射する
と、一定の周期をもって蛇行しながらセルフォックレン
ズ内を進み、もう一方の端面から出射する。このロッド
レンズアレイ12も、上記の光学ユニット7の内部に備
えられることになる。
【0055】上記のような構成のロッドレンズアレイ1
2において、光入射側の焦点距離上に位置する1点から
ロッドレンズアレイ12に入射した光は、光出射側の結
像面においても1点に集束するとともに、その位置も変
化しないことを特徴としている。すなわち、光入射側の
焦点距離上に位置する点とロッドレンズアレイ12を構
成する各ロッドレンズとの相対位置にかかわらず、光入
射側の焦点距離上に位置する点の位置と光出射側の結像
点の位置とが1対1で対応することになる。
【0056】バリフォーカルレンズ14は、通常の可変
焦点レンズであり、構成レンズの一部を光軸に沿って移
動させ、構成レンズの間隔を変えることによって、連続
して焦点距離を変化させることができるものである。な
お、このバリフォーカルレンズ14の代わりに、ズーム
レンズを用いることも可能である。すなわち、焦点距離
を変化させることが可能なレンズであればどのようなレ
ンズを用いても構わない。また、バリフォーカルレンズ
14には、図示はしていないが、絞りが設けられてお
り、この絞りを変化させることによって、印画紙15上
に焼き付けられる画像の鮮鋭度、あるいは中心近傍と周
縁部との光量差を調節することが可能となっている。
【0057】投影フィルム13は、LCD11に表示さ
れた画像が、ロッドレンズアレイ12を介して一旦投影
されるものであり、この投影フィルム13に投影された
画像が、バリフォーカルレンズ14を介して印画紙15
上に投影される。すなわち、例えば上記したように、ア
ナログプリンタにおいて、ANMユニットのみを光学ユ
ニット7と交換して装着することによってデジタルプリ
ンタを構成する場合には、ANMユニットにおけるネガ
フィルムの露光位置に、投影フィルム13が配置される
ように設計すればよい。すなわち、この投影フィルム1
3は、上記した光学ユニット7の内部に備えられること
になる。
【0058】図3は、投影フィルム13の断面構造、な
らびに、光の入射方向および出射方向の概略を示す説明
図である。該投影フィルム13は、光入射側フィルム1
3A、光出射側フィルム13B、およびマイクロレンズ
としての複数のビーズ13C…を備えている。光入射側
フィルム13Aおよび光出射側フィルム13Bは、透光
性を有する樹脂からなるフィルムであり、ビーズ13C
は、透光性を有する樹脂からなる微小球体である。複数
のビーズ13C…は、光入射側フィルム13Aと光出射
側フィルム13Bとの間に挟持された状態で、2次元配
置された構成となっている。ビーズ13Cとしては、そ
の直径が、0.1〜0.2mm程度のものが用いられ
る。
【0059】上記のような構成の投影フィルム13に対
して光が入射した場合、光入射側フィルム13Aを透過
してビーズ13C…に入射した光は、各ビーズ13Cに
よるレンズ効果によってあらゆる方向に拡散され、光出
射側フィルム13Bから出射される。すなわち、投影フ
ィルム13に対する入射光が特定の方向性を有していた
としても、投影フィルム13から出射される際には、拡
散光として出射されることになる。
【0060】図3に示すような構成の投影フィルム13
の具体例としては、住友スリーエム株式会社製の特殊フ
ィルム(型番XRVS120)などがある。また、図3
に示す構成とは多少異なるが、ほぼ同様の作用・効果を
奏するものとして、大日本印刷株式会社製のUCS(Ult
ra Contrast Screen) がある。なお、このUCSは、基
本的にはLCD/DLPプロジェクター用スクリーンと
して用いられるものである。
【0061】LCD11、ロッドレンズアレイ12、お
よび投影フィルム13の配置位置は、次のように設定さ
れる。まず、LCD11は、光軸方向において、ロッド
レンズアレイ12における光入射側の焦点距離上に、各
画素が位置するように配置される。また、投影フィルム
13は、光軸方向において、ロッドレンズアレイ12に
おける光出射側の焦点距離上に位置するように配置され
る。
【0062】ここで、ロッドレンズアレイ12を介さず
に、LCD11に接するように投影フィルム13を配置
した構成を仮定すると、この場合には、LCD11にお
ける各画素と、投影フィルム13の光入射面との間に、
LCD11の表面のガラスの厚さ分の間隔があくことに
なる。LCD11から出射される光は、基本的には拡散
光であるので、LCD11の各画素から出射した光は、
ガラスの厚さ分を透過する間にも、ある程度拡散するこ
とになる。よって、投影フィルム13に入射する画像光
は、ピントがぼけた画像光となる。すなわち、このよう
な構成では、ピントが合った状態の画像を印画紙15上
に焼き付けることが不可能となってしまう。
【0063】これに対して、図1に示す構成では、上記
のように、ロッドレンズアレイ12に対して、光入射側
の焦点距離上にLCD11の各画素を配置し、光出射側
