JP2001197596A - オーディオ・トランスデューサ及びオーディオ・ビジュアル装置 - Google Patents

オーディオ・トランスデューサ及びオーディオ・ビジュアル装置

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JP2001197596A
JP2001197596A JP2000366934A JP2000366934A JP2001197596A JP 2001197596 A JP2001197596 A JP 2001197596A JP 2000366934 A JP2000366934 A JP 2000366934A JP 2000366934 A JP2000366934 A JP 2000366934A JP 2001197596 A JP2001197596 A JP 2001197596A
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audio
stator
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operating
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Markku Lipponen
リッポネン マルック
Erkki Nokkonen
ノッコネン エリック
Janne Haavisto
ハービスト ヤンヌ
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Nokia Mobile Phones Ltd
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    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良い音質を維持する小形スピーカの実現。 【解決手段】 電気的ディスプレイ(DSPL)を具備す
る装置(MS)にそのディスプレイの前面に振動可能に装
着された透明な静電ダイアフラム(ACT)が装備され
る。ディスプレイに導電性を持たせ、そのように形成し
た静電スピーカ(TD1)の固定子として使用する。変動
する直流電圧がダイアフラムとディスプレイへ供給さ
れ、この直流電圧はダイアフラムを共鳴させてそれぞれ
の変動電圧に応じて音を発生させる。ダイアフラムが透
明であるため、ユーザーはダイアフラムを介してディス
プレイを見ることが可能になる。代りに、同様の構成を
用いてディスプレイに透明な静電マイクを設けることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーディオ・トラン
スデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイを有する多くの様々な情報
装置、娯楽装置および通信装置が設計されている。この
ような装置を用いて、一般に画像と音声の形でマルチメ
ディアを提示できることは望ましいことである。これに
応じて、上記のような装置には聴覚と視覚双方の形で情
報の提示が可能なインターフェースが必要となる。
【0003】パーソナル・コンピュータを利用するビデ
オ電話などのリアルタイムのマルチメディア提示機能に
よって、ユーザーは、自分の話し相手の声と画像の双方
を視聴することができる。典型的なパーソナル・コンピ
ュータにはマイクロプロセッサ・ベースの中央演算処理
装置とキーボードが設けられている。モニターは通常、
典型的には対角線の長さが少なくとも35cm(14イ
ンチ)のサイズのCRT(ブラウン管)を含む筐体から成
る。パーソナル・コンピュータが音を出すように構成さ
れている場合、モニターの筐体に一体化されるか、個別
ユニットとして設けられるかのいずれかの形でCRTの
両側にスピーカが配置されていると便利である。パーソ
ナル・コンピュータにはマイクを設けることも可能であ
る。スピーカをモニターの筐体内に一体化することによ
りコンピュータと周辺機器との初期接続が容易になる。
【0004】これらの装置で一般に使用されるスピーカ
はダイナミック・スピーカである。これに対して別のタ
イプのスピーカが提案されている。モニターの筐体の両
側に一体化されたパネル形の静電スピーカを備えたCR
