JP2001198214A - 白血球除去・回収フィルター装置、システムおよびキット - Google Patents

白血球除去・回収フィルター装置、システムおよびキット

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JP2001198214A
JP2001198214A JP2000010993A JP2000010993A JP2001198214A JP 2001198214 A JP2001198214 A JP 2001198214A JP 2000010993 A JP2000010993 A JP 2000010993A JP 2000010993 A JP2000010993 A JP 2000010993A JP 2001198214 A JP2001198214 A JP 2001198214A
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blood
tube
filter
containing liquid
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Masaya Sumida
政哉 澄田
Satoshi Saikawa
聡 才川
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Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白血球除去用途のみならず、白血球回収への
用途をも意図した、無菌的操作が行いやすい等、大幅に
利便性が改善された白血球除去・回収フィルター装置を
提供する。 【解決手段】 白血球除去フィルター4の上流に白血球
回収用流体導入手段を接続するための手段を、下流に白
血球含有液回収手段を接続するための手段を設けるか、
または下流に白血球回収用流体導入手段を接続するため
の手段5を、上流に白血球含有液回収手段を接続するた
めの手段3を設けたことを特徴とする白血球除去・回収
フィルター装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は白血球除去血液製剤
と各種用途に用いる白血球の両方が得られる白血球除去
・回収フィルター装置、システムおよびキットに関す
る。本発明で得られる白血球除去血液は輸血に、白血球
は有用物質の生産や白血球を用いて行う各種疾病の治療
及び免疫学や細胞生物学等の基礎科学分野で用いること
が可能となる。
【0002】
【従来の技術】白血球は培養することで種々の有用物質
を生産することが知られている。また、白血球そのもの
にも細胞膜、核などに種々の有用物質が含まれている。
一方、近年、輸血の安全性向上への意識が高まり、輸血
副作用(ウイルス等の病原体に感染した白血球による感
染症を含む)を防止するために輸血用血液のいわゆる
「100%白除化」(全ての輸血用血液はフィルターに
よる白血球除去を適用すること)へ移行する趨勢であ
る。このような状況に伴い、白血球除去フィルターの使
用量は大幅に拡大すると見込まれている。従来、使用済
み白血球除去フィルターは医療用廃棄物として、廃棄さ
れ、焼却されるのみであった。ところで、従来インター
フェロンは輸血用血液から遠心分離によるバフィーコー
ト除去法で赤血球濃厚液を調製する際に得られるバフィ
ーコートから白血球を分離して生産されているものが多
かった。たとえば米国特許5503828号公報にはヒ
ト末梢血白血球からのアルファインターフェロンの製造
方法が開示されている。同公報ではヒト末梢血を遠心分
離してバフィーコート層を採取し、塩化アンモニウムで
残存する赤血球を溶血させ、除去することで培養原料細
胞の白血球を得ることが開示されている。ここで、前述
の100%白除化に伴い、バフィーコート除去法は実施
されなくなる可能性があるため、インターフェロン生産
に必要な白血球の供給不足が危惧される。国際公開特許
WO98/45413号公報には稀な細胞(白血球を例
示)を含む血液を多孔質体に通液し、稀な細胞を捕捉さ
せ、該細胞の生産物(インターフェロンを例示)を培養
により生産するために、該多孔質体に培地を供給し、捕
捉された細胞を多孔質に捕捉させたまま培養することが
開示されている。しかしながら、同公報は、インターフ
ェロン生産用に白血球を全血から分離、捕捉することが
