JP2001199907A - 炭化水素転化方法 - Google Patents

炭化水素転化方法

Info

Publication number
JP2001199907A
JP2001199907A JP2000012580A JP2000012580A JP2001199907A JP 2001199907 A JP2001199907 A JP 2001199907A JP 2000012580 A JP2000012580 A JP 2000012580A JP 2000012580 A JP2000012580 A JP 2000012580A JP 2001199907 A JP2001199907 A JP 2001199907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feedstock
catalyst
fluid
olefin
phosphoric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000012580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4290301B2 (ja
Inventor
A Hafu George
ジョージ・エイ・ハフ
M Valent Anthony
アンソニー・エム・ヴァレント
Robert L Mehlberg
ロバート・エル・メールバーグ
B Johnson David
デービッド・ビー・ジョンソン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BP Corp North America Inc
Original Assignee
BP Corp North America Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BP Corp North America Inc filed Critical BP Corp North America Inc
Priority to JP2000012580A priority Critical patent/JP4290301B2/ja
Publication of JP2001199907A publication Critical patent/JP2001199907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4290301B2 publication Critical patent/JP4290301B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素転化方法を提供すること。 【解決手段】 固体リン酸触媒の固定床上での炭化水素
フィードストックの化学的転化方法であって、(a)触
媒床をスタートアップ流体中に浸漬する工程であって、
スタートアップ流体が実質的に水と、触媒との接触時に
水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る
前記工程と;(b)触媒床をスタートアップ流体中に浸
漬しながら、触媒床中の温度及び圧力の転化条件を確立
する工程と;(c)スタートアップ流体を炭化水素フィ
ードストックと置換し、前記フィードストックを前記転
化条件下で触媒床に通す工程であって、フィードストッ
クが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから
成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る
水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の該量が所望のレ
ベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程と;
(d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記転化
条件下に維持する工程とを含む前記方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、固体リン酸触媒の
固定床上で炭化水素転化プロセスを開始し、維持する方
法に関する。より詳しくは、本発明は、触媒を迅速にピ
ーク活性にすることができる、このようなプロセスを開
始し、維持する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】より高分子量の生成物を形成するための
酸触媒上でのオレフィン又はオレフィン混合物の縮合反
応は広範囲に用いられている商業的プロセスである。こ
のタイプの縮合反応は本明細書では重合反応と呼び、生
成物は低分子量オリゴマー又は高分子量ポリマーのいず
れでも可能である。2、3又は4個のオレフィン分子の
相互の縮合によってオリゴマーが形成され、5個以上の
オレフィン分子の相互の縮合によってポリマーが形成さ
れる。本明細書で用いる限り、“重合”なる用語はオリ
ゴマー及び/又はポリマーの形成方法を表すために用い
られる。低分子量オレフィン(例えば、プロペン、2−
メチルプロペン、1−ブテン及び2−ブテン)は固体リ
ン酸触媒上での重合によって、オリゴマーから成る生成
物に転化されることができ、この生成物は高オクタンガ
ソリン・ブレンディングストックとして並びに化学中間
体と、アルコール、洗剤(detergent)及びプ
ラスチックを包含する最終生成物との製造のための出発
物質として重要である。
【0003】芳香族化合物のオレフィンによる酸触媒ア
ルキル化は周知の反応であり、これも商業的に重要であ
る。例えば、エチルベンゼン、クメン及び洗剤のアルキ
レートは、それぞれ、エチレン、プロペン及びC10〜C
18オレフィンによるベンゼンのアルキル化によって製造
される。硫酸、HF、リン酸、塩化アルミニウム及びフ
ッ化ホウ素がこの反応のための慣用的な触媒である。さ
らに、同様な酸強度を有する固体酸もこのプロセスを触
媒するために用いることができ、このような物質は非晶
質及び結晶質アルミノシリケート、粘土、イオン交換樹
脂、混合酸化物及び担体付き酸(supported
acid)、例えば固体リン酸触媒を包含する。
【0004】リン酸を担体と結合させ、得られた物質を
乾燥させることによって、固体リン酸触媒は典型的に製
造される。キーゼルグール(kieselguhr)に
リン酸を混合し、得られたペーストを押出成形し、押出
成形した物質をか焼することによって、一般的に用いら
れる触媒が製造される。固体リン酸触媒の活性は担体上
に付着するリン酸の量と組成とに関係する。リン酸は、
相互に平衡して存在し、それらの縮合度によって相互に
異なる酸のファミリーから成る。これらの酸はオルト−