TモニターがEP847670に開示されている。この
静電スピーカには、振動するダイアフラムとそのダイア
フラムを振動させるアクチュエータとが一体化されてい
る。したがって作動ダイアフラム自体も作動して振動す
る。このアクションによってスピーカの厚さが薄くな
り、しかもダイアフラムの最大運動の長さも短くなり、
ダイアフラムの単位面積当たりで従来のものより低い音
響出力が結果として得られる。モニターの筐体側部にこ
のようなスピーカを配置することにより、モニターの筐
体の前面から後部へスピーカの拡張が可能になり、それ
によってその幅をほんの少し増すだけでモニター筐体の
両側領域の利用が可能になる。しかし、ユーザーの方へ
ではなく外側へ向けてスピーカが設けられているため、
この構成では、音の出力方向はモニターの前面の方へで
はなく側方へ向かうことになる。
【0005】将来、セルラー通信システムで使用する移
動局にもマルチメディアの表示を可能にしようとするこ
とが意図されている。特に、いわゆる第3世代の移動局
用としてマルチメディア表示が提案されている。Nok
ia(登録商標)9110コミュニケータは音声信号と
ビデオ信号の表示を行うために現在使用できる移動局の
一例である。これは2つのヒンジ部分を備えた多機能移
動局である。この2つの部分を開くと、一方の部分に英
数字テキストの入力用QWERTYキーボードが現れ、
もう一方の部分にユーザーに情報を表示する広いLCD
ディスプレイ(液晶ディスプレイ)が現れる。この移動
局はファックス、e−メール、電話サービスを利用して
無線通信を行うことができる。またこの移動局によって
内臓スピーカとマイクを使ってハンドフリー(HF)の通
話を行うことも可能である。スピーカは移動局の内部に
装着され、音声は専用の導管(conduit)を介し
て移動局を取り囲むオープン・スペースへ伝えられる。
スピーカと導管は移動局内のスペースを占有する。した
がって、特定サイズのスピーカ構成を利用する際には、
音質と消費スペースとの間で妥協が図られる。HFスピ
ーカに加えてイヤホンとつながる別のスピーカが存在す
る。このイヤホン用スピーカによって移動局内で占有さ
れる空間がさらに増えることになり、移動局の筐体に通
孔を設ける必要が生じるが、これらの通孔は埃や湿気の
侵入点を与えることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】移動電話やスマート電
話のようなハンドヘルドの移動局のサイズは制限要因で
あるため、このような装置用のスピーカは可能な限り小
型化する選択をせざるを得ない。良い音質の維持とスピ
ーカ容積の小型化の必要性は将来高まることになろう。
第3世代の移動局を実現するのに必要な追加機能のため
により大型の移動局及び/又はより短いアイドル・タイ
ム並びに消費電力増加に起因する通話時間が必然的に求
められることになる。非常に限られたサイズと比較的高
い電力消費との間には矛盾が存在する。快適な最大サイ
ズが限定されている場合、狭すぎて十分な大容量電池を
収納できない可能性があり、また逆に、装置の長時間作
動を可能にする大容量電池が非常に大きなスペースを必
要とする場合もある。したがって移動局の構成要素の小
型化を望む要望が存在する。しかし、スピーカが小型化
されるにつれて、サイズが小型であるために音声による
応答が損なわれ、再生された音声およびその他のオーデ
ィオ信号が理解困難になり及び/又は聴きづらくなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様によ
れば、音響信号形式と電気信号形式の間で信号を変換す
るオーディオ・トランスデューサが提供され、このオー
ディオ・トランスデューサは作動ダイアフラムと、固定
子と、作動ダイアフラムを支持する、固定子に隣接する
支持体とを有し、作動ダイアフラムと固定子双方が透明
な材質を有することを特徴とする。
【0008】好適には、作動ダイアフラムと固定子とが
透明であるため、ユーザーが物体を見ることが妨げられ
ることなく、ユーザーと、スクリーンのような物体との
間にオーディオ・トランスデューサの配置が可能である
ことが望ましい。これによって見る必要のある物体の前
面にトランスデューサを配置することが可能となる。
【0009】本発明の第2の態様によれば、光デバイス
