JP2001200354A - 溶射方法及び溶射装置 - Google Patents

溶射方法及び溶射装置

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JP2001200354A JP2000009494A JP2000009494A JP2001200354A JP 2001200354 A JP2001200354 A JP 2001200354A JP 2000009494 A JP2000009494 A JP 2000009494A JP 2000009494 A JP2000009494 A JP 2000009494A JP 2001200354 A JP2001200354 A JP 2001200354A
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幸男 真鍋
Yasufumi Norimatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、溶射装置及び溶射方法に関し、溶
射粒子の酸化を防止するとともに、ヒュームの発生を極
力抑制して緻密な皮膜を形成できるようにする。 【解決手段】溶射トーチ9に、冷却機構12を有する空
気遮断用のチャンバ5を取り付けて溶射トーチ9先端か
ら基材1近傍までをチャンバ5で覆い、チャンバ5の径
をプラズマアーク3の径に対し1:3以上1:10以下
に設定し、補助ガス6をチャンバ5内に供給して、プラ
ズマアーク3を補助ガス6で保護するとともに、補助ガ
ス6の噴出口7を溶射トーチ9の先端より10mm以上
50mm以下の距離に設定し、補助ガス6をプラズマア
ーク3の中心軸に対し5〜30°の角度でプラズマ気流
に対し1〜3倍の流速で噴出させて溶射を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶射粒子の酸化を
防止し緻密な皮膜を形成する、溶射方法及び溶射装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、産業機械及び海洋構造物など
の大型構造物の機械部品や部材には耐食性を付与するた
め、金属溶射及びサーメット溶射が広く用いられてい
る。ここで、図8は従来の溶射方法による溶射皮膜を示
す模式的な断面図であるが、図示するように、一般にこ
れらの溶射皮膜2内の溶射粒子4間の未結合部には気孔
24が存在している。このような気孔24は、溶射時の
空気巻き込みにより溶射粒子4が酸化されて、溶射粒子
4の周りに酸化膜23が形成され、酸化膜23がそのま
ま皮膜2中に取り込まれて各溶射粒子4間の隙間が大き
くなって発生する。また、上記以外にも、粒子4の溶融
によって発生するヒュームが溶射粒子4に付着し皮膜2
中に取り込まれたり、皮膜2の表面に付着したヒューム
が積層する場合に皮膜2に取り込まれたりすることによ
り気孔24が生成される。
【0003】そして、このような気孔24が金属素材
(基材)1の表面に達すると開口気孔が形成され貫通欠
陥となる。そして、このような貫通欠陥が生じると、使
用環境中の腐食液等が浸透し、基材1が腐食して、皮膜
2の割れや皮膜2の剥離等の問題が生じる。なお、気孔
24が多いほど欠陥生成頻度も高くなる。ところで、例
えばプラズマ溶射はセラミックなどの高融点材料(他に
は例えばチタンカーバイド,タングステンカーバイド,
モリブデン及びタングステン)の溶射に適している。こ
れらの高融点材料を用いて、気孔24が少なく緻密で密
着力の高い溶射皮膜2を得るためには、溶射電流を増大
させアーク温度を上昇させることが必要不可欠となる。
【0004】しかしながら、電流を増加させるとアーク
温度は増加するが、逆に溶射粒子4は酸化されやすくな
る。また、電極保護のため作動ガス量を増加させる必要
があるが、この場合ガス膨張が起こり粒子4の飛行速度
が増加して、アーク中に粒子4の滞留する時間が短くな
り溶融が困難となる。このような溶射時の粒子4の酸化
防止方法として、例えば特開平1−25965号公報
(特願昭62−178982号)には、プラズマアーク
3をシールドガスカバー16で覆う技術が開示されてい
る(図6参照)。また、特開昭63−206459号公
報(特願昭62−39877号)には、図7に示すよう
な溶射装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のう
ち、特開平1−25965号公報の技術は、溶射方法を
アーク溶射方法に限定した技術であるが、図6からもわ
かるように、この技術では、シールドガスカバー16が
基材1と密着しているため、シールドガスカバー16内
にヒュームが充満し、ヒュームが溶射粒子4に付着し皮
膜中2に取り込まれ、気孔の生成原因となるという課題
がある。なお、図6において、2は溶射皮膜、3′,1
7はアーク(溶射炎)、4は溶射粒子、9は溶射トー
チ、18はワイヤである。
【0006】また、特開昭63−206459号公報の
技術は、プラズマ溶射方法に関し、溶射粒子4の高速化
