JP2001194198A - 超音波流量計 - Google Patents

超音波流量計

Info

Publication number
JP2001194198A
JP2001194198A JP2000009998A JP2000009998A JP2001194198A JP 2001194198 A JP2001194198 A JP 2001194198A JP 2000009998 A JP2000009998 A JP 2000009998A JP 2000009998 A JP2000009998 A JP 2000009998A JP 2001194198 A JP2001194198 A JP 2001194198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
transducers
transducer
signal
ultrasonic signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000009998A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Takamoto
正樹 高本
Hiroaki Ishikawa
博朗 石川
Masaru Hoshikawa
星川  賢
Kazuyoshi Shimizu
和義 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaijo Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Kaijo Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaijo Corp, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Kaijo Corp
Priority to JP2000009998A priority Critical patent/JP2001194198A/ja
Publication of JP2001194198A publication Critical patent/JP2001194198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 雑音の影響を受けにくい高精度の超音波流量
計と、微小流量の測定が可能な超音波流量計を提供す
る。 【解決手段】 本第1の発明の超音波流量計は、超音波
信号を流体の流路に沿う方向に送信するトランスジュー
サ(T1,T2) と、この流路に沿って離間して設置され、こ
の流体中を伝播する超音波信号を受信する2個のトラン
スジューサ(R1,R2) と、これら2個のトランスジューサ
(R1,R2) の受信信号に遅延時間を付与して相関をとり、
この相関が最大の時点において付与されている遅延時間
から2個のトランスジューサ(R1,R2) 間の超音波信号の
伝播所要時間を算定する伝播時間算定手段(DDP)とを備
えることにより、雑音の影響を軽減しつつ高精度の測定
を可能としている。本第2の発明の超音波流量計は、円
環形状のトランスジューサ(T1)の中心に流体を流す細管
(P) を嵌合させた構造の超音波流量計であって、上記細
管は金属又はこれと同等の剛性を有するシリカなどの素
材から成ることにより、流体中の超音波の超音波信号の
伝播、従って、微小流量の測定を可能にしている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象の流体中
に超音波を伝播させ、上流方向と下流方向への伝播時間
の差から流体の流速を測定する超音波流量計に関するも
のであり、特に、微小流量の測定に適した超音波流量計
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、超音波の上流/下流双方向への伝
播時間の差を利用して流体の流速(流量) を測定する超
音波流量計が汎用されてきた。従来の超音波流量計で
は、超音波信号の受信時点の検出手法の典型的な一つと
して、ゼロクロス法が採用されている。このゼロクロス
法では、受信信号の振幅が所定の閾値を越えた直後に振
幅がゼロになる時点が受信時点と見做される。 【0003】また、最近、医療など各種の技術分野にお
いて、極めて微量の流量を測定することが要求されるよ
うになってきた。しかしながら、流体の流量、従って流
速が小さくなるにつれて測定誤差が大きくなり、測定精
度が確保できなくなるという問題がある。そこで、流路
の断面積を小さくするために、内径が数mmm の範囲の微
細管を使用し、これによって流速を増大させて流量の測
定精度を向上させるという対策が採られている。 【0004】例えば、特開平10ー153464号公報には、内