目的であり、白血球除去輸血用血液と培養原料用白血球
を一度に得ることに関しては一切言及されていない。こ
のような状況に伴い、今後大量に廃棄されることが予想
される輸血用白血球除去フィルターを有効活用しようと
いう動きも見られる。国際公開特許WO99/3221
1号公報には、使用済みの白血球除去フィルターに赤血
球溶血剤を導入して、白血球を回収することが開示され
ている。しかしながら、同公報には使用済み白血球除去
フィルターに液体をいかに導入するかについては全く記
載されていない。実施例から推察するに、使用済み白血
球除去フィルター(出口側に接続されていた白血球除去
後血液製剤入りバッグが切り離されて、チューブ先端は
ヒートシールされていると推察される)の出口側のチュ
ーブ先端を切断し、その先端を回収用液体の入った容器
に入れ、チューブをペリスタポンプにセットし20〜9
0rpmで送液(ペリスタポンプを用いて20〜90r
pmで送液するという記載は実施例中にある)し、一
方、フィルター入口側もチューブを切断し、遠沈管に受
けているものと考えられる。これらのフィルターは、そ
もそも輸血用血液からの白血球除去のみが目的であるた
め、該用途に用いるには多くの不都合がある。たとえ
ば、前述のような使用法では、多くが完全開放系の操作
となるため無菌性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は白血球
除去用途のみならず、初めから白血球回収への用途をも
意図した装置とすることによって、無菌的操作が行いや
すい等、大幅に利便性が改善された白血球除去・回収フ
ィルター装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
点を解決すべく、鋭意検討を進めた結果、本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、白血球除去フィルタ
ーの上流に白血球回収用流体導入手段を接続するための
手段を、下流に白血球含有液回収手段を接続するための
手段を設けるか、または下流に白血球回収用流体導入手
段を接続するための手段を、上流に白血球含有液回収手
段を接続するための手段を設けたことを特徴とする白血
球除去・回収フィルター装置であり、また本発明は白血
球除去フィルターの上流側に白血球回収用流体導入手段
を、下流側に白血球含有液回収手段を設けるか、または
下流側に白血球回収用流体導入手段を、上流側に白血球
含有液回収手段を設けたことを特徴とする白血球除去・
回収システムであり、さらに本発明は使用済み白血球除
去フィルターの血液導入口側または血液導出口側に接続
可能な白血球回収用流体導入手段と、血液導出口側また
は血液導入口側に接続可能な白血球含有液回収手段を少
なくとも含む、使用済み白血球除去フィルターを利用す
るためのキットである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
言う白血球除去フィルターとは、輸血用白血球除去血液
製剤を製造するために血液(全血だけでなく赤血球製
剤、血小板製剤を含む)を濾過するフィルターのことで
ある。本発明では血液濾過後の白血球除去フィルターか
ら、該フィルターに捕捉されている白血球を回収して各
種用途に用いるが、その用途としては該白血球の培養に
よる有用物質の生産、該白血球からの有用物質の抽出、
該白血球からの治療用細胞製剤の製造、該白血球からの
研究用細胞の製造があげられる。ここで、該白血球の培
養による有用物質の生産とは、回収した白血球を培養装
置に移し、培地中で培養することでインターフェロンな
どの有用物質を生産することを言い、培地の組成はいか
なる物質を生産するかにより適宜選択される。また、白
血球全体をそのまま培養に供する以外にさらなる細胞分
離により顆粒球、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ
球、Tリンパ球、ヘルパーTリンパ球、細胞傷害性Tリ
ンパ球、サプレッサーTリンパ球、Bリンパ球、NK細
胞、単球、樹状細胞、造血幹/前駆細胞、間葉系幹/前
駆細胞(stroma stem cellまたはme
senchymal stem cell)などの亜分
画に分離してから用いることも含まれる。該白血球から
の有用物質の抽出とはたとえば細胞膜、細胞質、核など