リン酸(H3PO4)、ピロ−リン酸(H427)、ト
リリン酸(H5 310)及びポリリン酸を包含し、特定
のサンプルのリン酸の正確な組成は、サンプルのP25
と含水量との関数である。酸の含水量が減少するにつれ
て、酸の縮合度は増加する。種々なリン酸の各々は特有
の酸強度を有する、したがって、特定のサンプルの固体
リン酸触媒の触媒活性は、触媒の表面に付着するリン酸
のP25/H2O比率に依存する。
【0005】例えば重合又はアルキル化プロセスのよう
な炭化水素転化プロセスにおける固体リン酸触媒の活性
とその不活性化速度も、触媒水和度の関数である。オレ
フィン重合プロセスにおいて、適当に水和した固体リン
酸触媒を用いて、フィードストック中のオレフィンの9
5%より多くをより高分子量の生成物に転化させること
ができる。しかし、触媒の含水量があまりに少ない場合
には、触媒は非常に高い酸性度を有する傾向があり、こ
の高い酸性度はコークス化の結果として迅速な不活性化
をもたらす可能性があり、触媒は良好な物理的統合性を
有さなくなる。さらに触媒の水和は酸性度を減じて、コ
ークス形成によるその迅速不活性化傾向を減ずるために
役立つ。しかし、固体リン酸触媒の過度の水和は触媒を
軟化させ、物理的に凝集させる可能性があり、その結
果、固定床反応器において高い圧力低下をもたらす可能
性がある。したがって、固体リン酸触媒には最適レベル
の水和が存在する。
【0006】炭化水素転化プロセスのための触媒として
の使用中に、固体リン酸触媒は、フィードストック組成
と反応条件との関数である水和度を発生させる。例え
ば、水和レベルは触媒と接触しているときのフィードス
トックの含水量によって、また触媒を使用するときの温
度及び圧力によっても影響される。固体リン酸触媒上で
の水の蒸気圧は温度によって変化するので、炭化水素プ
ロセス流の含水量を、炭化水素が接触している触媒の含
水量と平衡するように維持することが重要である。実質
的に無水のフィードストックを適当に水和した触媒と共
に用いるならば、触媒は典型的に使用中に水を解離し、
最適とはいえない水和度を生じる。したがって、フィー
ドストックの含水量が最適レベルの触媒水和を維持する
ために不充分である場合には、フィードストック中に付
加的な水を注入することが慣用的に行われていた。プロ
ペンによるベンゼンのアルキル化及びプロペンのオリゴ
マー化の触媒としての固体リン酸触媒の性能に対する水
の影響の研究は、Cavani等、Applied C
atalysis A:General、97、177
〜196頁(1993)に述べられている。
【0007】固体リン酸触媒と接触しているフィードス
トック中に水を導入することの代替策として、フィード
ストックに例えば2−プロパノールのようなアルコール
の少量を加えて、触媒を充分な水和レベルに維持するこ
とが慣用的に行われている。例えば、米国特許第4,3
34,118号(Manning)は、ケイ質担体を有
する固体リン酸触媒上でのC3−C12オレフィン重合に
おいて、オレフィンフィードストック中に少量のアルカ
ノールを含めることによって触媒活性を所望のレベルに
維持することができることを開示している。アルコール
が触媒との接触時に脱水して、このときに生ずる水が触
媒水和を維持するように作用することも開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】固体リン酸触媒は炭化
水素転化プロセスに触媒として最初に用いられるとき
に、通常、最適の水和度を有さない。これは多くの問題
に帰因することができ、これらの問題は、特に、触媒が
用いられる前の大気中水分の吸着と、一般的な触媒が多
様に異なるプロセス条件下で種々なフィードストックと
共に用いるために製造されているという事実とを包含す
ると考えられる。その結果、新しい固体リン酸触媒床が
炭化水素転化プロセスに触媒として用いられるときに、
最適の触媒性能が観察されるまでに典型的に多くの日数
を要することになる。例えば、新しい固体リン酸触媒床
がプロペンとC4オレフィンとの混合物の重合を触媒す
るために用いられるときに、触媒性能が最適レベルに達
するまでに10日間を超える連続作用を要する可能性が
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】特定の炭化水素フィード
ストックと特定のプロセス条件セットに関して触媒性能
を最適化するために要する時間量を減ずるような、新し
い固体リン酸触媒床の使用方法を本発明者らは発見して
いる。本発明は触媒を如何なる有意な水分源に曝露させ
ることなく触媒床における炭化水素転化条件を確立する
工程と、その後に、この触媒床を用いて、所望の触媒水
和レベルを与えるために効果的である少量の水和剤を含
有する炭化水素フィードストックの転化を触媒させる工
程とを包含する。
【0010】本発明の1実施態様は、固体リン酸触媒の
固定床上での炭化水素フィードストックの化学的転化方
法であって、(a)触媒床をスタートアップ流体(st
art−up fluid)中に浸漬する工程であっ
て、スタートアップ流体が実質的に水と、触媒との接触
時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から
成る前記工程と;(b)触媒床をスタートアップ流体中
に浸漬しながら、触媒床中の温度及び圧力の転化条件を
確立する工程と;(c)スタートアップ流体を炭化水素
フィードストックと置換し、前記フィードストックを前
記転化条件下で触媒床に通す工程であって、フィードス
トックが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールと
から成る群から選択される少なくとも1種類の物質から
成る水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の該量が所望
のレベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程
と;(d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記
転化条件下に維持する工程とを含む前記方法である。
【0011】本発明の他の実施態様は、固体リン酸触媒
の固定床上で行われるオレフィン重合方法であって、
(a)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬する工程で
あって、前記スタートアップ流体が実質的に水と、触媒
との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素
液体から成る前記工程と;(b)触媒床をスタートアッ
プ流体中に浸漬しながら、触媒床中の温度及び圧力のオ
レフィン重合条件を確立する工程と;(c)スタートア
ップ流体をオレフィン含有フィードストックと置換し、
