JP2001249039A - 超音波式ガス流速測定方法 - Google Patents

超音波式ガス流速測定方法

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JP2001249039A
JP2001249039A JP2000061935A JP2000061935A JP2001249039A JP 2001249039 A JP2001249039 A JP 2001249039A JP 2000061935 A JP2000061935 A JP 2000061935A JP 2000061935 A JP2000061935 A JP 2000061935A JP 2001249039 A JP2001249039 A JP 2001249039A
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Japan
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gas
flow
flow velocity
velocity
sound
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JP2000061935A
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English (en)
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Masamichi Ipponmatsu
正道 一本松
Hiroshi Matsushita
博 松下
Shigeru Tagawa
滋 田川
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近似式として得られる流速を音速を考慮して
補正することができ、流量を求める場合に流量係数とし
て的確な値を選定する。 【解決手段】 超音波を、流れに沿った順方向に伝播す
る順方向伝播時間t1と、流れに逆らう逆方向に伝播す
る逆方向伝播時間t2とを求めて、ガスの流速を求める
ガス流速測定方法において、順方向伝播時間t1と逆方
向伝播時間t2とからガスの音速Cを求め、この音速C
に基づく補正を行い、さらに前記音速Cから求まるガス
温度に基づいて流量係数βを求め、流量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定方向に流れる
ガスの上流側と下流側に、所定距離だけ離間させて送受
波器を設置し、前記送受波器の間で、超音波を、音の伝
播方向が流れに沿った方向である順方向に伝播させると
共に、流れに逆らった方向である逆方向に伝播させ、前
記順方向で超音波が送受波器間を伝播する順方向伝播時
間と、前記逆方向で超音波が送受波器間を伝播する逆方
向伝播時間とを求め、両伝播時間の関係に基づいて、前
記ガスの流速を求める流速測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような超音波を利用してガスの流速
を計測する場合の装置の構成を示した。上記の装置構成
にあって、順方向伝播時間t1と逆方向伝播時間t2と
ガス流速Vx(ただしガス流れの計測方向の速度成分)
は、音速をCとして以下のような関係となる。
【0003】
【数1】 t1=L/(C+Vx),t2=L/(C−Vx) Vx=L×(1/t1−1/t2)/2 ここで、Lは送受波器間の距離である。
【0004】この式を採用することにより、理想的に
は、ガスの音速Cに関係なく、ガス流速Vxが求められ
る。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、t1、
t2には計測誤差があり、且つ、通常CがVxに対して
非常に大きいため、求めたVxは音速Cに依存する誤差
項を持つ。従来、このような誤差項を適切に処理した技
術は見出せない。更に、求まる流速と計測部の断面積か
ら、計測部を流れるガスの流量を求めることができる
が、通常、計測部を流れる流量は、その流れ状態の影響
を受ける。流速と断面積に基づいて定義される流量に対
して、計測部における流量係数が定義されるのである
が、この流量係数として、測定状態に適合した値を採用
する必要があるが、現今の超音波メータにあっては、こ
の適合がガス温度との関係で充分では無く改良の余地が
ある。本発明の目的は、上記のような問題を解決するこ
とにあり、近似式として得られる流速を音速を考慮して
補正することができる方法を得ると共に、流量を求める
場合に流量係数として的確な値を選定して、精度のよい
流量を求める流量測定方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による、所定方向に流れるガスの上流側と下流