の結像位置に投影フィルム13を配置しているので、投
影フィルム13には、完全にピントが合った状態の画像
を投影することが可能となる。
【0064】また、投影フィルム13は、上記のよう
に、入射光が特定の方向性を有していたとしても、出射
光が拡散光として出射される性質を有しているので、投
影フィルム13から出射される画像光は、視角特性が抑
制されたものとなっている。詳しく説明すると、LCD
11から出射される画像光には、前記したように、視角
特性が生じている。また、ロッドレンズアレイ12は、
入射光における入射方向が、出射光における出射方向に
影響を与えるものとなっている。したがって、ロッドレ
ンズアレイ12から投影フィルム13に照射される画像
光は、視角特性を有するものとなっている。しかしなが
ら、上記のような投影フィルム13を透過することによ
って、視角特性が抑制された画像光が、バリフォーカル
レンズ14を介して印画紙15上に照射されることにな
る。したがって、印画紙15に焼き付けられる画像は、
視角特性によるむらが生じていない、良質な画像とな
る。
【0065】なお、ロッドレンズアレイ12を構成する
各ロッドレンズは、開口角が特定の範囲内となっている
ので、被投影手段に投影する画像光における視角特性
は、若干弱まっていることになる。よって、例えば通常
の投影レンズを用いる場合よりも、ロッドレンズアレイ
12を用いる方が、感光材料上に焼き付けられる画像に
おける視角特性によるむらがより効果的に抑制されるこ
とになる。
【0066】また、図1に示す構成では、バリフォーカ
ルレンズ14として、従来、アナログプリンタにおいて
焼き付け部1の内部に設けられていたバリフォーカルレ
ンズをそのまま使用することが可能である。したがっ
て、上記したように、従来のアナログプリンタにおい
て、焼き付け部1からANMユニットを取り外し、内部
にLCD11、ロッドレンズアレイ12、および投影フ
ィルム13を備えた光学ユニット7を取り付けることに
よって、図1に示すような露光光学系を有するデジタル
プリンタを実現することができる。
【0067】なお、図1に示す構成においては、投影フ
ィルム13の光出射側の面から出射した画像光は、その
ままバリフォーカルレンズ14に入射するので、バリフ
ォーカルレンズ14の焦点距離を調節することによって
自由に焼き付け倍率を変化させることが可能である。
【0068】以上のような構成の露光光学系における焼
付動作は次のようになる。光源8から出射された光が、
BGR回転フィルタ9において、光路上に配置されてい
るフィルタを透過することによって、該当する色成分の
光に変換される。その後、ミラートンネル10を通過す
ることによって、その光量むらが除去され、LCD11
に入射する。LCD11では、対応する色成分の画像デ
ータに基づいて、各画素毎に光の透過状態が制御され
る。そして、LCD11を出射した画像光が、ロッドレ
ンズアレイ12を介して投影フィルム13に照射され
る。投影フィルム13に入射した画像光は、該投影フィ
ルム13内を透過する際に拡散光に変換され、視角特性
が除去される。そして、投影フィルム13を出射した画
像光は、バリフォーカルレンズ14を介して印画紙15
上に照射される。このような焼付動作を、各色成分毎に
順次行うことによって、印画紙15上にカラー画像が焼
き付けられることになる。
【0069】なお、上記した投影フィルム13として
は、入射した光を拡散させる方向が、基本的には全方向
となるものを用いている。しかしながら、拡散させる方
向が1方向となっている特殊フィルムを用いてもよい。
この場合、視角特性によって光量変化が生じる方向と、
特殊フィルムによって拡散される方向とが一致するよう
に、該特殊フィルムからなる投影フィルム13を配置す
ればよい。このような特殊フィルムを投影フィルム13
として用いれば、必要以上に光を拡散させることがなく
なるので、光の利用効率を高めることができる。このよ
うな、入射した光を決められた範囲に配光し、この範囲
以外には配光しない特性を有する特殊フィルムの具体例
としては、POC(Physical Optics Corporation )社
製のビーム整形ディフューザー(商品名LSD)などが
ある。
【0070】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図面に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、前記した実施の形態1で説明した構成と同様
の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説
明を省略する。
【0071】本実施形態に係る写真処理装置は、実施の
形態1において図2を参照しながら説明した構成とほぼ
同様の構成となっており、焼き付け部1、現像処理部
2、乾燥部3、光源部5、導光部6、および光学ユニッ
ト7を備えている。
【0072】また、本実施形態の写真処理装置は、実施