から各種タンパク質、ペプチド、DNAなどを抽出する
ことがあげられる。また、白血球全体から抽出する以外
にさらなる細胞分離により顆粒球、好中球、好塩基球、
好酸球、リンパ球、Tリンパ球、ヘルパーTリンパ球、
細胞傷害性Tリンパ球、サプレッサーTリンパ球、Bリ
ンパ球、NK細胞、単球、樹状細胞、造血幹/前駆細
胞、間葉系幹/前駆細胞(stroma stem c
ellまたはmesenchymal stem ce
ll)などの亜分画に分離してから有用物質の抽出に用
いることも含まれる。治療用細胞製剤の製造とは、細胞
そのもの(培養による増幅や活性化などを含む)を輸注
する細胞療法(目的としては癌治療、感染症治療などが
あげられるがこれらに限定されるものではない)におい
て用いる細胞製剤の製造のことを言い、また、白血球全
体をそのまま用いる以外にさらなる細胞分離により顆粒
球、好中球、好塩基球、好酸球、リンパ球、Tリンパ
球、ヘルパーTリンパ球、細胞傷害性Tリンパ球、サプ
レッサーTリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、単球、樹
状細胞、造血幹/前駆細胞、間葉系幹/前駆細胞(st
roma stem cellまたはmesenchy
mal stem cell)などの亜分画に分離して
から治療用細胞製剤の製造に用いることも含まれる。研
究用細胞の製造とは、白血球の機能・形態などの研究
や、特開平5−133957号公報で開示されているフ
ローサイトメトリーにおける精度管理用(コントロー
ル)細胞の製造などのことを言うが、これらに限定され
るものではない。
【0006】本発明による白血球除去・回収フィルター
装置では白血球回収用流体導入手段を接続するための手
段と白血球含有液回収手段を接続するための手段が設け
られているが、本発明で言う白血球回収用流体導入手段
を接続するための手段とは、白血球回収用流体導入手段
が何であるかにより、以下の様に分けられる。すなわ
ち、白血球回収用流体導入手段がシリンジ(オスルアー
口)である場合、チューブの途中に設けられた、T字管
や三方活栓などメスルアー口を有するものであり、チュ
ーブ付きシリンジまたはバッグ(シリンジまたはバッグ
に接続可能なルアー付きチューブやスパイク付きチュー
ブを含む)である場合、チューブからT字管、Y字管ま
たは三方活栓により分岐した新たなチューブである。白
血球回収用流体導入手段がチューブ付きシリンジまたは
バッグである場合、無菌接続器(以下SCD)により接
続する。また、穿刺可能なポートを持つバッグまたはボ
トルの場合、スパイクまたは金属針である。また、ここ
で言う白血球含有液回収手段を接続するための手段と
は、白血球含有液回収手段が何であるかにより、以下の
様に分けられる。すなわち、白血球含有液回収手段がシ
リンジ(オスルアー口)である場合、チューブの途中に
設けられた、T字管や三方活栓などメスルアー口を有す
るものであり、チューブ付きシリンジまたはバッグ(シ
リンジまたはバッグに接続可能なルアー付きチューブや
スパイク付きチューブを含む)である場合、チューブか
らT字管、Y字管または三方活栓により分岐した新たな
チューブである。また、穿刺可能なポートを持つバッグ
またはボトルの場合、スパイクまたは金属針である。次
に本発明による白血球除去・回収フィルター装置の使用
方法について、一実施態様の模式図である図1を用いて
説明する。なお、本装置は通常の白血球除去フィルター
装置に白血球回収用流体導入手段を接続するための手段
と、白血球含有液回収手段を接続するための手段を、そ
れぞれ白血球除去フィルターの下流と上流に付加したも
のである。まず、白血球含有液回収手段を接続するため
の手段たるスパイク3に白血球含有液回収手段である空
の血液バッグを刺し、次に三方活栓2はスパイク1と白
血球除去フィルター4のみが連通するように、白血球回
収用流体導入手段を接続するための手段たる三方活栓5
は白血球除去フィルター4と血液バッグ6のみが連通す
るようにしておく。次に白血球を含有する血液の入った
バッグをスパイク1に刺して血液を濾過し、白血球除去
血液を血液バッグ6に回収する。次に、白血球回収用流
体の入った、白血球回収用流体導入手段たるシリンジを
三方活栓5に接続し、三方活栓2は白血球除去フィルタ
ーとスパイク3のみが連通するように、三方活栓5はシ
リンジと白血球除去フィルター4のみが連通するように