側に、所定距離だけ離間させて送受波器を設置し、前記
送受波器の間で、超音波を、音の伝播方向が流れに沿っ
た方向である順方向に伝播させると共に、流れに逆らっ
た方向である逆方向に伝播させ、前記順方向で超音波が
送受波器間を伝播する順方向伝播時間t10と、前記逆
方向で超音波が送受波器間を伝播する逆方向伝播時間t
20とを求め、両伝播時間の関係に基づいて、前記ガス
の流速を求める流速測定方法の特徴手段は、請求項1に
記載されているように、前記順方向伝播時間t10と前
記逆方向伝播時間t20とから、前記ガスの第一候補流
速Vx1を求める流速導出工程と前記ガスの音速Cを求
める音速導出工程とを備え、前記音速導出工程により求
められる音速Cにより前記流速導出工程により求められ
る第一候補流速Vx1を補正して第二候補流速Vx2を
得る流速補正工程を備え、第二候補流速Vx2を前記ガ
スの真の流速とすることにある。このような手法は以下
のように数式として表記することができる。但し第一候
補流速をVx1と、第二候補流速をVx2とし、F
(C)を音速Cにもとづく補正項とする。
【0005】
【数2】Vx1=L×(1/t1−1/t2)/2 Vx2=Vx1×F(C)
【0006】さて、本願が対象とする流速の測定方法に
あっては、上記したように流速と音速に関して成立して
いる連立方程式(数1の上段側に示す式)を解くこと
で、第一候補流速Vx1に加えて、ガスの音速Cも得る
ことができる。そして、先に説明したように、第一候補
流速Vx1は音速に基づく誤差分を含んでいるが、この
誤差分に関して、後にも示すように、音速Cと誤差との
関係を予め調べておくことが可能であり、このような誤
差を、実際に求められる音速Cから見積もることができ
る。よって、このような誤差分を考慮して流速を補正す
ることにより、音速まで考慮した状態で、第一候補流速
Vx1を補正することで第二候補流速Vx2を求め、こ
のような誤差を解消した真の流速とすることができる。
【0007】このような補正を実行するにあたっては、
請求項2に記載されているように、前記第二候補流速V
x2が、前記第一候補流速Vx1に、前記音速導出工程
で求まる前記音速Cの一次関係値を積算して求められる
構成とすることが好ましい。この場合、先の補正項F
(C)を音速Cの一次関係値とすることとなり、例え
ば、数式的に示すと下記のような式で代表できる。
【0008】
【数3】Vx2=Vx1×(1+(a+b×C)/L) ここで、a及びbは定数とする。
【0009】このような式を採用できる理由は以下の通
りである。超音波の到達時間t(これまで説明してきた
例にあってはt10もしくはt20)の誤差の代表的な
ものは、計測回路の時間遅れと、超音波の到達を判断す
るための時間がある。前者は、音速Cの0次、後者は音
速Cのー1次に比例すると言えるから、これらの要件を
考慮した場合の順方向到達時間t10及び逆方向到達時
間t20は、下記のようになる。
【0010】
【数4】t10=(L+a)/(C+Vx)+b t20=(L+a)/(C−Vx)+b 上記の式から補正項を含めた第二候補流速Vx2を導出
すると、以下のようになる。 Vx2=L×(1/t10−1/t20)/2×(1+
(a+b×C)/L) この式は、第一候補流速Vx1に対して、音速Cの一次
式で補正を加えることが可能であることを示している。 Vx1=L×(1/t10−1/t20)/2 F(C)=(1+(a+b×C)/L) ここで、a,bは、予め、実験的に求めることができ
る。従って、補正値として音速Cの一次関係値を採用す
ることで、真の値に近い流速を得ることができる。
【0011】さて、このようにして求められる流速か
ら、計測部を通過する流量を求めることとなるが、この
場合、流量を求める場合の流量係数が、測定の精度に特
に重要である。この点に関しては、請求項3に記載され
ているように、以下の構成を採用することができる。即
ち、上述の請求項1もしくは2に記載の構成において、
請求項3に記載されているように、前記ガスが複数種の
ガスが混合された混合ガスであり、前記音速導出工程に
より求められる音速Cから、ガス組成が所定組成である
条件の下にガスの温度を求め、求められるガス温度に依
存した第一流量係数β1を求め、前記流速導出工程にお
いて求められる流速Vx2と前記計測部の断面積S0及
び、前記第一流量係数β1に基づいて計測部を流れるガ
スの流量を求める構成を採用する。この手法は、計測部
における流量を、流速、計測部の断面積及びその部位の
流量係数から求めようとする場合に、別途求めることが
できるガスの温度に基づく流量係数の変化を加味するも
のである。即ち、複数種のガスが混合されてなる混合ガ
スにあっては、その混合組成(ガス組成)が決まってい