と、音響信号形式と電気信号形式との間で信号変換を行
うオーディオ・トランスデューサであって、作動ダイア
フラムと、固定子と、固定子に隣接する作動ダイアフラ
ムを支持する支持体とを有するオーディオ・トランスデ
ューサとを、備えて成るオーディオ・ビジュアル装置が
提供され、オーディオ・ビジュアル装置は、作動ダイア
フラムと固定子の双方が透明な材質を有し、オーディオ
・トランスデューサが光デバイスに隣接して設けられる
ことを特徴とする。
【0010】透明なオーディオ・トランスデューサと光
デバイスとを組み合わせると好適である。それによっ
て、同一の領域を利用して画像の入出力と音響あるいは
音声の入出力とを行うことが可能となる。
【0011】好適には、作動ダイアフラムが、音響によ
るレスポンスを生成するために、作動ダイアフラムと相
互に作用する電気信号に応じて振動することが望まし
い。或いは、作動ダイアフラムが、作動ダイアフラムと
相互に作用する音響信号に応じて振動して電気的レスポ
ンスを生成するように設けられることが望ましい。
【0012】好適には、オーディオ・トランスデューサ
は、スピーカとマイクあるいはこの双方の組合せである
ことが望ましい。オーディオ・トランスデューサがユー
ザーとディスプレイとの間に配置される透明な素子であ
る本発明の実施例では、この事実によって音響素子とし
て利用可能な比較的広い表示用表面積を設けることが可
能となる。
【0013】光デバイスは、移動局、鏡、ウインドウ、
電気的ディスプレイ、太陽電池、タッチスクリーンある
いは照明器(illuminator)であってもよ
い。電気的ディスプレイとは、スクリーンと、電気的入
力信号を受信する入力部と、その電気的入力信号に対応
するテキストや画像をスクリーン上に表示する手段とを
備えたディスプレイである。
【0014】本発明によって、情報表示用ディスプレイ
に必要な表面積をオーディオ・トランスデューサ用とし
て利用することが可能となるので、スクリーンより狭く
ないオーディオ・トランスデューサを用いて、コンパク
ト・サイズのユーザー用インターフェース装置を設ける
ことが可能となる。これによって、従来のものより小型
のユーザー・インターフェース装置の製造と、普通サイ
ズのユーザー・インターフェース装置の製造とが可能に
なり、しかも改善された音質が得られる。或いは、光デ
バイスが太陽電池であれば、太陽電池の表面を利用して
音が出るようにでき、表面の利用効率が改善される。音
声による応答が光デバイス領域を音源として発せられる
と、この応答は、ユーザーの耳には光デバイスから発せ
られたもののように聞こえる。本発明によるディスプレ
イをテレビ会議用として使用すると、音声がディスプレ
イから発せられて現実感のある印象を与えることができ
る。バックミラーに本発明を設けて車両の後方に在る物
体までの距離をユーザーに知らせるようにすることがで
きる。展示会の棚のウィンドウに設ければ、特定の陳列
品についての告知を行うこともできる。
【0015】好適にはこのオーディオ・ビジュアル装置
は無線通信用無線ブロックをさらに備えた移動局である
ことが望ましい。
【0016】好適には、このディスプレイは作動ダイア
フラムを介して見えるように設けられることが望まし
い。
【0017】本発明の利点は、トランスデューサのダイ
アフラム自身が音響信号形式と電気信号形式の間の変換
を行うことである。コイルや磁石のような専用の運動変
換素子は不要となる。したがって、トランスデューサに
必要なものは振動するダイアフラムを配置できる狭い奥
行きだけとなる。さらに、光デバイスの外側の面にトラ
ンスデューサを設けることにより(例えばディスプレイ
や太陽電池などに隣接して)、音を伝えるための導管の
設置が不要になる。これによって装置の筐体内に他の構
成要素用として使用できる若干のスペースが解放され、
それによって機能を落とすことなく従来のものより小型
の装置の製造が可能になる。本発明によって設けられる
トランスデューサは比較的広い面を持つため、トランス
デューサをスピーカとして使用すると最大音圧も上り、
トランスデューサをマイクとして使用するとトランスデ
ューサの感度も高められる。さらに、スピーカとしてト
ランスデューサを使用するとき、音声が一方の側部から
ではなく画像から出て来るように聞こえる。同様に、ト