前記フィードストックを前記重合条件下で触媒床に通す
工程であって、フィードストックが水と炭素数2〜12
の一価脂肪族アルコールとから成る群から選択される少
なくとも1種類の物質から成る水和剤の最少量を含有
し、前記水和剤の量が所望のレベルの触媒水和を与える
ために有効である前記工程と;(d)触媒床を通る前記
フィードストック流を前記重合条件下に維持する工程と
を含む前記方法である。
【0012】本発明の目的は、固体リン酸触媒の固定床
上で炭化水素フィードストックを化学的に転化させるた
めの改良方法である。本発明の目的は、固体リン酸触媒
の固定床上でオレフィンを重合させるための改良方法で
ある。
【0013】本発明の目的は、固体リン酸触媒の固定床
を炭化水素転化触媒として用いるための改良方法を提供
することである。本発明の目的は、固体リン酸触媒の固
定床をオレフィン重合触媒として用いるための改良方法
を提供することである。
【0014】本発明の他の目的は、新しい固体リン酸触
媒の固定床を炭化水素転化触媒として用いるときに迅速
に所望の活性レベルにするための方法を提供することで
ある。
【0015】本発明のさらなる目的は、新しい固体リン
酸触媒の固定床をオレフィン重合触媒として用いるとき
に迅速に所望の活性レベルにするための方法を提供する
ことである。
【0016】本発明は、炭化水素フィードストックの化
学的転化を触媒するための固体リン酸触媒の固定床の使
用方法に関する。本発明は、特定の炭化水素転化プロセ
スに対して触媒を迅速に最適の活性レベルにする。本発
明をこのように限定する訳ではないが、本発明の方法
が、最適触媒活性のために必要なレベルへの触媒水和の
迅速な調節を生じることが考えられる。
【0017】本発明は、固体リン酸触媒上で行われる任
意の慣用的な炭化水素転化プロセスの実施に用いること
ができる。このようなプロセスは、非限定的に、オレフ
ィン重合と芳香族化合物のオレフィンによるアルキル化
とを包含する。このようなプロセスの特定の例は、ガソ
リン・ブレンディングストックとして有用である液体へ
のC3及びC4オレフィンのオリゴマー化、プロペンの4
分子又は5分子の重合による、化学的フィードストック
として有用であるC12−C15オレフィン混合物の製造、
エチレンによるベンゼンのアルキル化によるエチルベン
ゼンの製造、及びプロペンによるベンゼンのアルキル化
によるクメン合成を包含する。
【0018】本発明の実施において、固体リン酸触媒の
固定床を最初に、実質的に水と、触媒との接触時に水を
生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成るスタ
ートアップ流体中に浸漬する。次に、触媒上で行われる
ことになる化学的転化に用いるために好ましい温度と圧
力の条件を固体リン酸触媒の固定床において、それをス
タートアップ流体中に浸漬しながら確立する。次に、こ
のスタートアップ流体を、化学的転化プロセスに用いら
れることになるフィードストックによって置換する、こ
のフィードストックは水と炭素数2〜12の一価脂肪族
アルコールとから成る群から選択される少なくとも1種
類の物質から成る水和剤の少量を含有し、この水和剤の
量は所望の触媒水和レベルを与えるために有効な量であ
る。次に、フィードストック流を触媒床に通して、触媒
をスタートアップ流体中に浸漬したときに予め確立され
た転化条件下に維持する。
【0019】スタートアップ流体は実質的に水と、触媒
との接触時に水を生じうる化合物とを含まない炭化水素
液体から成る。スタートアップ流体は少なくとも1種類
の炭化水素化合物から成り、適当な炭化水素化合物はア
ルカン、シクロアルカン、オレフィン及び芳香族化合物
から成る群から選択することができる。さらに、スター
トアップ流体は好ましくは、それが本発明の実施に用い
られるときの温度と圧力との条件下で液体である。必要
である場合には、スタートアップ流体は例えばベンゼ
ン、トルエン、1−ブテン又は2−メチルブテンのよう
な、単独の実質的に純粋な炭化水素化合物であることが
できる。或いは、スタートアップ流体は例えばナフサ、
リホーメート、ケロセン、軽質サイクルオイル(lig
ht cycle oil)、軽質オレフィンのブレン
ド、又は任意のこのような物質のブレンドのような、炭
化水素の混合物から成ることも可能である。非常に充分
なスタートアップ流体はリホーメート及び、実質的に水
和剤を含まない、転化プロセスへの炭化水素フィードス
トック自体を包含する。
【0020】スタートアップ流体は、望ましくは約34
5℃未満であり、より好ましくは約300℃未満である
蒸留終点を有する。例えば、好ましいスタートアップ流
体は大気圧において約−50℃〜約250℃の範囲内の
沸点を有し、非常に好ましいスタートアップ流体は大気
圧において約20℃〜約250℃の範囲内の沸点を有す
る。
【0021】固体リン酸触媒の固定床を、スタートアッ
プ流体中に浸漬しながら、温度及び圧力の望ましい転化
条件にする。次に、固定床中に温度及び圧力の望ましい
転化条件が確立された後の任意の時点において、このス
タートアップ流体を所望のフィードストックによって置
換する。この置換はスタートアップ流体をフィードスト
ック流により排除することによって行うことが好まし
い。或いは、スタートアップ流体を触媒床から排出した
後に、フィードストックを触媒床と接触させることがで
きる。
【0022】既述したように、フィードストックは水と
炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから成る群か
ら選択される少なくとも1種類の物質から成る水和剤の
少量を含有し、水和剤の該量は所望の触媒水和レベルを
与えるために有効な量である。フィードストック中の水
和剤の濃度は望ましくは約0.05〜約0.80モル%
の範囲内であり、好ましくは約0.10〜約0.50モ
ル%の範囲内、最も好ましく約0.25〜約0.30モ
ル%の範囲内である。理想的には、水和剤の量は、転化
プロセスの経過中に触媒によって失われる水分量に丁度
等しい水分量を与えることができるような量である。
【0023】好ましい水和剤は水、第2級アルコール及
び第3級アルコールを包含する。本発明をこのように限
定する訳ではないが、アルコールが固体リン酸触媒との
接触時に分解して、水と、アルコールからの水の酸触媒
脱離によって得られるオレフィンを含めた分解生成物と
を生じると考えられる。第2級及び第3級アルコール
は、固体リン酸触媒との接触時に第1級アルコールより
も容易に分解する傾向があるので、第1級アルコールよ
りも通常好ましい。炭素数3〜5のアルコールが望まし
い水和剤であり、このような物質は2−プロパノール、
2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−
ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−2−ブ
タノール及び2−メチル−2−ブタノールを包含する。
2−プロパノールが特に充分な水和剤である。アルコー
ルが水和剤又は水和剤成分として用いられ、炭化水素転
化が反応物としての1種類以上のオレフィンの使用を必
要とするときには、オレフィン反応物の炭素数と同じ炭
素数を有するアルコールを用いることが望ましいと考え
られる。アルコールからの主要な分解生成物が典型的に
アルコールと同じ炭素数を有するオレフィンであるの
で、このオレフィンが次に反応物として炭化水素転化プ
ロセスに参加し、副生成物が最少になる。例えば、2−
プロパノールが固体リン酸触媒上でのプロペンの重合に
水和剤として用いられる場合には、2−プロパノールの
分解によって生じるプロペンは総てフィードストック中
のプロペンと共に重合されることになる。
【0024】水は非常に充分な水和剤であるが、水は温
度及び圧力の周囲条件下で典型的な炭化水素フィードス
トック中に比較的不溶性である。したがって、所望の触
媒水和レベルを得るために炭化水素フィードストック中
に水を混入することは、しばしば不都合である。しか
し、炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールは通常、典
型的な炭化水素フィードストック中に完全に水溶性であ
る。したがって、これらのアルコールは水和剤として用
いるために非常に好都合である。本発明の非常に好まし
い実施態様は、水和剤が水と、炭素数2〜12の一価脂
肪族アルコールから成る群から選択された少なくとも1
種類のアルコールとの混合物から成る炭化水素フィード
ストックの使用を必要とする。このようなフィードスト
ックは、水を含有するが、この水分量が所望のレベルの
触媒水和を与えるために不充分であるフィードストック
の炭化水素成分に1種類以上のアルコールを加えること
によって、便利に用意される。
【0025】本発明の方法は、固体リン酸触媒の固定床
上で行われる炭化水素フィードストックの化学的転化に
関連して用いることができる。このような化学的転化
は、非限定的に、オレフィン重合反応と、オレフィンア
ルキル化剤による芳香族化合物のアルキル化とを包含す
る。このような方法に用いるために適したオレフィン
は、非限定的に、環状オレフィン、置換環状オレフィ
ン、及び式I[式中、R1がヒドロカルビル基であり、
各R2が水素及びヒドロカルビル基から成る群から独立
的に選択される]で示されるオレフィンを包含する。好
ましくは、R1はアルキル基であり、各R2は独立的に水
素及びアルキル基から成る群から選択される:
【0026】
【化1】
【0027】適当な環状オレフィンと置換環状オレフィ
ンとの例は、非限定的に、シクロペンテン、1−メチル
シクロペンテン及びシクロヘキセンを包含する。式Iタ
イプの適当なオレフィンの例は、非限定的に、プロペ
ン、2−メチルプロペン、1−ブテン、2−ブテン、2
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−
メチル−2−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、
3,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−2
−ブテン、2−エチル−1−ブテン、1−ペンテン、2
−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、2−ヘキセン及び3−ヘキセンを包含する。適当な
オレフィンは望ましくは炭素数3〜12を有し、好まし
いオレフィンは炭素数3〜6を有し、非常に好ましいオ
レフィンは炭素数3〜4を有する。
【0028】本発明の方法はオレフィンアルキル化剤に
よる芳香族化合物のアルキル化に関連して用いられる場
合に、適当な芳香族化合物は、芳香族官能性を含有し、
固体リン酸触媒の存在下でオレフィンによってアルキル
化されうる、炭素数6〜20の総ての有機化合物を包含
する。このような物質は芳香族化合物と、1個以上の置
換基を有する置換芳香族化合物との両方を包含する。炭
素数6〜10の芳香族炭化水素と、ヒドロカルビル置換
芳香族炭化水素とが特に適する。さらに、このような物
質の混合物を基質(substrate)として用いる
ことができる。このような物質の例は炭素数6〜20の
式II化合物[式中、各Rは水素及びヒドロカルビル基
から成る群から独立的に選択される]を包含する。しか
し、好ましい芳香族化合物は炭素数6〜10であって、
式II[式中、各Rは水素と炭素数1〜3のアルキルと
から成る群から独立的に選択される]で示される炭化水
素である。ベンゼンとトルエンとが特に好ましい。
【0029】
【化2】
【0030】本発明の実施にアルキル化基質として用い
るための芳香族化合物は、任意の望ましいソースから得
ることができる。しかし、石油精製所における接触分解
ユニット、リホーマー及び異性化ユニットが芳香族炭化
水素の都合のよいソースである。例えば、軽質リホーメ
ートを用いることができ、このタイプの典型的な物質は
約35体積%の総芳香族含量を有し、約10体積%のベ
ンゼンを含有する。
【0031】非常に好ましい実施態様では、本発明の方
法をC3とC4オレフィンの混合物の重合によるガソリン
・ブレンディングストックへの転化に関連して用いるこ
とができ、このタイプの生成物はオリゴマーから成る。
このような実施態様では、フィードストックは少なくと
も約25体積%のオレフィンを含む。ガソリン沸点範囲
内のオリゴマーに転化するための重合ユニットへの典型
的なオレフィン含有フィードストックは、プロパン、ブ
タン、1−メチルプロパン、プロペン、1−ブテン、2
−ブテン及び1−メチルプロペンの混合物を含み、オレ
フィンの濃度は約35〜約60体積%の範囲内である。
しかし、オレフィン含有フィードストックが、非限定的
に、他のオレフィン若しくはオレフィン混合物、他の希
釈剤、少量の芳香族化合物の存在を包含する、多様な他
の組成を有しうることは理解されるであろう。さらに、
この範囲外であるオレフィン濃度も使用可能である。
【0032】他の非常に好ましい実施態様では、ガソリ
ンの沸点範囲内であり、ガソリン・ブレンディングスト
ックとして有用である生成物を製造するための、低分子
量芳香族化合物をC3とC4オレフィンの混合物と共に含
むフィードストックの転化に関連して、本発明の方法を
用いることができる。例えば、オレフィンの芳香族化合
物に対するモル比率は約1〜約50、好ましくは約1〜
約30の範囲内であることができる。このような実施態
様では、毒性問題のためにガソリン成分として好ましく
ない、例えばベンゼンのような、揮発性の低分子量芳香
族化合物をアルキル化によって、非常に望ましいガソリ
