JP2001195771A - 集積光学装置及びその製造方法 - Google Patents

集積光学装置及びその製造方法

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JP2001195771A
JP2001195771A JP2000248483A JP2000248483A JP2001195771A JP 2001195771 A JP2001195771 A JP 2001195771A JP 2000248483 A JP2000248483 A JP 2000248483A JP 2000248483 A JP2000248483 A JP 2000248483A JP 2001195771 A JP2001195771 A JP 2001195771A
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substrate
space
forming
emitting element
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JP2000248483A
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Naoyuki Tajima
尚之 田嶋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発光素子からの前方出射光を正確に記録媒体
へ照射し、記録媒体により反射した反射光を、正確に検
出することができる集積光学装置及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 シリコン基板上にエッチングによりハー
フミラーと光導波路を形成し、発光素子60、からの前
方出射光L1を分割して、出力をモニターするための受
光素子61、に導いて検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザダイオード
やフォトダイオードを備えた光ピックアップ等の集積光
学装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的ディスクドライブ装置であるCD
(Compact Disc)プレーヤ、LD(Las
er Disc)ブレーヤ、CD−ROMプレーヤ、L
DプレーヤおよびDVD(Digita1 Video
Disc)プレーヤ等では、記録媒体(光学的ディス
ク)への情報の記録又は再生のために光へッド装置を搭
載している。この光へッド装置(光ピックアップ)とし
て、集光光学装置が用いられている。
【0003】図5は、従来の集積光学装置の−例を示す
斜視図である。集積光学装置100は、セラミック基板
101と、このセラミック基板101上に設けられたシ
リコン基板102と、このシリコン基板102上に設け
られた発光素子であるレーザダイオード(以下、LDと
表記する)103及びマイクロミラー104を備えてい
る。また、セラミック基板101上には、LD103の
光出力をモニタするための、受光素子であるモニタ用フ
ォトダイオード(以下、PDと表記する)105及びL
D103から照射された光が、光ディスク(不図示)に
反射してきた光信号を検出する信号検出用PD(信号検
出用受光素子)106が設けられている。なお、図5の
中のLは前方出射光、L′は反射光を示している。
【0004】このように構成された集積光学装置100
では、次のように動作する。すなわち、LD103から
は前方出射光L及び後方出射光(不図示)が出射され
る。前方出射光Lはマイクロミラー104及びホログラ
ム素子(不図示)を介して光ディスクに照射される。光
ディスクからの反射光L′は、ホログラム素子を介して
信号検出用FD106で信号として検出される。一方、
後方出射光は直接モニタ用FD105に入射しLD10
3の出力がモニタされる。
【0005】LD103からの前方出射光Lは、LD1
03の発光点から離れるにしたがって、出射方向に対し
一定の角度で広がっていく。このため前方出射光Lの一
部がシリコシマイクロミラー104から外れてシリコン
基板102に当り、出射光の損失が発生することを防止
するため、シリコン基板102を図6に示すようにLD