する。シリンジのプランジャーを手で勢いよく押すと白
血球除去フィルター4に捕捉されている白血球はスパイ
ク3に接続されたバッグに回収される。血液バッグ6に
回収された白血球除去血液は輸血などに、スパイク3に
接続されたバッグに回収された白血球は該白血球の培養
による有用物質の生産、該白血球からの有用物質の抽
出、該白血球からの治療用細胞製剤の製造、該白血球か
らの研究用細胞の製造などに用いられる。
【0007】また、本発明の白血球除去・回収システム
では白血球除去フィルター装置に白血球回収用流体導入
手段と白血球含有液回収手段が設けられているが、ここ
で白血球回収用流体導入手段とはチューブの途中に設け
られたT字管、Y字管や三方活栓などで分岐したチュー
ブの先端に接続されるシリンジやバッグ、ボトルなどの
容器であり、予め容器の中に液体をいれておいてもよ
い。また、白血球含有液回収手段とはT字管、Y字管や
三方活栓などで分岐したチューブの先端に接続されるシ
リンジやバッグ、ボトルなどの容器のことを言う。白血
球回収用流体は、たとえば細胞の機能を維持したまま回
収したい場合は生理食塩水やダルベッコリン酸緩衝液、
ハンクス液などの緩衝液またはRPMI1640などの
培地に代表される生理的溶液を、回収と同時に細胞を破
壊して細胞の構成成分を回収したい場合には界面活性剤
等の白血球溶血剤を、培養による有用物質の生産に利用
したい場合は当該培養に用いる培地を、培養により別の
細胞に分化誘導させたい場合は当該培養に用いる分化誘
導薬剤(例えば樹状細胞への分化誘導ならIL4とGM
−CSFなど)を用いるといった具合に、目的により適
宜選択する。また、ここで言う白血球回収用流体とは液
体単体のみならず、空気、アルゴン、窒素など細胞に悪
影響を及ぼさない気体を混合したものも含まれる。次に
上記した本発明の白血球除去・回収システムの使用方法
について、一実施態様の模式図である図2を用いて説明
する。なお、本システムは通常の白血球除去フィルター
装置に白血球回収用流体導入手段と、白血球含有液回収
手段を、それぞれ白血球除去フィルターの下流側と上流
側に付加したものである。まず、三方活栓2はスパイク
1と白血球除去フィルター4のみが連通するように、三
方活栓5は白血球除去フィルター4と血液バッグ6のみ
が連通するようにしておく。次に白血球を含有する血液
の入ったバッグをスパイク1に刺して血液を濾過し、白
血球除去血液を血液バッグ6に回収する。次に、三方活
栓2は白血球除去フィルター4と白血球含有液回収手段
たる空の血液バッグ7のみが連通するように、三方活栓
5は白血球回収用流体導入手段たる回収液の入ったシリ
ンジ8と白血球除去フィルター4のみが連通するように
する。シリンジのプランジャーを手で勢いよく押すと白
血球除去フィルター4に捕捉されている白血球は空の血
液バッグ7に回収される。血液バッグ6に回収された白
血球除去血液は輸血などに、血液バッグ7に回収された
白血球は該白血球の培養による有用物質の生産、該白血
球からの有用物質の抽出、該白血球からの治療用細胞製
剤の製造、該白血球からの研究用細胞の製造などに用い
られる。本発明による白血球除去・回収システムには、
さらに白血球回収用流体導入手段に押圧を与える押圧手
段を含んでもよい。ここで、押圧手段は圧力伝達手段と
圧力負荷手段からなるが、圧力伝達手段としてはピスト
ン、平板、ラック・ピニオン、ギヤなどがあり、圧力負
荷手段としては機械バネ、圧縮気体、モーターがある。
圧力負荷手段で発生した力は圧力伝達手段を通じ(圧力
負荷手段がモーターなど回転運動体の場合、圧力伝達手
段で回転運動が直線運動に変換される)白血球回収用流
体導入手段に伝達され同導入手段に押圧が付与される。
白血球回収用流体導入手段がバッグの場合、これが押し
つぶされることにより、また白血球回収用流体導入手段
がシリンジの場合、プランジャーが押されることで白血
球回収用流体が白血球除去フィルターに導入され、捕捉
されている白血球が白血球含有液回収手段に回収され
る。なお、極めて多量の白血球回収操作を行う場合は手
で白血球回収用流体導入手段を押すのは肉体的に過酷な
作業となりうるので、押圧手段を利用することが好まし
いと考える。
【0008】本発明のキットにおける使用済み白血球除
去フィルターの血液導入口側または血液導出口側に接続
可能な白血球回収用流体導入手段とは、白血球除去フィ
