JP2001194288A - オゾン暴露試験方法 - Google Patents
オゾン暴露試験方法Info
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Abstract
良好な再現性及び信頼性が得られるオゾン暴露試験方法
を提供すること。 【解決手段】 被試験材料の水分量を、オゾン暴露時の
温度及び湿度を有する雰囲気に所定時間保持して予め調
整してから、この調整された水分量を維持した状態の被
試験材料に水分調整時と同じ温度及び湿度でのオゾン暴
露を行って、オゾン暴露前後での被試験材料における変
化を評価する。
Description
に関し、特に、インクジェット法、印刷法、昇華転写
法、熱転写法、電子写真法、銀塩写真法、自己発色記録
法などの各種記録方法に適用される記録媒体や、これら
の方法によって得られた画像(プリントや記録物)など
で、吸水性または吸湿性を有する材料を被試験材料とす
る場合に好適なオゾン暴露試験方法に関する。
写真法などの各種の方法によって得られた記録物におけ
る画像に対して種々の特性が要求されるようになってお
り、なかでも、保存安定性等を考慮した場合における画
像堅牢性は重要な特性となってきている。この画像堅牢
性を評価する方法としては、例えば、特開昭63−25
2780号公報に記載されるオゾン暴露試験によって室
内退色の発生を調べる方法は有効な手段として注目され
ている。
性を再現性良く正確に評価することは、各種の記録方式
やそれに用いる記録媒体を開発する上で重要な課題とな
っている。本発明者らの検討によれば、吸水性あるいは
吸湿性の紙を主体とする記録媒体や、吸水性あるいは吸
湿性の層を有する記録媒体、あるいはこのような記録媒
体を用いて得られた記録物に対してオゾン暴露試験を行
ったところ、測定条件によっては、得られる結果におけ
る再現性や信頼性が低い場合があることが判明した。
を有する被試験材料におけるオゾン暴露試験における問
題を解決するためになされたものであり、吸水性または
吸湿性を有する材料であっても良好な再現性及び信頼性
が得られるオゾン暴露試験方法を提供することをその目
的とする。
吸水性または吸湿性を有する被試験材料に対するオゾン
暴露試験における問題を解決することを目的として種々
の検討を行った結果、吸水性または吸湿性を有する被試
験材料の水分量のオゾン暴露時における変化と、測定値
との間に相関関係があり、この相関関係を利用すること
によって試験結果の再現性と信頼性を向上させることが
できることを見出し、本発明を完成した。
暴露試験において、暴露試験を開始すると同時にオゾン
濃度を所定の値に制御し、かつ温度と湿度の制御も同時
に開始する試験条件を採用し、同一条件で作成した複数
の被試験材料に対して、同一のオゾン暴露機で連続的に
試験を行うと、1回目と2回目、もしくは3回目と回数
を重ねると、各回における測定結果が一致しない場合が
あることが判明した。このような問題についての原因を
検討する中で、2回目以降の暴露試験は加湿装置が暖ま
っているために試験槽内の湿度や温度が所定値まで上昇
する時間が短いこと、すなわち、試験槽内の温度及び湿
度が試験条件として設定された所定の値に到達するまで
の時間が連続運転の場合における各回において異なる
点、また、かかる到達時間が吸水性または吸湿性を有す
る被試験材料の水分量に影響している点、更には、かか
る水分量の変化が試験結果に大きな影響を与えている点
が判明した。そして、予め被試験材料の水分量を調整し
ておくことで、オゾン暴露時における被試験材料の水分
量の変化を抑えることができ、その試験結果への影響を
効果的に排除して、再現性及び信頼性の向上したオゾン
暴露試験が可能となることを見出した。
は、吸水性または吸湿性を有する被試験材料のオゾン暴
露試験方法であって、被試験材料をオゾン暴露時の温度
及び湿度を有する雰囲気に所定時間保持して、該被試験
材料の水分を調整する水分調整工程と、該調整された水
分量を維持した状態の被試験材料に対して、該水分調整