ランスデューサをマイクとして使用するとき、ユーザー
が直接ディスプレイに向かって話しかけることができる
ため、トランスデューサは効率的に音声を受け取ること
ができる。
【0018】好適には、作動ダイアフラム用固定子とし
てディスプレイを利用することが望ましい。これによっ
て必要な部品数が軽減される。
【0019】好適には、外側の保護用ダイアフラムとデ
ィスプレイとの間に作動ダイアフラムを配置し、作動ダ
イアフラムを機械的損傷から保護するようにすることが
望ましい。この場合、ユーザーがこの外側の保護用ダイ
アフラムを介して見ることができるようになっている。
この外側の保護用ダイアフラムを透明なものにすること
ができる。好適には、外側のダイアフラムは導電性を有
し、さらに、作動ダイアフラム用固定子としても機能す
るように設けることが望ましい。好適には、音波が中を
通り抜けることが可能な材質で外側のダイアフラムをつ
くり、トランスデューサによって生成された音がオーデ
ィオ・ビジュアル装置のユーザーの耳に聞こえるように
することが望ましい。外側の保護用ダイアフラムを多孔
質性材料で製造したり、通孔を設けるようにしてもよ
い。或いは、グリッドを使用して作動ダイアフラムの保
護を可能にし、その一方で、作動ダイアフラムから、オ
ーディオ・ビジュアル装置を取り囲むスペースへ音波を
伝えることができるようにすることも可能である。
【0020】好適には、ディスプレイからの音声出力に
加えて、作動ダイアフラムを用いてオーディオ・ビジュ
アル装置のイヤホン用音声を発生できることが望まし
い。
【0021】本発明の第3の態様によれば、視覚と聴覚
によるレスポンスを生成する方法が提供され、透明な静
電作動ダイアフラムが電気的ディスプレイに隣接する基
準位置に設けられる。上記方法は、電気的ディスプレイ
に画像を表示するステップと、作動ダイアフラムへ電気
的可聴信号を供給して、作動ダイアフラムを振動させ音
を発生させるステップとから成る。
【0022】好適には、本方法によって、電気的ディス
プレイを音源として音声が聞こえてくる印象をユーザー
に与えることが望ましい。
【0023】本発明の第4の態様によれば、ディスプレ
イ、スピーカ及びスピーカを駆動する変圧器を備えた装
置の製造方法が提供される。該方法は、ディスプレイに
隣接して透明な作動スピーカ・ダイアフラムを取り付け
るステップと、この透明な作動ダイアフラムを変圧器と
結合して、音を発生する振動素子としてこの透明な作動
ダイアフラムを駆動させるステップとから成る。
【0024】本発明によって、ディスプレイとスピーカ
を一体化することによりディスプレイとスピーカの双方
が同じ領域を占めるようになり、コンパクトで軽量な装
置の製造が可能になる。したがって、装置の筐体にスピ
ーカ用通孔を残す必要がなくなり、装置内への埃と湿気
の侵入阻止に大きく貢献する。さらに、スピーカと、装
置を取り囲むスペースとの間に、音声(audiophonic)ア
クセスを構成するための別個の通孔を設ける必要がなく
なるため製造プロセスが単純化される。
【0025】本発明は、移動電話、電気式ゲーム機、無
線電話機並びにラップトップ・コンピュータのようなも
っと大型の装置や、デスクトップ・コンピュータ用ディ
スプレイのような装置に適用可能である。本発明は、特
に、LCDあるいはエレクトロルミネッセンスのような
薄型ディスプレイに好適である。一般に、本発明は、ス
ペースが不足していて、かつ、比較的広いディスプレイ
を必要とするアプリケーションに利用することができ
る。
【0026】添付図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて例を挙げて説明を行う。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるスピーカ構成
SYS1を示す。スピーカ構成SYS1は電気式ディス
プレイを備えたディスプレイ装置内で使用される。移動
局の形をしたディスプレイ装置についてはこの後の図面
を参照しながら説明する。この構成には、透明な作動ダ
イアフラムACT(アクチュエータ)と、透明な固定子S
1と、互いに隣接する作動ダイアフラムACT及び固定
子S1を保持する絶縁支持体SUPとを有する静電スピ
ーカが含まれる。固定子S1は例えばディスプレイ画面