を図るものである。この技術は、図7に示すように、プ
ラズマアーク3をシールドガスカバー16で覆うことで
減圧状態を模擬し、空気抵抗を小さくするとともに、温
度低下を防止しようとするものであるが、溶射粒子4の
溶融によって発生するヒュームを抑制するものではなか
った。なお、図7において、10は溶射粉末供給ポー
ト、11は溶射粉末である。
【0007】上述したように、耐食性を必要とする部材
では、皮膜中に気孔が存在するため金属溶射は困難であ
る。これに変わる方法として、溶射皮膜2の下地にメッ
キ処理を施して耐食性を確保する施工法があるが、メッ
キをすることにより施工コストが増大するという課題が
ある。これらの課題を解決するためには、メッキ層をな
くし金属溶射層のみにより耐食性を確保することが重要
であり、このため、溶射技術的には飛行中の溶射粒子が
大気中の酸素と結合するのを防止し、溶射粒子を十分溶
融させること、また、溶射粒子の溶融によって発生する
ヒュームを抑制することがポイントとなる。
【0008】本発明は、このような知見に基づいて創案
されたもので、溶射粒子の酸化を防止するとともに、ヒ
ュームの発生を極力抑制して緻密な皮膜を形成できるよ
うにした、溶射方法及びその装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の溶射方法は、プラズマアークにより溶射を行
なう溶射方法であって、溶射トーチに、冷却機構を有す
る空気遮断用のチャンバを取り付けて該溶射トーチ先端
から基材近傍までを該チャンバで覆い、該プラズマアー
クの径と該チャンバの径との比を1:3〜1:10に設
定し、酸化膜を形成しない補助ガスを該チャンバ内に供
給して、該プラズマアークを該補助ガスで保護するとと
もに、該補助ガスの噴出口を該溶射トーチ先端より10
mm以上50mm以下の距離に設定し、該補助ガスを該
プラズマアークの中心軸に対し5〜30°の角度でプラ
ズマ気流に対し1〜3倍の流速で噴出させることを特徴
としている。そして、チャンバ内を補助ガスで充満させ
てプラズマアークを補助ガスで保護することにより、溶
射中の雰囲気酸素濃度は1%以下に抑制でき溶射粒子の
酸化が抑制される。
【0010】また、請求項2記載の本発明の溶射方法
は、上記請求項1記載のものにおいて、該チャンバと該
基材との間の距離を2〜20mmに設定することを特徴
としている。これにより、チャンバ内に滞留したヒュー
ムを安定して放出させることができ、また、チャンバ内
のヒューム濃度を低減することで溶射皮膜の気孔率を低
減することができる。
【0011】また、請求項3記載の本発明の溶射方法
は、上記請求項1又は2記載のものにおいて、溶射時の
作動ガスとしてAr+H2 を用いるとともに、該作動ガ
スの水素添加量を10〜50%に設定することを特徴と
している。そして、このように設定することにより、水
素ガスの還元作用を利用して溶射粒子の酸化防止を図る
ことができるとともに、解離熱による入熱増加で溶射粒
子の溶融効率の向上を図ることができる。
【0012】また、請求項4記載の本発明の溶射方法
は、上記請求項1又は2記載のものにおいて、溶射時に
用いられる溶射粒径を30〜150μmとすることを特
徴としている。そして、このように溶射粒径を規定する
ことにより、ヒュームの発生が抑制される。また、請求
項5記載の本発明の溶射方法は、上記請求項1又は2記
載のものにおいて、該プラズマアーク近傍に、該基材に
付着したヒュームを除去するためのブラシ及びエアジェ
ットを設け、該ヒュームの強制除去を行なうことを特徴
としている。そして、このようなヒュームの強制除去に
より、やはりチャンバ内のヒューム濃度を低減すること
ができ、溶射皮膜の気孔率を低減することができる。
【0013】また、請求項6記載の本発明の溶射方法
は、任意の溶射方法において、溶射時の作動ガスとして
Ar+H2 を用いるとともに、該作動ガスの水素添加量
を10〜50%に設定することを特徴としている。そし
て、この場合にも水素ガスの還元作用を利用して溶射粒
子の酸化防止と、解離熱による入熱増加で溶射粒子の溶
融効率の向上とを図ることができる。
【0014】また、請求項7記載の本発明の溶射方法
は、任意の溶射方法において、溶射時に用いられる溶射
粒子の径を30〜150μmとし、溶射炎近傍に、基材
に付着したヒュームを除去するためのブラシ及びエアジ
ェットを設け、該ヒュームの発生抑制と該基材に付着し
たヒュームの強制除去とを行なうことを特徴としてい
る。そして、このようなヒュームの強制除去により、や
はりチャンバ内のヒューム濃度を低減することができ、
溶射皮膜の気孔率を低減することができる。
【0015】また、請求項8記載の本発明の溶射装置
は、プラズマアークにより溶射を行なう溶射装置であっ
て、溶射トーチに、冷却機構を有するとともに該溶射ト
ーチ先端から基材近傍までを覆う空気遮断用のチャンバ
が取り付けられ、該プラズマアークの径と該チャンバの
径との比が1:3〜1:10に設定され、該チャンバ内