工程と同じ温度及び湿度でのオゾン暴露を行うオゾン暴
露工程とを有することを特徴とする。
整工程によって予め調整された水分量は、オゾン暴露工
程における被試験材料の水分変化が、試験結果の再現性
や信頼性を低下させない程度にまで低減されるように設
定され、例えば、試験条件として設定される所定の温度
及び湿度でのオゾン暴露工程中での被試験材料の水分量
の変化が1重量%以内となる水分量に調整することが好
ましい。
案がなされてきているが、これらは、試験槽の温度や湿
度を制御する機構のないものや、温度や湿度を制御する
機構があっても運転開始時からこれらの制御を行うもの
であって、本発明のように、温度や湿度の制御を通して
吸水性または吸湿性の被試験材料の水分量を予め調整
し、水分量の変化の試験結果に対する影響を低減させた
被試験材料に対してオゾン暴露を行うものは見当たらな
い。
被試験材料における水分量の変化による試験結果への影
響を効果的に低減しているので、暴露時における水分量
の変化が大きな吸水性または吸湿性の被試験材料に対し
ても再現性及び信頼性の向上したオゾン暴露試験が可能
となる。
法について詳細に説明する。
る吸水性または吸湿性の材料としては、例えば、紙を主
要構成材料とする吸水性または吸湿性を有する材料、樹
脂や顔料などの材料を表面または内部に含み、吸水性ま
たは吸湿性の部分を有する材料などを挙げることができ
る。具体的には、インクジェット法、各種印刷法、昇華
転写法、熱転写法、電子写真法、銀塩写真法、自己発色
記録法などの各種記録方法に用いられる記録媒体、さら
には、これら記録媒体にこれらの各種記録方法で記録を
行って得られた記録物などを挙げることができる。な
お、本発明の方法は、吸水量が0.001g/g〜10
g/gの範囲にある吸水性または吸湿性材料により好適
に適用可能である。
む気体からなる雰囲気に曝す前に、被試験材料の水分量
が、オゾン暴露時の温度及び湿度において所定の設定値
となるように予め調整される。この水分量の設定値は、
オゾン暴露時における被試験材料の水分変化の試験結果
への影響を効果的に低減あるいは排除できる値であり、
好ましくは、オゾン暴露時における被試験材料の水分量
の変化が1%以内となるように設定される。より好まし
い被試験材料の水分量の設定値は、オゾン暴露時におけ
る温度及び湿度における飽和水分量である。
オゾン暴露時の条件として採用される所定の温度及び湿
度に維持した雰囲気内に被試験材料を必要時間保持する
ことにより得ることができる。
設定値に調整し、その後、オゾン暴露を行うことで、例
えば、大気における通常の室温や湿度よりも高い温度と
湿度を用いる条件でのオゾン暴露試験中における被試験
材料の水分量の変化を効果的に低減することが容易にな
り、試験結果の再現性や信頼性を向上させることができ
る。好ましくは、被試験材料の水分量が、オゾン暴露試
験時の温度及び湿度における飽和水分量であれば、オゾ
ン暴露工程中にオゾン暴露中の反応により水分が発生し
た場合でも、被試験材料によってこれが吸収されて被試
験材料の水分量が変化することがなく、より正確な試験
を行うことが可能となる。
度及び湿度の設定と被試験材料の水分量の変化について
図を参照して説明する。図1は、オゾン暴露試験機の有
する試験槽内の温度と湿度の変化を示すグラフである。
点は運転開始時を示す。運転開始(点)から温度及
び湿度を設定値までに上昇させる立ち上げ期間が経過す
ると、点において温度及び湿度ともに設定値に到達す
る。図2は、このような温度及び湿度の運転開始からの
変化を有する試験槽内に配置した被試験材料の水分量の
変化を示すグラフである。図2に示すように、運転開始
後、試験槽の温度と湿度の上昇に伴なって被試験材料の
水分量も増加していく。図1の点で試験槽内の温度と
湿度はともに設定値に到達しているが、ここで用いた被
試験材料の場合には、その水分量は設定値に到達してい
ない(図2の点参照)。そこで、本発明では、被試験
材料の水分量が設定値に到達するまで、オゾン暴露時の