ン成分である低揮発性物質に転化させることができる。
例えば、ベンゼンとトルエンとをプロペンによるモノア
ルキル化によって、それぞれ、クメンとシメンとに転化
させることができる。
【0033】フィードストックがオレフィンと芳香族化
合物との両方を含有するような場合には、フィードスト
ック中のオレフィン(単数又は複数種類)による芳香族
化合物のアルキル化はオレフィン重合と競合する。その
結果、オレフィンポリマーとアルキル化芳香族化合物と
の両方が生成物として得られ、これらの生成物の比率は
フィードストック中のオレフィンの芳香族化合物に対す
るモル比率の関数である。例えば、オレフィンの芳香族
化合物に対するモル比率が約1である場合には、芳香族
化合物のアルキル化からの生成物の形成がオレフィン重
合生成物の形成よりも優勢である。しかし、オレフィン
の芳香族化合物に対するモル比率が約10である場合に
は、オレフィンポリマーの形成が典型的に優勢である。
【0034】本発明の炭化水素転化方法は典型的にオレ
フィン含有フィードストックに対して行われる。必要な
場合には、本発明の転化方法に対するオレフィン含有フ
ィードストックは種々なオレフィンの混合物を含むこと
ができる。或いは、フィードストックは単一オレフィン
から成ることも可能である。フィードストックが例え
ば、転化反応に用いられる反応条件下で実質的に不活性
である希釈剤のような、オレフィン以外の物質を含むこ
とができることも理解されるであろう。転化方法に用い
られる反応条件下で実質的に不活性である、例えば、フ
ィードストックは、本発明の転化方法の条件下で比較的
不活性である、例えばn−パラフィンのような、飽和炭
化水素の実質的な量を含有することができる。実際に、
例えばプロパン又はブタンのようなn−パラフィンを希
釈剤として、及び発熱性オレフィン重合反応及び芳香族
アルキル化反応によって発生する熱を管理するためのリ
サイクル物質として用いることができる。
【0035】リン酸に固体サポートを結合させることに
よって製造される担体付き触媒を本明細書では固体リン
酸触媒と呼ぶ、如何なるこのような触媒も本発明の実施
に用いることができる。固体リン酸触媒は例えばオルト
−リン酸、ピロリン酸又はトリリン酸のようなリン酸に
ケイ質固体キャリヤーを混合して、湿ったペーストを形
成することによって、製造することができる。このペー
ストをか焼し、粉砕して、触媒粒子を形成することがで
きる、又は該ペーストを押出成形若しくはペレット化し
てからか焼して、より均一な触媒粒子を製造することが
できる。キャリヤーは典型的に、例えばキーゼルグー
ル、カオリン、多孔性珪藻土(infusorial
earth)又は珪藻土のような天然生成多孔質シリカ
含有物質である。例えば無機物タルク、フラー土及び鉄
化合物(酸化鉄を包含する)のような種々な添加剤の少
量をキャリヤーに加えて、その強度と硬度とを高めるこ
とができる。キャリヤーと添加剤との組み合わせが通
常、触媒の約15〜30重量%を占め、残部はリン酸で
ある。しかし、触媒の製造におけるリン酸使用量は触媒
の約8〜80重量%の範囲内で変化することができる。
固体リン酸触媒は商業的に入手可能であり、このような
物質は商品名SPA−2でUOPから入手可能である。
このSPA−2触媒は下記性質を有する円筒形状押出成
形体である:(1)公称直径4.75mm;(2)負荷
密度0.93g/cm3;(3)P25として算出した、
遊離リン酸含量16〜20重量%;及び(4)P25
して算出した、公称総リン酸含量60重量%.慣用的な
固体リン酸触媒の製造と性質とは米国特許第2,12
0,702号(Ipatieff等);第3,050,
472号(Morrell);第3,050,473号
(Morrell)及び第3,132,109号(Mo
rrell)に述べられており、英国特許第863,5
39号にも開示されている。これらの特許はそれらの全
体において本明細書に援用される。
【0036】固体リン酸触媒中のリン酸の分布は、水中
に触媒を浸漬するときに触媒から容易に浸出される酸か
ら成る、触媒の“遊離P25”含量を滴定することによ
って実験的に評価することができる。これらの容易に浸
出される酸は、例えばオルト−リン酸とピロリン酸のよ
うな、低い縮合度を有するリン酸である。高い縮合度を
有するリン酸は、水中に触媒を浸漬するときに、非常に
緩慢に溶解するので、したがって、水性抽出物中の酸の
滴定によって測定されない。それ故、遊離P25の量
は、特定の総P25含量を有する触媒中のリン酸分布の
示度として用いることができる。
【0037】本発明の炭化水素転化方法は固体リン酸触
媒の固定床において行われる。必要な場合には、触媒を
チャンバ反応器又は管形反応器中に装入することができ
る。管形反応器では、触媒は循環する冷却媒質によって
囲まれた複数個の管中に含有される。これらの管は典型
的に内径約5cm〜約15cmを有するが,他の直径も
使用可能である。管形反応器は反応温度のより厳密な制
御を可能にし、高圧操作のために構築することもできる
ので、しばしばチャンバ反応器よりも好ましい。通常、
複数個の反応器が用いられる。例えば、管形反応器を用
いるオレフィン重合ユニットは8個以上ほどの反応器を
有することができる。発熱性オレフィン転化反応から発
生する熱はチャンバ反応器では反応器流出物から反応器
フィードストックへのリサイクルとして飽和炭化水素を
用いることによって、又は反応器内の多重触媒床の間の
クエンチとして飽和炭化水素を用いることによって制御
することができる。管形反応器内の温度は反応器管の周
囲の水又はオイル循環によって典型的に制御される。
【0038】本発明の方法の実施では、フィードストッ
ク中の少なくとも一部の反応物を所望の生成物に転化さ
せるために有効である温度、圧力及び時間においてフィ
ードストックを固体リン酸触媒と接触させる。望ましく
は、接触温度は約50℃より高い、好ましくは100℃よ
り高い、より好ましくは125℃より高い。接触は一般
に約50℃〜約350℃、好ましくは約100℃〜約3
50℃、より好ましくは約125℃〜約250℃の範囲
内の温度において行われる。最適温度が用いられる特定
の反応物とフィードストック中のそれらの濃度との関数
であることは、当然、理解されるであろう。例えば、プ
ロペン及び/又はC4オレフィンの重合のためには、反
応温度は通常、約150℃〜約250℃の範囲内であ
る。
【0039】本発明の方法の実施では、フィードストッ
クを任意の適当な圧力において固体リン酸触媒と接触さ
せることができる。しかし、約0.01〜約200気圧
の範囲内の圧力が望ましく、約1〜約100気圧の範囲
内の圧力が好ましい。例えば、典型的な固体リン酸触媒
をプロペン及び/又はC4オレフィンの、ガソリン・ブ
レンディングストックへの転化のために用いる場合に
は、圧力は通常約20〜約90気圧の範囲内である。