に供給される補助ガスの噴出口が該溶射トーチ先端より
10mm以上50mm以下の距離に設定されるととも
に、該補助ガスが該プラズマアークの中心軸に対し5〜
30°の角度でプラズマ気流に対し1〜3倍の流速で噴
出するように構成され、且つ、該チャンバと該基材との
間の距離が、2〜20mmに設定されていることを特徴
としている。
【0016】また、請求項9記載の本発明の溶射装置
は、上記請求項8記載のものにおいて、溶射時の作動ガ
スとしてAr+H2 が用いられ、該作動ガスの水素添加
量が10〜50%に設定されていることを特徴としてい
る。また、請求項10記載の本発明の溶射装置は、上記
請求項8記載のものにおいて、溶射時に用いられる溶射
粒子の径が30〜150μmであることを特徴としてい
る。
【0017】また、請求項11記載の本発明の溶射装置
は、上記請求項8記載の該プラズマアーク近傍に、該基
材に付着したヒュームを除去するためのブラシ及びエア
ジェットが設けられていることを特徴とする、請求項8
記載の溶射装置。また、請求項12記載の本発明の溶射
装置は、任意の溶射装置において、作動ガスとしてAr
+H2 が用いられ、該作動ガスの水素添加量が10〜5
0%に設定されていることを特徴としている。
【0018】また、請求項13記載の本発明の溶射装置
は、任意の溶射装置において、溶射粒子の径が30〜1
50μmに設定され、溶射炎近傍にブラシ及びエアジェ
ットが配設されていることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の第1実
施形態にかかる溶射方法について説明すると、図1は本
溶射方法に用いるプラズマ溶射装置の要部構成を示す模
式的な断面図、図2は本溶射方法に用いるプラズマ溶射
装置の全体構成を示す模式図、図3は本溶射方法により
形成された溶射皮膜の模式的な断面図である。
【0020】本第1実施形態にかかる溶射方法は、プラ
ズマアークにより溶射を行なうプラズマ溶射方法であっ
て、その溶射装置は、図2に示すように、主に、大気圧
プラズマ溶射電源19,溶射制御装置20,溶射用ロボ
ット21,溶射トーチ9,小型チャンバ5及び溶射粉末
供給装置22等をそなえて構成されている。そして、溶
射トーチ9に取り付けられた小型チャンバ5により溶射
時に発生した溶射炎(プラズマアーク又は単にアークと
いう)3を空気から遮断するとともに、溶射粉末供給装
置22から溶射粉末11(図1参照)を供給し、溶射を
行なうようになっている。また、各種の溶射条件は制御
装置20で調整され、ロボット21で施工されるように
なっている。
【0021】また、図1に示すように、小型チャンバ5
には、冷却機構として機能する冷却通路12が形成され
ている。この冷却通路12は溶射時の高温度の熱による
加熱を防止するものであって、要求される冷却能力によ
り所定の形状に形成されている。また、小型チャンバ5
内には、補助ガスだまり8及び補助ガス噴出口7が形成
され、この補助ガスだまり8及び補助ガス噴出口7を介
して補助ガス6が小型チャンバ5内に噴出するようにな
っている。また、粉末供給ポート10は、溶射粉末供給
装置22を構成するものであって、この粉末供給ポート
10から溶射粉末11(溶射粒子4の集合)が供給され
るようになっている。
【0022】次に、上記溶射装置の細部について説明す
ると、小型チャンバ5のチャンバ径は、プラズマアーク
3の径に対し1:3以上1:10以下となるように設定
されている。また、補助ガス噴出口7は溶射トーチ9の
先端よりも後方(図1中、左側)に設けられるととも
に、補助ガス噴出口7と溶射トーチ9の先端との間の距
離は、10mm以上50mm以下に設定されている。
【0023】また、補助ガス噴出口7は、溶射トーチ9
の中心軸線(図示省略)に対して傾いて形成され、補助
ガス(Ar又は窒素ガス)6が上記中心軸線(すなわ
ち、プラズマ中心軸)に対して5〜30゜の角度で噴出
口7から噴出するように設定されている。さらに、この
補助ガス噴出口7からは、プラズマ気流に対して1〜3
倍の流速で補助ガス6が噴流(噴出)するようになって
いる。
【0024】そして、このような構成により、溶射時に
は、チャンバ内5を酸化膜を形成しない補助ガス6で充
満させ,プラズマアーク3を補助ガス6で保護するよう
になっているのである。次に、上記溶射装置の緒元や溶
射条件等を種々に変更して行なった実験例について説明
する。
【0025】本実験例では、銅製の小型チャンバ5を用
い、小型チャンバ5の内径を100〜200mmとし
た。また、基本的な溶射条件は、溶射電流500〜80
0A、トラバース速度10〜30m/min、溶射距離
50〜100mmとし、CoNiCrAlY合金粉末1
1を膜厚200〜400μmで溶射した。また、基材1
は、100×150mm、厚さ15mmのSS-400
材をアルミナ#24グリットを用いてブラスト処理した
ものを使用した。溶射後は断面ミクロ組織観察で皮膜2
の気孔率及び粒子の酸化度を調査した。
【0026】小型チャンバ5内に充満させる補助ガス6