温度及び湿度を有する雰囲気内に所定の時間(図2にお
ける点から点までの時間)被試験材料を保持する。
そして、点でオゾンを含む気体を試験槽に導入してオ
ゾン暴露を開始し、試験条件に応じて設定された時間経
過後(点)においてオゾン暴露を終了する。図2に示
した被試験材料における水分量の設定値は飽和水分量で
あり、オゾン暴露中における被試験材料の水分量は設定
値で一定になっている。
ける被試験材料の水分量の変化が1%以内であれば、飽
和水分量に達していない時点でオゾン暴露を開始しても
よい。
材料の水分量を調整する水分調整手段と、調整された水
分量を有する被試験材料にオゾン暴露を行うオゾン暴露
手段と、を少なくとも有するものが好適に用いられる。
水分調整手段とオゾン暴露手段とは、別々に設けること
ができ、その場合はこれらの手段間を被試験材料の水分
量を維持しつつ移動させる手段を用いる。あるいは、一
つの装置でこれらの2つの手段を兼用させることもで
き、例えば、通常用いられているオゾン暴露試験機の試
験槽にこれらの手段を兼用させることができる。
図3に示す。図3に示した装置は、試験槽1がオゾンを
含む気体の循環系中に設けられている構成を有する。循
環系は、オゾンを含む気体の通路となる導管で互いに接
続されたフィルターユニット5、冷却器2、ヒーター及
び加湿機3及びオゾン発生器4を有する。ここで、冷却
器2とヒーター及び加湿機3が、オゾンを含む気体の温
度及び湿度の調整手段を、オゾン発生器4がオゾン濃度
調整手段を構成している。なお、オゾンを含む気体は通
常は空気が用いられる。
た気体はヒーター及び加湿器3で温度と湿度が調整され
る。その後、オゾン発生器4でオゾン濃度が調整されて
試験槽1に導入される。試験槽1から排出された気体は
フィルターユニット5を通過し、反応生成物が除去され
てから冷却器2へ供給される。
間を開放して、冷却器2に大気から必要に応じてフィル
ターなどを通して空気を導入してこれをヒーター及び加
湿器3に供給し、フィルターユニット5からの排気を試
験装置外に排出する構成とすることもできる。更に、フ
ィルターユニット5は必要に応じて設けることができ、
試験槽1内でのより正確なオゾン濃度の制御を行った
り、上述のように排気を装置外に排出する構成とする場
合には、活性炭フィルター、メンブランフィルターなど
からなるフィルターユニット5を設けて、残存するオゾ
ンやオゾン暴露により反応生成物を気体から除去するこ
とが好ましい。また、冷却器2も必要に応じて設置する
ことができ、更に、ヒーター及び加湿器3とオゾン発生
器4の配列もこれに限定されない。
ば、オゾン濃度を調整した後でヒーター及び加湿器での
温度及び湿度の調整を行った場合における温度及び湿度
の調整時でのオゾンの分解の可能性を排除して、オゾン
濃度のより精密な制御を行うことができ、試験結果の再
現性や信頼性を更に向上させることができる。また、冷
却器によって一度気体の除湿を行ってからヒーター及び
加湿器での温度及び湿度の調整を行うので、温度と湿度
の調整精度を更に上げることができる。一方、先に述べ
たように、フィルターユニット5を設けることも試験槽
内のオゾン濃度の制御を更に良好に行うのに都合がよ
い。なお、図3における循環系において、フィルターユ
ニット5と冷却器2との間の導管にバルブを設けて、必
要に応じて外気との接続を可能とし、新鮮な空気を循環
系内に導入したり、フィルターユニット5からの排気を
循環系外に排出するようにしてもよい。
ることで、被試験材料の水分量調整時およびオゾン暴露
時の温度調整は設定温度±1℃の範囲、湿度は相対湿度
で設定値±3%の範囲とすることが可能となる。この範
囲であれば、オゾン暴露試験中の被試験材料の水分量の
変動を1%以内に抑えることが、更に容易となる。更に
好ましい範囲は、温度で設定値±0.5℃、湿度で設定
値±1%であり、この範囲であれば、例えば飽和水分量
を有する被試験材料の環境に依存する水分量の変動を
0.5%以下まで抑えることができる。
別々に設け、これらを一体的に接続した構成の一例を図