【0040】オレフィン重合又はオレフィンによる芳香
族化合物のアルキル化のいずれかを触媒するための使用
中の固体リン酸触媒の不活性化はしばしば、副生成物と
しての高沸点ポリマーの形成の結果であると考えられ
る。これらの副生成物は触媒上に留まり、さらなる転化
を受けて、重質タールに類似し、場合によってはコーク
ス様物質の外観さえ有する、さらに高分子量のポリマー
になる可能性がある。これらの物質は触媒粒子を被覆
し、触媒中の孔を閉塞しうるので、触媒不活性化を惹起
する可能性がある。したがって、炭化水素の液体相を触
媒と接触させて維持するために充分である圧力におい
て、本発明の方法を行うことが望ましい。この液体炭化
水素相は高分子量ポリマー又はタールを触媒から洗い流
して維持して、触媒寿命を延長させることができる。
【0041】
【実施例】実施例I キーゼルグール(UOPから商品名SPA−2で入手可
能)付き固体リン酸触媒の新しい7.0g部を管形ステ
ンレス鋼反応器(内径0.95cm)に装入した。この
触媒は供給者によって、遊離リン酸含量(P25とし
て)16〜20重量%と総リン酸含量(P25として)
60重量%とを有すると報告されている。
【0042】固体リン酸触媒の固定床をC3/C4オレフ
ィンと軽質芳香族炭化水素との混合物のより高分子量生
成物への転化のための触媒として用いた。この芳香族化
合物含有フィードストックは軽質リホーメートと水和オ
レフィン含有C3/C4流(オレフィン含有C3/C4流を
以下では“C3/C4フィードストック成分”と呼ぶ)と
の混合物から成り、軽質リホーメートの水和オレフィン
含有C3/C4フィードストック成分に対する比率は体積
基準で1:10であった。これらの物質の分析はそれぞ
れ表IとIIに示す。
【0043】固体リン酸触媒の固定床を慣用的スタート
アップ方法を用いて始動させた。これは窒素によって反
応器をパージすることと、触媒床を107℃に予熱する
ことを必要とする。次に、反応器に芳香族化合物含有フ
ィードストックを充填し、4時間にわたって81.7a
tmの圧力にした。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】最後に、反応器を204℃の所望のプロセ
ス温度に加熱して、反応器中への芳香族化合物含有フィ
ードストック流を2.0LHSVの水和C3/C4フィー
ドストック成分と0.2LHSVの軽質リホーメートと
に相当するレベルにおいて確立した。反応器をこれらの
温度、圧力及び流量の条件下で5日間にわたって連続的
に操作した後に、芳香族化合物含有フィードストックを
2.0LHSVの流量の標準化重合フィードストックに
よって置換し、この間反応器の温度と圧力をそれぞれ2
04℃と81.7atmに維持した。標準化重合フィー
ドストックはMatheson Gas Produc
tsから入手して、触媒活性を評価するために用いた。
標準化重合フィードストックは芳香族化合物を含まず、
27%のプロペン、18%のC4オレフィン、55%の
プロパン及び水和剤としての1500重量ppmの2−
プロパノールを含有した。
【0047】次に、反応器内の固体リン酸触媒の活性定
数と、反応器を通過するときのC3/C4オレフィンの高
分子量生成物への転化量とは標準化重合フィードストッ
クを用いる時間の関数として測定した。これらの測定の
ために、C3及びC4オレフィンの複合転化率をXと定義
すると、活性定数k=LHSV{ln[1/(1−
X)]}である。これらの結果は表IIIに記載する
が、実施例Iの慣用的スタートアップ方法を用いる場合
に、固体リン酸触媒が10日間を超えても最適活性に達
しないことをこれらの結果は示す。
【0048】実施例II 実施例Iを繰り返したが、この場合には、スタートアッ
プ操作中に、実施例Iで用いた水和C3/C4フィードス
トック成分と軽質リホーメートとの混合物ではなく、無
水軽質リホーメートを反応器に充填した。前と同様に、
この実施例IIのスタートアップ操作は窒素による反応
器の初期パージと107℃までの触媒床の予熱とを必要
とした。次に、反応器に無水軽質リホーメート(この物
質の分析は表Iに記載するが、この物質は実施例Iにお
いて芳香族化合物含有フィードストックの成分として用
いたものと同じ軽質リホーメートである)を充填して、
反応器を4時間の期間にわたって81.7atmの圧力
にした。最後に、反応器を204℃の所望のプロセス温
度に加熱して、反応器中への芳香族化合物含有フィード
ストック流を2.0LHSVの水和C3/C4フィードス
トック成分と0.2LHSVの軽質リホーメートとに相
当するレベルにおいて確立した(芳香族化合物含有フィ
ードストックは実施例Iに述べたものと同じであっ
た)。反応器をこれらの温度、圧力及び流量の条件下で
5日間の期間にわたって連続的に操作した後に、芳香族
化合物含有フィードストックを2.0LHSVの流量の
実施例Iの標準化重合フィードストックによって置換
し、この間反応器の温度と圧力をそれぞれ204℃と8
1.7atmに維持した。
【0049】
【表3】
【0050】次に、反応器内の固体リン酸触媒の活性定
数と、反応器を通過するときのC3/C4オレフィンの高
分子量生成物への転化量とを、標準化重合フィードスト
ックを用いる時間の関数として測定した。これらの結果
は表IVに記載するが、これらの結果は、実施例Iの慣
用的スタートアップ操作を用いて得られた触媒活性に比
べて、この触媒が161時間後には40%大きく活性で
あり、305時間後には15%大きく活性であることを
示す。
【0051】
【表4】
【0052】実施例III 実施例Iを繰り返したが、この場合には、スタートアッ
プ操作中に、実施例Iで用いた水和C3/C4フィードス
トック成分と軽質リホーメートとの混合物ではなく、無
水C3/C4フィードストック成分を反応器に充填した。
前と同様に、この実施例IIIのスタートアップ操作は
窒素による反応器の初期パージと107℃までの触媒床
の予熱とを必要とした。次に、反応器に無水C3/C4
ィードストック成分(この物質は実施例Iにおいてフィ
ードストック成分として用いた水和C3/C4フィードス
トック成分と、水を含まないこと以外は同じであった)
を充填して、反応器を4時間の期間にわたって81.7
atmの圧力にした。最後に、反応器を204℃の所望
のプロセス温度に加熱して、反応器中への芳香族化合物
含有フィードストック流を2.0LHSVの水和C3
4フィードストック成分と0.2LHSVの軽質リホ
ーメートとに相当するレベルにおいて確立した(芳香族
化合物含有フィードストックは実施例Iに述べたものと
同じであった)。反応器をこれらの温度、圧力及び流量
の条件下で5日間の期間にわたって連続的に操作した後
に、このフィードストックを2.0LHSVの流量の実
施例Iの標準化重合フィードストックによって置換し、
この間反応器の温度と圧力をそれぞれ204℃と81.