として窒素ガスを用い、補助ガス6を200〜500l
/min供給しながら、プラズマアーク3の中心軸に対
し噴流角度(噴出角度)0〜45゜で噴出させた。ま
た、チャンバ径は40,60,100,140及び16
0mmのものを用いた。また、補助ガス6の噴出口7
は、溶射トーチ9の先端よりも後側(図1中左側)であ
って、補助ガス噴出口7と溶射トーチ9先端との距離を
5mm以上70mm以下に設定した。また、小型チャン
バ5と基材1との間の距離を1〜30mm、補助ガス6
の吹出し流速(噴出速度)を5〜40m/sに設定して
実験を行なった。
【0027】そして、この実験により、補助ガス6とし
ての窒素ガスを200〜500l/min供給すること
で、溶射粒子4の酸化が防止でき、図3に示すように、
粒子密着性の高い皮膜2が得られることを確認した。な
お、チャンバ径とアーク径との間には相関関係があり、
アーク径とチャンバ径との比が1:3(この場合はアー
ク径約20mm、チャンバ径60mm)以上、すなわ
ち、アーク径/チャンバ径が1/3以上では、チャンバ
5内面に溶射粒子4が付着し、この粒子4が再溶融され
て基材1に飛行するスピッティング現象が生じ、気孔生
成の大きな問題点となることが判明した。また、アーク
径とチャンバ径との比が1:10以下、すなわち、アー
ク径/チャンバ径が1/10以下では、窒素ガス(補助
ガス)6を500l/min供給しても、チャンバ内5
の容積が大きいため酸素濃度は低減できず良好な皮膜2
が得られなかった。
【0028】また、補助ガス噴出口7を溶射トーチ9の
先端より10mm以下の距離に設定した場合では、溶射
中に溶射トーチ9の先端に微小な溶射粒子4が堆積し、
これも上述と同様に、粒子4が再溶融され基材1に飛行
するスピッティング現象が生じ気孔生成の大きな問題点
となることが判明した。また、50mm以上の距離では
アーク3近傍に到達するまでに補助ガス6の吹出流速が
減速し、小型チャンバ5内に滞留したヒュームを安定し
て小型チャンバ5外に放出させる効果が得られなかっ
た。
【0029】また、補助ガス6をプラズマアーク3の中
心軸に対し噴流角度5〜30゜で噴出させると、小型チ
ャンバ5内に滞留したヒュームを安定に小型チャンバ5
外に放出させることができ、図3に示すように、小型チ
ャンバ5内のヒューム濃度が低減でき溶射皮膜2の気孔
率を低減させることができた。なお、補助ガス6の噴出
角度が5゜以下になると、小型チャンバ5内に滞留した
ヒュームを安定して小型チャンバ5外に放出させること
が困難となり、また、補助ガス6の噴出角度が30゜以
上では、プラズマアーク3が不安定になることが実験で
確認された。
【0030】本溶射法の場合、プラズマアーク3の発生
によるプラズマ気流の流速は約10m/sであることが
流体力学的に解析済みであるが、補助ガス6の吹出し流
速が10m/s以下では、プラズマ気流の流速が大きい
ため、チャンバ5内で補助ガス6が乱流状態になり、チ
ャンバ5内に滞留したヒュームが溶射粒子4に付着し皮
膜中2に取り込まれてしまう。また、補助ガス6の吹出
し流速が30m/s以上では、逆に補助ガス6の吹出し
流速が大き過ぎてチャンバ5内で補助ガス6が乱流状態
になり、上述と同様の問題点が生じる。これに対して、
補助ガス6の吹出し流速をプラズマ気流と同等レベル
(プラズマ気流に対し1〜3倍の流速)に設定すること
により、小型チャンバ5内のヒューム濃度を低減でき、
溶射皮膜2の気孔率を低減することができた。
【0031】また、小型チャンバ5と基材1との間の距
離を2〜20mm離隔することで、上述と同様に小型チ
ャンバ5内に滞留したヒュームを安定して小型チャンバ
5外に放出させる効果があるほか、小型チャンバ5内の
ヒューム濃度を低減でき溶射皮膜2の気孔率を低減する
ことができた。なお、小型チャンバ5と基材1との間の
距離が2mm以下では、小型チャンバ内5にヒュームが
充満し、ヒュームが溶射粒子4に付着し皮膜中2に取り
込まれ、気孔生成原因となる。また、小型チャンバ5と
基材1との間の距離が20mm以上では、チャンバ5内
の酸素濃度を低減できず良好な皮膜2が得られなかっ
た。流体力学的には補助ガス6流量が300l/min
の場合、小型チャンバ5と基材1との間の距離が2mm
では小型チャンバ5と基材1の隙間から吹出すガス流速
は30m/s、小型チャンバ5と基材間距離が20mm
では小型チャンバ5と基材1との隙間から吹出すガス流
速は10m/sとなる。つまり、上述のプラズマ気流と
同等レベルの流速になるように、小型チャンバ5と基材
1との距離を設定することで、チャンバ5内に滞留した
ヒュームを安定して放出することができ、ヒュームが溶
射粒子4に付着し皮膜中2に取り込まれることなく、良
好な皮膜2が得られた。
【0032】以上の実験結果により、本発明の第1実施
形態にかかる溶射方法では、チャンバ径をアーク径に対
し1:3以上1:10以下とし、補助ガス噴出口7を溶
射トーチ9の先端より10mm以上50mm以下で溶射
トーチ9の後側の位置に設定し、補助ガス6をプラズマ
中心軸に対し5〜30゜の角度でプラズマ気流に対し1