ると、このような混合ガスの音速は、ガス温度の関数と
なるため、ガスの音速から、他の物理的要件が変化しな
いものとして、逆に混合ガスの温度を得ることができ
る。そして、このようにして求まる温度から計測部のレ
イノルズ数を、さらに、このレイノルズ数における計測
部の第一流量係数を得ることができる。ここで、音速、
温度、レイノルズ数、流量係数間の関係は、混合ガスの
ガス組成、計測部の形状等を含む構成が決まっており、
ガス組成及びガス圧に変化が無いとの仮定の下において
は、予め実験的に対応表等として求めておくことができ
る。従って、結局、音速から、この音速が発現する温度
における温度依存の的確な第一流量係数を求めることが
可能となる。従って、流量を求める場合に、ガス温度に
関係する流量係数を、第一流量係数として的確に把握す
ることにより、この第一流量係数を使用することで、真
の流量に近い精度の高い流量を得ることができる。
【0012】さて、上記のようにして流量を求める場合
に、請求項3に記載の構造においては、音速の変化がガ
ス温度によるものであることが予定されている。一般家
庭用ガスの計量等に用いられるガスメータの場合、供給
圧力変化の許容幅は、絶対圧の1/100程度であるか
ら、ガス密度に10%以上の変化を生じさせる可能性の
ある温度変化や、組成変化に基づく比熱比の変化に比べ
て、圧力変化の寄与分は、充分に小さいと見込める。従
って、このような機器を対象とする場合、圧力変化の寄
与分は無視できるが、上記した温度変化に対して、組成
変化分は、これが発生しているがどうかを評価し、この
評価に従って、上記の補正の適格性を判断することが好
ましい場合もある。よって、この場合の対応構造を開示
するのが以下の流量測定方法である。即ち、上記の請求
項1または2に記載の構成において、請求項4に記載さ
れているように、前記ガスが複数種のガスが混合された
混合ガスであり、前記音速導出工程により求められる音
速Cから、ガス組成が所定組成である条件の下に導出さ
れるガスの温度と、独立して設けられる温度センサによ
り検出される温度との差に基づいて、ガス組成の所定組
成からの変化を判断し、前記ガス組成に変化がない場合
に、前記音速導出工程により求められる音速Cから、ガ
ス組成が所定組成である条件の下にガスの温度を求め、
求められる温度の関数としての計測部における第一流量
係数β1を求め、求められる前記真の流速Vx2と前記
計測部の断面積S0及び前記第一流量係数β1に基づい
て前記計測部を流れるガスの流量を求め、前記ガス組成
に変化がある場合に、予め設定された第二流量係数β2
と、求められる前記真の流速Vx2と前記計測部の断面
積S0に基づいて前記計測部を流れるガスの流量を求め
るようにするのである。この構成にあっては、温度セン
サを別途設け、このセンサの検出値と超音波手法により
求まる温度との比較を行う。ここで、超音波側の導出温
度は、ガス温度自体の変化による可能性があると共に、
ガス組成の変動による可能性もあるが、実際の温度セン
サ出力との比較により、ガス温度の変化によるものか、
それ以外の要因によるものかの判断ができる。従って、
ガス温度の変化が実際に発生している場合は、請求項3
に記載の手法に従って、第一流量係数を採用して計測部
を流れる流量を求めるものとし、ガス温度変化以外の要
因が発生している可能性がある場合は、予め求められて
いる第二流量係数によるものとする。このように、ガス
温度の変化の有無を判別して、その状態に適合した流量
係数を適宜、使用することにより、流れの状態に適合し
た適切な流量を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本願の流速測定方法を使用する流
速測定装置1の構成及びその働きを、図1に基づいて説
明する。図1には、本願の流速測定装置1を、計測管2
内を流れるガスfの流速測定に使用している状況が示さ
れている。同図において流速計測対象のガスfは、導入
部3から計測管2内に流入し、導出部4より排出され
る。同図において、計測管2内でのガスfの流れ方向
は、大矢印で示すように、図上、左から右である。この
計測管2には温度センサSが備えられており、このセン
サSによりガスの温度が測定可能に構成されている。
【0014】流量測定装置1は、計測管2に対して所定
の方向に位置づけて設けられる一対の送受波器5と、こ
の送受波器5に接続される装置本体8とから構成されて
いる。装置本体8は、コンピュータから構成されてお
り、その内部に以下に示す様々な手段が備えられてい
る。主な手段について、その概略を説明しておくと、伝
播時間計測手段6は、先の超音波の送受波器5を動作制
御して、順方向伝播時間t10と逆方向伝播時間t20
を求めるものである。第一流速導出手段7は、伝播時間