の形態1における写真処理装置と同様に、上記の光学ユ
ニット7が設けられている位置にANMユニットが装着
され、ネガフィルムに記録された画像を印画紙にプリン
トするアナログプリンタとして用いられる装置がベース
となっている。すなわち、本実施形態の写真処理装置
は、ANMユニットにおける、焼き付け部1を構成する
筐体との接続部分と互換性を有する接続部分を有する光
学ユニット7を備え、ANMユニットの代わりに、光学
ユニット7を焼き付け部1に対して装着することが可能
となっている。
【0073】よって、従来広く用いられているアナログ
プリンタにおいて、ANMユニットのみを光学ユニット
7と交換して装着することによって、後述するようなデ
ジタルプリンタとして用いることが可能となる。つま
り、光学ユニット7を新しく追加するだけで、アナログ
プリンタをデジタルプリンタとして使用することが可能
となるので、デジタルプリントを行うための設備投資を
最小限にすることが可能となる。また、従来用いている
アナログプリンタをそのまま利用することができるの
で、資源の有効利用および廃棄物の削減にも大きく貢献
することになる。
【0074】図4は、本実施形態の露光光学系の概略構
成を示す説明図である。この露光光学系は、実施の形態
1において図1を参照しながら説明した露光光学系と比
較して、投影フィルム13の代わりに、ホログラム(被
投影手段)16が設けられている点で異なっている。す
なわち、本実施形態の露光光学系は、光源8、BGR回
転フィルタ9、ミラートンネル10、LCD11、ロッ
ドレンズアレイ12、ホログラム16、およびバリフォ
ーカルレンズ14から構成されている。なお、図4にお
いては図示していないが、BGR回転フィルタ9とミラ
ートンネル10との間には、上記したコールドミラーな
どの構成が設けられている。光源8から印画紙15に到
る光軸上には、光源8側から順に、BGR回転フィルタ
9、ミラートンネル10、LCD11、ロッドレンズア
レイ12、ホログラム16、およびバリフォーカルレン
ズ14が配置されている。
【0075】光源8、BGR回転フィルタ9、ミラート
ンネル10、LCD11、ロッドレンズアレイ12、お
よびバリフォーカルレンズ14は、実施の形態1におい
て説明した構成とほぼ同様となっているので、ここでは
その説明を省略する。
【0076】ホログラム16は、LCD11に表示され
た画像が、ロッドレンズアレイ12を介して一旦投影さ
れるものであり、このホログラム16に投影された画像
が、バリフォーカルレンズ14を介して印画紙15上に
投影される。すなわち、例えば上記したように、アナロ
グプリンタにおいて、ANMユニットのみを光学ユニッ
ト7と交換して装着することによってデジタルプリンタ
を構成する場合には、ANMユニットにおけるネガフィ
ルムの露光位置に、ホログラム16が配置されるように
設計すればよい。すなわち、このホログラム16は、上
記した光学ユニット7の内部に備えられることになる。
【0077】ホログラム16は、透過型の回折格子によ
って構成されているものである。図5は、ホログラム1
6における格子の様子を模式的に示す説明図である。同
図に示すように、ホログラム16における格子は、互い
に垂直に交わる方向に設けられている。
【0078】一般的に、透過型の回折格子に光が入射す
ると、出射光が結像する結像面においては、入射した角
度と同じ方向の延長上に結像する0次の回折光と、入射
した角度から所定の角度だけずれた方向の延長上に結像
するn次(n=±1,±2,…)の回折光とに分光され
る。すなわち、回折格子に対して特定の方向で入射した
光は、複数のn次回折光として分光された状態で結像面
に照射されることになる。
【0079】したがって、上記のように、格子が互いに
垂直に交わる方向に設けられているホログラム16に対
して光が入射すると、格子のそれぞれの方向に対して分
光された状態で結像面に照射されることになる。すなわ
ち、結果的には、上記のようなホログラム16に対して
光が入射した場合、回折による干渉効果によってあらゆ
る方向に拡散された状態で、バリフォーカルレンズ14
を介して印画紙15上に投影されることになる。すなわ
ち、ホログラム16に対する入射光が特定の方向性を有
していたとしても、ホログラム16を出射し、印画紙1
5上に投影される際には、拡散光として投影されること
になる。
【0080】このように、上記のようなホログラム16
を透過することによって、LCD11が有する視角特性
が抑制された画像光が、バリフォーカルレンズ14を介
して印画紙15上に照射されることになる。したがっ
て、印画紙15に焼き付けられる画像は、視角特性によ
るむらが生じていない、良質な画像となる。
【0081】また、図4に示す構成では、図1に示す構
成と同様に、バリフォーカルレンズ14として、従来、
アナログプリンタにおいて焼き付け部1の内部に設けら
れていたバリフォーカルレンズをそのまま使用すること
が可能である。したがって、上記したように、従来のア
ナログプリンタにおいて、焼き付け部1からANMユニ