〜3倍の流速で噴流させ、チャンバ5内を補助ガス6の
酸化膜を形成しないガスで充満するチャンバ構造とし、
プラズマアーク3を補助ガス6で保護することにより、
溶射中の雰囲気酸素濃度を1%以下に抑えることがで
き、粒子酸化度を通常の大気プラズマ溶射の場合の6〜
8%に対し、1〜2%に抑制することができる。また、
気孔率は5〜6%に対し2〜3%に抑制することがで
き、密着力は200kg/cm2 に対し300kg/c
2 に高めることができるのである。また、小型チャン
バ5と基材1との間の距離を2〜20mm離隔すること
で、小型チャンバ5内に滞留したヒュームを確実に小型
チャンバ5外に放出でき、チャンバ5内のヒューム濃度
を低減して溶射皮膜2の気孔率を低減することができ
る。
【0033】次に、本発明の第2実施形態にかかる溶射
方法について説明すると、この第2実施形態では、上記
第1実施形態の溶射方法に対して、作動ガス13として
Ar+H2 を用いる点が異なっており、これ以外は上記
第1実施形態と同様である。ここで、一般的な作動ガス
は水素添加量が5〜10%であるのに対し、本溶射方法
に用いられる作動ガス13は水素添加量が10〜50%
に設定されている。
【0034】以下、本発明の第2実施形態にかかる溶射
方法を用いた実験例について簡単に説明すると、本実験
では、上記第1実施形態で説明したものと同じ小型チャ
ンバ5を用いるとともに、作動ガス13としてAr+4
0%H2 (水素添加量40%のアルゴンガス)を50l
/min使用し、小型チャンバ5に充満させる補助ガス
6及びこの補助ガス6の噴出角度は上記第1実施形態と
同一とした。
【0035】そして、この実験の結果、水素ガスの還元
作用により粒子4の酸化防止を図ることができ、また、
解離熱による入熱増加で粒子4の溶融効率を増加でき粒
子密着性の高い皮膜2を得ることができた(図3参
照)。なお、作動ガス13を50l/min使用した場
合、水素混入濃度10%以下では上記効果が認められ
ず、水素混入濃度50%以上ではプラズマアーク3が不
安定になることが実験で確認できた。
【0036】また、粒子酸化度を通常の大気プラズマの
場合6〜8%に対し、0.5〜1%に半減することがで
きた。また、気孔率は5〜6%に対し1〜2%に半減す
ることができ、密着力は200kg/cm2 に対し350k
g/cm2にできた。なお、第1実施形態で用いた小型チ
ャンバ5を適用しなくても、水素ガスの還元作用利用に
よる粒子4の酸化防止効果と、解離熱による入熱増加で
粒子4の溶融効率が増加する効果とが認められ、粒子密
着性の高い皮膜2を得ることができる。
【0037】以上のように、本発明の第2実施形態にか
かる溶射方法では、水素添加量の多い作動ガス13を用
いて水素ガスの還元作用を利用することにより、溶射粒
子4の酸化を防止でき、また、解離熱による入熱増加に
より溶射粒子4の溶融効率を増加させることができる。
また、粒子酸化度を0.5〜1%に低減できるととも
に、気孔率を1〜2%に低減でき、さたには、溶射粒子
4の密着力が大きく向上する利点がある。
【0038】なお、本発明の第2実施形態にかかる溶射
方法は、プラズマ溶射方法にのみ適用されるものではな
く、例えばアーク溶射方法や高速ガス炎溶射方法にも適
用可能である。次に、本発明の第3実施形態にかかる溶
射方法について説明すると、図4(a), (b)はとも
に基材に付着したヒュームの除去手法を説明するための
図、図5(a), (b)はその変形例を示す図である。
【0039】さて、この第3実施形態では、溶射粒子4
の径が30〜150μmに規定されている。また、本溶
射方法が適用される溶射装置には、図4(a),(b)
に示すように、プラズマアーク3の近傍(小型チャンバ
5の外周側)に、基材1に付着したヒュームを除去する
ためのブラシ14及びエアジェット15が設けられてい
る。これらのヒューム除去用のブラシ14及びエアジェ
ット15は、溶射線方向(図中の矢印参照)に対し前後
方向に配設されている。また、エアジェット15のエア
圧力は4kgf/mm2 に設定されている。そして、こ
れ以外は、上記第1実施形態の溶射方法と同様に構成さ
れている。なお、ブラシ14及びエアジェット15を、
図5(a),(b)に示すように配設してもよい。
【0040】以下、本発明の第3実施形態にかかる溶射
方法を用いた実験例について説明すると、この実験例で
は、上記第1実施形態で説明したものと同じ小型チャン
バ5を用いるとともに、溶射粒子4は市販のものを用い
30μm以下の粒子を除去して用いた。また、小型チャ
ンバ5に充満させる補助ガス6及びこの補助ガス6の噴
出角度は上記第1実施形態の実験例と同一とした。
【0041】そして、この実験の結果、ブラシ14及び
エアジェット15によりヒューム発生の抑制と付着ヒュ
ームの強制除去を行なうことで、小型チャンバ5内のヒ
ューム濃度を低減することができ、溶射皮膜2の気孔率
を低減することができた。そして、粒子4の溶融によっ
て発生するヒュームの抑制と付着ヒュームの強制除去と