のコーティングとなる導電体を有する。この実施例では
ディスプレイ画面は図示されていない。固定子S1は、
このスピーカ構成を用いるディスプレイ装置の別の表
面、例えばCRT、LCDスクリーンあるいは太陽電池
のような電気光学装置の表面など、に一体化した導電性
フィルムの形になる。導電性フィルムはインジウムまた
はチタニウム酸化物を含んでいてもよい。或いは、固定
子は導体素子として機能する非常に細いワイヤからなる
金属グリッドをその表面に担持してもよい。この構成は
電磁両立性(elecromagnetic compatibility)カバーに
よって公知である。
【0028】作動ダイアフラムACTは細い金属グリッ
ドの形をしたガードS2によって機械的損傷を受けない
ように保護される。或いは、作動ダイアフラムACTは
透明なプラスチック・ダイアフラムであってもよい。ガ
ードに要求されることはただ、ユーザーがガードを透視
してディスプレイを見ることが可能であり、音波の通過
が可能であるということだけである。
【0029】透明なスピーカあるいはマイクをディスプ
レイに設ける本発明のこの実施例では、ディスプレイか
ら出る、あるいは、ディスプレイによって反射される光
の中のいくらかは、ユーザーがディスプレイを見ること
ができるようにスピーカあるいはマイクを通過できるよ
うになっている。透明なスピーカあるいはマイクが太陽
電池の前面に配置される本発明の実施例では、本発明に
よるオーディオ・トランスデューサは、トランスデュー
サ自体の中を若干の光が通過することを可能にし、太陽
電池が太陽エネルギーを電気に変換することを可能にす
る。この作動ダイアフラムに好適な1つの材料としてデ
ュポン社製の透明なMylar(登録商標)ポリエステ
ル・フィルムがある。このフィルムの好適な厚さはおよ
そ10μmの範囲である。金属部材または同様の導電性
部材を用いてこのようなフィルムのコーティングを行
う。このようなフィルムはポリエステル・コンデンサの
製造によって公知である。MartinLoganは、
静電スピーカにおいて、化学的にコーティングが施され
たMylarフィルムを使用している。このフィルム
は、フィルムに残留張力を残すように引っ張りながら装
着される。導電性プラスチックは当業者には周知のもの
である。
【0030】スピーカ構成SYS1には、作動ダイアフ
ラムと固定子の両端において急速に変化する電圧を供給
する駆動回路が含まれる。この駆動回路には、増幅器A
1、第1抵抗器R1、第1と第2出力ノードN1とN2
を備えた音声周波変圧器TF1、直流供給電圧及び第2
抵抗器R2が具備される。
【0031】シングルエンド形スピーカ構成の動作につ
いて説明する。増幅器A1は、低電圧可聴信号受信用と
して2つの入力1と入力2を備えた差動増幅器である。
また増幅器A1は、接地GNDとの接続と、供給電圧を
受けるための、動作電圧VBAT(電池により供給)との
接続と、増幅された可聴信号を出力する出力1と出力2
とを有する。第1抵抗器R1は、増幅器A1中の電流を
制限して過電流が流れないようにして増幅器を保護する
目的で使用される。第1抵抗器R1を通過後、約200
ボルトのピーク・ピーク出力電圧を供給するために、可
聴信号は音声周波変圧器TF1へ出力され約50倍の可
聴信号の電圧昇圧(boosting)が行われる。音
声周波変圧器TF1の第1出力ノードN1はHVバイア
スの負のノードと接続される。HVバイアスの正のノー
ドは、第2抵抗器R2を介して作動ダイアフラムと接続
される。音声周波変圧器TF2の第2出力ノードN2は
固定子S1と接続される。第1ノードN1と第2抵抗器
R2との間で接続される高電圧電源HVバイアスはスピ
ーカにおける一定の充電の保持に使用される。第2抵抗
器R2は高い抵抗を有し、HVバイアスおよびACTと
直列に接続して一定の充電動作を保証するようになって
いる。第2抵抗器R2の抵抗は10MΩから100MΩ
の範囲にある。
【0032】最初、平衡状態が存在し、作動ダイアフラ
ムACTは一定電圧と一定充電とを有し、そして作動ダ
イアフラムACTと固定子S1との間には電圧U1が生
じている。音を発生するためにこの平衡状態が乱され
る。増幅された可聴信号によって、作動ダイアフラムA
CTの電圧に関係して固定子S1の電圧が変化する。S
1に起因して、作動ダイアフラムACTに働く引力と斥