4に示す。図4に示す装置における試験槽は、その内部
が第1の領域7と第2の領域8の2の領域に区分された
構成を有し、これらの領域は互いに連通可能であり、か
つ互いに独立して操作できるようになっている。第2の
領域8は所定の温度及び湿度でのオゾン暴露が行われる
領域であり、一方、第1の領域7は第2の領域8におい
てオゾン暴露時に採用されるのと同じ温度及び湿度に被
試験材料を保持して、その水分量の調整が行われる。第
1の領域7と第2の領域8とは開閉可能な扉6で仕切ら
れており、第1の領域で所定の値に水分量が調整された
被試験材料は、扉6を開けて第2の領域8に移される。
この時、第1の領域と第2の領域の温度及び湿度条件を
同一に設定しておくことで被試験材料において調整され
た水分量を維持することができる。扉6を閉じて第2の
領域内にオゾン濃度を所定の値にして、被試験材料のオ
ゾン暴露を行うことができる。この装置を用いた方法で
は、オゾン暴露と水分量の調整をそれぞれ独立した別々
の領域で行うため、オゾン暴露試験のスループットを上
げることができる。また、吸湿量が大きく水分量が所定
値に達するまで時間のかかる材料でも、水分量を簡単に
調整することができる。更に、連続して多数の被試験材
料を処理する場合には、第2の領域8でオゾン暴露を行
っている間に、第1の領域7で次にオゾン暴露処理する
被試験材料の水分調整を十分に行うことができ、処理効
率を大幅に向上させることができる。更に、被試験材料
の入れ替えを第1の領域7から行うため、オゾン暴露を
行う第2の領域8を外気に直接曝すことがなくなるた
め、第2の領域8と循環系を冷却して、壁面などに結露
の発生を防止することができる。試験槽または循環系に
結露を生じるとオゾン濃度の変動を生じる場合があり、
結露を発生を確実に防止することで、オゾン濃度を、よ
り正確かつ簡便に制御することが可能となる。
されている循環系は、オゾン発生器を有しない以外は、
図3において説明したのと同様の構成及び動作を有し、
第2の領域に接続されている循環系は、図3において説
明したのと同様の構成及び動作を有する。
る循環系の各々はそれぞれ独立して図3で説明したよう
に、バルブ等を用いて必要に応じて外気と接続できるよ
うにしても良い。更に、本発明に用いる試験機は、図4
に示す一対の領域を複数有するものであっても良い。
所に各種センサーを配置して、温度、湿度及びオゾン濃
度を測定するとともにモニターして、測定値に応じて運
転条件を変更することができる。
明する。
lの広葉樹さらしクラフトパルプ(LBKP)80部及
び針葉樹クラフトパルプ(NBKP)20部を使用し、
これに歩留まり向上剤としてカチオン化澱粉(王子ナシ
ョナル社製、商品名:CATOF)を同じくパルプ固形
分に対して0.3重量%内添させ、さらに抄紙直前にポ
リアクリルアマイド系歩留まり向上剤(星光化学工業社
製、商品名:パールフロックFR−X)を0.05重量
%添加し、TAPPI標準シートフォーマーを用いて坪
量70g/m2に常法により抄紙した。次に、濃度2重
量%の酸化澱粉(日本食品社製、商品名:MS380
0)溶液をサイズプレス装置にて付着させて基紙を得
た。
A)とポリビニルアルコール(日本合成化学社製、商品
名:NH−18)の各々の10重量%の水分散液を作成
した。次に、シリカの水分散液とポリビニルアルコール
の水分散液を、乾燥固形分換算で3:1の比率で混合し
て、塗工液を得た。
燥固形分量20g/m2の厚みに塗布した後、乾燥させ
て記録紙を得た。
インクジェットプリンター(キヤノン株式会社製、商品
名:BJC430)でデューティ100%のべたパター
ンを20×20mmの領域内に印字して同一の被試験材
料を多数得た。 インク組成: 染料(C.I.フードブラック2) 5重量部 ジエチレングリコール 15重量部 ポリエチレングリコール 20重量部 水 70重量部 上記の印字を行った被試験材料の一枚について、後述す
る方法で残存率を求めるのための光学濃度を測定してお
いてから、オゾン試験装置(スガ試験機社製、商品名:
オゾンウエザオメーター)の試験槽内の所定の位置に設
置した。なお、設置時における被試験材料の水分含有率
は3重量%であった。
内の温度が45℃、湿度が55%RHの条件となるよう
にセットして運転を開始した。運転開始後20分で試験
槽内の温度と湿度は設定値まで上昇した。この時の被試
験材料の水分含有率は4.5重量%であった。運転開始
後30分で被試験材料の水分含有率は5重量%になり、
試験槽内部の温度、湿度条件での飽和水分量を有するも
のとなった。この状態で、オゾン濃度3ppmで120
分のオゾン暴露を行った。オゾン暴露後の被試験材料の
水分含有率は5重量%で変化がなかった。
暴露前後のべた黒印字部の光学濃度を濃度計(X−li
te社製、商品名:310TR)で測定して残存率を下
記の式で計算した。
に用いて、上記と同様の条件でオゾン暴露試験を同一装
置で連続して行った。なお、被試験材料の試験槽への設
置及び取り出し時において、ヒーター、加湿器及びオゾ
ン発生器などは運転を停止せずに、アイドリング状態と
した。5回目までの試験結果を表1に示す。また、試験
槽内のオゾン濃度を計測し、設定値に対する変化率も算
出した。表1の結果から、再現性が向上していることが
わかる。
ンズ・アンド・カンパニー社製のモイストレックスMX
5000を用いて行った。運転開始の30分経過時の被
試験材料の水分量と試料の飽和水分量はオゾン暴露試験
とは別に測定した。すなわち、運転開始の30分経過時
の水分量は、オゾン暴露試験時における水分調整時と同
じ装置及び条件で、運転開始後30分経過時に被試験材
料を取り出して水分量を測定した。また、飽和水分量は
温度と湿度の設定値の条件で24時間放置した被試験材
料の水分量を求めた。オゾン暴露試験終了後の被試験材
料の水分量はオゾン暴露後に取り出した被試験材料の測
定を行うことで求められる。
の操作パネルで行うことができる。また、温度計と湿度
計は装置内に設置されているので、値を読み取ることが
できる。
槽の外側に活性炭フィルタを用いたフィルタユニット、
冷却器、ヒーター及び加湿器、オゾン発生器を有する循
環系を図3に示すように取り付けた。この装置では、冷
却器で除湿された空気はヒーター及び加湿器で温度と湿
度が調整され、更に、オゾン発生器でオゾン濃度が調整
されて試験槽に導入された。試験槽から排出された空気
は活性炭フィルターを通って再び冷却器に導入された。
製し、その1枚について残存率を求めるのための光学濃
度を測定しておいてから、試験槽の所定位置に設置し
た。試験槽内を外気に対して密閉して、実施例1と同様
の条件で運転を開始し、まず、試験槽内の被試験材料の
水分量を飽和水分量に達するように調整した。すなわ
ち、45℃、55%RHの条件で30分間放置後の水分
含有率は5重量%で、この条件での飽和水分量に達して
いた。次に、試験槽内の温度及び湿度の条件をそのまま
維持して実施例1と同様に3ppmで120分のオゾン
暴露を行った。オゾン暴露後の被試験材料の水分含有率
は5重量%で変化がなかった。被試験材料を試験槽から
取り出し、オゾン暴露前後における残存率を実施例1と
同様にして求めた。残りの被試験材料の多数についても
実施例1と同様にして連続的にオゾン暴露試験を行っ
た。5回目までの試験結果を表1に示す。また、試験槽
内のオゾン濃度を計測し、設定値に対する変化率も算出
した。表1の結果から、再現性が向上していることがわ
かる。
し、2つ試験槽を間に扉を設け、互いに連通可能で、か
つ互いに独立して運転可能に連結し、第1の領域と第2
の領域とを設けた。それぞれの試験機の外側に、活性炭
フィルターを有するフィルターユニット、冷却器、ヒー
ター及び加湿器、及びオゾン発生器を図4と同じように
取り付けた。2つの試験槽にはそれぞれ冷却器と、ヒー
ター及び加湿器とで温度及び湿度が調整された空気が導
入されるようにした。第2の領域から排出された空気は
活性炭フィルターを有するフィルターユニットを通っ
て、冷却器に導入され、第2の領域に再循環される。ま
た、第2の領域に導入される空気はオゾン発生器でその