により、気孔率の小さい皮膜2を得ることができた(図
3参照)。
【0042】なお、粒子径30μm以下の溶融粒子4を
混入すると小型チャンバ5内に発生するヒュームが増大
し、粒子径150μm以上の粒子4を混入すると溶射皮
膜2中に未溶融粒子が存在し、気孔率が増大することが
実験で確認できた。また、エアジェット15を小型チャ
ンバ5に密着させた場合、溶射皮膜2に吹き付けられた
エアが小型チャンバ5に混入し、酸素濃度が増大して良
好な皮膜2が得られなかった。また、ブラシ14のみで
は皮膜2の表面に付着したヒュームは完全に除去できず
に良好な皮膜2が得られなかった。これに対して、ブラ
シ14をチャンバ5側に配設し、また、このブラシ14
にエアジェット15を隣接して設けることにより、チャ
ンバ5内の酸素濃度の上昇を抑制でき、皮膜2の表面上
に付着したヒュームを効率良く除去することができた。
【0043】そして、この実験では、気孔率を通常の大
気プラズマの場合5〜6%に対し、0.5〜1%に半減
することができた。なお、第1実施形態で用いた小型チ
ャンバ5を適用しなくても、粒子4の溶融によって発生
するヒュームを抑制でき、また付着ヒュームの強制除去
による気孔率の減少が認められ、粒子密着性の高い皮膜
2を得ることができる。
【0044】以上のように、本発明の第3実施形態にか
かる溶射方法では、ブラシ14をチャンバ5側に配置
し、その隣にエアジェット15を配置することで、チャ
ンバ5内の酸素濃度の増加を防止して皮膜2の表面に付
着したヒュームを効率良く除去することができる利点が
ある〔図4(a),(b)及び図5(a),(b)参照〕。ま
た、粒子径30〜150μmの溶融粒子4を用いること
により、チャンバ5内でのヒュームの発生を抑制でき、
気孔率を低減することができる利点がある。
【0045】なお、本発明の第3実施形態にかかる溶射
方法は、プラズマ溶射方法にのみ適用されるものではな
く、例えばアーク溶射方法や高速ガス炎溶射方法に適用
しても良い。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の溶射方法によれば、プラズマアークにより溶射を
行なう溶射方法であって、溶射トーチに冷却機構を有す
る空気遮断用のチャンバを取り付けて該溶射トーチ先端
から基材近傍までを該チャンバで覆い、該プラズマアー
クの径と該チャンバの径との比を1:3〜1:10に設
定し、酸化膜を形成しない補助ガスを該チャンバ内に供
給するとともに、該補助ガスの噴出口を該溶射トーチ先
端より10mm以上50mm以下の距離に設定し、該補
助ガスを該プラズマアークの中心軸に対し5〜30゜の
角度でプラズママ気流に対し1〜3倍の流速で噴出させ
ることにより、チャンバ内を補助ガスで充満させてプラ
ズマアークを補助ガスで保護することができ、溶射中の
雰囲気酸素濃度を抑制して、溶射粒子の酸化を抑制する
ことができるという利点がある。また、これにより気孔
率を低減することができるとともに溶射皮膜の密着力を
高めることができる利点がある。
【0047】また、請求項2記載の本発明の溶射方法に
よれば、上記請求項1記載のものにおいて、該チャンバ
と該基材との間の距離を2〜20mmに設定することに
より、チャンバ内に滞留したヒュームを安定して放出さ
せることができ、チャンバ内のヒューム濃度を低減する
ことで溶射皮膜の気孔率を大幅に低減することができる
利点がある。
【0048】また、請求項3記載の本発明の溶射方法に
よれば、上記請求項1又は2記載のものにおいて、溶射
時の作動ガスとしてAr+H2 を用いるとともに、該作
動ガスの水素添加量を10〜50%に設定することによ
り、水素ガスの還元作用を利用して溶射粒子の酸化防止
を図ることができるとともに、解離熱による入熱増加に
より溶射粒子の溶融効率の向上を図ることができ、粒子
間の密着性の高い皮膜を形成することができるという利
点がある。
【0049】また、請求項4記載の本発明の溶射方法に
よれば、上記請求項1又は2記載のものにおいて、溶射
時に用いられる溶射粒径を30〜150μmとすること
によりにより、ヒュームの発生を抑制することができる
という利点がある。また、請求項5記載の本発明の溶射
方法によれば、上記請求項1又は2記載のものにおい
て、該プラズマアーク近傍に、該基材に付着したヒュー
ムを除去するためのブラシ及びエアジェットを設け、該
ヒュームの強制除去を行なうことにより、チャンバ内の
ヒューム濃度を低減することができ、溶射皮膜の気孔率
を低減することができるという利点がある。
【0050】また、請求項6記載の本発明の溶射方法に
よれば、任意の溶射方法において、溶射時の作動ガスと
してAr+H2 を用いるとともに、該作動ガスの水素添
加量を10〜50%に設定することにより、水素ガスの
還元作用を利用して溶射粒子の酸化防止を図ることがで
きる利点があるほか、解離熱による入熱増加により溶射
粒子の溶融効率の向上を図ることができる利点がある。
【0051】また、請求項7記載の本発明の溶射方法に
よれば、任意の溶射方法において、溶射時に用いられる