力の平衡が変化し、作動ダイアフラムACTが動くこと
により音が発生する。作動ダイアフラムの基準位置、す
なわち動きが生じる前に作動ダイアフラムが位置してい
たアイドル位置へ戻ろうとする力が作動ダイアフラムA
CT内の張力によって加えられる。またこの張力は、作
動ダイアフラムACTが固定子S1と接触するのを妨げ
るように働く。
【0033】スピーカの駆動に必要な電圧はいくつかの
パラメータの数に依存するが、それらのパラメータに
は、作動ダイアフラムACTと固定子S1の面積と、作
動ダイアフラムACTと固定子S1との間のギャップ
と、作動ダイアフラムACTの張力と、意図された音圧
レベル(SPL)と、所望の周波数応答と、HVバイアス
電圧レベル(SPLはHVバイアス電圧の増加と共に増
加する)とが含まれる。アクチュエータACTと固定子
S1との面積および形状は同一である必要はなく、また
電気伝導度も同一である必要はないことを理解すべきで
ある。ガードS2を用いるある実施例では、ガードS2
の形状、大きさ、厚さ、多孔度、および、通孔の大きさ
と数に基づくガードS2の音響減衰(sound dampening)
特性が影響を及ぼすので、これらの音響減衰特性を考慮
に入れる必要がある。アクチュエータのシート抵抗(Ω/
平方)は例えば100kΩ/平方であってもよい。
【0034】図2は本発明の第2の実施例によるスピー
カ構成SYS2を示す図である。この構成は、第1の実
施例と類似しており、対応部分に対して対応する参照符
号が当てられている。この実施例では、ガードS2が第
2の固定子として使用され、作動ダイアフラムACTの
駆動を強めている。これによって音の歪みが減り音圧レ
ベルSPLが高められる。この2つの固定子を備えた構
成では、第1ノードN1は変圧器の2次コイル上に存在
する中間ノードとなる。N1とN2との間のコイルの巻
数はN2とN3との間の巻数に通常等しい。コイル端部
のノードはN2とN3として示されている。N3はS1
と接続し、N2はS2と接続している。N1とACTと
の間には、HVバイアス電圧と抵抗器R2とが直列に接
続されている。別の実施例では、変圧器TF1のノード
N2とN3との間に2つの等しいコンデンサまたは抵抗
器を直列に接続して中間電圧が設けられる。次いで、2
つのコンデンサまたは抵抗器の接続部でノードN1に対
応する電圧出力を得ることが可能となる。HVバイアス
電圧は上述のようにノードN1に接続される。
【0035】スピーカ構成SYS2の動作はスピーカ構
成SYS1の動作と同様である。スピーカ構成SYS2
が動作しているが音が発生しないアイドル・モードでは
作動ダイアフラムACTは固定子に対して定電圧を有す
る。増幅された可聴信号電圧が2つの固定子S1とS2
の両端に印加される結果、作動ダイアフラムACTは一
方の固定子へ向かう引力と、他方の固定子へ向かう斥力
とを受ける。したがってスピーカ構成SYS2はプッシ
ュ・プル式に作動する。可聴信号の階段状変化によっ
て、S1とACTとの間の引力の同時的変化、並びに、
S2とACTとの間の斥力の同時的変化が生じる。
【0036】図3は本発明による移動局MSの側面図を
示す。移動局MSは図2のスピーカ構成を有する。した
がって、対応する参照符号は対応する部分を示す。ディ
スプレイDSPLは移動局MSの内部に一体化され、そ
の最上面は固定子として機能する。作動ダイアフラムA
CTがガードS2とディスプレイDSPLとの間に挟ま
れ、作動ダイアフラムACTの両側にギャップができて
作動ダイアフラムACTが振動できるスペースが残され
る。導管SC1が作動ダイアフラムACTとディスプレ
イDSPLとの間のギャップから通じている。導管SC
1の1つの端部はACTの後部スペースの中へ開き、も
う一方の端部は移動局MSのディスプレイDSPLの反
対側の側部にある開口部の中へ開いている。この構成に
よって2つの異なるスピーカがユーザーに提供される
が、これらのスピーカの双方とも同じ電子装置と同じ作
動ダイアフラムを使用している。この構成は、ディスプ
レイDSPLが内面に接して配置され、それによって閉
じられたとき装置内に含まれるようになる折畳み可能な
2つの部分からなる(two-part)装置でさらに一層好適で
ある。これによって、イヤホン用スピーカSPK2から