ルターの上流または下流に接続され、該白血球除去フィ
ルターに白血球回収用流体を導入するものであり、白血
球除去フィルターに導入する白血球回収用流体を入れた
容器を白血球回収用流体導入手段に予め接続しておく
か、後から接続可能とするかにより、また、白血球回収
用流体の注入手段により以下の様に分類される。すなわ
ち、容器を予め白血球回収用流体導入手段に接続してお
く場合は、上記回路としてはバッグ付きチューブ、シリ
ンジ付きチューブ等があげられる。これらのチューブ
(以下本チューブと言う)はたとえばSCDでフィルタ
ーの上流または下流に接続できる。もちろん、無菌性が
問題とならない場合はフィルターに接続されているチュ
ーブを切断あるいは取り外して、本チューブを挿入して
もよい。バッグの場合、送液方法としてはバッグを押し
つぶす方法、ローラーポンプを用いる方法、落差による
方法、またシリンジが接続された分岐した流路を設け、
シリンジにいったん吸引し、シリンジのプランジャーを
押して注入する、などがあげられる。シリンジの場合、
送液方法としてはプランジャーを手で押す、シリンジポ
ンプなどの装置で押す、があげられる。容器を後から流
体導入手段に接続する場合のうち、容器としてシリンジ
を用いる場合はシリンジの針で穿刺可能なセプタム付き
チューブ、ルアーアダプター(メス)付きチューブ、三
方活栓付きチューブ等があげられる。これらのチューブ
はたとえばSCDでフィルターの上流または下流に接続
できる。もちろん、無菌性が問題とならない場合はフィ
ルターに接続されているチューブを切断あるいは取り外
して、本チューブを挿入してもよい。容器としてバッグ
を用いる場合はバッグと接続可能な回路、すなわちスパ
イク付きチューブ、ルアーアダプター(オス、メス)付
きチューブ、あるいはSCD接続を行うのであれば単な
るチューブがあげられる。容器がボトルの場合は金属針
付きチューブがあげられる。これらのチューブはたとえ
ばSCDでフィルターの上流または下流に接続できる。
もちろん、無菌性が問題とならない場合はフィルターに
接続されているチューブを切断あるいは取り外して、本
チューブを挿入してもよい。なお、これらのチューブを
フィルターの上流側に接続した場合は、後述の、白血球
含有液回収手段は下流側に接続することになり、これら
のチューブを下流側に接続した場合は白血球含有液回収
手段は上流側に接続することになる。送液方法として
は、前記の容器を接続していない場合と同様、バッグを
押しつぶす方法、ローラーポンプを用いる方法、落差に
よる方法、またシリンジが接続された分岐した流路を設
け、シリンジにいったん白血球回収用流体を吸引し、シ
リンジのプランジャーを押して注入する、などがあげら
れる。シリンジの場合、送液方法としてはプランジャー
を手で押す、シリンジポンプなどの装置で押す、があげ
られる。
【0009】本発明のキットにおける使用済み白血球除
去フィルターの血液導出口側または血液導入口側に接続
可能な白血球含有液回収手段とは、白血球除去フィルタ
ーの下流または上流に接続され、該白血球除去フィルタ
ーから前述の白血球回収用流体を導入して捕捉状態が解
かれた白血球含有液を回収するものであり、回収された
白血球含有液を貯留する容器を予め白血球含有液回収手
段に接続しておくか、後から接続可能とするかにより以
下の様に分類される。すなわち、容器を予め白血球含有
液回収手段に接続しておく場合は、上記回路としてはバ
ッグ付きチューブ、シリンジ付きチューブ等があげられ
る。これらのチューブはたとえばSCDでフィルターの
下流または上流に接続できる。もちろん、無菌性が問題
とならない場合はフィルターに接続されているチューブ
を切断あるいは取り外して、本チューブを挿入してもよ
い。なお、回収白血球を回収後に培養に供する場合、培
養器(培養バッグなど)を接続しておくこともできる。
容器を後から白血球含有液回収手段に接続する場合のう
ち、容器としてシリンジを用いる場合はシリンジの針で
穿刺可能なセプタム付きチューブ、ルアーアダプター
(メス)付きチューブ、三方活栓付きチューブ等があげ
られる。これらのチューブはたとえばSCDでフィルタ
ーの下流または上流に接続できる。容器としてバッグを
用いる場合はバッグと接続可能な回路、すなわちスパイ
ク付きチューブ、ルアーアダプター(オス、メス)付き
チューブ、あるいはSCD接続を行うのであれば単なる
チューブがあげられる。容器として遠沈管や試験管を用
いる場合はスパイクや金属針チューブが用いられる。容
器がボトルの場合は金属針付きチューブがあげられる。
また、回収後に培養に供する場合、培養器(培養バッグ
など)と接続可能な端子を付けておくこともできる。こ
れらのチューブはたとえばSCDでフィルターの下流ま
たは上流に接続できる。もちろん、無菌性が問題となら
ない場合はフィルターに接続されているチューブを切断
あるいは取り外して、本チューブを挿入してもよい。
【0010】次に本発明によるキットの使用方法につい
て、一実施態様の模式図である図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施態様の一例であり、予め白血球回収
用流体が含有されたシリンジ付きチューブを白血球回収
用流体導入手段として、血液バッグを白血球含有液回収
手段として用いるものである。図4において9は白血球
回収用流体の入ったシリンジであり、シリンジの口には
チューブ10が接続されており、その先端は閉鎖されて
いる。11は空の白血球含有液回収手段であり、先端に
スパイクを有するチューブ12が血液バッグ本体から出
ている。次に使用方法を説明する。4の使用済み白血球
除去フィルターの出口側チューブ13を予めカンシで止
め、カンシと白血球除去フィルターの間にSCDを用い
てチューブ10を接続する。次にカンシで白血球除去フ
ィルターの入口側チューブ14をカンシで止め、カンシ
と白血球除去フィルターの間にSCDを用いてチューブ
12を接続する。次にシリンジを手で勢いよく押すこと
で、白血球回収用流体を使用済み白血球除去フィルター
4に導入し、捕捉されていた白血球を白血球含有液回収
手段11に回収する。なお、キットにおいては白血球回
収用流体を予め流体収納容器に入れておいてもよく、ま
た別の容器に入った液体をキットの中に含めてもよい。
また、白血球回収用流体導入時に、白血球除去フィルタ
ーにのみ流体が注入され、白血球含有液回収手段にのみ
白血球含有液が回収されるように、不要な流路を遮断す
るカンシやクランプをキットに含めても良いし、含めな
くても良い。
【0011】
【実施例1】本実施例では白血球除去フィルターに白血
球回収用流体導入手段を接続するための手段と、白血球
含有液回収手段を接続するための手段を、それぞれ白血
球除去フィルターの下流と上流に付加した白血球除去・
回収フィルター装置を用いた。 1.白血球除去・回収フィルター装置および白血球除去
血液の調製 図1の白血球除去・回収フィルター装置を用い、赤血球
濃厚液1単位を濾過し、6の血液バッグに白血球除去濃
厚赤血球液を回収した。なお、白血球除去フィルターは
旭メディカル社製セパセルRZ200を用いた。 2.捕捉白血球の回収 白血球含有液回収手段を接続するための手段たるスパイ
ク3に白血球含有液回収手段たる空の血液バッグを接続
した。次に白血球回収用流体導入手段たる、100ml
生理食塩水溶液の入ったシリンジを白血球回収用流体導
入手段を接続するための手段たる三方活栓5に接続し、
シリンジを勢いよく押すことで、スパイク3に接続して
ある空の血液バッグに白血球を回収した。 3.評価 白血球数はシスメックス社製多項目自動血球分析装置S
F3000を用いて測定、回収した白血球含有液の無菌
試験は関東化学社製「オクソイド血液培養システムSi
gnal」により行った。 4.結果 結果のまとめを表1に示す。
【表1】
【0012】
【比較例1】1.白血球除去・回収フィルター装置およ
び白血球除去血液の調製 市販の白血球除去フィルター装置(旭メディカル社製R
Z200AW)を用い、赤血球濃厚液1単位を濾過し、
白血球除去濃厚赤血球液を回収した。 2.捕捉白血球の回収 フィルター出口側のチューブを切断し、チューブの切断
面に100ml生理食塩水溶液入りシリンジの口を挿入
した。また、フィルター入口側のチューブを切断し、先
端をコニカルチューブの中にたらした。シリンジを勢い
よく押すことで白血球をコニカルチューブに回収した。
なお、チューブの径に比し、シリンジの口が細く隙間が
あいているためリークの可能性があり、シリンジを押す
際にはシリンジの口が挿入されたチューブをしっかり押
さえる人手を必要とした。 3.評価 白血球数はシスメックス社製多項目自動血球分析装置S
F3000を用いて測定、回収した白血球含有液の無菌
試験は関東化学社製「オクソイド血液培養システムSi