溶射粒子の径を30〜150μmとし、溶射炎近傍に、
基材に付着したヒュームを除去するためのブラシ及びエ
アジェットを設け、該ヒュームの発生抑制と該基材に付
着したヒュームの強制除去とを行なうことにより、チャ
ンバ内のヒューム濃度を低減するこができ、溶射皮膜の
気孔率を低減することができる。
【0052】また、請求項8記載の本発明の溶射装置に
よれば、プラズマアークにより溶射を行なう溶射装置で
あって、溶射トーチに冷却機構を有する空気遮断用のチ
ャンバが取り付けられるとともに、該溶射トーチ先端か
ら基材近傍までが該チャンバで覆われ、該プラズマアー
クの径と該チャンバの径との比が1:3〜1:10に設
定され、該チャンバ内に供給される補助ガスの噴出口が
該溶射トーチ先端より10mm以上50mm以下の距離
に設定され、該補助ガスが該プラズマアークの中心軸に
対し5〜30゜の角度でプラズマ気流に対し1〜3倍の
流速で噴出するように構成され、且つ、該チャンバと基
材との間の距離が、2〜20mmに設定されるという構
成により、チャンバ内を補助ガスで充満させてプラズマ
アークを補助ガスで保護することができ、溶射中の雰囲
気酸素濃度を抑制して、溶射粒子の酸化を抑制すること
ができるという利点がある。また、チャンバと基材との
間の距離が2〜20mmに設定されることにより、チャ
ンバ内に滞留したヒュームを安定して放出させて、チャ
ンバ内のヒューム濃度を低減することができ、これによ
り溶射皮膜の気孔率を大幅に低減して、溶射皮膜の密着
力を高めることができる利点がある。
【0053】また、請求項9記載の本発明の溶射装置に
よれば、上記請求項8記載のものにおいて、溶射時の作
動ガスとしてAr+H2 が用いられ、該作動ガスの水素
添加量が10〜50%に設定されるという構成により、
水素ガスの還元作用を利用して溶射粒子の酸化防止を図
ることができるとともに、解離熱による入熱増加により
溶射粒子の溶融効率の向上を図ることができ、これによ
り粒子間の密着性の高い皮膜を形成することができると
いう利点がある。
【0054】また、請求項10記載の本発明の溶射装置
によれば、上記請求項8記載のものにおいて、溶射時に
用いられる溶射粒子の径が30〜150μmであるとい
う構成により、ヒュームの発生を抑制することができる
という利点がある。また、請求項11記載の本発明の溶
射装置によれば、上記請求項8記載の該プラズマアーク
近傍に、該基材に付着したヒュームを除去するためのブ
ラシ及びエアジェットが設けられるという構成により、
ヒュームを強制的に除去することができ、チャンバ内の
ヒューム濃度を低減することができる利点がある。ま
た、これにより溶射皮膜の気孔率を低減することができ
るという利点がある。
【0055】また、請求項12記載の本発明の溶射装置
によれば、任意の溶射装置において、作動ガスとしてA
r+H2 が用いられ、該作動ガスの水素添加量が10〜
50%に設定されるという構成により、水素ガスの還元
作用を利用して溶射粒子の酸化防止を図ることができる
利点があるほか、解離熱による入熱増加により溶射粒子
の溶融効率の向上を図ることができる利点がある。
【0056】また、請求項13記載の本発明の溶射装置
によれば、任意の溶射装置において、溶射粒子の径が3
0〜150μmに設定され、溶射炎近傍にブラシ及びエ
アジェットが配設されるという構成により、ヒュームの
発生を抑制しながら基材に付着したヒュームの強制除去
を行なうことができ、チャンバ内のヒューム濃度を低減
して、溶射皮膜の気孔率を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる溶射方法に用い
るプラズマ溶射装置の要部構成を示す模式的な断面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる溶射方法に用い
るプラズマ溶射装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の各実施形態にかかる溶射方法により形
成された溶射皮膜を示す模式的な断面図である。
【図4】(a), (b)はともに本発明の第3実施形態
にかかる溶射方法について説明するための図であって、
基材に付着したヒュームの除去手法を説明するための図
である。
【図5】(a), (b)はともに本発明の第3実施形態
にかかる溶射方法の変形例を示す図である。
【図6】従来の溶射装置により形成された溶射皮膜を示
す模式的な断面図である。
【図7】従来の溶射装置を示す模式図である。