7atmに維持した。
【0053】次に、反応器内の固体リン酸触媒の活性定
数と、反応器を通過するときのC3/C4オレフィンの高
分子量生成物への転化量とを、標準化重合フィードスト
ックを用いる時間の関数として測定した。表Vに記載す
るこれらの結果は、実施例IIにおいて得られた結果に
匹敵するものであり、実施例Iの慣用的スタートアップ
操作を用いて得られた結果に比べて、はるかに優れてい
る。
【0054】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10G 50/00 C10G 50/00 4J015 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ロバート・エル・メールバーグ アメリカ合衆国イリノイ州60187,ホイー トン,ウエスト・マディソン 123 (72)発明者 デービッド・ビー・ジョンソン アメリカ合衆国ヴァージニア州23072,ヘ イズ,チャーメイン・ドライブ 2670 Fターム(参考) 4G069 AA15 BB14A BB14B CB25 CC13 DA06 4H006 AA02 AC23 BA35 BA68 4H029 CA00 DA00 DA02 4H039 CA12 CA19 CD10 4J011 BA01 BA07 BB01 BB02 BB03 BB11 BB17 4J015 EA09

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体リン酸触媒の固定床上での炭化水素
    フィードストックの化学的転化方法であって、(a)触
    媒床をスタートアップ流体中に浸漬する工程であって、
    スタートアップ流体が実質的に水と、触媒との接触時に
    水を生じうる化合物とを含まない炭化水素液体から成る
    前記工程と;(b)触媒床をスタートアップ流体中に浸
    漬しながら、触媒床中の温度及び圧力の転化条件を確立
    する工程と;(c)スタートアップ流体を炭化水素フィ
    ードストックと置換し、前記フィードストックを前記転
    化条件下で触媒床に通す工程であって、フィードストッ
    クが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールとから
    成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成る
    水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の該量が所望のレ
    ベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程と;
    (d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記転化
    条件下に維持する工程とを含む前記方法。
  2. 【請求項2】 前記化学的転化がオレフィンによる芳香
    族炭化水素のアルキル化を含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記化学的転化がオレフィン重合を含
    む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 固体リン酸触媒の固定床上で行われるオ
    レフィン重合方法であって、(a)触媒床をスタートア
    ップ流体中に浸漬する工程であって、前記スタートアッ
    プ流体が実質的に水と、触媒との接触時に水を生じうる
    化合物とを含まない炭化水素液体から成る前記工程と;
    (b)触媒床をスタートアップ流体中に浸漬しながら、
    触媒床中の温度及び圧力のオレフィン重合条件を確立す
    る工程と;(c)スタートアップ流体をオレフィン含有
    フィードストックと置換し、前記フィードストックを前
    記重合条件下で触媒床に通す工程であって、フィードス
    トックが水と炭素数2〜12の一価脂肪族アルコールと
    から成る群から選択される少なくとも1種類の物質から
    成る水和剤の最少量を含有し、前記水和剤の量が所望の
    レベルの触媒水和を与えるために有効である前記工程
    と;(d)触媒床を通る前記フィードストック流を前記
    重合条件下に維持する工程とを含む前記方法。
  5. 【請求項5】 フィードストック中の前記水和剤の濃度
    が約0.05〜約0.80モル%の範囲内である、請求
    項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 フィードストック中の前記水和剤の濃度
    が約0.10〜約0.50モル%の範囲内である、請求
    項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記スタートアップ流体が大気圧におい
    て約−50℃〜約250℃の範囲内の沸点を有する、請
    求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記スタートアップ流体が大気圧におい
    て約20℃〜約250℃の範囲内の沸点を有する、請求
    項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記スタートアップ流体がナフサ、リホ
    ーメート、ケロセン、軽質サイクルオイル、軽質オレフ
    ィンのブレンド、及びこれらのブレンドから成る群から
    選択される物質から成る、請求項4記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記スタートアップ流体がリホーメー
    トから成る、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記スタートアップ流体が、前記水和
    剤を実質的に含まない前記フィードストックから成る、
    請求項4記載の方法。
  12. 【請求項12】 水和剤が水及び2−プロパノールから
    成る群から選択される少なくとも1種類の物質から成
    る、請求項4記載の方法。
  13. 【請求項13】 フィードストックが少なくとも約25
    体積%のオレフィンから成る、請求項4記載の方法。
  14. 【請求項14】 フィードストックが炭素数3〜12の
    オレフィンから成る群から選択される少なくとも1種類
    のオレフィンから成る、請求項4記載の方法。
  15. 【請求項15】 フィードストックが炭素数3〜6のオ
    レフィンから成る群から選択される少なくとも1種類の
    オレフィンから成る、請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 フィードストックが炭素数3〜4のオ
    レフィンから成る群から選択される少なくとも1種類の
    オレフィンから成る、請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記フィードストック中のオレフィン
    の重合からの生成物がオリゴマーから成る、請求項4記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 オレフィン重合条件が約125℃〜約
    250℃の範囲内である温度を包含する、請求項4記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 オレフィン重合条件が、フィードスト
    ックが触媒床を通過するときに触媒と接触する炭化水素
    の液体相を維持するために有効である圧力を包含する、
    請求項4記載の方法。
JP2000012580A 2000-01-21 2000-01-21 炭化水素転化方法 Expired - Fee Related JP4290301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000012580A JP4290301B2 (ja) 2000-01-21 2000-01-21 炭化水素転化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000012580A JP4290301B2 (ja) 2000-01-21 2000-01-21 炭化水素転化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001199907A true JP2001199907A (ja) 2001-07-24