103を接続した面より一段低い部分107を有する構
造(以下、「二段構造」と称する。)とすることによ
り、出射光Lを全てマイクロミラー104に照射し、損
失が発生しないようにしたものがあった。
【0006】一方、このような二段構造を有するシリコ
ン基板102を製造する場合には、図6(a)〜(q)
に示すようなプロセスが必要であった。なお、図6中
の、102aは基板本体、102bはシリコン酸化膜、
102cはレジストを示している。
【0007】最初に図6(a)に示すような基板本体1
02aに熱酸化処理を行い、図6(b)に示すようにシ
リコン酸化膜102bを形成する。さらに、図6(c)
に示すようにレジスト102cを塗布する。次に、図6
(d)に示すようにシリコン酸化模102bを除去し、
図6(e)に示すように、レジスト102cを除去す
る。そして、図6(f)に示すように、基板本体102
aのエッチングを行い、図6(g)に示すように、シリ
コン酸化膜102bの除去を行う。
【0008】続いて、図6(h)に示すようにシリコン
酸化膜102bを形成する。さらに、図6(1)に示す
ようにレジスト102cを塗布する。次に、図6(j)
に示すように、シリコン酸化膜102bを除去し、図6
(k)に示すように、レジスト102cを除去する。そ
して、図6(1)に示すように、基板本体102aのエ
ッチングを行い、図6(m)に示すように、シリコン酸
化膜102bの除去を行う。これによりシリコン基板1
02が完成する。
【0009】次に、図6(n)に示すように、シリコン
基板102a上にLD103を実装した後、図6(o)
に示すようにセラミック基板101上に実装する。そし
て、図6(p)に示すようにモニタ用FD105をセラ
ミック基板101上に実装し、図6(q)に示すよう
に、信号検出用FD106をセラミック基板101上に
実装する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
集積光学装置では、LDの出力をモニタするために、モ
ニタ用PDを用いるのは、集積光学装置を設計する上で
比較的容易であるという利点がある。しかしながら、モ
ニタ用PDで受光している光は、LDが実際に使用して
いる前方出射光ではないため、出力を高精度に測定する
ことができない。そのため、高精度な出力制御が要求さ
れるDVD−RAM用の光へッド装置として集積光学装
置を用いる場合には問題が生じる。
【0011】本発明は、これらの事情にもとづいてなさ
れたもので、発光素子からの前方出射光を正確に記録媒
体へ照射し、記録媒体により反射した反射光を、正確に
検出することができる集積光学装置及びその製造方法を
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による手
段によれば、壁部を介して隣接した第1の空間と第2の
空間とを有する基板と、前記第1の空間内に配置された
発光素子と、前記第2の空間に隣接して配置され、前記
発光素子の出力をモニタする出力検出用受光素子と、前
記壁部に設けられ、前記発光素子の出射光を透過光と反
射光とに分割するハーフミラーと、前記第2の空間に設
けられ、前記透過光を前記出力検出用受光素子に導くミ
ラーとを備えていることを特徴とする集積光学装置であ
る。
【0013】また請求項2の発明による手段によれば、
凹部が形成された基板と、この凹部内に配置された発光
素子と、この発光素子の光軸上で前記凹部の中に形成さ
れ、一端にハーフミラーを形成した光導波路及びこのハ
ーフミラーの透過光軸上の前方に設けられたマイクロミ
ラーと、前記マイクロミラーにより反射した光軸上の前
記基板に設けられた受光素子と、前記ハーフミラーが反
射した光が記録媒体に反射して帰還した信号を検出する
ために前記基板に設けられた受光素子とを具備している
ことを特徴とする集積光学装置である。
【0014】また請求項3の発明による手段によれば、
前記ハーフミラーは、シリコン基板の異方性エッチング
で形成されたマイクロミラー面に接するように光導波路
を形成し、光導波路端面にマイクロミラー面の形状を転
写することで形成されていることを特徴とする集積光学
装置である。
【0015】また請求項4の発明による手段によれば、
基板の表面側に第1の空間を形成する第1空間形成工程
と、前記基板の表面側に前記第1の空問と壁部を介して