【図8】従来の溶射装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基材 2 溶射皮膜 3 プラズマアーク(溶射炎) 4 溶射粒子 5 小型チャンバ 6 補助ガス 7 補助ガス噴出口 8 補助ガス溜り 9 溶射トーチ 10 粉末供給ポート 11 溶射粉末 12 冷却機構(冷却通路) 13 作動ガス 14 ブラシ 15 エアジェット 16 シールドガスカバー 17 アーク 18 ワイヤ 19 溶射電源 20 溶射制御装置 21 溶射用ロボット 22 粉末供給装置 23 酸化膜 24 気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真鍋 幸男 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 則松 康文 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 榊原 紀幸 長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 Fターム(参考) 4K031 BA04 CB16 CB38 DA04 EA01 EA02 EA07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマアークにより溶射を行なう溶射
    方法であって、溶射トーチに、冷却機構を有する空気遮
    断用のチャンバを取り付けて該溶射トーチ先端から基材
    近傍までを該チャンバで覆い、該プラズマアークの径と
    該チャンバの径との比を1:3〜1:10に設定し、酸
    化膜を形成しない補助ガスを該チャンバ内に供給して、
    該プラズマアークを該補助ガスで保護するとともに、該
    補助ガスの噴出口を該溶射トーチ先端より10mm以上
    50mm以下の距離に設定し、該補助ガスを該プラズマ
    アークの中心軸に対し5〜30°の角度でプラズマ気流
    に対し1〜3倍の流速で噴出させることを特徴とする、
    溶射方法。
  2. 【請求項2】 該チャンバと該基材との間の距離を2〜
    20mmに設定することを特徴とする、請求項1記載の
    溶射方法。
  3. 【請求項3】 溶射時の作動ガスとしてAr+H2 を用
    いるとともに、該作動ガスの水素添加量を10〜50%
    に設定することを特徴とする、請求項1又は2記載の溶
    射方法。
  4. 【請求項4】 溶射時に用いられる溶射粒子の径を30
    〜150μmとすることを特徴とする、請求項1又は2
    記載の溶射方法。
  5. 【請求項5】 該プラズマアーク近傍に、該基材に付着
    したヒュームを除去するためのブラシ及びエアジェット
    を設け、該ヒュームの強制除去を行なうことを特徴とす
    る、請求項1又は2記載の溶射方法。
  6. 【請求項6】 任意の溶射方法において、溶射時の作動
    ガスとしてAr+H 2 を用いるとともに、該作動ガスの
    水素添加量を10〜50%に設定することを特徴とす
    る、溶射方法。
  7. 【請求項7】 任意の溶射方法において、溶射時に用い
    られる溶射粒子の径を30〜150μmとし、溶射炎近
    傍に、基材に付着したヒュームを除去するためのブラシ
    及びエアジェットを設け、該ヒュームの発生抑制と該基
    材に付着したヒュームの強制除去とを行なうことを特徴
    とする、溶射方法。
  8. 【請求項8】 プラズマアークにより溶射を行なう溶射
    装置であって、溶射トーチに、冷却機構を有するととも
    に該溶射トーチ先端から基材近傍までを覆う空気遮断用
    のチャンバが取り付けられ、 該プラズマアークの径と該チャンバの径との比が1:3
    〜1:10に設定され、該チャンバ内に供給される補助
    ガスの噴出口が該溶射トーチ先端より10mm以上50
    mm以下の距離に設定されるとともに、該補助ガスが該
    プラズマアークの中心軸に対し5〜30°の角度でプラ
    ズマ気流に対し1〜3倍の流速で噴出するように構成さ
    れ、且つ、該チャンバと該基材との間の距離が、2〜2
    0mmに設定されていることを特徴とする、溶射装置。
  9. 【請求項9】 溶射時の作動ガスとしてAr+H2 が用
    いられ、該作動ガスの水素添加量が10〜50%に設定
    されていることを特徴とする、請求項8記載の溶射装
    置。
  10. 【請求項10】 溶射時に用いられる溶射粒子の径が3
    0〜150μmであることを特徴とする、請求項8記載
    の溶射装置。
  11. 【請求項11】 該プラズマアーク近傍に、該基材に付
    着したヒュームを除去するためのブラシ及びエアジェッ
    トが設けられていることを特徴とする、請求項8記載の
    溶射装置。
  12. 【請求項12】 任意の溶射装置において、作動ガスと
    してAr+H2 が用いられ、該作動ガスの水素添加量が
    10〜50%に設定されていることを特徴とする、溶射
    装置。
  13. 【請求項13】 任意の溶射装置において、溶射粒子の
    径が30〜150μmに設定され、溶射炎近傍にブラシ
    及びエアジェットが配設されていることを特徴とする、
    溶射装置。
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