JP4290301B2 JP4290301B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=18540282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000012580A Expired - Fee Related JP4290301B2 (ja) 2000-01-21 2000-01-21 炭化水素転化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4290301B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006009229A1 (ja) * 2004-07-16 2006-01-26 Nippon Oil Corporation 固体リン酸触媒およびそれを用いたオレフィンの二量化方法
WO2006126727A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Nippon Oil Corporation 固体リン酸触媒およびそれを用いたオレフィンの二量化反応方法
JP2007514702A (ja) * 2003-12-18 2007-06-07 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク 触媒反応の改良
JP2008531819A (ja) * 2005-02-28 2008-08-14 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー ベンゼン含量を減少させたハイオクタンガソリンの製造方法
JP2010514559A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 ユーオーピー エルエルシー クメンヒドロペルオキシドの分解のための固体酸触媒および方法
WO2010109935A1 (ja) 2009-03-26 2010-09-30 新日本石油株式会社 オレフィン二量体の製造方法、オレフィン二量体
JP2014221453A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 ポリプラスチックス株式会社 固体リン酸触媒、及びそれを用いたトリオキサンの製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514702A (ja) * 2003-12-18 2007-06-07 エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク 触媒反応の改良
US7741527B2 (en) 2004-07-16 2010-06-22 Nippon Oil Corporation Solid phosphoric acid catalyst and method for dimerization of olefin using the same
WO2006009229A1 (ja) * 2004-07-16 2006-01-26 Nippon Oil Corporation 固体リン酸触媒およびそれを用いたオレフィンの二量化方法
KR101121822B1 (ko) 2004-07-16 2012-03-21 제이엑스 닛코닛세키에너지주식회사 고체 인산 촉매 및 이를 이용한 올레핀의 이량화 방법
JP2008531819A (ja) * 2005-02-28 2008-08-14 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー ベンゼン含量を減少させたハイオクタンガソリンの製造方法
KR101267639B1 (ko) 2005-05-25 2013-05-23 제이엑스 닛코닛세키에너지주식회사 고체 인산 촉매 및 그것을 이용한 올레핀의 이량화 반응방법
US8203025B2 (en) 2005-05-25 2012-06-19 Nippon Oil Corporation Solid phosphoric acid catalyst and methods of olefin dimerization reaction with the same
WO2006126727A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Nippon Oil Corporation 固体リン酸触媒およびそれを用いたオレフィンの二量化反応方法
JP2010514559A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 ユーオーピー エルエルシー クメンヒドロペルオキシドの分解のための固体酸触媒および方法
JP2014237645A (ja) * 2006-12-29 2014-12-18 ユーオーピー エルエルシー クメンヒドロペルオキシドの分解のための固体酸触媒および方法
WO2010109935A1 (ja) 2009-03-26 2010-09-30 新日本石油株式会社 オレフィン二量体の製造方法、オレフィン二量体
US9314784B2 (en) 2009-03-26 2016-04-19 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Olefin dimers and method for producing and washing olefin dimers
JP2014221453A (ja) * 2013-05-13 2014-11-27 ポリプラスチックス株式会社 固体リン酸触媒、及びそれを用いたトリオキサンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4290301B2 (ja) 2009-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6111159A (en) Hydrocarbon conversion process
US6548725B2 (en) Process for manufacturing olefins
US4746763A (en) Process for producing aromatic compounds from C2 -C6 aliphatic hydrocarbons
US4551438A (en) Oligomerization of liquid olefin over a nickel-containing silicaceous crystalline molecular sieve and hydrocarbyl aluminum halide
RU2366642C2 (ru) Синтез углеводородов
JPH03109488A (ja) プラスチックの転換方法
US7498473B2 (en) Process for dehydrocyclodimerization
KR20130025412A (ko) 피독된 산성 촉매에서의 알코올의 탈수화
CA2548574C (en) Improvements in or relating to catalysed reactions
JPS5869822A (ja) 低活性触媒によるオリゴマ−化方法
JP2001199907A (ja) 炭化水素転化方法
CN105503508B (zh) 甲醇与苯烷基化制二甲苯的方法
JP7023382B2 (ja) 軽質オレフィン製造用触媒、その製造方法、およびこれを用いて軽質オレフィンを製造する方法
JP2006326469A (ja) 固体リン酸触媒およびそれを用いたオレフィンの二量化反応方法
EP0434320A1 (en) Vapor-phase hydration of olefins to alcohols in series reactors with intermediate alcohol removal
EP1118651B1 (en) Hydrocarbon conversion process
JPS60222428A (ja) 炭化水素の接触転化法
CN106221786B (zh) 一种石脑油的转化方法
US4048248A (en) Process and catalyst for the conversion of aromatic hydrocarbons
TW202340124A (zh) 乙醇之轉換方法、及其他烴之製造方法
AU767070B2 (en) Hydrocarbon conversion process
US5932778A (en) Shutdown process for olefin polymerization reactor
US9314784B2 (en) Olefin dimers and method for producing and washing olefin dimers
WO2006128649A1 (en) Molecular sieve catalyst treatment
US2302721A (en) Alkylation of aromatic compounds

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees