JP4174159B2 - オゾン暴露試験方法及びオゾン暴露試験装置 - Google Patents

オゾン暴露試験方法及びオゾン暴露試験装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾン暴露試験方法に関し、より具体的には、インクジェットや印刷、昇華転写、熱転写、電子写真、銀塩写真、自己発色記録などに用いる紙やシートなどの媒体ならびに前記媒体上の画像を試験対象とするオゾン暴露試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷やインクジェット、銀塩写真などの記録物の画像堅牢性が求められるようになってきている。特開昭63−252780号公報に記載されているように、オゾン暴露試験は、これらの記録物ならびにその記録媒体自体の室内褪色の発生を調べる方法として有効である。
【0003】
従来からオゾン暴露装置の提案はなされていたが、試験槽の温度や湿度を十分に制御する機構を具えていない装置もあった。日本ゴム協会誌第62巻第7号(1989)の423〜437頁には、オゾン試験およびオゾン試験機について記載がある。特に、その中でオゾン濃度の精密な測定方法は記載されている。また、スガテクニカルニュースNo.161(スガ試験機株式会社編集、平成10年12月25日発行)の8頁には、オゾン試験の場合、試験槽内容積の3/4(94L)を毎分置換することが決められていることが記載されている。
しかしながら、オゾン暴露試験中のオゾン濃度、試験槽内の気体の置換などのオゾン暴露試験中に留意すべき試験条件については前記両文献に記載がなされているが、試験前後における、試験槽や試験槽内のオゾンを含む気体の循環系に対する処置や制御に関しては何らの記載もなされていない。紙やシートなどの平面状の媒体、その媒体上に印字された画像等のオゾン暴露試験では、単に試験中の試験槽内のオゾン濃度だけでなく、試験槽内のオゾンを含む気体が循環する系統全体の状態に依り、オゾン暴露試験の結果に差異が生じるという問題も指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述するように印刷やインクジェット、銀塩写真などの記録物の画像堅牢性を検証する上で、オゾン暴露試験は極めて有力な手段であるが、従来の方法は、試験結果の再現性ならびにその信頼性は十分なものではなかった。つまり、これらの記録物ならびにその記録媒体自体の室内褪色の発生を高い精度で予測する目的に適する、再現性と信頼性の高いオゾン暴露試験方法を提案が望まれている。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、高い再現性と信頼性を与える新たなオゾン暴露試験方法を提供することにある。より具体的には、紙やシートなどの平面状の物質のオゾン暴露試験に適用する際、その試験結果の再現性と信頼性が高い試験方法、特には、被試験材料のオゾン暴露に先立ち、再現性と信頼性を維持するために行うべき新たな処置・手順を含めむ試験方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するため、鋭意研究を進めた結果、インクジェットや印刷、昇華転写、熱転写、電子写真、銀塩写真、自己発色記録などに用いる紙やシートなどの媒体ならびに前記媒体上の画像は、その媒体自体吸水性または吸湿性の被試験材料であるが、これら吸水性または吸湿性の被試験材料のオゾン暴露試験において、用いる試験槽とこの試験槽内の気体循環に利用される循環系からなる装置内壁部における湿気の付着状況とオゾン暴露による劣化に明確な相関があることを見出した。
【0007】
具体的には、従来のオゾン暴露試験機でも、オゾン暴露試験を行う時にオゾン濃度の調整に加えて、温度、湿度を一定に調整した気体を試験槽内部で循環させることが一般的である。しかしながら、連続して暴露試験を行った際、1回目と2回目、更には3回目と回数を重ねると測定結果が一致しないことがしばしばある。一方、毎回のオゾン暴露試験を実施する前に、予め試験槽と気体循環系内に乾燥気体(乾燥空気)を通気して、これら系内の内壁部に付着する水分を除去する処置を施すことによって、オゾン暴露試験を繰り返し行った際、各回の測定結果の再現性が良く保たれることを見出した。かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のオゾン暴露試験方法は、オゾン暴露試験方法であって、オゾン暴露試験前に予め試験槽とそれに付随するオゾンを含む気体を循環させる気体循環系内に乾燥空気を通す通気処理を行い通気処理を施した試験槽にてオゾン暴露試験を行うことを特徴とするオゾン暴露試験方法である。その際、前記通気処理に用いる乾燥空気の温度を、外気温度よりも高くすると好ましい。あるいは、前記通気処理に用いる乾燥空気の温度を、オゾン暴露試験中の試験槽内の温度よりも高くすることも好ましい。
【0009】
また、前記通気処理において、乾燥空気を試験槽に通している間は試験槽内の空気を外気と置換しながら循環させることもできる。あるいは、前記通気処理を、先に行ったオゾン暴露試験が終了した後に実施するアフターブロー中に乾燥空気を試験槽内に通すことにより実施することもできる。
【0010】
より具体的には、前記通気処理において、乾燥空気を通している間の試験槽内の湿度を20%RH以下にすることがより好ましい。例えば、前記通気処理において、乾燥空気を試験槽内に通している間は、前記気体循環系内に設ける除湿機の運転を停止していることも好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のオゾン暴露試験方法においては、オゾン暴露を行う前に予め試験槽とそれに付随する気体循環系内に乾燥気体(乾燥空気)を通気した後、オゾン暴露試験を行うことで、繰り返し測定を行っても再現性の良いオゾン暴露試験を行うことが出来る。また、オゾン暴露試験中、試験槽内のオゾン濃度の安定化も図られ、試験自体の信頼性も向上する。
【0012】
以下に図を参照しつつ、本発明のオゾン暴露試験方法についてより具体的に説明する。図1は、本発明のオゾン暴露試験方法に好適な試験装置構成の一例を示す概略図である。オゾン暴露試験の際、被試験試料は試験槽1の内部に、所定の試験時間放置し、オゾン暴露が行われる。その間、試験槽1内を所定のオゾン濃度に維持するため、オゾン濃度測定器11により、オゾン濃度を逐次モニターする。自然失活や暴露される被試験試料による消費により減少するオゾンを補うため、オゾン発生器12からオゾンが供給される。
【0013】
図1に示す装置構成では、試験槽1に対して、槽の下端付近にオゾン発生器12を、それより高い位置にオゾン濃度測定器11が、それぞれ配置されている。また、槽の上端付近には、試験槽1から温度・湿度制御用の循環系への排出口、一方、槽の下端には、前記温度・湿度制御用の循環系から試験槽1への注入口が設けられている。この注入口から排出口への気体の流れに伴い、オゾン発生器12から供給されるオゾンは槽中央部に運ばれ、試験において消費される。温度・湿度制御用の循環系は、試験槽1の排出口より気体を取り込む送風機3、その下流に、除湿機4(冷凍機)、加温・加湿器5、オゾン濃度調節器6が順に配置されている。
【0014】
また、前記循環系とは別に、試験槽1内へ外気の取り込みと試験槽1内の気体を外気に排出を行う系統が設けられている。図1においては、外気への排気口部のみを図示しているが、同様の構成からなる取り込み口部(不図示)が対向する位置に設けられている。試験槽1内の気体と外気と置換は、排気口部に配置される切り替え弁2(電磁弁)ならびに取り込み口部の切り替え弁を、同期させて開閉することで選択される。この排気する気体中には、オゾン暴露試験に伴い発生したガス類、あるいは浮遊微粒子なども混入することも多いので、必要に応じて、フィルター7、例えば、前記微粒子などを取り除くフィルターやガス類を取り除くフィルターなどを付設する。対応する取り込み口部にも、外気中の浮遊微粒子などを除くため、フィルターなどを付設する。
【0015】
オゾン暴露中は、通常、試験槽1と温度・湿度制御用の循環系の間で、オゾンを含む気体の循環が行われる。この時、試験槽1からオゾンを含む気体が送風機3により取り込まれるが、この気体中には、オゾン暴露試験に伴い発生したガス類、あるいは浮遊微粒子なども混入することも多い。必要に応じて、前記微粒子などを取り除くフィルターやガス類を取り除くフィルターなどを循環系に付設することができ、例えば、送風機3の取り込み口には取り付けると好ましい。
【0016】
先ず、送風機3により取り込まれた気体は除湿機4(冷凍機)にて、気体を冷却して温度を下げ、含まれる水分を除去する。冷却・除湿された気体は、加温、加湿器5に通され、ヒーターなどで気体を加熱して所定の温度まで加温する。同時に、水蒸気などを添加して、所定の湿度まで加湿を行う。以上の冷却・除湿過程と加温・加湿過程の間に、一般に気体中に含まれるオゾン濃度は次第に低下する。気体は、オゾン濃度調節器6に通され、残存するオゾン濃度の測定を行う。その際、残存するオゾン濃度が所定の濃度を下回る場合、オゾン濃度調節器6において、所定の濃度になるまでオゾンが添加される。最後に、この温度・湿度制御用の循環系を経てきた気体は、試験槽1の下端に戻される。一般に、この循環流量は、好ましくは、図示しない制御系により送風機3にフィードバックを駆けて、循環流量とその変動幅を所定の範囲内に制御する。加えて、本発明に用いる装置においては、オゾン濃度測定器11とオゾン発生器12は、循環系統とは別に設ける構成をとることもできる。
【0017】
オゾン暴露試験中の試験槽1と温度・湿度制御用の循環系内は、一定温度・湿度に調整したオゾンを含む気体が循環するように運転され、系内内壁部は湿度にさらされた状態になっている。また、除湿機4(冷凍機)には、除湿により、結露した水分が付着している。このように、オゾン暴露試験が終了した時点で、試験槽1と温度・湿度制御用の循環系内には、試験中に蓄積した水分、湿気が残っている。
【0018】
本発明の試験方法では、オゾン暴露試験を開始する前に試験槽1と温度・湿度制御用の循環系内に乾燥気体(乾燥空気)を通す。乾燥気体(乾燥空気)を通す方法は、前記試験槽1から送風機3、除湿機4、加温、加湿器5、オゾン濃度調節器6を経る循環系を利用して、乾燥気体(乾燥空気)を循環する方法を用いることができる。また、試験槽1から電磁弁などの切り替え弁2を通して、外気に試験槽内の湿度を含む気体を排気し、図示していない空気取り込み口から外気を導入しつつ、乾燥空気を通気する方法とすることもできる。
【0019】
乾燥空気を通している間は、温度・湿度制御用の循環系内に置かれる除湿機4(冷凍機)の運転は停止していることが好ましい。この除湿機4はオゾン暴露試験中に試験槽を含む循環系内の湿度を付着させて除去しているが、乾燥空気を通している間、除湿機を停止して除湿機に付着している湿度および水分をも除去するとより好ましい。
【0020】
循環させる乾燥空気の温度は、外気の温度よりも高いことが好ましい。外気よりも乾燥空気の温度を高くすると、前記循環系に付着している水分の除去がより効率的に行える。さらに好ましくは、乾燥空気の温度を、オゾン暴露試験中の設定温度より高くする。乾燥空気の温度をオゾン暴露試験中の設定温度以上とすることによって、短時間に循環系内の湿度、水分を除去できる利点がある。加えて、乾燥空気を通している間、試験槽内の湿度を20%RH以下とすると、十分な乾燥がなされ、その後に行うオゾン暴露試験の被試験試料の吸湿を抑えることができるのでより好ましい。
【0021】
乾燥空気を作る方法は、前記循環系内で除湿機4と加湿器、オゾン濃度調節器6の運転を止めて、加温装置のみを運転して、温度を高くして乾燥空気を作る方法を採用することが好ましい。この方法を採用することによって、循環系内の除湿機や加湿器の付着水分をも効率的に取り除いて、循環系内の全域を乾燥させることができる。さらに、好ましい方法として、試験槽内に乾燥空気を通しながら、一部の空気を循環系から外気に排出し、別な取り込み口から湿度の低い新鮮な外気を導入する方法を用いるとよい。この外気との置換をも行う方法では、乾燥空気循環により除去した循環系内の付着水分を外気へ排出でき、循環系から効率よく水分・湿度を取り除くことができる。本発明において、前記の外気との置換をも行う方法では、置換流量は、毎分の流量を試験槽内容積の1/3以上の体積の外気が導入されるように選択すると好ましい。置換流量をこの範囲とすることで、乾燥空気循環により除去した循環系内の付着水分を系外へ効率よく排出し、新鮮な外気を補うことができる。さらに好ましくは、毎分の置換流量を試験槽内容積の3/4以上の体積の外気が導入されるように選択する。その際、循環系に通じる乾燥空気の流量、すなわち、循環流量は、少なくとも毎分の流量を試験槽内容積以上の体積とするのが好ましい。その条件では、乾燥空気を循環して流すことで、循環系内の付着水分を効率的に除去しつつ、外気との毎分の置換流量を試験槽内容積の1/3以上、より好ましくは、3/4以上とすることで、湿度が増した循環気体を外気へ放出し、その代わりに、乾燥している外気の導入がなされる。従って、一旦乾燥空気を循環して流すことで除去した水分が、気体を循環する間に、循環系内の他の領域に再付着することをより効果的に抑制できる。
【0022】
本発明の試験方法では、上述したオゾンを含む気体が循環する系内に乾燥空気を通気する処理は、オゾン暴露試験を実施する前、特には、直前に行うのと好ましい。それ以外に、前回のオゾン暴露試験後、被試験試料の取り出しまでに行うアフターブロー中、またはアフターブロー後に乾燥空気を循環系内に通す形態を採用することも可能である。ここで、アフターブローとは、オゾン暴露試験後に試験槽内のオゾン濃度が十分低い濃度に低下するまで、オゾンの供給を止めた状態で系内の気体循環を行う工程をいう。このアフターブローの間、前記循環系内に乾燥空気を通じ、試験槽内の湿度を試験中より低下させるとともに、循環系内に付着する水分を除去する。アフターブローの終了後、前回の被試験試料の取り出し、引き続き、次回のオゾン暴露試験を実施する際には、この手順は一層有効となる。
【0023】
【実施例】
以下に具体例を挙げて、本発明のオゾン暴露試験方法ならびに、この方法において結果の高い再現性と信頼性が達成されることを示す。なお、以下の具体例は、本発明の最良の実施形態の一例ではあるが、本発明は、かかる具体的な形態に限定されるものではない。
【0024】
(実施例1)
図1に示す装置構成と同等の構成をとるオゾン試験装置(製品名:特型オゾンウェザオメーター、スガ試験機社製)を用いた。この構成では、試験槽内の気体循環は、温度・湿度制御の循環系に設ける送風機3により、試験槽上部から循環系に槽内の気体を取り込み、循環系から試験槽下部に戻すことで行われる。なお、その際、送風機の送風量(循環流量)を制御し、試験槽内の気体循環流量を一定化する機構とした。
【0025】
各試験を開始するに先立ち、オゾン試験装置の温度・湿度制御の循環系ならびに試験槽内に予め乾燥空気を循環させる処置を施した。具体的には、図1に示す装置構成において、前記循環系の除湿機4(冷凍機)、加温・加湿器5に含まれる加湿器、オゾン濃度調節器6をOFFにし、加温・加湿器5に含まれる加温器のみをONにし、その温度を50℃に設定して、60分間乾燥空気を循環させた。この実施例1では、外気との置換は行わないため、電磁切り替え弁2などを閉じた状態で乾燥空気循環を実施した。この乾燥空気循環により、試験槽内の湿度は15%RHに低下した。なお、前記乾燥空気を循環させる処置を施した後、試験槽内ならびに温度・湿度制御の循環系内は、触診した限り十分にその内壁面は乾燥していた。
【0026】
この乾燥空気を用いる通気処理後、オゾン試験装置に被試験試料を入れて、以下の条件でオゾン暴露試験を行った。なお、送風機の送風量(循環流量)を制御し、試験槽内の気体循環流量を一定化することで、温度・湿度制御の循環系による試験槽内の温度・湿度の安定・均一化を行った。
【0027】
試験槽の温度 :45℃
試験槽の湿度 :55%RH
オゾン濃度 :3ppm
暴露試験時間 :120分間
被試験試料は以下のようにして得た。印字媒体の紙は、乾燥固形分換算で3:1の比率でシリカ(フアインシールX−37B、徳山ソーダ社製)とポリビニルアルコール(NH−18、日本合成化学社製)を混合した混合物を、乾燥固形分量20g/m2の厚みで市販の電子写真用紙(EN−500、キヤノン社製)表面に塗工した紙を用いた。この紙上に、インクジェットプリンター(BJC430、キヤノン社製)でデューティ100%のシアン色のべたパターンを20×20mmの大きさで印字したものを被試験試料とした。オゾン暴露試験では、前記印字パターンの褪色を評価した。
【0028】
褪色は、オゾン暴露前後に、印字パターンの光学濃度を濃度計(310TR、X−1ite社製)で測定して、その残存率を下記の式で計算した。
【0029】
残存率(%)=オゾン暴露後の光学濃度/オゾン暴露前の光学濃度*100
再現性を検証する目的で、上記する乾燥空気を用いる通気処理を含めて、全く同じ操作でオゾン暴露試験を連続して5回行った。表1に、各回の試験結果を示す。この実施例1の試験手順によって、結果の再現性は良好なものとなっている。
【表1】
Figure 0004174159
(実施例2)
オゾン試験装置は、実施例1と同じ装置を用いた。
【0030】
本実施例2においては、上述の実施例1と異なり、各試験を開始するに先立ち、オゾン試験装置の温度・湿度制御の循環系ならびに試験槽内に予め乾燥空気を循環させる処置を施す際、循環する乾燥空気を部分的に外気と置換するようにした。
【0031】
従って、図1に示す装置構成に示す切り替え弁2を切り替え、排気口側の弁を開状態として、フィルター7により微細な浮遊塵埃などを取り除いた後、試験槽内の空気を放出し、同時に、図示していない同じ構成の外気取り込み口の切り替え弁を開状態として、新鮮な外気と置換した。本実施例では、外気との置換流量は、毎分の流量を試験槽内容積の3/4に当たる94リットル/分とした。この外気との置換を除き、他の操作・条件は、実施例1における乾燥空気を用いる通気処理と同じとして、乾燥空気の循環を実施した。この乾燥空気循環により、試験槽内の湿度は13%RHに低下した。
【0032】
上記する乾燥空気を用いる通気処理を終了した後、外気との置換に用いる切り替え弁2などを閉じ、試験槽1を外気と遮断した。その後、オゾン暴露試験自体は、実施例1と同じ手順・条件として、実施例1に記載する調整法で作製した被試験試料を試験槽内に入れてオゾン暴露試験を行った。再現性を検証する目的で、上記する乾燥空気を用いる通気処理を含めて、全く同じ操作でオゾン暴露試験を連続して計5回行った。表1に、各回の試験結果を示す。この実施例2の試験手順によっても、結果の再現性は良好なものとなっている。
【0033】
(実施例3)
オゾン試験装置は、実施例1と同じ装置を用いた。
【0034】
本実施例3では、先ず、上述する実施例1と同じ方法で乾燥空気の循環を実施した。この乾燥空気循環により、試験槽内の湿度は15%RHに低下した。この乾燥空気による通気処理を終了した後、オゾン暴露試験自体は、実施例1と同じ手順・条件として、実施例1に記載する調整法で作製した被試験試料を試験槽内に入れて、1回目のオゾン暴露試験を行った。
【0035】
1回目のオゾン暴露試験の際、オゾン暴露後に行う試験槽のアフターブロー中、温度・湿度制御の循環系ならびに試験槽1内に乾燥空気を循環させる処置を施した。実施例1における乾燥空気を用いる通気処理と同じく、前記循環系の除湿機4(冷凍機)、加温・加湿器5に含まれる加湿器、オゾン濃度調節器6をOFFにし、加温・加湿器5に含まれる加温器のみをONにし、その温度を50℃に設定して、60分間乾燥空気を循環させた。このアフターブロー中の乾燥空気循環は、外気との置換は行わないため、電磁切り替え弁2などを閉じた状態で実施した。この乾燥空気循環によって、試験槽内と循環系の付着水分が取り除かれた。アフターブロー中の試験槽内の湿度は、17%RHとなった。この乾燥空気を用いるアフターブローの後、1回目オゾン暴露試験の被試験試料を取り出し、実施例1に記載の手順で印字パターンの褪色を評価した。
【0036】
2回目のオゾン暴露試験は、このアフターブロー中に試験槽内と衝環系内に乾燥空気を通して、付着水分の取り除きと乾燥がなされた試験槽を用いて、試験を実施した。それ以降の回も、オゾン暴露試験前の乾燥空気を通すことの代わりに、前回試験におけるアフターブロー中に上記の条件で乾燥空気を通して、試験槽内と衝環系内を乾燥させて付着水分を取り除く処理を行った。このアフターブロー中の乾燥空気通気処理を施した試験槽を用いて、次回のオゾン暴露試験を実施した。この方法で合計5回、連続したオゾン暴露試験を行った。
【0037】
表1に、各回の試験結果を示す。この実施例3の試験手順によっても、結果の再現性は良好なものとなっている。また、上記実施例1に記載する試験手順によった結果と比較しても、両者の結果はよく一致するものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明のオゾン暴露試験方法によれば、オゾン暴露試験を実施する試験槽とそれに付随するオゾンを含む気体を循環させる気体循環系内について、予め試験槽と循環系内に乾燥空気を通して付着水分の除去と乾燥を行った後、試験を実施するので、以下の効果がある。先ず、試験槽と循環系内の付着水分を除去することでオゾン暴露試験の繰り返し再現性が向上する。更に、不要な試験槽および循環系内の付着水分を予め除去しておくことで、オゾン暴露試験中のオゾン濃度の安定性が良くなる結果、試験自体の信頼性も格段に高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に基づくオゾン暴露試験に用いられる試験装置構成の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 試験槽
2 切り替え弁(電磁切り替え弁)
3 送風機
4 除湿機
5 加温、加湿器
6 オゾン濃度調節器
7 フィルター
11 オゾン濃度測定器
12 オゾン発生器

Claims (8)

  1. 吸水性または吸湿性を有する被試験材料のオゾン暴露試験方法であって、
    オゾン暴露試験前に試験槽とそれに付随するオゾンを含む気体を循環させる気体循環系内に乾燥空気を通す通気処理を行い、
    該通気処理を施した試験槽にてオゾン暴露試験を行い、
    前記気体循環系内には、気体を冷却して水分を除去する除湿機と、加温器と、加湿器と、オゾン濃度調整器とが設置されており、
    オゾン暴露試験中、前記除湿機と、加温器と、加湿器を運転して、試験槽内の温度、湿度の調整がなされ、
    前記オゾン暴露試験前に、試験槽と気体循環系内に乾燥空気を通す通気処理に用いる、前記乾燥空気は、前記除湿機、加湿器及びオゾン濃度調整器の運転を停止し、前記加温器の運転を行い、前記気体循環系内で空気を加温することで作り、
    前記乾燥空気を試験槽内に通している間は、前記除湿機の運転を停止する
    ことを特徴とするオゾン暴露試験方法。
  2. 前記吸水性または吸湿性を有する被試験材料が、インクジェットプリンターで印字した紙である
    ことを特徴とする請求項1に記載のオゾン暴露試験方法。
  3. 前記通気処理に用いる乾燥空気の温度を、外気温度よりも高くする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン暴露試験方法。
  4. 前記通気処理に用いる乾燥空気の温度を、オゾン暴露試験中の試験槽内の温度よりも高くする
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン暴露試験方法。
  5. 前記通気処理において、乾燥空気を試験槽内に通している間は、試験槽内の空気の一部を外気と置換しながら循環させる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のオゾン暴露試験方法。
  6. 前記通気処理を、オゾン暴露試験が終了した後にさらに実施する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のオゾン暴露試験方法。
  7. 前記通気処理において、乾燥空気を通している間の試験槽内の湿度を20%RH以下にする
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のオゾン暴露試験方法。
  8. 吸水性または吸湿性を有する被試験材料のオゾン暴露試験に使用されるオゾン暴露試験装置であって、
    該オゾン暴露試験装置は、試験槽と、それに付随するオゾンを含む気体を循環させる気体循環系と、試験槽への外気の取り込みと、試験槽の気体を外気に排出する系統とを備えており、
    前記気体循環系内には、気体を冷却して水分を除去する除湿機と、加温器と、加湿器と、オゾン濃度調整器とが設置されており、
    オゾン暴露試験前に、前記試験槽と気体循環系内に乾燥空気を通す通気処理を行い、該通気処理を施した試験槽にてオゾン暴露試験を行い、
    オゾン暴露試験中、前記除湿機と、加温器と、加湿器を運転して、試験槽内の温度、湿度の調整がなされ、
    オゾン暴露試験前に、前記試験槽と気体循環系内に乾燥空気を通す通気処理に用いる、前記乾燥空気は、前記除湿機、加湿器及びオゾン濃度調整器の運転を停止し、前記加温器の運転を行い、前記気体循環系内で空気を加温することで作り、
    前記乾燥空気を試験槽内に通している間は、前記除湿機の運転を停止する
    ことを特徴とするオゾン暴露試験装置。
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