gnal」により行った。 4.結果 結果のまとめを表2に示す。
【表2】
【0013】
【実施例2】本実施例は使用済み白血球除去フィルター
の血液導入口側に接続可能な白血球含有液回収手段と、
血液導出口側に接続可能な白血球回収用流体導入手段か
らなるキットを用いたものである。使用済み白血球除去
フィルター(旭メディカル製セパセルRZ200AW)
の出口側チューブ13をカンシで止め、カンシと使用済
み白血球除去フィルターの血液導出口の間にSCDを用
いて白血球回収用流体導入手段たるシリンジ付きチュー
ブ(シリンジには生理食塩水100mlを含む)を接続
する。次に使用済み白血球除去フィルターの入口側チュ
ーブ14をカンシで止め、カンシと使用済み白血球除去
フィルターの血液導入口の間に白血球含有液回収手段た
る空の血液バッグ付きチューブをSCDで接続した。次
にシリンジのプランジャーを手で押し、生理食塩水を使
用済み白血球除去フィルターに導入し空の血液バッグに
白血球浮遊液を回収した。なお、同フィルターは赤血球
濃厚液(RC−MAP)1単位を濾過したものである。
白血球回収率は約14%であった(シスメックス社製多
項目自動血球分析装置SF3000を用いて測定)。得
られた白血球浮遊液を5ml分取し10%SDS(ドデ
シル硫酸ナトリウム)を加えて細胞を破壊し、粗DNA
を遠沈管に回収した。回収したDNAは常法であるプロ
テアーゼKによる除タンパクとフェノール・クロロホル
ム法により精製した。精製DNAを分光光度計により2
60nmの吸光度を測定する常法(中山、他:細胞工学
別冊「バイオ実験イラストレイテッド」分子生物学実
験の基礎、1995年)で測定したところ、189μg
のDNAが回収できていることが分かった。結果のまと
めを表3に示す。
【表3】
【0014】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば白血球
除去用途のみならず、初めから白血球回収への用途をも
意図した装置が提供できるので、無菌的操作が行いやす
い等、大幅に利便性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の「白血球除去・回収フィルター装置」
の模式図である。
【図2】本発明の「白血球除去・回収システム」の模式
図である。
【図3】本発明の「白血球除去・回収システム」の別の
模式図である。
【図4】本発明の「使用済み白血球除去フィルターを利
用するためのキット」の模式図である。
【符号の説明】
1 スパイク 2 三方活栓 3 スパイク 4 白血球除去フィルター 5 三方活栓 6 血液バッグ 7 血液バッグ 8 シリンジ 9 シリンジ 10 チューブ 11 血液バッグ 12 チューブ 13 出口側チューブ 14 入口側チューブ 15 押圧手段 16 圧力伝達手段 17 圧力負荷手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白血球除去フィルターの上流に白血球回
    収用流体導入手段を接続するための手段を、下流に白血
    球含有液回収手段を接続するための手段を設けるか、ま
    たは下流に白血球回収用流体導入手段を接続するための
    手段を、上流に白血球含有液回収手段を接続するための
    手段を設けたことを特徴とする白血球除去・回収フィル
    ター装置。
  2. 【請求項2】 白血球除去フィルターの上流側に白血球
    回収用流体導入手段を、下流側に白血球含有液回収手段
    を設けるか、または下流側に白血球回収用流体導入手段
    を、上流側に白血球含有液回収手段を設けたことを特徴
    とする白血球除去・回収システム。
  3. 【請求項3】 さらに白血球回収用流体導入手段に押圧
    を与える、圧力伝達手段と圧力負荷手段からなる押圧手
    段を含む、請求項2に記載の白血球除去・回収システ
    ム。
  4. 【請求項4】 使用済み白血球除去フィルターの血液導
    入口側または血液導出口側に接続可能な白血球回収用流
    体導入手段と、血液導出口側または血液導入口側に接続
    可能な白血球含有液回収手段を少なくとも含む、使用済
    み白血球除去フィルターを利用するためのキット。
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