ットを取り外し、内部にLCD11、ロッドレンズアレ
イ12、およびホログラム16を備えた光学ユニット7
を取り付けることによって、図4に示すような露光光学
系を有するデジタルプリンタを実現することができる。
【0082】なお、図4に示す構成においては、ホログ
ラム16の光出射側の面から出射した画像光は、そのま
まバリフォーカルレンズ14に入射するので、バリフォ
ーカルレンズ14の焦点距離を調節することによって自
由に焼き付け倍率を変化させることが可能である。
【0083】以上のような構成の露光光学系における焼
付動作は次のようになる。光源8から出射された光が、
BGR回転フィルタ9において、光路上に配置されてい
るフィルタを透過することによって、該当する色成分の
光に変換される。その後、ミラートンネル10を通過す
ることによって、その光量むらが除去され、LCD11
に入射する。LCD11では、対応する色成分の画像デ
ータに基づいて、各画素毎に光の透過状態が制御され
る。そして、LCD11を出射した画像光が、ロッドレ
ンズアレイ12を介してホログラム16に照射される。
ホログラム16に入射した画像光は、回折による干渉効
果によって拡散光に変換され、視角特性が除去される。
そして、ホログラム16を出射した画像光は、バリフォ
ーカルレンズ14を介して印画紙15上に照射される。
このような焼付動作を、各色成分毎に順次行うことによ
って、印画紙15上にカラー画像が焼き付けられること
になる。
【0084】なお、上記したホログラム16としては、
格子が互いに垂直に交わる方向に設けられているものを
用いており、入射した光を拡散させる方向が、基本的に
は全方向となっている。しかしながら、格子が1方向に
設けられたホログラム16を用いてもよい。図6(a)
は、LCD11において生じている視角特性によるむら
の状態を示す説明図であり、同図(b)は、格子が1方
向に設けられたホログラム16を模式的に示す説明図で
ある。図6(a)および(b)に示すように、視角特性
によって光量変化が生じる方向と、ホログラム16によ
って拡散される方向とが一致するように、ホログラム1
6を配置すればよい。このように、格子が1方向に設け
られたホログラム16を用いれば、必要以上に光を拡散
させることがなくなるので、光の利用効率を高めること
ができる。
【0085】〔実施の形態3〕本発明の実施の他の形態
について図面に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、前記した各実施の形態で説明した構成と同様
の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その説
明を省略する。
【0086】本実施形態に係る写真処理装置は、実施の
形態1および2において図2を参照しながら説明した構
成とほぼ同様の構成となっており、焼き付け部1、現像
処理部2、乾燥部3、光源部5、導光部6、および光学
ユニット7を備えている。
【0087】また、本実施形態の写真処理装置は、実施
の形態1および2における写真処理装置と同様に、上記
の光学ユニット7が設けられている位置にANMユニッ
トが装着され、ネガフィルムに記録された画像を印画紙
にプリントするアナログプリンタとして用いられる装置
がベースとなっている。すなわち、本実施形態の写真処
理装置は、ANMユニットにおける、焼き付け部1を構
成する筐体との接続部分と互換性を有する接続部分を有
する光学ユニット7を備え、ANMユニットの代わり
に、光学ユニット7を焼き付け部1に対して装着するこ
とが可能となっている。
【0088】よって、従来広く用いられているアナログ
プリンタにおいて、ANMユニットのみを光学ユニット
7と交換して装着することによって、後述するようなデ
ジタルプリンタとして用いることが可能となる。つま
り、光学ユニット7を新しく追加するだけで、アナログ
プリンタをデジタルプリンタとして使用することが可能
となるので、デジタルプリントを行うための設備投資を
最小限にすることが可能となる。また、従来用いている
アナログプリンタをそのまま利用することができるの
で、資源の有効利用および廃棄物の削減にも大きく貢献
することになる。
【0089】図7は、本実施形態の露光光学系の概略構
成を示す説明図である。この露光光学系は、実施の形態
2において図4を参照しながら説明した露光光学系と比
較して、ロッドレンズアレイ12の代わりに、リレーレ
ンズ(投影レンズ)17が設けられている点で異なって
いる。すなわち、本実施形態の露光光学系は、光源8、
BGR回転フィルタ9、ミラートンネル10、LCD1
1、リレーレンズ17、ホログラム16、およびバリフ
ォーカルレンズ14から構成されている。なお、図7に
おいては図示していないが、BGR回転フィルタ9とミ
ラートンネル10との間には、上記したコールドミラー
などの構成が設けられている。光源8から印画紙15に
到る光軸上には、光源8側から順に、BGR回転フィル
タ9、ミラートンネル10、LCD11、リレーレンズ