オゾン濃度が調整される。
について残存率を求めるのための光学濃度を測定してお
いてから、扉を閉めた状態の第1の領域に設置し、第1
の領域及び第2の領域ともに外気から密閉して、45
℃、55%RHの条件となるようにセットして運転を開
始した。運転開始から30分後の被試験材料の水分含有
率は5重量%で、この条件での飽和水分量に達してい
た。ここで、第1の領域と第2の領域の扉を開けて被試
験材料を第1の領域から第2の領域に移した。この移動
において、第1の領域と第2の領域はそれぞれ45℃、
55%RHの環境に調整されていたので、被試験材料が
第2の領域に移った後の水分含有率は5重量%と変化は
なかった。ここで、扉を閉めてから、第2の領域に、所
定オゾン濃度に調整された空気を導入して45℃、55
%RHでのオゾン暴露を行った。オゾン暴露の条件は、
実施例1と同様に3ppmで12分であった。オゾン暴
露後の被試験材料の水分含有率は5重量%で変化がなか
った。実施例1と同様に多数の被試験材料について連続
的に処理した。5回目までの試験結果を表1に示す。ま
た、試験槽内のオゾン濃度を計測し、設定値に対する変
化率も算出した。表1に結果から、再現性が向上してい
ることがわかる。更に、本実施例で用いた装置によれ
ば、水分量調整とオゾン暴露を互いに独立した領域で行
うのために操作性が向上した。
できる。 1)被試験材料に水分量を予め制御してオゾン暴露を行
うことによって、連続して多数回のオゾン暴露試験を行
ったときの再現性が向上する。 2)温度と湿度を調整した空気のオゾン濃度を調整して
試験槽に送る構成とした場合には、試験槽内でのオゾン
濃度の安定性を更に向上させて、より良好な再現性を得
ることができる。 3)試験槽に2つの互いに独立した領域を設ける構成を
採用した場合に、一方で被試験材料の水分量の調整を行
ってから、他方に移動させてオゾン暴露を行うことで試
験の操作性を向上させることができる。
らの温度及び湿度の変化を示す図である。
らの温度及び湿度の変化に対応した被試験材料の水分量
の変化を示す図である。
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 吸水性または吸湿性を有する被試験材料
のオゾン暴露試験方法であって、 被試験材料をオゾン暴露時の温度及び湿度を有する雰囲
気に所定時間保持して、該被試験材料の水分を調整する
水分調整工程と、 該調整された水分量を維持した状態の被試験材料に対し
て、該水分調整工程と同じ温度及び湿度でのオゾン暴露
を行うオゾン暴露工程とを有することを特徴とするオゾ
ン暴露試験方法。 - 【請求項2】 被試験材料の調整された水分量が、オゾ
ン暴露時の温度及び湿度での飽和水分量である請求項1
に記載のオゾン暴露試験方法。 - 【請求項3】 飽和水分量が、オゾン暴露時の温度及び
湿度を有する雰囲気内に被試験材料をその水分量が飽和
水分量に達するまで放置することにより得られる請求項
2に記載のオゾン暴露試験方法。 - 【請求項4】 前記水分調整工程とオゾン暴露工程を、
オゾンを含む気体を導入し得る試験槽内で行い、該試験
層内に導入されるオゾンを含む気体の温度、湿度及びオ
ゾン濃度をオゾン暴露試験用として設定された所定の一
定の値に予め調整して該試験槽に導入する請求項1に記
載のオゾン暴露試験方法。 - 【請求項5】 試験槽が、オゾンを含む気体の循環系内
に設けられており、循環系が、前記試験槽に導入される
オゾンを含む気体の温度及び湿度を調整する手段と、オ
ゾン濃度を調整する手段と、を有する請求項4に記載の
オゾン暴露試験方法。 - 【請求項6】 試験槽が互いに連通可能に設けられた一
対の領域を有し、これらの一方の領域において前記水分
調整工程が行われ、水分量が調整された被試験材料をそ
の水分量の平衡状態を維持しつつ他方の領域に移動さ
せ、前記オゾン暴露工程を行う請求項4または5に記載
のオゾン暴露試験方法。
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