出る音の方向とは反対方向への音の放射が減少する。装
置中への埃の侵入を阻止するために、導管の両端にわた
って伸びるピンと張ったダイアフラムを用いて導管を閉
じることができる。スピーカによってスピーカを取り囲
む空気が振動し、その空気が、ピンと張ったダイアフラ
ムを導管の中でさらに振動させる。次いで、このダイア
フラムはダイアフラムの反対側にある空気へその振動を
伝え、それによってダイアフラム自身を介して音が通過
する。
【0037】図4は図3の移動局のブロック図を示す。
この移動局は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロ
セッサDSPあるいは他の機能的に類似したユニットで
あってもよい主制御ユニットMCUを有する。MCUは
移動局のその他のブロックの制御を行う。これらのブロ
ックの中には、データの無線周波数処理用RFブロッ
ク、並びに、MCUの実行命令を記憶するランダム・ア
クセス・メモリ(RAM)と、実行命令を不揮発性メモリ
に保存するリード・オンリー・メモリROMと、ユーザ
ー情報の保存などための、変動する可能性のあるデータ
の再書込みと不揮発性保存が可能な、フラッシュROM
やデジタル・メモリ・ディスクのような、不揮発性メモ
リとを備えるメモリ・ブロックMEMが含まれる。移動
局は、キーボードKBのような、ユーザー応答から入力
を受ける入力手段を有する。また移動局は、電気的ディ
スプレイDSPLと、移動局用の動作電圧を発生させる
ための及び/又は移動局の電池BATTの再充電を行う
ための太陽電池SCELLとの双方を有する。電気的デ
ィスプレイDSPLはLCD(液晶表示)のような低電力
消費装置である。
【0038】RFブロックを用いて、移動局はディスプ
レイDSPL上に示すビデオ画像の受信を行うことがで
きる。これによって移動局は、テレビ会議などのリアル
タイムのマルチメディアの提示を行うことが可能にな
る。
【0039】本明細書は、例の助けを借りて本発明の実
現と実施例を示すものである。本発明が、前述の実施例
の細部に限定されないこと、および、本発明の特徴から
逸れることなく別の実施例において本発明を実現できる
ことは当業者には明らかである。したがって、提示され
た実施例は例示的なものと考えるべきであって、限定的
なものと考えるべきではない。例えばコンピュータのモ
ニターあるいはTV画面用として本発明を利用すると
き、ディスプレイは、LCDスクリーンのような低電力
消費タイプのものである必要はないことは当然である。
従って、本発明の実現と利用の可能性は添付の特許請求
項によってのみ限定されるものである。したがって、同
等な実現例を含む、請求項によって決定される本発明の
実現の様々なオプションもまた本発明の範囲に属するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスピーカ構成を示す図である。
【図2】本発明による別のスピーカ構成を示す図であ
る。
【図3】本発明によるディスプレイを組み込んだ移動局
を示す図である。
【図4】図3の移動局のブロック図である。
【符号の説明】
ACT…作動ダイアフラム DSPL…ディスプレイ MIC…マイク MS…移動局 S2…ガード SC1…導管 SPK2…イヤホン用スピーカ SUP…絶縁支持体 TD1…静電スピーカ
フロントページの続き (72)発明者 エリック ノッコネン フィンランド国,エフイーエン−33270 タンペレ,カンヨンニンレウナ 17 (72)発明者 ヤンヌ ハービスト フィンランド国,エフイーエン−36110 ルータナ,ケバートニーティンクヤ 10 アー 2

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音響信号形式と電気信号形式の間で信号
    変換を行うためのオーディオ・トランスデューサにおい
    て、作動ダイアフラムと、固定子と、該固定子に隣接す
    る前記作動ダイアフラムを支持する支持体とを具備した
    オーディオ・トランスデューサであって、前記作動ダイ
    アフラムと前記固定子の双方が透明な材質から成ること
    を特徴とするオーディオ・トランスデューサ。
  2. 【請求項2】 前記作動ダイアフラムが、前記作動ダイ
    アフラムと相互に作用する電気信号に応じて振動して、