17、ホログラム16、およびバリフォーカルレンズ1
4が配置されている。
【0090】光源8、BGR回転フィルタ9、ミラート
ンネル10、LCD11、ホログラム16、およびバリ
フォーカルレンズ14は、実施の形態1および2におい
て説明した構成とほぼ同様となっているので、ここでは
その説明を省略する。
【0091】リレーレンズ17は、LCD11に表示さ
れた画像をホログラム16上に投影するものであり、一
般的に投影レンズとして用いられているレンズから構成
されている。そして、LCD11からリレーレンズ17
を介してホログラム16に到る光軸の方向が、LCD1
1に入射する光の光軸の方向に対して傾くように、リレ
ーレンズ17が配置されている。
【0092】図8は、LCD11、リレーレンズ17、
およびホログラム16の配置関係を示す説明図である。
同図に示すように、LCD11に入射する光の光軸は、
LCD11を出射する際に、同図における上方に曲げら
れ、リレーレンズ17を介してホログラム16に到り、
ホログラム16を出射する際に、同図において水平方向
に曲げられ、バリフォーカルレンズ14に到っている。
【0093】また、LCD11の光入射面および光出射
面の法線方向と、ホログラム16の光入射面および光出
射面の法線方向とは、互いに平行となるように配置され
ている。すなわち、LCD11に入射する光の光軸と、
ホログラム16を出射し、バリフォーカルレンズ14に
到る光軸とは、互いに平行となっている。
【0094】図8に示すように、LCD11、リレーレ
ンズ17、およびホログラム16を配置した場合、LC
D11の上端近傍の点を出射した光は、LCD11の光
出射面に対してほぼ垂直に進路をとり、リレーレンズ1
7を介してホログラム16の下端近傍の点に到ることに
なる。また、LCD11の下端近傍の点を出射した光
は、LCD11の光出射面に対して上向きに進路をと
り、リレーレンズ17を介してホログラム16の上端近
傍の点に到ることになる。したがって、LCD11を出
射し、ホログラム16に到る光が、LCD11を出射す
る際の出射角度の範囲は、LCD11の光出射面に対し
てほぼ垂直な方向から上向きの方向の間となる。
【0095】これに対して、比較例として、LCD11
に入射する光の光軸の方向、およびホログラム16を出
射する光の光軸の方向と、LCD11からリレーレンズ
17を介してホログラム16に到る光軸の方向とが一致
している構成を想定すると、LCD11を出射し、ホロ
グラム16に到る光が、LCD11を出射する際の出射
角度の範囲は、LCD11の光出射面に対して下向きの
方向から上向きの方向の間となる。この比較例と、図8
に示す構成とを比較すると、LCD11およびホログラ
ム16の大きさ、およびリレーレンズ17の倍率が等し
いものであるとすると、図8に示す構成の方が、LCD
11を出射し、ホログラム16に到る光が、LCD11
を出射する際の出射角度の範囲が小さくなる。
【0096】すなわち、LCD11からリレーレンズ1
7を介してホログラム16に到る光軸の方向を傾ける方
向として、LCD11において視角特性による光量変化
が生じている方向に設定すれば、図8に示す構成の方
が、上記の比較例よりも、視角特性によるむらの程度が
小さい画像光をホログラム16に投影することが可能と
なる。したがって、ホログラム16からバリフォーカル
レンズ14を介して印画紙15に焼き付けられる画像
は、ホログラム16による拡散効果との相乗効果によ
り、視角特性によるむらがより抑制された、良質な画像
となる。
【0097】なお、LCD11からリレーレンズ17を
介してホログラム16に到る光軸の方向が、LCD11
に入射する光の光軸の方向に対して、より大きく傾くよ
うにLCD11、リレーレンズ17、およびホログラム
16を配置すれば、LCD11を出射し、ホログラム1
6に到る光が、LCD11を出射する際の出射角度の範
囲を、より小さくすることができる。しかしながら、あ
まり大きく傾けると、ホログラム16に投影される画像
に歪みが生じてくるので、リレーレンズ17の投影性能
に応じて、投影画像に歪みが生じない範囲で、LCD1
1からリレーレンズ17を介してホログラム16に到る
光軸の方向を傾けることが好ましい。
【0098】また、図7に示す構成では、図1および図
4に示す構成と同様に、バリフォーカルレンズ14とし
て、従来、アナログプリンタにおいて焼き付け部1の内
部に設けられていたバリフォーカルレンズをそのまま使
用することが可能である。したがって、上記したよう
に、従来のアナログプリンタにおいて、焼き付け部1か
らANMユニットを取り外し、内部にLCD11、リレ
ーレンズ17、およびホログラム16を備えた光学ユニ
ット7を取り付けることによって、図7に示すような露
光光学系を有するデジタルプリンタを実現することがで
きる。
【0099】なお、図7に示す構成においては、ホログ
ラム16の光出射側の面から出射した画像光は、そのま
まバリフォーカルレンズ14に入射するので、バリフォ