計測手段6より順方向伝播時間t10と逆方向伝播時間
t20を受けて第一候補流速Vx1を導出するものであ
り、音速導出手段70は、同じく、伝播時間計測手段6
より順方向伝播時間t10と逆方向伝播時間t20を受
けて音速Cを導出するものである。第二流速導出手段9
は、前記第一候補流速Vx1を第一流速導出手段7か
ら、前記音速Cを音速導出手段70から受けて、第二候
補流速Vx2を導出するものである。この場合、記憶手
段10から補正式のための係数(a,b)が読み込まれ
る。一方、音速導出手段70によって求められた音速C
は、温度導出手段11により混合ガスの標準ガス組成
(所定ガス組成)に基づいてガス温度(推定温度)に変
換され、判断手段12に送られる構成が採用されてい
る。判断手段12は、温度センサSからの測定温度と温
度導出手段11からの推定温度とを受けて、これらの間
の差を求め、求められる差に基づいて、差が所定値より
も大きい場合は、ガスの温度変化が起こらず、ガス組成
の変化が起こっていると判断する。一方、差が小さい場
合は、ガス組成に変化が起こらず、ガス温度の変化がな
いか、起ったと判断する。この判断結果は、流量導出手
段13に送られ、流量導出の用に供せられる。流量導出
手段13にあっては、第二流速導出手段9から第二候補
流速Vx2を、判断手段12から判断結果を、さらに記
憶手段10から前記判断手段12による判断結果に基づ
いた流量係数βを受けて、流量を導出する。従って、本
願装置から計測部14におけるガスの流速と流量を得る
ことができる。
【0015】以下、順次説明する。所定の計測部14の
両端部には、流速計測装置1の順方向と逆方向で対とな
る送受波器5が備えられている。これら送受波器5の離
間距離Lは一定とされる。この送受波器5は、それぞ
れ、超音波の送波器5aと受波器5bとを備えており、
本体側から指令に従って、一方側の送波器5aでは、超
音波を一方側から他方側へ送信可能に構成されていると
共に、他方側の受波器5bでは、一方側から所定のタイ
ミングで送信された超音波を受信することにより、その
超音波の伝播時間(一方側の送波器5aにおける送信タ
イミングと他方側の受波器5bにおける受信タイミング
の時間差)を割り出すことが可能に構成されている。こ
の操作は、流れ方向に対して逆転した位置関係にある送
波器5aと受波器5bに関しても同様に実行可能とさ
れ、流れ方向に沿った順方向と、逆方向との両方向で、
超音波が伝播され、各超音波の伝播時間を求めることが
できる構成が採用されている。図1の構成にあっては、
図上左側にある送受波器5が上流側のものであり、右側
にある送受波器5が下流側にあるものである。
【0016】上記構造において、伝播時間の計測は、超
音波を、音の伝播方向が流れに沿った方向である順方向
に伝播させると共に、流れに逆らった方向である逆方向
に伝播させ、前記順方向で超音波が送受波器間を伝播す
る順方向伝播時間t10と、逆方向で超音波が送受波器
間を伝播する逆方向伝播時間t20とを求める作業を一
対として伝播時間計測手段6によっておこなうように構
成されている。
【0017】さらに、本願装置1には、伝播時間計測手
段6により求められる順方向伝播時間t10と逆方向伝
播時間t20とに基づいて、ガスの第一候補流速Vx1
を求める第一流速導出手段7が、装置本体8内に備えら
れている。この第一流速導出手段7により第一候補流速
Vx1は、下記式で与えられる。
【0018】
【数5】 Vx1=L×(1/t10−1/t20)/2 また、伝播時間計測手段6により求められる順方向伝播
時間t10と逆方向伝播時間t20とに基づいて、ガス
の音速Cを求める音速導出手段70が、装置本体8内に
備えられている。この音速導出手段70により音速は、
下記式で与えられる。 C=L×(1/t10+1/t20)/2
【0019】上記の第一流速導出手段7と音速導出手段
70とによって導出される第一候補流速Vx1と音速C
とに基づいて音速に基づく補正を行った第二候補流速V
x2を求める第二流速導出手段9を備えている。この第
二流速導出手段9は、前記第一流速導出手段7によって
導出される第一候補流速Vx1に対して予め求められて
いるデータと、前記音速導出手段70により求まる音速
Cに基づいて、音速による補正をかけるものであり、こ
の補正は以下の式に従ったものである。
【0020】
【数6】Vx2=Vx1×F(C) F(C)=(1+(a+b×C)/L) ここで、a及びbは記憶手段10に予め記憶されている
データであり、前実験等で予め求められている値であ
る。
【0021】従って、本願装置にあっては、第一流速導
出手段7により一旦、第一候補流速Vx1を導出した
後、音速を考慮した補正F(C)を加えることで、真の
流速としての第二候補流速Vx2を求めることができ
る。
【0022】さて、上記のようにして求まった真の流速
から計測部14を流れる流量を求める流量導出手段13
が設けられている。この流量導出手段13は、真の流速
と計測部14の断面積S0との積に基づいて、それに流
量係数βを積算することで、真の流量を導出するもので
ある。本願にあっては、この流量係数βが、概略、ガス
温度が変化した場合に使用する第一流量係数β1と、ガ
ス温度以外のガス組成等が変化した場合に使用する第二
流量係数β2として与えられる構成が採用されている。
ここで、第一流量係数β1、第二流量係数β2とも、対
応する物理量(ガス温度、レイノルズ数、ガス組成等)
の値に従った数表として用意されている。第一流量係数
β1は、基本的にはレイノルズ数に対してそのその値を
特定できるように構成されると共に、第二流量係数β2
は、ガス組成の変化一般に対応して、その値を特定でき
るように構成されている。
【0023】先ず、ガス温度の変化に対して好適な流量
係数を選択するための系に関して説明する。一般に流量
係数βは、流れを代表するレイノルズ数に依存するが、
このレイノルズ数は温度の関数である。従って、流量係
数βは、実際上、計測部14におけるガス温度に依存し
て定まる。一方、本願の装置では、音速導出手段70に
よりガスの音速が導出されており、この音速は、ガス組
成が変化しない場合は、ガス温度の関数である。このよ
うな関係を考慮して、装置本体に備わる記憶手段10に
は、標準ガス組成(所定ガス組成)の場合で、計測部1
4においてガス流量の測定を行う場合における、ガス温
度、レイノルズ数、流量係数を繋ぐ、予め求められた表
が備えられている。更に、ガスが標準組成の場合の音速
からガス温度を導出する温度導出手段11が備えられて
おり、音速導出手段70により求まる音速から標準組成
のガス温度を導出できるようになっている。そして、こ
のようにして求まるガス温度と別途求まっている第二候
補流速Vx2を利用して、前記記憶手段10に記憶され
ている情報より、レイノルズ数を介して計測時点におけ
る計測部14の状態に適応した第一流量係数β1が得ら
れる構成とされている。従って、この第一流量係数β1
は、ガス温度が変化した場合に、その粘性等が変化する
場合に対応して決まる的確な流量係数とできる。流量導
出手段13において、上記のようにして、音速、ガス温
度、レイノルズ数を介して得られる第一流量係数β1及
び計測部14の断面積S0に従って、正しい流量を求め
ることができる。本願の場合、超音波の伝播方向に沿っ
た流量が一次的に求まるが、出力に際しては流れ方向に
合せたものに変換する。
【0024】さて、上記がガス温度の変化を考慮した流
量の導出手法であるが、ガス側での状態の変化は、ガス
温度に変化がおこるのみならず、ガス組成等の変化が起
こることもある。このような場合に、単純に上記構造を
採用すると、ガス組成等の変化が発生しているにも係わ
らず、誤って、ガス温度変化に基づく補正を実行してし
まう可能性がある。このような不具合を解消するために
設けられている構成が以下の構成である。即ち、温度セ
ンサSからは計測部14におけるガスの温度が得られる
のであるが、同時に、音速導出工程により求められる音
速から、ガス組成が標準組成である条件の下に、温度導
出手段70によりガスの温度(推定温度)が得られるよ
うに構成されている。そして、これらの温度情報(測定
温度及び推定温度)が判断手段12に送られて、両者間
の差に基づいて、ガス組成の標準組成からの変化が判断
されるようになっている。即ち、両者間の差が大きい場
合は、ガス組成が標準組成からずれていると判断し、差
が小さい場合は、ガス組成は標準組成に保たれていると
判断する。この手段12においては、この判断結果は、
図1に示すように、流量導出手段13に送られる。記憶
手段10に格納した情報を参照しながら、ガス組成に変
化がないと判断した場合は、前述のレイノルズ数を介し
て第一流量係数β1を求めるシーケンスとり、真の流速
と計測部の断面積及び第一流量係数β1に基づいて計測
部14を流れるガスの流量を求め。一方、ガス組成に変
化がある場合に、予め設定された第二流量係数β2と、
求められる真の流速と計測部の断面積に基づいて計測部
を流れるガスの流量を求める構成が採用されている。こ
こで、第二流量係数β2は、ガス組成に変化が起こって
いる場合に適応できる流量係数である。
【0025】〔別実施形態〕 〈1〉 上記の実施の形態例にあっては、超音波の計測
回路の特性に係わる補正をおこなう例に関して説明した
が、以下のような補正をおこなう構成を採用しても良
い。超音波メータの代表的流路構造であるZ型流路にお
いては、図2に示すようにガスの流れない部位14aの
伝播距離L1とガスが流れる部位14bの伝播距離L2
が存在する。この場合、到達時間は以下の式となる。
【0026】
【数7】t10=L2/(C+Vx)+2×L1/C t20=L2/(C−Vx)+2×L1/C この場合に、L=L1+2×L2を考慮して、 M(C)=L×(1/t10−1/t20)/2 は、以下のようになる。 =(Vx×L2 ーVx×L1×L/C)/(L2 ー(2
×L1×Vx/C)2 ) ここで、L、L1は既知量であるから、誤差関数F
(C)はM(C)×F(C)=Vxで定義される陰関数
とすることができ、このような陰関数を採用して補正を
施すことも可能である。この場合も、補正は音速による
こととなる。 〈2〉 上記の実施の形態においては、流量係数を温度
に基づいて求める場合にガス組成が標準組成のものを基
準としたが、この基準は任意に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流速測定装置の使用状態を示す図
【図2】更なる補正手法を適応する伝播環境の説明図
【符号の説明】
1 流速測定装置 2 計測管 3 導入部 4 導出部 5 送受波器 6 伝播時間計測手段 7 第一流速導出手段 8 装置本体 9 第二流速導出手段 10 記憶手段 11 温度導出手段 12 判断手段 13 流量導出手段 14 計測部 70 音速導出手段 f ガス L 離間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田川 滋 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 2F030 CA03 CC13 CD15 CD20 CE04 2F031 AC01 2F035 DA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向に流れるガスの上流側と下流側
    に、所定距離だけ離間させて送受波器を設置し、前記送
    受波器の間で、超音波を、音の伝播方向が流れに沿った
    方向である順方向に伝播させると共に、流れに逆らった
    方向である逆方向に伝播させ、前記順方向で超音波が送
    受波器間を伝播する順方向伝播時間と、前記逆方向で超
    音波が送受波器間を伝播する逆方向伝播時間とを求め、
    両伝播時間の関係に基づいて、ガスの流速を求めるガス
    流速測定方法であって、 前記順方向伝播時間と前記逆方向伝播時間とから、前記
    ガスの第一候補流速を求める流速導出工程と前記ガスの
    音速を求める音速導出工程とを備え、 前記音速導出工程により求められる音速により前記流速
    導出工程により求められる第一候補流速を補正して第二
    候補流速を得る流速補正工程を備え、 第二候補流速を前記ガスの真の流速とする流速測定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第二候補流速が、前記第一候補流速
    に、前記音速導出工程で求まる前記音速の一次関係値を
    積算して求められる請求項1記載の流速測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の流速測定方法に
    おいて、 前記ガスが複数種のガスが混合された混合ガスであり、 前記音速導出工程により求められる音速から、ガス組成
    が所定組成である条件の下にガスの温度を求め、求めら
    れる温度の関数としての計測部における流量係数を求
    め、求められる前記真の流速と前記計測部の断面積及び
    流量係数に基づいて前記計測部を流れるガスの流量を求
    める流量測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の流速測定方法
    において、 前記ガスが複数種のガスが混合された混合ガスであり、 前記音速導出工程により求められる音速から、ガス組成
    が所定組成である条件の下に導出されるガスの温度と、
    独立して設けられる温度センサにより検出される温度と
    の差に基づいて、ガス組成の所定組成からの変化を判断
    し、 前記ガス組成に変化がない場合に、前記音速導出工程に
    より求められる音速から、ガス組成が所定組成である条
    件の下にガスの温度を求め、求められる温度の関数とし
    ての計測部における第一流量係数を求め、求められる前
    記真の流速と前記計測部の断面積及び前記第一流量係数
    に基づいて前記計測部を流れるガスの流量を求め、 前記ガス組成に変化がある場合に、予め設定された第二
    流量係数と、求められる前記真の流速と前記計測部の断
    面積に基づいて前記計測部を流れるガスの流量を求める
    流量測定方法。
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