    音響によるレスポンスを生成するように設けられること
    を特徴とする請求項1記載のオーディオ・トランスデュ
    ーサ。
  3. 【請求項3】 前記作動ダイアフラムが、前記作動ダイ
    アフラムと相互に作用する音響信号に応じて振動して、
    電気的レスポンスを生成するように設けられることを特
    徴とする請求項1または2記載のオーディオ・トランス
    デューサ。
  4. 【請求項4】 光デバイスと音響信号形式と電気信号形
    式との間で変換を行うオーディオ・トランスデューサを
    含むオーディオ・ビジュアル装置であって、前記オーデ
    ィオ・トランスデューサが、作動ダイアフラムと、固定
    子と、該固定子に隣接する作動ダイアフラムを支持する
    支持体とを具備し、前記作動ダイアフラムと固定子の双
    方が透明な材質を有し、前記オーディオ・トランスデュ
    ーサが前記光デバイスに隣接するように設けられること
    を特徴とするオーディオ・ビジュアル装置。
  5. 【請求項5】 前記作動ダイアフラムが、前記作動ダイ
    アフラムと相互に作用する電気信号に応じて振動して、
    音響によるレスポンスを生成するように設けられること
    を特徴とする請求項4記載のオーディオ・トランスデュ
    ーサ。
  6. 【請求項6】 前記作動ダイアフラムが、前記作動ダイ
    アフラムと相互に作用する音響信号に応じて振動して、
    電気的レスポンスを生成するように設けられることを特
    徴とする請求項4または5記載のオーディオ・トランス
    デューサ。
  7. 【請求項7】 前記ディスプレイが前記作動ダイアフラ
    ム用固定子を有することを特徴とする請求項4または5
    に記載のオーディオ・ビジュアル装置。
  8. 【請求項8】 前記作動ダイアフラムを機械的損傷から
    保護するために保護用外側ダイアフラムと前記光デバイ
    スとの間に前記作動ダイアフラムを配置することを特徴
    とする請求項4に記載のオーディオ・ビジュアル装置。
  9. 【請求項9】 前記外側保護用ダイアフラムが前記作動
    ダイアフラム用固定子として機能するように設けられる
    ことを特徴とする請求項8に記載のオーディオ・ビジュ
    アル装置。
  10. 【請求項10】 前記オーディオ・ビジュアル装置が、
    イヤホンと、前記イヤホンを音声発音的に前記作動ダイ
    アフラムと接続する導管とを有することを特徴とする請
    求項の4、5、8または9のいずれか一項に記載のオー
    ディオ・ビジュアル装置。
  11. 【請求項11】 前記光デバイスが、移動局、鏡、ウイ
    ンドウ、電気的ディスプレイ、太陽電池、タッチスクリ
    ーン及び照明器から成るグループから選択されることを
    特徴とする請求項4、5、8、9または10のいずれか
    一項に記載のオーディオ・ビジュアル装置。
  12. 【請求項12】 無線通信用無線ブロックを有すること
    を特徴とする請求項4、5、8、9、10または11の
    いずれか一項に記載のオーディオ・ビジュアル装置。
  13. 【請求項13】 視覚と聴覚によるレスポンスを生成す
    る方法であって、透明で静電作動するダイアフラムが電
    気的ディスプレイに隣接する基準位置に設けられ、前記
    電気的ディスプレイに画像を表示するステップと、前記
    作動ダイアフラムへ電気的可聴信号を送出して、音を発
    生させるために前記作動ダイアフラムを振動させるステ
    ップとを有することを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 ディスプレイ、スピーカ及び該スピー
    カを駆動する変圧器を備えた装置の製造方法であって、
    前記ディスプレイに隣接して透明な作動スピーカ・ダイ
    アフラムを装着するステップと、前記透明な作動ダイア
    フラムを前記変圧器と接続して、音を発生する振動素子
    として前記透明な作動ダイアフラムを駆動するステップ
    とを有することを特徴とする製造方法。
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