ーカルレンズ14の焦点距離を調節することによって自
由に焼き付け倍率を変化させることが可能である。
【0100】以上のような構成の露光光学系における焼
付動作は次のようになる。光源8から出射された光が、
BGR回転フィルタ9において、光路上に配置されてい
るフィルタを透過することによって、該当する色成分の
光に変換される。その後、ミラートンネル10を通過す
ることによって、その光量むらが除去され、LCD11
に入射する。LCD11では、対応する色成分の画像デ
ータに基づいて、各画素毎に光の透過状態が制御され
る。そして、LCD11を出射した画像光が、リレーレ
ンズ17を介してホログラム16に照射される。ホログ
ラム16に入射した画像光は、回折による干渉効果によ
って拡散光に変換され、視角特性が除去される。そし
て、ホログラム16を出射した画像光は、バリフォーカ
ルレンズ14を介して印画紙15上に照射される。この
ような焼付動作を、各色成分毎に順次行うことによっ
て、印画紙15上にカラー画像が焼き付けられることに
なる。
【0101】なお、上記したホログラム16としては、
格子が互いに垂直に交わる方向に設けられているものを
用いており、入射した光を拡散させる方向が、基本的に
は全方向となっている。しかしながら、実施の形態2と
同様に、格子が1方向に設けられたホログラム16を用
いてもよい。この場合、視角特性によって光量変化が生
じる方向と、ホログラム16によって拡散される方向と
が一致するように、ホログラム16を配置すればよい。
このように、格子が1方向に設けられたホログラム16
を用いれば、必要以上に光を拡散させることがなくなる
ので、光の利用効率を高めることができる。
【0102】また、上記では、被投影手段として、ホロ
グラム16を設けた構成を示したが、このホログラム1
6の代わりに、実施の形態1と同様に、投影フィルム1
3を設けた構成としてもよい。この投影フィルム13と
しては、実施の形態1で示したように、入射した光を拡
散させる方向が、基本的には全方向となるものを用いて
もよいし、拡散させる方向が1方向となっている特殊フ
ィルムを用いてもよい。拡散させる方向が1方向となっ
ている特殊フィルムを用いる場合、視角特性によって光
量変化が生じる方向と、特殊フィルムによって拡散され
る方向とが一致するように、該特殊フィルムからなる投
影フィルム13を配置すればよい。
【0103】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る画
像焼付装置は、感光材料に光を照射することによって画
像の焼付を行う画像焼付装置であって、光源と、画像情
報に応じて、上記光源からの光を各画素毎に変調させる
光変調手段と、上記光変調手段を出射した画像光が投影
される被投影手段とを備え、上記被投影手段に投影され
た画像光が上記感光材料上に投影されるとともに、上記
被投影手段が、入射光を拡散させて出射させる作用を有
している構成である。
【0104】これにより、光変調手段が視角特性を有し
ていても、被投影手段に一旦投影されることによって、
その視角依存性が抑制されることになり、感光材料上の
画像に視角特性によるむらが生じることを抑制すること
が可能となるという効果を奏する。
【0105】また、従来のアナログプリンタの焼き付け
部に対して、光変調手段および被投影手段などの構成を
取り付けることによって、デジタルプリンタとして使用
することが可能となるので、アナログ露光方式からデジ
タル露光方式に変更する際に必要となるコストを低く抑
えることができるという効果を奏する。
【0106】請求項2の発明に係る画像焼付装置は、上
記被投影手段が、複数のマイクロレンズを備えた投影フ
ィルムである構成である。
【0107】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、投影フィルムに対する入射光が特定の方向性を
有していたとしても、投影フィルムから出射される際に
は、拡散光として出射されることになるので、光変調手
段が視角特性を有していても、投影フィルムに一旦投影
されることによって、その視角依存性が抑制されること
になり、感光材料上の画像に視角特性によるむらが生じ
ることを効果的に抑制することが可能となるという効果
を奏する。
【0108】請求項3の発明に係る画像焼付装置は、上
記投影フィルムが、拡散させる方向が特定の範囲となっ
ている特殊フィルムからなる構成である。
【0109】これにより、請求項2の構成による効果に
加えて、光変調手段における視角特性によって光量変化
が生じる方向と、特殊フィルムによって拡散される方向
とが一致するように、該特殊フィルムを配置することに
よって、光変調手段が有する視角依存性の影響を抑制す
ることが可能となる。また、このような特殊フィルムを
用いれば、必要以上に光を拡散させることがなくなるの
で、光の利用効率を高めることができるという効果を奏
する。
【0110】請求項4の発明に係る画像焼付装置は、上
記被投影手段が、回折格子である構成である。