径2mm〜4mmの弗化樹脂(4弗化エチレン)のチューブ
に測定対象の流体を流し、この流体中に超音波を伝播さ
せて流速を測定する方法が開示されている。この方法で
は、円環形状のトランスジューサ(圧電変換素子)の中
心に形成された開口に樹脂製の細管が嵌合され、超音波
の励振と受信が行われる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の超音波流量
計で採用されてきたゼロクロス法では、雑音の影響を受
け易く、このため測定精度が低下するという問題があ
る。従って、本発明の一つの目的は、雑音の影響を受け
にくく、高い測定精度を実現できる超音波流量計を提供
することにある。 【0006】また、本発明者は、上記特開平10ー153464
号に開示された先行技術と同様の構成による流量の測定
を試みたが、良好な結果が得られなかった。これは、4
弗化エチレン製の細管を使用する構成では、4弗化エチ
レンの剛性が小さいため、細管が超音波の振動吸収材と
して作用してしまい十分な距離にわたって超音波を伝播
させることができないためと推定された。樹脂などの剛
性の小さな素材についても同様と推定される。この推定
は、本発明者による多数の実験結果から得られたもので
ある。従って、本発明の目的は、この推定の正当性を確
認しつつ十分に実用的な超音波流量計を提供することに
ある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題の一
つを解決する第1の発明の超音波流量計は、超音波信号
を流体の流路に沿う方向に送信するトランスジューサ
と、この流路に沿って離間して設置されこの流体を伝播
する前記超音波信号を受信する2個のトランスジューサ
と、これら2個のトランスジューサの受信信号に遅延時
間を付与して相関をとり、この相関が最大の時点におい
て付与されている遅延時間から前記伝播所要時間を算定
する伝播時間算定手段とを備えることにより、雑音の妨
害を受けない受信波形の相関処理によって伝播時間を検
出するように構成されている。 【0008】上記従来技術の課題の他の一つを解決する
第2の発明の超音波流量計は、円環形状のトランスジュ
ーサの中心に流体を流す細管を嵌合させた構造の超音波
流量計であって、上記細管は、金属又はこれと同等の剛
性を有する素材から成っている。 【0009】 【発明の実施の形態】上記第1の発明の一つの好適な実
施の形態によれば、上記超音波信号を受信する2個のト
ランスジューサの上流側と下流側のそれぞれに、前記超
音波信号を送信するトランスジューサが1個ずつ設置さ
れることにより、トランスジューサの送受切り換えの動
作が不要にされ、回路の簡易化が図られる。 【0010】上記第1の発明の他の好適な実施の形態に
よれば、上記超音波信号を受信する2個のトランスジュ
ーサのうち上記超音波信号を送信するトランスジューサ
から遠い側のトランスジューサが後に超音波信号の送信
用に切り換えられると共に、上記超音波信号を送信する
トランスジューサが後に超音波信号の受信用に切り換え
られることにより、トランスジューサの個数の節減によ
る製造コストの節減が図られている。 【0011】上記第2の発明の一つの好適な実施の形態
によれば、上記細管の外周面上に樹脂又はゴムを素材と
する振動吸収層が形成されることにより、管壁中を伝播
する超音波が減衰せしめられ、そのような不要伝播成分
による妨害が有効に回避される。 【0012】上記第2の発明の他の好適な実施の形態に
よれば、上記細管はステンレス鋼やシリカで構成され、
その内径は、0.1 mm乃至1mmの範囲の値に設定さ
れ、その肉厚は0.1 mm以下の値に設定されている。 【0013】 【実施例】図1は本発明の一実施例の超音波流量計を示
す図であり、(A)は全体の構成を示す全体構成図、
(B)は送信用トランスジューサT1と流体の管路Pの
拡大斜視図である。 【0014】流体の管路Pによって定められる流路に沿
って、適宜な間隔保って2個の受信用トランスジューサ
R1とR2が取付けられ、その上流側と下流側に送信用
トランスジューサT1とT2が取付けられている。各ト
ランスジューサは、送信用トランスジューサT1で代表
して図1の(B)に示すように、円環形状を呈すると共
にその中心部に形成された開口内にステンレス鋼を素材
とする管路Pが嵌合せしめられる。嵌合による接合面に
は予め接着剤が塗布される。 【0015】図1の(A)に示すように、2個の送信用
トランスジューサT1,T2には、それぞれ送信回路T
X1,TX2が接続され、2個の受信用トランスジュー
サR1,R2には、それぞれ受信回路RX1,RX2が
接続される。受信回路RX1,RX2のそれぞれには、
アナログ受信信号をディジタル受信信号に変換するA/
D変換回路(A/D)が接続され、このA/D変換回路
のディジタル受信信号は、ディジタル・データ・プロセ
ッサ(DDP)に供給される。ディジタル・データ・プ
ロセッサDDPで算定された流量などのデータは、液晶
パネルなどで構成される表示装置DISPに表示され
る。 【0016】送信回路TX1は、ディジタル・データ・
プロセッサ(DDP)から供給される所定周期のトリガ
パルスに同期して、パルス電圧を発生し送信用トランス
ジューサT1を駆動する。駆動された送信用トランスジ
ューサT1は、パルス信号が数十Hzの正弦波の搬送波に
よって振幅変調されたと同様の波形の超音波信号を発生
する。発生された超音波信号は、流路に沿って受信用ト
ランスジューサR1の方向に伝播し、この受信用トラン
スジューサR1に受信され、更に、流路に沿って伝播し
続け、受信用トランスジューサR2に受信される。 【0017】受信用トランスジューサR1,R2に受信
された超音波信号は、等化増幅器や濾波器などで構成さ
れる受信回路RX1,RX2で増幅されたのち、A/D
変換回路に供給され、ここでディジタル信号に変換さ
れ、ディジタル・データ・プロセッサに供給される。超
音波信号S2は、超音波信号S1よりも、各トランスジ
ューサ間の伝播所要時間τoだけ遅れて出現する。 【0018】ディジタル・データ・プロセッサ(DD
P)では、先に出現する超音波信号 S1(t)に対して遅延
時間τが付与され、この遅延された超音波信号 S1(t +
τ) と後に出現する超音波信号 S2(t)との相関値∫〔S1
(t+τ)* S2(t)〕dtが算定される。 【0019】そして、ディジタル・データ・プロセッサ
(DDP)は、この相関値が増大する方向に遅延時間が
少しずつずらしてゆき、この相関値が最大になった時点
で付与した遅延時間τo を検出する。この遅延時間τo
は、送信用トランスジューサT1から流体中に放射され
た超音波信号が受信用トランスジューサR1とR2との
間を伝播するのに要した伝播所要時間に他ならない。 【0020】このように、二つの受信信号の相関値を算
定する方法では、二つの受信信号に含まれる雑音は相互
に全く相関がないため互いに相殺され、一定の相関を有
する信号成分から完全に除去される。従って、雑音の影
響をほとんど受けないで伝播所要時間が精度良く算定で
きる。 【0021】上記流れの一方の方向への伝播所要時間の
算定が終了すると、今度は、送信用トランスジューサT
2から流路の逆方向に超音波信号が送信され、この超音
波信号が受信用トランスジューサR2,R1で受信され
る。そして各受信信号について上述したような遅延時間
の付与と相関値の算定が反復され、相関値が最大となっ
た時点で付与された遅延時間が受信用トランスジューサ
R1とR2間の伝播所要時間として算定される。このよ
うに、流れの一方向への超音波信号の伝播所要時間の測
定と、これと逆方向への超音波信号の伝播所要時間の算
定とが交互に反復される。 【0022】再び、図1を参照すると、この実施例に使
用したステンレス鋼を素材とする管路Pの内径は、1m
mから0.1mmの範囲に設定され、肉厚は0.1mm以下
に設定されている。管路の肉厚をこのように薄くして
も、その管壁内を伝播する超音波信号の成分は相当に大
きな値となる。この管壁の内部を伝播する超音波信号を
減衰させるために、管路Pの外周面上に樹脂やゴムを素
材とする振動吸収層Dが形成される。 【0023】図3の実験データは、振動吸収層Dを形成
する前に、管路Pの内部が空、すなわち、内部に空気だ
けが存在する状態で、送信用トランスジューサT1,T
2から超音波を送信し、受信用トランスジューサR1,
R2で受信した超音波信号の波形を示している。 【0024】図3の信号波形(A)と(C)は、送信用
トランスジューサT1から超音波信号を送信した場合
に、受信用トランスジューサR1とR2で受信された信
号波形である。信号波形(B)と(D)は送信用トラン
スジューサT2から超音波信号を送信した場合に、受信
用トランスジューサR2とR1で受信された信号波形で
ある。 【0025】図4は、振動吸収層Dを形成した後で、管
路Pの内部が空の状態で、送信用トランスジューサT
1,T2から送信し、受信用トランスジューサR1,R
2で受信した超音波の超音波信号の波形を示している。
この振動吸収層Dは、市販の適宜な粘着テープ、例え
ば、株式会社マンモスから「マンモスビニールテープ
(VT-19-R)」の商品名で市販されている幅19mm、厚み
0.2 mmのものを管路Pの外周面上に貼り着けることに
よって形成された。 【0026】信号波形(A)と(B)は送信用トランス
ジューサT1から超音波信号を送信した場合において、
受信用トランスジューサR1とR2で受信された信号波
形である。波形(C)と(D)は送信用トランスジュー
サT2から超音波信号を送信した場合において、受信用
トランスジューサR2とR1で受信された信号波形であ
る。信号波形(E)と(F)は、信号波形(A)と
(B)を加算した信号波形であり、信号波形(G)と
(H)は、信号波形(C)と(D)を加算した信号波形
である。 【0027】図3と図4の実験データを比較すれば明ら
かなように、管路Pの表面に振動吸収層Dを形成するこ
とにより、管壁を伝播する超音波信号の成分は十分に減
衰させることが可能である。また、受信用トランスジュ
ーサR1,R2の受信信号波形を加算した波形の振幅が
ほぼゼロになることから、減衰層の付加に伴う管壁内伝
播成分の減衰後に残留する信号波形は、雑音よりも十分
に小さいことが分かる。 【0028】上述のように、粘着テープの粘着剤の層の
厚みは数百μm程度と推定されることから、わずかな厚
みの振動吸収層が極めて大きな振動エネルギーの吸収効
果を発揮することが分かる。このように大きな制振作用
は、管路Pをステンレス鋼ではなく、これと比べて剛性
の小さな4弗化エチレンや樹脂で構成した場合、流体中
を超音波振動が伝播しないという実験結果とも照合す
る。すなわち、4弗化エチレンや樹脂などの剛性の小さ
な柔らかな素材で管路を構成した場合、これらを素材と
する管壁が振動吸収層として作用し、超音波振動が受信
用トランスジューに到達する前に減衰してしまうことが
原因の一つである可能性がある。 【0029】4弗化エチレンや樹脂などの柔らかな素材
で管路を構成した超音波流量計がうまく動作しない原因
の一つとして、超音波振動の励振効率が低下することも
考えられる。すなわち、円環形状のトランスジューサの
中心に管路を嵌合させた図1の(B)に示す構成では、
トランスジューサに発生する厚み方向の振動成分と径方
向への振動成分のうち、後者の成分によって管路がその
中心軸と直交する方向に伸縮する。 【0030】この伸縮が圧縮/膨張に関して等方性を有
する液体などの流体中で管軸方向への圧力と密度の疎密
波(縦波)に変換されて、流路の方向に伝播する超音波
信号となる。この際、管路Pの素材が樹脂のように柔ら
か過ぎると、これ自体が振動吸収体として作用し、あた
かも振動吸収体を通して流体中に超音波を伝達するよう
な結果となり、励振効率が大幅に低下するおそれがあ
る。 【0031】従って、本実施例のように管路Pを大きな
剛性のステンレス鋼などの金属や、同等あるいはそれ以
上の剛性を有するシリカなどの素材で構成すると共に、
このような管路の外周面上に樹脂やゴムなどの柔らかな
素材から成る振動吸収層を形成することにより管壁内を
伝播する超音波信号成分を減衰させる必要がある。これ
は、この液体中の伝播速度に比べて管壁内の伝播速度は
かなり大きいが、管路の各所で生ずる多重反射に起因し
てかなりの長時間にわたる残響が発生するため、流体中
を伝播した流速に依存して変化する成分と、管壁内を伝
播した流速に依存しない部分とが混在することにより、
測定の精度が大幅に低下することになるからである。 【0032】図5は、図1に示するように管路Pの外周
面に振動吸収層Dを形成した場合の受信用トランスジュ
ーサR1,R2による受信信号の波形を示す実験データ
である。信号波形(A)と(B)は送信用トランスジュ
ーサT1から超音波信号を送信した場合において、受信
用トランスジューサR1とR2で受信された信号波形で
ある。信号波形(C)と(D)は送信用トランスジュー
サT2から超音波信号を送信した場合において、受信用
トランスジューサR2とR1で受信された信号波形であ
る。流体中を伝播する成分を主体とする受信信号が得ら
れている。 【0033】図6は、図1の実施例の超音波流量計によ
る流速の測定結果(縦軸)と、ピストンプルーバ方式の
基準流量発生装置による発生流量のから求めた細管内断
面平均流速(横軸)と比較した実験データであり、縦
軸、横軸ともに単位はメートル/秒である。極めて良好
な結果が得られることが分かる。なお、上記基準流量発
生装置による発生流量は、0.4cc/min 〜1.6cc/min であ
る。 【0034】図7は、本発明の他の実施例の超音波流量
計の全体構成を示す全体構成図である。この実施例は、
流体の管路Pに沿って等間隔で3個のトランスジューサ
T1,T2,T3が設置されている。中央のトランスジ
ューサT2は受信専用であり受信回路RX2に接続され
ている。左側のトランスジューサT1は、送受共用であ
り、送受信切り換えスイッチSW1を介して送信回路T
X1と受信回路RX1とに接続される。右側のトランス
ジューサT3も同様に、送受共用であり、送受信切り換
えスイッチSW2を介して送信回路TX2と受信回路R
X3とに接続される。 【0035】流路の一方への伝播速度の測定に際して、
トランスジューサT1から超音波信号が送信され、トラ
ンスジューサT2とT3による受信が行われる。流路の
他方への伝播速度の測定に際して、トランスジューサT
3から超音波信号が送信され、トランスジューサT2と
T1による受信が行われる。受信信号は、A/D変換さ
れた、ディジタル・データ・プロセッサで処理され、表
示装置DISPに表示される。データの処理内容は、図
1に関して説明したものと同様であるから、重複する説
明を省略する。 【0036】図8は、本発明の更に他の実施例の超音波
流量計の全体構成を示す全体構成図である。この実施例
では、流体の管路Pの途中にループが形成され、このル
ープ内の管路Pの交差箇所に受信用トランスジューサR
1,2 が設置されている。この受信用トランスジューサR
1,2 の上流側と下流側とに送信用トランスジューサT1
とT2が設置されている。 【0037】一方の送信用トランスジューサT1から管
路P内の流体中に送信され管路Pに沿って伝播する超音
波信号は、ループに入る際に受信用トランスジューサR
1,2で受信され、この後、ループ内を伝播してここから
出る際に、再びこの受信用トランスジューサR1,2 で受
信される。これら超音波信号の受信信号波形は、受信回
路RX1,2 とA/D変換回路を経てDDPに転送され、
既に説明したと同様の相関法を用いて付与した遅延時間
が検出される。この付与した遅延時間は、超音波信号が
ループ内を伝播するのに要した上下流方向への伝播所要
時間差に他ならない。 【0038】他方の送信用トランスジューサT2から管
路P内の流体中に送信された超音波信号についても、同
様の方法で、ループ内の伝播所要時間が算定される。こ
の流れの方向と同一方向への伝播所要時間と流れの方向
と逆方向への伝播所要時間とから、管路P内の流体の流
速が算定され、この流速に管路Pの断面関と適宜な補正
係数とを用いて流量が算定される。 【0039】図9は、図8の実施例の超音波流量計にお
いて、送信用トランスジューサT1とT2のそれぞれか
ら送信した超音波信号を、受信用トランスジューサR1,
2 で2度受信した場合の受信信号波形である。(A)は
上流側の送信用トランスジューサT1から送信した場
合、(B)は下流側の送信用トランスジューサT2から
送信した場合である。2度目に出現する受信信号のレベ
ルは、ループ内を伝播する際に生ずる減衰によって減少
しており、この減衰量を補う程度までレベルを増幅した
のち相関が最大となる遅延量が計算される。 【0040】図10は、本発明の更に他の実施例の超音
波流量計の全体構成を示す全体構成図である。この実施
例では、流体の管路Pの途中にループが2回形成され、
このループ内の管路Pの交差箇所2箇所に受信用トラン
スジューサR1,2 、送信用トランスジューサT1,2 が設
置されている。 【0041】送信用トランスジューサT1,2 から管路P
内の液体中に送信され、管路Pに沿って上流方向と下流
方向とに伝播する超音波信号は、伝播距離に応じた順序
で受信用トランスジューサR1,2 に受信され、更に、ル
ープ内を伝播して再び受信用トランスジューサR1,2 に
受信される。このようにして受信された超音波信号から
既に説明したと同様の相関法を用いて付与した遅延時間
が検出される。この付与した遅延時間は、超音波信号が
ループ内を伝播するのに要した上下流方向への伝播所要
時間差に他ならない。これらの伝播時間差から流体の流
速が算定され、この流速に管路Pの断面積と適宜な補正
係数とを用いて流量が算定される。 【0042】図11は、図10の実施例の超音波流量計
において、送信用トランスジューサT1,2 から送信され
た超音波信号を受信トランスジューサR1,2 で受信した
場合の受信信号波形である。一度目と三度目に検出され
る波形の相関から上流方向に伝播する超音波の伝播所要
時間が検出され、二度目と四度目に検出される波形の相
関から下流方向に伝播する超音波の伝播所要時間が検出
される。 【0043】以上、説明の便宜上、図1や図7の実施例
において送信回路TXや受信回路RXをそれぞれ独立に
設置したが、これらの回路のうちのいくつかについては
信号路切り換えスイッチや方向性結合器や単向回路など
を用いて共用化し、時間をずらして共用する構成とする
ことができる。 【0044】また、一方の受信信号を遅延させたものと
他方の受信信号との相関をそのまま算定する構成を例示
した。しかしながら、各受信信号のうち所定の閾値を越
えた部分のみについて相関を算定することにより、雑音
の影響を更に軽減するという構成を採用することもでき
る。 【0045】更に、受信信号波形相互の相関の算定によ
り伝播時間を算定する本第1の発明を、微小内径の管路
を使用する第2の発明と共に説明した。これは、微細な
管路を使用する場合は、雑音の影響を特に受け易いこと
によるものである。しかしながら、この第1の発明に関
する限り、管路の内径には原理的には制約がなく、内径
の大きな通常のものにも適用できることは明らかであ
る。 【0046】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本第1の発
明の超音波流量計は、流路に沿って離間して配置した2
個のトランスジューサの受信信号の一方に遅延時間を付
与して相関をとり、この相関が最大となった時点で付与
されている遅延時間から前記伝播所要時間を算定する伝
播時間算定手段を備える構成であるから、相関のない雑
音が互いに相殺されて除去される。この結果、雑音の妨
害を受けない高精度の測定が可能になる。 【0047】本第2の発明の超音波流量計は、円環形状
のトランスジューサの中心に嵌合される細管が金属又は
これと同等の剛性を有する素材から構成されているの
で、高能率の励振と、伝播が可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の超音波流量計の全体構成図
(A)と、部分拡大斜視図(B)である。 【図2】上記実施例の超音波流量計における受信信号波
形の遅延と相関を使用した測定原理を説明するための信
号波形図である。 【図3】上記実施例において流体の流路を定める管路P
の外周面上に振動吸収層Dを形成しない場合に管壁内を
伝播する超音波信号の波形を示す実験データである。 【図4】上記実施例において流体の流路を定める管路P
の外周面上に振動吸収層Dを形成した場合に管壁内を伝
播する超音波信号の波形を示す実験データである。 【図5】上記実施例において流体中を伝播した受信用ト
ランスジューサに受信された超音波信号の波形を示す実
験データである。 【図6】上記実施例で得られた流路の測定値をより高精
度の流量計で得られた測定値と比較して示す実験データ
である。 【図7】本発明の他の実施例の超音波流量計の全体構成
図である。 【図8】本発明の更に他の実施例の超音波流量計の全体
構成図である。 【図9】図8の超音波流量計で得られた受信信号波形に
関する実験データである。 【図10】本発明の更に他の実施例の超音波流量計の全体
構成図である。 【図11】図10の超音波流量計で得られた受信信号波形に
関する実験データである。 【符号の説明】 P 流体の流路を定める管路 T1,T2 送信用トランスジューサ R1,R2 受信用トランスジューサ R1,2 受信用トランスジューサ D 振動吸収層 TX1,TX2 送信回路 RX1,RX2 受信回路 A/D A/D変換回路 DDP ディジタル・データ・プロセッサ DISP 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (74)上記2名の代理人 100088786 弁理士 櫻井 俊彦 (72)発明者 高本 正樹 茨城県つくば市梅園1丁目1番4号 工業 技術院計量研究所内 (72)発明者 石川 博朗 東京都羽村市栄町3丁目1番地の5 株式 会社カイジョー内 (72)発明者 星川 賢 東京都羽村市栄町3丁目1番地の5 株式 会社カイジョー内 (72)発明者 清水 和義 東京都羽村市栄町3丁目1番地の5 株式 会社カイジョー内 Fターム(参考) 2F035 AA06 DA07 DA14 DA20 DA22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】超音波信号を流体の流路に沿う方向に送信
    するトランスジューサと、 この流路に沿って離間して設置され、この流体を伝播す
    る前記超音波信号を受信する2個のトランスジューサ
    と、 これら2個のトランスジューサの受信信号に遅延時間を
    付与して相関をとり、この相関が最大の時点において付
    与されている遅延時間からこれら2個のトランスジュー
    サ間の前記超音波信号の伝播所要時間を算定する伝播時
    間算定手段とを備えたことを特徴とする超音波流量計。 【請求項2】請求項1において、 前記超音波信号を受信する2個のトランスジューサの上
    流側と下流側のそれぞれに、前記超音波信号を送信する
    トランスジューサが1個ずつ設置されたことを特徴とす
    る超音波流量計。 【請求項3】請求項1において、 前記超音波信号を受信する2個のトランスジューサのう
    ち前記超音波信号を送信するトランスジューサから遠い
    側のトランスジューサが後に超音波信号の送信用に切り
    換えられると共に、前記超音波信号を送信するトランス
    ジューサが後に超音波信号の受信用に切り換えられるこ
    とを特徴とする超音波流量計。 【請求項4】請求項3において、 前記3個のトランスジューサは、前記流路に沿って等間
    隔で設置されたことを特徴とする超音波流量計。 【請求項5】請求項1乃至4のそれぞれにおいて、 前記相関は、前記2個のトランスジューサの受信信号の
    うち所定の閾値を越えた部分のみについて算定されるこ
    とを特徴とする超音波流量計。 【請求項6】請求項1乃至5のそれぞれにおいて、 前記各トランスジューサは円環形状を呈し、前記流体の
    流路を定める管路は前記各トランスジューサの中心付近
    に嵌合されることを特徴とする超音波流量計。 【請求項7】請求項6において、 前記管路はループを描いて形成され、このループ内の前
    記管路が重なり合う箇所に、前記超音波信号を受信する
    2個のトランスジューサを実現するための1個の円環形
    状のトランスジューサが、その中心部分に2本の管路を
    嵌合させて配置され、その前後に2個の円環形状の送信
    用トランスジューサが配置されることを特徴とする超音
    波流路計。 【請求項8】請求項6において、 前記管路はループを描いて形成され、このループ内の前
    記管路が重なり合う箇所に前記超音波信号を受信する2
    個のトランスジューサを実現するための1個の円環形状
    のトランスジューサが、その中心部分に2本の管路を嵌
    合させて配置され、更にループを描いて形成された流路
    が重なり合う箇所に前記超音波信号を送信する2個のト
    ランスジューサを実現するための1個の円環形状のトラ
    ンスジューサが、その中心部分に2本の管路を嵌合させ
    て配置されることを特徴とする超音波流路計。 【請求項9】円環形状のトランスジューサの中心に流体
    を流す細管を嵌合させた構造の超音波流量計において、 前記細管は金属又はこれと同等の剛性を有する素材から
    成ることを特徴とする超音波流量計。 【請求項10】請求項9において、 前記細管の外周面上に樹脂又はゴムを素材とする振動吸
    収層が形成されたことを特徴とする超音波流量計。 【請求項11】請求項9と10のそれぞれにおいて、 前記細管は、ステンレス鋼で構成されたことを特徴とす
    る超音波流量計。 【請求項11】請求項9と10のそれぞれにおいて、 前記細管は、シリカで構成されたことを特徴とする超音
    波流量計。 【請求項13】請求項9乃至12のそれぞれにおいて、 前記細管の内径は、0.1 mm乃至1mmの範囲の値に設
    定されたことを特徴とする超音波流量計。 【請求項14】請求項9乃至13のそれぞれにおいて前記細
    管の肉厚は、0.1 mm以下の値に設定されたことを特徴
    とする超音波流量計。
JP2000009998A 2000-01-13 2000-01-13 超音波流量計 Pending JP2001194198A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000009998A JP2001194198A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 超音波流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000009998A JP2001194198A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 超音波流量計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001194198A true JP2001194198A (ja) 2001-07-19

Family

ID=18538071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000009998A Pending JP2001194198A (ja) 2000-01-13 2000-01-13 超音波流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001194198A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007021883A1 (en) * 2005-08-12 2007-02-22 Celerity, Inc. Ultrasonic flow sensor
JP2018532456A (ja) * 2015-08-28 2018-11-08 クリシー メディカル システムズ インコーポレイテッド 吸収体を備える流量センサシステム
JP2020046315A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 富士電機株式会社 超音波流量計
JP2021015024A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 旭有機材株式会社 螺旋式超音波流量計
US11385086B2 (en) 2018-07-06 2022-07-12 Becton, Dickinson And Company Flow sensor and method for adjusting fluid flow measurement

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007021883A1 (en) * 2005-08-12 2007-02-22 Celerity, Inc. Ultrasonic flow sensor
JP2018532456A (ja) * 2015-08-28 2018-11-08 クリシー メディカル システムズ インコーポレイテッド 吸収体を備える流量センサシステム
US10295384B2 (en) 2015-08-28 2019-05-21 Crisi Medical Systems, Inc. Flow sensor system with absorber
JP2020049242A (ja) * 2015-08-28 2020-04-02 クリシー メディカル システムズ インコーポレイテッド 吸収体を備える流量センサシステム
US10782166B2 (en) 2015-08-28 2020-09-22 Crisi Medical Systems, Inc. Flow sensor system with absorber
US11674831B2 (en) 2015-08-28 2023-06-13 Crisi Medical Systems, Inc. Ultrasonic flow sensor system including a flow tube with an absorber sheath encirling the flow tube
US11385086B2 (en) 2018-07-06 2022-07-12 Becton, Dickinson And Company Flow sensor and method for adjusting fluid flow measurement
US11821774B2 (en) 2018-07-06 2023-11-21 Becton, Dickinson And Company Flow sensor and method for adjusting fluid flow measurement
JP2020046315A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 富士電機株式会社 超音波流量計
JP7151311B2 (ja) 2018-09-19 2022-10-12 富士電機株式会社 超音波流量計
JP2021015024A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 旭有機材株式会社 螺旋式超音波流量計
JP7246275B2 (ja) 2019-07-11 2023-03-27 旭有機材株式会社 螺旋式超音波流量計

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10036763B2 (en) Beam shaping acoustic signal travel time flow meter
JP2005164571A (ja) 超音波流量計及び超音波センサ
JP5629265B2 (ja) 超音波流量計
JP2008134267A (ja) 超音波流量測定方法
CN106643939A (zh) 用于超声波流量计计算超声波传播时间的方法
WO2015126914A1 (en) Ultrasonic signal transmitting and receiving circuit assembly and ultrasonic system and method using the same
JP3761399B2 (ja) 超音波式流量測定器
JP2006078362A (ja) 同一軸型ドップラー超音波流速計
JP2001194198A (ja) 超音波流量計
JP3570315B2 (ja) 超音波式流量計およびそれを用いたガスメータ
JP2002236042A (ja) 流量計
JP3646876B2 (ja) 超音波流量計
JP3368305B2 (ja) 超音波流量計
JP6187343B2 (ja) 超音波測定器
WO2007083713A1 (ja) ドップラ式超音波流量計、流量測定方法およびコンピュータプログラム
JP2004245586A (ja) 超音波流量計および超音波による流量計測方法
WO2021234350A1 (en) Ultrasonic flow measurement
JP3535612B2 (ja) 超音波送受信装置
JPH11351928A (ja) 流量計および流量計測方法
JP2001249039A (ja) 超音波式ガス流速測定方法
JP3328505B2 (ja) 超音波流量計
JP2003083787A (ja) 超音波流量計
JP3646875B2 (ja) 超音波流量計
JPS61100616A (ja) 流量測定装置
JP2005180988A (ja) 超音波流量計