第2の空間を形成する第2空間形成工程と、前記壁部に
前記第1の空間側から前記第2の空間側への光を透過成
分と反射成分とに分割するハーフミラーを形成するハー
フミラー形成工程と、前記第2の空間に前記光の透過成
分を前記基板の表面側に反射させるミラーを形成するミ
ラー形成工程と、前記第1の空間内にその出射光の向き
を前記壁部側に向けて発光素子を実装する発光素子実装
工程と、前記基板の表面側に前記ミラーにおいて反射し
た光を受光する位置に出力検出用受光素子を実装する出
力検出用受光素子実装工程とを備えていることを特徴と
する集積光学装置の製造方法である。
【0016】また請求項5の発明による手段によれば、
基板の表面側に一端にマイクロミラー面を有する凹部を
形成する凹部形成工程と、前記凹部内の前記マイクロミ
ラー面に接して光導波路を形成する光導波路形成工程
と、除去加工により前記凹部のマイクロミラー面を後退
させるマイクロミラー形成工程と、前記凹部内に発光素
子を実装する発光素子実装工程と、前記基板の前記ハー
フミラーを通過した光を受光する位置に前記発光素子の
出力検出用の受光素子を実装する受光素子実装工程と、
前記基板に記録媒体からの信号を受光する受光素子を実
装もしくは形成する受光素子形成工程とを有することを
特徴とする集積光学装置の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の形態に係る
集積光学装置を示す図であって、(a)は斜視図、
(b)は(a)中のA−A線で切断し矢印方向に見た断
面図である。これらの図中、L1はLD60からの前方
出射光、L2は透過光、L3は反射光、L4は光ディス
ク(不図示)から反射した反射光を示している。
【0018】集積光学装置10は、シリコン基板20を
備えている。シリコン基板20には、凹部(第1の空間
部)30と、開口部(第2の空間部)40とが形成され
ている。凹部30と開口部40とは、壁部50を介して
隔てられている。
【0019】凹部30の底部31にはLD(発光素子)
60が設けられている。また、底部31の壁部50側に
は、溝32が形成されている。
【0020】開口部40の壁部50と対向する側の壁面
41には、マイクロミラー42が形成されている。な
お、開口部40を覆うように、出カ検出用PD(出力検
出用受光素子)61が配置されている。
【0021】マイクロミラーは、異方性エッチング法を
用いてシリコン基板上に一括して形成されており、(1
00)面から9.7±10度傾斜させてスライスして作
られた半導体ウエハを使用している。それにより、マイ
クロミラー面の傾斜角が45±10度をなすように形成
されている。
【0022】壁部50には、LD60からの出射光L1
を透過光L2と反射光L3とに分割するハーフミラー5
1が設けられている。なお、透過光L2は開口部40内
に導入され、マイクロミラー42に反射され、出力検出
用PD61に入射する。また、反射光L3はシリコン基
板20外部、すなわち光ディスクに導かれる。
【0023】一方、シリコン基板20上には光ディスク
から反射してきた反射光L4を検出する信号検出用PD
62、63が形成されている。
【0024】次に、集積光学装置10の製造工程を図2
の(a)〜(r)に基づいて説明する。なお、図2中
の、21は基板本体、22はシリコン酸化膜、23はレ
ジストを示している。
【0025】最初に図2(a)に示すように基板本体2
1を用意し、図2(b)に示すように基板本体21の表
面21a側に信号検出用PD62、63を形成する。次
に、基板本体21に熱酸化処理を行い、図2(c)に示
すようにシリコシ酸化模22を形成する。さらに、図2
(d)に示すようにレジスト23を塗布し、図2(e)
に示すように、除去加工の対象部位を特定させるため
に、レジストパターニングを行う。
【0026】次に、図2(f)に示すように、等方性エ
ッチング法によるシリコン酸化膜22のエッチングを行
う。エッチングには、例えばフッ酸とフッ化アンモニウ
ムの混合水溶液を使用する。この後、図2(g)に示す
ように、レジスト23を除去する。そして、図2(h)
に示すように、基板本体21の異方性エッチング法によ
るエッチングを行う。なお、異方性エッチングには、例
えば、水酸化カリウム水溶液、若しくは、水酸化テトラ
メチルアンモニウム水溶液を使用する。エッチング条件
は、例えば、エッチング液温70〜80℃、エッチング
液濃度30〜40重量%とする。
【0027】次に、図2(1)に示すように、シリコン
酸化膜22の除去を行う。
【0028】さらに、基板本体21に熱酸化処理を行
い、図2(j)に示すようにシリコン酸化膜22を形成
する。さらに、図2(k)に示すようにレジスト23を
塗布し、図2(l)に示すように、レジストパターニン
グを行う。
【0029】次に、図2(m)に示すように、等方性エ
ッチング法によるシリコン酸化膜22のエッチングを行
う。この後、図2(n)に示すように、レジスト23を
除去する。そして、図2(o)に示すように、基板本体
21の異方性エッチング法によるエッチングを行う。次
に、図2(p)に示すように、シリコン酸化膜の除去を
行い、凹部30、開□部40、壁部50が形成される。
【0030】図2(q)に示すようにLD60を基板本
体21に実装し、次に、図2(r)に示すように出力検
出用PD61を基板本体21に実装する。
【0031】このように構成された集積光学装置10で
は、次のようにして光ディスクへの記録.再生を行う。
すなわち、LD60から前方出射光L1が出射される。
前方出射光L1は、ハーフミラー51により透過光L2
と反射光L3とに分割される。反射光L3は光ディスク
に入射する。光ディスクで反射し信号成分を含んだ反射
光L3は、ホログラム素子(不図示)により2つに分割
され、信号検出用PD62、63に入射する。そして、
信号として検出される。
【0032】一方、透過光L2は、マイクロミラー42
に反射して、出力検出用PD61に入射しLD60の出
力がモニタされる。
【0033】上述したように本実施の形態に係る集積光
学装置10によれば、出力検出用PD61は、LD60
からの前方出射光L1を分割した一部を検出することに
なるため、その値は前方出射光L1に比例することにな
る。このため、前方出射光L1の正確な測定が可能とな
り、LD60の高精度な出力制御を行うことができる。
【0034】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0035】図3は本発明の第2の形態に係る集積光学
装置(集積光学装置)10を示す図であって、(a)は
斜視図、(b)は(a)中のA−A線で切断し矢印方向
に見た断面図である。これらの図中L1はLD60から
の前方出射光、L2は透過光、L3は反射光、L4は光
ディスク(不図示)から反射した反射光を示している。
【0036】集積光学装置10aは、シリコン基板20
aに形成されている。シリコン基板20aには、凹部3
0aが形成されている。この凹部の底部31aにはLD
(発光素子)60aが設けられている。また、凹部30
aにはLD60aの光の出射端面にガラス系薄膜による
光導波路65が形成されている。この光導波路65は、
一端がLD60aに密接し、他端に反射面が透過光軸に
対して斜めになるようにハーフミラー66が形成されて
いる。また、ハーフミラー66の透過光の前方にはシリ
コン基板20aをエッチングすることにより、反射面が
入射した光の光軸に対して斜めとなるように形成された
マイクロミラー42aが設けられている。更に、マイク
ロミラー42aの反射光L2の光軸上には出力検出用P
D(出力検出用受光素子)61aが配置されている。
【0037】なお、マイクロミラーは、異方性エッチン
グ法を用いてシリコン基板上に一括して形成されてお
り、(100)面から9.7±10度傾斜させてスライ
スして作られた半導体ウエハを使用している。それによ
り、マイクロミラー面の傾斜角が45±10度をなすよ
うに形成されている。
【0038】また、LD60aはシリコン基板20a上
に形成されている電極パッド(不図示)に接続する形で
搭載され、LD60aと電極パッドとの接続には、例え
ば金と錫から成るはんだを用いている。また、LD60
aの電気的接続は、電極パッドから引き出された配線を
用いて行われる。搭載するLD60aは、光導波路65
との光結合損失を抑えるために、前方出射光のスポット
サイズを小さくした、スポットサイズ変換構造付のLD
を使用している。
【0039】これらの構成により、LD60aの前方出
射光L1は、シリコン基板20a上に形成された光導波
路65の端面のハーフミラー66において一部は反射
し、残りは透過する。反射された前方出射光L1は、不
図示の光学系を形成している、ホログラム素子、コリメ
ータレンズ、立上げミラー、対物レンズを経由して光デ
ィスク(不図示)で反射される。反射された光はホログ
ラム素子で分岐され、分岐された光はPD受光部62
a、63aに入射される。ハーフミラー66を透過した
光L4は、マイクロミラー42aで反射されて、シリコ
ン基板20上に設けられた信号検出用PD61aに入射
する。
【0040】次に、上述の集積光学装置の製造工程を図
4(a)から(z)を参照して説明する。なお、図中の
21aは基板本体、22aはシリコン酸化膜、23aは
レジストを示している。
【0041】最初に図4(a)に示すように基板本体2
1aを用意し、図4(b)に示すように基板本体21a
に熱酸化処理を行い、シリコシ酸化模22aを形成す
る。さらに、図4(c)に示すようにレジスト23aを
塗布し、図4(d)に示すように、レジストパターニン
グを行う。
【0042】次に、図4(e)に示すように、等方性エ
ッチング法によるシリコン酸化膜22aのエッチングを
行う。この後、図4(m)に示すように、酸化膜22a
のエッチングを行う。エッチングには、例えば、フッ酸
とフッ化アンモニウムの混合水溶液を使用する。この
後、図4(f)に示すように、レジスト23aを除去す
る。そして、図4(g)に示すように、基板本体21a
の異方性エッチング法によるエッチングを行う。なお、
異方性エッチングには、例えば、水酸化カリウム水溶
液、若しくは、水酸化テトラメチルテンモニウム水溶液
を使用する。エッチング条件は、例えば、エッチング液
温70℃〜80℃、エッチング液濃度は、30重量%〜
40重量%とする。
【0043】次に、図4(h)に示すように、シリコン
酸化膜22aの除去を行う。さらに、図4(i)に示す
ように、基板本体21aに熱酸化処理を行い、シリコン
酸化膜22aを形成する。さらに、図4(j)に示すよ
うにレジスト23aを塗布し、図4(k)に示すよう
に、レジストパターニングを行う。
【0044】次に、図4(l)に示すように、等方性エ
ンチング法によるシリコン酸化膜22aのエッチングを
行う。この後、図4(m)に示すように、レジスト23
aを除去する。そして、図4(n)に示すように、基板
本体21aの異方性エッチング法によるエッチングを行
い、一端にマイクロミラー42aの面と同等の反射面で
ある45度斜面を有する光導波路65の形成部の形状を
形成する。
【0045】次に、図4(o)に示すように、シリコン
酸化膜22aの除去を行い、光導波路65の形成部が形
成される。更に、図4(p)に示すように、基板本体2
1aの表面に金属薄膜26を形成する。続いて、図4
(q)に示すように、金属薄膜26の上にレジスト23
aを塗布する。その後、図4(r)に示すように、レジ
スト23aのパターニングを行なう。その後、図4
(s)に示すように、金属薄膜26のパターニングを行
なう。その後、図4(t)に示すように、レジスト23
aを剥離する。
【0046】次に、図4(u)に示すように、光導波路
65を形成する。光導波路65の材質は、例えばガラス
系薄膜導波路のように、シリコン異方性エッチング液に
対し耐久性を有する材質を使用する。形成方法は例えば
CVD、もしくはRFスパッタリング法を用いて形成す
る。光導波路65の一側には、マイクロミラー42aの
面と同等の反射面である45度斜面がハーフミラー66
として形成される。
【0047】次に、図4(v)に示すように、基板本体
21aに対してシリコン異方性エッチングを行う。これ
によって、マイクロミラー42aの45度斜面の形状が
維持されたまま、光導波路65の端面の、45度斜面の
位置から後退することができる。この工程によって、L
D60aからの前方出射光L1の一部を反射、一部を透
過するハーフミラー66と、透過した光を方向転換して
モニタPD受光部61aへ導くマイクロミラー42aを
有する構造を基板本体21aであるシリコンの基板本体
21aの上に形成できる。つまり、ハ−フミラー66
は、基板本体21aの異方性エッチングで形成されたマ
イクロミラー42a面に接するように光導波路65を形
成し、光導波路65の端面にマイクロミラー12aの面
の形状を転写することで形成されている。
【0048】なお、ハーフミラー66の光学特性を変更
するには、ハーフミラー66の面に金属薄膜や誘電体薄
膜を形成する。シリコン異方性エッチング液に耐える材
質であれば、エッチングマスク用金属薄膜をパターニン
グ後、ハーフミラー66の光学特性変更用の薄膜を形成
し、パターニングしたうえで光導波路65を形成すれば
良い。
【0049】また、マイクロミラー42aを形成後、金
属薄膜、例えばニッケルの蒸着膜を形成し、必要に応じ
てパターニングを行う。金属薄膜は光導波路形成後に行
うシリコン異方性エッチングのエッチングマスクとして
機能するほか、光導波路65の不要部分を除去するため
の犠牲層としても機能する。
【0050】次に、図4(w)に示すように、ダイシン
グブレード(不図示)を用いて光導波路65に切り込み
を形成する。その後、図4(x)に示すように、金属薄
膜26のエッチング液、例えば濃塩酸、希硝酸、硫酸等
を用いて金属薄膜26を溶解して除去する。金属薄膜2
6のエッチングに伴い、金属薄膜26上に形成されてい
る光導波路65も併せて除去することができる。
【0051】図2(y)に示すようにLD60aを基板
本体21aに実装し、次に、図2(z)に示すように出
力検出用PD61aを基板本体21aに実装する。
【0052】したがって、本実施の形態では、LDとマ
イクロミラーの間に形成した光導波路の端面にハーフミ
ラーを形成することで、シリコン基板上に異方性エッチ
ングでマイクロミラーおよびハーフミラーを一括して形
成する場合に比べて、ハーフミラーの機械的強度を保ち
つつ、LD前方出射光をモニタし、正確な光出力制御が
可能な構造を形成できる。
【0053】また、ピックアップへッドでは、LDから
出射した前方出射光の一部を、ハーフミラーを透過させ
るために、ハーフミラーを数μmの厚さで形成する必要
があるが、これについて、例えば、異方性エッチング法
を用いた場合は、寸法精度の確保が難しいが、上述の製
造方法で製造したピックアップへッドは、ハーフミラー
を薄膜導波路により実現したので、高精度の製造が容易
である。
【0054】また、シリコン基板を両面エッチングして
ハーフミラーを形成する場合に比べて、片面のみのシリ
コンエッチングで済むため、シリコン基板の表と裏の相
互の位置関係を位置決めする手間が省ける。
【0055】また、シリコンハーフミラーの場合に比
べ、ハーフミラー部の材質や、ハーフミラー面に形成す
る薄膜の種類を変更することが可能なため、光の透過特
性を変更することが可能である。そのため、異なる波長
のレーザで再生しなければならない複数の光ディスク
を、1つの光ピックアップへッドで再生する要求に応え
ることが容易となる。
【0056】また、前方出射光をモニタする構造とした
ので、後方出射光をモニタする場合に比べ正確な出力制
御が可能になる。特にDVD−RAMのような追記形の
光ディスクへの記録書き込みの場合は、必要なレーザ出
力が再生に要する出力に比べ4〜10倍高いため、発熱
によるLD光出力変動が大きい一方で、再生の場合より
もLD出射光のパワー変動を抑える必要があるため、正
確な出力制御が要求されるが、それに対応が可能である
ことは大きな利点である。
【0057】以上に述べたように、本発明の集積光学装
置は、LDの光出力をより正確に制御することができ
る。また、LD前方出射光をモニタすることができる構
造を、ハーフミラー部の機械的強度を確保しつつ形成す
ることができる。
【0058】なお、本発明は上記の各実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施可能であるのは勿論である。
【0059】
【発明の効果】本発明による集積光学装置は、発光素子
の出力検出用の受光素子が発光素子からの前方出射光を
分割した一部を検出しているので、その検出した値は前
方出射光に比例することになる。このため、前方出射光
の正確な測定が可能となり、発光素子の高精度な出力制
御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る集積光学装置
を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)中
のA−A線で切断し矢印方向に見た断面図。
【図2】同集積光学装置の製造工程を示す説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る集積光学装置
を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)中
のA−A線で切断し矢印方向に見た断面図。
【図4】同集積光学装置の製造工程を示す説明図。
【図5】従来の集積光学装置の一例を示す斜視図。
【図6】同集積光学装置の製造工程を示す説明図。
【符号の説明】
10、10a…集積光学装置、20、20a…シリコン
基板、30…凹部(第1の空間部)、40…開口部(第
2の空間部)、42、42a…マイクロミラー、50…
壁部、51、66…ハーフミラー、60、60a…LD
(発光素子)、61、61a…出力検出用PD(出力検
出用受光素子)、62、63…信号検出用PD、L1…
前方出射光、L2…透過光、L3…反射光、L4…反射
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 6/12 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁部を介して隣接した第1の空間と第2
    の空間とを有する基板と、 前記第1の空間内に配置された発光素子と、 前記第2の空間に隣接して配置され、前記発光素子の出
    力をモニタする出力検出用受光素子と、 前記壁部に設けられ、前記発光素子の出射光を透過光と
    反射光とに分割するハーフミラーと、 前記第2の空間に設けられ、前記透過光を前記出力検出
    用受光素子に導くミラーとを備えていることを特徴とす
    る集積光学装置。
  2. 【請求項2】 凹部が形成された基板と、 この凹部内に配置された発光素子と、 この発光素子の光軸上で前記凹部の中に形成され、一端
    にハーフミラー一を形成した光導波路及びこのハーフミ
    ラーの透過光軸上の前方に設けられたマイクロミラー
    と、 前記マイクロミラーにより反射した光軸上の前記基板に
    設けられた受光素子と、 前記ハ−フミラーが反射した光が記録媒体に反射して帰
    還した信号を検出するために前記基板に設けられた受光
    素子とを具備していることを特徴とする集積光学装置。
  3. 【請求項3】 前記ハーフミラーは、シリコン基板の異
    方性エッチングで形成されたマイクロミラー面に接する
    ように光導波路を形成し、光導波路端面にマイクロミラ
    ー面の形状を転写することで形成されていることを特徴
    とする請求項2に記載の集積光学装置。
  4. 【請求項4】 基板の表面側に第1の空間を形成する第
    1空間形成工程と、 前記基板の表面側に前記第1の空間と壁部を介して第2
    の空間を形成する第2空間形成工程と、 前記壁部に前記第1の空間側から前記第2の空間側への
    光を透過成分と反射成分とに分割するハーフミラーを形
    成するハーフミラー形成工程と、 前記第2の空間に前記光の透過成分を前記基板の表面側
    に反射させるミラーを形成するミラー形成工程と、 前記第1の空間内にその出射光の向きを前記壁部側に向
    けて発光素子を実装する発光素子実装工程と、 前記基板の表面側に前記ミラーにおいて反射した光を受
    光する位置に出力検出用受光素子を実装する出力検出用
    受光素子実装工程とを備えていることを特徴とする集積
    光学装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の表面側に一端にマイクロミラー面
    を有する凹部を形成する凹部形成工程と、 前記凹部内の前記マイクロミラー面に接して光導波路を
    形成する光導波路形成工程と、 除去加工により前記凹部のマイクロミラー面を後退させ
    るマイクロミラー形成工程と、 前記凹部内に発光素子を実装する発光素子実装工程と、 前記基板の前記ハーフミラーを通過した光を受光する位
    置に前記発光素子の出力検出用の受光素子を実装する受
    光素子実装工程と、 前記基板に記録媒体からの信号を受光する受光素子を実
    装もしくは形成する受光素子形成工程とを有することを
    特徴とする集積光学装置の製造方法。
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