【0111】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、回折格子に対して光が入射すると、格子のそれ
ぞれの方向に対して分光された状態で結像面に照射され
ることになり、結果的には、上記のような回折格子に対
して光が入射した場合、回折による干渉効果によってあ
らゆる方向に拡散された状態で、感光材料上に投影され
ることになる。よって、回折格子に対する入射光が特定
の方向性を有していたとしても、回折格子を出射し、感
光材料上に投影される際には、拡散光として投影される
ことになる。
【0112】したがって、光変調素子が有する視角特性
が抑制された画像光が、感光材料上に照射されることに
なるので、感光材料に焼き付けられる画像は、視角特性
によるむらが生じていない、良質な画像となるという効
果を奏する。
【0113】請求項5の発明に係る画像焼付装置は、上
記回折格子の格子の方向が1方向に形成されている構成
である。
【0114】これにより、請求項4の構成による効果に
加えて、光変調手段における視角特性によって光量変化
が生じる方向と、回折格子における1方向に形成された
格子によって拡散される方向とが一致するように、回折
格子を配置することによって、光変調手段が有する視角
依存性の影響を抑制することが可能となる。また、格子
が1方向に設けられた回折格子を用いれば、必要以上に
光を拡散させることがなくなるので、光の利用効率を高
めることができるという効果を奏する。
【0115】請求項6の発明に係る画像焼付装置は、上
記光変調手段を出射した画像光を上記被投影手段に投影
する手段として、入射側の焦点距離上に存在する光を、
その相対位置を変化させずに、出射側の焦点距離上に配
置された感光材料上に投影するロッドレンズアレイを備
えている構成である。
【0116】これにより、請求項1ないし5のいずれか
の構成による効果に加えて、光入射側の焦点距離上に位
置する点とロッドレンズアレイを構成する各ロッドレン
ズとの相対位置にかかわらず、光入射側の焦点距離上に
位置する点の位置と光出射側の結像点の位置とが1対1
で対応することになるので、光変調手段を出射した画像
光を精度良く被投影手段に投影することが可能となると
いう効果を奏する。
【0117】また、ロッドレンズアレイを構成する各ロ
ッドレンズは、開口角が特定の範囲内となっているの
で、被投影手段に投影する画像光における視角特性を弱
めることが可能となる。よって、感光材料上に焼き付け
られる画像における視角特性によるむらをより効果的に
抑制することが可能となるという効果を奏する。
【0118】請求項7の発明に係る画像焼付装置は、上
記光変調手段を出射した画像光を上記被投影手段に投影
する手段として、投影レンズを備え、上記投影レンズ
が、上記光変調素子から該投影レンズを介して上記被投
影手段に到る光軸の方向が、上記光変調素子に入射する
光の光軸の方向に対して傾くように配置されている構成
である。
【0119】これにより、請求項1ないし5のいずれか
の構成による効果に加えて、光変調素子を出射し、被投
影手段に到る光が、光変調手段を出射する際の出射角度
の範囲が小さくなるので、光変調手段から投影レンズを
介して被投影手段に到る光軸の方向を傾ける方向とし
て、光変調手段において視角特性による光量変化が生じ
ている方向に設定すれば、視角特性によるむらの程度が
小さい画像光を被投影手段に投影することが可能とな
る。したがって、感光材料上に焼き付けられる画像は、
被投影手段による拡散効果との相乗効果により、視角特
性によるむらがより抑制された、良質な画像となるとい
う効果を奏する。
【0120】請求項8の発明に係る画像焼付装置は、上
記光変調手段が、液晶表示装置である構成である。
【0121】これにより、請求項1ないし7のいずれか
の構成による効果に加えて、技術的に完成度の高い液晶
表示装置によって、各画素における光の透過を変調さ
せ、光の出射を制御しているので、信頼度が高く、か
つ、画像情報を忠実に反映した画像光を感光材料上に照
射することができるという効果を奏する。
【0122】請求項9の発明に係る写真処理装置は、請
求項1ないし8のいずれかに記載の画像焼付装置と、上
記画像焼付装置によって焼き付けが行われた感光材料
を、現像処理液を用いることによって現像処理を行う現
像処理部と、上記現像処理部において現像処理がなされ
た感光材料を乾燥させる乾燥部とを備えた構成である。
【0123】これにより、感光材料に対する焼き付け処
理、現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して行う
ことができるので、使用者に操作上の負担をかけること
なしに、多量の写真を連続的にプリントすることができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真処理装置が備
える露光光学系の概略構成を示す斜視図である。
【図2】上記写真処理装置の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図3】上記露光光学系が備える投影フィルムの概略構
成を示す側面断面図である。
【図4】本発明の実施の他の形態に係る写真処理装置が
備える露光光学系の概略構成を示す斜視図である。
【図5】上記露光光学系が備えるホログラムの格子の様
子を模式的に示す説明図である。
【図6】同図(a)は、LCDにおいて生じている視角
特性によるむらの状態を示す説明図であり、同図(b)
は、格子が1方向に設けられたホログラムを模式的に示
す説明図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態に係る写真処理
装置が備える露光光学系の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図8】上記露光光学系において、LCD、リレーレン
ズ、およびホログラムの配置関係を示す説明図である。
【図9】同図(a)は、LCDを備えた従来の画像焼付
装置における露光部の概略構成を示す側面図であり、同
図(b)は、LCDおよび片側テレセントリックレンズ
を備えた従来の画像焼付装置における露光部の概略構成
を示す側面図である。
【図10】焼付画像における視角特性によるむらの状態
を示す説明図である。
【図11】同図(c)は、一般的なLCDにおける視角
特性を示す説明図であり、同図(b)は、同図(c)に
おける視角の方向と、LCD内の液晶分子の配向方向と
の関係を示す説明図であり、同図(a)は、同図(c)
および(b)における視角の方向を示す説明図である。
【符号の説明】
1 焼き付け部 2 現像処理部 3 乾燥部 4 ペーパーマガジン 5 光源部 6 導光部 7 光学ユニット 8 光源 9 BGR回転フィルタ 10 ミラートンネル 11 LCD(液晶表示装置) 12 ロッドレンズアレイ 13 投影フィルム 14 バリフォーカルレンズ 15 印画紙(感光材料) 16 ホログラム(回折格子) 17 リレーレンズ(投影レンズ)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光材料に光を照射することによって画像
    の焼付を行う画像焼付装置であって、 光源と、 画像情報に応じて、上記光源からの光を各画素毎に変調
    させる光変調手段と、 上記光変調手段を出射した画像光が投影される被投影手
    段とを備え、 上記被投影手段に投影された画像光が上記感光材料上に
    投影されるとともに、上記被投影手段が、入射光を拡散
    させて出射させる作用を有していることを特徴とする画
    像焼付装置。
  2. 【請求項2】上記被投影手段が、複数のマイクロレンズ
    を備えた投影フィルムであることを特徴とする請求項1
    記載の画像焼付装置。
  3. 【請求項3】上記投影フィルムが、拡散させる方向が特
    定の範囲となっている特殊フィルムからなることを特徴
    とする請求項2記載の画像焼付装置。
  4. 【請求項4】上記被投影手段が、回折格子であることを
    特徴とする請求項1記載の画像焼付装置。
  5. 【請求項5】上記回折格子の格子の方向が1方向に形成
    されていることを特徴とする請求項4記載の画像焼付装
    置。
  6. 【請求項6】上記光変調手段を出射した画像光を上記被
    投影手段に投影する手段として、入射側の焦点距離上に
    存在する光を、その相対位置を変化させずに、出射側の
    焦点距離上に配置された感光材料上に投影するロッドレ
    ンズアレイを備えていることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の画像焼付装置。
  7. 【請求項7】上記光変調手段を出射した画像光を上記被
    投影手段に投影する手段として、投影レンズを備え、上
    記投影レンズが、上記光変調素子から該投影レンズを介
    して上記被投影手段に到る光軸の方向が、上記光変調素
    子に入射する光の光軸の方向に対して傾くように配置さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の画像焼付装置。
  8. 【請求項8】上記光変調手段が、液晶表示装置であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画
    像焼付装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の画像
    焼付装置と、 上記画像焼付装置によって焼き付けが行われた感光材料
    を、現像処理液を用いることによって現像処理を行う現
    像処理部と、 上記現像処理部において現像処理がなされた感光材料を
    乾燥させる乾燥部とを備えたことを特徴とする写真処理
    装置。
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